JPH11252781A - ディジタル形保護継電器 - Google Patents

ディジタル形保護継電器

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JPH11252781A
JPH11252781A JP10067699A JP6769998A JPH11252781A JP H11252781 A JPH11252781 A JP H11252781A JP 10067699 A JP10067699 A JP 10067699A JP 6769998 A JP6769998 A JP 6769998A JP H11252781 A JPH11252781 A JP H11252781A
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勝行 田中
Chikao Sato
力生 佐藤
Satoshi Nakano
聡 中野
Tetsuya Sofue
哲也 祖父江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部事故時に、差動リレーの不要動作を防止
することができる。 【解決手段】 励磁突入電流が流れている状態で、系統
電源端で外部故障発生すると、過電圧(OV)判定演算
部20は、系統電圧の変化に対して即応動する必要があ
り、差動要素よりも即応動作し、速く復帰する。過電圧
(OV)判定演算部20の出力がOFFとなって差動判
定演算部16の出力により制御される復帰遅延タイマ2
4の出力がT2時間後にOFFとなる。復帰遅延タイマ
24により、差動判定演算部16が復帰するとともに、
復帰遅延タイマ24がリセット(復帰)され、差動要素
との復帰協調は確実に取れ、信頼性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統の保護に
用いられるディジタル形保護継電器の内、特に励磁突入
電流対策を施した変圧器の保護に好適なディジタル形保
護継電器に関する。
【0002】
【従来の技術】図13は従来のディジタル形保護継電器
を電力用変圧器に適用した例である。
【0003】図13において、電力系統電源100に接
続する電力系統ライン101には、電力用変圧器102
が遮断器103を介して設置されており、電力用変圧器
102の一次側102aに変流器(CT)104が設け
られ、二次側102bに変流器(CT)105が設けら
れている。さらに、電力系統ライン101には、電圧変
成器106が設けられ、変流器(CT)104と変流器
(CT)105と電圧変成器106がディジタル形保護
継電器1へ接続されている。
【0004】図14は、従来のディジタル形保護継電器
(差動リレー)1の構成図であり、ディジタル形保護継
電器1の中央演算処理部(CPU)において実行される
演算処理を説明する機能ブロック図を示している。
【0005】図14において、変成器2を介してディジ
タル形保護継電器(差動リレー)1に導入された交流入
力電流I1,I2または交流入力電圧Vを一定時間間隔で
サンプリングし、ディジタル量に変換する。
【0006】中央処理装置(CPU)4では、ディジタ
ル量に変換された交流入力電流I1,I2,交流入力電圧
Vを用いて、ディジタル演算処理を行う。中央処理装置
(CPU)4は、差動要素部5と励磁突入電流対策要素
部6とからなっている。
【0007】差動要素部5の振幅値演算部11,12は
交流入力電流I1,I2各々から基本波1fを抽出して振
幅値|I1|,|I2|を求める演算処理を行う。また、
抑制電流演算部13は、振幅値|I1|,|I2|のスカ
ラー和(抑制電流=抑制量)Σ|I|を求める演算処理
を行う。
【0008】また、差動要素部5の差動電流演算部14
は交流入力電流I1,I2のベクトル和(差動電流=動作
量)である差動電流Idを求める演算処理を行う。基本
波(1f)振幅値演算部15は、差動電流Idから基本
波1fを抽出して振幅値|Id1f|を求める演算処理を
行う。差動判定演算部16は抑制電流Σ|I|と1fの
振幅値|Id1f|の関係が所定値以上になった時に内部
事故と判断して出力する差動判定処理を行う。
【0009】また、励磁突入電流対策要素部6の第2調
波(2f)振幅値演算部17は、差動電流Idから第2
調波2fを抽出して2fの振幅値|Id1f|を求める演
算処理を行う。第2調波(2f)判定演算部18は、差
動電流Idに含有される基本波1fと第2調波2fの関
係が所定値以上になった時に励磁突人電流と判断して出
力する第2調波判定(2f判定)処理を行う。電圧振幅
値演算部19は、端子電圧の振幅値|V|を求める演算
処理を行う。過電圧(OV)判定演算部20は、電圧振
幅値|V|が所定値以上となった時に出力する過電圧判
定(OV判定)処理を行う。
【0010】さらに、AND演算部21は、第2調波
(2f)判定演算部18の出力信号と過電圧(OV)判
定演算部20の出力信号との論理積をとるAND演算処
理を行う。NOT演算部22は、AND演算21の出力
信号を反転させる処理を行う。AND演算部23は差動
判定演算部16の出力信号とNOT演算部22の出力信
号との論理積をとる処理を行う。
【0011】以上の構成で、交流入力電流I1,I2が変
成器2を通してA/D変換器3にてディジタル量へ変換
された後、差動要素部5に導入される。差動要素部5に
導入された交流入力電流I1,I2が振幅値演算部11,
12を通して抑制電流演算部13にて抑制電流Σ|I|
=|I1|+|I2|算出する。また、差動電流演算部1
4において差動電流Id=I1+I2を算出する。
【0012】次に、差動電流Idが基本波(1f)振幅
値演算部15及び励磁突入電流対策要素部6に各々導入
される。この時、負過電流及び外部事故時の通過電流に
よる差動電流Idは零となり、内部事故時は事故電流に
応じた差動電流Idが発生する。
【0013】基本波(1f)振幅値演算部15では、差
動電流Idから基本波1fを抽出して基本波1fの振幅
値|Id1f|を出力する。振幅値|Id1f|と抑制電流Σ
|I|は差動判定演算部16に導入される。
【0014】差動判定演算部16は、次の式(1)によ
る条件が成立するか否かを判定する。
【0015】|Id1f|−AΣ|I|≧B …(1) ここで、|Id1f|:基本波1f振幅値 Σ|I|:抑制電流 A:定数 B:定数
【0016】上記式(1)の条件が成立するとき、差動
判定演算部16が変圧器の内部事故と判定して差動要素
信号をAND演算部23へ出力する。
【0017】一方、励磁突入電流対策要素部6へ導入さ
れた差動電流Idが第2調波(2f)振幅値演算部17
に導入される。第2調波(2f)振幅値演算部17で
は、差動電流Idから第2調波2fを抽出して第2調波
(2f)振幅値|Id2f|を出力し、第2調波(2f)
判定演算部18に導入される。第2調波(2f)判定演
算部18へは差動要素部5にて演算された差動電流Id
の第1調波(2f)振幅値|Id1f|も導入される。
【0018】第2調波(2f)判定演算部18では、次
の式(2)の条件が成立するか否か判定する。
【0019】|Id2f|/|Id1f|≧C …(2) ここで、|Id2f|:差動電流に含まれる第2調波振幅
値 |Id1f|:差動電流に含まれる第1調波振幅値 C:定数
【0020】上記式(2)が成立するとき、励磁突入電
流と判断し、励磁突入電流判定信号をAND演算部21
へ出力する。
【0021】一方、交流入力電圧Vが変成器2を通して
A/D変換器3にてディジタル量に変換された後、励磁
突入電流対策要素部6に導入される。励磁突入電流対策
要素部6に導入された交流入力電圧Vは、電圧振幅値演
算部19によって電圧振幅値|V|を算出する。電圧振
幅値|V|は過電圧(OV)判定演算部20に導入され
電圧振幅値|V|が所定値以上になったときに過電圧
(OV)判定演算部20がOV判定信号をAND演算部
21へ出力する。
【0022】第2調波(2f)判定演算部18および過
電圧(OV)判定演算部20が共に出力すると、AND
演算部21により、励磁突入電流対策要素信号が出力さ
れる。励磁突入電流対策要素信号が出力されると、その
出力がNOT演算部22を通して差動要素信号の出力を
