JP2001025154A - 変圧器保護継電装置 - Google Patents

変圧器保護継電装置

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JP2001025154A
JP2001025154A JP11192815A JP19281599A JP2001025154A JP 2001025154 A JP2001025154 A JP 2001025154A JP 11192815 A JP11192815 A JP 11192815A JP 19281599 A JP19281599 A JP 19281599A JP 2001025154 A JP2001025154 A JP 2001025154A
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Chikao Sato
力生 佐藤
Tetsuya Sofue
哲也 祖父江
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Toshiba Corp
Toshiba System Technology Corp
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Toshiba Corp
Toshiba System Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変圧器の非電源端子に外部事故が発生したと
き、計器用変流器が飽和を起こした場合であっても、不
要応動しないようにする。 【解決手段】 変圧器各端子の交流電流を導入し、前記
変圧器の内部事故時には保護指令を出力する比率差動継
電器11を備えた変圧器保護継電装置1Aにおいて、前
記変圧器の非電源端子の交流電流を導入し、前記非電源
端子の交流電流の振幅値あるいはこれに比例する量を算
出する第1の手段13と、前記第1の手段で算出した量
が所定の条件を満足したとき出力する第2の手段14
と、前記第2の手段の出力信号を用いて、前記比率差動
継電器11の保護指令出力を制御する手段12を備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力用変圧器の保
護に適用される変圧器保護継電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図33は電力用変圧器の一般的な保護方
式として、比率差動継電器を適用した場合の保護回路を
示す。図33において、E1,E2は電源、TRは電力
用変圧器、CB1,CB2,CB3はしゃ断器を示す。
なお、変圧器は一例として3巻線変圧器としている。C
T1,CT2,CT3は変圧器TRの各端子に設置され
た計器用変流器であり、変圧器TRの各端子電流は、こ
れら計器用変流器を介し、変圧器保護継電装置TPへ導
入される。
【0003】変圧器保護継電装置TPでは、前記計器用
変流器より導入された電流より、動作量(差動電流I
d:各端子電流のベクトル和)及び抑制量(Σ|I|:
各端子電流のスカラー和)を算出し、この動作量及び抑
制量の関係から得られる合成電気量が、ある所定の条件
を満たした時、変圧器保護継電装置の保護区間内の事故
と判断し、しゃ断器へ保護指令を出力する。
【0004】ここで、図33のF1のように、変圧器の
非電源端子、一般に低電圧端子となるが、ここで外部事
故が発生すると、当該端子には非常に大きな事故電流が
発生し、事故点に向かって流れる。この事故電流に直流
分が重畳した場合、計器用変流器の鉄心の磁束が増大し
飽和を引き起こすことがある。
【0005】電力用変圧器の各端子の計器用変流器が全
て同一様相で飽和を起こした場合は比率差動継電器の動
作原理より、動作量である差動電流の発生は微少なもの
に留まるが、ある一端子、特に大電流の流れる変圧器の
低電圧端子の変流器のみが飽和を起こした場合、外部事
故であるにも関わらず、動作量である差動電流が多く発
生し、比率差動継電器の不要動作を引き起こす。
【0006】一方、図33のF2のように変圧器の内部
事故が発生した場合は、非電源端では事故電流を供給す
る電源が無いことから、当該端子の変流器に流れる電流
量は非常に小さく、変流器の飽和は発生しにくい。又、
当該端子の変流器が飽和を起こしても、内部事故である
ことから、変圧器保護継電装置が保護指令を出力するこ
とは、正動作となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記のような変流器の
飽和に対しては、変流器の容量を増大させ飽和を引き起
こさないものとすることが望ましいが、変流器の大型化
やコストの増大を招くこととなり実用的ではない。した
がって、前記比率差動継電器の比率を大きな値に設定し
特性を低感度化させる、あるいは限時タイマを設け飽和
が解けるまでの時間を待った後、内部事故又は外部事故
を判別し、内部事故時には保護指令を出力する必要があ
った。しかし、上記対策では高感度な検出ができなくな
る、あるいは内部事故時の保護指令出力時間が遅くなる
という問題点があった。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、変圧器の非電源端子に外部事故が発生し
た時、計器用変流器が飽和を起こした場合であっても、
不要動作を引き起こすことのない変圧器保護継電装置を
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】[請求項1]記載の変圧
器保護継電装置は、変圧器各端子の交流電流を導入し、
前記変圧器の内部事故時には保護指令を出力する比率差
動継電器を備える変圧器保護継電装置において、前記変
圧器の非電源端子の交流電流を導入し、前記非電源端子
の交流電流の振幅値あるいはこれに比例する量を算出す
る第1の手段と、前記第1の手段で算出した量が所定の
条件を満足したとき出力する第2の手段とを備え、前記
第2の手段の出力信号を用い、前記比率差動継電器の保
護指令出力を阻止する構成としたものである。
【0010】この手段によれば、前記変圧器の非電源端
子に流れる電流が小さいときは、前記第2の手段による
信号が出力されないため、当該変圧器における内部事故
と判断でき、前記第2の手段は前記比率差動継電器の保
護指令出力を阻止することはない。
【0011】又、当該端子に流れる電流が大きいとき
は、前記第2の手段の出力により当該変圧器の非電源端
子における外部事故と判断できるため、前記第2の手段
は前記比率差動継電器の保護指令出力を阻止する。した
がって、当該変圧器の非電源端子の外部事故時に当該端
子の変流器が飽和を起こし、動作量である差動電流が多
く発生して比率差動継電器が不要動作を引き起こして
も、しゃ断器に対して保護指令が出力されることはな
く、変圧器保護継電装置の信頼性を向上させることがで
きる。
【0012】[請求項2]記載の変圧器保護継電装置
は、変圧器各端子の交流電流を導入し、前記変圧器の内
部事故時には保護指令を出力する第1の比率差動継電器
を備える変圧器保護継電装置において、前記第1の比率
差動継電器とは異なる保護特性を有した第2の比率差動
継電器と、前記変圧器の非電源端子の交流電流を導入し
前記交流電流の振幅値あるいはこれに比例する量を算出
する第1の手段と、前記第1の手段で算出した量が所定
の条件を満足したとき出力する第2の手段とを備え、前
記第1の比率差動継電器と前記第2の比率差動継電器の
論理積(AND)特性と、前記第1の比率差動継電器の
出力と前記第2の手段の論理積(AND)との論理和
(OR)出力とを保護指令出力とする構成としたもので
ある。
【0013】この手段によれば、前記変圧器の非電源端
子に流れる電流が小さいときは、当該端子の変流器の飽
和の恐れはないことから、図3に示す如き保護特性を持
つ第1の比率差動継電器のみの保護指令を有効とし、高
感度な保護を維持する。一方、当該端子の電流が大きい
ときは、当該端子の変流器の飽和が考えられることか
ら、前記第1の比率差動継電器のみの出力を阻止すると
同時に、予め飽和による動作量の増加を考慮した図4に
示す如き保護特性を持つ第2の比率差動継電器と組み合
わせることにより、図5に示す如き保護特性とし、飽和
による動作量が発生してもこれを回避し、変圧器保護継
電装置の信頼性を向上させることができる。
【0014】[請求項3]記載の変圧器保護継電装置
は、[請求項1]又は[請求項2]記載の変圧器保護継
電装置において、前記第2の手段の出力信号を遅延させ
る限時タイマを設けるよう構成したものである。この手
段によれば、前記変圧器の非電源端子に流れる電流が小
さいときは、前記第2の手段による信号が出力されない
ため、当該変圧器における内部事故と判断でき、前記第
2の手段の出力が、比率差動継電器に作用することはな
い。
【0015】又、当該端子に流れる電流が大きいとき
は、前記第2の手段の出力が、所定の時間以上継続した
ことを確認した後、比率差動継電器に作用する。したが
って、例えば変圧器非電源端に容量性の調相設備が接続
されているような場合の変圧器内部事故発生時、この調
相設備からの放電により、一時的な過電流が発生するこ
とがあるが、この過電流に起因する前記第2の手段の過
渡的な出力を回避し、比率差動継電器への不要な制御を
防止することから、変圧器保護継電装置の信頼性を向上
させることができる。
【0016】[請求項4]記載の変圧器保護継電装置
は、[請求項3]において、一組の前記第1の手段及び
限時タイマに代えて、判定条件及び時間設定の異なる複
数組の前記第1の手段及び限時タイマとし、更に、前記
複数の限時タイマ出力の論理和(OR)出力信号によ
り、比率差動継電器の出力信号あるいは保護特性を制御
する構成としたものである。
【0017】この手段によれば、当該変圧器の非電源端
子の電流の大きさに応じて、順次、比率差動継電器への
制御がなされるため、当該端子の変流器のより飽和しや
すい大電流時には、制御信号を高速に、変流器の飽和し
にくい小電流時には、低速に制御信号を出力でき、比率
差動継電器に対する制御を必要限度に留めることがで
き、変圧器保護継電装置の信頼性を向上させることがで
きる。
【0018】[請求項5]記載の変圧器保護継電装置
は、[請求項1]又は[請求項2]において、過電流継
電器に代えて反限時過電流継電器とし、前記反限時過電
流継電器の出力信号により、比率差動継電器の出力信号
あるいは保護特性を制御する構成としたものである。
【0019】[請求項6]記載の変圧器保護継電装置
は、変圧器各端子の交流電流を導入し、前記変圧器の内
部事故時には保護指令を出力する比率差動継電器を備え
る変圧器保護継電装置において、前記変圧器の非電源端
子の交流電流を導入し、前記非電源端子の交流電流の振
幅値あるいはこれに比例する量を算出する第1の手段
と、前記第1の手段で算出した量が所定の条件を満足し
たとき出力する、判定条件及び時間設定の異なる複数組
の第2の手段及び限時タイマとを備え、前記比率差動継
電器の比率の大きさを、前記複数の第2の手段の判定条
件に応じ、予め設定された大きさに順次切り換える構成
としたものである。
【0020】この手段によれば、当該変圧器の非電源端
子の電流の大きさに応じて、適宜、比率差動継電器の比
率の大きさを制御するため、変流器の飽和しやすい大電
流時には、より大きな比率の保護特性とすることで、変
流器の飽和による前記比率差動継電器の不要な動作を回
避することができる。又、変流器の飽和しにくい小電流
時には、小さな比率の保護特性とすることで、比率差動
継電器の感度を損なうことなく、変流器の飽和を回避
し、変圧器保護継電装置の信頼性を向上させることがで
きる。
【0021】[請求項7]記載の変圧器保護継電装置
は、[請求項2]において、1つの第2の比率差動継電
器に代えて、前記第1の比率差動継電器とは異なる保護
特性を有する、第2,第3,…,第nの比率差動継電器
を設けると共に、更に、1つの前記第2の手段に代えて
判定条件の異なる複数の第2の手段を設け、前記第2の
手段の出力信号に応じて、前記第1〜第m(1<m≦
n)の比率差動継電器の論理積(AND)特性とする構
成としたものである。
【0022】この手段によれば、前記変圧器の非電源端
子に流れる電流が小さいときは、当該端子の変流器の飽
和の恐れはないことから、図3に示す如き保護特性を持
つ第1の比率差動継電器のみの保護指令を有効として、
高感度な保護を維持する。一方、当該端子の電流が大き
いときは、当該端子の変流器の飽和が考えられることか
ら、予め飽和による動作量の増加を考慮した、図4に示
す如き保護特性を持つ第2,第3,…,第nの比率差動
継電器と組み合わせることにより、図18に示す保護特
性とし、飽和による動作量が発生しても、これを回避す
ることから、変圧器保護継電装置の信頼性を向上させる
ことができる。
【0023】[請求項8]記載の変圧器保護継電装置
は、変圧器各端子の交流電流を導入し、前記変圧器の内
部事故時には保護指令を出力する第1の比率差動継電器
を備える変圧器保護継電装置において、前記第1の比率
差動継電器とは異なる保護特性を有した第2の比率差動
継電器と、前記変圧器の非電源端子の交流電流を導入
し、前記交流電流の振幅値あるいはこれに比例する量を
算出する第1の手段と、前記第1の手段で算出した量が
所定の条件を満足したとき出力する判定条件の異なる複
数の第2の手段とを備え、前記第2の比率差動継電器の
保護特性を前記複数の第2の手段の判定条件に応じて順
次切り換え、前記第1の比率差動継電器と、前記特性の
切り換えられた第2の比率差動継電器との論理積(AN
D)特性とする構成としたものである。
【0024】この手段によれば、前記変圧器の非電源端
子に流れる電流が小さいときは、当該端子の変流器の飽
和の恐れはないことから、図3に示す如き保護特性を持
つ第1の比率差動継電器のみの保護指令を有効とし、高
感度な保護を維持する。一方、当該端子の電流が大きい
ときは、当該端子の変流器の飽和が考えられることか
ら、当該端子の電流の大きさに合わせ、飽和の度合いに
よる動作量の増加を考慮した図4に示す如き保護特性を
持つ比率差動継電器と適宜、組み合わせることにより、
図20に示す保護特性とし、飽和による動作量が発生し
ても、これを回避することから、変圧器保護継電装置の
信頼性を向上させることができる。
【0025】[請求項9]記載の変圧器保護継電装置
は、[請求項2]において、前記第1の手段及び第2の
手段に代えて、前記変圧器の各端子電流のスカラー和で
ある抑制量(Σ|I|と称す)を算出する第3の手段
と、前記第3の手段で算出した量が所定の条件を満足し
たとき出力する第4の手段と、前記第4の手段による出
力信号を遅延させる限時タイマを設け、前記第1の比率
差動継電器と前記第2の比率差動継電器の論理積(AN
D)の出力と、前記第1の比率差動継電器の出力と前記
限時タイマの出力との論理積(AND)出力との論理和
(OR)出力を保護指令出力する手段を備えたものであ
る。この手段によれば、[請求項2]と同等の効果を得
ることができる。
【0026】[請求項10]記載の変圧器保護継電装置
は、[請求項6]において、前記第1の手段及び複数の
第2の手段に代えて、前記変圧器の各端子電流のスカラ
ー和である抑制量(Σ|I|と称す)算出する第3の手
段と、前記第3の手段で算出した量が所定の条件を満足
したとき出力する、判定条件の異なる複数の第4の手段
を設け、前記比率差動継電器の比率の大きさを、前記複
数の第4の手段の判定条件に応じて予め設定された大き
さに順次切り換える構成としたものである。この手段に
よれば、[請求項6]と同等の効果を得ることができ
る。
【0027】[請求項11]記載の変圧器保護継電装置
は、[請求項8]において、前記第1の手段及び複数の
第2の手段に代えて、前記変圧器の各端子電流のスカラ
ー和である抑制量(Σ|I|と称す)算出する第3の手
段と、前記第3の手段で算出した量が所定の条件を満足
したとき出力する判定条件の異なる複数の第4の手段を
設け、前記第2の比率差動継電器の保護特性を、前記複
数の第4の手段の判定条件の応じて順次切り換え、前記
第1の比率差動継電器と、前記特性の切り換えられた第
2の比率差動継電器との論理積(AND)特性とする構
成としたものである。この手段によれば、[請求項8]
と同等の効果を得ることができる。
【0028】[請求項12]記載の変圧器保護継電装置
は、変圧器各端子の交流電流を導入し、前記変圧器各端
子電流のベクトル和である動作量(差動電流:Id)を
算出する第5の手段と、変圧器各端子電流のスカラー和
である抑制量(Σ|I|)を算出する第6の手段と、前
記動作量と抑制量の関係が所定の条件を満足したとき前
記変圧器の内部事故と判断して保護指令を出力する第7
