JPH11256985A - 掘進機 - Google Patents

掘進機

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JPH11256985A
JPH11256985A JP6126498A JP6126498A JPH11256985A JP H11256985 A JPH11256985 A JP H11256985A JP 6126498 A JP6126498 A JP 6126498A JP 6126498 A JP6126498 A JP 6126498A JP H11256985 A JPH11256985 A JP H11256985A
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cutter disk
shield
water
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excavator
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保徳 近藤
Hiroichi Mayu
博一 摩湯
Seijiro Wakamiya
聖治郎 若宮
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温の地層や地盤におけるトンネルの掘削作
業を可能にする水冷構造を備えた掘進機を提供する。 【解決手段】 周囲にシールド2を備えた掘進機本体1
Aの前端に、カッターディスク3を回転自在に配備した
シールド掘進機1において、カッターディスク3の羽根
板部分3Bおよびシールド2の少なくとも前部をそれぞ
れ中空構造にし、各中空部2A・3A内を冷却水が流通
する水冷構造にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、周囲にシールド
を備えた掘進機本体の前端にカッターディスクを回転自
在に配備した掘進機に関するもので、特に火山地帯など
の高温(100℃前後)の地層や地盤ならびに大深度地
層(地層内温度100〜150℃)にトンネルを掘削可
能な掘進機に関する。本明細書で掘進機とは、比較的軟
弱な地盤を掘削する一般にシールド掘進機と呼ばれるタ
イプの掘進機、およびカッターディスクにローラーカッ
ターを備えた主として岩盤を掘削する一般にトンネル掘
削機と呼ばれるタイプの掘進機を含むものとする。
【0002】
【従来の技術】従来、高温・高熱の地層や地盤にトンネ
ルを掘削する方法として、特公昭54−31621号公
報に岩盤を冷却し、良好な作業環境の下に掘進作業を安
全に行わせるための岩盤冷却方法が提案されている。し
かしながら、掘削機自体について高温・高熱の地層や地
盤にトンネルを掘削する構造は提案されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常、掘進機には、相
対回転箇所や相対摺動箇所にシール部材が使用されてい
るが、この種のシール部材はポリウレタン樹脂などから
形成されており、耐熱温度は70℃〜80℃程度であ
る。また、掘進機には油圧モータやシールドジャッキな
どの油圧機器が用いられているが、それらの油圧機器に
使用されている作動油も、70℃程度までを使用限界温
度としている。このような理由により、従来の掘進機に
よるトンネルの掘削は、70℃以上の高温地層や地盤で
作業を行うのは困難であった。
【0004】本発明は上記のような点に鑑みなされたも
ので、高温地層や地盤におけるトンネルの掘削作業を可
能にする水冷構造を備えた掘進機を提供することを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の掘進機は、周囲にシールドを備えた掘進機
本体の前端に、カッターディスクを回転自在に配備した
掘進機において、前記カッターディスクの本体部分(開
口を除く部分)および前記シールドの少なくとも前部を
それぞれ中空構造にし、各中空部内を冷却水が流通する
水冷構造にしている。
【0006】上記の構成を有する本発明の掘進機によれ
ば、高温な地山に常に接触して掘削作業を行い、高温の
掘削土砂を取り込むカッターディスクとこのカッターデ