ロックしディジタル形保護継電器(差動リレー)1とし
ての動作を防止できる。
【0023】ここで、変圧器励磁突入電流対策の必要性
を述べる。
【0024】図13の遮断器103を閉路することによ
り、電力用変圧器102に電圧が印加され、変圧器鉄心
の磁化特性に基づく励磁突入電流が流れる。この励磁突
入電流は見かけ上電力用変圧器102の内部事故の如
く、電源100側より流入し、ディジタル形保護継電器
(差動リレー)1の動作量(差動電流Id)となるた
め、ディジタル形保護継電器(差動リレー)1の誤動作
(事故でないのに動作する)の原因となる。
【0025】従って、励磁突入電流と実際の事故による
電流とを区別する必要があり、その手段として、励磁突
入電流には第2調波2fが多く含まれる特徴に着目し
て、差動電流Idに含まれる基本波1fに対する第2調
波2fの割合が所定値(一般には15%程度がよく用い
られる)以上の時には励磁突入電流と判断して出力する
第2調波検出要素(以下、2f要素と称す)を励磁突入
電流対策要素としている。
【0026】さらに、2f要素に加え、被保護対象の端
子電圧が所定他以上であれば出力する過電圧検出要素
(以下、OV要素と称す)を併用し、励磁突入電流対策
要素としている。
【0027】これにより、励磁突入電流の時には2f要
素およびOV要素が共に動作し、差動要素部5の出力を
ロックし、ディジタル形保護継電器(差動リレー)1の
誤動作を防止している。
【0028】一方、変圧器内部事故時において、系統現
象による低次高調波電流が発生し、2f要素が動作した
場合でも、内部事故時には系統電圧が低下するため、O
V要素は不動作となり、差動要素をロックしないため、
ディジタル形保護継電器(差動リレー)1が誤不動作と
なることは無い。
【0029】このように、従来の変圧器保護においては
差動電流により変圧器の事故を検出する差動リレーが用
いられており、変圧器励磁突入電流によって差動リレー
が動作しないように、励磁突入電流に含まれる第2調波
電流を検出し、その含有率が所定値以上になった時に出
力する2f要素およびOV要素とによりリレー動作を防
止する励磁突入電流対策要素を備えたものである。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同じ差
動電流で判定を行う差動要素と2f要素の復帰側の時間
協調を行ったとしても、図15に示すように、OV要素
は系統電圧の変化に対して即応動する必要があるため、
変圧器励磁突入電流による差動要素動作中に、外部事故
により電流,電圧が遮断された時に、OV要素の方が、
差動要素よりも先に復帰する場合があり、この時、差動
リレーが不要動作となる可能性があった。
【0031】図15に示す例では、時刻t1以前には、
励磁突入電流に起因して差動判定演算部16と2f判定
信号18とがON状態となっている。そして、OV判定
信号20がON状態であって、これによってAND演算
部21からON信号が出力されNOT演算部22からO
FF信号が出力されてAND演算部23からの差動要素
信号の出力による保護指令を阻止している。ところが、
時刻t1に外部事故が発生し、電流、電圧が遮断され、
まず、即応動するOV判定信号20が時刻t2にOFF
信号となると、AND演算部21からのOFF信号がN
OT演算部22でON信号となって、AND演算部23
からON信号が出力される。このため保護指令41が誤
出力される。その後遅れて差動判定信号16のOFFで
保護信号41が不出力となる。
【0032】そこで、本発明は、上記課題を解決するた
めになされたものであり、変圧器励磁突入電流および外
部事故では確実に不動作となり、変圧器内部事故に対し
ては確実に動作するディジタル形保護継電器を提供する
ことを目的としている。
【0033】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、被保
護対象の各相毎の交流電流を導入して、各相毎の差動電
流を演算し、差動電流と抑制電流との関係から得られる
合成電気量が所定条件であるときに被保護対象内部事故
から被保護対象を保護する差動要素信号を出力する差動
要素部と、差動電流に含まれる第1調波と第2調波の割
合と被保護対象の端子電圧の状態とから励磁突入電流に
起因する状態の場合に被保護対象へ保護指令が誤出力さ
れるのを阻止する出力阻止信号を生成し、あるいは、励
磁突入電流に起因しないとき出力許可信号を生成する励
磁突入電流対策要素部と、差動要素信号と出力許可信号
との入力によって被保護対象へ保護指令を出力する一
方、差動要素信号が入力されても出力阻止信号が入力さ
れたとき、保護指令を不出力とする出力制御部とを具備
するディジタル形保護継電器において、励磁突入電流対
策要素部は、差動電流に含有される第1調波電流に対す
る第2調波電流の割合が所定値以上になったとき第2調
波判定信号を出力する第2調波判定演算部と、被保護対
象の端子電圧の電圧振幅値が所定値以上であるときに電
圧判定信号を出力する過電圧判定演算部と、内部事故が
発生したとき、第2調波判定信号と電圧判定信号との状
態に基づき出力許可信号を出力制御部へ不出力する一
方、励磁突入電流が流れている状態で、外部事故が発生
したとき、差動要素出力信号と第2調波判定信号と電圧
判定信号とを時間協調させて差動要素信号が復帰して不
出力となった後に遅延して出力許可信号を出力制御部へ
出力するようにして、不要な保護指令による誤動作を阻
止する時間協調部とを設けるようにしたものである。こ
の手段によれば、励磁突入電流に起因する差動要素信号
が出力されているとき、外部事故に起因する被保護対象
の電圧、電流の遮断があっても、差動要素信号が復帰し
て不出力となった後に阻止信号に代えて許可信号が出力
される。これにより、励磁突入電流が流れ、かつ、外部
事故が発生しても不要な保護指令が被保護対象へ出力さ
れる事態が確実に回避されディジタル形保護継電器の信
頼性を向上させることができる。
【0034】請求項2の発明は、請求項1記載のディジ
タル形保護継電器において、時間協調部は、差動要素信
号がON信号となったときタイマスタートして第1所定
時間後にタイマをセットしてタイマのON信号維持し、
差動要素信号がOFF信号となるとタイマをリセットし
てOFF信号とするオンディレータイマと、このオンデ
ィレータイマのON信号に応動し、かつ、電圧判定信号
がON信号のとき、タイマをON信号とし、電圧判定信
号がOFF信号となると、第2所定時間後に遅延してタ
イマをOFF信号とするオフディレータイマと、このオ
フディレータイマの出力信号と電圧判定信号との論理和
の成立によりON信号を出力するOR演算部と、このO
R演算部の出力信号と第2調波判定信号との論理積の成
立によりON信号を出力するAND演算部と、このAN
D演算部により出力される信号を反転するNOT演算部
とを備えて、差動要素信号が復帰しOFF信号となった
後の第2所定時間後にオフディレータイマをOFF信号
とし差動要素信号のOFF後にNOT演算部から出力阻
止信号に代えて出力許可信号のON信号を出力制御部へ
出力するようにしたものである。この手段によれば、励
磁突入電流に起因して差動要素信号がON信号となると
オンディレータイマがスタートして第1所定時間後にタ
イマをON状態とする一方、差動要素信号がOFF信号
となると、オンディレータイマをOFF状態とする。オ
ンディレータイマがON状態となり、かつ、電圧判定信
号がON信号のときオンディレータイマがON信号を出
力する。この状態で外部事故が発生すると被保護対象が
無電圧となって電圧判定信号がOFF信号となった後に
差動要素信号がOFF信号となる。電圧判定信号がOF
F信号となったとき第2所定時間後にオフディレータイ
マがOFF信号をOR演算部へ出力する。OR演算部で
は、オフディレータイマのOFF信号と過電圧判定信号
のOFF信号によってOFF信号をAND演算部へ出力
する。これによって、AND演算部から出力されるOF
F信号がNOT演算部で反転されON信号とし、出力許
可信号を出力制御部へ出力とする。この結果、外部事故
後に被保護対象の遮断がされても差動要素信号が不出力
となった後に出力阻止信号が不出力となる。従って、外
部事故時に差動要素信号が不出力となる前に出力阻止信