の手段を備える比率差動継電器において、前記第6の手
段と同様の手段にて算出した抑制量に比例した値を、前
記第7の手段で使用する判定式における比率値の係数と
して作用するよう構成したものである。この手段によれ
ば、[請求項6]と同等の効果を得ることができる。
【0029】[請求項13]記載の変圧器保護継電装置
は、[請求項8]において、前記第1及び複数の第2の
手段と第2の手段の出力信号による前記第2の比率差動
継電器の保護特性の切り換えに代えて、前記変圧器の各
端子電流のスカラー和である抑制量(Σ|I|と称す)
算出する第3の手段と、前記第3の手段で算出した量に
比例した値を、前記第2の比率差動継電器で使用する判
定式における条件の係数として作用するよう構成したも
のである。この手段によれば、[請求項8]と同等の効
果を得ることができる。
【0030】[請求項14]記載の変圧器保護継電装置
は、[請求項12]において、前記抑制量に代えて、前
記変圧器の非電源端子の交流電流を導入し、第1の手段
にて算出した前記非電源端子の交流電流の振幅値あるい
はこれに比例する値とし、前記第1の手段にて算出した
量に比例した値を係数として、前記比率差動継電器の比
率の大きさを逐次変化させる構成としたものである。こ
の手段によれば、[請求項6]と同等の効果を得ること
ができる。
【0031】[請求項15]記載の変圧器保護継電装置
は、[請求項13]において、前記抑制量に代えて、前
記変圧器の非電源端子の交流電流を導入し、第1の手段
にて算出した前記非電源端子の交流電流の振幅値あるい
はこれに比例する値とし、第1の手段にて算出した量に
比例した値を、前記第2の比率差動継電器で使用する判
定式における条件の係数として作用するよう構成したも
のである。この手段によれば、[請求項8]と同等の効
果を得ることができる。
【0032】[請求項16]記載の変圧器保護継電装置
は、変圧器各端子の交流電流を導入し、前記変圧器の内
部事故時には保護指令を出力する比率差動継電器を備え
る変圧器保護継電装置において、前記変圧器の非電源端
子の交流電圧を導入し、前記非電源端子の交流電圧の振
幅値あるいはこれに比例する量を算出する第8の手段
と、前記第8の手段で算出した量が所定の条件を満足し
たとき出力する第9の手段と、前記第9の手段の動作出
力を遅延させる限時タイマを備え、遅延後の前記第9の
手段の出力信号を用いて比率差動継電器の保護指令出力
を阻止する構成としたものである。
【0033】この手段によれば、前記変圧器の非電源端
子の電圧が小さくなったときは、前記第8の手段による
信号が出力されるため、系統に事故が発生したものと判
断できる。このとき、当該変圧器の内部事故であった場
合、前記比率差動継電器は即時に動作信号を出力し、か
つ、前記第8の手段による出力信号は、限時タイマによ
り遅延されるため、前記第2の手段は前記比率差動継電
器の保護指令出力を阻止することはない。
【0034】一方、当該変圧器の外部事故であった場
合、変流器の飽和は、多くの場合、事故発生後、数サイ
クルの後に発生することから、前記比率差動継電器は、
変流器の飽和発生までは、原理上動作に至らない。又、
限時タイマの設定時間を、変流器の飽和が始まる時間よ
り、短く設定することで、変流器の飽和発生時には、前
記第8の手段が、前記比率差動継電器の出力を阻止す
る。
【0035】したがって、当該変圧器の非電源端子の外
部事故時に、当該端子の変流器が飽和を起こし、動作量
である差動電流が多く発生し、比率差動継電器が不要動
作を引き起こしても、しゃ断器に対して保護指令が出力
されることはなく、変圧器保護継電装置の信頼性を向上
させることができる。
【0036】[請求項17]記載の変圧器保護継電装置
は、変圧器各端子の交流電流を導入し、前記変圧器の内
部事故時には保護指令を出力する第1の比率差動継電器
を備える変圧器保護継電装置において、前記第1の比率
差動継電器とは異なる保護特性を有した第2の比率差動
継電器と、前記変圧器の非電源端子の交流電圧を導入
し、前記交流電圧の振幅値あるいはこれに比例する量を
算出する第8の手段と、前記第8の手段で算出した量が
所定の条件を満足したとき出力する第9の手段と、前記
第9の手段の動作出力を遅延させる限時タイマを備え、
遅延後の前記第9の手段の出力信号を用い、前記第1の
比率差動継電器と前記第2の比率差動継電器の論理積
(AND)特性とする構成としたものである。
【0037】この手段によれば、前記変圧器の非電源端
子の電圧が小さくなったときは、前記第8の手段による
信号が出力されるため、系統に事故が発生したものと判
断できる。このとき、当該変圧器の内部事故であった場
合、前記第1の比率差動継電器及び前記第2の比率差動
継電器は即時に動作信号を出力することとなるが、前記
第8の手段による出力信号は、限時タイマにより遅延さ
れるため、図3に示す如き特性を持つ前記第1の比率差
動継電器のみの保護指令を有効とし、高感度な保護を維
持する。
【0038】一方、当該変圧器の外部事故であった場
合、変流器の飽和は多くの場合、事故発生後、数サイク
ルの後に発生することから変流器の飽和発生までは図3
に示す如く、高感度な保護特性を持つ前記第1の比率差
動継電器で保護を継続する。又、限時タイマの設定時間
を変流器の飽和が始まる時間より短く設定することで、
変流器の飽和時には前記不足電圧継電器の動作出力が前
記第1の比率差動継電器のみの出力を阻止すると同時
に、予め飽和による動作量の増加を考慮した図4に示す
如き保護特性と組み合わせることにより、図5に示す如
き保護特性とし変流器の飽和による動作量が発生しても
これを回避し、変圧器保護継電装置の信頼性を向上させ
ることができる。
【0039】[請求項18]記載の変圧器保護継電装置
は、変圧器各端子の交流電流を導入し、前記変圧器の内
部事故時には保護指令を出力する第1の比率差動継電器
を備える変圧器保護継電装置において、前記第1の比率
差動継電器とは異なる保護特性を有した第2の比率差動
継電器と、前記変圧器の非電源端子の交流電圧を導入
し、前記交流電圧の振幅値あるいはこれに比例する量を
算出する第8の手段と、前記第8の手段で算出した量が
所定の条件を満足したとき出力する第9の手段と、前記
第9の手段の動作出力を遅延させる限時タイマを備え、
遅延後の前記第9の手段の出力信号を用い、前記第1の
比率差動継電器と前記第2の比率差動継電器の保護特性
を切り換える構成としたものである。
【0040】この手段によれば、前記変圧器の非電源端
子の電圧が小さくなったときは、前記第8の手段による
信号が出力されるため、系統に事故が発生したものと判
断できる。このとき、当該変圧器の内部事故であった場
合、前記第1の比率差動継電器及び前記第2の比率差動
継電器は即時に動作信号を出力することとなるが、前記
第8の手段による出力信号は限時タイマにより遅延され
るため、図3に示す如き特性を持つ前記第1の比率差動
継電器のみの保護指令を有効とし、高感度な保護を維持
する。
【0041】一方、当該変圧器の外部事故であった場
合、変流器の飽和は多くの場合、事故発生後、数サイク
ルの後に発生することから変流器の飽和発生までは図3
に示す如く、高感度な保護特性を持つ前記第1の比率差
動継電器で保護を継続する。又、限時タイマの設定時間
を変流器の飽和が始まる時間より短く設定することで、
変流器の飽和時には前記不足電圧継電器の動作出力が、
前記第1の比率差動継電器のみの出力を阻止すると同時
に、予め飽和による動作量の増加を考慮した図32に示
す如き保護特性を持つ第2の比率差動継電器のみの出力
を有効とする。したがって、変流器の飽和による動作量
が発生しても、これを回避し、変圧器保護継電装置の信
頼性を向上させることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。なお、以下の説明において
は、特に記載のない限り、変圧器の非電源端子の交流電
流の振幅値あるいはこれに比例する値を算出する第1の
手段と、第1の手段で算出した量が所定の条件を満足し
たとき出力する第2の手段として、過電流継電器を例に
とり説明するものとする。
【0043】図1は[請求項1]の変圧器保護継電装置
の第1の実施の形態を示す構成図である。図1におい
て、変圧器保護継電装置1Aは保護要素部2Aと制御要
素部3Aとから構成され、保護要素部2Aは比率差動継
電器11と論理積(AND)処理部12とからなってい
る。又、制御要素部3Aは過電流継電器13と反転(N
OT)処理部14からなり、出力部は前記保護要素部2
Aに接続する。
【0044】ここで比率差動継電器11は変圧器各端子
の各相毎の電流I1,I2,I3を導入し、動作量(差
動電流量Id:各端子電流のベクトル和)及び抑制量
(Σ|I|:各端子電流のスカラー和)を算出し、この
動作量及び抑制量の関係から得られる合成電気量が、あ
る所定の条件を満たした時、変圧器保護継電装置の保護
区間内の内部事故と判断し、動作信号を論理積処理部1
2へ与える。
【0045】一方、過電流継電器13は変圧器非電源端
(本説明では変圧器3次)の電流を導入し、当該端子電
流の振幅値あるいはこれに比例する量を算出し、この結
果が予め設定された値k[1]を上回ったとき、動作信
号を反転処理部14へ与える。反転処理部14では前記
過電流継電器13の動作信号を反転処理し、論理積処理
部12へ与える。論理積処理部12では比率差動継電器
11の動作信号と反転処理後の過電流継電器13の動作
信号とのAND処理を実施し、比率差動継電器11動作
かつ過電流継電器13不動作のとき、保護指令を出力す
る。
【0046】以上説明したように、本構成によれば、前
記変圧器の非電源端子に流れる電流が小さいときは、過
電流継電器13が不動作となるため、当該変圧器におけ
る内部事故と判断でき、前記比率差動継電器の保護指令
出力を阻止することはない。又、当該端子に流れる電流
が大きいときは、過電流継電器13の動作により、当該
変圧器の非電源端子における外部事故と判断できるた
め、前記比率差動継電器の保護指令出力を阻止する。
【0047】したがって、当該変圧器の非電源端子の外
部事故時に、当該端子の変流器が飽和を起こし、動作量
である差動電流が多く発生し、比率差動継電器11が不
要動作を引き起こしても、しゃ断器に対して保護指令が
出力されることはなく、変圧器保護継電装置の信頼性を
向上させることができる。
【0048】なお、過電流継電器13において、予め設
定された値k[1]は変圧器内部事故時に流れる電流に
比例する値あるいは変圧器の定常運転時に流れる潮流に
比例する値の大きい方の値j[1]より大きく、かつ、
変圧器非電源端の外部事故時に発生する事故電流に比例
する値j[2]より小さな値とする必要がある。即ち、
(1)式の関係を満たすものとする必要がある。
【数1】 j[2]>k[1]>j[1] …………(1) 但し、 j[2]:変圧器非電源端の外部事故電流に比例した
値。 k[1]:過電流継電器に予め設定された値。 j[1]:変圧器内部事故時に流れる電流に比例する値
あるいは変圧器の定常運転時に流れる潮流に比例する値
の大きい方の値。
【0049】又、前記実施の形態では過電流継電器を適
用した例を説明したが、これに限定されるものではな
く、過電流継電器に代えて不足電流継電器としてもよ
い。この場合、不足電流継電器の動作信号は、過電流継
電器のそれとは逆論理となるため、反転処理部14は不
要となる。
【0050】本実施の形態によれば、変圧器の非電源端
子に流れる電流が小さいときは、過電流継電器の動作信
号が出力されないが、変圧器における内部事故と判断で
き、過電流継電器は比率差動継電器の保護指令出力を阻
止することはない。又、端子に流れる電流が大きいとき
は、前記過電流継電器の動作信号により、変圧器の非電
源端子における外部事故と判断できるため、前記比率差
動継電器の保護指令出力を阻止する。
【0051】しがたって、変圧器の非電源端子の外部事
故時に、当該端子の変流器が飽和を起こし、動作量であ
る差動電流が多く発生して比率差動継電器が不要動作を
引き起こしても、しゃ断器に対して保護指令が出力され
ることはなく、変圧器保護継電器の信頼性を向上させる
ことができる。
【0052】図2は[請求項2]の変圧器保護継電装置
の第2の実施の形態を示す構成図である。図2におい
て、変圧器保護継電装置1Bは保護要素部2Bと制御要
素部3Aとから構成され、保護要素部2Bは第1の比率
差動継電器21[1]と第2の比率差動継電器21
[2]と論理積(AND)処理部22及び23と論理和
(OR)処理部24とからなっている。又、制御要素部
3Aは第1の実施の形態と同一の構成であり、その出力
は前記保護要素部2Bに接続する。
【0053】ここで第1の比率差動継電器21[1]
は、変圧器各端子の各相毎の電流I1,I2,I3を導
入し、動作量(差動電流量Id:各端子電流のベクトル
和)及び抑制量(Σ|I|:各端子電流のスカラー和)
を算出し、この動作量及び抑制量の関係から得られる合
成電気量がある所定の条件1を満たした時、動作信号を
論理積処理部22及び23へ与えるものであり、例とし
て図3に示す如き保護特性を持つ。
【0054】又、第2の比率差動継電器21[2]は、
前記第1の比率差動継電器21[1]と同様に動作量,
抑制量を算出し、これら2量の関係から得られる合成電
気量がある所定の条件2を満たした時、動作信号を論理
積処理部22へ与えるものであり、例として図4に示す
如き保護特性を持つ。
【0055】一方、過電流継電器13は変圧器非電源端
(本説明では変圧器3次)の電流を導入し、当該端子電
流の振幅値あるいはこれに比例する量を算出し、この結
果が予め設定された値k[1]を上回ったとき、動作信
号を反転処理部14へ与える。反転処理部14は過電流
継電器13の動作信号の反転処理を実施し、その結果を
論理積処理部23へ与える。
【0056】論理積処理部22では前記第1の比率差動
継電器21[1]の動作信号と前記第2の比率差動継電
器21[2]の動作信号とのAND処理を実施し、その
結果を論理和処理部24へ与える。一方、論理積処理部
23では前記第1の比率差動継電器21[1]の動作信
号と、前記過電流継電器13の動作信号を反転処理した
結果とのAND処理を実施し、その結果を論理和処理部
24へ与える。論理和回路24では前記論理積処理部2
2及び23の結果をOR処理し、動作出力がある場合に
は保護指令を出力する。
【0057】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子に流れる電流が小さいときは過電流
継電器13は不動作であり、当該端子の変流器の飽和の
恐れはないことから図3に示す如き保護特性を持つ第1
の比率差動継電器21[1]のみの保護指令を有効と
し、高感度な保護を維持する。
【0058】一方、当該端子の電流が大きいときは、当
該端子の変流器の飽和が考えられることから、前記第1
の比率差動継電器21[1]のみの出力を阻止すると同
時に、予め飽和による動作量の増加を考慮した図4に示
す如き保護特性を持つ第2の比率差動継電器21[2]
と組み合わせることにより、図5に示す如き保護特性と
し飽和による動作量が発生してもこれを回避し、変圧器
保護継電装置の信頼性を向上させることができる。
【0059】なお、過電流継電器13において予め設定
された値k[1]は、前記第1の実施の形態で述べたそ
れと同様に、(1)式の関係を満たすものとする。又、
前記実施の形態では、過電流継電器を適用した例を説明
したが、これに限定されるものではなく、前記第1の実
施の形態と同様に、過電流継電器に代えて不足電流継電
器としてもよい。
【0060】本実施の形態によれば、変圧器の非電源端
子に流れる電流が小さいときは、当該端子の変流器の飽
和の恐れはないことから、図3に示す如き保護特性を持
つ第1の比率差動継電器のみの保護指令を有効とし、高
感度な保護を維持する。一方、当該端子の電流が大きい
ときは、当該端子の変流器の飽和が考えられることか
ら、前記第1の比率差動継電器のみの出力を阻止すると
同時に、予め飽和による動作量の増加を考慮した図4に
示す如き保護特性を持つ第2の比率差動継電器と組み合
わせることにより、図5に示す如き保護特性とし、飽和
による動作量が発生してもこれを回避し、変圧器保護継
電装置の信頼性を向上させることができる。
【0061】図6は[請求項3]の変圧器保護継電装置
の第3の実施の形態を示す構成図である。図6におい
て、変圧器保護継電装置1Cは保護要素部2Aと制御要
素部3Bとから構成され、保護要素部2Aは前記第1の
実施の形態(図1)と同一の構成である。又、制御要素
部3Bは過電流継電器13とオンディレイタイマ61と
反転(NOT)処理部14からなり、出力部は前記保護
