JPH11255368A - 搬送ローラ - Google Patents

搬送ローラ

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JPH11255368A
JPH11255368A JP5682698A JP5682698A JPH11255368A JP H11255368 A JPH11255368 A JP H11255368A JP 5682698 A JP5682698 A JP 5682698A JP 5682698 A JP5682698 A JP 5682698A JP H11255368 A JPH11255368 A JP H11255368A
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cylindrical pipe
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Asao Fujimori
麻夫 藤森
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KYOEI SEISAKUSHO
Kyoei Manufacturing Co Ltd
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KYOEI SEISAKUSHO
Kyoei Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローラの軸受部の剛性を高め、自重や熱によ
る変形を防いでローラの振れ精度を高度に維持すると共
に、生産コストを低減して汎用性の高い搬送ローラを提
供する。 【解決手段】 外周に軸方向に複数の溝を介して形成さ
れた鍔状突出部4a,4b,4cを有する圧入部4と、
前記圧入部4より同芯状に延出した軸受部5とを一体に
形成した同芯圧入軸受体3を、前記圧入部4より円筒状
パイプ2の両側開口2aより各々圧入して、前記鍔状突
出部4a,4b,4cの外周により前記円筒状パイプ2
の圧入ガイド部2bを径方向に圧入締めしてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸穴が形成された
圧入部より同芯状に延出した軸受部が一体に形成された
同芯圧入軸受体を、円筒状パイプの両側開口にそれぞれ
圧入締めしてなる搬送ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、ファクシミリ、プリンタ
ー等のOA機器には、紙送り機構等のシート搬送装置が
装備されている。上記シート搬送装置には、複数の搬送
ローラ対が装備されており、該搬送ローラ対は駆動力を
伝達されて回転駆動される駆動ローラと該駆動ローラに
圧接して従動回転する従動ローラなどにより構成されて
いる。上記搬送ローラ対のうち、駆動側のローラは、プ
ラテンとしての機能を果たすことから一般に剛性の高い
円柱状の金属ローラ(スチール,ステンレススチール,
アルミニウムなど)の周面にゴムを焼き付けたものや樹
脂をコーティングしたもの、プライマー処理を施したも
のなどが用いられる。また、従動側のローラとしては金
属、ゴム、樹脂など様々な材質のものが適用され、円柱
状のローラに限らず円盤状のものや拍車タイプなど様々
な形状のローラが用いられる。
【0003】上記金属ローラの構成を例示すると、例え
ば、図11に示すように、円筒状パイプ51に回転軸5
2を挿通した後、該回転軸52をガイドとして両側開口
より環状のブッシュ53を挿入し、上記円筒状パイプ5
1と回転軸52との位置決めを行ってブッシュ53を円
筒状パイプ51の両端開口より圧入締めして組み立てら
れている。上記ブッシュ53には、回転軸52に沿って
円筒状パイプ51に圧入する際に変形するのを防止する
ため、図示しない割り込み(スリット)が径方向に形成
されている。そして、円筒状パイプ51の両側基準でパ
イプ外径を研磨処理して仕上げを行っていた。上記外径
寸法の仕上げが行われた金属ローラは、腐食防止のため
表面に無電解ニッケルめっき処理が施されていた。
【0004】また、他の金属ローラは、予め円筒状パイ
プ51,回転軸52,ブッシュ53の各部品毎に表面に
無電解ニッケルめっき処理を施した後、ブッシュ53,