号が不出力となる状態を回避するので、外部事故時の不
要な保護指令が被保護対象へ出力されることを阻止で
き、信頼性を向上できる。
【0035】請求項3の発明は、請求項1記載のディジ
タル形保護継電器において、時間協調部は、第2調波判
定信号と電圧判定信号との論理積の成立によりON信号
を出力するAND演算部と、差動要素信号がON信号と
なったときタイマスタートして第1所定時間後にタイマ
をセットしてタイマのON信号を維持し、差動要素信号
がOFF信号となるとタイマをOFF信号とするオンデ
ィレータイマと、このオンディレータイマのON信号に
応動し、かつ、AND演算部からの出力がON信号のと
き、タイマをON信号とし、AND演算部からの出力が
OFF信号となると、第2所定時間後に遅延してタイマ
をOFF信号とするオフディレータイマと、このオフデ
ィレータイマの出力信号とAND演算部の出力信号との
論理和の成立によりON信号を出力するOR演算部と、
このOR演算部により出力される信号を反転するNOT
演算部とを備えて、差動要素信号が復帰しOFFとなっ
た後の第2所定時間後にオフディレータイマをOFFと
し差動要素信号のOFF後にNOT演算部から出力され
る出力阻止信号に代えて出力許可信号ON信号を出力制
御部へ出力するようにしたものである。この手段によれ
ば、励磁突入電流に起因して差動要素信号がON信号と
なると、オンディレータイマがスタートして第1所定時
間後にタイマをON状態とする一方、差動要素信号がO
FF信号となると、オンディレータイマをOFF状態と
する。オンディレータイマがON状態となり、かつ、A
ND演算部の出力信号がON信号のときオンディレータ
イマがON信号を出力する。この状態で外部事故が発生
すると被保護対象が無電圧となって過電圧判定信号がO
FF信号となった後に差動要素信号がOFF信号とな
る。AND演算部の出力信号がOFF信号となったと
き、第2所定時間後にオフディレータイマがOFF信号
をOR演算部へ出力する。OR演算部では、オフディレ
ータイマのOFF信号とAND演算部の出力信号のOF
F信号によってOFF信号をNOT演算部へ出力する。
これによって、OR演算部から出力されるOFF信号が
NOT演算部で反転されON信号とし、出力阻止信号に
代えて出力許可信号を出力制御部へ出力とする。この結
果、外部事故後に被保護対象の遮断がされても差動要素
信号が不出力となった後に出力阻止信号が不出力となっ
て、出力許可信号が出力される。従って、外部事故時に
差動要素信号が不出力となる前に出力阻止信号が不出力
となる状態を回避するので、外部事故時の不要な保護指
令が被保護対象へ出力されることを阻止でき、信頼性を
向上できる。
【0036】請求項4の発明は、被保護対象の各相毎の
交流電流を導入して、各相毎の差動電流を演算し、差動
電流と抑制電流との関係から得られる合成電気量が所定
条件であるときに被保護対象内部事故から被保護対象を
保護する差動要素信号を出力する差動要素部と、差動電
流に含まれる第1調波と第2調波の割合と被保護対象の
端子電圧の状態とから励磁突入電流に起因する状態の場
合に被保護対象へ保護指令が誤出力されるのを阻止する
出力阻止信号を生成し、あるいは、励磁突入電流に起因
しないとき出力許可信号を生成する励磁突入電流対策要
素部と、差動要素信号と出力許可信号との入力によって
被保護対象へ保護指令を出力する一方、差動要素信号が
入力されても出力阻止信号が入力されたとき、保護指令
を不出力とする出力制御部とを具備するディジタル形保
護継電器において、励磁突入電流対策要素部は、差動電
流に含有される第1調波電流に対する第2調波電流の割
合が所定値以上になったとき第2調波判定信号を出力す
る第2調波判定演算部と、被保護対象の端子電圧の電圧
振幅値が所定値以上であるときに電圧判定信号を出力す
る過電圧判定演算部と、差動電流の振幅値が過去の振幅
値より所定値以下となったとき変化幅過電流判定信号を
出力する変化幅過電流判定演算部と、内部事故が発生し
たとき第2調波判定信号と電圧判定信号の状態に基づい
て出力許可信号を制御部へ出力する一方、励磁突入電流
が流れている状態で、外部事故が発生したとき、変化幅
過電流判定信号によってタイマ手段を動作させ差動要素
信号と第2調波判定信号と電圧判定信号とを協調させ、
差動要素信号が復帰して不出力となった後に遅延して出
力阻止信号に代えて出力許可信号を出力制御部へ出力と
するようにして不要な保護指令の出力を阻止する時間協
調部とを設けるようにしたものである。この手段によれ
ば、励磁突入電流に起因する差動要素信号が出力されて
いるとき、外部事故に起因する被保護対象の電圧、電流
の遮断があっても、変化幅過電流判定信号に応動するタ
イマ手段によって差動要素信号が復帰して不出力となっ
た後に出力阻止信号が不出力とされる。これにより、励
磁突入電流が流れ、かつ、外部事故が発生しても不要な
保護指令が被保護対象へ出力される事態が確実に回避さ
れ継電器の信頼性を向上させることができる。
【0037】請求項5の発明は、請求項4記載のディジ
タル形保護継電器において、時間協調部は、変化幅過電
流判定信号のON信号に応動し、かつ、電圧判定信号が
ON信号のとき、タイマをON信号とし、電圧判定信号
がOFF信号となると、所定時間後に遅延してタイマを
OFF信号とするオフディレータイマと、このオフディ
レータイマの出力信号と電圧判定信号との論理和の成立
によりON信号を出力するOR演算部と、このOR演算
部の出力信号と第2調波判定信号との論理積の成立によ
りON信号を出力するAND演算部と、このAND演算
部により出力される信号を反転するNOT演算部とを備
えて、差動要素信号が復帰しOFFとなった後の第2所
定時間後にオフディレータイマをOFFとし差動要素信
号のOFF後にNOT演算部から出力される出力阻止信
号に代えて出力許可信号のON信号を出力制御部へ出力
するようにしたものである。この手段によれば、励磁突
入電流が流れ、外部事故に起因して変化幅過電流判定信
号がON信号となると、オフディレータイマがON状態
となり、かつ、過電圧判定信号がON信号のときオフデ
ィレータイマがON信号を出力する。この状態で外部事
故によって被保護対象が無電圧となって電圧判定信号が
OFF信号となった後に差動要素信号がOFF信号とな
る。過電圧判定信号がOFF信号となったとき所定時間
後に遅延してオフディレータイマがOFF信号をOR演
算部へ出力する。OR演算部では、オフディレータイマ
のOFF信号と電圧判定信号のOFF信号によってOF
F信号をAND演算部へ出力する。これによって、AN
D演算部から出力されるOFF信号がNOT演算部で反
転されON信号とし、出力阻止信号を出力部へ不出力と
する。この結果、外部事故後に被保護対象の遮断がされ
ても差動要素信号が不出力となった後に出力阻止信号が
不出力となる。従って、外部事故時に差動要素信号が不
出力となる前に出力阻止信号が不出力となる状態を回避
するので外部事故時の不要な保護指令が被保護対象へ出
力されることを阻止でき、信頼性を向上できる。
【0038】請求項6の発明は、請求項4記載のディジ
タル形保護継電器において、時間協調部は、第2調波判
定信号と電圧判定信号との論理積の成立によりON信号
を出力するAND演算部と、変化幅過電流判定信号のO
N信号に応動し、かつ、AND演算部からの出力がON
信号のとき、タイマをON信号とし、AND演算部から
出力がOFF信号となると、所定時間後に遅れてタイマ
をOFF信号とするオフディレータイマと、このオフデ
ィレータイマの出力信号とAND演算部から出力信号と
の論理和の成立によりON信号を出力するOR演算部
と、このOR演算部により出力される信号を反転するN
OT演算部とを備えて、差動要素信号が復帰しOFFと
なった後の第2所定時間後にオフディレータイマをOF
Fとし差動要素信号のOFF後にNOT演算部から出力
される出力阻止信号に代えて出力許可信号をON信号と
するようにしたものである。この手段によれば、励磁突
入電流と外部事故に起因して変化幅過電流判定信号がO
N信号となると、オフディレータイマがON状態とな
り、かつ、AND演算部の出力信号がON信号のときオ
フディレータイマがON信号を出力する。この状態で外
