JPH11256074A - 耐チッピング性熱硬化型粉体塗料及びその塗膜形成方法 - Google Patents

耐チッピング性熱硬化型粉体塗料及びその塗膜形成方法

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JPH11256074A
JPH11256074A JP6143798A JP6143798A JPH11256074A JP H11256074 A JPH11256074 A JP H11256074A JP 6143798 A JP6143798 A JP 6143798A JP 6143798 A JP6143798 A JP 6143798A JP H11256074 A JPH11256074 A JP H11256074A
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JP
Japan
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powder coating
coating
rubber
chipping
epoxy resin
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Application number
JP6143798A
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Inventor
Yoshiaki Kato
善紀 加藤
Shinichi Ueda
伸一 上田
Toshio Ogoshi
利雄 大越
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐チッピング性及び耐食性に優れた熱硬化性粉
体塗料を提供する。 【解決手段】エポキシ基と反応する官能基を有するゴム
で変性したエポキシ樹脂を主成分とする基体樹脂に、カ
ルボキシル基を有するゴム粒子を架橋剤として配合して
なることを特徴とする耐チッピング性熱硬化型粉体塗
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐チッピング性熱
硬化型粉体塗料及びその塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、粉体塗料は、塗膜を焼付けする際
に有機溶剤を発生せず、またこのような有機溶剤を含ま
ないので作業環境に優れ、しかも非危険物であって省資
源となる粉体塗料が広い分野で使用されている。
【0003】このような粉体塗料が使用される用途の一
つとして、自動車の走行時に路面上の小石、砂粒、凍結
防止剤、氷塊などをまき上げ、これらが車体外面に衝突
して塗面を傷つけ、はなはだしい場合は塗膜を局部的に
破損・脱落せしめ、外観を損なったり金属素地面まで露
出させ、車体が部分的に発錆・腐食する(以下、この現
象を「チッピング」という)のを防止するのに有効な耐
チッピング性熱硬化型粉体塗料が知られている。このよ
うな耐チッピング性粉体塗料としては、エポキシ基と反
応する官能基を有するゴムで変性したエポキシ樹脂をジ
ヒドラジドで硬化させ、塗膜にゴム弾性を付与すること
で耐チッピング性能を向上させたものが公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該粉体
塗料は過酷なチッピング条件での性能が十分でないため
に、自動車の耐久性が劣るといった問題点があり、ユー
ザーから更に耐チッピング性に優れた粉体塗料の開発を
求められているのが現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来から
の問題点を解消するために鋭意研究を重ねた結果、特定
の基体樹脂と架橋剤とを組み合わせることにより、耐チ
ッピング性に優れた粉体塗料を開発するに至った。
【0006】即ち、本発明は、 1.エポキシ基と反応する官能基を有するゴム(このも
のを以下「反応性ゴム」と略す。)で変性したエポキシ
樹脂(このものを以下「ゴム変性エポキシ樹脂」と略
す。)を主成分とし、カルボキシル基を有するゴム粒子
(このものを以下「ゴム粒子架橋剤」と略す。)を架橋
剤として配合してなることを特徴とする耐チッピング熱