要素部2Aへ接続する。
【0062】図6では前記第1の実施の形態の制御要素
部3Aにおいて、過電流継電器13の出力信号を遅延さ
せる限時タイマ(オンディレイタイマ)61を設け、前
記過電流継電器13の出力が所定時間継続したとき、そ
の結果を反転処理部14を介し、論理積処理部12へ与
える。
【0063】論理積処理部12では前記比率差動継電器
11の動作信号と、所定時間経過後の反転処理後の前記
過電流継電器13の動作信号とのAND処理を実施し、
前記過電流継電器13の動作が所定時間以上継続したと
き、保護指令の出力を阻止する。
【0064】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子に流れる電流が小さいときは、過電
流継電器13が不動作となるため、当該変圧器における
内部事故と判断でき、前記比率差動継電器の保護指令出
力を阻止することはない。又、当該端子に流れる電流が
大きいときは、過電流継電器13の動作が所定の時間以
上継続したことを確認した後、比率差動継電器に作用す
る。
【0065】したがって、例えば変圧器非電源端に容量
性の調相設備が接続されているような場合の変圧器内部
事故発生時、この調相設備からの放電による一時的な過
電流が発生することがあるが、この過電流に起因する前
記過電流継電器13の過渡的な応動を回避し、比率差動
継電器11への不要な制御を防止することができる。
【0066】又、外部事故時においては、変流器の飽和
は多くの場合、事故発生後、数サイクルの後に発生する
ことから、変流器の飽和発生までは比率差動継電器は原
理上動作に至らず、過電流継電器からの阻止出力が所定
時間後であっても問題とはならず、変圧器保護継電装置
の信頼性を向上させることができる。
【0067】本実施の形態によれば、変圧器の非電源端
子に流れる電流が小さいときは、過電流継電器の動作信
号が出力されないため、当該変圧器における内部事故と
判断でき、前記過電流継電器は比率差動継電器の保護指
令出力を阻止することはない。又、当該端子に流れる電
流が大きいときは、前記過電流継電器の動作が所定の時
間以上継続したことを確認した後、前記比率差動継電器
に作用する。
【0068】したがって、例えば変圧器非電源端に容量
性の調相設備が接続されているような場合の変圧器内部
事故発生時、この調相設備からの放電による一時的な過
電流が発生することがあるが、この過電流に起因する前
記過電流継電器の過渡的な応動を回避し、前記比率差動
継電器への不要な制御を防止することができる。
【0069】又、外部事故時においては、変流器の飽和
は多くの場合、事故発生後、数サイクルの後に発生する
ことから、変流器の飽和発生までは比率差動継電器は原
理上動作に至らず、過電流継電器からの阻止出力が所定
時間後であっても問題とはならず、変圧器保護継電装置
の信頼性を向上させることができる。
【0070】又、図7は[請求項3]の変圧器保護継電
装置の第4の実施の形態を示す構成図である。図7にお
いて、図2と同一機能部分については同一符号を付して
説明を省略する。本実施の形態において図2との構成上
の差異は、過電流継電器13と反転(NOT)処理部1
4との間に限時タイマ(オンディレイタイマ)61を設
けたことであり、その他の構成は図2と同様である。
【0071】したがって、過電流継電器13の出力が所
定時間継続したとき、その結果を反転処理部14を介し
て論理積処理部23へ与えるようにしている。論理積処
理部23では前記第1の比率差動継電器21[1]の動
作信号と、前記所定時間経過後の過電流継電器13の動
作信号を反転処理した結果とのAND処理を実施し、そ
の結果を論理和処理部24へ与える。論理和処理部24
では前記論理積処理部22及び23の結果をOR処理
し、動作出力がある場合には保護指令を出力する。
【0072】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子に流れる電流が小さいときは過電流
継電器13は不動作であり、当該端子の変流器の飽和の
恐れはないことから、図3に示す如き保護特性を持つ第
1の比率差動継電器21[1]のみの保護指令を有効と
し、高感度な保護を維持する。
【0073】一方、当該端子に流れる電流が大きいとき
は、過電流継電器13の動作が所定の時間以上継続した
ことを確認した後、前記保護要素部2Bに作用し、前記
第1の比率差動継電器21[1]のみの出力を阻止する
と同時に、予め飽和による動作量の増加を考慮した図4
に示す如き保護特性を持つ第2の比率差動継電器21
[2]と組み合わせることにより、図5に示す如き保護
特性とする。
【0074】したがって、例えば変圧器非電源端に容量
性の調相設備が接続されているような場合の変圧器内部
事故発生時、この調相設備からの放電による一時的な過
電流が発生することがあるが、この過電流に起因する前
記過電流継電器13の過渡的な応動を回避し、保護要素
部2Bへの不要な制御を防止することができる。
【0075】又、外部事故時においては、変流器の飽和
は多くの場合、事故発生後、数サイクルの後に発生する
ことから、変流器の飽和発生までは比率差動継電器は原
理上動作に至らず、過電流継電器からの制御出力が所定
時間後であっても問題とはならず、変圧器保護継電装置
の信頼性を向上させることができる。
【0076】又、前記第3及び第4の実施の形態では、
過電流継電器13の出力部に限時タイマ(オンディレイ
タイマ)を設けるよう構成したが、これに限定されるも
のではなく、図8に示す制御要素部3Cの如く、反転処
理部14の出力部に限時タイマ(オフディレイタイマ)
81を設けるよう構成しても、同様の作用,効果を得る
ことができる。
【0077】更に、前記第3及び第4の実施の形態で
は、過電流継電器を適用した例を説明したが、これに限
定されるものではなく、前記第1又は第2の実施の形態
と同様に、過電流継電器に代えて不足電流継電器として
もよい。
【0078】図9は[請求項4]の変圧器保護継電装置
の第5の実施の形態を示す構成図である。図9におい
て、図1と同一機能部分については同一符号を付す。図
9の構成上の特徴点は制御要素部3Dである。即ち、図
1では制御要素部には1つの過電流継電器13と1つの
反転処理部14しかなかったものが、本実施の形態で
は、第1の過電流継電器13[1]〜第nの過電流継電
器13[n]と第1の限時タイマ61[1]〜第nの限
時タイマ61[n]と論理和(OR)処理部91と1つ
の反転(NOT)処理部14からなり、出力部は前記保
護要素部2Aへ接続する。
【0079】ここで、保護要素部2Aの作用は前記図1
にて説明したそれと同様である。又、制御要素部3Dは
前記第3の実施の形態の過電流継電器13及び限時タイ
マ61に代え、複数組の判定条件の異なる過電流継電器
13[1]〜13[n]及び時間設定の異なる限時タイ
マ61[1]〜61[n]を設け、前記過電流継電器1
3[m](m:1〜n)の出力が、各々の出力部に設置
した限時タイマ時間継続したとき、その結果を論理和処
理部91及び反転処理部14を介し、論理積処理部12
へ与える。
【0080】論理積処理部12では前記比率差動継電器
11の動作信号と制御要素部3Dの出力信号とのAND
処理を実施し、前記過電流継電器13[m](m:1〜
n)動作が所定時間以上継続したとき、保護指令の出力
を阻止する。なお、制御要素部3Dにおいて、過電流継
電器13[1]〜13[n]の動作レベルk[1]〜k
[n]が(2)式の関係にあるときの限時タイマ61
[1]〜61[n]の設定時間t[1]〜t[n]は、
(3)式の関係を満たすものとする。又、k[1]は前
記第1の実施の形態での説明と同様、(4)式の関係を
満たすものとする。
【数2】 k[n]>k[n−1]>…>k[2]>k[1] ……(2) t[1]>t[2]>…>t[n−1]>t[n] ……(3) k[1]>j[1] ………………………………(4) 但し、 j[1]:変圧器内部事故時に流れる電流に比例する値
あるいは変圧器の定常運転時に流れる潮流に比例する値
の大きい方の値。
【0081】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子に流れる電流がk[1]より小さい
ときは、過電流継電器13[m](m:1〜n)が不動
作となるため、当該変圧器における内部事故と判断で
き、前記比率差動継電器の保護指令出力を阻止すること
はない。又、当該端子に流れる電流がk[1]より大き
いときは、過電流継電器13[m](m:1〜n)の動
作が所定の時間以上継続したことを確認した後、比率差
動継電器に作用する。
【0082】又、一般に変流器は、これに流れる電流が
大きくなる程、早く飽和を引き起こす。したがって、当
該端子に流れる電流の大きさにより、変流器が飽和し易
い大電流時は高速に阻止、飽和しにくい小電流時は低速
に差動継電器の出力を阻止することができるため、保護
要素部2Aへの不要な制御を防止し、変圧器保護継電装
置の信頼性を向上させることができる。
【0083】本実施の形態によれば、変圧器の非電源端
子に流れる電流がk[1]より小さいときは、過電流継
電器が不動作となるため、当該変圧器の非電源端子にお
ける内部事故と判断でき、前記比率差動継電器の保護指
令出力を阻止することはない。又、当該端子に流れる電
流がk[1]より大きいときは、過電流継電器13
[m](m:1〜n)の動作が所定の時間以上継続した
ことを確認した後、比率差動継電器に作用する。
【0084】又、一般に変流器はこれに流れる電流が大
きくなる程、早く飽和を引き起こす。したがって、当該
端子に流れる電流の大きさにより、変流器が飽和し易い
大電流時は高速に阻止、飽和しにくい小電流時は低速に
差動継電器の出力を阻止することができるため、保護要
素部への不要な制御を防止し、変圧器保護継電装置の信
頼性を向上させることができる。
【0085】又、図10は[請求項4]の変圧器保護継
電装置の第6の実施の形態を示す構成図である。図10
において、変圧器保護継電装置1Fは保護要素部2Bと
制御要素部3Dとから構成され、保護要素部2Bは前記
第2の実施の形態(図2)と同一の構成である。又、制
御要素部3Dは前記第5の実施の形態(図9)と同一の
構成であり、出力部は前記保護要素部2Bへ接続する。
【0086】ここで、保護要素部2Bの作用は、前記第
2の実施の形態(図2)にて説明したそれと同様であ
る。又、制御要素部3Dは前記第4の実施の形態の過電
流継電器13及び限時タイマ61に代えて、複数組の判
定条件の異なる過電流継電器13[1]〜13[n]及
び時間設定の異なる限時タイマ61[1]〜61[n]
を設け、前記過電流継電器13[m](m:1〜n)の
出力が、各々の出力部に設置した限時タイマ時間継続し
たとき、その結果を論理和処理部91及び反転処理部1
4を介し、論理積処理部23へ与える。
【0087】論理積処理部23では前記第1の比率差動
継電器21[1]の動作信号と、前記制御要素部3Dの
出力信号とのAND処理を実施し、その結果を論理和処
理部24へ与える。論理和処理部24では前記論理積処
理部22及び23の結果をOR処理し、動作出力がある
場合には保護指令を出力する。なお、過電流継電器13
[m]に設定された値km(m:1〜n)及び限時タイ
マ61[m]に設定された値tm(m:1〜n)は、前
記第5の実施の形態(図9)と同様に、(2),
(3),(4)式の関係を満足するものとする。
【0088】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子に流れる電流がk[1]より小さい
ときは、当該端子の変流器の飽和の恐れはないことか
ら、図3に示す如き保護特性を持つ第1の比率差動継電
器のみの保護指令を有効とし、高感度な保護を維持す
る。
【0089】一方、当該端子に流れる電流がk[1]よ
り大きいときは、過電流継電器13[m](m:1〜
n)の動作が所定の時間以上継続したことを確認した
後、前記保護要素部2Bに作用し、前記第1の比率差動
継電器のみの出力を阻止すると同時に、予め飽和による
動作量の増加を考慮した図4に示す如き保護特性を持つ
第2の比率差動継電器21[2]と組み合わせることに
より、図5に示す如き保護特性とする。又、一般に変流
器はこれに流れる電流が大きくなる程、早く飽和を引き
起こす。
【0090】したがって、当該端子に流れる電流の大き
さにより、変流器が飽和し易い大電流時は高速に、飽和
しにくい小電流時は低速に図5に示す特性に移行するこ
とができるため、保護要素部2への不要な制御を防止
し、変圧器保護継電装置の信頼性を向上させることがで
きる。又、前記第5及び第6の実施の形態では、過電流
継電器を適用した例を説明したが、これに限定されるも
のではなく、前記第3又は第4の実施の形態と同様に、
過電流継電器に代えて不足電流継電器としてもよい。
【0091】本実施の形態によれば、変圧器の非電源端
子に流れる電流がk[1]より小さいときは、当該端子
の変流器の飽和の恐れはないことから、図3に示す如き
保護特性を持つ第1の比率差動継電器のみの保護指令を
有効とし、高感度な保護を維持する。
【0092】一方、当該端子に流れる電流がk[1]よ
り大きいときは、過電流継電器13[m](m:1〜
n)の動作が所定の時間以上継続したことを確認した
後、前記保護要素部に作用し、前記第1の比率差動継電
器のみの出力を阻止すると同時に、予め飽和による動作
量の増加を考慮した図4に示す如き保護特性を持つ第2
の比率差動継電器と組み合わせることにより、図5に示
す如き保護特性とする。又、一般に変流器はこれに流れ
る電流が大きくなる程、早く飽和を引き起こす。
【0093】したがって、当該端子に流れる電流の大き
さにより、変流器が飽和し易い大電流時は高速に、飽和
しにくい小電流時は低速に図5に示す特性に移行するこ
とができるため、保護要素部2への不要な制御を防止
し、変圧器保護継電装置の信頼性を向上させることがで
きる。
【0094】図11は[請求項5]の変圧器保護継電装
置の第7の実施の形態を示す構成図である。図11にお
いて、変圧器保護継電装置1Gは保護要素部2Aと制御
要素部3Eとから構成され、保護要素部2Aは前記第1
の実施の形態と同一の構成である。又、制御要素部3E
は反限時過電流継電器13Aと反転(NOT)処理部1
4とからなり、出力部は前記保護要素部2Aへ接続す
る。ここで、保護要素部2Aの作用は、前記第1の実施
の形態(図1)にて説明したそれと同様である。
【0095】又、制御要素部3Eにおいて、反限時過電
流継電器13Aは変圧器非電源端(本説明では変圧器3
次)の電流を導入し、当該端子電流の振幅値あるいはこ
れに比例する量を算出し、この結果が予め設定された値
k[1]を上回ったとき、その振幅値に比例する量に応
じた所定の時間後に、動作信号を反転処理部14へ与え
る。
【0096】反転処理部14では前記反限時過電流継電
器13Aの動作信号を反転処理し、論理積処理部12へ
与える。論理積処理部12では前記比率差動継電器11
の動作信号と反転処理後の前記反限時過電流継電器13
Aの動作信号とのAND処理を実施し、前記反限時過電
流継電器13Aが動作したとき、保護指令の出力を阻止
する。以上説明したように、本構成によれば前記第5の
実施の形態と同等の効果を得ることができる。
【0097】図12は[請求項5]の変圧器保護継電装
置の第8の実施の形態を示す構成図である。図12にお
いて、変圧器保護継電装置1Hは保護要素部2Bと制御
要素部3Eとから構成され、保護要素部2Bは前記第2
の実施の形態(図2)と同一の構成である。又、制御要
素部3Eは前記第7の実施の形態と同一の構成であり、
出力部は前記保護要素部2Bへ接続する。ここで、保護
要素部2Bの作用は、前記第2の実施の形態(図2)に
て説明したそれと同様である。
【0098】又、制御要素部3Eにおいて、反限時過電
流継電器13Aは変圧器非電源端(本説明では変圧器3
次)の電流を導入し、当該端子電流の振幅値あるいはこ
れに比例する量を算出し、この結果が予め設定された値
k[1]を上回ったとき、その振幅値に比例する量に応
じた所定の時間後に、動作信号を反転処理部14へ与え
る。反転処理部14では前記反限時過電流継電器13A
の動作信号を反転処理し、論理積処理部23へ与える。
【0099】論理積処理部23では前記第1の比率差動
継電器21[1]の動作信号と、前記制御要素部3Eの
出力信号とのAND処理を実施し、その結果を論理和処
理部24へ与える。論理和処理部24では前記論理積処
理部22及び23の結果をOR処理し、動作出力がある
場合には保護指令を出力する。以上説明したように、本
構成によれば前記第6の実施の形態と同等の効果を得る
ことができる。
【0100】図13は[請求項6]の変圧器保護継電装