ィスクに隣接するシールドの少なくとも前部は、中空部
になっており、そこを冷却水(通常は常温の水)が流通
することにより冷却される。冷却水は循環され、外部に
放熱して冷却されるなどして常に入れ替わるので、例え
ば100℃前後の地層や地盤であっても、これと接する
カッターディスクやシールドの表面温度はせいぜい70
℃前後の温度までしか上昇しない。また、カッターディ
スクの相対回転箇所に配置されているシール部材やカッ
ターディスクを回転駆動させる油圧モータなどは掘進機
本体内に位置し、カッターディスクやシールドの表面温
度よりもやや温度が低下するから、使用限界温度を超え
ることはなく、トンネルの掘削が可能になる。
【0007】請求項2記載のように、前記カッターディ
スクの後方にバルクヘッドを備え、該バルクヘッド前方
のカッターチャンバー内にスクリュウの前端部を臨ませ
てスクリュウコンベヤの前端がバルクヘッドに連設され
た掘進機であって、前記バルクヘッドおよび前記スクリ
ュウコンベヤのケーシングをそれぞれ中空構造にし、各
中空部内を冷却水が流通する水冷構造にすることができ
る。
【0008】請求項2記載の掘進機によれば、カッター
ディスクの回転によりカッターチャンバー内に取り込ま
れる掘削土砂の温度がほとんど低下せず、高温に維持さ
れると仮定しても、後方のバルクヘッドも冷却水で冷却
されて表面温度の上昇は抑えられるから、カッターチャ
ンバー内の掘削土砂がバルクヘッドと接触することによ
ってある程度冷却される。そして、掘削土砂はスクリュ
ウコンベヤによって排出されるが、スクリュウコンベヤ
のケーシングも中空部内を流通する冷却水で冷却されて
いるから、スクリュウにより搬送される間に掘削土砂も
冷却され温度が徐々に低下していくので、付属のスクリ
ュウ回転用の油圧モータや排土口開閉用の油圧ジャッキ
の作動油あるいはモータやジャッキ内のシールやOリン
グなどが熱的な損傷を受けることがない。
【0009】請求項3記載のように、前記カッターディ
スク中空部の中心部に、ロータリージョイントを介して
給水管と排水管をそれぞれ接続するとともに、前記カッ
ターディスク中空部内には中心部より外周部にかけて半
径方向に連通し前記給水管に接続される給水路を前面側
に、外周部より中心部にかけて半径方向に連通し前記排
水管に接続される排水路を後面側にそれぞれ設けること
が望ましい。
【0010】請求項3記載の掘進機によれば、ロータリ
ージョイントを介して給水管より給水路に供給された冷
却水は、カッターディスクの回転による遠心力の作用を
受けてカッターディスクの中心部より給水路に沿って外
周部へ流通する。この間に、高温の地山と常に接触する
カッターディスクの前面が本体の中空部内を流通する冷
却水によって冷却され、カッターディスク前面の温度上
昇が抑えられる。一方、カッターディスクの外周部まで
流通した冷却水は給水路がほぼ満水状態まで満たされた
のち、カッターディスクの後面側の排水路を流通して中
心部へ移動し、排水管を通ったのちロータリージョイン
トを介して排水されることにより、カッターディスク内
には常に新しい冷却水が供給され、排水路・排水管を通
って循環される。これにより、カッターディスクの前後
面が共に冷却され、カッターディスク全体の温度上昇が
抑えられる。
【0011】請求項4記載のように、前記バルクヘッ
ド、前記スクリュウコンベヤのケーシングあるいは前記
シールドに対し、低位に冷却水供給管を高位に冷却水排
出管をそれぞれ接続するのがよい。
【0012】請求項4に記載の構成により、バルクヘッ
ド、スクリュウコンベヤのケーシングあるいはシールド
の中空部内に、低位つまり上下方向の低い位置から冷却
水が供給されることにより各中空部内が満水状態となっ
たのちに排水が開始されるので、バルクヘッド、スクリ
ュウコンベヤのケーシングあるいはシールドの中空部内
はそれぞれ冷却水によって満たされた状態を保ちつつ冷
却水が入れ替わり、十分に冷却される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る掘進機の実施
の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】図1は本発明の掘進機の実施例を示す中央
縦断面図、図2は図1の掘進機の正面図、図3は左半分