硬化型粉体塗料、及び 2.上記粉体塗料に架橋剤として上記ゴム粒子以外のエ
ポキシ基と反応するその他の架橋剤を含有してなる上記
に記載の耐チッピング性熱硬化型粉体塗料に関する。
【0007】3.基材に上記の耐チッピング性熱硬化型
粉体塗料を粉体塗装した後、中塗り熱硬化型粉体塗料を
粉体塗装し、次いで加熱により両方の塗膜を同時に硬化
させることを特徴とする塗膜形成方法、及び 4.中塗り熱硬化型粉体塗料がイソシアネート硬化型ポ
リエステル系熱硬化型粉体塗料であることを特徴とする
上記の塗膜形成方法、に係わる。
【0008】本発明の粉体塗料で使用するゴム変性エポ
キシ樹脂は、エポキシ樹脂と該エポキシ樹脂が有するエ
ポキシ基と反応する官能基を有する反応性ゴムとを反応
させてなるものである。
【0009】上記したエポキシ樹脂としては、1分子中
に平均約2個以上のエポキシ基を有する重量平均分子量
約300〜4000、好ましくは900〜3000のも
のが好ましい。このものとしては、従来から公知のも
の、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF系エポキシ樹脂、ビスフェノールB系エポキ
シ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹
脂、環式脂肪族エポキシ(シクロヘキセンオキサイド基
等)樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミ
ン系エポキシ樹脂、複素環式(ヒダントイン)エポキシ
樹脂、グリシジル(メタ)アクリレート(共)重合体等
が挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂が耐食性、耐チッピッグ性の優れた効果を発
揮することから、このものを使用することが好ましい。
【0010】また、エポキシ樹脂と反応させる反応性ゴ
ムは、エポキシ基と反応する官能基、例えば、カルボキ
シル基、アミン基等を有するものである。反応性ゴムと
してはCTB(ブタジエン重合体の末端にカルボキシル
基を有するゴム)、CTBN(ブタジエンとアクリルニ
トリルの共重合体の末端にカルボキシル基を有するゴ
ム)、ATBN(ブタジエンとアクリルニトリルの共重
合体の末端にアミン基を有するゴム)等がある。
【0011】ゴム変性エポキシ樹脂は、下記した軟化
点、分子量、エポキシ当量の範囲に入るようにエポキシ
樹脂及び反応性ゴムとを配合して、従来から公知の方法
により製造することができる。
【0012】本発明の粉体塗料で使用するゴム変性エポ
キシ樹脂は、好ましくはCTBN変性したゴム変性エポ
キシ樹脂である。このゴム変性エポキシ樹脂の軟化点は
約40〜200℃、特に約60〜135℃が好ましい。
このものの軟化点が40℃未満では粉体塗料の貯蔵中に
粉体粒子同志の融着が起こりやすく、一方、200℃を
超えると溶融粘度が高くなりやすく連続塗膜の形成が困
難になる。この軟化点(環球法)は該樹脂自体のもので
あって溶剤やその他の成分などを含んでいない値であ
る。
【0013】また、ゴム変性エポキシ樹脂のエポキシ当
量は約600〜2,800g/eq(1g当量のエポキ
シ基を含む樹脂のg数)、特に約700〜1,500g
/eqの範囲が好ましい。
【0014】このゴム変性エポキシ樹脂のCTBNの変
性量は、約5〜60重量%、特に約10〜50重量%の
範囲が好ましい。
【0015】ゴム変性エポキシ樹脂の市販品としては、
例えば、三井石油化学工業株式会社製のSR−35K、
SR−3542などを挙げることができる。これらのも
のは一種又は二種以上組み合わせて使用することができ
る。
【0016】本発明の粉体塗料で使用するゴム粒子架橋
剤は、カルボキシル基を有したゴム粒子であり、酸価約
2〜100mgKOH/g、特に約5〜80mgKOH
/gの範囲が好ましい。また、該ゴム粒子架橋剤は、架
橋したゴム粒子を使用することが好ましく重量平均分子
量約5万以上、特に約10万以上の範囲が好ましい。
【0017】このゴム粒子架橋剤としては、例えば、日
本合成ゴム社製の商品名としては、例えば、DHS−2
(アクリル酸メチルエステルとブタジエンの共重合体、
酸価55KOHmg/g)、XER−91等が挙げられ
る。