置の第9の実施の形態を説明するための構成図である。
図13において、変圧器保護継電装置1Jは保護要素部
2A[1]〜2A[n]と、同じく保護要素部4Aと制
御要素部3A[1]〜3A[n]と論理和(OR)処理
部131とから構成され、保護要素部2A[1]は比率
差動継電器11[1]と論理積(AND)処理部12
[1]とからなっている。
【0101】又、保護要素部2A[2]〜2A[n]は
前記保護要素部2A[1]と同様に、比率差動継電器1
1[2]〜11[n]と論理積(AND)処理部12
[2]〜12[n]とからなっている。更に、保護要素
部4Aは比率差動継電器11[n+1]からなってい
る。
【0102】又、制御要素部3A[1]は過電流継電器
13[1]と反転(NOT)処理部14[1]からな
り、出力部は前記保護要素部2A[1]に接続する。更
に、制御要素部3A[2]〜3A[n]は、前記制御要
素部3A[1]と同様に、過電流継電器13[2]〜1
3[n]と反転(NOT)処理部14[2]〜14
[n]とからなり、出力部は各々前記保護要素部2A
[2]〜2A[n]に接続する。
【0103】ここで、比率差動継電器11[1]〜11
[n]の作用は、第1の実施の形態(図1)で説明した
それと同様であり、導入電気量より得られる合成電気量
の関係が、所定の条件を満たした時、変圧器保護継電装
置の保護区間内の内部事故と判断し、各々の動作信号を
論理積処理部12[1]〜12[n]へ与える。
【0104】又、比率差動継電器11[n+1]は、所
定の条件を満たしたとき動作信号を論理和処理部131
へ与える。なお、比率差動継電器11[1]〜11[n
+1]は、各々(5)式に示す如く異なった比率Pの大
きさを持つものである。
【数3】 P[n+1]>P[n]>…>P[2]>P[1] ……(5)
【0105】一方、過電流継電器13[1]〜13
[n]の作用は、第1の実施の形態(図1)で説明した
それと同様であり、変圧器非電源端の電流を導入し、当
該端子電流の振幅値あるいはこれに比例する量を算出
し、この結果が予め設定された値k[1]〜k[n]を
上回ったとき、動作信号を反転処理部14[1]〜14
[n]へ与える。なお、過電流継電器13[1]〜13
[n]は、各々(2)式に示す如く異なった検出レベル
を持つものであることは既に説明した通りである。
【数4】 k[n]>k[n−1]>…>k[2]>k[1] ……(2)
【0106】反転処理部14[1]〜14[n]では、
各々前記過電流継電器13[1]〜[n]の動作信号を
反転処理し、各々論理積処理部12[1]〜12[n]
へ与える。論理積処理部12[1]〜12[n]では、
比率差動継電器11[1]〜[n]の各々の動作信号と
反転処理後の過電流継電器13[1]〜13[n]の各
々の動作信号とのAND処理を実施し、その結果を論理
和処理部131へ与える。
【0107】論理和処理部131では前記論理積処理部
12[1]〜12[n]の結果と、前記比率差動継電器
11[n+1]の結果とのOR処理を実施し、動作出力
がある場合には保護指令を出力する。つまり、図13の
構成では、変圧器非電源端で内部事故が発生した場合、
事故電流を供給する電源が無いことから、当該端子に流
れる電流は小さい。したがって、過電流継電器13
[1]は不動作となり、その結果、比率差動継電器11
[1]の結果が有効となる。
【0108】一方、変圧器非電源端で外部事故が発生し
た場合、当該端子には非常に大きな電流が流れるため、
過電流継電器13[1]〜13[n]は、その事故電流
の大きさに応じて順次動作となる。例えば、事故電流が
過電流継電器13[1]で設定された値k[1]より大
きく、かつ過電流継電器13[2]で設定された値k
[2]より小さい場合、論理積回路12[2]の結果が
有効となる。
【0109】このとき、当該端子の変流器が飽和を起こ
し、比率差動継電器11[1]が動作となっても、過電
流継電器13[1]が動作であることから、論理積回路
12[1]にて、その信号は阻止され、無効となる。同
様に、変圧器非電源端の電流が大きくなると、適宜、過
電流継電器が動作し、図14に示す如く、その電流の大
きさに合わせた比率の大きさを持つ、比率差動継電器の
みが有効となる。
【0110】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば前記変圧器の非電源端子に流れる電流がk[1]より
小さいときは、当該端子の変流器の飽和の恐れはないこ
とから、図3に示す如き保護特性を持つ第1の比率差動
継電器のみの保護指令を有効とし、高感度な保護を維持
する。
【0111】一方、当該端子に流れる電流がk[1]よ
り大きいときは、過電流継電器13[m](m:1〜
n)の動作に合わせ、前記比率差動継電器11[m]
(m:1〜n)に作用し、これの動作出力を阻止すると
同時に、予め飽和による動作量の増加を考慮した比率を
持つ保護特性とする。
【0112】したがって、当該端子に流れる電流の大き
さにより、変流器が飽和し易い大電流時は大きな比率の
保護特性を、飽和しにくい小電流時は小さな比率の保護
特性を適用することができるため、比率差動継電器の保
護機能を損なうことなく変流器の飽和を回避し、変圧器
保護継電装置の信頼性を向上させることができる。又、
前記第9の実施の形態では、過電流継電器及び反転回路
を適用した例を説明したが、これに限定されるものでは
なく、過電流継電器及び反転回路に代えて不足電流継電
器としても同等の効果が得られる。
【0113】更に、前記第9の実施の形態では、比率の
大きさの異なる複数の比率差動継電器を適用する例を説
明したが、これに限定されるものではなく、1つのディ
ジタル形比率差動継電器を適用し、各過電流継電器の動
作状態に合わせ、比率の大きさをソフトウェアにて順次
切り換えていくよう構成してもよい。
【0114】図15はディジタル形比率差動継電器を適
用した第10の実施の形態を説明するための構成図であ
る。図15において、変圧器TRの各端子の交流電流I
1,I2,I3は、計器用変流器CT1,CT2,CT
3を介し、ディジタル形変圧器保護継電器15Aへ導入
される。これら交流電流は、更にディジタル形変圧器保
護継電器15Aの補助変成器151を介し、A/D変換
部152にてA/D変換された後、RAM154へ蓄え
られる。
【0115】過電流継電器13[1]〜13[n]は、
変圧器非電源端(本説明では変圧器3次)の電流を導入
し、当該端子電流の振幅値あるいはこれに相当する量を
算出し、この結果が予め設定された値k[1]〜k
[n]を上回ったとき、動作信号をディジタル形変圧器
保護継電器15Aのディジタル信号入力部であるIN1
56へ与える。
【0116】RAM154へ蓄えられたデータ及びIN
156へ導入された前記過電流継電器13[1]〜13
[n]の結果は、CPU153にてROM155に予め
プログラムされた手順に従って処理される。そして、C
PU153にて処理されたデータが所定の条件を満たし
た時、ディジタル信号出力部であるOUT157より保
護指令が出力される。
【0117】次に、CPU153にて処理される手順の
ついて図16を用いて説明する。図16はCPU153
にて処理される手順を説明するためのフローチャートで
ある。図16において、ステップ161では前記過電流
継電器13[1]〜13[n]の動作信号をIN156
を介して読み込む。ステップ162Aでは読み込んだ過
電流継電器13[n]の信号が動作であるか不動作であ
るかを判定し、結果が動作であればステップ163Aに
進む。
【0118】又、結果が不動作であればステップ162
Bへ進む。ステップ163Aでは比率の大きさP、を過
電流継電器13[n]の判定レベルであるk[n]に応
じたP[n+1]としステップ164へ進む。ステップ
162Bでは過電流継電器13[n−1]の信号が動作
であるか不動作であるかを判定し、結果が動作であれば
ステップ163Bに進む。
【0119】又、結果が不動作であれば次の判定ステッ
プへ進む。ステップ163Bでは比率の大きさPを、過
電流継電器13[n−1]の判定レベルであるk[n−
1]に応じたP[n]としステップ164へ進む。上記
のような手順を繰り返し、ステップ162Dまで進み、
ステップ162Dにて過電流継電器13[1]の信号が
動作であるか不動作であるかを判定し、結果が動作であ
ればステップ163Dに進む。
【0120】又、結果が不動作であればステップ164
へ進む。ステップ163Dでは比率の大きさPを、過電
流継電器13[1]の判定レベルであるk[1]に応じた
P[2]としステップ164へ進む。ステップ163E
では比率の大きさPをP[1]としステップ164へ進
む。ステップ164では動作量及び抑制量を算出しステ
ップ165へ進む。
【0121】ステップ165では過電流継電器の動作レ
ベルに応じて設定された比率の大きさPと、前記動作量
及び抑制量とを用い、比率差動判定式により所定の条件
を満たしているか否かを判定し、所定の条件を満たして
いる場合は保護指令を出力する。又、所定の条件を満た
していない場合はそのまま終了する。
【0122】なお、図15,図16においては、過電流
継電器13[1]〜13[n]に予め設定された値k
[1]〜k[n]の関係は、既に説明した(2)式の通
りであり、又、過電流継電器の動作レベルに応じた比率
差動継電器の比率の大きさP[1]〜P[n+1]は、
前記した(5)式の通りである。
【0123】つまり、ディジタル形比率差動継電器で
は、前記過電流継電器13[1]〜1313[n]の動
作状態に応じ、ソフトウェアで比率の大きさPを順次可
変とするよう構成したので、前記図13で説明した実施
の形態と同様の作用、効果を得ることができる。
【0124】更に、前記第10の実施の形態(図15)
では過電流継電器を適用した例を説明したが、これに限
定されるものではなく、過電流継電器に代えて不足電流
継電器としてもよい。又、前記第10の実施の形態で
は、ディジタル形比率差動継電器と過電流継電器を分離
した例を説明したが、これに限定されるものではなく、
過電流継電器13[1]〜13[n]の演算を、前記デ
ィジタル形比率差動継電器5AのCPU153にて実施
してもよい。
【0125】又、本実施の形態によれば、当該変圧器の
非電源端子の電流の大きさに応じて、適宜、比率差動継
電器の比率の大きさを制御するため、変流器の飽和し易
い大電流時にはより大きな比率の特性とすることで、前
記比率差動継電器の飽和による不要動作を回避すること
ができる。又、変流器の飽和しにくい小電流時には小さ
な比率の特性とすることで、比率差動継電器の感度を損
なうことなく保護機能を維持できる。
【0126】つまり、図13の構成では変圧器非電源端
で内部事故が発生した場合、事故電流を供給する電源が
無いことから、当該端子に流れる電流は小さい。したが
って、過電流継電器13[1]は不動作となり、結果、
比率差動継電器11[1]の結果が有効となる。一方、
変圧器非電源端で外部事故が発生した場合、当該端子に
は非常に大きな電流が流れるため、過電流継電器13
[1]−〜13[n]は、その事故電流の大きさに応じ
て順次動作となる。
【0127】例えば、事故電流が過電流継電器13
[1]で設定された値k[1]より大きく、かつ過電流
継電器13[2]で設定された値k[2]より小さい場
合、論理積回路12[2]の結果が有効となる。このと
き、当該端子の変流器が飽和を起こし、比率差動継電器
11[1]が動作となっても、過電流継電器13[1]
が動作であることから、論理積回路12[1]にて、そ
の信号は阻止され、無効となる。同様に、変圧器非電源
端の電流が大きくなると、適宜、過電流継電器が動作
し、図14に示す如く、その電流の大きさに合わせた比
率の大きさを持つ比率差動継電器のみが有効となる。
【0128】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子に流れる電流がk[1]より小さい
ときは、当該端子の変流器の飽和の恐れはないことか
ら、図3に示す如き保護特性を持つ第1の比率差動継電
器のみの保護指令を有効とし、高感度な保護を維持す
る。
【0129】一方、当該端子に流れる電流がk[1]よ
り大きいときは、過電流継電器13[m](m:1〜
n)の動作に合わせ、前記比率差動継電器11[m]
(m:1〜n)に作用し、これの動作出力を阻止すると
同時に、予め飽和による動作量の増加を考慮した、比率
を持つ保護特性とする。
【0130】したがって、当該端子に流れる電流の大き
さにより変流器が飽和し易い大電流時は大きな比率の保
護特性を、飽和しにくい小電流時は小さな比率の保護特
性を適用することができるため、比率差動継電器の保護
機能を損なうことなく変流器の飽和を回避し、変圧器保
護継電装置の信頼性を向上させることができる。
【0131】図17は[請求項7]の変圧器保護継電装
置の第11の実施の形態を示す構成図である。図17に
おいて、変圧器保護継電装置1Kは保護要素部5A
[1]〜5A[n+1]と、制御要素部3A[1]〜3
A[n]と、論理積(AND)処理部171[1]〜1
71[n]及び172[1]〜172[n]と、論理和
(OR)処理部173とから構成され、保護要素部5A
[1]〜5A[n+1]は各々比率差動継電器21
[1]〜21[n+1]からなっている。
【0132】又、制御要素部3A[1]〜3A[n]
は、各々過電流継電器13[1]〜13[n]と反転
(NOT)処理部14[1]〜14[n]からなり、出
力部は前記論理積処理部171[1]〜171[n]に
各々接続する。ここで、比率差動継電器21[1]の作
用は、第2の実施の形態(図2)で説明したそれと同様
であり、導入電気量より得られる合成電気量の関係が所
定の条件を満たした時、変圧器保護継電装置の保護区間
内の内部事故と判断し、各々の動作信号を論理積処理部
171[1]及び172[1]へ与える。
【0133】又、比率差動継電器21[2]〜21[n
+1]は、同様に所定の条件を満たしたとき、動作信号
を論理積処理部172[1]〜172[n]へ各々与え
る。なお、比率差動継電器21[1]〜21[n+1]
は、(6)式に示される比率差動演算式において、各々
(5),(7)式に示す如く、異なった比率Pの大きさ
及び感度を持つものである。
【数5】 |Id|≧P×Σ|I|+L …………………(6) P[n+1]>P[n]>…>P[2]>P[1] ……(5) L[1]>L[2]>…>L[n−1]>L[n] ……(7)
【0134】一方、過電流継電器13[1]〜13
[n]の作用は、第1の実施の形態(図1)で説明した
それと同様であり、変圧器非電源端の電流を導入し、当
該端子電流の振幅値あるいはこれに比例する量を算出
し、この結果が予め設定された値k[1]〜k[n]を
上回ったとき、動作信号を反転処理部14[1]〜14
[n]へ与える。なお、過電流継電器13[1]〜13
[n]は、各々(2)式に示す如く、異なった検出レベ
ルを持つものである。
【数6】 k[n]>k[n−1]>…>k[2]>k[1] ……(2)
【0135】反転処理部14[1]〜14[n]では、
各々前記過電流継電器13[1]〜[n]の動作信号を
反転処理し、各々論理積処理部171[1]〜171
[n]へ与える。論理積処理部171[1]〜171
[n]では、比率差動継電器11[1]〜11[n]の
各々の動作信号と反転処理後の過電流継電器13[1]
〜13[n]の各々の動作信号とのAND処理を実施
し、その結果を論理和処理部173へ与える。
【0136】論理和回路173では論理積回路171
[1]〜171[n]及び172[n]の結果のOR処
理を実施し、その結果を保護指令として出力する。つま
り、図17の構成では変圧器非電源端で内部事故が発生
した場合、事故電流を供給する電源が無いことから、当
該端子に流れる電流は小さい。したがって、過電流継電
器13[1]は不動作となり、その結果、比率差動継電
器21[1]の結果が有効となる。
【0137】一方、変圧器非電源端で外部事故が発生し
た場合、当該端子には非常に大きな電流が流れるため、
過電流継電器13[1]〜13[n]は、その事故電流
の大きさに応じて順次動作となる。例えば、事故電流が
過電流継電器13[1]で設定された値k[1]より大
きく、かつ過電流継電器13[2]で設定された値k
[2]より小さい場合、論理積回路172[1]の結果
が有効となる。
【0138】このとき、当該端子の変流器が飽和を起こ
し、比率差動継電器21[1]が動作となっても、過電
流継電器13[1]が動作であることから、論理積回路
171[1]にてその信号は阻止され無効となる。した
がって、第2の実施の形態(図2)で説明したのと同様
に、第1の比率差動継電器21[1]が図3に示す如き
特性を持ち、第2の比率差動継電器21[2]が図4に