部事故による被保護対象が無電圧となって電圧判定信号
がOFF信号となった後に差動要素信号がOFF信号と
なる。電圧判定信号がOFF信号となったとき所定時間
後にオフディレータイマがOFF信号をOR演算部へ出
力する。OR演算部では、オフディレータイマのOFF
信号とAND演算の出力信号のOFF信号によってOF
F信号をNOT演算部へ出力する。これによって、OR
演算部から出力されるOFF信号がNOT演算部で反転
されON信号とし、出力阻止信号を出力制御部へ不出力
とし、出力許可信号を出力する。この結果、外部事故後
に被保護対象の遮断がされても差動要素信号が不出力と
なった後に出力阻止信号が不出力となる。従って、外部
事故時に差動要素信号が不出力となる前に出力阻止信号
が不出力となる状態を回避するので、外部事故時の不要
な保護指令が被保護対象へ出力されることを阻止でき、
信頼性を向上できる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0040】図1は本発明の第1実施の形態を示す構成
図である。
【0041】図1において、複数端子を有する変圧器を
はさんで各相毎の入力電流を導入し、導入され交流入力
電流I1,I2は、変成器2を通してA/D変換器3にて
一定時間間隔でサンプリングしたディジタル量に変換さ
れる。
【0042】一方、被保護対象の変圧器の端子電圧を導
入し、導入された入力電圧Vは、変成器2を通してA/
D変換器3にて一定時間間隔でサンプリングしたディジ
タル量に変換される。
【0043】ディジタル量に変換された交流入力電流
は、差動要素部5に導入され、振幅値演算部11,12
において交流入力電流I1,I2の各々の基本波1fの振
幅値|I1|,|I2|を算出し、抑制電流演算部13に
てΣ|I|=|I1|+|I2|を算出する。また、ディ
ジタル量に変換された入力電流は、差動電流演算部14
においてId=I1+I2を算出し、基本波(1f)振幅
値演算部15において差動電流Idの基本波1fの振幅
値|Id1f|算出する。差動判定演算部16では、抑制
電流Σ|I|と差動電流Idの1fの振幅値|Id1f|は
抑制電流Σ|I|と1fの振幅値|Id1f|の関係が所
定値以上である時に出力する差動判定信号をAND演算
部23へ出力する。
【0044】差動要素部5において算出された差動電流
dと振幅値|Id1f|が、励磁突入電流対策要素部6A
にも導入される。差動電流Idは第2調波(2f)振幅
値演算部17に導入される。第2調波(2f)振幅値演
算部17は差動電流Idの第2調波(2f)の振幅値|
d2f|を算出する。
【0045】第2調波(2f)判定演算部18は差動電
流Idに含まれる第1調波振幅値|Id1f|と差動電流に
含まれる第2調波振幅値|Id2f|は第1調波1fに対
する第2調波2fの割合が所定値以上である時に出力す
る。
【0046】一方、ディジタル量に変換された端子電圧
Vは、励磁突入電流対策要素部6Aに導入され、電圧振
幅値演算部19は、振幅値を検出するための演算を行っ
て電圧振幅値|V|を出力する。この場合、電圧振幅値
|V|は所定値以上である時に出力して過電圧(OV)
判定演算部20に導入される。過電圧(OV)判定演算
部20の出力は、復帰遅延タイマ24とOR演算部25
に導入される。復帰遅延タイマ24は、差動要素部5の
出力により、その信号の入力から一定時間後に所定のタ
イマ時間をセットするとともに、過電圧(OV)判定演
算部20の出力が有ることを条件に出力し、差動要素部
5の出力がない時にはタイマ時間及び出力をリセットす
る。
【0047】OR演算部25は、復帰遅延タイマ24の
出力と過電圧(OV)判定演算部20の出力との論理和
をとり、この結果を出力する。AND演算部21は、O
R演算部25の出力と第2調波(2f)判定演算部18
の出力との論理積をとり、この結果を出力する。AND
演算部21の出力をNOT演算部22にて反転させ、差
動要素部5の出力とのAND演算部23を行う。
【0048】ここで、復帰遅延タイマ24について具体
的に説明する。
【0049】復帰遅延タイマ24は、図2に示すように
差動要素信号がON信号となったときタイマスタートし
て第1所定時間(t1)後にタイマをセットしてタイマ
をONとしてON状態維持し、差動要素信号がOFFと
なるとタイマをOFF状態とするオンディレータイマ2
4Aと、このオンディレータイマ24AのON信号を応
動し、かつ、過電圧判定信号がON信号のとき、タイマ
をON信号とし、過電圧判定信号がOFFとなると、第
2所定時間(t2)後にタイマをOFF信号とするオフ
ディレータイマ24Bとから構成される。
【0050】この構成で、図3に示すように時刻t1に
差動判定信号16がON信号となると、オンディレータ
イマ24AがスタートしてT1時間後にONとなる。こ
れによってオフディレータイマ24BがONとなる。
【0051】これにより、OV判定信号20がON信号
なのでオフディレータイマ24BがON信号を保つ、外
部事故で無電圧となると、時刻t3にOV判定信号がO
FF信号となって、オフディレータイマ24BがT2時
間遅れ時刻t5がOFF信号となる。この間の時刻t4
には、既に差動判定信号16も復帰してOFF信号とな
っている。
【0052】図4は励磁突入電流及び励磁突入電流が流
れている状態での外部事故発生時の各判定部の応動を示
している。
【0053】まず、変圧器を無励磁状態から電圧を印加
すると、励磁突入電流が流れる。この励磁突入電流に含
まれる基本波電流が大きいと、差動要素部5が動作し、
時刻t1に差動判定演算部16から出力する。同時に、
励磁突入電流に含まれる第2調波(2f)電流の含有率
が一定値以上あると、第2調波(2f)判定演算部18
も出力するとともに、端子電圧が零から定格電圧まで上
昇することにより過電圧(OV)判定演算部20も出力
する。
【0054】過電圧(OV)判定演算部20の出力は、
OR演算部25を通して、第2調波(2f)判定演算部
18とのAND演算部21を行い、NOT演算22を通
して、差動要素部5の出力とのAND演算部23により
差動判定演算部16の出力を阻止し、ディジタル形保護
継電器(差動リレー)1としての不要動作を防止する。
【0055】一方、差動判定演算部16の出力は、過電
圧(OV)判定演算部20の復帰遅延タイマ24に信号
を与え、復帰遅延タイマ24は、図2及び図3で説明し
たように一定時間T1(T1=OV判定要素の復帰時間
以上)後に所定のタイマ時間をセットすると同時に、出
力する。これにより、励磁突入電流対策要素の応動には
影響を与えない。
【0056】その後に、励磁突入電流が流れている状態
で、系統電源端で時刻t2に外部故障発生すると、電
流、電圧が遮断されるため、差動要素部5は復帰し、差
動判定演算部16の出力はなくなるとともに、第2調波
(2f)判定演算部18の出力もなくなる。
【0057】一方、過電圧(OV)判定演算部20は、
系統電圧の変化に対して即応動する必要があり、差動要
素よりも即応動作し、速く復帰する。このため、従来技
術では先に述べた如く、差動要素部5との復帰協調が取
れず、ディジタル形保護継電器(差動リレー)1の不要
動作が生じる。ところが、第1実施の形態では、時刻t
3に過電圧(OV)判定演算部20の出力がOFFとな
って差動判定演算部16の出力により制御される復帰遅
延タイマ24の出力がT2時間後の時刻t4にOFFと
なる。これによって、OR演算部25の出力は、差動判
定演算部16の出力によりセットされたタイマ時間(T
2)だけ復帰遅延される。この復帰遅延により、差動判
定演算部16が復帰するまでの間、第2調波(2f)判
定演算部18とのAND演算部21は復帰しない。そし
て、差動判定演算部16が復帰するとともに、復帰遅延
タイマ24がリセット(復帰)されるが、差動要素との
復帰協調は確実に取れ、外部事故時に於いても、差動リ
レーの不要動作を防止することができる。
【0058】次に、図5により変圧器内部事故時の応動
について説明する。
【0059】ここでは、変圧器の内部事故が、系統電圧
(端子電圧)が有る状態で、かつ、差動電流Idが無い
状態から発生するとする。この場合、ディジタル形保護
継電器(差動リレー)1の各判定部の応動は、内部事故
と同時に差動電流が流れることにより差動判定演算部1
