JP2503972B2 - 母線保護継電装置 - Google Patents

母線保護継電装置

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JP2503972B2 JP61112183A JP11218386A JP2503972B2 JP 2503972 B2 JP2503972 B2 JP 2503972B2 JP 61112183 A JP61112183 A JP 61112183A JP 11218386 A JP11218386 A JP 11218386A JP 2503972 B2 JP2503972 B2 JP 2503972B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 この発明は母線保護継電装置に関する。
B.発明の概要 この発明は母線保護継電装置において、 母線内部故障に対して極めて発生頻度の高い母線外部
故障について、故障電流に含まれる直流分によつて変流
器(以下CTと称す)過度飽和となつたときにそのCT過度
飽和時の動作量及び抑制量の性質に着目したことによ
り、 CT誤差による誤動作を防止するようにしたものであ
る。
C.従来の技術 母線保護継電器は母線に接続された各線路電流のベク
トル和 を動作量としてこれが一定値以上になつたことで母線故
障を検出するものである。しかし、この種の継電器では
母線外部故障でCTの誤差電流により誤動作するおそれが
ある。このため、通常、各線路電流の絶対値についてそ
の総和値(スカラー和) に一定値(抑制率K)を掛けて、次に示す判定式により
母線故障を検出することが行なわれている。
但し、i:保護母線に接続された線路iの電流値(ベク
トル量)を示す(線路から母線向きが正方向とする)。
線路1〜n迄の電流値のベクトル和 絶対値符号:電流の実効値 (1)式の判定式で母線保護を行う方式をスカラー和抑
制電流差動方式と称す。このほか、抑制量に、線路電流
Iiの中で、最大値のみ使用する次式の最大値抑制電流差
動方式がある。
但し、MAX|i|:線路電流iの最大値を示す。
上記に示した方式でも許容できるCT誤差に限りがあ
り、特に母線外部故障で故障電流に含まれる直流分でCT
が過度飽和(以下CT飽和と称す)する場合がある。
第11図(a)〜(g)はCT飽和が比較的弱い場合の例
を示すもので、第11図(a)は母線外部故障を示す概略
構成図であり、CT1,CT2は変流器、BUSは母線、IFは故障
電流である。第11図(b)はCT通過電流を示し、図中斜
線部はCT2に飽和があり2次電流が零となる飽和部分を
示す。第11図(c)はCT2の磁束状態を示し、第11図
(g)はCT2の磁束特性を示す。なお、CT1は飽和しな
い。第11図(d)はCT1,CT2の差電流(i1+i2)特性を
示し、第11図(e)は抑制量R(t)、第11図(f)は
動作量O(t)を示す。ここで、CT1は飽和しないの
で、i1は第11図(b)の直流分が重畳した正弦波であ
る。i2はCT2の2次電流でCTの飽和によってi1に対して
第11図(b)のように斜線部の期間、値が零になる。第
11図(e)は抑制量R(t)であるI1の大きさとI2の大
きさとの和を示し、第11図(f)は動作量O(t)であ
るI1とI2とのベクトル和()の大きさを示
す。この第11図(a)〜(g)は母線外部故障電流が通
過してから数サイクル後にCT2が飽和を生じ、見掛け上
電流差動継電器で動作量(差電流)が発生していること
を示すものである。
第12図(a)〜(h)及び第13図(a)〜(h)はCT
飽和が強い場合の例を示すもので、第12図(a)〜
(h)は外部故障時のCT飽和が通過電流の第1波のピー
ク以降かつ零点通過前に発生したときのものである。第
12図(a)〜(h)は第11図(a)〜(g)と同様の内
容を示すもので、第12図(b)において符号−A,−B,−
Cはそれぞれ第1波から第3波の負波の積分値でCTが飽
和しない部分を示す。また符号A,B,Cは第1波から第3
波の正の値の波形で第1〜第3の負波の積分値−A,−B,
−Cに等しい部分であり、この部分を過ぎるとCTはまた