53の軸孔に左右の回転軸52,52の一端側を打ち込
んで形成された軸体を、円筒状パイプ51にブッシュ5
3を先頭にして両側開口より圧入締めして組み立てられ
る。そして、最後に回転軸52の両端側を基準に円筒状
パイプ51の外径を長手方向に研磨処理して仕上げを行
っていた。或いは、上記金属ローラは、予め部品のめっ
き処理を行わず、軸体を円筒状パイプ51の両側開口に
圧入して組み立てた後、表面に無電解ニッケルめっきが
施されていた。その後、ローラー表面には、プライマー
処理を施して塗装焼付けを行ったり、樹脂を吹き付けた
りするコーティング処理が施されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、OA機器におい
ては白黒のみならずカラー化された高画質入力画像が、
画像処理されて高画質出力を行う、所謂オフィスカラー
ソルーションが行われている。このため、様々なサイズ
のシート材に対しても高品位画像を形成することが望ま
れている。よって、シート搬送装置においても、ローラ
径がφ23mm、軸方向のローラ幅が325mm程度の
比較的小径で軽いものから、ローラ径がφ32mm、軸
方向のローラ幅が423mm程度の比較的大径で重量が
ある搬送ローラが用いられ、いずれの搬送ローラにも品
質特性の向上が望まれている。即ち、ローラー外周の振
れにミクロン単位の精度要求されている。このローラの
振れが搬送性能に与える影響は無視できず、紙送り機構
の場合には、シートの斜行や記録画像の濃淡となって現
れるおそれがある。
【0006】特に、比較的大径で重量が約560g以上
ある搬送ローラの場合には、円筒状パイプ51の両端側
より延出する回転軸52を図示しない軸受部に軸支させ
ると、該回転軸52の軸受部近傍の剛性が弱いため、自
重によりローラ中央部分に撓みや外周の振れが生じ易
く、シートの搬送性能が低下する。これは、大型の搬送
ローラほどシート搬送に与える影響が大きい。また、上
記回転軸52を支持する軸受位置にも制約があり、多様
な装置形態に応じて搬送精度の良い搬送ローラを設計す
るのは困難である。また、上記搬送ローラの組立工数が
かかることによって、生産性が低下したり製造コストも
増大する。
【0007】また、従来の搬送ローラは、ブッシュ53
が円筒状パイプ51とその周面全体で圧接するよう嵌め
込まれているため、圧入面の歪みの影響を受けやすい構
造になっているため、製造工程において外径研磨処理や
コーティング処理などが行われてローラが加熱された場
合に、上記円筒状パイプ51が膨張して部品間に歪みや
緩みが生じ易い構成となっていた。また、上記ブッシュ
53を円筒状パイプ51の両側開口へ各々圧入する際
に、円筒状パイプ51の開口端側内壁とブッシュ53の
圧入面との間に挟まれた金属削り屑が落下したり、ロー
ラ内に金属削り屑が散乱して外部に漏れ出して機器を汚
す場合もあった。また、めっき液が円筒状パイプ51の
内部より漏れ出して、次のめっき槽への搬送時間が延び
て作業性が低下したり、或いは上記円筒状パイプ51内
の残留めっき液により錆発生の要因となる。
【0008】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決し、ローラの軸受部の剛性を高め、自重や熱による変
形を防いでローラの振れ精度を高度に維持すると共に、
生産コストを低減して汎用性の高い搬送ローラを提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、軸穴が形成され
た圧入部より同芯状に延出した径の異なる軸受部を一体
に形成した同芯圧入軸受体を、円筒状パイプの両側開口
より前記圧入部を各々圧入締めし、前記軸受部の径大な
部位で軸支可能に形成されたことを特徴とする。
【0010】また、前記軸受部には延出方向に大径部と
小径部がテーパー部を介して連続して形成されていても
良く、前記大径部にリング状軸受が嵌め込まれていても
良い。また、前記テーパー部は研磨治具の保持面に倣っ
た傾斜面に形成されており、外側面に側圧用スプリング
を設けたリング状軸受が前記傾斜面に嵌め込まれていて
も良い。また、前記小径部には、駆動伝達歯車が嵌め込
まれていても良く、前記円筒状パイプは、前記軸受部の