6が時刻t1を出力するとともに、端子電圧が低下す
る。これにより過電圧(OV)判定演算部20が復帰し
差動リレー1が正動作する。
【0060】ここで、過電圧(OV)判定演算部20の
出力に単純に復帰タイマを入れると、事故時の系統現象
により低次高調波電流が含有され、2f要素も同時に動
作し第2調波(2f)判定演算部18が出力した場合、
そのタイマ時間だけOV判定出力の復帰が遅れることと
なり、結果として差動リレーの出力も遅れることにな
る。
【0061】しかし、本発明の第1実施の形態では復帰
遅延タイマ24は、差動判定演算部16の出力が復帰遅
延タイマ24に信号を与え、一定時間T1(T1=過電
圧(OV)判定要素の復帰時間以上)後に所定のタイマ
時間をセットするように構成している。このために確実
に過電圧(OV)判定演算部20が復帰した後では、復
帰遅延タイマ24は出力しない。従って、OR演算部2
5及びAND演算部21及びNOT演算部22も出力せ
ず、内部事故時の差動要素の応動には影響を与えない。
【0062】これにより、変圧器励磁突入電流による差
動要素動作中に、外部事故により差動リレーが不要動作
となることを防ぐことができる。また、内部事故時には
従来通りの差動りレーの動作時間を確保することができ
る。
【0063】ここでは、図13の二次側の端子電圧Vを
導入した例で説明したが、本発明は二次端子電圧に限定
したものではなく、図13の一次側の端子電圧V1(ま
たは3巻線変圧器の場合の三次端子電圧V3)を導入し
て電圧振幅値|V1|(または|V3|)を用いてOV
判定演算を行っても、先に説明した本発明と同等の作
用,効果を持つことができる。また、本説明は2巻線変
圧器を例に説明したが、3巻線以上の複数端子を有する
変圧器保護用差動リレーについても同様である。
【0064】図6は、本発明の第2実施の形態を示すデ
ィジタル形保護継電器の構成図である。
【0065】図6において、図1と同じ符号は同じ構
成,作用を付している。第2実施の形態は、先に説明し
た図1に示す励磁突入電流対策要素部6Aに代えて、新
たに励磁突入電流対策要素部6Bを備え、その他の構成
は図1に示すと同じである。
【0066】図中、AND演算部21は、第2調波(2
f)判定演算部18の出力と過電圧(OV)判定演算部
20の出力との論理積をとり、その結果を出力する。A
ND演算部21の出力は復帰遅延タイマ26とOR演算
部27とに導入される。復帰遅延タイマ26は、図2及
び図3と同様のオンディレータイマとオフディレータイ
マからなっており、差動要素部5の出力により、その信
号から一定時間後に所定のタイマ時間をセットするとと
もに、AND演算部21の出力が有ることを条件に出力
し、差動要素部5の出力がない時にはタイマ時間及び出
力をリセットするものである。
【0067】OR演算部27は、復帰遅延タイマ26の
出力とAND演算部21の出力との論理和をとり、その
結果を出力する。OR演算部27の出力をNOT演算部
22にて反転させ、差動要素部5の出力とのAND演算
部23を行う構成である。
【0068】まず、図7により、励磁突入電流が流れた
時の各判定部の応動を説明すると、変圧器を無励磁状態
から電圧を印加すると励磁突入電流が流れる。この励磁
突入電流に含まれる基本波電流が大きいと、差動要素部
5が動作し、差動判定演算部16は時刻t1に出力す
る。同時に、励磁突入電流に含まれる2fの含有率が一
定値以上あると、第2調波(2f)判定演算部18も出
力する。そして、端子電圧が零から定格電圧まで上昇す
ることにより過電圧(OV)判定演算部20も出力す
る。過電圧(OV)判定演算部20の出力は、第2調波
(2f)判定演算部18とのAND演算部21を行い、
OR演算部27及びNOT演算部22を通して、差動要
素部5の出力とのAND演算部23により差動判定演算
部16の出力を阻止し、ディジタル形保護継電器(差動
リレー)1として不要動作を防止する。
【0069】一方、差動判定演算部16の出力は、復帰
遅延タイマ26に信号を与え、復帰遅延タイマ26は、
一定時間T1(T1=OV判定要素の復帰時間以上)後
に所定のタイマ時刻t2にセットすると同時に、出力す
るため、特に励磁突入電流対策要素の応動には影響を与
えない。
【0070】次に、励磁突入電流が流れている状態で、
系統電源端で外部事故が時刻t3に発生すると、電流、
電圧が遮断されるため、差動要素部5は復帰し、差動判
定演算部16の出力はなくなるとともに、第2調波(2
f)判定演算部18の出力もなくなる。
【0071】一方、過電圧(OV)判定演算部20は、
系統電圧の変化に対して即応動する必要があり、差動要
素部5よりも速く動作し、速く時刻t4に復帰する。こ
のため、従来技術では先に述べた如く、差動要素部5と
の復帰協調が取れずディジタル形保護継電器(差動リレ
ー)1の不要動作が生じる。ところが、本発明の第2実
施の形態では、AND演算部21の出力と差動判定演算
部16の出力により制御される復帰遅延タイマ26の処
理により、OR演算部27の出力は、差動判定演算部1
6の出力によりセットされたタイマ時間(T2)だけ復
帰遅延される。この復帰遅延により、差動判定演算部1
6が復帰するまでの間、OR演算部27は復帰しない。
そして、差動判定演算部16が復帰するとともに、復帰
遅延タイマ26がリセット(復帰)されるが、差動要素
との復帰協調は確実に取れ、外部事故時に於いても、差
動リレーの不要動作を防止することが出来る。
【0072】次に、図8により変圧器内部事故時の応動
について説明する。
【0073】まず、変圧器の内部事故が、系統電圧(端
子電圧)が有る状態で、かつ、差動電流が無い状態から
発生すると、内部事故と同時に差動電流が流れることに
より差動判定演算部16が出力するとともに、端子電圧
が低下することにより過電圧(OV)判定演算部20が
復帰する。これによって、時刻t1には、差動リレー1
が正動作する。
【0074】ここで、過電圧(OV)判定演算部20の
出力に単純に復帰タイマを入れると、事故時の系統現象
により低次高調波電流が含有され、2f要素も同時に動
作し第2調波(2f)判定演算部18が出力した場合、
そのタイマ時間だけOV判定出力の復帰が遅れることと
なり、結果として差動リレーの出力も遅れることにな
る。
【0075】しかし、本発明の第2実施の形態では復帰
遅延タイマ26は、差動判定演算部16の出力から復帰
遅延タイマ26に信号を与えられ、一定時間T1(T1
=OV判定要素の復帰時間以上)後に所定のタイマ時間
をセットする様に構成している。このため、確実に過電
圧(OV)判定演算部20が復帰し、AND演算部21
の出力が無い状態では、復帰遅延タイマ26は出力しな
い。従って、OR演算部27及びNOT演算部22も出
力せず、内部事故時の差動要素部5の応動には影響を与
えない。
【0076】これにより、変圧器励磁突入電流による差
動要素動作中に、外部故障により差動リレーが不要動作
となることを防ぐことができる。また、内部事故時には
従来通りの差動リレーの動作時間を確保することができ
る。
【0077】図9は、本発明の第3実施の形態を示すデ
ィジタル形保護継電器の構成図である。
【0078】図9において、図1と同一符号は同じ構
成,作用を有している。
【0079】第3実施の形態は、先に説明した図1の励
磁突入電流対策要素部6Aに代えて、新たに励磁突入電
流対策要素部6Cを備え、その他の構成は図1に同じで
ある。
【0080】変化幅過電流判定(−ΔI)演算部28
は、差動要素部5により算出された差動電流Idの1f
振幅値|Id1f|を導入し、nサンプリング前の振幅値
|Id1fm-n対する現在の振幅値|Id1fmとの差(|
d1fm-n−|Id1fm)が所定値以上、つまり、差動
電流が前値より所定値以下となった時に出力する。
【0081】過電圧(OV)判定演算部20の出力は、
復帰遅延タイマ29とOR演算部25に導入される。復
帰遅延タイマ29は、変化幅過電流判定(−ΔI)演算
部28の出力により、所定のタイマ時間をセットすると
ともに、過電圧(OV)判定演算部20の出力が有るこ
とを条件に出力し、変化幅過電流判定(−ΔI)演算部
28の出力がなくなった後は、過電圧(OV)判定演算