飽和する。第12図(d)の差電流において最初の第1波
のピーク以降で過度飽和が生じる場合、直流分は必ずあ
る時定数をもつて減衰するので、第12図(b)に示す符
号第1波,第2波,第3波の負波の積分値の絶対値A,B,
CはA<B<CTとなり、かつ、第1波の飽和部分積分値
と第2波飽和部分の積分値を比較すると第2波の飽和部
分の積分値が大きいので差電流のピークは第2波目に生
じる。
第13図(a)〜(h)は外部故障時のCT飽和が通過電
流の第1波のピーク前に発生するときのもので、第11図
(a)〜(g)と第12図(a)〜(h)と同様の内容で
あるが第13図(d)の差電流の部分が異なる。この第13
図(d)において、最初の第1波のピーク前で飽和が生
じる場合、直流分は必ず減衰するので、前記の積分値A,
B,CはA<B<Cとなり、かつ、第1波の飽和部分の積
分値と第2波の負波の積分値を比較すると第1波の積分
値が大きいので差電流のピークは第1波目に生じる。
以上の説明からCT飽和の性質は次のようになる。
(1)CT飽和が比較的弱いと母線外部故障発生から1サ
イクル以上経てCT飽和が発生する。この場合、抑制量の
最大値が故障発生から1サイクル以内で生じるが動作量
が一定値以上になつた時間と、抑制量が一定値以上にな
つた時間との差は1サイクル以上になる場合がある。
(2)電力系統の一般的な時定数から判断してCT飽和は
遅くとも、故障発生から200ms以内で生じる。
(3)母線内部事故には、CT過度飽和あり,なしにかか
わらず、動作量が一定値以上になる時間と抑制量が一定
値以上になる時間との差がほとんどない。
上記(1)から(3)までが母線外部故障でCT飽和が
比較的弱い場合であるが、次の(4)は母線外部故障で
CT飽和が強い場合である。
(4)CT飽和が強くて、母線外部故障発生からCT飽和が
第1波目で生じる場合は、動作量の最大値は故障発生か
ら2サイクル以内で生じ、また抑制量の最大値は故障発
生から1サイクル以内で生じる。
ここで、CT飽和現象について定量的に第14図と第15図
で簡単に述べる。
第14図はCT等価回路図で、I1は等価1次電流、I1=1
次電流/N(CT巻線比)、I2はCT2次電流である。
第15図はCT励磁特性図である。両図からCT1次側に流
れる故障電流IFを最大Im、直流分の重畳率100%、その
時定数をτとすると、故障電流IFは次式のようになる。
一方、第15図のCT励磁特性で示す通りCTが飽和するま
で励磁電流は零である。故障発生からt秒後の磁束φ
は、IFのCT2次電流に対して、負担RNを掛けたものが電
圧となるので、これを積分した演算から求められる。
(4)式を図示すると第16図(a)となる。
ここで、CTの励磁特性を第15図のように仮定している
ので、励磁電流i0及びCT2次電流i2はCTが飽和する迄
は、励磁電流i0は零、CTが飽和するとCT2次誘起電圧は
零となつて、CT2次電流は零となり従つて、次式のよう
になる。
この(5)式を図示すると第16図(b)となる。
D.発明が解決しようとする問題点 母線保護継電器はキルヒホッフの第1法則を適用して
内部事故を検出している。すなわち、母線に接続されて
いる複数のフィーダの電流Iiの総和(ΣIi)が非零で内
部事故と判定する。電流IiはCTによって検出され、外部
事故で電流が正しく検出されれば電流の総和(ΣIi
0)は零となるところ、事故電流に直流分が含まれる
と、CTの鉄心が飽和しやすくなり、電流が正しく検出さ
れず電流の総和(ΣIi≠0)が零でなくなり、外部事故
にも拘わらず誤って内部事故として判定してしまう問題
がある。
この発明は上記のような外部事故に対して内部事故と
して判定しないようにした母線保護継電装置を提供する
ことを目的とする。
E.問題点を解決するための手段 この発明の第1発明は、線路の電流量が演算可能な値
に変換されて入力され、出力にそれぞれ各別の演算出力
を送出する動作量及び抑制量演算要素と、動作量演算要
素の演算出力が一定値より大きい場合系統故障検出と判
定し、この故障検出した時点からあらかじめ設定された
期間である数サイクル前から数サイクル後の期間におい