うち研磨治具に保持された両側テーパ部を基準に外径研
磨仕上げされているのが好ましく、外周に金属めっきが
施された後、コーティング処理が施されていても良い。
また、前記円筒状パイプの両側開口に嵌め込まれた前記
同芯圧入軸受体のうち一方又は双方の前記軸穴に回転軸
が嵌め込まれていても良い。
【0011】また、前記圧入部は、外周に溝を介して複
数形成された鍔状突出部が形成されていても良く、前記
鍔状突出部の外周には、前記円筒状パイプへの開口端側
に向かって外径が大きくなるようなテーパ面が各々形成
されていても良い。また、前記圧入部の圧入方向奥側端
面は、中心部に形成された前記軸穴に向かって窪むよう
に傾斜する傾斜面が形成されているのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の態様
を添付図面に基づいて詳細に説明する。本実施の態様
は、搬送ローラの一例として、プリンター等のOA機器
において紙送り機構などの一部に用いられる駆動側の金
属ローラを用いて説明する。図1は搬送ローラの構成を
示す一部破断断面図、図2は同芯圧入軸受体の一部破断
断面図、図3は円筒状パイプの断面図、図4は円筒状パ
イプに同芯圧入軸受体を嵌め込んだ状態を示す説明図、
図5は搬送ローラを研磨治具にセットした状態を示す説
明図、図6は円筒状パイプを外径研磨する状態を示す説
明図、図7(a)〜(c)は軸受部の周面に各種リング
状軸受を嵌め込んだ状態を示す説明図、図8は軸受部に
駆動伝達ギヤを嵌め込んだ状態を示す説明図、図9は両
側同芯圧入軸受体のうち一方に回転軸を嵌め込んだ状態
を示す説明図、図10は両側同芯圧入軸受体のうち双方
に回転軸を嵌め込んだ状態を示す説明図である。
【0013】先ず、搬送ローラの全体構成について図1
を参照して説明する。図1において、1は搬送ローラで
あり、以下の部品より組立構成されている。2は円筒状
パイプであり、スチール、ステンレススチール或いはア
ルミニウム等の金属製のパイプが用いられる。この円筒
状パイプ2の外周には図示しないゴムを焼き付けたり樹
脂を吹き付けたり、或いはプライマー処理により塗装を
施すなどの表面にコーティング処理されており、紙送り
する際に紙との摩擦により搬送力が十分得られるような
表面処理が施されている。3は同芯圧入軸受体であり、
上記円筒状パイプ2の両側開口2aより圧入して取り付
けられている。この同芯圧入軸受体3は、外周に軸方向
に溝を介して複数形成された鍔状突出部4a〜4cを有
する圧入部4と、該圧入部4より同芯状に延出した軸受
部5とが一体に形成されている。上記同芯圧入軸受体3
を上記圧入部4より上記円筒状パイプ2の両側開口2a
より各々圧入して、前記複数の鍔状突出部4a〜4cの
外周により上記円筒状パイプ2を径方向に圧入締めして
なる。上記同芯圧入軸受体3は、円筒状パイプ2と同様
に、スチール、ステンレススチール或いはアルミニウム
等の金属材料が用いられる。
【0014】次に上記搬送ローラ1の各部品の構成につ
いて図1〜図4を参照して具体的に説明する。図3にお
いて、円筒状パイプ2の両側開口2a側の内周には、圧
入ガイド部2bがそれぞれ形成されており、同芯圧入軸
受体3を圧入する際のガイド面となっている。また、上
記円筒状パイプ2には、その両側開口2aより奥側に段
差壁2cが各々形成されており、上記同芯圧入軸受体3
を上記開口2aより嵌め込む際に、圧入部4奥側端面は
上記段差壁2cには突き当たらず、逃げが形成されてい
る。上記同芯圧入軸受体3は、圧入部4に形成されたフ
ランジ部4dが開口端面に当接して圧入量が規制されて
いる。上記圧入ガイド部2bの径は、上記圧入部4の最
大径とほぼ等しく形成されていても良いし、或いは後述
する外径の異なる鍔状突出部4a〜4cの外周面に倣っ
て傾斜するテーパー面に形成されていても良い。
【0015】上記圧入ガイド部2bやこれに連続する段
差壁2cは、円筒状パイプ2をNC自動機の治具に保持
させて内径研削を行い両側開口2aよりバイトの刃先を
進入させて所定の内径L1及び所定の段差を有する内壁
面L2になるよう上記円筒状パイプ2の外径を基準とし
て切削加工する。尚、この切削加工は、円筒状パイプ2
の両側開口2aより同時に行っても良いし、該円筒状パ
イプ2を180°反転させて片側ずつ行っても良い。