が図1のA−A断面図、右半分が図2の図1のB−B断
面図である。図4は図2のX−X線断面図である。
【0015】図1〜図3に示すように、本例の掘進機1
は押し管式の泥土圧式シールド掘進機で、前胴(掘進機
本体ともいう)1Aの後端部に中折れ式の後胴1Bをシ
ール部材14を介して前後方向に摺動自在に具備してい
る。掘進機本体1Aは周囲に円筒状のシールド2を備
え、このシールド2の前端には、多数のカッタービット
3Dを備えたカッターディスク3が回転自在に配設され
ている。カッターディスク3の裏面周縁部からカッター
ドラム4が後方に突設され、シールド2内の前端部周囲
に配設されたリング状フレーム5とバルクヘッド6の周
縁部に配設されたリング状フレーム7との間で、カッタ
ードラム4がそれぞれシール部材5A・7Aを介して回
転可能に支持されている。支持リング4の後端には、内
向きのリングギヤ8が一体回転可能に固設され、シール
ド2内の前端部にリング体13が配設され、このリング
体13の内周寄りに円周方向に間隔をあけて配設された
複数の油圧モータ9の各駆動ギヤ10がリングギヤ8に
噛合され、全ての油圧モータ9の駆動によりカッターデ
ィスク3が回転する。
【0016】シールド2内の前記リング体13の外周寄
りに円周方向に等間隔に複数本のシールドジャッキ12
が後方に向けて配設されている。各シールド(方向制
御)ジャッキ12のロッド12A後端は,中折れ部材1
5を介して後胴1Bの前端に連結されている。後胴1B
の後端周囲に、断面L形の当接部材(プレストリング)
16が固設され、掘進機1の後方に逐次構築されるセグ
メントピースやヒューム管等からなるトンネル壁Sの前
端に当接部材16を押し当てた状態で、シールドジャッ
キ12を後方へ伸長させることにより、その反力で掘進
機本体1Aが前方へ掘進される。また、スクリュウコン
ベヤ17がバルクヘッド6の下部から後方に向け上向き
に傾斜させて配設されており、スクリュウコンベヤ17
内に配装されたスクリュウ17Aの前端部がバルクヘッ
ド6に設けられた開口6cから、カッターチャンバー1
8内に突出している。スクリュウコンベヤ17は前部寄
りの下面を支持フレーム19により支持されている。ス
クリュウコンベヤ17の後端には、スクリュウ17Aの
回転駆動用の油圧モータ20が付属され、さらにスクリ
ュウコンベヤ17の円筒状ケーシング21の後端部下面
に排土口22が開口され、この排土口22に開閉蓋23
が付属の油圧ジャッキ24により開閉自在に装着されて
いる。なお、図3中の符号11は土圧計である。
【0017】さて、本例に係るシールド掘進機1は、高
温・高熱の地層や地盤でのトンネルの掘削作業を可能に
するため、次のような工夫が施されている。
【0018】すなわち、カッターディスク3、カッター
ドラム4、シールド2、バルクヘッド6、後胴1Bおよ
びスクリュウコンベヤ17のケーシング21などを水冷
構造に構成している。
【0019】まず、カッターディスク3は、図4に示す
ように、バルクヘッド6の中心部を貫通させて給排水筒
25の前端をカッターディスク3の中心部に結合し、軸
受26を介して給排水筒25を回動自在にバルクヘッド
6に支承する。給排水筒25は同心の二重円筒状管にし
て内周側を給水管25aに、外周側を排水管25bにそ
れぞれ形成し、後端部にロータリージョイント27を装
着し、このロータリージョイント27に給水管25aに
連通する開閉弁付き給水管27aと排水管25aに連通
する開閉弁付き排水管27bとをそれぞれ取着してい
る。カッターディスク3の本体は、図2に示す開口3E
を除く3枚の羽根板部分(本体部分ともいう)3Bを二
重壁構造とし、それぞれに図4のように中空部3Aを形
成する。中空部3A内は厚み方向の中間部に芯体3bを
配設し、この芯体3bを挟んで前面側を正面より見て略
扇形の給水路3cに、後面側を同じく略扇形の排水路3
dにそれぞれ形成している。そして中空部3A内の中心
部において、給水管25aと給水路3cとの連通部3e
を、排水管25bと排水路3dとの連通部3fを設けて
いる。
【0020】また、カッタードラム4にも、給水部4A
と排水部4Bとをそれぞれ設けている。シールド2は二
重殻構造にして、内部に中空部2Aを形成し、この中空
部2A内は前後方向の中央よりやや前方寄りの位置で仕