て求めた抑制量の最大値を一定時間記憶する記憶要素
と、記憶要素及び動作量演算要素の出力が入力され、か
つ動作量が抑制量に一定値を掛けた値より大きいとき
に、母線内部故障の判定出力を送出する母線内部故障検
出用電流差動継電演算要素とからなるものである。
第2発明は、線路の電流量が演算可能な値に変換され
て入力され、出力にそれぞれ各別の演算出力を送出する
動作量及び抑制量演算要素と、動作量または抑制量演算
要素の演算出力が一定値より大きい場合系統故障検出と
判定し、この故障検出した時点よりあらかじめ設定され
た期間である数サイクル前から数サイクル後の期間にお
いて求めた抑制量の最大値を一定時間記憶する記憶要素
と、動作量または抑制量演算要素の出力が入力され、そ
の演算要素の出力が一定値以上で故障検出と判定された
時点から数サイクル間だけ判定出力をロツクさせるロツ
ク信号出力要素と、このロツク信号出力要素,記憶要素
及び動作量演算要素の各出力が入力され、ロツク信号出
力要素からの出力がなくなつたときで、かつ動作量が抑
制量に一定値を掛けた値より大きいときに、母線内部故
障の判定出力を送出する母線内部故障検出用電流差動継
電演算要素と、抑制量演算要素の出力が一定値以上にな
った時間と動作量演算要素の出力が一定値になつた時間
との差が数サイクル以上のときに外部故障検出信号を送
出する外部故障検出要素と、この検出要素の出力と、動
作量及び抑制量要素の出力が入力され、動作量が抑制量
に一定値を掛けた値より大きいときに母線内部故障出力
を送出する母線外部故障検出用電流差動継電演算要素と
からなるものである。
F.作用 (a)上記のように構成することにより、母線外部故障
でCT飽和が弱い場合は(故障発生からCT飽和が1サイク
ル以上後に発生)、電力系統の直流分の時定数は最長10
0ms程度なので直流分が存在する時間は、その倍の200ms
(直流分が元の値に対して14%に減衰する時間)を考慮
すれば充分なので故障電流通過後に、CT飽和により動作
量O(t)が発生するのは母線外部故障が発生してから
1サイクルから200ms以内後となる。この場合、抑制量
の最大値RMAXは、必ず故障発生から1サイクル以内に現
われる。また、母線外部故障でCT飽和が強い場合は(故
障発生からCT飽和になるのが1サイクル以内のとき)動
作量O(t)は故障発生後直ちに発生するが、その最大
値は故障発生後2サイクル以内で現われる。さらに、抑
制量R(t)の最大値は故障発生後1サイクル以内で現
われる。
上記のことから動作量O(t)が一定値以上で故障検
出すると、母線外部・内部故障いづれの場合でも、この
時点を境に数サイクル前(約200ms前)から数サイクス
後(約2サイクル)の抑制量R(t)の最大値RMAXが求
められ、故障検出してから一定時間、前記の抑制量の最
大値を抑制量として使用した電流差動継電演算要素で母
線内部故障を検出する。なお、故障検出してから数サイ
クル後(約2サイクル)は抑制量の最大値を求めるため
に電流差動継電演算要素の出力はロツクした方が好まし
いと考えられる。この演算要素の判定式は(6)式に示
す。
(b)動作量O(t)が一定値以上になつた時間と抑制
量が一定値以上になつた時間との差が数サイクル以上の
場合は、母線外部故障に限られるので、電流差動継電演
算要素の出力をロツクする。あるいは抑制率Kを大きく
した母線外部故障検出用電流差動継電演算要素で母線外
部故障から内部故障に移行する故障を検出する。
(c)母線外部故障で、CT飽和が故障発生から1サイク
ル以内で発生する場合、抑制量R(t)の最大値RMAX
故障発生から1サイクル以内に現われる。また、動作量
O(t)の最大値は故障発生から1サイクル〜2サイク
ル以内に現われる。従つて、抑制量R(t)または動作
量O(t)が一定値以上の条件で故障したならば、これ
により数サイクル(2サイクル程度)間、抑制量R
(t)の最大値RMAXを求める。この値を故障検出してか
ら一定時間抑制量として使用した母線内部故障検出用電
流差動継電演算要素により、母線内部故障を検出する。
但し、故障検出されて数サイクル間は抑制量の最大値を
求めるためと、この間に動作量の最大値が現われるの