【0018】ゴム粒子架橋剤の配合割合は、ゴム変性エ
ポキシ樹脂100重量部に対して約1〜50重量部、特
に約5〜40重量部の割合いで使用することが好適であ
る。
【0019】架橋剤の配合割合が、約1重量部未満にな
ると耐チッピング性等が劣り、一方、約50重量部を超
えると耐チッピング性、仕上がり性、耐食性等が劣るの
で好ましくない。
【0020】本発明の粉体塗料において、上記ゴム粒子
架橋剤と組み合わて従来から公知のその他の架橋剤(エ
ポキシ樹脂用架橋剤)を使用することができる。該その
他の架橋剤としては、ポリアミン、ポリアミノアミド、
ポリカルボン酸、酸無水物、ポリヒドラジド等が挙げら
れる。これらの中でもポリカルボン酸のカルボキシル基
含有ポリエステル樹脂架橋剤が好ましい。
【0021】該ポリエステル樹脂架橋剤は、線状構造で
も分岐構造でも良いが、カルボキシル基を多数含有する
点で分岐構造、特に1分子当り約2.5〜100個、特
に約3〜50個の範囲のカルボキシル基を有する分岐構
造のものが好ましい。樹脂酸価は、通常、20〜150
mgKOH/g 、好ましくは約30〜100mgKO
H/gの範囲である。また、ガラス転移温度は約30〜
120℃、特に35〜100℃の範囲が好ましい。更
に、重量平均分子量は約500〜50,000、特に約
600〜20,000の範囲が好ましい。
【0022】ポリエステル樹脂架橋剤を製造するには、
酸とアルコールの原料を用いて周の方法により製造する
ことができる。使用できる酸原料の例として、例えば、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、メチルフタル
酸、トリメリット酸、ピリメリット酸、アジピン酸、セ
バシン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒ
ドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸びこれらの反応性誘導体などが挙げられ
る。
【0023】また、アルコール原料の例として、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、1,−シクロヘキサンジメタノール、
ネオペンチルグリコール、イソペンチルグリコール、ビ
スヒドロキシエチルテレフタレート、水添ビスフェノー
ルA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付
加物、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2,4−
トリメチルペンタン−1,3−ジオールなどがあり、モ
ノエポキシ化合物もグリコールとして使用できる。
【0024】上記ポリエステル樹脂原料において、使用
する全酸原料のうち芳香族多価カルボン酸を少なくとも
70モル%、また、使用する全アルコール原料のうち炭
素数4以上の脂肪族多価アルコールを少なくとも40モ
ル%、シクロヘキサン環を有する多価アルコールを3〜
30モル%の割合でそれぞれ使用するのが良い。上記ポ
リエステル樹脂の市販品としては、例えば、日本エステ
ル株式会社製の商品名として、ER−8101(酸価6
2mgKOH/g、Tg64℃)などを挙げることがで
きる。
【0025】その他の架橋剤の配合割合はゴム変性エポ
キシ樹脂100重量部に対して、約5〜100重量部が
好ましい。また、その他の架橋剤として、上記ポリエス
テル樹脂架橋剤を使用する系においては、ゴム変性エポ
キシ樹脂100重量部に対して10〜120重量部、特
に30〜100重量部の範囲が好ましい。ポリエステル
架橋剤の配合割合が10重量部未満になると仕上がり外
観、耐チッピング性、耐食性等が劣り、一方、120重
量部を超えると耐チッピング性等が劣るので好ましくな
い。
【0026】本発明の粉体塗料は、硬化性が良いので、
150℃以上好ましくは160〜230℃の温度で硬化
するが、加熱温度を下げたり加熱時間を短縮するため
に、必要に応じて反応触媒として、例えば、第3級アミ
ン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物を
添加使用することができる。特に、イミダゾール誘導体
を使用すると、厚塗りしてもピンホールの発生を抑制で