切り壁2Bにより仕切って前後に分割している。そして
前側の中空部2Aと後ろ側の中空部2Aとにおいて、そ
れぞれの底付近に開閉弁付きの給水管28・29を接続
するとともに、それぞれの天井付近に開閉弁付きの排水
管30・31を接続している。
【0021】バルクヘッド6はマンホール6a、給排水
筒25の貫通部、スクリュウコンベヤ17の開口6cの
各箇所を除き二重壁構造にし、内部に中空部6Aを形成
している。図示は省略しているが、バルクヘッド6の後
壁6bの底部付近に開閉弁付きの給水管を、天井付近に
開閉弁付きの排水管をそれぞれ接続している。
【0022】スクリュウコンベヤ17のケーシング21
についても、図1のように二重壁構造にして内部を中空
部21Aに形成するとともに、長手方向のほぼ中間部で
中空部21A内を前後に仕切っている。そして前側の中
空部21Aと後ろ側の中空部21Aとにおいて、それぞ
れの低い位置に開閉弁付きの給水管34・35を接続す
るとともに、それぞれの高い位置に開閉弁付きの排水管
36・37を接続している。後胴1Bは本体を二重殻構
造にして内部を容積の大きな中空部38に形成し、中空
部38の底付近に開閉弁付きの給水管39を、天井付近
に開閉弁付きの排水管40をそれぞれ接続している。
【0023】以上のように構成された本実施例のシール
ド掘進機1について使用態様を説明する。図1におい
て、開閉弁付き給水管27aと開閉弁付き排水管口27
b、開閉弁付きの給水管28・29と開閉弁付きの排水
管30・31、開閉弁付きの給水管34・35と開閉弁
付きの排水管36・37、開閉弁付きの給水管39と開
閉弁付きの排水管40にそれぞれ給水ホースあるいは排
水ホースを接続する。各ホースの他端側はポンプを介在
させてシールド掘進機1の後方のトンネル内あるいは地
上に設置した大型のタンクに接続し、タンク内に貯留さ
れている常温(20℃前後)の水をカッターディスク3
の中空部3A、シールド2の中空部2A、バルクヘッド
6の中空部6A、スクリュウコンベヤ17のケーシング
21の中空部21Aおよび後胴1Bの中空部38にそれ
ぞれ注入する。カッターディスク3を除く各中空部2A
・6A・21A・38内には底部から冷却水が溜まって行
き、中空部2A・6A・21A・38内がほぼ満水状態に
なったときに排水が始まり、中空部2A・6A・21A・
38内がほぼ冷却水で満たされた状態で冷却水が循環さ
れる。このため、冷却効果が高く、100℃前後の地山
に対するトンネルの掘削作業の場合でも、各部の表面温
度は70℃以下に抑えられる。
【0024】一方、カッターディスク3の冷却に関して
は、中心部から各中空部3A内に注水されるので、最初
に中心部より下方に位置する中空部3Aの給水路3cと
排水路3dに冷却水が溜まる。そして、給排水を継続し
たままカッターディスク3の回転を開始することによ
り、中心部より下方に位置する中空部3Aの位置が上下
方向において変化するので、一回転〜数回転すると各中
空部3A内の主に給水路3c側が冷却水で満水状態にな
る。そして、トンネルの掘削作業が開始され、通常の回
転速度に達すると、給水路3c側に溜まった冷却水はポ
ンプによる加圧作用とともに遠心力の作用を受けて外周
側へ移動したのち、排水路3d側を通って排水される。
このため、カッターディスク3の中空部3A内も冷却水
がほぼ満水状態で常に新しい冷却水が供給されると同時
に、中空部3A内から冷却水が排水されることにより、
冷却水が常に入れ替わるので、カッターディスク3も表
面温度が100℃前後の地山に対するトンネル掘削の場
合にも70℃前後に冷却される。またカッターディスク
3の冷却水の一部は分岐してカッタードラム4の給水部
4Aに入り、排水部4Bからカッターディスク3へ戻
る。さらにカッターディスク3で掘削された高温の土砂
は、開口3Eからカッターチャンバー18内に取り込ま
れる。カッターチャンバー18内に取り込まれた土砂
は、バルクヘッド6との接触によりある程度冷却された
のち、スクリュウ17Aの回転によりケーシング21内
に取り込まれ、斜め上方に搬送されるが、この間にケー
シング21の中空部21A内の冷却水によって徐々に冷
却される。そして、後端部下面の排土口22から排出さ
れる。そこから、例えばトロッコ等の搬送台車によって