【0016】次に、図2を参照して同芯圧入軸受体3の
構成について説明する。上記同芯圧入軸受体3を構成す
る圧入部4の外周には、軸方向に溝を介して複数箇所
(本実施例では3か所)に鍔状突出部4a,4b,4c
がそれぞれ形成されている。上記鍔状突出部4a,4
b,4cの外径dは、圧入部4の圧入作業がスムーズに
行われ、かつ十分な締付け力が得られるよう、外周には
円筒状パイプ2への圧入方向後端側に向かって外径dが
大きくなる(d1<d2<d3となる)ようにテーパー
面がそれぞれ形成されている。このテーパー面は、各鍔
状突出部の外周が連続するような傾きを有していても良
いし、鍔状突出部毎に独自の傾きを形成しても良い。
【0017】上記複数の鍔状突出部4a,4b,4cを
設けることによって、圧入部4を円筒状パイプ2に圧入
すると、上記鍔状突出部4a,4b,4cによって、円
筒状パイプ2の圧入ガイド部2bとの圧入締めが強固に
なる。また、上記各鍔状突出部4a,4b,4cの間の
溝は、上記圧入部4を円筒状パイプ2へ圧入する際に圧
入ガイド部2bに摺接して生ずる金属削り屑を収容する
役割を果たす。尚、上記鍔状突出部の軸方向に設ける箇
所は製品毎に変更可能であり、締代となる鍔状突出部の
外周の幅も任意に設定可能である。
【0018】また、上記圧入部4の圧入方向後端側周縁
部には、円筒状パイプ2の開口端面に係止可能なフラン
ジ部4dが形成されている。このフランジ部4dは、上
記圧入部4を円筒状パイプ2に圧入した際の軸方向の圧
入範囲を規制する。また、上記圧入部4の圧入方向奥側
端面は、中心部に形成された軸穴4eに向かって窪むよ
うに傾斜する傾斜面4fが形成されている。これによっ
て、後述する金属めっき工程において、めっき液を上記
軸穴4eより逃がし易くして、ローラ内部にめっき液が
残留しないようにすることができる。
【0019】また、上記圧入部4より同芯状に延出する
軸受部5には、延出方向に大径部6と小径部8がテーパ
ー部7を介して連続して形成されている。上記大径部6
の外径をD1、小径部8の外径をD2とするとD1>D
2、上記テーパー部7の開き角(中心角)αは後述する
研磨治具10の保持面の開き角に倣って例えば60°に
形成されている。上記軸受部5に形成された軸穴5a
(穴径D3)は、上記圧入部4に形成された軸穴4eに
連通している。上記軸受部5のうち径大な部位、即ち大
径部6やテーパー部7には、後述するように種々のリン
グ状軸受が取り付け可能になっている。この剛性が高い
径大な部位で搬送ローラ1を軸支することにより軸受部
5の強度が高められ、重さがおよそ560g以上の大型
の搬送ローラを製造する場合にも自重により撓みが生じ
たり、外周の振れが生ずるのを防止できる。上記同芯圧
入軸受体3は、NC自動機の治具にワンチャッキングさ
れ、圧入部4側の鍔状突出部4a,4b,4c及び軸穴
4e、軸受部5の大径部6、テーパー部7、小径部8及
び軸穴5aに対応する部位が同時に切削加工されて形成
される。これによって、ローラ外周の振れを高精度に仕
上げることができる。
【0020】次に、上記搬送ローラの組立構成について
説明する。図4において、予め研削加工された円筒状パ
イプ2を図示しない治具に固定しておき、該円筒状パイ
プ2の両側開口2aより、上記精密切削加工された同芯
圧入軸受体3を圧入部4を先頭にして圧入治具9により
圧入して、搬送ローラ1が組み立てられる。このとき、
上記同芯圧入軸受体3は、上記鍔状突出部4a,4b,
4cによって、圧入ガイド部2bとの圧入締めが強固に
行われる。また、外径が異なる鍔状突出部4a,4b,
4cは、圧入ガイド部2bに摺接しながら圧入するとき
生ずる金属削り屑を、上記各鍔状突出部4a,4b,4
c間の各溝に収容しながらフランジ部4dが開口端に突
き当たるまで嵌め込まれる。
【0021】次に、図5に示すように、左右同芯圧入軸
受体3の開き角が60°有するテーパー部7を軸受基準
として研磨治具10に保持しておき、円筒状パイプ2の
外径を公差が±0.01μmにて研削盤にて研磨仕上げ
する(図6の波線部分)。このように、円筒状パイプ2
の両側開口2aに同芯圧入軸受体3を圧入して軸受部5
のテーパー部7を基準にして上記円筒状パイプ2の外径
研磨することにより、ローラ外周の振れ精度をミクロン
単位の高精度に仕上げることができる。
