JPH11255870A - 生分解性を備えたセルロース誘導体混成グラフト化組成物の製造法 - Google Patents

生分解性を備えたセルロース誘導体混成グラフト化組成物の製造法

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JPH11255870A
JPH11255870A JP5528598A JP5528598A JPH11255870A JP H11255870 A JPH11255870 A JP H11255870A JP 5528598 A JP5528598 A JP 5528598A JP 5528598 A JP5528598 A JP 5528598A JP H11255870 A JPH11255870 A JP H11255870A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、よりプラスチック性、熱可塑性に
優れたセルロース誘導体を得ることを目的とする。 【解決手段】 本発明は、セルロース誘導体の存在下で
環状エステルの開環重合触媒を加えて、ε−カプロラク
トンとラクチドとを開環混成グラフト重合させることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセルロースアセテー
トを主とするセルロース誘導体の存在下にラクチドを含
む環状エステルの2種以上を開環重合して得られる生分
解性を備えたグラフト重合体、および該グラフト重合体
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セルロース誘導体の中で価格が低廉で工
業生産量が最も多いものはセルロースアセテートであ
り、写真フィルムのベースポリマー、たばこ用のフィル
ター等、衣料用繊維等に従来より使われて来ており、近
年、それらはアセトンなど溶剤に溶解したのちそれぞれ
成形されており、いわゆる湿式加工により賦形されてい
る。数%とマイナーな用途の加工として、セルロースジ
アセテートに可塑剤を加えた上で、熱可塑的に加工(乾
式加工)することも行われて来ている。所謂、プラスチ
ック材料としての加工であり、生分解性高分子材料の場
合には殆どの場合、この様な加工が十分可能であること
が前提となっている。
【0003】ところで、現在環境の保全という立場か
ら、プラスチック材料の内、ディスポーザブル用途のも
のなど少なくとも数%のものは生分解性であるべきであ
ると考えられる様になって来ている。そこで微生物産製
の脂肪族ポリエステル、合成高分子としてのもの、さら
には天然高分子由来のものといった少なくとも三つの分
野において、それぞれに生分解性プラスチック材料の開
発を目的とした検討がこの数年世界的に行われて来てい
る。
【0004】しかし、その開発状況は未だ十分でなく、
多くの場合価格的に高価という問題を持ち、実用化には
かなり距離があると考えられ、なお数年の期間をかけて
着実に進めるべきとされている。
【0005】特に、天然高分子由来の生分解性高分子の
開発の研究は立ち遅れている。即ち、水に弱いデンプン
系の生分解性プラスチック材料を除いて考えると、数年
前にキトサンを酢酸水溶液に溶解した上で、セルロース
を充填剤として加えるという、必ずしも成形の能率の良
くない湿式加工用の材料がまず提案され、引き続いてデ
ンプンをアセチル化した上で低分子量ポリカプロラクト
ンを可塑剤として用いた材料が検討されて来ているとい
った程度である。その様な状況下で、1993年、米国のコ
ダックケミカル社の研究所のC.M.Buchananらが、セル
ロースアセテートについて、置換度2.5までのものは活
性汚泥を用いる集積培養で10〜12日、浄化槽浸漬で約10
週間の処理で顕著に分解されることを学術誌上で発表し
た[C.M.Buchanan et al.:J.Appl. Polymer Sci.、
47 1709―1719(1993)]。次いで、我が国でも、帝人
(株)と大阪市工研の酒井らが、置換度2.3のセルロー
スアセテートを生分解する微生物としてNeisseria sicc
aを同定し、また、ダイセル化学工業(株)と大阪市工
研の研究者は同様な作用をする微生物としてRizobium m
elilotiとAlcaligenes xylosoxydansとを見出してい
る。そして、それらの微生物はacetyl esteraseとβ‐g
lucosidaseを酵素として持っており、前者によってセル
ロースアセテートの側鎖アセチル基を開裂ケン化させ、
生成した酢酸により菌体を増殖し、セルロースアセテー
トの置換度が1以下になるなど十分小さくなると、後者
のβ‐glucosidaseが働いてセルロース鎖を切り、グル
コースとした上で、さらに炭酸ガスと水にまで変換する
という生分解機構が提案されている。
【0006】これらのうち、特にBuchananらの論文発表
は、セルロースジアセテートの可塑化すなわちプラスチ
ック材料化の検討の気運を醸成し、それによる生分解性
プラスチック材料の開発を促している。学術誌上にはセ
ルロースジアセテートと脂肪族ポリエステルの相溶性に
関する論文が数多く出る様になり、たとえば示差走査熱
量計による測定で両者の相溶が完全なものではないにし
ろ認められるといった知見が得られている。ただし、そ
の延長線上で成形加工性が高く、物性の優れた複合材料
が得られるという域には達していない様である。
【0007】一方で、企業からも呼応して開発商品の発
表という形でセルロースアセテート系の生分解性高分子
が提案される様になっている。一つは、1995年9月に新
聞報道されたもので、米国のプラネット・ポリマー・テ
クノロジーズ社(カリフォルニア州)が開発し、三菱商
事(株)と日本触媒化学(株)がわが国での販売に係わ
るものとして、ルナーレという商品名のものが上市され
た。このものは、セルロースジアセテート77%、トリア
セチン23%の組成のもので、成形加工性、力学物性に優
れたものであることが知られた。価格が1500円/kgとい
うことで、高価格であることが欠点とされた。他の一つ
は、ルナーレの発表の直後、ダイセル化学工業(株)が
新聞発表したもので、セルロースジアセテートを可塑剤
として低分子量カプロラクトンにより可塑化したもので
ある。この場合も生分解性の低分子量可塑剤を用いてい
るという点でルナーレと似ているが、価格が500円/kg
以下に抑えられるという点が強みとなっている。
【0008】いずれにしても、酢酸セルロースは熱可塑
性が十分でなく、そのまま加熱溶融させようとすると、
軟化する前に分解あるいは着色を来す。従って、成形用
組成物は可塑剤を加えないと、熱可塑的に加工すること
は出来ない。このために、熱可塑的加工の前に適当な可
塑剤を混合せねばならない。この目的のために種々の可
塑剤が使用される。前出の、1993年以降目立って多く学
術誌に発表されている脂肪族ポリエステルをブレンド
し、ブレンド性、相溶性を検討している諸例は、高分子
量可塑剤の添加を検討していると云える。高分子量の可
塑剤が使えれば、得られる熱可塑化セルロースアセテー
トに魅力的な物性を与えうることが低分子量可塑剤を使
う場合より、より多く期待出来る。
【0009】しかし、高分子量可塑剤の添加は低分子量
のそれに比べてブレンドに対するエントロピー効果が約
1桁小さくなることから、よい組合せを見出すのが極め
て困難であることは良く知られている。そんなことか
ら、セルロースアセテートの場合でもおいそれと画期的
なものは見いだせず、上市されたものは可塑剤として低
分子量のトリアセチンやオリゴカプロラクトンを用いた
ものとなったといえよう。これらは生分解性プラスチッ
ク材料を作り出すことを前提にした可塑剤の選択である
が、従来からもセルロースアセテートの可塑化は低分子
量可塑剤が使われて来た。
【0010】その代表的なものとしては、ジメチルフタ
レート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ
メトキシエチルフタレート、エチルフタリルエチルグリ
コレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、ジグリ
セリンテトラアセテート、σ−トルエンスルホンアミ
ド、ρ−トルエンスルホンアミド、トリフェニルホスフ
ェート、トリクレジルホスフェート、さらには上記のト
リアセチン、および低分子量カプロラクトンが挙げられ
る。すなわち、アルキル基の短いフタル酸エステル、グ
リコール酸誘導体、グリセリン誘導体、リン酸エステル
などであり、セルロースアセテートと相溶しうる可塑剤
は限られている。
【0011】しかも、良くなじませるためには、例えば
90℃で6時間ニ−ダ中で撹伴し、一体化を図った後、210
℃の混練エクストルーダで溶融ブレンドするといった手
法が工業的にも行われるなど、可塑化には時間とエネル
ギーが多用されている。さらに、低分子量可塑剤を用い
る欠点としては、まず、成形物の力学的特性など物性を
低下させることが挙げられる外、加工時に熱のために可
塑剤がミストとなり成形物の表面をくもらせたり、透明
性を悪くしたり、またフィルムなど成形物となった後、
可塑剤のブリードが起こるといったことが挙げられる。
【0012】以上見て来たように、高分子量にせよ低分
子量にせよ外部可塑剤を用いてセルロースアセテートの
可塑化を問題なく行うことは必ずしも容易でない。そこ
で考えられる第3の可塑化法はセルロースアセテートの
糖鎖の化学修飾ないしグラフト重合による方法である。
【0013】セルロース誘導体を化学修飾ないしグラフ
ト重合により可塑化しようとする試みはこれまでも幾つ
か試みられて来た。それらの中で魅力的なものとして
は、特開昭59‐86621、特開昭60―188401、特開昭60―2
12422、特開昭61―37814などにみられるダイセル化学工
業(株)の特許がある。そこではセルロースアセテート
を主とするセルロース誘導体と開環重合触媒の存在下で
ε−カプロラクトンを重合させ、セルロース誘導体のグ
ラフト重合体を生成せしめており、透明で可撓性を持っ
た力学特性にも優れた生成物を得ている。その場合の問
題点は、反応時間が実施例で見る限り6〜8時間と長い
点、反応時に溶剤を用いる場合が多く、溶剤の回収とリ
サイクルの際に溶剤の逸散をまねきやすいことにある。
【0014】これらのダイセル化学工業(株)の問題点
を解決し、それを乗り越える技法として1997年、ドイツ
国のAlbertーLudwigs大学とRhone Poulenc Rhodia社の共
同研究の成果が発表された[H Warth et al.,J.Appl.