きるので非常に有利である。
【0027】本発明の粉体塗料に、必要に応じて充填
剤、着色顔料、流動性調整剤、その他重合体微粒子、表
面調整剤、硬化促進剤、スベリ性付与剤などの粉体塗料
用添加剤などを配合することができる。
【0028】充填剤としては、例えば、グラファイト、
硫酸バリウムなどの無機質系粉末が挙げられる。該粉末
の大きさは約0.1〜30μmが好ましい。該充填剤の
配合量は、粉体塗料中に約0〜40重量部が適してい
る。
【0029】本発明の粉体塗料は、特に限定されずに耐
チッピング性が必要なところに塗装することができる。
【0030】本発明の粉体塗料は、例えば、自動車の化
成処理表面に本発明の粉体塗料を粉体塗装し、次いで必
要に応じて中塗塗料(粉体、溶剤型、水性等)や上塗塗
料を塗装することにより塗膜を形成することができる。
自動車に適用する場合には、例えば、ボデー、フロント
フェンダー前、ボンネット前、ルーフ前、サイドモール
などに適用することができる。中塗り塗料の中でも、熱
硬化型のポリエステル樹脂粉体、エポキシ樹脂粉体、エ
ポキシポリエステル樹脂粉体、アクリル樹脂粉体等が好
ましい。中塗り粉体塗料は、耐チッピング性粉体塗料を
静電粉体塗装した後、中塗り粉体塗料を静電粉体塗装し
て同時に焼き付けることができる。
【0031】本発明の粉体塗料は、例えば、静電粉体ス
プレー、摩擦帯電塗装機等により静電粉体塗装し、通
常、約30〜200μm 、好ましくは約40〜100μ
mの範囲で塗装することができる。塗装膜の焼付条件
は、通常、被塗物温度約170〜210℃で約30〜6
0分間である。上記のように耐チッピングに必要な部位
に中塗粉体の前にあらかじめ塗装することで、耐チッピ
ング性が良好な塗膜を得ることができる。
【0032】本発明の粉体塗料は、特に自動車用耐チッ
ピング性粉体塗料として使用することが好ましい。具体
的には、例えば、自動車の化成処理表面に本発明の粉体
塗料を粉体塗装し、次いで必要に応じて中塗り塗料(粉
体、溶剤型、水性等)や上塗り塗料を塗装することによ
り塗膜を形成することができる。自動車の基材として
は、例えば、ボデー、フロントフェンダー前、ボンネッ
ト前、ルーフ前、サイドモールなどが挙げられる。中塗
り塗料の中でも、ポリエステル樹脂熱硬化型粉体塗料、
エポキシ樹脂熱硬化型粉体塗料、エポキシポリエステル
樹脂熱硬化型粉体塗料、アクリル樹脂熱硬化型粉体塗料
等が好ましい。これらの中でも、特に下記の2コート1
ベーク方式の塗装により仕上がり外観に優れた塗膜が形
成できるイソシアネート硬化型ポリエステル樹脂粉体塗
料を使用することが好ましい。
【0033】該イソシアネート硬化型ポリエステル樹脂
粉体塗料は、水酸基含有ポリエステル樹脂にブロックポ
リイソシアネート化合物を配合することにより得られ
る。水酸基含有ポリエステル樹脂としては、例えば、酸
とアルコールの原料を用いて水酸基が残るように周知の
方法により製造することができる。使用できる酸原料の
例として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、メチルフタル酸、トリメリット酸、ピリメリット
酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、マレイン酸、
フマル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ
フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びこれらの反応性誘
導体などが挙げられる。
【0034】また、アルコール原料の例として、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、1,−シクロヘキサンジメタノール、
ネオペンチルグリコール、イソペンチルグリコール、ビ
スヒドロキシエチルテレフタレート、水添ビスフェノー
ルA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付
加物、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2,4−
トリメチルペンタン−1,3−ジオールなどがあり、モ