で、前記差動継電演算要素の出力をロツクする。なお、
差動継電演算要素は故障検出してから一定時間次式を用
いて母線故障を検出する。
O(t)−KRMAX>0 …(6) 但し、O(t):動作量 の現在値 RMAX:故障検出してから数サイクル間の間に求めた抑制
の最大値 なお、故障検出してから一定時間過ぎると、抑制量は現
在値を使う場合がある。
第3図(a)〜(c)は母線外部故障で故障発生から
直ちにCT飽和(CT飽和が強い場合)が発生したときの抑
制量R(t),動作量O(t),ロツク信号出力要素か
らのロツク信号を示すものである。
G.実施例 以下図面を参照してこの発明の一実施例を説明する。
第1図において、1a,1bは電力系統の電源、2a〜2dは
線路、3は母線、4a〜4dは母線3に接続された線路2a〜
2dの電流を検出する変流器CTからなる電流変成器であ
る。5a〜5dは各線路2a〜2dに挿入されたしや断器であ
る。
6は電流変成器4a〜4dにより検出された各線路電流
iが入力される入力変換器で、この入力変換器6は前記
電流を母線保護継電器として必要な演算を行なわせるた
め適当な値に変換するものである。入力変換器6で変換
された出力7は動作量O(t)及び抑制量R(t)を求
める動作量演算要素8と抑制量演算要素9に入力され
る。次式は動作量及び抑制量演算要素を求めるものであ
る。
但し、iは線路電流iの電流ベクトル値、絶対値符号
は電流ベクトル値の実効値を示す。
動作量演算要素8は動作量O(t)の出力10を、抑制
量演算要素9は抑制量R8t)の出力11をそれぞれ送出
し、これら出力10,11は母線外部故障検出要素12に入力
される。母線外部故障検出要素12は動作量O(t)及び
抑制量R(t)が一定値以上になつた時点tO,tRを検出
し、これらtO,tRの差が数サイクル以上になり、かつ動
作量O(t)が一定値以上の期間だけ、外部故障検出信
号13を送出する。次式(9)式及び(10)式は動作量O
(t)及び抑制量R(t)が一定値IOset及びIRsetより
大きい場合に、電力系統故障を送出できるものである。
O(tO)≧IOset ……(9) O(tR)≧IRset ……(10) 但し、IOset,IRsetとも電力系統故障を検出できるだけ
の一定値とし、電力系統が健全時には(9),(10)式
は成立しない値とする。
tO−tR≧数サイクル(約2サイクル) …(11) (11)式が成立するとき、母線外部故障検出信号13を送
出するが、この検出信号13が送出される期間はO(t)
≧IOsetが成立する間とする。
14は母線外部故障検出用電流差動継電演算要素(以下
外部演算要素と称す)で、この外部演算要素14には母線
外部故障検出信号13と動作量及び抑制量演算要素8,9の
出力10,11が入力され、母線外部故障検出要素12が外部
故障を検出したときのみ、次式の演算を行う。
O(t)−K1・R(t)>0 …(12) 但し、K1は抑制率で、母線外部故障から内部故障に移行
する故障を考慮して通常0.8〜0.9程度の値が用いられ
る。(12)式の演算が成立すると外部演算要素14は第1
の母線内部故障検出信号15を送出する。この検出信号15
は母線外部故障から内部故障に移行する故障を無視する
場合は、外部演算要素14に外部故障検出信号13が入力さ
れている間は14の出力15を送出しない。
16は抑制量最大値記憶要素で、この記憶要素16には抑
制量演算要素9の出力11が入力される。この記憶要素16
は抑制量R(t)が次式のように一定値以上で故障検出
すると、 R(t)≧IRset ……(13) これより数サイクル前から数サイクル後の間の抑制量R
(t)の最大値RMAXを求めてこの値を一定時間記憶す
る。記憶要素16で記憶された値は出力17として送出され
る。故障検出は動作量演算要素8の出力10を入力してこ
れが一定値以上で検出する場合もある。また、記憶が一
定時間過ぎると出力17を現在の抑制量とする場合があ
る。
18は動作量演算要素8の出力10が入力され、出力にロ
ツク信号19を送出するロツク信号出力要素である。この
ロツク信号出力要素18は動作量O(t)が次式のよう