部20の出力がなくなるまで条件を保持し、かつ、過電
圧(OV)判定演算部20の復帰後の所定のタイマ時間
後に復帰する。
【0082】OR演算部25は、復帰遅延タイマ29の
出力と過電圧(OV)判定演算部20の出力との論理和
をとり、この結果を出力する。AND演算部21は、O
R演算部25の出力と第2調波(2f)判定演算部18
の出力との論理積をとり、この結果を出力する。AND
演算部21の出力は、NOT演算部22にて反転され、
差動要素部5の出力とのAND演算部23を行う。
【0083】まず、図10により、励磁突入電流が流れ
た時の各判定部の応動を説明すると、変圧器を無励磁状
態から電圧を印加すると励磁突入電流が流れる。この励
磁突入電流に含まれる基本波電流が大きいと、差動判定
演算部16は出力する。
【0084】同時に、励磁突入電流に含まれる2fの含
有率が一定値以上あると、第2調波(2f)判定演算部
18も出力するとともに、端子電圧が零から定格電圧ま
で上昇することにより過電圧(OV)判定演算部20も
出力する。過電圧(OV)判定演算部20出力は、OR
演算部25を通して、第2調波(2f)判定演算部18
とのAND演算部21を行い、NOT演算部22を通し
て、差動要素部5の出力とのAND演算部23により差
動判定演算部16の出力を阻止し、ディジタル形保護継
電器(差動リレー)1としての不要動作を防止する。
【0085】一方、変化幅過電流判定(−ΔI)演算部
28は、差動電流Id零から大きく変化するため出力が
無く、過電圧(OV)判定演算部20の出力後の復帰遅
延タイマ29に信号を与えないため、時刻t1から時刻
t2以前には、特に励磁突入電流対策要素部6Cの応動
には影響を与えない。
【0086】次に、励磁突入電流が流れている状態で、
系統電源端で外部事故が時刻t2に発生すると、電流、
電圧が遮断されるため、差動要素は復帰し、差動判定演
算部16の出力はなくなる。さらに、第2調波(2f)
判定演算部18の出力もなくなる。この場合、変化幅過
電流判定(−ΔI)演算部28は時刻t2に差動電流が
小さくなるため過渡的に短時間の出力を行う。
【0087】一方、OV要素は、系統電圧の変化に対し
て即応動する必要があり、差動要素よりも速く動作し、
速く時刻t3に復帰する。このため、従来技術では先に
述べた如く、差動要素との復帰協調が取れず差動リレー
の不要動作が生じる。ところが、本発明の第3実施の形
態では、過電圧(OV)判定演算部20の出力と変化幅
過電流判定(−ΔI)演算部28により制御される復帰
遅延タイマ29の出力をOR演算部25を行う。そし
て、過電圧(OV)判定演算部20の出力が復帰する前
に、変化幅過電流判定(−ΔI)演算部28の出力によ
り時刻t2に復帰遅延タイマ29をセットする。これに
より、OR演算部25の出力は、変化幅過電流判定(−
ΔI)演算部28の出力によりセットされたタイマ時間
(T1)だけ復帰遅延される。
【0088】そして、復帰遅延タイマ29は、変化幅過
電流判定(−ΔI)演算部28の出力により、所定のタ
イマ時間をセットするとともに、過電圧(OV)判定演
算部20の出力が有ることを条件に出力する。さらに、
変化幅過電流判定(−ΔI)演算部28の出力がなくな
った後は、過電圧(OV)判定演算部20の出力がなく
なるまで条件を保持し、かつ、過電圧(OV)判定演算
部20の復帰後所定のタイマ時間後の時刻t4に復帰す
る。この復帰遅延により、差動判定演算部16が復帰す
るまでの間、AND演算部21は復帰しない。これによ
り、差動要素との復帰協調は確実に取れ、外部事故時に
於いても、差動リレーの不要動作を防止することができ
る。
【0089】次に、図11により変圧器内部事故時の応
動について説明する。
【0090】まず、変圧器の内部事故が、系統電圧(端
子電圧)が有る状態で、かつ、差動電流Idが無い状態
から発生すると、ディジタル形保護継電器(差動リレ
ー)1の各判定部の応動は、内部事故と同時に差動電流
dが流れることにより差動判定演算部16が出力する
とともに、端子電圧が低下することにより過電圧(O
V)判定演算部20が復帰する。これにより、時刻t1
に差動リレー1が正動作する。この場合、変化幅過電流
判定(−ΔI)演算部28は差動電流が大きく変化する
ため出力しない。このため、第2調波(2f)判定演算
部18の応動に関係なく、AND演算部21は出力せ
ず、内部事故時の差動要素の応動には影響を与えない。
これにより、変圧器励磁突入電流による差動要素動作中
に、外部事故により差動リレーが不要動作となることを
防ぐことができる。また、内部事故時には従来通りの差
動リレーの動作時間を確保することができる。
【0091】図12は、本発明の第4実施の形態に示す
ディジタル形保護継電器の構成図である。
【0092】図12において、図1と同一符号は同じ構
成、作用を有している。
【0093】第4実施の形態は先に説明した図1の励磁
突入電流対策要素部6Aに代えて、新たに励磁突入電流
対策要素部6Dを備え、その他の構成は図1に同じであ
る。
【0094】変化幅過電流判定(−ΔI)演算部28
は、差動要素部5により算出された差動電流Idの1f
振幅値|Id1f|を導入し、nサンプリング前の振幅値
|Id1fm-n対する現在の振幅値|Id1fmとの差(|
d1fm-n−|Id1fm)が所定値以上、つまり、差動
電流が前値より所定値以下となった時に出力する。
【0095】AND演算部21の出力は、復帰遅延タイ
マ30とOR演算部27に導入される。復帰遅延タイマ
30は、変化幅過電流判定(−ΔI)演算部28の出力
により、所定のタイマ時間をセットするとともに、AN
D演算部21の出力が有ることを条件に出力し、変化幅
過電流判定(−ΔI)演算部28の出力がなくなった後
は、AND演算部21の出力がなくなるまで条件を保持
し、かつ、AND演算部21の復帰後の所定のタイマ時
間後に復帰するものである。
【0096】OR演算部27は、復帰遅延タイマ30の
出力とAND演算部21の出力との論理和をとり、この
結果を出力する。AND演算部21は、過電圧(OV)
判定演算部20の出力と第2調波(2f)判定演算部1
8の出力との論理積をとり、この結果を出力する。AN
D演算部23は、OR演算部27の出力をNOT演算部
22にて反転させた信号と差動要素部5の出力との論理
積をとるものである。
【0097】次に、図12の作用について説明する。
【0098】まず、励磁突入電流が流れた時の各判定部
の応動を説明すると、変圧器を無励磁状態から電圧を印
加すると励磁突入電流が流れる。このとき、変化幅過電
流判定(−ΔI)演算部28は、差動電流が零から大き
く変化するため出力は無い。従って、AND演算部21
の出力は、復帰遅延タイマ30に信号を与えないため、
特に励磁突入電流対策要素6Dの応動には影響を与えな
い。他の差動判定演算部16、第2調波(2f)判定演
算部18、過電圧(OV)判定演算部20の応動は、図
10に示すと同じである。この結果、差動要素部5の出
力は、OR演算部27とのAND演算部23により差動
判定演算部16の出力を阻止し、ディジタル形保護継電
器(差動リレー)1としての不要動作を防止する。
【0099】一方、励磁突入電流が流れている状態で、
系統電源端で外部事故が発生すると、電流、電圧が遮断
されるため、差動要素は復帰し、差動判定演算部16の
出力はなくなるとともに、第2調波(2f)判定演算部
18の出力もなくなる。この場合、変化幅過電流判定
(−ΔI)演算部28は差動電流が小さくなるため過渡
的に短時間の出力を行う。これにより、図11で説明し
た内容と同様に、OR演算部27の出力は、変化幅過電
流判定(−ΔI)演算部28の出力によりセットされた
タイマ時間だけ復帰遅延される。
【0100】すなわち、復帰遅延タイマ30は、変化幅
過電流判定(−ΔI)演算部28の出力により、所定の
タイマ時間をセットするとともに、AND演算部21の
出力の有ることを条件に出力し、変化幅過電流判定(−
ΔI)演算部28の出力がなくなった後は、AND演算
部21の出力がなくなるまで条件を保持し、かつ、過電
圧(OV)判定演算部20の復帰後の所定のタイマ時間
後に復帰する。
【0101】この復帰遅延により、差動判定演算部16
が復帰するまでの間、AND演算部21は復帰しない。