示す如き特性を持つとき、総合的な保護特性は図5に示
す如きものとなる。
【0139】同様に、変圧器非電源端の電流が大きくな
ると、適宜、過電流継電器が動作し、図18に示す如
く、その電流の大きさに合わせた比率の大きさ及び感度
を持つ、比率差動継電器21[1]〜21[m](m:
2〜n+1)までの保護特性を組み合わせた保護特性が
有効となる。
【0140】以上説明したように、本構成によれば、前
記変圧器の非電源端子に流れる電流がk[1]より小さ
いときは、当該端子の変流器の飽和の恐れはないことか
ら、図3に示す如き保護特性を持つ第1の比率差動継電
器21[1]のみの保護指令を有効とし、高感度な保護
を維持する。
【0141】一方、当該端子に流れる電流がk[1]よ
り大きいときは、過電流継電器13[m](m:1〜
n)の動作に合わせ、前記比率差動継電器21[1]〜
21[m](m:2〜n)までの特性と組み合わせ、予
め飽和による動作量の増加を考慮した図18に示す如き
保護特性とする。
【0142】したがって、当該端子に流れる電流の大き
さにより、変流器が飽和し易い大電流時は低感度の保護
特性を、飽和しにくい小電流時は高感度の保護特性とす
ることができるため、比率差動継電器の保護機能を損な
うことなく、変流器の飽和を回避し、変圧器保護継電装
置の信頼性を向上させることができる。又、本実施の形
態では、過電流継電器及び反転回路を適用した例を説明
したが、これに限定されるものではなく、過電流継電器
及び反転回路に代えて、不足電流継電器としても同等の
効果が得られる。
【0143】本実施の形態によれば、変圧器の非電源端
子に流れる電流がk[1]より小さいときは、当該端子
の変流器の飽和の恐れはないことから、図3に示す如き
保護特性を持つ第1の比率差動継電器21[1]のみの保
護指令を有効とし、高感度な保護を維持する。
【0144】一方、当該端子に流れる電流がk[1]よ
り大きいときは、過電流継電器13[m](m:1〜
n)の動作に合わせ、前記比率差動継電器21[1]〜
21[m](m:2〜n)までの特性と組み合わせ、予
め飽和による動作量の増加を考慮した比率を持つ保護特
性とする。
【0145】したがって、当該端子に流れる電流の大き
さにより、変流器が飽和し易い大電流時は低感度の保護
特性を、飽和しにくい小電流時は高感度の保護特性とす
ることができるため、比率差動継電器の保護機能を損な
うことなく、変流器の飽和を回避し変圧器保護継電装置
の信頼性を向上させることができる。
【0146】図19は[請求項8]の変圧器保護継電装
置の第12の実施の形態を示す構成図である。図19に
おいて、変圧器保護継電装置1Lは保護要素部6A
[1]〜6A[n+1]と、制御要素部3A[1]〜3
A[n]と、論理積(AND)処理部191[1]〜1
91[n]及び192[1]〜192[n]と、論理和
(OR)処理部193とから構成され、保護要素部6A
[1]〜6A[n+1]は、各々比率差動継電器21
[1]〜21[n+1]からなっている。
【0147】又、制御要素部3A[1]〜[n]は、各
々過電流継電器13[1]〜13[n]と反転(NO
T)処理部14[1]〜14[n]とからなり、出力部
は前記論理積処理部191[1]〜191[n]へ各々
接続する。ここで、第1の比率差動継電器21[1]の
作用は、第2の実施の形態(図2)で説明したそれと同
様であり、導入電気量より得られる合成電気量の関係
が、所定の条件を満たした時、変圧器保護継電装置の保
護区間内の内部事故と判断し、動作信号を論理積処理部
191[1]及び192[1]〜192[n]へ与え
る。
【0148】又、第2〜第(n+1)の比率差動継電器
21[2]〜21[n+1]の作用は、第2の実施の形
態で説明した第2の比率差動継電器21[2]と同様で
あり、第1の比率差動継電器と同様に、所定の条件を満
たしたとき、動作信号を論理積処理部192[1]〜1
92[n]へ与える。
【0149】なお、比率差動継電器21[2]〜21
[n+1]は、(6)式に示される比率差動演算式にお
いて、(8)式に示す如く異なった感度Lの大きさを持
つものである。
【数7】 |Id|≧P×Σ|I|+L …………………(6) L[2]>L[3]>…>L[n−1]>L[n] ……(7)
【0150】論理積処理部192[1]〜192[n−
1]では、第1の比率差動継電器21[1]と第m
(m:2〜n)の比率差動継電器21[m](m:2〜
n)のAND処理を実施し、各々結果を論理積処理部1
91[2]〜191[n]へ与える。又、論理積処理部
192[n]では、第1の比率差動継電器21[1]と
第(n+1)の比率差動継電器21[n+1]のAND
処理を実施し、結果を論理和処理部193へ与える。
【0151】一方、過電流継電器13[1]〜13
[n]の作用は、第1の実施の形態(図1)で説明した
それと同様であり、変圧器非電源端の電流を導入し、当
該端子電流の振幅値あるいはこれに比例する量を算出
し、この結果が予め設定された値k[1]〜k[n]を
上回ったとき、動作信号を反転処理部14[1]〜14
[n]へ与える。
【0152】なお、過電流継電器13[1]〜13
[n]は、各々(2)式に示す如く異なった検出レベル
を持つものである。
【数8】 k[n]>k[n−1]>…>k[2]>k[1] ……(2)
【0153】反転処理部14[1]〜14[n]では、
各々前記過電流継電器13[1]〜[n]の動作信号を
反転処理し、各々論理積処理部191[1]〜191
[n]へ与える。論理積処理部191[1]では、比率
差動継電器21[1]の動作信号と反転処理後の過電流
継電器13[1]の動作信号とのAND処理を実施し、
その結果を論理和処理部193へ与える。
【0154】又、論理積処理部191[2]〜191
[n]では、比率差動継電器21[1]と比率差動継電
器21[2]〜21[n]の論理積処理後の動作信号と
反転処理後の過電流継電器13[2]〜13[n]の各
々の動作信号とのAND処理を実施し、その結果を各々
論理和処理部193へ与える。
【0155】論理和回路193では、論理積回路191
[1]〜191[n]及び192[n]の結果のOR処
理を実施し、その結果を保護指令として出力する。つま
り、図19の構成では変圧器で内部事故が発生した場
合、非電源端では事故電流を供給する電源が無いことか
ら、当該端子に流れる電流は小さい。したがって、過電
流継電器13[1]は不動作となり、結果、比率差動継
電器21[1]の結果が有効となる。
【0156】一方、変圧器非電源端で外部事故が発生し
た場合、当該端子には非常に大きな電流が流れるため、
過電流継電器13[1]〜13[n]は、その事故電流
の大きさに応じて順次動作となる。例えば、事故電流が
過電流継電器13[1]で設定された値k[1]より大
きく、かつ過電流継電器13[2]で設定された値k
[2]より小さい場合、論理積回路192[1]の結果
が有効となる。
【0157】このとき、当該端子の変流器が飽和を起こ
し、比率差動継電器21[1]が動作となっても、過電
流継電器13[1]が動作であることから、論理積回路
191[1]にてその信号は阻止され無効となる。同様
に、変圧器非電源端の電流が大きくなると、適宜、過電
流継電器が動作し、図20に示す如く、第1の比率差動
継電器とその電流の大きさに合わせた感度の大きさを持
つ第m(m:2〜n+1)の比率差動継電器21[m]
(m:2〜n+1)を組み合わせた保護特性が有効とな
る。
【0158】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子に流れる電流がk[1]より小さい
ときは、当該端子の変流器の飽和の恐れはないことか
ら、図3に示す如き保護特性を持つ第1の比率差動継電
器21[1]のみの保護指令を有効とし、高感度な保護
を維持する。
【0159】一方、当該端子に流れる電流がk[1]よ
り大きいときは、過電流継電器13[m](m:1〜
n)の動作に合わせ、前記比率差動継電器21[m]
(m:2〜n)の特性と組み合わせ、予め飽和による動
作量の増加を考慮した図20の如き特性を持つものとす
る。
【0160】したがって、当該端子に流れる電流の大き
さにより、変流器が飽和し易い大電流時は低感度の保護
特性を、飽和しにくい小電流時は高感度の保護特性とす
ることができるため、比率差動継電器の保護機能を損な
うことなく変流器の飽和を回避し、変圧器保護継電装置
の信頼性を向上させることができる。又、本実施の形態
では、過電流継電器及び反転回路を適用した例を説明し
たが、これに限定されるものではなく、過電流継電器及
び反転回路に代え、不足電流継電器としても同等の効果
が得られる。
【0161】更に、本実施の形態では、感度の大きさの
異なる複数の比率差動継電器を適用する例を説明した
が、これに限定されるものではなく、1つのディジタル
形比率差動継電器を適用し、各過電流継電器の動作状態
に合わせ、感度の大きさをソフトウェアにて順次切り換
えていくよう構成してもよい。
【0162】ディジタル形変圧器保護継電器を適用した
第13の実施の形態を説明するための構成図は図15と
同様である次に、CPU153にて処理される手順のつ
いて、図21を用いて説明する。図21は、CPU15
3にて処理される手順を説明するためのフローチャート
である。
【0163】図21において、ステップ164では前記
第10の実施の形態(図16)と同様に、動作量及び抑
制量を算出しステップ161へ進む。ステップ161で
は前記過電流継電器13[1]〜13[n]の動作信号
をIN156を介して読み込む。ステップ162Aでは
読み込んだ過電流継電器13[n]の信号が動作である
か不動作であるかを判定し、結果が動作であればステッ
プ211Aに進む。
【0164】又、結果が不動作であればステップ162
Bへ進む。ステップ211Aでは感度の大きさLを、過
電流継電器13[n]の判定レベルであるk[n]に応
じたL[n+1]としステップ213へ進む。ステップ
162Bでは過電流継電器13[n−1]の信号が動作
であるか不動作であるかを判定し、結果が動作であれば
ステップ211Bに進む。
【0165】又、結果が不動作であれば次の判定ステッ
プへ進む。ステップ211Bでは感度の大きさLを、過
電流継電器13[n−1]の判定レベルであるk[n−
1]に応じたL[n]としステップ213へ進む。上記
のような手順を繰り返し、ステップ162Dまで進み、
ステップ162Dにて過電流継電器13[1]の信号が動
作であるか不動作であるかを判定し、結果が動作であれ
ばステップ211Dに進む。
【0166】又、結果が不動作であればステップ212
へ進む。ステップ211Dでは感度の大きさLを、過電
流継電器13[1]の判定レベルであるk[1]に応じ
たL[2]としステップ213へ進む。ステップ212
では第1の比率差動継電器に相当する比率差動判定式に
より、所定の条件を満たしているか否かを判定し、所定
の条件を満たしている場合は保護指令を出力する。又、
所定の条件を満たしていない場合はそのまま終了する。
【0167】ステップ213では第m(m:2〜n)の
比率差動継電器に相当する比率差動判定式の感度Lを前
記ステップ211A〜211Dにて決定された感度L
[m](m:2〜n)とし、この判定式が所定の条件を
満たしているか否かを判定し、ステップ214に進む。
【0168】ステップ214では、前記ステップ212
と同様に、第1の比率差動継電器に相当する比率差動判
定式により動作判定を実施し、ステップ215へ進む。
ステップ215では前記ステップ213とステップ21
4の結果のAND処理を実施し、動作出力のある場合、
保護指令を出力する。又、動作出力のない場合はそのま
ま終了する。
【0169】なお、図21においては、過電流継電器1
3[1]〜13[n]に予め設定された値k[1]〜k
[n]の関係は、既に説明したように下記(2)式の通
りであり、又、過電流継電器の動作レベルに応じた比率
差動継電器の感度の大きさL[1]〜L[n+1]は、
下記(7)式の通りである。
【数9】 k[n]>k[n−1]>…>k[2]>k[1] ……(2) L[2]>L[3]>…>L[n−1]>L[n] ……(7)
【0170】つまり、ディジタル形変圧器保護継電器で
は、前記過電流継電器13[1]〜1313[n]の動
作状態に応じ、ソフトウェアで感度の大きさLを順次可
変とするよう構成したので、前記第12の実施の形態と
同様の作用,効果を得ることができる。更に、前記第1
3の実施の形態では過電流継電器を適用した例を説明し
たが、これに限定されるものではなく、前記第10の実
施の形態(図15)と同様に、過電流継電器に代えて不
足電流継電器としてもよい。
【0171】又、本の実施の形態では、ディジタル形変
圧器保護継電器と過電流継電器を分離した例を説明した
が、これに限定されるものではなく、前記第10の実施
の形態と同様に、過電流継電器13[1]〜13[n]
の演算を、前記ディジタル形比率差動継電器5AのCP
U153にて実施してもよい。
【0172】又、本実施の形態によれば、変圧器の非電
源端子に流れる電流がk[1]より小さいときは、当該
端子の変流器の飽和の恐れはないことから、図3に示す
如き保護特性を持つ第1の比率差動継電器21[1]の
みの保護指令を有効とし、高感度な保護を維持する。
【0173】一方、当該端子に流れる電流がk[1]よ
り大きいときは、過電流継電器13[m](m:1〜
n)の動作に合わせ、前記比率差動継電器21[2]〜
21[m](m:2〜n)までの特性と組み合わせ、予
め飽和による動作量の増加を考慮した図20の如き特性
を持つものとする。
【0174】したがって、当該端子に流れる電流の大き
さにより、変流器が飽和し易い大電流時は低感度の保護
特性を、飽和しにくい小電流時は高感度の保護特性とす
ることができるため、比率差動継電器の保護機能を損な
うことなく、変流器の飽和を回避し、変圧器保護継電装
置の信頼性を向上させることができる。
【0175】図22は[請求項9]の変圧器保護継電装
置の第14の実施の形態を説明するための構成図であ
る。図22において、変圧器保護継電装置1Mは保護要
素部2Bと制御要素部6Aとから構成され、保護要素部
2Bの構成は前記第2の実施の形態(図2)にて説明し
たそれと同様である。
【0176】又、制御要素部7Aは変圧器各端子電流の
スカラー和(Σ|I|)算出部221と、Σ|I|判定
部222と、限時タイマ(オンディレイタイマ)223
と、反転(NOT)処理部224からなり、その出力は
前記保護要素部2Bに接続する。ここで、保護要素部2
Bの作用は前記第2の実施の形態で説明したものと同様
である。
【0177】一方、スカラー和算出部221は比率差動
継電器21の抑制量と同様の電気量を、変圧器各端子の
各相毎の電流I1,I2,I3を導入して算出する。Σ
|I|判定部222では、スカラー和算出部221で算
出した量が予め設定された値Rを上回ったとき、動作信
号を限時タイマ223へ与える。限時タイマ223では
前記Σ|I|判定部222の動作出力が所定の時間継続
したとき、その結果を反転処理部224を介し、論理積
処理部23へ与える。
【0178】論理積処理部23では前記第1の比率差動
継電器21[1]の動作信号と、前記所定時間経過後の
Σ|I|判定部222の動作信号を反転処理した結果と
のAND処理を実施し、その結果を論理和処理部24へ
与える。論理和回路24では前記論理積処理部22及び
23の結果をOR処理し、動作出力がある場合には保護
指令を出力する。
【0179】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子に流れる電流が小さいときは、前記
Σ|I|の量は小さく、又、当該端子に流れる電流が大
きいときは、前記Σ|I|の量は大きくなることから、
前記第4の実施の形態(図7)と同様の効果を得ること
ができる。
【0180】本実施の形態によれば、前記変圧器の非電
源端子に流れる電流が小さいときは、前記Σ|I|の量
は小さく、又、当該端子に流れる電流が大きいときは、
前記Σ|I|の量は大きくなることから、前記第4の実
施の形態(図7)と同様の効果を得ることができる。
【0181】又、前記変圧器の非電源端子に流れる電流
が小さいときは、前記Σ|I|の量は小さく、又、当該
端子に流れる電流が大きいときは、前記Σ|I|の量は
大きくなることから、変流器が飽和し易い大電流時は大
きな比率の保護特性を、飽和しにくい小電流時は小さな
比率の保護特性を適用することができるため、前記第9
の実施の形態(図22)と同様の効果を得ることができ
る。
【0182】図23は[請求項10]の変圧器保護継電
装置の第15の実施の形態を説明するための構成図であ
る。図23において、変圧器保護継電装置1Nは保護要