Polymer Sci,64,231‐242(1997)]。そこでは、セル
ロースアセテート、ソルビトールなど多価アルコール、
開環重合触媒(チタン酸テトラブチル)の存在下で、バ
ッチ式ミキサー(IKAVSCバッチ・ミキサー)を用いる21
0℃、30分の反応によりε−カプロラクトンあるいはグ
リコリドあるいはラクチドを前二者、すなわちセルロー
スジアセテートと多価アルコールにグラフト重合させて
いる。その際、ε−カプロラクトン25wt%、多価アルコ
ール25wt%、触媒0.5wt%セルロースジアセテート50wt
%という仕込みで反応を行っている。この場合、反応の
後、真空留去により残存している揮発性モノマー類また
はポリオールを除去している。得られたラクトングラフ
ト化セルロースジアセテートは熱流動性を示す材料に変
換されているが、みかけの融点(熱流動温度)は181〜2
10℃でかなり高温である。
【0015】しかし、熱分解温度が249〜276℃と測定さ
れており、それらの温度と熱流動温度には十分な差異が
あるので、プラスチック材料として十分使えるとされて
いる。得られた材料の力学特性は引張強度が14.8〜1
7.5MPa、引張破壊伸び40〜81%、ヤング率が336〜496M
Paと測定されており、工ラストマー的材料、可饒性の大
きな材料といえる。なお、多価アルコール種を広く変化
させた場合、これらの特性はかなり広く変えられる。熱
流動温度は180〜222℃の範囲で変化させ得ており、また
引張特性については,強度11.5〜34.6MPa、破壊伸び5
〜64%、ヤング率458〜1408MPaの範囲の値が得られてい
る。熱流動温度は先のラクチド種を変えたデータと比べ
むしろ高温側に振れており、また、引張特性はエラスト
マーからガラス状ポリマーまで広範囲の物性のものとな
って来ている。
【0016】一方、セルロースジアセテート63.60また
は57wt%、ε−カプロラクトンをそれぞれ31、30または
29wt%、触媒チタン酸テトラブチル0.5wt%および充填
剤(リグニンデンプン、セルロース、キチン、PEG、PE
(GE/エチルエーテル、工ポキシ化大豆油)5、9ま
たは13部の組成のコンパウンドをそれぞれ二軸エクス
トルーダーを用いて、反応温度を190℃、滞留時間を5
分、スクリュー速度を250rpmの条件でリアクティブプロ
セッシング的に調製する実験も行われ、データが論文中
に表示されている。この場合、5分という短い反応操作
でε―カプロラクトンがセルロースジアセテートと充填
剤の水酸基(キチンの場合水酸基とアセチル化アミノ
基)位を介してグラフト重合され、成形しうるコンパウ
ンドが得られているが、コンパウンドの熱流動温度は24
5℃に達するものがあるなど高温になっている。なお、
この場合は残留している揮発性モノマー類の除去は行つ
ていない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題の一つは、より高能率なセルロースアセテート
を主とするセルロース誘導体へのグリコリドやラクチド
を含む環状エステルの開環グラフト共重合法および該グ
ラフト体を提供することにある。
【0018】本発明が解決しようとする課題の一つは、
ラクチドとε‐カプロラクトンなどを異なった環状エス
テル種を組み合わせて、セルロースアセテートを主とす
るセルロース誘導体に混成グラフト重合する方法および
該グラフト体を提供することにある。
【0019】本発明が解決しようとする課題の一つは、
よりプラスチック性、熱可塑性に優れたセルロース誘導
体を得るためのε‐カプロラクトンなどラクトン類開環
グラフト法とそれにより得られるグラフト体を提供する
ことである。
【0020】本発明が解決しようとする課題の一つは、
セルロースアセテートなどセルロース誘導体と開環重合
触媒存在下、環状エステルを混成グラフトさせ、生分解
性を備えたプラスチック材料とその製造方法を提供する
ことにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者らは本発明が解
決しようとする課題のそれぞれについて、その解決のた
めに既発表の文献の内容を詳細に検討し、それらが到達
しているレベル以上の知見を得るべく、鋭意研究を重ね
た。
【0022】まず、より高能率な該グラフト反応法を求
めるべくこれまでの実績を調べた結果、上記ダイセル化
学工業(株)の特許(特開昭59-86621、特開昭60-18840
1、特開昭60‐212422、特開昭61‐37814)では、少なく
とも実施例記載の内容で見る限り、触媒はチタン酸テト
ラブチルのみを用い、反応温度は140〜160℃、反応時間
は6〜20時間といった反応を行い、生成物をアセトンに
溶解した上で非溶剤に沈殿、精製したものについてε―
カプロラクトングラフトの生起を確かめている。そして
例えばグラフト鎖がε−カプロラクトンモノマー1.3〜
3.5ないし4〜5単位から構成されているといった知見を
得ると共に、生成グラフト化セルロースジアセテートの
最適射出成形温度が160〜180℃であるといった知見を得
ている。
【0023】それに対して前出のAlbert‐Ludwigs大学
とRhone Poulenc Rhodia社の論文[H,Warth et al.