これにより、差動要素との復帰協調は確実に取れ、外部
事故時に於いても、差動リレーの不要動作を防止するこ
とができる。
【0102】次に、変圧器の内部事故時の応動について
説明する。
【0103】変圧器の内部事故時が、系統電圧(端子電
圧)が有る状態で、かつ、差動電流Idが無い状態から
発生すると、ディジタル形保護継電器(差動リレー)1
の各判定部の応動は、内部事故と同時に差動電流Id
流れることにより差動判定演算部16が出力するととも
に、端子電圧が低下することにより過電圧(OV)判定
演算部20が後帰する。この場合、変化幅過電流判定
(−ΔI)演算部28は差動電流が大きく変化するため
出力しない。このため、第2調波(2f)判定演算部1
8の応動に関係なく、AND演算部21は出力せず、内
部事故時の差動要素の応動には影響を与えない。
【0104】これにより、変圧器励磁突入電流による差
動要素動作中に、外部事故により差動リレーが不要動作
となることを防ぐことができる。また、内部事故時には
従来通りの差動リレーの動作時間を確保することができ
る。
【0105】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、変圧器励磁突入電流のある場合、および変圧器励磁
突入電流による差動要素動作中に、外部事故により電
流、電圧が遮断された時でも確実に不動作となり、また
内部事故発生時には従来通りの動作時間で確実に動作す
るディジタル形保護継電器を提供することができる。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、励磁突入電流に起因する差動要素信号が出力され
ているとき、外部事故に起因する被保護対象の電圧、電
流の遮断があっても、差動要素信号が復帰して不出力と
なった後に出力阻止信号を不出力とするので、不要な保
護指令が被保護対象へ出力される事態を確実に回避で
き、継電器の信頼性を向上させることができる。
【0107】また、請求項2の発明によれば、励磁突入
電流に起因して差動要素信号がON信号となるとオンデ
ィレータイマがスタートして第1所定時間後にタイマを
ON状態とし、かつ、過電圧判定信号がON信号のとき
オンディレータイマがON信号を出力し、過電圧判定信
号がOFF信号となったとき第2所定時間後にオフディ
レータイマがOFF信号をOR演算部へ出力するので、
外部事故時に差動要素信号が不出力となる前に出力阻止
信号が不出力となる状態を回避でき、外部事故時の不要
な保護指令が被保護対象へ出力されることを阻止でき、
信頼性を向上させることができる。
【0108】また、請求項3の発明によれば、励磁突入
電流に起因して差動要素信号がON信号となるとオンデ
ィレータイマがスタートして第1所定時間後にタイマを
ON状態とし、かつ、AND演算部の出力信号がON信
号のときオンディレータイマがON信号を出力し、AN
D演算部の出力信号がOFF信号となったとき第2所定
時間後にオフディレータイマがOFF信号をOR演算部
へ出力するので、外部事故時に差動要素信号が不出力と
なる前に出力阻止信号が不出力となる状態を回避でき外
部事故時の不要な保護指令が被保護対象へ出力されるこ
とを阻止でき、信頼性を向上させることができる。
【0109】また、請求項4の発明によれば、励磁突入
電流に起因する差動要素信号が出力されているとき、外
部事故に起因する被保護対象の電圧、電流の遮断があっ
ても、変化幅過電流判定信号に応動するタイマ手段によ
って差動要素信号が復帰して不出力となった後に出力阻
止信号を不出力とするので、励磁突入電流が流れ、か
つ、外部事故が発生しても不要な保護指令が被保護対象
へ出力される事態を確実に回避でき、継電器の信頼性を
向上させることができる。
【0110】また、請求項5の発明によれば、励磁突入
電流が流れ、外部事故に起因して変化幅過電流判定信号
がON信号で、電圧判定信号がON信号のときオフディ
レータイマがON信号となり、過電圧判定信号がOFF
信号となったとき所定時間後にオフディレータイマがO
FF信号をOR演算部へ出力するので、外部事故時に差
動要素信号が不出力となる前に出力阻止信号が不出力と
なる状態を回避でき、外部事故時の不要な保護指令が被
保護対象へ出力されることを阻止でき、信頼性を向上さ
せることができる。
【0111】また、請求項6の発明によれば、励磁突入
電流と外部事故に起因して変化幅過電流判定信号がON
信号で、かつ、AND演算の出力信号がON信号のとき
オフディレータイマがON信号となり、過電圧判定信号
がOFF信号となったとき所定時間後にオフディレータ
イマがOFF信号をOR演算部へ出力するので、外部事
故時に差動要素信号が不出力となる前に出力阻止信号が
不出力となる状態を回避でき、外部事故時の不要な保護
指令が被保護対象へ出力されることを阻止でき、信頼性
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示すディジタル形保
護継電器の構成図である。
【図2】図1の復帰遅延タイマの具体的構成図である。
【図3】図2の復帰遅延タイマの作用図である。
【図4】図1において、励磁突入電流時で、かつ、外部
事故が発生したときの作用図である。
【図5】図1において、内部事故時の作用図である。
【図6】本発明の第2実施の形態を示すディジタル形保
護継電器の構成図である。
【図7】図6において、励磁突入電流時で、かつ、外部
事故が発生したときの作用図である。
【図8】図6において、内部事故時の作用図である。
【図9】本発明の第3実施の形態を示すディジタル形保
護継電器の構成図である。
【図10】図9において、励磁突入電流時で、かつ、外
部事故が発生したときの作用図である。
【図11】図9において、内部事故時の作用図である。
【図12】本発明の第4実施の形態を示すディジタル形
保護継電器の構成図である。
【図13】変圧器を保護するディジタル形保護継電器の
配置図である。
【図14】従来のディジタル形保護継電器を示す構成図
である。
【図15】図14において、励磁突入電流時で、かつ、
外部事故が発生したときの作用図である。
【符号の説明】
1 ディジタル形保護継電器(差動リレー) 2 変成器 3 A/D変換器 4 中央処理装置(CPU) 5 差動要素部 6,6A,6B,6C,6D 励磁突入電流対策要素部 11,12 振幅値演算部 13 抑制電流演算部 14 差動電流演算部 15 基本波(1f)振幅値演算部 16 差動判定演算部 17 第2調波(2f)振幅値演算部 18 第2調波(2f)判定演算部 19 電圧振幅値演算部 20 過電圧(OV)判定演算部 21,23 AND演算部 22 NOT演算部 24,26,29,30 復帰遅延タイマ 25,27 OR演算部 28 変化幅過電流判定(−ΔI)演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 聡 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 祖父江 哲也 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東 芝システムテクノロジー株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被保護対象の各相毎の交流電流を導入し
    て、各相毎の差動電流を演算し、差動電流と抑制電流と
    の関係から得られる合成電気量が所定条件であるときに
    被保護対象の内部事故から被保護対象を保護する差動要
    素信号を出力する差動要素部と、前記差動電流に含まれ
    る第1調波と第2調波の割合と被保護対象の端子電圧の
    状態とから励磁突入電流に起因する状態の場合に被保護
    対象へ保護指令が誤出力されるのを阻止する出力阻止信
    号を生成し、あるいは、前記励磁突入電流に起因しない
    状態のとき出力許可信号を生成する励磁突入電流対策要
    素部と、前記差動要素信号と出力許可信号との入力によ
    って被保護対象へ保護指令を出力する一方、前記差動要
    素信号が入力されても前記出力阻止信号が入力されたと
    き、前記保護指令を不出力とする出力制御部とを具備す