運搬される。
【0025】本実施例に係るシールド掘進機1には、カ
ッターディスク3の相対回転箇所のシール部材5A・7
Aおよび後胴1Bの摺動箇所のシール部材14にポリウ
レタン樹脂が一般に使用されているが、それらの周囲は
シールド2の中空部2A、バルクヘッド6の中空部6A
および後胴1Bの中空部38内を流通する冷却水で冷却
されるので、温度上昇は耐熱温度以下に抑えられる。ま
た、油圧モータ9・20および油圧ジャッキ24など
も、シールド2、バルクヘッド6あるいはケーシング2
1に取り付けられており、それぞれの中空部2A・6A
・21A内の冷却水で温度上昇が抑えられているので、
内部の作動油の温度が使用限界温度を超えることがな
い。
【0026】図5は本発明の他の実施例に係る掘進機の
カッターディスクを示す、図2のY−Y線拡大断面図で
ある。本例のカッターディスク3は、表側の面板41と
裏側の面板42との内面にそれぞれ複数本の断面コの字
形のチャンネル部材43を幅方向(円周方向)に間隔を
あけかつ中心部から外周側にかけて放射状に溶接し、給
水路3c'と排水路3d'とをあらかじめ形成した面板4
1と面板42を用いてカッターディスク3を製作するも
のである。このため、図4の構造のカッターディスク3
に比べて製作が容易である。しかし、その他の構成につ
いては、上記実施例と共通するので説明を省略する。
【0027】以上に本発明の掘進機について実施例を示
したが、本発明は下記のように実施することができる。
【0028】 シールドジャッキとエレクタを備えた
通常の泥土圧シールド掘進機において同様に実施でき
る。
【0029】 泥土圧式シールド掘進機に代えて、カ
ッターチャンバー18内に送水管から水を供給し、掘削
土砂を水と混ぜ合わせた状態で排出する泥水圧式シール
ド掘進機にすることができる。この場合には、カッター
チャンバー18内に取り込まれる掘削土砂が水と混合さ
れることで温度がかなり低下するので、地山の温度がさ
らに高い温度の場合にもトンネルの掘削が可能になる。
また、カッターチャンバー18内の土砂の温度が低下す
るので、バルクヘッド6を特に水冷構造にしなくてもよ
く、さらにスクリュウコンベヤに代えて排泥管を使用す
るので、スクリュウコンベヤが不要になり、もちろん水
冷構造を採用する必要がないので、構造が簡単になる。
この点でも、泥水圧式シールド掘進機を使用する方が有
利である。
【0030】 ローラーカッターを備えた岩盤掘削用
のトンネル掘削機についても、同様に実施できる。
【0031】 中折れ構造の泥土圧式シールドの場合
も図1と共通の水冷構造とすることができる。
【0032】 シールド掘進機の場合に、一体式のシ
ールド(つまり、前胴や後胴に分割されていない)を備
えた掘進機では、水冷構造をシールドの少なくとも前部
に施せばよい。
【0033】 スクリュウコンベヤ17のケーシング
21の周囲に多数の冷却フィンを装着することにより、
さらに冷却効果を高めることができる。
【0034】 掘進機本体内および後方の坑内を、人
の作業が可能な35℃〜37℃に強制冷却するのが望ま
しい。
【0035】
【発明の効果】上記に説明したことから明らかなよう
に、本発明に係る掘進機には、次のような優れた効果が
ある。
【0036】(1) 請求項1の発明では、高温の地山に接
触して高温の掘削土砂を取り込むカッターディスクとこ
のカッターディスクに隣接するシールドの少なくとも前
部を中空部にして、そこに冷却水を流通させて冷却する
ので、例えば100℃前後の地層や地盤であっても、こ
れと接するカッターディスクやシールドの表面温度はせ
いぜい70℃前後の温度までしか上昇せず、またカッタ
ーディスクの相対回転箇所に配置されているシール部材
やカッターディスクを回転駆動させる油圧モータなどは
掘進機本体内に位置し、カッターディスクやシールドの
表面温度より低下するから、シール部材やOリングなど
をフッ素ゴムなどの耐熱性に優れた高価な材料に交換し
なくても、使用限界温度を超えることはなく、トンネル
の掘削が可能になる。
【0037】(2) 請求項2記載の発明では、カッターチ
ャンバー内の掘削土砂がバルクヘッドと接触することに
よってある程度冷却されたのち、スクリュウコンベヤに
よって排出される際に、ケーシング内を流通する冷却水