素部2A[1]〜2A[n]と、同じく保護要素部4A
と、制御要素部8A[1]〜8A[n]と、論理和(O
R)処理部131とから構成され、保護要素部2A
[1]〜2A[n]及び4Aの構成は、前記第9の実施
の形態(図13)にて説明したそれと同様である。
【0183】又、制御要素部8A[1]〜8A[n]
は、各々変圧器各端子電流のスカラー和(Σ|I|)算
出部221[1]〜221[n]と、Σ|I|判定部2
22[1]〜222[n]と、反転(NOT)処理部2
24[1]〜224[n]からなり、その出力は前記保
護要素部2A[1]〜2A[n]に各々接続する。
【0184】ここで、保護要素部2A[1]〜2A
[n]及び4Aの作用は、前記第9の実施の形態(図1
3)にて説明したそれと同様であり、導入電気量より得
られる合成電気量の関係が所定の条件を満たした時、変
圧器保護継電装置の保護区間内の内部事故と判断し、各
々の動作信号を論理積処理部12[1]〜12[n]へ
与える。又、比率差動継電器11[n+1]は、所定の
条件を満たしたとき、動作信号を論理和処理部131へ
与える。
【0185】なお、比率差動継電器11[1]〜11
[n+1]は、各々既に説明した下記(5)式に示す如
く、異なった比率Pの大きさを持つものである。
【数10】 P[n+1]>P[n]>…>P[2]>P[1] ……(5)
【0186】一方、スカラー和算出部221[1]〜2
21[n]は、比率差動継電器11[1]〜11[n]
の抑制量と同様の電気量を、変圧器各端子の各相毎の電
流I1,I2,I3を導入して算出する。Σ|I|判定
部222[1]〜222[n]では、スカラー和算出部
221[1]〜221[n]で算出した量が予め設定さ
れた値R[1]〜[n]を各々上回ったとき、動作信号
を反転処理部224[1]〜224[n]を介し、論理
積処理部12[1]〜12[n]へ各々与える。
【0187】論理積処理部12[1]〜12[n]で
は、比率差動継電器11[1]〜[n]の各々の動作信
号と反転処理後のΣ|I|判定部222[1]〜222
[n]の各々の動作信号とのAND処理を実施し、その
結果を論理和処理部131へ与える。論理和処理部13
1では、前記論理積処理部12[1]〜12[n]の結
果と、前記比率差動継電器11[n+1]の結果とのO
R処理を実施し、動作出力がある場合には保護指令を出
力する。
【0188】なお、Σ|I|判定部222[1]〜22
2[n]は、各々下記(9)式に示す如く、異なった検
出レベルを持つものである。つまり、変圧器各端子の電
流値の大きさに応じ、比率の小さな特性を順次無効とし
ていくよう構成した。
【数11】 R[n]>R[n−1]>…>R[2]>R[1] ……(9)
【0189】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子に流れる電流が小さいときは、前記
Σ|I|の量は小さく、又、当該端子に流れる電流が大
きいときは、前記Σ|I|の量は大きくなることから、
変流器が飽和し易い大電流時は大きな比率の保護特性
を、飽和しにくい小電流時は小さな比率の保護特性を適
用することができるため、前記第9の実施の形態(図1
3)と同様の効果を得ることができる。
【0190】本実施の形態によれば、前記変圧器の非電
源端子に流れる電流が小さいときは、前記Σ|I|の量
は小さく、又、当該端子に流れる電流が大きいときは、
前記Σ|I|の量は大きくなることから、変流器が飽和
し易い大電流時は大きな比率の保護特性を、飽和しにく
い小電流時は小さな比率の保護特性を適用することがで
きるため、前記第9の実施の形態と同様の効果を得るこ
とができる。
【0191】図24は[請求項11]の変圧器保護継電
装置の第16の実施の形態を説明するための構成図であ
る。図24において、変圧器保護継電装置1P、は保護
要素部6A[1]〜6A[n+1]と、制御要素部8A
[1]〜8A[n]と、論理積(AND)処理部191
[1]〜191[n]及び192[1]〜192[n]
と、論理和(OR)処理部193とから構成され、保護
要素部6A[1]〜6A[n+1]は、各々比率差動継
電器21[1]〜21[n+1]からなっている。
【0192】又、制御要素部8A[1]〜8A[n]
は、各々変圧器各端子電流のスカラー和(Σ|I|)算
出部221[1]〜221[n]と、Σ|I|判定部2
22[1]〜222[n]と、反転(NOT)処理部2
24[1]〜224[n]からなり、出力部は前記論理
積処理部191[1]〜191[n]へ各々接続する。
ここで、比率差動継電器21[1]〜21[n+1]及
び論理積処理部192[1]〜192[n]の作用は、
前記第12の実施の形態(図19)で説明したそれと同
様である。
【0193】又、スカラー和算出部221[1]〜22
1[n],Σ|I|判定部222[1]〜222
[n],反転処理部224[1]〜224[n]の作用
は、前記第15の実施の形態(図23)にて説明したそ
れと同様であり、その出力は、各々論理積処理部191
[1]〜191[n]へ接続する。論理積処理部191
[1]では、比率差動継電器21[1]の動作信号と反
転処理後のΣ|I|判定部222[1]の動作信号との
AND処理を実施し、その結果を論理和処理部193へ
与える。
【0194】又、論理積処理部191[2]〜191
[n]では、各々第1の比率差動継電器21[1]と第
m(m:2〜n)の比率差動継電器21[m](m:2
〜n)の動作信号と反転処理後のΣ|I|判定部222
[2]〜222[n]の各々の動作信号とのAND処理
を実施し、その結果を各々論理和処理部193へ与え
る。論理和回路193では、論理積回路191[1]〜
191[n]及び192[n]の結果のOR処理を実施
し、その結果を保護指令として出力する。
【0195】以上説明したように、本構成によれば、前
記変圧器の非電源端子に流れる電流が小さいときは、前
記Σ|I|の量は小さく、図3に示す如き保護特性を持
つ第1の比率差動継電器21[1]のみの保護指令を有効
とし、高感度な保護を維持する。
【0196】一方、当該端子に流れる電流が大きいとき
は、前記Σ|I|の量は大きくなることから、この電気
量の大きさに合わせ、前記比率差動継電器21[m]
(m:2〜n)の特性と組み合わせ、予め飽和による動
作量の増加を考慮した図20の如き特性を持つものとす
る。したがって、変流器が飽和し易い大電流時は低感度
の保護特性を、飽和しにくい小電流時は高感度の保護特
性とすることができるため、前記第12の実施の形態
(図19)と同様の効果を得ることができる。
【0197】図25は[請求項12]の変圧器保護継電
装置の第17の実施の形態を説明するための構成図であ
る。図25において、変圧器保護継電装置に収納される
比率差動継電器9Aは、差動量作成部251と、抑制量
作成部252と、係数作成部253と、判定部254と
から構成される。
【0198】ここで、差動量作成部251は変圧器各端
子の各相毎の電流I1,I2,I3を導入し、差動電流
量(Id:各端子電流のベクトル和)に比例した値を算
出し、その結果を判定部254へ与える。又、抑制量作
成部は変圧器各端子の各相毎の電流I1,I2,I3を
導入し、抑制量(Σ|I|:各端子電流のスカラー和)
を算出し、その結果を係数作成部253及び判定部25
4へ与える。
【0199】係数作成部では前記抑制量作成部252に
て算出した抑制量に比例した値から、更に、これに比例
した値を比率Pに対する係数α及び感度Lに対する係数
βとして算出し、その結果を判定部254へ与える。判
定部254では前記差動電流,抑制量及び係数α,βを
用い、以下に示す(10)式に従って、比率差動判定を
実施し、(10)式の関係が成立したとき、変圧器保護
継電装置の保護区間内の内部事故と判断し、保護指令を
出力する。つまり、当該変圧器の各端子に流れる電流値
の大きさに応じ、比率の大きさP及び感度の大きさLを
連続的に変化するよう構成した。
【数12】 |Id|≧(P×α)×Σ|I|+L×β ………(10) 但し、 |Id|:差動電流。 Σ|I|:抑制量。 P:基準比率。 L:基準感度。 α,β:抑制量に比例した値。
【0200】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子に流れる電流が小さいときは前記Σ
|I|の量は小さく、又、当該端子に流れる電流が大き
いときは前記Σ|I|の量は大きくなることから、変流
器が飽和し易い大電流時は係数α及び感度βが大きな値
をとるため、大きな比率かつ低感度の保護特性を、飽和
しにくい小電流時は係数α及び係数βが小さな値をとる
ため、小さな比率かつ高感度の保護特性を適用すること
ができるため、前記第9の実施の形態(図13)と同様
の効果を得ることができる。
【0201】なお、上記実施の形態では係数α,係数β
を抑制量から得られる変数としたが、これに限定される
のもではなく、比率Pを一定とし感度Lのみを可変とし
たい場合は、係数αを固定として適用してもよい。又、
感度Lを一定とし比率Pのみを可変としたい場合は、係
数βを固定として適用してもよい。
【0202】本実施の形態によれば、前記変圧器の非電
源端子に流れる電流が小さいときは、前記Σ|I|の量
は小さく、又、当該端子に流れる電流が大きいときは、
前記Σ|I|の量は大きくなることから、変流器が飽和
し易い大電流時は、係数αが大きな値をとるため、大き
な比率の保護特性を、飽和しにくい小電流時は、係数α
が小さな値をとるため、小さな比率の保護特性を適用す
ることができるため、前記第9の実施の形態と同様の効
果を得ることができる。
【0203】図26は[請求項13]の変圧器保護継電
装置の第18の実施の形態を説明するための構成図であ
る。図26において、変圧器保護継電装置に収納される
比率差動継電器10Aは、差動量作成部251と、抑制
量作成部252と、係数作成部264と、第1の判定部
261と、第2の判定部262と、論理積(AND)処
理部263とから構成される。
【0204】ここで、差動量作成部251は変圧器各端
子の各相毎の電流I1,I2,I3を導入し、差動電流
量(Id:各端子電流のベクトル和)に比例した値を算
出し、その結果を第1の判定部261及び第2の判定部
262へ与える。又、抑制量作成部は変圧器各端子の各
相毎の電流I1,I2,I3を導入し、抑制量(Σ|I
|:各端子電流のスカラー和)を算出し、その結果を係
数作成部264,第1の判定部261及び第2の判定部
262へ与える。
【0205】係数作成部264では前記抑制量作成部2
52にて算出した抑制量に比例した値から、更に、これ
に比例した値を比率P′に対する係数α及び感度L′に
対する係数βとして算出し、その結果を判定部262へ
与える。第1の判定部261では前記差動電流及び抑制
量を用い、下記の(6)式に従って比率差動判定を実施
し、(6)式の関係が成立したとき、その結果を論理積
処理部263へ与える。
【数13】 |Id|≧P×Σ|I|+L …………………(6) 但し、 |Id|:差動電流。 Σ|I|:抑制量。 P:比率。 L:感度。
【0206】又、第2の判定部では前記差動電流,抑制
量及び係数α,βを用い、(11)式に従って比率差動
判定を実施し、(11)式の関係が成立したとき、その
結果を論理積処理部263へ与える。
【数14】 |Id|≧(P′×α)}×Σ|I|+(L′×β) ……(11) 但し、 |Id|:差動電流。 Σ|I|:抑制量。 P′:基準比率。 L′:基準感度。 α,β:抑制量に比例した値。
【0207】論理積処理部263では前記第1の判定部
の結果と、前記第2の判定部の結果のAND処理を実施
し、動作出力がある場合には、保護指令を出力する。つ
まり、当該変圧器の各端子に流れる電流値の大きさに応
じ、第2の判定部による保護特性の比率の大きさP′及
び感度L′を連続的に変化させ、第1の保護特性と組み
合わせるよう構成した。
【0208】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子に流れる電流が小さいときは、前記
Σ|I|の量は小さく、又、当該端子に流れる電流が大
きいときは、前記Σ|I|の量は大きくなることから、
変流器が飽和し易い大電流時は、係数α,βが大きな値
をとるため、大きな比率かつ低感度の保護特性を、飽和
しにくい小電流時は、係数α,βが小さな値をとり、小
さな比率かつ高感度の保護特性を適用することができる
ため、前記第12の実施の形態(図19)と同様の効果
を得ることができる。
【0209】なお、上記実施の形態では係数α,係数β
を抑制量から得られる変数としたが、これに限定される
のもではなく、比率P′を一定とし感度Lのみを可変と
したい場合は、係数αを固定として適用してもよい。
又、感度Lを一定とし比率P′のみを可変としたい場合
は、係数βを固定として適用してもよい。
【0210】図27は[請求項14]の変圧器保護継電
装置の第19の実施の形態を説明するための構成図であ
る。図27において、変圧器保護継電装置に収納される
比率差動継電器11Aは、差動量作成部251と、抑制
量作成部252と、振幅値演算部271と、係数作成部
253と、判定部254とから構成される。
【0211】ここで、差動量作成部251は変圧器各端
子の各相毎の電流I1,I2,I3を導入し、差動電流
量(Id:各端子電流のベクトル和)に比例した値を算
出し、その結果を判定部254へ与える。又、抑制量作
成部は変圧器各端子の各相毎の電流I1,I2,I3を
導入し、抑制量(Σ|I|:各端子電流のスカラー和)
を算出し、その結果を判定部254へ与える。
【0212】振幅値演算部271は変圧器非電源端(本
説明では変圧器3次)の電流を導入し、当該端子電流の
振幅値あるいはこれに比例する量を算出し、その結果を
係数作成部253へ与える。係数作成部では前記振幅値
演算部271にて算出した振幅値あるいはこれに比例す
る量から、更に、これに比例した値を比率Pに対する係
数α及び感度Lに対する係数βとして算出し、その結果
を判定部254へ与える。
【0213】判定部254では、前記差動電流,抑制量
及び係数α,βを用い、以下に示す(10)式に従って
比率差動判定を実施し、(10)式の関係が成立したと
き、変圧器保護継電装置の保護区間内の内部事故と判断
し、保護指令を出力する。つまり、当該変圧器の非電源
端子に流れる電流値の大きさに応じ、比率の大きさPを
連続的に変化するよう構成した。
【数15】 |Id|≧(P×α)×Σ|I|+L×β ………(10) 但し、 |Id|:差動電流。 Σ|I|:抑制量。 P:基準比率。 L:基準感度。 α,β:抑制量に比例した値。
【0214】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子に流れる電流が小さく変流器が飽和
しにくい時は、係数α,βが小さな値をとるため、小さ
な比率かつ低感度の保護特性を適用することができ、
又、当該端子に流れる電流が大きく変流器が飽和し易い
大電流時は、係数α,βが大きな値をとるため、大きな
比率かつ高感度の保護特性を適用することができるた
め、前記第18の実施の形態(図26)と同様の効果を
得ることができる。
【0215】なお、上記実施の形態では係数α,係数β
を変圧器非電源端の電流の振幅値あるいはこれに比例す
る量から得られる変数としたが、これに限定されるのも
ではなく、比率P′を一定とし感度L′のみを可変とし
たい場合は、係数αを固定として適用してもよい。又、
感度Lを一定とし比率Pのみを可変としたい場合は、係
数βを固定として適用してもよい。
【0216】図28は[請求項15]の変圧器保護継電
装置の第20の実施の形態を説明するための構成図であ
る。図28において、変圧器保護継電装置に収納される
比率差動継電器12Aは、差動量作成部251と、抑制
量作成部252と、振幅値演算部271と、係数作成部
264と、第1の判定部261と、第2の判定部262
と、論理積(AND)処理部263とから構成される。
【0217】ここで、差動量作成部251は変圧器各端
子の各相毎の電流I1,I2,I3を導入し、差動電流
量(Id:各端子電流のベクトル和)に比例した値を算
出し、その結果を第1の判定部261及び第2の判定部
262へ与える。又、抑制量作成部は変圧器各端子の各
相毎の電流I1,I2,I3を導入し、抑制量(Σ|I
|:各端子電流のスカラー和)を算出し、その結果を第
1の判定部261及び第2の判定部262へ与える。
【0218】振幅値演算部271は変圧器非電源端(本
説明では変圧器3次)の電流を導入し、当該端子電流の
振幅値あるいはこれに比例する量を算出し、その結果を
係数作成部264へ与える。係数作成部264では前記
振幅値演算部271にて算出した振幅値あるいはこれに