に、一定値以上になると、 O(t)≧IOset ……(14) この時点から数サイクル間(約2サイクル間)だけ、母
線内部故障検出用電流差動継電演算要素(以下内部演算
要素と称す)20にロツク信号19を入力させる。18へは、
抑制量演算要素9の出力11が入力され同様の処理をする
場合もある。
内部演算要素20には上記ロツク信号19の他に、動作量
演算要素8の出力10,外部故障検出要素12の検出信号13
及び記憶要素16の出力17が入力され、検出信号13の出力
がない場合、内部演算要素20は次式の判定式により母線
内部故障の検出を行う。
O(t)−K2・RMAX≧0 …(15) 但し、K2は抑制率で、この抑制率は約0.5程度に選ばれ
る。
上記(15)式が成立されると、母線内部故障と判定さ
れるけれどもロツク信号出力要素18からのロツク信号19
があると内部演算要素20は出力を送出しない。ロツク信
号19がないときには内部演算要素20から第2の母線内部
故障検出信号21が送出される。この検出信号21及び第1
の母線内部故障検出信号15は論理和22に入力され、この
論理和22は上記いずれかの信号があるときにしや断器5a
〜5dに対してしや断信号23が与えられる。
外部事故時に事故電流によってCTが飽和することがあ
っても事故発生直後にCTが飽和することがないため(一
般にCTが飽和するのは事故発生から1〜数サイクルかか
る)、第4図で示した例では事故発生から約1サイクル
後に母線保護継電器の誤動作を防止する抑制量R(t)
の最大値が生じている。(一般に数サイクル)この最大
値を検出して、この値を記憶し、その後の抑制量として
使用し、かつ動作量または抑制量が一定値以上になる
と、数サイクルだけ母線保護継電器の内部事故検出信号
をロックすることによって外部事故時のCT飽和による母
線保護継電器の誤動作を防止する母線保護継電装置が得
られる。
第2図は第1図に示した実施例をマイクロコンピユー
タにより実現した場合の処理フローチヤートである。こ
の第2図において、ステツプS1は入力変換器6に相当
し、線路電流iを電流変成器4a〜4dで検出したものを
一定周期でサンプリングホールドしてアナログデジタル
変換する。ステツプS2は動作量O(t)及び抑制量R
(t)演算要素8,9の演算要素に相当する。ステツプS4
〜S7は抑制量最大値記憶要素に相当する。ステツプS3
S4,S5,S8,S9,S10,S11は母線外部故障検出要素に相
当する。ステツプS12は外部演算要素14、ステツプS13
内部演算要素20に相当する。ステツプS14はロツク信号
出力要素18、ステツプS15は論理和22としや断器5a〜5d
のトリツプ指令に相当する。
次にこの発明の実施例による継電装置と従来の継電装
置の演算式を比較した結果を第1表に示す。
第2表はこの発明による継電装置と従来の継電装置と
をデジタルシミユレーシヨンするときの条件を表わした
もので、この条件により母線外部,内部故障をデジタル
シミユレーシヨンした結果を第4図から第9図(a)〜
(d)に示す。
第4図は、第2表に示すデジタルシミユレーシヨン条
件で、t=0で母線外部故障が発生し動作量O(t),
抑制量R(t)を求めた結果を示す。RMAXは、故障発生
後の抑制量の最大値を示す。時間の単位はms(秒)で、
動作量,抑制量の大きさの単位はA(アンペア)で、CT
3のCT4000A/5AのCT2次側に換算した値が基準となつてい
る。まず、母線外・内部故障は、EMTP(Electro Magnet
ic Transient Program)を使つて、各線路電流とそのCT
2次電流を算出した。EMTPは電力系統の過度現象を解析
する一般的なプログラムである。これより得られたCT2
次電流に対して電流データについて、次のアナログフイ
ルタ(AF)を通し、 但し、K=1.0339,ωp=600.00Hz,ω1=188.46Hz,ω2
=243.69Hz,α=1.2633である。
データを30°毎にサンプリングし、デジタル量に変換
し、さらに次のデジタルフイルタ(DF)を通した。
DF(デジタルフイルタ出力)=(1+Z-12・(1+Z
-2)・(1+Z-6) 但し、Z-i:i=0は現在のサンプリング値,−iは30°