J.Appl.Polymer Sci.64,231‐242(1997)]で
は、ダイセル化学工業(株)の該特許と同じ触媒を使っ
た上でIKAVISC Batch Mixerを用いて反応温度を210℃と
大幅に上げて、反応時間を30分と大幅に下げ、該グラフ
ト反応の高能率化に成功している。それでも、なお、グ
ラフト生成物の熱流動温度という点では180〜222℃とや
や高温側にあり、熱可塑化、プラスチック材料化という
点では不満を残している。しかも、この場合、多価アル
コールを25wt%とε−カプロラクトンと同量使用し、そ
れらがε−カプロラクトンとの反応物となって、外部可
塑剤として存在しているという状況の下においてであ
り、低分子量可塑剤の使用の前出の問題点の存在も考え
合わせると、大いに改善すべき状況にあるといえる。
【0024】そこで、本発明においては、まず、従来の
特許実施例あるいは論文実験例で固定して使われていた
チタン酸テトラブチルを他の開環重合触媒に変えての検
討を行い、オクチル酸スズを触媒に用いることにより、
ε−カプロラクトンを含む環状エステルのセルロースア
セテートヘのグラフト重合速度が著しく改善されること
を明確に知った。本発明のε―カプロラクトンとラクチ
ドのセルロースアセテートヘの混成グラフト重合にも全
く同様のことが起こること、またこの場合、ε―カプ口
ラクトンとラクチドの反応速度が異なるが、その内容は
反応温度の選択で調製でき、場合によっては反転もさせ
うることを知った。事実、フラスコ反応実験の範囲で反
応時間5分のものでも精製後のものとして熱流動するグ
ラフト化セルロースアセテートが得られている。それら
の検討を経て、ラクチドとε―カプロラクトンなど異な
った環状エステルを組み合わせてセルロース誘導体に混
成グラフト共重合する方法およびそれらにより得られる
広範な加工性及び物性のグラフト体を提供し得た。すな
わち、このフラスコ実験の段階でも生成グラフト化セル
ロースアセテートは110〜195℃までの熱流動温度を示す
ものとなっており、従来のε―カプロラクトングラフト
化セルロースジアセテートのそれらに比べ格段に低温の
ものが容易に得られ、かつ広範囲の熱可塑性、プラスチ
ック性を示すものとなっている。
【0025】引き続いて、HAAKE社製Poly Labo system
PTW25エクストルーダーをL/D36で用いるリアクティブプ
ロセシング手法によるセルロースジアセテートヘのラク
チドとε‐カプロラクトンのオクチル酸スズによるグラ
フト重合を検討した。リアクティブプロセシングすなわ
ち連続反応という特性と撹伴混合の高度化による反応の
高能率化を図ったわけであるが、これにより反応速度の
増大とより低い液比での反応が明確に行い得、生成物は
精製して未反応モノマー、ホモオリゴマーを除去したも
ので、120〜140℃の熱流動温度を示すものが得られ、前
出の従来の特許および論文文献に見られる値より格段に
低温のものとなっている。
【0026】他方、得られたグラフト化セルロースジア
セテートをシート状に成形した上で、シロアリ食害性お
よび生分解性について調べたが、PPフィルムが変化を受
けない条件下で、本発明のラクチド/ε―カプロラクト
ン混成グラフト化セルロースジアセテートは明確な変化
を示し、生分解性プラスチック材料であることを呈示し
た。
【0027】以上の様に、反応に用いる触媒を最適化
し、ラクチドとε―カプロラクトンを適宜の比率でグラ
フト重合反応に用い、100〜180゜Cまでの反応温度を目
的に応じて選択し、さらに二軸エクストルーダ−を用い
るリアクティブプロセシングも必要に応じ選択すること
により、本発明を完成するに至った。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明は、セルロース誘導体の存
在下で、環状エステルの開環重合触媒を加えて、二つ以
上の環状エステルを従来よりも高能率に開環重合させる
ことを特徴とする混成グラフト重合体の製造方法及びそ
れにより得られる熱可塑性ひいては成形加工性に優れ、
同時に生分解性を有するグラフト重合体を提供するもの
である。
【0029】本発明で用いられるセルロース誘導体とし
ては、分子中に残存水酸基を有するものであれば良く、
例えばセルロースジアセテート、セルロースアセテート
ブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セ
ルロースアセテートフタレート、および硝酸セルロース
等のセルロースエステル類、あるいはエチルセルロー
ス、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース
およびヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロ
ースエーテル類が挙げられる。
【0030】これらのセルロース誘導体のうち、生分解
性でありラクトン類への溶解性が良く、比較的安価で、
工業的に入手しやすいことからセルロース脂肪族エステ
ル類を本発明に使用することは好ましく、さらに取り扱
い易いことからセルロースアセテート、セルロースアセ
テートブチレート、セルロースアセテートプロピオネー
トが特に好ましい。
【0031】本発明においては上記のセルロース誘導体
より少なくとも一種を選び、使用すればよい。
【0032】本発明の環状エステルとしては、開環重合
し得るものであれば良く、例えばβ―プロピオラクト
ン、δ‐バレロラクトン、ε―カプロラクトン、α,α
−ジメチル−β−プロピオラクトン、β―エチル−δ−
バレロラクトン、α―メチル−ε−カプロラクトン、β
―メチル−ε−カプロラクトン、γ−メチル−ε―カプ
ロラクトン、3,3,5―トリメチル―ε―カプロラクト
ンなどラクトン類およびグリコリド、ラクチドといった
ラクチド類である。とりわけ工業的に入手しやすく、比
較的安価でセルロースジアセテートなど脂肪酸セルロー
スエステルと相溶性の優れたε‐カプロラクトンと他の
環状エステルを組み合わせるのが有利である。そのε―
カプロラクトンと組み合わせる他の環状エステルとして
は、その重合体としての性質がポリカプロラクトンと大
きく異なり、しかも相対的に安価なものがよく、それら
の意味ではラクチドが最適である。
【0033】本発明において、セルロース誘導体の存在
下で二種以上の環状エステルを開環重合することによっ
て混成グラフト重合体を得るに際して、セルロース誘導
体と環状エステルの比率、および異なった環状エステル
種間の比率は特に制限ない。しかし、一般に前者につい
てはセルロース誘導体1〜85重量%で環状エステル15〜9
9重量%が望ましい。セルロース誘導体の仕込み比率が
大きくなると反応系の粘度が著しく高くなり取り扱いに
くくなるが、その場合には本発明に含まれるリアクティ
ブプロセシング的取り扱いは効果を発揮する。それでも
なお取り扱い難いときには、補助的に第三成分としてセ
ルロースジアセテート及び環状エステルとの相溶性の良
い活性水素を持たない有機溶剤、あるいは反応性を有す
る多価アルコールを加えることによって系の粘度を取り
扱いやすい範囲に下げて反応させることも可能である。
【0034】本発明の重合反応においては、用いる触媒
としては、通常環状エステルの開環反応に用いられる触
媒、すなわち、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金
属及びそのアルコキシドなど誘導体;トリエチルアルミ
ニウムで代表されるアルキルアルミニウム及びその誘導
体、チタン酸テトラブチルで代表されるアルコキシチタ
ン化合物、オクチル酸スズ、ジブチルスズラウレート等
の有機金属化合物;塩化スズなどの金属ハロゲン化物を
用いればよい。これらは一般論として、ダイセル化学工
業(株)の特開昭59‐8662等に広く記載されている。
【0035】グラフト重合体を得るための重合温度は、
通常環状エステルの開環重合に適用されている温度であ
り、好ましくは100〜210℃の温度である。
【0036】また反応時間は、セルロース誘導体と環状
エステルの種類及び仕込み比率、また触媒の種類と量、
反応温度、さらには反応装置により異なり特に制限はな
いが、一時間以内で十分である。特に二軸エクストルー
ダーなどリアクティブプロセシング装置を未反応モノマ
ーの真空留去回収機構付きで用いるなど、合目的にし、
グラフト率、重合率に留意せず、熱可塑性付与の効果、
すなわちプラスチック材料への変換効果を中心に反応法
(グラフト法、製造法)を組み立てる場合には、反応時
間を6分以下など極端に短くして目的を達することも可
能である。
【0037】また、本発明のグラフト重合体を得るに際
して用いる原料および窒素、反応機等については十分に
乾燥させておくことが望ましい。