比例する量から、更に、これに比例した値を比率Pに対
する係数α及び感度Lに対する係数βとして算出し、そ
の結果を第2の判定部262へ与える。
【0219】第1の判定部261では前記差動電流及び
抑制量を用い、下記の(6)式に従って比率差動判定を
実施し、(6)式の関係が成立したとき、その結果を論
理積処理部263へ与える。
【数16】 |Id|≧P×Σ|I|+L …………………(6) 但し、 |Id|:差動電流。 Σ|I|:抑制量。 P:比率。 L:感度。
【0220】又、第2の判定部では前記差動電流,抑制
量及び係数α,βを用い、(11)式に従って比率差動
判定を実施し、(11)式の関係が成立したとき、その
結果を論理積処理部263へ与える。
【数17】 |Id|≧(P′×α)}×Σ|I|+(L′×β) ……(11) 但し、 |Id|:差動電流。 Σ|I|:抑制量。 P′:基準比率。 L′:基準感度。 α,β:抑制量に比例した値。
【0221】論理積処理部263では前記第1の判定部
の結果と前記第2の判定部の結果のAND処理を実施
し、動作出力がある場合には保護指令を出力する。つま
り、当該変圧器の非電源端子に流れる電流値の大きさに
応じ、第2の判定部による保護特性の比率の大きさP′
及び感度L′を連続的に変化させ、第1の保護特性と組
み合わせるよう構成した。
【0222】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子に流れる電流が小さく、変流器が飽
和しにくい小電流時は係数α,βが小さな値をとるた
め、小さな比率かつ高感度な保護特性を適用することが
でき、又、当該端子に流れる電流が大きく、変流器が飽
和し易い大電流時は係数α,βが大きな値をとるため、
大きな比率かつ低感度な保護特性を適用することができ
るため、前記第12の実施の形態と同様の効果を得るこ
とができる。
【0223】なお、上記実施の形態では係数α,係数β
を、変圧器非電源端の電流の振幅値あるいはこれに比例
した量から得られる変数としたが、これに限定されるの
もではなく、比率P′を一定とし感度L′のみを可変と
したい場合は、係数αを固定として適用してもよい。
又、感度Lを一定とし比率P′のみを可変としたい場合
は、係数βを固定として適用してもよい。
【0224】以下の説明においては、特に記載のない限
り、変圧器の非電源端子の交流電圧の振幅値あるいはこ
れに比例する値を算出する第8の手段と、第8の手段で
算出した量が所定の条件を満足したとき出力する第9の
手段として、不足電圧継電器を例にとり説明するものと
する。
【0225】図29は[請求項16]の変圧器保護継電
装置の第21の実施の形態を示す構成図である。図29
において、変圧器保護継電装置1Qは保護要素部2Aと
制御要素部3Fとから構成され、保護要素部2Aは前記
第1の実施の形態と同一の構成である。又、制御要素部
3Fは不足電圧継電器291とオンディレイタイマ61
と反転(NOT)処理部14からなり、出力部は前記保
護要素部2Aへ接続する。ここで、保護要素部2Aの作
用は、前記第1の実施の形態にて説明したそれと同様で
ある。
【0226】一方、不足電圧継電器291は変圧器非電
源端(本説明では変圧器3次)の電圧を導入し、当該端
子電圧の振幅値あるいはこれに比例する量を算出し、こ
の結果が予め設定された値q[1]を下回ったとき、動
作信号をオンディレイタイマ61へ与える。オンディレ
イタイマ61では前記不足電圧継電器291の動作出力
が所定時間継続したとき、その結果を反転処理部14へ
与える。
【0227】反転処理部14では前記不足電圧継電器2
91の動作信号を反転処理し、論理積処理部12へ与え
る。論理積処理部12では比率差動継電器11の動作信
号と反転処理後の不足電圧継電器291の動作信号との
AND処理を実施し、前記不足電圧継電器291動作が
所定時間以上継続したとき、保護指令の出力を阻止す
る。
【0228】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子の電圧が小さくなったときは、不足
電圧継電器291の動作信号が出力されるため、系統に
事故が発生したものと判断できる。このとき、当該変圧
器の内部事故であった場合、前記比率差動継電器11は
即時に動作信号を出力し、かつ、前記不足電圧継電器2
91の動作出力は、オフディレイタイマ61により遅延
されるため、前記不足電圧継電器291は前記比率差動
継電器11の動作出力を阻止することはない。
【0229】一方、当該変圧器の外部事故であった場
合、変流器の飽和は多くの場合、事故発生後、数サイク
ルの後に発生することから、前記比率差動継電器11は
変流器の飽和発生までは原理上動作に至らない。又、オ
フディレイタイマ61の設定時間t1[1]を、変流器
の飽和が始まる時間より短く設定することで、変流器の
飽和時には前記不足電圧継電器291の動作出力が前記
比率差動継電器11の出力を阻止する。
【0230】したがって、当該変圧器の非電源端子の外
部事故時に、当該端子の変流器が飽和を起こし、動作量
である差動電流が多く発生し、比率差動継電器11が不
要動作を引き起こしても、しゃ断器に対して保護指令が
出力されることはなく、変圧器保護継電装置の信頼性を
向上させることができる。
【0231】なお、不足電圧継電器291において、予
め設定された値q[1]は、変圧器定常運転時の最低電
圧に比例する値r[1]より小さく、かつ、系統事故時
の最大電圧に比例する値r[2]より大きな値とする必
要がある。即ち、(12)式の関係を満たすものとする
必要がある。
【数18】 r[1]>q[1]>r[2] ………………(12) 但し、 r[1]:変圧器定常運転時の最低電圧に比例した値。 q[1]:不足電圧継電器に予め設定された値。 r[2]:系統事故時の最大電圧に比例した値。
【0232】又、オフディレイタイマ61において、予
め設定された値t1[1]は変流器の飽和が始まる時間
t2[1]より短く、かつ、当該変圧器の内部事故時に
前記比率差動継電器11が保護指令を出力する時間t2
[2]より長い値とする必要がある。即ち、(13)式
の関係を満たすものとする必要がある。
【数19】 t2[1]>t1[1]>t2[2] …………(13) 但し、 t2[1]:変流器が飽和するまでの時間。 t1[1]:オフディレイタイマに予め設定された時
間。 t2[2]:変圧器の内部事故時に比率差動継電器が、
保護指令を出力する時間。
【0233】又、前記実施の形態では不足電圧継電器を
適用した例を説明したが、これに限定されるものではな
く、不足電圧継電器に代えて過電圧継電器としてもよ
い。この場合、過電圧継電器の動作信号は、不足電圧継
電器のそれとは逆論理となるため、反転処理部14は不
要となる。
【0234】図30は[請求項17]の変圧器保護継電
装置の第22の実施の形態を示す構成図である。図30
において、変圧器保護継電装置1Rは保護要素部2Bと
制御要素部3Fとから構成され、保護要素部2Bは前記
第2の実施の形態と同一の構成である。又、制御要素部
3Fは前記第21の実施の形態(図29)と同一の構成
であり、その出力は前記保護要素部2Bに接続する。こ
こで、保護要素部2Bの作用は、前記第2の実施の形態
にて説明したそれと同様である。
【0235】又、制御要素部3Fの作用は前記第21の
実施の形態にて説明したそれと同様であり、前記不足電
圧継電器291の出力が所定時間継続したとき、その結
果を反転処理部14を介して論理積処理部23へ与え
る。論理積処理部23では前記第1の比率差動継電器2
1[1]の動作信号と、前記所定時間経過後の不足電圧
継電器291の動作信号を反転処理した結果とのAND
処理を実施し、その結果を論理和処理部24へ与える。
論理和回路24では前記論理積処理部22及び23の結
果をOR処理し、動作出力がある場合には保護指令を出
力する。
【0236】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子の電圧が小さくなったときは、不足
電圧継電器291の動作信号が出力されるため、系統に
事故が発生したものと判断できる。このとき、当該変圧
器の内部事故であった場合、前記第1の比率差動継電器
21[1]及び第2の比率差動継電器21[2]は即時
に動作信号を出力することとなるが、前記不足電圧継電
器291の動作出力は、オフディレイタイマ61により
遅延されるため、図3に示す如き特性を持つ前記第1の
比率差動継電器21[1]のみの保護指令を有効とし、
高感度な保護を維持する。
【0237】一方、当該変圧器の外部事故であった場
合、変流器の飽和は多くの場合、事故発生後、数サイク
ルの後に発生することから、変流器の飽和発生までは図
3に示す如く、高感度な保護特性を持つ前記第1の比率
差動継電器21[1]で保護を継続する。
【0238】又、オフディレイタイマ61の設定時間
を、変流器の飽和が始まる時間より短く設定すること
で、変流器の飽和時には前記不足電圧継電器291の動
作出力が、前記第1の比率差動継電器21[1]のみの
出力を阻止すると同時に、予め飽和による動作量の増加
を考慮した図4に示す如き保護特性と組み合わせること
により、図5に示す如き保護特性とし、変流器の飽和に
よる動作量が発生してもこれを回避し、変圧器保護継電
装置の信頼性を向上させることができる。
【0239】なお、不足電圧継電器291において、予
め設定された値q[1]は、前記第21の実施の形態
(図29)で述べたそれと同様に、(11)式の関係を
満たすものとする。又、オフディレイタイマ61におい
て、予め設定された値t1[1]は、前記第21の実施
の形態で述べたそれと同様に、(12)式の関係を満た
すものとする。又、前記実施の形態では、不足電圧継電
器を適用した例を説明したが、これに限定されるもので
はなく、前記第21の実施の形態と同様に、不足電圧継
電器に代えて過電圧継電器としてもよい。
【0240】図31は[請求項18]の変圧器保護継電
装置の第23の実施の形態を示す構成図である。図31
において、変圧器保護継電装置1Sは保護要素部2Cと
制御要素部3Gとから構成され、保護要素部2Cは第1
の比率差動継電器21[1]と第2の比率差動継電器2
1[2]と論理積(AND)処理部311及び312と
論理和(OR)処理部313と反転(NOT)処理部3
14とからなっている。又、制御要素部3Gは不足電圧
継電器291とオンディレイタイマ61とからなり、出
力部は前記保護要素部2Cへ接続する。
【0241】ここで、第1の比率差動継電器21[1]
は変圧器各端子の各相毎の電流I1,I2,I3を導入
し、動作量(差動電流量Id:各端子電流のベクトル
和)及び抑制量(Σ|I|:各端子電流のスカラー和)
を算出し、この動作量及び抑制量の関係から得られる合
成電気量がある所定の条件1を満たした時、動作信号を
論理積処理部311へ与えるものであり、例として図3
に示す如き保護特性を持つ。又、第2の比率差動継電器
21[2]は前記第1の比率差動継電器21[1]と同
様に、動作量,抑制量を算出し、これら2量の関係から
得られる合成電気量がある所定の条件2を満たした時、
動作信号を論理積処理部312へ与えるものであり、例
として図32に示す如き保護特性を持つ。
【0242】一方、不足電圧継電器291は変圧器非電
源端(本説明では変圧器3次)の電圧を導入し、当該端
子電圧の振幅値あるいはこれに比例する量を算出し、こ
の結果が予め設定された値q[1]を下回ったとき、動
作信号をオンディレイタイマ61へ与える。オンディレ
イタイマ61では、前記不足電圧継電器291の動作出
力が所定時間継続したとき、その結果を反転処理部31
4及び論理積処理部312へ与える。
【0243】反転処理部314では前記不足電圧継電器
291の動作信号を反転処理し、論理積処理部311へ
与える。論理積処理部311では第1の比率差動継電器
21[1]の動作信号と反転処理後の不足電圧継電器2
91の動作信号とのAND処理を実施し、その結果を論
理和処理部313へ与える。
【0244】又、論理積処理部312では第2の比率差
動継電器21[2]の動作信号と所定時間経過後の前記
不足電圧継電器291の動作信号とのAND処理を実施
し、その結果を論理和処理部313に与える。論理和処
理部313では論理積処理部311及び312の結果を
OR処理し、動作出力がある場合には保護指令を出力す
【0245】以上説明したように、本構成によれば前記
変圧器の非電源端子の電圧が小さくなったときは、不足
電圧継電器291の動作信号が出力されるため、系統に
事故が発生したものと判断できる。このとき、当該変圧
器の内部事故であった場合、前記第1の比率差動継電器
21[1]及び第2の比率差動継電器21[2]は即時
に動作信号を出力することとなるが、前記不足電圧継電
器291の動作出力は、オフディレイタイマ61により
遅延されるため、図3に示す如き特性を持つ前記第1の
比率差動継電器21[1]のみの保護指令を有効とし、
高感度な保護を維持する。
【0246】一方、当該変圧器の外部事故であった場
合、変流器の飽和は多くの場合、事故発生後、数サイク
ルの後に発生することから、変流器の飽和発生までは図
3に示す如く、高感度な保護特性を持つ前記第1の比率
差動継電器21[1]で保護を継続する。又、オフディ
レイタイマ61の設定時間を、変流器の飽和が始まる時
間より短く設定することで、変流器の飽和時には前記不
足電圧継電器291の動作出力が、前記第1の比率差動
継電器21[1]のみの出力を阻止すると同時に、予め
飽和による動作量の増加を考慮した図32に示す如き保
護特性を持つ第2の比率差動継電器21[2]のみの出
力を有効とする。
【0247】したがって、変流器の飽和による動作量が
発生してもこれを回避し、変圧器保護継電装置の信頼性
を向上させることができる。なお、不足電圧継電器29
1において、予め設定された値q[1]は、前記第21
の実施の形態(図29)で述べたそれと同様に、(1
2)式の関係を満たすものとする。又、オフディレイタ
イマ61において、予め設定された値t1[1]は、前
記第21の実施の形態で述べたそれと同様に、(13)
式の関係を満たすものとする。又、前記実施の形態で
は、不足電圧継電器を適用した例を説明したが、これに
限定されるものではなく、前記第21の実施の形態と同
様に、不足電圧継電器に代え、過電圧継電器としてもよ
い。
【0248】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば前
記変圧器の非電源端子に流れる電流が小さいときは、過
電流継電器の動作信号が出力されないため、当該変圧器
における内部事故と判断でき、前記過電流継電器は比率
差動継電器の保護指令出力を阻止することはない。又、
当該端子に流れる電流が大きいときは、前記過電流継電
器の動作信号により、当該変圧器の非電源端子における
外部事故と判断できるため、前記比率差動継電器の保護
指令出力を阻止する。したがって、当該変圧器の非電源
端子の外部事故時に、当該端子の変流器が飽和を起こ
し、動作量である差動電流が多く発生し、比率差動継電
器が不要動作を引き起こしても、しゃ断器に対して保護
指令が出力されることはなく、変圧器保護継電装置の信
頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す変圧器保護継
電装置の構成図。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す変圧器保護継
電装置の構成図。
【図3】本発明の第2の実施の形態における第1の比率
差動継電器の保護特性図。
【図4】本発明の第2の実施の形態における第2の比率
差動継電器の保護特性図。
【図5】本発明の第2の実施の形態における第1の比率
差動継電器の保護特性と第2の比率差動継電器の保護特
性を組み合せた保護特性図。
【図6】本発明の第3の実施のののの形態を示す変圧器
保護継電装置の構成図。
【図7】本発明の第4の実施の形態を示す変圧器保護継
電装置の構成図。
【図8】本発明の第3及び第4の実施の形態の応用例を
示す制御要素部の構成図。
【図9】本発明の第5の実施の形態を示す変圧器保護継
電装置の構成図。
【図10】本発明の第6の実施の形態を示す変圧器保護
継電装置の構成図。
【図11】本発明の第7の実施の形態を示す変圧器保護
継電装置の構成図。
【図12】本発明の第8の実施の形態を示す変圧器保護
継電装置の構成図。
【図13】本発明の第9の実施の形態を示す変圧器保護
継電装置の構成図。
【図14】本発明の第9の実施の形態における比率差動
継電器の保護特性図。
【図15】本発明の第10の実施の形態を示すディジタ
ル形変圧器保護継電装置の構成図。
【図16】本発明の第10の実施の形態を示すディジタ