で冷却され、スクリュウにより搬送される間に掘削土砂
も冷却され温度が徐々に低下していくので、付属のスク
リュウ回転用の油圧モータや排土口開閉用の油圧ジャッ
キの作動油あるいはモータやジャッキ内のシールやOリ
ングなどが熱的な損傷を受けることがない。
【0038】(3) 請求項3記載の発明では、カッターデ
ィスクの回転による遠心力の作用を受けてカッターディ
スクの中心部より給水路に沿って外周部へ流通し、この
間に高温の地山と接触するカッターディスクの前面が流
通する冷却水によって冷却され、カッターディスク前面
の温度上昇が抑えられる一方、カッターディスクの外周
部まで流通した冷却水は給水路がほぼ満水状態まで満た
されたのち、カッターディスクの後面側の排水路を流通
し中心部へ移動して排水されることにより、カッターデ
ィスクの中空部内には常に新しい冷却水が循環される。
したがって、高温の地山と常に接触するカッターディス
クの前面と共に後面も冷却され、カッターディスク全体
の温度上昇が抑えられる。
【0039】(4) 請求項4記載の発明では、バルクヘッ
ド、スクリュウコンベヤのケーシングあるいはシールド
の中空部内に供給される冷却水は中空部内が満水状態と
なったのちに排水が開始されるので、バルクヘッド、ス
クリュウコンベヤのケーシングあるいはシールドはそれ
ぞれ冷却水によって十分に冷却される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の掘進機の実施例を示す中央縦断面図で
ある。
【図2】図1の掘進機の正面図である。
【図3】左半分が図1のA−A断面図、右半分が図2の
図1のB−B断面図である。
【図4】図2のX−X線断面図である。
【図5】本発明の他の実施例に係る掘進機のカッターデ
ィスクを示す、図2のY−Y線拡大断面図に相応する断
面図である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機 2 シールド 2A・3A・6A・21A・38 中空部 3 カッターディスク 4 カッタードラム 5A・7A・14 シール部材 6 バルクヘッド 8 リングギヤ 9・20 油圧モータ 12 シールドジャッキ 17 スクリュウコンベヤ 21 ケーシング 22 排土口 24 油圧ジャッキ 25 給排水筒 26 軸受 27 ロータリージョイント 28・29・34・35・39 開閉弁付きの給水管 30・31・36・37・40 開閉弁付きの排水管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周囲にシールドを備えた掘進機本体の前
    端に、カッターディスクを回転自在に配備した掘進機に
    おいて、 前記カッターディスクの本体部分および前記シールドの
    少なくとも前部をそれぞれ中空構造にし、各中空部内を
    冷却水が流通する水冷構造にしたことを特徴とする掘進
    機。
  2. 【請求項2】 前記カッターディスクの後方にバルクヘ
    ッドを備え、該バルクヘッド前方のカッターチャンバー
    内にスクリュウの前端部を臨ませてスクリュウコンベヤ
    の前端がバルクヘッドに連設された掘進機であって、 前記バルクヘッドおよび前記スクリュウコンベヤのケー
    シングをそれぞれ中空構造にし、各中空部内を冷却水が
    流通する水冷構造にした請求項1記載の掘進機。
  3. 【請求項3】 前記カッターディスク中空部の中心部
    に、ロータリージョイントを介して給水管と排水管をそ
    れぞれ接続するとともに、 前記カッターディスク中空部内には中心部より外周部に
    かけて半径方向に連通し前記給水管に接続される給水路
    を前面側に、外周部より中心部にかけて半径方向に連通
    し前記排水管に接続される排水路を後面側にそれぞれ設
    けた請求項1又は2記載の掘進機。
  4. 【請求項4】 前記バルクヘッド、前記スクリュウコン
    ベヤのケーシングあるいは前記シールドに対し、低位に
    冷却水供給管を高位に冷却水排出管をそれぞれ接続した
    請求項1〜3のいずれかに記載の掘進機。
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