【0022】次に、上記ローラーの腐食防止のため表面
全体に無電解ニッケルめっきを施す。次いで、上記めっ
き付けされた円筒状パイプ2の外周に樹脂を吹きつけた
り、塗装焼付けなどを施してコーティング処理がなさ
れ、搬送ローラ1が完成する。上記搬送ローラ1は、重
量がおよそ560g〜960g程度の比較的大型の高精
度搬送ローラとして好適に用いられる。
【0023】上記構成によれば、円筒状パイプ2の両側
開口2aに剛性の高い同芯圧入軸受体3を嵌め込んで軸
受部5の径大な部位で軸支することにより、該軸受部5
の強度を高めることができ、自重によりローラの中央部
に撓みや外周の振れが発生することがなく搬送性能を高
精度に維持でき、しかも部品点数や組み立て工数が少な
いので製造コストも削減できる。
【0024】また、外周に軸方向に溝を介して複数形成
された鍔状突出部4a,4b,4cを有する圧入部4
を、円筒状パイプ2の両側開口2aよりそれぞれ圧入し
て、上記同芯圧入軸受体3を上記円筒状パイプ2へ少な
い接触面積で径方向に強固に圧入締めしたので、上記圧
入部4の圧入面が歪みの影響を受け難く、しかも研磨治
具10に保持される軸受部5のテーパー部7を基準にし
て上記円筒状パイプ2の外径を研磨仕上げすることによ
り、ローラ外周の振れ精度をミクロン単位の高精度に仕
上げることができる。
【0025】また、上記円筒状パイプ2に同芯圧入軸受
体3を圧入する際に、上記鍔状突出部4a,4b,4c
間の各溝に金属削り屑を収容できるので、該削り屑がロ
ーラ内外に散乱することはなく、機器を汚すこともな
い。また、上記圧入部4の軸穴4eと軸受部5の軸穴5
aが連通しており、しかも上記圧入部4の圧入方向奥側
端面に形成された傾斜面4fは、上記軸穴4eに向かっ
て窪むように傾斜しているので、搬送ローラ1に無電解
ニッケルめっきを施す際に、該めっき液を上記軸穴4
e,5aを介してめっき槽へ逃がし易くして、ローラ内
部にめっき液が残留しないようにすることができ、錆の
発生を防止でき、作業性も向上する。
【0026】また、上記外径研磨工程やコーティング工
程で、搬送ローラ1が180°C程度まで加熱されると
円筒状パイプ2が膨張するが、同芯圧入軸受体3は複数
の鍔状突出部4a,4b,4cにより上記円筒状パイプ
2の圧入ガイド部2bと少ない接触面積で強固に圧入締
めされ、かつ接触部分が軸方向に複数箇所に設けられて
いるため、熱膨張による歪みが生じ難く、円筒状パイプ
2と同芯圧入軸受体3との間の緩みは生じ難い。
【0027】また、上記搬送ローラ1の同芯圧入軸受体
3には、製品仕様に応じて各種リング状軸受を装着する
ことも可能である。例えば、図7(a)に示すように、
軸受部5の大径部6にベアリング軸受11が嵌め込まれ
ていても良い。また、図7(b)に示すように、軸受部
5の小径部8に金属軸受12が嵌め込まれていても良
い。或いは、図7(c)に示すように、外側面に側圧用
スプリング13aを設けた金属軸受13がテーパ部7に
嵌め込まれていても良い。この金属軸受13は、上記テ
ーパー部7に沿って嵌め込まれるため脱落するおそれが
あるが、上記側圧用スプリング13aによって装置本体
に組み付けた際にローラ中央に向かって側圧が加わり、
上記金属軸受13が強固に嵌め込まれるようになってい
る。また、図8に示すように、上記軸受部5の小径部8
に駆動伝達ギヤ14が一体に嵌め込まれていても良い。
このように、上記同芯圧入軸受体3は、装置形態によっ
て汎用性のあるしかも剛性の高い回転軸として機能す
る。
【0028】また、図9及び図10に示すように、製品
仕様に応じて上記円筒状パイプ2に嵌め込まれた両側同
芯圧入軸受体3のうち一方又は双方の軸穴4e,5aに
駆動伝達用の回転軸15を嵌め込んで使用することも可
能である。この場合にも、上記回転軸15自体を軸支す
ることなく、上記同芯圧入軸受体3の軸受部5で軸支さ
れるので、搬送ローラ1に撓みや外周振れが生ずること
はない。
【0029】以上、本発明の好適な実施の態様について
述べてきたが、本発明は上記実施の態様に限定されるも
のではなく、例えば、同芯圧入軸受体3に形成する鍔状
突出部の数やその周方向及び幅方向の形状や寸法などは
製品によって種々に変更可能である等、発明の精神を逸
脱しない範囲内でさらに多くの改変を施し得るのはもち