ル形比率差動継電器のフローチャート。
【図17】本発明の第11の実施の形態を示す変圧器保
護継電装置の構成図。
【図18】本発明の第11の実施の形態における比率差
動継電器の保護特性図。
【図19】本発明の第12の実施の形態を示す変圧器保
護継電装置の構成図。
【図20】本発明の第12の実施の形態における比率差
動継電器の保護特性図。
【図21】本発明の第13の実施の形態を示すディジタ
ル形比率差動継電器のフローチャート。
【図22】本発明の第14の実施の形態を示す変圧器保
護継電装置の構成図。
【図23】本発明の第15の実施の形態を示す変圧器保
護継電装置の構成図。
【図24】本発明の第16の実施の形態を示す変圧器保
護継電装置の構成図。
【図25】本発明の第17の実施の形態を示す変圧器保
護継電装置の構成図。
【図26】本発明の第18の実施の形態を示す変圧器保
護継電装置の構成図。
【図27】本発明の第19の実施の形態を示す変圧器保
護継電装置の構成図。
【図28】本発明の第20の実施の形態を示す変圧器保
護継電装置の構成図。
【図29】本発明の第21の実施の形態を示す変圧器保
護継電装置の構成図。
【図30】本発明の第22の実施の形態を示す変圧器保
護継電装置の構成図。
【図31】本発明の第23の実施の形態を示す変圧器保
護継電装置の構成図。
【図32】本発明の第23の実施の形態における第2の
比率差動継電器の保護特性図。
【図33】比率差動継電器を適用した場合の電力用変圧
器の保護回路。
【符号の説明】
1A〜1H,1J〜1N,1P〜1S……変圧器保護継
電装置 2A,2A[1]〜2A[n],2B,2C,4A,5
A[1]〜5A[n+1],6A[1]〜6A[n+
1]……保護要素部 3A,3A[1]〜3A[n],3B〜3G,7A,8
A[1]〜81[n]……制御要素部 11,11[1]〜11[n+1],21[1]〜21
[n+1]……比率差動継電器 12,12[1]〜12[n],22,23,171
[1]〜171[n],172[1]〜172[n],
191[1]〜191[n],192[1]〜192
[n],311,312……論理積(AND)処理部 13,13[1]〜13[n]……過電流継電器 13A……反限時過電流継電器 14,14[1]〜14[n],314……反転(NO
T)処理部 24,91,131,173,193,313……論理
和(OR)処理部 61,61[1]〜61[n],223……限時タイマ
(オンディレイ) 81……限時タイマ(オフディレイ) CT1,CT2,CT3……変流器 TR……電力用変圧器 E1,E2……電源 CB1,CB2,CB3……しゃ断器 15A……ディジタル形変圧器保護継電器 151……補助変成器 152……A/D変換器 153……CPU 154……RAM 155……ROM 156……ディジタル入力部 157……ディジタル出力部 221,221[1]〜221[n]……Σ|I|算出
部 222,222[1]〜222[n]……Σ|I|レベ
ル判定部 9A〜12A比率差動継電器 251……差動量作成部 252……抑制量作成部 253,264……係数作成部 254,261,262……比率差動継電器判定部 271……振幅値演算部 291……不足電圧継電器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 祖父江 哲也 東京都府中市晴見町二丁目24番地の1 東 芝システムテクノロジー株式会社内 Fターム(参考) 5G043 AA01 AA02 AB04 AC02 CA03 CB02 5G047 AA09 AB01 BA04 BB03 CA03 CB03

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変圧器各端子の交流電流を導入し、前記
    変圧器の内部事故時には保護指令を出力する比率差動継
    電器を備えた変圧器保護継電装置において、前記変圧器
    の非電源端子の交流電流を導入し、前記非電源端子の交
    流電流の振幅値あるいはこれに比例する量を算出する第
    1の手段と、前記第1の手段で算出した量が所定の条件
    を満足したとき出力する第2の手段と、前記第2の手段
    の出力信号を用いて、前記比率差動継電器の保護指令出
    力を制御する手段を備えたことを特徴とする変圧器保護
    継電装置。
  2. 【請求項2】 変圧器各端子の交流電流を導入し、前記
    変圧器の内部事故時には保護指令を出力する第1の比率
    差動継電器を備えた変圧器保護継電装置において、前記
    第1の比率差動継電器とは異なる保護特性を有する第2
    の比率差動継電器と、前記変圧器の非電源端子の交流電
    流を導入し前記交流電流の振幅値あるいはこれに比例す
    る量を算出する第1の手段と、前記第1の手段で算出し
    た量が所定の条件を満足したとき出力する第2の手段
    と、前記第1の比率差動継電器と前記第2の比率差動継
    電器の論理積(AND)の出力と、前記第1の比率差動
    継電器の出力と前記第2の手段との論理積(AND)出
    力との論理和(OR)出力を保護指令出力する手段を備
    えたことを特徴とする変圧器保護継電装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の変圧器保護
    継電装置において、前記第2の手段の出力信号を遅延さ
    せるための限時タイマを設けたことを特徴とする変圧器
    保護継電装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の変圧器保護継電装置にお
    いて、一組の前記第1の手段及び限時タイマに代えて、
    判定条件及び時間設定の異なる複数組の前記第1の手段
    及び限時タイマとし、更に、前記複数の限時タイマ出力
    の論理和(OR)出力信号により、比率差動継電器の出
    力信号あるいは保護特性を制御する構成としたことを特
    徴とする変圧器保護継電装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2記載の変圧器保護
    継電装置において、過電流継電器に代えて反限時過電流
    継電器とし、前記反限時過電流継電器の出力信号によ
    り、比率差動継電器の出力信号あるいは保護特性を制御
    する構成としたことを特徴とする変圧器保護継電装置。
  6. 【請求項6】 変圧器各端子の交流電流を導入し、前記
    変圧器の内部事故時には保護指令を出力する比率差動継
    電器を備えた変圧器保護継電装置において、前記変圧器
    の非電源端子の交流電流を導入し、前記非電源端子の交
    流電流の振幅値あるいはこれに比例する量を算出する第
    1の手段と、前記第1の手段で算出した量が所定の条件
    を満足したとき出力する判定条件及び時間設定の異なる
    複数組の第2の手段及び限時タイマとを備え、前記比率
    差動継電器の比率の大きさを、前記複数の第2の手段の
    判定条件に応じ、予め設定された大きさに順次切り換え
    る構成としたことを特徴とする変圧器保護継電装置。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の変圧器保護継電装置にお
    いて、1つの第2の比率差動継電器に代えて、前記第1
    の比率差動継電器とは異なる保護特性を有する第2,第
    3,…,第nの比率差動継電器を設けると共に、更に、
    1つの前記第2の手段に代えて判定条件の異なる複数の
    第2の手段を設け、前記第2の手段の出力信号に応じ
    て、前記第1〜第m(1<m≦n)の比率差動継電器の
    論理積(AND)特性とする構成としたことを特徴とす
    る変圧器保護継電装置。
  8. 【請求項8】 変圧器各端子の交流電流を導入し、前記
    変圧器の内部事故時には保護指令を出力する第1の比率
    差動継電器を備えた変圧器保護継電装置において、前記
    第1の比率差動継電器とは異なる保護特性を有した第2
    の比率差動継電器と、前記変圧器の非電源端子の交流電
    流を導入し、前記交流電流の振幅値あるいはこれに比例
    する量を算出する第1の手段と、前記第1の手段で算出
    した量が所定の条件を満足したとき出力する判定条件の
    異なる複数の第2の手段とを備え、前記第2の比率差動
    継電器の保護特性を前記複数の第2の手段の判定条件に
    応じて順次切り換え、前記第1の比率差動継電器と、前
    記特性の切り換えられた第2の比率差動継電器との論理
    積(AND)特性とする構成としたことを特徴とする変
    圧器保護継電装置。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の変圧器保護継電装置のお
    いて、前記第1の手段及び第2の手段に代えて、前記変
    圧器の各端子電流のスカラー和である抑制量(Σ|I|
    と称す)を算出する第3の手段と、前記第3の手段で算
    出した量が所定の条件を満足したとき出力する第4の手
    段と、前記第4の手段による出力信号を遅延させる限時
    タイマを設け、前記第1の比率差動継電器と前記第2の
    比率差動継電器の論理積(AND)の出力と、前記第1
    の比率差動継電器の出力と前記限時タイマの出力との論
    理積(AND)出力との論理和(OR)出力を保護指令
    出力する手段を備えたことを特徴とする変圧器保護継電
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の変圧器保護継電装置に
    おいて、前記第1の手段及び複数の第2の手段に代え
    て、前記変圧器の各端子電流のスカラー和である抑制量
    (Σ|I|と称す)を算出する第3の手段と、前記第3
    の手段で算出した量が所定の条件を満足したとき出力す
    る判定条件の異なる複数の第4の手段を設け、前記比率
    差動継電器の比率の大きさを、前記複数の第4の手段の
    判定条件に応じて予め設定された大きさに順次切り換え
    る構成としたことを特徴とする変圧器保護継電装置。
  11. 【請求項11】 請求項8記載の変圧器保護継電装置に
    おいて、前記第1の手段及び複数の第2の手段に代え
    て、前記変圧器の各端子電流のスカラー和である抑制量
    (Σ|I|と称す)を算出する第3の手段と、前記第3
    の手段で算出した量が所定の条件を満足したとき出力す
    る判定条件の異なる複数の第4の手段を設け、前記第2
    の比率差動継電器の保護特性を、前記複数の第4の手段
    の判定条件に応じて順次切り換え、前記第1の比率差動
    継電器と、前記特性の切り換えられた第2の比率差動継
    電器との論理積(AND)特性とする構成としたことを
    特徴とする変圧器保護継電装置。
  12. 【請求項12】 変圧器各端子の交流電流を導入し、前
    記変圧器各端子電流のベクトル和である動作量(差動電
    流:Id)を算出する第5の手段と、変圧器各端子電流
    のスカラー和である抑制量(Σ|I|)を算出する第6
    の手段と、前記動作量と抑制量の関係が所定の条件を満
    足したとき前記変圧器の内部事故と判断して保護指令を
    出力する第7の手段を備えた比率差動継電器において、
    前記第6の手段と同様の手段にて算出した抑制量に比例
    した値を、前記第7の手段で使用する判定式における比
    率値の係数として作用するよう構成したことを特徴とす
    る変圧器保護継電装置。
  13. 【請求項13】 請求項8記載の変圧器保護継電装置に
    おいて、前記第1及び複数の第2の手段と、前記第2の
    手段の出力信号による前記第2の比率差動継電器の保護
    特性の切り換えに代えて、前記変圧器の各端子電流のス
    カラー和である抑制量(Σ|I|と称す)を算出する第
    3の手段と、前記第3の手段で算出した量に比例した値
    を、前記第2の比率差動継電器で使用する判定式におけ
    る条件の係数として作用するよう構成したことを特徴と
    する変圧器保護継電装置。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の変圧器保護継電装置
    において、前記抑制量に代えて、前記変圧器の非電源端
    子の交流電流を導入し、第1の手段にて算出した前記非
    電源端子の交流電流の振幅値あるいはこれに比例する値
    とし、前記第1の手段にて算出した量に比例した値を係
    数として、前記比率差動継電器の比率の大きさを逐次変
    化させる構成としたことを特徴とする変圧器保護継電装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の変圧器保護継電装置
    において、前記抑制量に代えて、前記変圧器の非電源端
    子の交流電流を導入し、第1の手段にて算出した前記非
    電源端子の交流電流の振幅値あるいはこれに比例する値
    とし、前記第1の手段にて算出した量に比例する値を、
    前記第2の比率差動継電器で使用する判定式における条
    件の係数として作用するよう構成したことを特徴とする
    変圧器保護継電装置。
  16. 【請求項16】 変圧器各端子の交流電流を導入し、前
    記変圧器の内部事故時には保護指令を出力する比率差動
    継電器を備えた変圧器保護継電装置において、前記変圧
    器の非電源端子の交流電圧を導入し、前記非電源端子の
    交流電圧の振幅値あるいはこれに比例する量を算出する
    第8の手段と、前記第8の手段で算出した量が所定の条
    件を満足したとき出力する第9の手段と、前記第9の手
    段の動作出力を遅延させる限時タイマを備え、遅延後の
    前記第9の手段の出力信号を用いて比率差動継電器の保
    護指令出力を阻止する構成としたことを特徴とする変圧
    器保護継電装置。
  17. 【請求項17】 変圧器各端子の交流電流を導入し、前
    記変圧器の内部事故時には保護指令を出力する第1の比
    率差動継電器を備えた変圧器保護継電装置において、前
    記第1の比率差動継電器とは異なる保護特性を有した第
    2の比率差動継電器と、前記変圧器の非電源端子の交流
    電圧を導入し、前記交流電流の振幅値あるいはこれに比
    例する量を算出する第8の手段と、前記第8の手段で算
    出した量が所定の条件を満足したとき出力する第9の手
    段と、前記第9の手段の動作出力を遅延させる限時タイ
    マを備え、遅延後の前記第9の手段の出力信号を用い、
    前記第1の比率差動継電器と前記第2の比率差動継電器
    の論理積(AND)特性とする構成としたことを特徴と
    する変圧器保護継電装置。
  18. 【請求項18】 変圧器各端子の交流電流を導入し、前
    記変圧器の内部事故時には保護指令を出力する第1の比
    率差動継電器を備えた変圧器保護継電装置において、前
    記第1の比率差動継電器とは異なる保護特性を有した第
    2の比率差動継電器と、前記変圧器の非電源端子の交流
    電圧を導入し、前記交流電流の振幅値あるいはこれに比
    例する量を算出する第8の手段と、前記第8の手段で算
    出した量が所定の条件を満足したとき出力する第9の手
    段と、前記第9の手段の動作出力を遅延させる限時タイ
    マを備え、遅延後の前記第9の手段の出力信号を用い、
    前記第1の比率差動継電器と前記第2の比率差動継電器
    の保護特性を切り換える構成としたことを特徴とする変
    圧器保護継電装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012016151A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Toshiba Corp 電流差動継電装置
JP2016526370A (ja) * 2013-05-30 2016-09-01 南京南瑞▲継▼保▲電気▼有限公司Nr Electric Co., Ltd 電流形コンバータの差動保護方法及び継電保護装置
CN112540284A (zh) * 2020-11-12 2021-03-23 中铁第四勘察设计院集团有限公司 一种继电电路诊断方法及系统

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