【0038】この様にして得られる反応物はグラフト重
合体と環状エステルのグラフトしていないセルロース誘
導体および環状エステルのホモポリマーが一部含まれ得
るが、その際、セルロース誘導体と環状エステルのホモ
ポリマーとの相溶性が、例え、それほど良くなくても、
グラフト重合体が仲介役(相溶化剤)となり、環状エス
テルのホモポリマーの混和性を良くするので、見かけ上
均一な樹脂となる。
【0039】本発明において得られるグラフト化組成物
は、後述する実施例からも明らかになるが、105〜1
95℃の熱流動温度を有する。
【0040】また、グラフト重合体のみを得て正確なグ
ラフト量、熱可塑性といった特性を測定したいという場
合も多いが、その場合には、常法に従って溶剤および非
溶剤を用いて分別、精製することにより、グラフト重合
体のみを得ることは容易に出来る。直接法でのポリ乳酸
の製造などでこの種の精製は工業的にも行いうるものと
考えられる様になって来ており、その重要性、実際性は
増してきている。すなわち、リアクティブプロセシング
の分離工程で、それなりの設備を用意して、未反応モノ
マーなど揮発性成分のみを除去する精製と、溶剤、非溶
剤を用いて触媒の除去を含め精製を行う場合と、コスト
的にも必ずしも前者が有利とは言い切れないと云われて
いる。前者に関連する特許文献としては,特開平7ー3048
59があり、後者に関連するものとしては特開平6‐65360
がある。
【0041】環状エステルを付加することによる脂肪族
セルロースエステルの内部可塑化効果は生成物の溶融温
度を下げるとともに熱分解温度を上昇させ得る。このこ
とにより、多量の可塑剤を添加することなく、通常の熱
可塑性樹脂の加工に用いられる成形手段、例えば射出成
形、押出成形、プレス成形などにより成形加工を行うこ
とが出来る。この環状エステルによって内部可塑化され
た脂肪酸セルロースエステル系熱可塑性成形品は、脂肪
酸セルロースエステルが生分解性であり、グラフト付加
した化学種がそれぞれに重合により生成するポリカプロ
ラクトンおよびポリ乳酸といったポリマーも生分解性で
あることがつとに知られている。むしろ、生分解性高分
子である脂肪酸セルロースエステルに、生分解性高分子
を与えるモノマーを意図的に付加グラフト重合した高分
子材料という側面を本発明のグラフト化物は持ってい
る。実際、実施例でも示されている様に、生分解性が証
明されて来ている。従って、この環状エステルによって
内部可塑化された脂肪酸セルロースエステル系熱可塑性
成形材料による成形品は、例えば、シート、フィルム、
パイプ、棒、工具類、食器具、包装材、電子部品材、玩
具など生分解性プラスチック材料として多岐にわたり使
用出来ると共に、物性が優れていることもあり、さらに
眼鏡枠、自動車ハンドル、医療用器具等々を加えた多く
の一般用途にプラスチック材料として使いうる。
【0042】さらに、この本発明による成形材料は移行
性もない。すなわち、ジメチルフタレート、ジエチルフ
タレート等のフタル酸エステルで可塑化されたセルロー
スアセテートの成形品と、メタクリル酸系樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、スチレン系樹脂などによる成形品を各
々接触させ高温高湿下に放置すると、移行したフタル酸
エステルによりメタクリル酸樹脂、ポリカーボネート樹
脂、スチレン系樹脂等による成形品は著しくおかされ、
白化したり、微細なクレージング等を発生する。しかし
ながら、本発明による環状エステルで内部可塑化された
成形材料は上記成形品と高温高湿下に放置しても、おか
すことなく、極めて優れた前記目的にかなった性質を具
備している。また、通常、樹脂成形材料には熱劣化防
止、熱着色防止のため各種安定剤が添加されているが、
本発明の成形材料にもそれらを必要量単独、または数種
混合して添加しても差し支えない。また、その他、可塑
剤、充填剤、滑剤、帯電防止剤などを目的に応じて添加
して差し支えない。
【0043】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。な
お、特にことわりのない限り、実施例中の部及び%は重
量部および重量%を示す。また、GPC分析は、次の分
析条件で行った。
【0044】 カラム(分子量分布測定用):TSKーGEL GMHHRーHを2本連結して使用 (カラムサイズ:7.8mmID×300mm) 流速 :1.0ml/min 移動相 :テトラヒドロフラン 試料注入量 :100μl カラム温度 :40℃ 検出器 :示差屈折計 [実施例1]撹伴機、温度計、還流冷却器(上部に乾燥
管付き)を備えた反応器に絶乾セルロースジアセテ−ト
(ダイセル化学工業(株)製L-40、酢化度55%、置換度
2.45)100部、ラクチド335部、精製ε―カプロラクトン
265部(ラクチドとε‐カプロラクトンのモル比は1:1
)を加え、120℃に加温し、攪拌してセルロースジアセ
テートを均一に溶解させた。溶解を確かめたのち、オク
チル酸スズ15部を加え、120℃で攪拌下に5分反応した。
この反応時間の範囲では最後まで正常な攪拌が行えた。
反応時間終了後、反応フラスコを油浴から引き上げ、過
剰のアセトンを加えて全体を均一に溶解した後、濾過、
大過剰のメタノール中に投入、グラフト化セルロースジ
アセテートを沈殿させて、未反応モノマーおよびラクチ
ドとε−カプロラクトンとの何らかの重合物を除去し
た。この溶剤、非溶剤を用いる精製を3回繰り返した。
【0045】得られたグラフト化セルロースジアセテー
トを風乾、引き続いて60℃で真空乾燥した後、まず、テ
トラヒドロフランを展開剤としてGPC分析を行った。
その結果、標準ポリスチレン換算で、出発セルロースジ
アセテートが数平均分子量(Mn)57,000、重量平均分
子量(Mw)156,000であったのに対し、本開環グラフ
ト化セルロースジアセテートは反応時間が5分であった
にもかかわらず、Mnが158,000、Mwが346,000であ
り、グラフト重合が十分進んでいることが知られた。こ
のことはIR分析によっても確かめられた。事実、この
グラフト化セルロースジアセテートは、明確な熱流動を
示し、フローテスターで測った熱流動温度(Tf)は135
゜Cであった。また、この生成物は室温でガラス状で硬
い材料であつた。
【0046】[実施例2]反応温度を160℃とする以
外、実施例1と同一条件、同一様式の開環グラフト化反
応を行った。得られたグラフト化セルロースジアセテー
トのGPC分析の結果は、Mnが204,000、Mwが443,00
0であり、実施例1の生成物よりさらに開環グラフト反
応が進んでいることが知られた。このことは、反応温度
を実施例1の場合より40℃高め160℃にした結果として
まず理解できる。生成物の熱流動温度も110℃まで低下
しており、グラフトが進んだ結果として一応理解でき
る。一方、得られた生成物は室温でゴム状であった。実
施例1の場合はガラス状のものが得られており、大きな
違いとなっている。もともと、ε−カプロラクトンのみ
をグラフトさせるとエラストマーないしゴム状のグラフ
ト化セルロースアセテートが得られ、他方でラクチドの
みをグラフトさせると硬いガラス状の生成物が得られ
る。このことより、実施例1の場合より反応温度を40℃
高めたということが、ε―カプロラクトンの重合性をラ
クチドのそれに比べ大きく高めたと言える。このこと
は、ラクチドとカプロラクトンの共重合鎖から成るグラ
フト鎖の組成を反応温度でコントロールできるというこ
とを意味しており大変興味深いことである。
【0047】[実施例3]反応温度を140℃とする以
外、実施例1と同一条件、同一様式のセルロースジアセ
テートに対するラクチドとε−カプロラクトン等モル混
合系での開環グラフト化反応を行った。得られたグラフ
ト化セルロースジアセテートのGPC分析結果は、Mnが1
72,000、Mwが379,000で、実施例1の生成物の分子
量と実施例2のそれとの間に入り、反応温度の順に従っ
ており、理解しやすい結果であるといえる。生成物の熱
流動温度も実施例1と2のそれらの間の値をとってい
る。一方、得られた生成物は室温で硬めのゴム状であ
り、引張強度24.9MPa,引張破壊伸び39.7%、ヤング
率667.8MPaの引張特性。 140℃、5分の反応では同一モ
ル数で仕込まれているラクチドとε−カプロラクトンの
反応が、生成物をエラストマー状にするに十分な量反応
したといえる。
【0048】[実施例4]反応時間を10分間とする以
外、実施例3と同―条件として、セルロースジアセテー
トヘのラクチドとε−カプロラクトン等モル混合系での
開環グラフト化反応を行った。実施例1と比較すると、
反応温度は140℃と20℃上げ、反応時間は10分と2倍にし