ろんのことである。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る搬送ローラは、前述したよ
うに、円筒状パイプの両側開口に剛性の高い同芯圧入軸
受体を嵌め込んで軸受部の径大な部位で軸支することに
より、前記軸受部の強度を向上させることができ、自重
によりローラの中央部に撓みや外周の振れが発生するこ
とがなく搬送性能を高精度に維持でき、しかも部品点数
や組み立て工数が少ないので製造コストも削減できる。
また、外周に軸方向に溝を介して複数形成された鍔状突
出部を有する圧入部を、前記円筒状パイプの両側開口よ
りそれぞれ圧入して、前記同芯圧入軸受体を前記円筒状
パイプへ少ない接触面積で径方向に強固に圧入締めした
ので、前記圧入部の圧入面が加熱処理による歪みや部品
間の緩みの影響を受け難く、しかも研磨治具に保持され
る軸受部のテーパー部を基準にして前記円筒状パイプの
外径を研磨仕上げすることにより、ローラ外周の振れ精
度をミクロン単位の高精度に仕上げることができる。
【0031】また、前記円筒状パイプに前記同芯圧入軸
受体を圧入する際に、上記鍔状突出部間の各溝に金属削
り屑を収容できるので、該削り屑がローラ内外に散乱す
ることはなく、機器を汚すこともない。また、前記圧入
部の圧入方向奥側端面に形成された傾斜面は、軸穴に向
かって窪むように傾斜しているので、前記搬送ローラに
金属めっきを施す際に、該めっき液を前記傾斜面に沿っ
て軸穴へ導いて外部へ逃がし易くして、ローラ内部にめ
っき液が残留しないようにすることができ、錆の発生を
防止でき、作業性も向上する。
【0032】また、前記同芯圧入軸受体の軸受部には、
種々のリング状軸受や駆動伝達用ギヤなどが取り付け可
能であり、必要に応じて軸穴に回転軸も取り付け可能で
あるため、製品仕様に応じて設計の自由度が広がり、汎
用性の高い搬送ローラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】搬送ローラの構成を示す一部破断断面図であ
る。
【図2】同芯圧入軸受体の一部破断断面図である。
【図3】円筒状パイプの断面図である。
【図4】円筒状パイプに同芯圧入軸受体を嵌め込んだ状
態を示す説明図である。
【図5】搬送ローラを研磨治具にセットした状態を示す
説明図である。
【図6】円筒状パイプを外径研磨する状態を示す説明図
である。
【図7】軸受部の周面に各種リング状軸受を嵌め込んだ
状態を示す説明図である。
【図8】軸受部に駆動伝達ギヤを嵌め込んだ状態を示す
説明図である。
【図9】両側同芯圧入軸受体のうち一方に回転軸を嵌め
込んだ状態を示す説明図である。
【図10】両側同芯圧入軸受体のうち双方に回転軸を嵌
め込んだ状態を示す説明図である。
【図11】従来の搬送ローラの説明図である。
【符号の説明】
1 搬送ローラ 2 円筒状パイプ 2a 開口 2b 圧入ガイド部 2c 段差壁 3 同芯圧入軸受体 4 圧入部 4a,4b,4c 鍔状突出部 4d フランジ部 4e,5a 軸穴 4f 傾斜面 5 軸受部 6 大径部 7 テーパー部 8 小径部 9 圧入治具 10 研磨治具 11 ベアリング軸受 12,13 金属軸受 13a 側圧用スプリング 14 駆動伝達ギヤ 15 回転軸
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、軸穴が形成され
た圧入部より同芯状に延出し、該延出方向に大径部と小
径部がテーパー部を介して連続して形成されてなる軸受
部を一体に形成した金属製同芯圧入軸受体を、金属製
筒状パイプの両側開口より前記圧入部を各々圧入締め
し、該円筒状パイプの外周面がコーティング処理されて
なり、前記軸受部の径大な部位で軸支可能に形成された
ことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【発明の効果】本発明に係る搬送ローラは、前述したよ
うに、軸穴が形成された圧入部より同芯状に延出し、該
延出方向に大径部と小径部がテーパー部を介して連続し
て形成されてなる軸受部を一体に形成した剛性の高い
属製同芯圧入軸受体を、円筒状パイプの両側開口に剛性
の高い同芯圧入軸受体を嵌め込み、大径部と小径部がテ
ーパー部を介して連続して形成されてなる軸受部の径大
な部位で軸支することにより、前記軸受部の強度を向上