×i前のサンプリング値である。
このデジタルフイルタ出力から次の動作量O(t),
抑制量R(t)を得る。
O(t)=|123| R(t)=|1|+|2|+|3| 但し、123はCT1,2,3の2次側電流,絶対値符
号は実効値を示す。
さらに実効値は次の演算で求める。
3×実効値=|DFm|2+|DFm-22+|DFm-42 但し、|DFm|2はデジタルフイルタ出力現在値,|DFm-22
はデジタルフイルタ60°前の値,|DFm-42はデジタルフ
イルタ120°前の値である。
アナログ,デジタルフイルタの出力を第17図に示す。
第5図は、第4図から求めた動作量O(t)及び抑制
量R(t)より、従来の継電装置で母線故障検出したこ
とを示すもので、判定式は次式になる。
O(t)−0.5R(t)>0 上式の左辺を第5図(a)に示すが故障発生から11ms
〜31msの間、この値は正の値になるので第5図(b)に
この期間を示す。第5図(b)において11ms〜31msの
間、従来の継電装置では外部事故にも拘わらず誤って内
部事故として判定するので誤動作する。
一方、第6図は、本発明による継電装置で母線故障検
出したことを示すもので第1図のロツク信号出力要素18
の出力であるロツク信号19を第6図(c)、内部演算要
素20の判定出力21を第6図(d)、(15)式の左辺の値
を第6図(a)及び(15)式が成立した時間を第6図
(b)に示す。
まず、第4図に示す通り、(9)、(10)式でIRset
=10A,IOset=10Aに設定すると、(9),(10)式が成
立した時間差tO−tRが(11)式で示される時間差である
2サイクル以上でないため、母線外部故障検出要素12
は、母線外部故障検出信号13を送出しない。このため内
部演算要素20で(15)式で母線内部故障の検出が行われ
る。また、抑制量最大値記憶要素16で、故障発生から約
8ms後(13)式が成立するので16は抑制量の最大値約87A
を記憶してこの値17を20へ送出する。
(15)式を再び記す。
O(t)−0.5RMAX>0 (15)式の左辺の値を第6図(a)に示す。また、
(15)式が成立する期間は第6図(b)に示すが、これ
は故障発生後11ms〜27msとなる。しかし、ロツク信号出
力要素18の出力であるロツク信号19が故障発生から10ms
〜43ms間出力されるので、内部演算要素20の判定出力21
は出力されない。従つて、本発明による継電装置では外
部事故に対して第6図に示すように正しく外部事故と判
定するので誤動作しない。
第7〜9図は、第2表に示すデジタルシミユレーシヨ
ン条件でt=0で母線内部故障が発生した場合を示す。
図の見方は第4〜6図と同じである。第8図は第7図か
ら求めた動作量O(t)及び抑制量R(t)より従来の
継電装置で母線故障検出したことを示すもので、故障発
生から6msで従来の継電装置は正動作する。また、第9
図は本発明による継電装置で母線故障検出したことを示
すもので、故障発生から、43msで正しく内部事故と判定
するので正動作する。
第10図は第2表に示したCT励磁特性図である。
上述したデジタルシミユレーシヨンによるこの発明の
効果を表にして示したものが第3表である。この第3表
から、この発明のものは母線外部故障において、従来に
比較して抑制量は約1.9倍あり、母線内部故障において
抑制量は約0.5倍あるので、外部故障時には抑制量が制
御されたため見掛け上1.9倍となるので動作しにくく、
内部故障には抑制量は逆に小さくなるので動作し易い利
点がある。
H.発明の効果 以上述べたように、この発明によれば、CT飽和が強い
場合でも、系統故障時の抑制量の最大値を抑制量として
使用することにより故障時において抑制量が約1.5〜2.0
倍になり、さらに母線内部故障時において抑制量の最大
値は故障期間中のその定常値に較べて小さいので、感度
低下がなく、従つて母線外部故障では誤動作しにくく、
かつ母線内部故障では高感度に故障検出ができる。すな
わち、従来の母線保護継電器を使用すると、外部事故時
の事故電流によって生じる動作量に対して(2)式が正
にならないように抑制率Kの値を大きくして継電器の誤