ている。得られたグラフト化セルロースアセテートのG
PC分析結果は、Mnが183,000、Mwが432,000で、
実施例3のそれらより大きく、温度が160℃と高く、反
応時間は5分と半分である実施例2とほぼ同じか僅かに
低いという結果になった。 140℃で反応時間を2倍の10
分にする効果と、160℃と反応温度を20℃上昇する効果
がほぼ等しいといえる。熱流動温度は105℃と実施例2
の場合のそれとほぼ等しい値を示し、この点も整合性が
あった。この場合も得られた生成物はエラストマー状で
あった。
【0049】[実施例5]反応温度を140℃とし、反応
時間を20分とする以外、実施例1と同一条件、同一様式
の開環グラフト化反応を行った。実施例3および4と比
較すると、反応温度を20分とそれぞれ4倍および2倍にす
る点のみ異なっている。
【0050】得られた生成物のGPC分析結果は、Mn
が230,000、Mwが543,000で、実施例4より大きな値
になっており、整合性がある。出発原料のセルロースジ
アセテート(L‐40)のMnが57,000、Mwが156,000で
あったことと改めて比較すると、このグラフト化によ
り、Mnが約4倍、Mwが約3,5倍にも数字上なってお
り、この種のグラフト化反応が短時間に効果的に進むこ
とが再確認される。生成物はエラストマー状である。
【0051】[実施例6]反応温度を140℃とし、反応
時間を30分とする以外、実施例1と同一条件の開環グラ
フト化反応を行った。実施例5と比較すると、反応温度
を30分と10分多くしている点のみ異なっている。
【0052】得られた生成物のGPC分析結果は、Mn
が227,000、Mwが673,000となり、実施例5のそれら
と比べMnがほぼ同じ、Mwが漸増という結果になって
いる。反応時間を長くするだけでのグラフト重合の度合
いの進捗がレベルオフしつつある可能性を示す結果と成
っている。熱流動温度は120℃と僅かに高めに出ている
(この試料は精製が4回行われて完結しており、フィル
ム成形も行われている。ホモオリゴマーが完全にとれて
おり、これまでの試料が精製2回まででホモオリゴマー
がなお少量残っているとするとその差が出ているといえ
る。)とはいえ、120℃という熱流動温度はセルロー
スジアセテートのそれとしては画期的に低下した温度と
いえる。前出のH.Warthらの論文中の値180〜222℃と比
べてはっきりとそういえる。熱流動温度を120℃まで下
げられるということは多くの加工の可能性を生み、広範
囲にセルロースアセテートを用いうることになる。
【0053】生成物をホットプレスを用いてシート状に
成形し、短冊試片を切り出して引張試験を行った。 10
試片の平均として得られた引張強度は16.4MPa、引張破
壊伸びは100.2%、ヤング率は83.7MPaであった。明ら
かにエラストマータイプの物性を持っていることが知ら
れる。
【0054】[実施例7]触媒量を3重量部と1/5に
する以外、実施例5と同一条件の開環グラフト化反応を
行った。
【0055】得られたグラフト化セルロースジアセテー
トのGPC分析結果は、Mnが160,000、Mwが366,000
であり、両者とも実施例5の場合の約70%の値と小さく
なっている。用いた触媒の量を1/5にしたためであり、
当然の結果と考えられる。それでも出発物質であるL−4
0の値のそれぞれ3倍および2.5倍にはなっている。他
方、熱流動温度は140℃であり、相対的に高温側にある
ものの、触媒量がこの様に少なくても、熱流動性付与は
十分に行い得、成形加工しうるプラスチック材料にセル
ロースジアセテートを変換しうるといえる。一方、非常
に興味深いのは、生成物がガラス状になるということで
ある。このことは等モルで仕込まれたラクチドとε−カ
プロラクトンのうちラクチドの開環重合が相対的に良く
進んだということを示している。実施例1では反応温度
が低く設定されたため生成物がガラス状になったが、こ
こでは触媒が少量であるためである。反応の条件が劣っ
たものになるとε‐カプロラクトンの反応が抑制される
という結果になっており、ラクチドの方が相対的に反応
性に富むと結論できる。
【0056】[実施例8]ラクチドとε−カプロラクト
ンの仕込みモル比を1:1 から1:0.8に変更する以外、
実施例5と同じ条件でセルロースジアセテートヘの開環
グラフト化反応を行った。得られた生成物のGPC分折
結果は、Mnが244,000、Mwが594,000で、実施例5
の生成物のそれらよりそれぞれ1割弱大きいもののほぼ
同じ値となった。熱流動温度は105℃で、若干低い値と
なっている。
【0057】生成物をシート状にホットプレス成形した
上で短冊状試片を切り出し、力学特性を測定した。 10
試片の平均として得られた引張強度は14.6MPa、引張破
壊伸びは130.6%、ヤング率は49.8MPaであった。生成
物がエラストマーであることを示している。
【0058】[実施例9]ラクチドとε‐カプロラクト
ンの仕込みモル比を1:1から1:0.6に変更する以外、
実施例5と同じ条件でセルロースジアセテートヘの開環
グラフト化反応を行った。得られた生成物のGPC分析
結果は、Mnが229,000、Mwが508,000で、実施例5
の生成物のそれらとほぼ同じか僅かに低めであり、開環
グラフト化反応は十分に進んでいることが知られた。熱
流動温度は120℃で、反応度から考えて予期できる範囲
の値となっている。
【0059】生成物をシート状に成形した上で得た引張
強度は28.1 MPa、引張破壊伸びは2.1%、ヤング率は1
525MPaであった。生成物が室温でガラス状であることを
示している。従って、仕込んだε―カプロラクトンをラ
クチド1モルに対し0.6モルまで低下させると、セルロ
ースジアセテートヘ導入されるグラフト鎖中へのε−カ
プロラクトンの割合も少なくなり、生成物を室温でガラ
ス状のものとするといえる。この場合は、仕込み組成的
にε―カプロラクトンの反応を抑制した結果といえる。
【0060】[実施例10]ラクチドとε―カプロラク
トンの仕込みモル比を1:1 から1:0.4に変更する以
外、実施例5と同じ条件でセルロースジアセテートヘの
開環グラフト化反応を行った。得られた生成物のGPC
分析結果は、Mnが158,000、Mwが370,000で、実施
例5の生成物のそれらの70%とそれぞれ低い値になって
来ている。ただし、出発原料であるセルロースジアセテ
ートL−40に比べると、Mnで約3倍、Mwで2.4倍
で十分にグラフト化反応は進んでる。熱流動温度も125
℃であり、加工性が高いプラスチック材料に変換されて
いるといいうる。
【0061】生成物は室温でガラス状を呈しており、前
述同様、仕込み組成的にε―カプロラクトンの反応を抑
制した形になっているといえる。
【0062】[実施例11]ラクチドとε−カプロラク
トンの仕込みモル比を1:1 から1:0.2に変更する以
外、実施例5と同じ条件でセルロースジアセテートヘの
開環グラフト化反応を行った。生成物のGPC分析結果
は、Mnが161,000、Mwが352,000で、実施例7とほ
ぼ同程度か僅かに低い値になっている。熱流動温度は13
5℃であり、依然として加工性の高いプラスチック材料
が得られている。
【0063】生成物はやはり室温でガラス状であり、こ
の点でも仕込み組成の変化に伴う規則性が認められる。
【0064】[実施例12]ラクチドとε−カプロラク
トンの仕込みモル比を1:1 から1:0.4に変更すると共
に、液比も6から4に変更する以外、実施例5と同じ条件
でセルロースジアセテートヘの開環グラフト化反応を行
った。
【0065】仕込み比が同じ実施例10とほぼ同じ結果
が得られ、液比を小さくした影響は殆どこの範囲では認
められない。
【0066】[実施例13]ラクチドとε―カプロラク
トンの仕込みモル比を1 :1 から1:0.2に変更すると共
に、液比を6から4に変更する以外、実施例5と同じ条件
でセルロースジアセテートヘの開環グラフト化反応を行
った。
【0067】仕込み比が同じ実施例11に比べ、Mn、
Mwがやや大きくなり、グラフト化がより進んでいるこ
とが示されると共に、熱流動温度は130℃となり、グラ
フト鎖にラクチドが多く入って室温でガラス状の特性を
示すプラスチック材料が得られている。
【0068】[実施例14]ラクチドとε―カプロラク
トンの仕込みモル比を1:1から1:1.25とε―カプロラ
クトンを多くする方向で変更し、反応時間を20分から50
分へと長くする以外、実施例5と同じ条件でセルロース
ジアセテートヘの開環グラフト化反応を行つた。
【0069】得られた生成物のGPC分析結果は、Mn
が210,000、Mwが578,000で、実施例5の生成物のそ
れらと同程度かやや大きくなっている。実施例6の場合