ノエポキシ化合物もグリコールとして使用できる。
【0035】水酸基含有ポリエステル樹脂は、水酸基価
約30〜150mgKOH/g、好ましくは約40〜1
20mgKOH/gの範囲、重量平均分子量約500〜
10000、好ましくは約800〜8000の範囲、軟
化温度約20〜90℃、好ましくは約25〜80℃の範
囲のものを使用することが好ましい。
【0036】架橋剤として使用するブロックポリイソシ
アネート化合物は、耐チッピング性熱硬化型粉体塗料で
使用した上記と同様のものを使用することができる。
【0037】ブロックポリイソシアネート化合物の配合
割合は、水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基1個に対
してイソシアネート基が約0.3〜1.2個、好ましく
は約0.5〜1.0個の範囲になるように配合される。
また、該樹脂100重量部に対して、通常、約10〜1
00重量部、好ましくは約20〜70重量部の範囲であ
る。
【0038】中塗り粉体塗料は、必要に応じてブロック
剤解離触媒、充填剤、着色顔料、流動性調整剤、その他
重合体微粒子、表面調整剤、硬化促進剤、スベリ性付与
剤などの粉体塗料用添加剤などを配合することができ
る。
【0039】中塗り粉体塗料は、耐チッピング性粉体塗
料を静電粉体塗装した後、中塗り粉体塗料を静電粉体塗
装して同時に焼き付け(2コート1ベーク方式)ること
が好ましい。
【0040】また、本発明は、例えば、化成処理された
自動車ボデー表面に本発明の耐チッピング性熱硬化型粉
体塗料を粉体塗装した後、中塗り熱硬化型粉体塗料を粉
体塗装し、次いで1段目の焼き付けを行った後、粉体塗
膜が形成されなかった部分にカチオン電着塗料を塗装し
た後、焼き付けて下塗り及び中塗り塗膜を形成すること
ができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明をより具体的に
説明する。なお、実施例及び比較例中の「部」は重量基
準による。
【0042】粉体塗料の製造例: 製造例Aの粉体塗料 SR3542(三井石油化学工業株式会社製、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、軟化点約100℃、エポキシ
当量約1,100)55部、ER8101(日本エステ
ル株式会社製、カルボン酸末端ポリエステル樹脂)40
部、DHS−2(日本合成ゴム株式会社製、酸価55)
5部、JR603(テイカ株式会社製、酸化チタン)1
5部、キュアゾールC17Z(四国化成(株)社製、商
品名、イミダゾール化合物、エポキシ硬化触媒)0.2
を混合し、エクストルーダによって溶融混練し、冷却
後、アトマイザーによって微粉砕し、150メッシュで
濾過して製造例1の粉体塗料を製造した。
【0043】製造例B〜F(実施例用)の粉体塗料及び
製造例G(比較用)の粉体塗料の製造例 表1に示す配合で製造例Aと同様に行い製造例B〜Gの
実施例用及び比較例用の粉体塗料を得た。
【0044】中塗り粉体塗料(プライマーサーフェーサ
ー)の製造例:ER6610(日本エステル株式会社
製、水酸基価31、融点87℃)83部、エピコート1
004(油化シェルエポキシ株式会社製、エポキシ当量
875〜975g/eq、軟化点97℃)12部、ベス
タゴンB1530(ヒュルス社製、NCO含量約15
%)17部、JR603(テイカ株式会社製、酸化チタ
ン)30部を混合し、エクストルーダーによって溶融混
練し、冷却後、バンタムミルによって粉砕を行い、さら
に200メッシュのフルイにより粗粒子を除去して平均
粒度約25μmの熱硬化性の中塗り粉体塗料を製造し
た。
【0045】
【表1】
【0046】実施例1 ガルバナイズ鋼板にりん酸亜鉛で化成処理を施した鋼板
(0.7×70×150)に製造例Aで得た粉体塗料を
膜厚50μmとなるように静電粉体塗装し、しかる後に
上記製造例に示す中塗り粉体塗料を、パウダーオンパウ
ダー(粉体塗料を焼き付けないで塗り重ねる)で膜厚5
0μm となるように静電粉体塗装し、被塗物温度175
℃で20分間焼付けて硬化塗膜を形成した。上塗(2コ
ート1ベーク)の塗装はエアスプレー法により、焼付け
は140℃で30分間おこなった。なお、上塗塗料はH
M32ベースコート(関西ペイント株式会社製品、商品