させることができ、自重によりローラの中央部に撓みや
外周の振れが発生することがなく搬送性能を高精度に維
持でき、しかも部品点数や組み立て工数が少ないので製
造コストも削減できる。また、外周に軸方向に溝を介し
て複数形成された鍔状突出部を有する圧入部を、前記円
筒状パイプの両側開口よりそれぞれ圧入して、前記同芯
圧入軸受体を前記円筒状パイプへ少ない接触面積で径方
向に強固に圧入締めしたので、前記圧入部の圧入面が加
コーティング処理による歪みや部品間の緩みの影響を
受け難く、しかも研磨治具に保持される軸受部のテーパ
ー部を基準にして前記円筒状パイプの外径を研磨仕上げ
することにより、ローラ外周の振れ精度をミクロン単位
の高精度に仕上げることができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸穴が形成された圧入部より同芯状に延
    出した径の異なる軸受部を一体に形成した同芯圧入軸受
    体を、円筒状パイプの両側開口より前記圧入部を各々圧
    入締めし、前記軸受部の径大な部位で軸支可能に形成さ
    れたことを特徴とする搬送ローラ。
  2. 【請求項2】 前記軸受部には延出方向に大径部と小径
    部がテーパー部を介して連続して形成されていることを
    特徴とする請求項1記載の搬送ローラ。
  3. 【請求項3】 前記大径部にリング状軸受が嵌め込まれ
    ていることを特徴とする請求項2記載の搬送ローラ。
  4. 【請求項4】 前記テーパー部は研磨治具の保持面に倣
    った傾斜面に形成されており、外側面に側圧用スプリン
    グを設けたリング状軸受が前記傾斜面に嵌め込まれてい
    ることを特徴とする請求項2記載の搬送ローラ。
  5. 【請求項5】 前記小径部には、駆動伝達歯車が嵌め込
    まれていることを特徴とする請求項2〜請求項4のうち
    いずれか1項記載の搬送ローラ。
  6. 【請求項6】 前記円筒状パイプは、前記軸受部のうち
    研磨治具に保持された両側テーパ部を基準に外径研磨仕
    上げされていることを特徴とする請求項2〜請求項5の
    うちいずれか1項記載の搬送ローラ。
  7. 【請求項7】 前記円筒状パイプは外径研磨仕上げ後、
    外周に金属めっきが施された後、コーティング処理が施
    されていることを特徴とする請求項6記載の搬送ロー
    ラ。
  8. 【請求項8】 前記円筒状パイプの両側開口に嵌め込ま
    れた前記同芯圧入軸受体のうち一方又は双方の前記軸穴
    に回転軸が嵌め込まれていることを特徴とする請求項1
    〜請求項7のうちいずれか1項記載の搬送ローラ。
  9. 【請求項9】 前記圧入部は、外周に溝を介して複数形
    成された鍔状突出部が形成されていることを特徴とする
    請求項1〜請求項8のうちいずれか1項記載の搬送ロー
    ラ。
  10. 【請求項10】 前記鍔状突出部の外周には、前記円筒
    状パイプへの開口端側に向かって外径が大きくなるよう
    なテーパ面が各々形成されていることを特徴とする請求
    項9記載の搬送ローラ。
  11. 【請求項11】 前記圧入部の圧入方向奥側端面は、中
    心部に形成された前記軸穴に向かって窪むように傾斜す
    る傾斜面が形成されていることを特徴する請求項1〜請
    求項10のうちいずれか1項記載の搬送ローラ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7464467B2 (en) * 2003-09-09 2008-12-16 Funai Electric Co., Ltd. Method for manufacturing sheet-conveying roller
JP2014047021A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Meikikou Corp ローラコンベア装置
US9340104B2 (en) 2011-07-08 2016-05-17 Nidec Corporation Wheel unit

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