(反応時間を30分と長くしている)の生成物に比べれ
ば、生成物の分子量は小さくなっている。ε‐カプロラ
クトン分の大きい反応系、すなわち、ラクチドに比べ反
応性が本質的には劣ると考えられるε‐カプロラクトン
のモル比を多くした反応系での反応であるためと考える
ことが一応出来るが断言しがたい。熱流動温度は115℃
で、熱流動しやすいプラスチック材料に変換されている
といいうる。
【0070】生成物のシート成形物について引張特性を
測定し、引張強度10.3MPa、引張破壊伸び185.8%、ヤ
ング率22.0MPaの値を得た。著しくエラストマー性の高
い材料が得られており、これまで見てきた規則性を体現
している。
【0071】[実施例15]撹伴機、温度計、還流冷却
器(乾燥管付き)を備えた反応フラスコに絶乾セルロー
スアセテート(ダイセル化学工業(株)製、酢化度55
%、置換度2.45)100部、ラクチド398部、精製ε‐カ
プロラクトン315部(ラクチドとε―カプロラクトンの
モル比は1:1;液比7)を加え、110℃に加熱し、窒素
を吹き込みながら撹伴してセルロースアセテートを均一
に溶解させた。溶解を確かめたのち、オクチル酸スズ2
部を加え、110℃で撹伴下に120分反応させた。この
場合、反応時間約20分を経過すると、反応物の粘度が上
昇し、撹伴棒にまきついた形で、撹伴棒と共にフラスコ
座部に沿って回転するようになる。反応時間終了後、反
応フラスコを油浴から引き上げ、過剰のアセトンを加
え、撹伴して全体を均一に溶解した後、濾過、大過剰の
メタノール中に投入、グラフト化セルロースアセテート
を沈殿させて、未反応モノマーおよびラクチドとε―カ
プロラクトンとの何らかの重合物を除去した。この溶
剤、非溶剤を用いる生成物の精製を3回繰り返した。
【0072】得られたグラフト化セルロースジアセテー
トを風乾、引き続いて60℃で真空乾燥した後、まず、テ
トラヒドロフランを展開剤としてGPC分析を行った。そ
の結果、標準ポリスチレン換算で、出発セルロースジア
セテートがMn57,000、Mw56,000であったのに対
し、ここでの生成物は、Mn93,000、Mw181,000で
あり、グラフト重合が進んでいることが知られた。しか
し、実施例1さらには実施例2〜14のそれぞれの反応
生成物のそれらと比べると格段に低分子量であり、グラ
フト化の程度は低い。これは反応温度が110℃と最も低
い温度であると共に、触媒が2部と相対的に少量である
ためである。この様に反応条件が劣ったものであること
から、これまでも指摘されたようにε‐カプロラクトン
の反応が抑制され、生成物はガラス状を示した。それで
も熱流動温度は165℃で、十分にプラスチック材料に変
換されたといえる。ちなみに、この165℃という熱流動
温度は、H.Warthらの論文では得られていない。
【0073】[実施例16]液比を14、また触媒添加量
を4部、さらに反応時間を35分とする以外、実施例15
と同条件の開環グラフト化反応を行った。
【0074】得られたグラフト化セルロースジアセテー
トのGPC分析結果は、Mnが110,000、Mwが214,000
と実施例15の場合と比べると大きくなっている。液比
と触媒量を大きくした結果と考えられる。しかしそれで
も、生成物はガラス状であり、実施例7の結果も参照し
て考えると、触媒量がレベル以下であり、ε―カプロラ
クトンの反応が抑制された結果と考えられる。
【0075】[実施例17]HAAKE社製Poly Labo Syste
m PTW25 二軸エクストルーダーをL/D比36(D=25mm)
で用いてセルロースジアセテートにε―カプロラクトン
およびラクチドをグラフト共重合させた。仕込量比がセ
ルロースジアセテート(L―40)100部に対して、ラクチ
ド201部、ε−カプロラクトン399部[ラクチド/ε−カ
プロラクトン(モル比)=1/2.5]となるようにエクス
トルーダーに供給した。すなわち、セルロースジアセテ
ートは粉末定量供給器により、またラクチドとε―カプ
ロラクトンを1対2.5のモル比で予め溶液とした上で、
触媒であるオクチル酸スズをセルロースジアセテート10
0部に対し6部となる様に実験直前に秤り取って加え、送
流ポンプを用いる液体定量供給器によってPTW 25エクス
トルーダーに供給した。この仕込みによると、セルロー
スジアセテートに対する溶液添加量比(即ち、液比)は
6となる。反応温度は140℃とし、反応時間は滞留時間と
いうことになるが、30分とした。
【0076】反応物はPTW 25エクストルーダーの先端ノ
ズル部から排出される形で出てくるが、十分定量状態と
なった後のものを生成物として採取した[本実験では原
料供給後40分(滞留時間+10分)を経たのちサンプリン
グ]。
【0077】その後、まずグラフト化セルロースジアセ
テートの重量を精秤し、その5〜20倍量のアセトンを加
えて均一に溶解した後、得られたアセトン溶液を大過剰
のメタノールあるいはメタノールと脱イオン水の混合溶
媒に滴下、投入し、再沈殿させた。得られた沈殿物を
0,5μm PTFE製メンブレンフィルターを用いて濾集し、
数回洗浄した。濾集物は60℃送風乾燥器及び60℃真空乾
燥器で乾燥後、あるいは未乾燥のまま再びアセトンに溶
かし、同様の再沈殿精製を行った。この様な精製を3回
行った(但し;1回目の再沈殿の時のみ、触媒中のスズ
を取り除くために、再沈殿溶媒に1N・HClを1%量加え
た)。最終精製後、60℃送風および真空乾燥器を順次用
いて完全に溶解させた。
【0078】得られた全乾生成物についてテトラヒドロ
フランを展開剤としてGPC分析を行った。
【0079】その結果、標準ポリスチレン換算で、出発
セルロースジアセテートがMn57,000、Mw156,000
であったのに対し、ここで得られた開環グラフト共重合
セルロースアセテートは、Mnが128,000、Mwが36
8,000と約2.3倍の値になっていた。この場合、触媒量
が6部と相対的に小さいこと、ラクチドとε‐カプロラ
クトンの比が1:2.5と相対的に反応性が劣るε‐カプ
ロラクトンの比率が高いものとなっていることが強調で
きる。それにも拘わらず、得られた分子量の値から考え
て、見劣りのしないセルロースアセテートヘのグラフト
共重合がなされていると言える。このことはIR分折で
も確かめられた。事実、このグラフト化セルロースアセ
テートは、明確な熱流動を示し、フローテスターで測っ
た熱流動温度(Tf)は145℃であった。
【0080】また、この生成物は室温でエラストマー状
であった。この点は、ε−カプロラクトンの仕込量が大
きいためと理解できる。事実、得られた反応生成物の精
製物をシート成形し、短冊試片を切り出して引張試験を
行った結果、引張強度21.8MPa、引張破壊伸び118.6
%、ヤング率243 MPaというデータが得られ、精製物が
やや硬いものの工ラストマー的な特性を有していること
を裏付けた形になった。
【0081】[実施例18]オクチル酸スズ触媒量をセ
ルロースジアセテート100部に対して8部と2部増やす以
外、実施例17と同一条件、同一様式の開環グラフト化
反応を行った。得られたグラフト化セルロースアセテー
トについてのGPC分析の結果は、Mnが134,000、M
wが354,000であり、実施例17の反応生成物と同等な
いしやや大きな分子量を持つものとなった。触媒量を3
割3分増しにした結果として、この様な数値が得られた
わけである。生成物の熱流動温度も140℃であり、実施
例17のそれに比べ5℃低下したものとなっており、グ
ラフトが進んだ結果として理解できる。一方、得られた
生成物は室温でエラストマー状であった。このことは、
得られた反応生成物をホットプレスを用いてシート状に
成形し、短冊試片を切り出して引張試験を行った結果に
よっても裏付けられた。すなわち、10試片の平均とし
て得られた引張強度は18.4 MPa、引張破壊伸びは143
%、またヤング率は101.7 MPaで、エラストマーである
ことが知られた。
【0082】[実施例19]実施例18と同一の条件で
エクストルーダーを用いての反応を行い、反応が十分平
衡状態に達したところでエクストルーダーの運転をと
め、その状態で40分間、140℃の加熱のみを継続した
後、再びエクストルーダーの運転を行い、サンプルを順
次採取した。
【0083】その結果、Mn147,000、Mw358,000の
生成物(グラフト化セルロースジアセテート)が得ら
れ、実施例18の場合よりも明らかに高分子量のものと
なることが知られた。熱流動温度も135℃であり、実施
例18でのそれよりさらに5℃低下している。グラフト
重合がさらに進んでいることを裏付けている。一方、得
られた生成物は室温でエラストマー状であった。事実、
ホットプレス成形して得られたシートは、引張強度13.