名、ポリエステルメラミン系)を膜厚約15μm 、マジ
クロン(関西ペイント株式会社製品、商品名、アクリル
メラミン系、クリヤーコート)を使用して膜厚35〜4
0μm に塗装した。
【0047】実施例2〜6及び比較例1 粉体塗料として表2に示す各製造例の粉体塗料を使用す
る以外は実施例1と同様に行い、各々の硬化塗膜を形成
した。
【0048】実施例及び比較例の試験結果を表2に示
す。
【0049】
【表2】
【0050】表2における仕上がり性、耐チッピング
性、耐食性の試験は、下記試験方法に従って行った。
【0051】仕上がり外観:塗膜表面の平滑性を肉眼で
観察した。○;良好、△;劣る、×;著しく劣る。
【0052】耐チッピング性:米国Q−PANEL社
製、Q−G−Rグラベロメーター(チッピング試験装
置)の試片保持台に試験板を設置し、−20℃下で4kg
/cm2の圧縮空気により粒度7号の花崗岩砕石50gを
塗面に吹き付け、これによる塗膜のキズの発生個数、損
傷深度、損傷部の大きさ及び塗膜状態を肉眼あるいは拡
大鏡で観察評価する。評価は次の基準に基づいて行っ
た。
【0053】表面キズ:下記の方法で評価した。点数が
1になるほど良好 1.0(キズ部の径が1.0mm以下で、キズの個数の
少ないもの)、1.5(キズ部の径が1.0mm以下
で、キズの個数の多いもの)、2.0(キズ部の径が
1.5〜2mmで、キズの個数の少ないもの)、3.0
(キズ部の径が1.5〜2mmで、キズの個数の多いも
の)、3.5(キズ部の径が2〜3mmで、キズの個数
が少ないもの)、4.0(キズ部の径が2〜3mmで、
キズの個数が多いもの)、5.0(キズ部の径が3mm
以上で、キズの個数が多いもの) 素地までのキズ(%):拡大鏡で観察し、素地に到達し
たキズの個数と全キズ数との比で表わす。(素地までの
キズ数/全キズ数)×100 耐食性:JSK−5400ソルトスプレー試験を行っ
た。試験時間は1000時間行った。○;サビ、ハガレ
(1mm以下)で良好。△;サビ、ハガレ(1〜5m
m)で劣る。×;サビ、ハガレ(5mm以上)で著しく
劣る。
【0054】
【発明の効果】本発明は、特にカルボキシル基を有する
ゴム粒子を架橋剤として使用することにより耐食性、耐
チッピング性に効果を発揮するものである。この理由と
しては明らかではないが、該ゴム粒子は塗膜中に粒子と
して存在し、外からの衝撃などによるエネルギーを吸収
することにより耐チッピング性が良くなったものと推察
される。また、ゴム粒子自体基体樹脂と反応架橋するこ
とにより強靭な塗膜が形成され、耐食性や耐チッピング
性の向上に役立っているものと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 113/00 C09D 113/00 163/10 163/10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ基と反応する官能基を有するゴ
    ムで変性したエポキシ樹脂を主成分とする基体樹脂に、
    カルボキシル基を有するゴム粒子を架橋剤として配合し
    てなることを特徴とする耐チッピング性熱硬化型粉体塗
    料。
  2. 【請求項2】 上記粉体塗料に架橋剤として上記ゴム粒
    子以外のエポキシ基と反応するその他の架橋剤を含有し
    てなる請求項1に記載の耐チッピング性熱硬化型粉体塗
    料。
  3. 【請求項3】 基材に請求項1に記載の耐チッピング性
    熱硬化型粉体塗料を粉体塗装した後、中塗り熱硬化型粉
    体塗料を粉体塗装し、次いで加熱により両方の塗膜を同
    時に硬化させることを特徴とする塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】 中塗り熱硬化型粉体塗料がイソシアネー
    ト硬化型ポリエステル系熱硬化型粉体塗料であることを
    特徴とする請求項3に記載の塗膜形成方法。
JP6143798A 1998-03-12 1998-03-12 耐チッピング性熱硬化型粉体塗料及びその塗膜形成方法 Pending JPH11256074A (ja)

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