    るディジタル形保護継電器において、 前記励磁突入電流対策要素部は、 前記差動電流に含有される第1調波電流に対する第2調
    波電流の割合が所定値以上になったとき第2調波判定信
    号を出力する第2調波判定演算部と、 前記被保護対象の端子電圧の電圧振幅値が所定値以上で
    あるときに電圧判定信号を出力する過電圧判定演算部
    と、 内部事故が発生したとき、前記第2調波判定信号と前記
    電圧判定信号との状態に基づき前記出力許可信号を前記
    出力制御部へ出力する一方、励磁突入電流が流れている
    状態で、外部事故が発生したとき、前記差動要素出力信
    号と前記第2調波判定信号と前記電圧判定信号とを時間
    協調させて前記差動要素信号が復帰して不出力となった
    後に遅延して前記出力阻止信号に代えて前記出力許可信
    号を前記出力制御部へ出力する時間協調部を備え、不要
    な保護指令による誤動作を阻止することを特徴とするデ
    ィジタル形保護継電器。
  2. 【請求項2】 前記時間協調部は、 前記差動要素信号がON信号となったときタイマスター
    トして第1所定時間後にタイマをセットしてタイマのO
    N信号を維持し、前記差動要素信号がOFF信号となる
    とタイマをリセットしてOFF信号とするオンディレー
    タイマと、 このオンディレータイマのON信号に応動し、かつ、前
    記電圧判定信号がON信号のとき、タイマをON信号と
    し、前記電圧判定信号がOFF信号となると、第2所定
    時間後に遅延してタイマをOFF信号とするオフディレ
    ータイマと、 このオフディレータイマの出力信号と前記電圧判定信号
    との論理和の成立によりON信号を出力するOR演算部
    と、 このOR演算部の出力信号と前記第2調波判定信号との
    論理積の成立によりON信号を出力するAND演算部
    と、 このAND演算部により出力される信号を反転するNO
    T演算部とを備えて、 前記差動要素信号が復帰しOFF信号となった後の前記
    第2所定時間後に前記オフディレータイマをOFF信号
    とし前記差動要素信号のOFF後に前記NOT演算部か
    ら前記出力阻止信号に代えて前記出力許可信号のON信
    号を前記出力制御部へ出力することを特徴とする請求項
    1記載のディジタル形保護継電器。
  3. 【請求項3】 前記時間協調部は、 前記第2調波判定信号と前記電圧判定信号との論理積の
    成立によりON信号を出力するAND演算部と、 前記差動要素信号がON信号となったときタイマスター
    トして第1所定時間後にタイマをセットしてタイマのO
    N信号を維持し、前記差動要素信号がOFF信号となる
    とタイマをOFF信号とするオンディレータイマと、 このオンディレータイマのON信号に応動し、かつ、前
    記AND演算部からの出力がON信号のとき、タイマを
    ON信号とし、前記AND演算部からの出力がOFF信
    号となると、第2所定時間後に遅延してタイマをOFF
    信号とするオフディレータイマと、 このオフディレータイマの出力信号と前記AND演算部
    の出力信号との論理和の成立によりON信号を出力する
    OR演算部と、 このOR演算部により出力される信号を反転するNOT
    演算部とを備えて、 前記差動要素信号が復帰しOFFとなった後の前記第2
    所定時間後に前記オフディレータイマをOFFとし前記
    差動要素信号のOFF後に前記NOT演算部から出力さ
    れる前記出力阻止信号に代えて前記出力許可信号のON
    信号を前記出力制御部へ出力することを特徴とする請求
    項1記載のディジタル形保護継電器。
  4. 【請求項4】 被保護対象の各相毎の交流電流を導入し
    て、各相毎の差動電流を演算し、差動電流と抑制電流と
    の関係から得られる合成電気量が所定条件であるときに
    被保護対象内部事故から被保護対象を保護する差動要素
    信号を出力する差動要素部と、前記差動電流に含まれる
    第1調波と第2調波の割合と被保護対象の端子電圧の状
    態とから励磁突入電流に起因する状態の場合に被保護対
    象へ保護指令が誤出力されるのを阻止する出力阻止信号
    を生成し、あるいは、前記励磁突入電流に起因しないと
    き出力許可信号を生成する励磁突入電流対策要素部と、
    前記差動要素信号と出力許可信号との入力によって被保
    護対象へ保護指令を出力する一方、前記差動要素信号が
    入力されても前記出力阻止信号が入力されたとき、前記
    保護指令を不出力とする出力制御部とを具備するディジ
    タル形保護継電器において、 前記励磁突入電流対策要素部は、 前記差動電流に含有される第1調波電流に対する第2調
    波電流の割合が所定値以上になったとき第2調波判定信
    号を出力する第2調波判定演算部と、 前記被保護対象の端子電圧の電圧振幅値が所定値以上で
    あるときに電圧判定信号を出力する過電圧判定演算部
    と、 前記差動電流の振幅値が過去の振幅値より所定値以下と
    なったとき変化幅過電流判定信号を出力する変化幅過電
    流判定演算部と、 内部事故が発生したとき前記第2調波判定信号と前記電
    圧判定信号の状態に基づいて前記出力許可信号を前記出
    力制御部へ出力する一方、励磁突入電流が流れている状
    態で、外部事故が発生したとき、前記変化幅過電流判定
    信号によってタイマ手段を動作させ前記差動要素信号と
    前記第2調波判定信号と前記電圧判定信号とを協調さ
    せ、前記差動要素信号が復帰して不出力となった後に遅
    延して前記出力阻止信号に代えて前記出力許可信号を前
    記出力制御部へ出力する時間協調部とを備え、不要な保
    護指令の出力を阻止することを特徴とするディジタル形
    保護継電器。
  5. 【請求項5】 前記時間協調部は、 前記変化幅過電流判定信号のON信号に応動し、かつ、
    前記電圧判定信号がON信号のとき、タイマをON信号
    とし、前記電圧判定信号がOFF信号となると、所定時
    間後に遅延してタイマをOFF信号とするオフディレー
    タイマと、 このオフディレータイマの出力信号と前記電圧判定信号
    との論理和の成立によりON信号を出力するOR演算部
    と、 このOR演算部の出力信号と前記第2調波判定信号との
    論理積の成立によりON信号を出力するAND演算部
    と、 このAND演算部により出力される信号を反転するNO
    T演算部とを備えて、 前記差動要素信号が復帰しOFFとなった後の前記所定
    時間後に前記オフディレータイマをOFFとし前記差動
    要素信号のOFF後に前記NOT演算部から出力される
    前記出力阻止信号に代えて出力許可信号のON信号を出
    力制御部へ出力することを特徴とする請求項4記載のデ
    ィジタル形保護継電器。
  6. 【請求項6】 前記時間協調部は、 前記第2調波判定信号と前記電圧判定信号との論理積の
    成立によりON信号を出力するAND演算部と、 前記変化幅過電流判定信号のON信号に応動し、かつ、
    前記AND演算部からの出力がON信号のとき、タイマ
    をON信号とし、前記AND演算部から出力がOFF信
    号となると、所定時間後に遅れてタイマをOFF信号と
    するオフディレータイマと、 このオフディレータイマの出力信号と前記AND演算部
    から出力信号との論理和の成立によりON信号を出力す
    るOR演算部と、 このOR演算部により出力される信号を反転するNOT
    演算部とを備えて、 前記差動要素信号が復帰しOFFとなった後の前記所定
    時間後に前記オフディレータイマをOFFとし前記差動
    要素信号のOFF後に前記NOT演算部から出力される
    前記出力阻止信号に代えて出力許可信号をON信号とす
    ることを特徴とする請求項4記載のディジタル形保護継
    電器。
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