7 MPa、引張破壊伸びは164.1%、またヤング率は27.2
MPaといった力学特性を室温で示した。実施例18の場
合の対応する実験結果と比べると、より室温で柔らかく
なり、エラストマー性が強まっていることが知られる。
このことはε−カプロラクトンのグラフト鎖への導入
が、40分の加熱処理時間に、より多く進んだことを示す
ものといえよう。
【0084】なお、このグラフト生成物はエクストルー
ダーの排出ノズルから出て来た状態で引っ張られると10
数mに渡り糸状を保ったまま保持でき、エンドレスに巻
き取れることが知られた。このことはモノマーとして残
存している割合が十分小さくなったことを少なくとも示
すと言えよう。
【0085】[実施例20]オクチル酸スズをセルロー
スジアセテート100部に対して10部と4部増やす以外、実
施例17と同一条件、同一様式の開環グラフト化反応を
行った。得られたグラフト化セルロースジアセテートに
ついてのGPC分析の結果は、Mnが147,000、Mwが37
1,000であり、実施例17および実施例18の生成物よ
りやや大きな分子量を持つものとなった。触媒量を多く
した結果がそのまま現れている。生成物の熱流動温度も
120℃と、実施例17および実施例18の場合がそれぞ
れ140および135℃であったことと比べて大幅に低い値と
なっている。
【0086】一方、得られた生成物は室温でエラストマ
ー状を呈しており、シート状に成形した試料について得
られた力学特性は、引張強度10.6 MPa、引張破壊伸び1
38,1%、またヤング率1 8.4 MPaで、エラストマーで
あることが確認された。
【0087】[実施例21]オクチル酸スズをセルロー
スジアセテート100部に対して12部と2倍にする以外、実
施例17と同一条件、同一様式の開環グラフト化反応を
行った。得られたグラフト化セルロースジアセテートに
ついてのGPC分析の結果は、Mnが165,000、Mwが
459,000であり、実施例17〜20のいずれの生成物よ
り大きな分子量を持つものとなった。これも触媒の量を
多くすることにより、グラフト化生成量が多くなるとい
う結果を示すものといえる。生成物の熱流動温度も125
℃と、実施例17の145℃、実施例18の140℃、実施
例19の135℃に比べて、随分と低い温度になってい
る。ただ、実施例20の熱流動温度(120℃)と比べると5
℃の温度差で微妙であるが同等ないしやや高温側にある
ものと言える。また、生成物は室温で高度にエラストマ
ーであった。事実、シート状に成形した上で、力学特性
を測定したところ、引張強度9.1 MPa、引張破壊伸び27
1.8%、またヤング率6.9 MPaというエラストマー性の
高い値が得られた。
【0088】これらは後出の実施例23の生成物に続
く、エラストマー性の大きな材料になっていることを明
確に示している。
【0089】[実施例22]液比を4(セルロースジアセテ
ート100部に対して、ラクチド134部、ε−カプロラクト
ン266部の仕込みで液比4になる)とする以外、実施例1
7と同一条件、同一様式の開環グラフト化反応を行っ
た。得られたグラフト化セルロ−スジアセテートについ
てのGPC分析の結果は、Mnが147,000、Mwが455,00
0で、液比6の対照試料での場合(実施例17)よりも大き
な値をとっている。なお、ここで得られた生成物(精製
後)は、室温でエラストマー状を呈した。
【0090】[実施例23]オクチル酸スズ触媒添加量
をセルロースジアセテート100部に対して12部と、実施
例17や実施例22の場合の2倍とする以外、実施例22
と同一条件、同一様式の開環グラフト化反応を行った。
得られたグラフト化セルロースジアセテートについての
GPC分析の結果は、Mn175,000、Mw499,000であ
り、実施例21(液比6の場合の対照例)で得られた生
成物のそれよりやや大きな値となった。この点は、先の
実施列22と同様でエクストルーダーを反応機として用
いる場合に、液比より粘性が変わる効果など、練り込み
反応の効果が変化し、液比に適値が存在する可能性があ
る。
【0091】ここで得られた生成物の熱流動温度も125
℃と実施例21と同等で、非常に低い値となっている。
一方、得られた生成物は室温でエラストマー状を呈して
おり、シート状に成形した試料について得られた力学特
性は、引張強度8.3 MPa、引張破壊伸び173.0%、また
ヤング率5.7MPaであり、今回得られた試料の中で最も
柔らかく、最も大きなエラストマー性を発現するものと
なっている。その点では、前出の様にここでの試料の対
照試料となっている実施例21のものが、これに続く高
いエラストマー性を持ったものになっている。
【0092】結局、以上のことより、触媒量を多くする
ことにより、反応系中にラクチドに比べ2.5倍モル多く
存在する相対的に反応性の低いε―カプロラクトンの重
合を促し、これがグラフト鎖中に多量に入る結果、エラ
ストマー性の高い生成物が得られるものと考えられる。
【0093】[実施例24]液比を2(セルロースジア
セテート100部に対して、ラクチド67部、ε−カプロラ
クトン133部の仕込みで液比2になる)と著しく小さく
し、オクチル酸スズ触媒量をセルロースジアセテート10
0部に対して10部とする以外、実施例17と同一条件、
同一様式の開環グラフト化反応を行った。得られたグラ
フト化セルロースジアセテートについてのGPC分析の結
果は、Mnが148,000、Mwが368,000で、液比が6の
対照試料での場合(実施例20)とほぼ同等の値をとっ
ている。液比2での反応は、反応機としてエクストルー
ダ−を使ってはじめて可能であり、フラスコ実験やバッ
チ式装置を使っての実験では十分に行い得ない。それに
も拘わらず、ここで示されている様に液比が大きい(液
比6;フラスコ実験可能)実施例20の場合と同等の反
応物が得られたという結果は大いに注目でき、意義深
い。但し、得られた生成物の熱流動温度は135℃であ
り、これも予期以上の成果であるが、実施例20の生成
物のそれが120℃であることと比べると15℃高い温度に
なっている。
【0094】他方、得られた生成物は室温でエラストマ
−状であり、これも予期以上の処理効果である。シート
状に成形した試料について得られた力学特性は、引張強
度13.4 MPa、引張破壊伸び159.0%、ヤング率35.1
MPaであり、室温でエラストマーとして挙動するプラス
チック材料となっている。
【0095】[実施例25](株)栗本鉄工所製S1 KR
Cニーダをバッチ式反応器として用い、セルロースジア
セテートにε―カプロラクトンおよびラクチドをグラフ
ト共重合させた。
【0096】仕込量比がセルロースジアセテート(Lー4
0)100部に対して、ラクチド335部、ε‐カプロラクト
ン265部[ラクチド/ε―カプロラクトン(モル比)=1
/1]となるように、ニーダに供給した。そのさい、予
め室温で固体であるセルロースジアセテートとラクチド
を室温で液体であるε―カプロラクトンに溶解し、溶液
とした上で、直前に開環重合触媒オクチル酸スズをセル
ロースジアセテート100部に対して4部加えて、140℃に
調温されたS1KRCニーダに注入供給した。この仕込みに
よるとセルロースジアセテートに対する環状エステルモ
ノマー添加量比(即ち、液比)は6となる。反応温度は1
40℃とし、反応時間は40分とした。
【0097】得られた反応生成物の所用区分を精秤した
上で、5〜20倍量のアセトンを加えて均一に溶解した
後、得られたアセトン溶液を大過剰のメタノールに滴
下、投入し、再沈殿させた。得られた沈殿物を0.5μm
PTFE製メンブレンフィルターを用いて濾集し、数回洗浄
した。濾集物は60℃送風乾燥器および60℃真空乾燥器で
乾燥後、あるいは未乾燥のまま、再びアセトンに溶か
し、同様の再沈殿精製を行った。この様な精製を3回行
った。(但し、1回目の再沈殿時のみ、触媒中のスズを
取り除くために、再沈殿溶媒に1N―HClを1%加えた。)
最終精製後、60℃送風および真空乾燥器を順次用いて完
全に乾燥させた。
【0098】得られた全乾生成物についてテトラヒドロ
フランを展開剤としてGPC分析を行った。その結果、
標準ポリスチレン換算で、出発セルロースジアセテート
がMn57,000、Mw156,000であったのに対し、ここ
で得られた開環グラフト共重合セルロースジアセテート
は、Mnが148,000、Mwが296,000と大幅に増加した
ものとなった。精製した生成物の熱流動温度は135℃と
使いやすい温度となっている。一方、生成物は室温でガ