動作を防止しなければならないが、この発明では(6)
式に示すように抑制量の最大値を使用することにより、
Kをこれより大きくしなくとも外部事故時の誤動作を防
止できるので、従来の継電器より高感度化ができる。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明の一実施例を示すブロツク図、第2図
は第1図の実施例をマイクロコンピユータにより実現し
た場合の処理フローチヤート、第3図(a),(b),
(c)は母線外部故障時でCT飽和が強いときの抑制量,
動作量及び継電装置ロツク信号を示す特性図、第4図か
ら第9図(a)〜(d)はデジタルシミユレーシヨンに
よる従来の継電装置とこの発明の継電装置の比較特性
図、第10図はCT励磁特性図、第11図(a)〜(g)は母
線外部故障時のCT飽和が弱い場合における説明図及び特
性図、第12図(a)〜(h)及び第13図(a)〜(h)
は母線外部故障時のCT飽和が通過電流の第1波のピーク
以降かつ零点通過前に発生する場合及び第1波のピーク
前に発生する場合における説明図及び特性図、第14図は
CT等価回路図、第15図はCT励磁特性図、第16図はCT飽和
時のCT磁束と励磁電流及びCT2次電流特性図、第17図は
フイルタ総合特性図である。 4a〜4d……電流変成器、5a〜5d……しや断器、6……入
力変換器、8……動作量演算要素、9……抑制量演算要
素、12……母線外部検出要素、14……母線外部故障検出
用電流差動継電要素、16……抑制量最大記憶要素、18…
…ロツク信号出力要素、20……母線内部故障検出用電流
差動継電要素、22……論理和。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】線路の電流量が演算可能な値に変換されて
    入力され、出力にそれぞれ各別の演算出力を送出する動
    作量及び抑制量演算要素と、動作量演算要素の演算出力
    が一定値より大きい場合系統故障検出と判定し、この故
    障検出した時点からあらかじめ設定された期間である数
    サイクル前から数サイクル後の期間において求めた抑制
    量の最大値を一定時間記憶する記憶要素と、この記憶要
    素及び前記動作量演算要素の出力が入力され、動作量が
    抑制量に一定値を掛けた値より大きいときに、母線内部
    故障の判定出力を送出する母線内部故障検出用電流差動
    継電演算要素とからなる母線保護継電装置。
  2. 【請求項2】線路の電流量が演算可能な値に変換されて
    入力され、出力にそれぞれ各別の演算出力を送出する動
    作量及び抑制量演算要素と、動作量または抑制量演算要
    素の出力が一定値より大きい場合系統故障検出と判定
    し、この故障検出した時点よりあらかじめ設定された期
    間である数サイクル前から数サイクル後の期間において
    求めた抑制量の最大値を一定時間記憶する記憶要素と、
    動作量または抑制量演算要素の出力が入力され、その演
    算要素の出力が一定値以上で故障検出と判定された時点
    から数サイクル間だけ判定出力をロツクさせるロツク信
    号出力要素と、このロツク信号出力要素,記憶要素及び
    動作量演算要素の各出力が入力され、ロツク信号出力要
    素からの出力がなくなつたときで、かつ動作量が抑制量
    に一定値を掛けた値より大きいときに、母線内部故障の
    判定出力を送出する母線内部故障検出用電流差動継電演
    算要素と、抑制量演算要素の出力が一定値以上になつた
    時間と動作量演算要素の出力が一定値になつた時間との
    差が数サイクル以上のときに外部故障検出信号を送出す
    る外部故障検出要素と、この検出要素の出力と、動作量
    及び抑制量要素の出力が入力され、動作量が抑制量に一
    定値を掛けた値より大きいときに母線内部故障出力を送
    出する母線外部故障検出用電流差動継電演算要素とから
    なる母線保護継電装置。
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