ラス状であり、この点も含め、本反応は実施例7に対応
したものといえ、リアクティブプロセシングによって
も、ラクチドの反応がε−カプロラクトンのそれに比べ
優勢になる条件を整えると、対応する条件下でのフラス
コ実験で認められた反応の特徴が現れると言える。事
実、反応直後の反応生成物中に含まれる未反応モノマー
量をHPLCにより定量したところ、本実験例の場合、ラク
チドの場合は2.5%、またε‐カプロラクトンは60.4
%であり、圧倒的に後者が多く未反応のまま残り、生成
物が室温でガラス状のプラスチックである理由を明確に
示した。
【0099】[実施例26]反応温度と時間を110℃
で18分、140℃で19分とより弱い反応条件とする以
外、実施例25と同一条件、同一様式で開環グラフト反
応を行った。
【0100】得られたグラフト化セルロースジアセテー
トについてのGPC分析の結果は、Mnは113,000、M
wは232,000で実施例25の場合より小さくなった。得
られた生成物(精製済)は実施例25の場合より硬いガ
ラス状を呈しており、熱流動温度は145℃で実施例25
の場合より10℃高い温度となっている。これらの結果
は、ここでのグラフト化条件が実施例25のそれよりも
緩和なものであることと対応した結果であり、考えやす
い。また、反応後の残存モノマー量についてのHPLC定量
結果を見ても、ラクチドのそれが4.9%、ε―カプロラ
クトンのそれが83.6%といずれも実施例25の対応す
る値よりも大きくなっており、同時にε‐カプロラクト
ンのグラフト鎖への導入がより抑制されたものとなって
いることが知られ、上記の事柄を裏付けている。
【0101】[比較例1]ガラス瓶(直径45mm、高さ
78mm)の底面に20メッシュパスの砂10gを敷き、蒸留
水2mlを加えた。これを試験容器とする。試験容器に
は、重量既知のPPシート小片 (10×10×0.4m
m)1枚とイエシロアリ(職蟻45頭、兵蟻5頭)を加え
て試験を行った。試験容器にはポリエチレン製のふた
(直径42mm)を軽くしめた。試験期間は3週間で、試
験容器は温度30℃、相対湿度80%の暗所で静置した。試
験終了後、PPシ−トを取り出し、丁寧に拭った後、秤量
し、重量減少率を求めたところ、5枚の平均でー0.926
%の重量減少を示した。マイナスの値になったのは、試
験中の吸湿ないし、異物付着の影響と思われるが、いず
れにしても上述の条件下では、PPはシロアリにより摂食
されないことを示す結果である。
【0102】[実施例27]比較例1と同様の強制摂食
試験を、実施例17で調製したグラフト化セルロースジ
アセテートを成形して得たシート小片(10×10×0.4m
m)を紙片として行ったところ、5枚の平均で18.3%の
重量減少率が得られた。この結果は、比較例1でPPシー
ト小片が全くシロアリに摂食されなかったのに比べ、明
確な差のある結果であり、実施例17で調製したグラフ
ト化セルロースジアセテートは、生分解性があるものと
考えられる。
【0103】[実施例28](有)自然耕房製の20l容
で38℃に調温されているコンポスト装置(ナチュレポケ
ットNSー1)を用いた。装置内にはおがくずと好気性の
炭水化物分解菌(NS菌)をまず仕込み、月〜土曜日に一
日当たり1kgの残飯が投入されるという形で継続的に
運転を行った。(10日に1日は菌を休ませるため何も投
入しない方が良いとされている。そこで本実験では日曜
日には残飯の投入を行わず休養日とした。)好気性菌に
よる分解を行っているため、装置内での攪拌を4時間に
―度行った。この攪拌に対処するため、用いたシート状
の小型試片は、金属ないし硬質プラスチック性の網状の
プロアクト容器に挟んで、投入試験した。シート状に熟
圧成形した後、約20×20 mm に切り出した0.4mm厚
のシートを試片として用いた。
【0104】本実施例では、ラクチドとε−カプロラク
トンのモル比を4:10としてとり、液比6、オクチル
酸スズ(II)触媒量2.4%(セルロースジアセテート10
0部に対しては、12部に相当する)、反応温度140℃、
反応時間30分の条件でフラスコ内でグラフト重合させ、
アセトン溶解/メタノールヘの再沈殿を2回繰り返して
精製して得た反応生成物を0.4 mm 厚シート状に成
形し、上記の様に切り出して実験試料とした。この試料
を金属の網状ホルダーで挟み、上記コンポスト中に投入
した。コンポスト処理試験期間は1ヶ月とし、その期間
終了後,試片を取り出し、注意深くまず洗浄を行い、水
分を軽く拭った後、40℃送風乾燥器中で予備乾燥後、
常温で真空乾燥を一昼夜行い、秤量した。
【0105】コンポスト処理前後の重量差から、重量減
少率を求めたところ、2.8%であった。コンポスト処理
前は無色透明で平滑な表面を持っていた試片が、このコ
ンポスト処理により全体的に褐色を帯び、極一部分、不
透明で濁りを持った状態になった。表面も、平滑な状態
が部分的に凸凹を持った状態となった。走査電子顕微鏡
検査でも、表面状態に大きな変化が認められ、また、水
洗したのにも拘わらず菌糸の残存が認められ、コンポス
ト処理によって微生物に侵されているという状況が認め
られ、裏付けられた。
【0106】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、熱可塑性、
成形加工性に優れ、同時に生分解性を有するグラフト重
合体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小関 英一 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所三条工場内 (72)発明者 猪塚 昭博 兵庫県姫路市的形町的形1766ー20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース誘導体の存在下で環状エステル
    の開環重合触媒を加えて、ラクトンとラクチドとを開環
    混成グラフト重合させることを特徴とする生分解性を備
    えたセルロース誘導体混成グラフト化組成物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】ラクトンが、β―プロピオラクトン、δ−
    バレロラクトン、ε―カプロラクトン、α,α−ジメチ
    ル−β−プロピオラクトン、β―エチル−δ−バレロラ
    クトン、α―メチル−ε−カプロラクトン、β―メチル
    −ε−カプロラクトン、γ−メチル−ε―カプロラクト
    ン、3,3,5―トリメチル―ε―カプロラクトンである
    請求項1記載の製造方法
  3. 【請求項3】セルロ−ス誘導体がセルロースアセテート
    を主とするものである請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】セルロ−ス誘導体がセルロースジアセテー
    ト、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセ
    テートプロピオネート、セルロースアセテートフタレー
    ト、および硝酸セルロース等のセルロースエステル類、
    あるいはエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロ
    キシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチ
    ルセルロース等のセルロースエーテル類である請求項3
    記載の製造方法。
  5. 【請求項5】セルロース誘導体の重量%が1〜85であ
    る請求項3又は4記載の製造方法
  6. 【請求項6】開環重合触媒が、ナトリウムやカリウムな
    どのアルカリ金属及びそのアルコキシドなどの誘導体;
    トリエチルアルミニウムで代表されるアルキルアルミニ
    ウム及びその誘導体、チタン酸テトラブチルで代表され
    るアルコキシチタン化合物、オクチル酸スズ、ジブチル
    スズラウレート等の有機金属化合物;塩化スズなどの金
    属ハロゲン化物である請求項1〜5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6記載の製造方法により製造さ
    れたセルロース誘導体混成グラフト化組成物。
  8. 【請求項8】熱流動温度が105〜195℃である請求
    項7記載のセルロース誘導体混成グラフト化組成物。
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