JP3305084B2 - 比率作動保護継電装置 - Google Patents

比率作動保護継電装置

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JP3305084B2
JP3305084B2 JP32554393A JP32554393A JP3305084B2 JP 3305084 B2 JP3305084 B2 JP 3305084B2 JP 32554393 A JP32554393 A JP 32554393A JP 32554393 A JP32554393 A JP 32554393A JP 3305084 B2 JP3305084 B2 JP 3305084B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力系統における変圧
器の内部短絡事故の検出などに用いる比率差動継電装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電力系統における変圧器の内部短
絡事故を検出して回路を保護する装置として、図4に示
すような比率差動保護継電装置が用いられている。
【0003】この比率差動保護継電装置は、変圧器1の
一次側に計器用変流器2と遮断器3を設けると共に、二
次側に計器用変流器4と遮断器5を設け、両側の計器用
変流器2,4の電流出力を比率差動継電器6に接続した
構成となっており、変圧器1の内部短絡事故などによっ
て計器用変流器2および4に流れる電流I1 およびI2
間の差電流値及び差電流比率が設定値以上になると比率
差動継電器6が作動し、遮断器3および5を遮断させて
回路の保護を行う。
【0004】図5は従来の比率差動保護継電装置のブロ
ック構成図である。同図に示すように、変圧器1の1次
側と2次側の各電流I1 ,I2 は計器用変流器2,4を
介して比率差動保護継電装置6に入力される。入力電流
1 ,I2 はアナログ/ディジタル変換要素7でディジ
タル値に変換され一定周期毎にサンプリングされて差電
流検出要素8、基本波検出要素10、第1調波検出要素9
のそれぞれに送出される。
【0005】差電流検出要素8では入力電流I1 とI2
の差電流の絶対値と電流値の比率値が求められる。
【0006】基本波検出要素10、第2調波検出要素9で
はディジタルフィルタ処理されてそれぞれの周波数成分
の電流値1f,2fが求められる。
【0007】差電流検出要素8、基本波検出要素10、第
2調波検出要素9のそれぞれの演算処理は一定周期毎に
実行されその結果(演算値)が差電流動作判定要素11、
2f動作判定要素12にそれぞれ送出される。
【0008】差電流動作判定要素11では、予め設定され
た設定値記憶要素13からの設定データと差電流検出要素
8からの差電流データ及び比率データとの比較演算を行
ない差電流値、比率値の両者が共にそれぞれの設定値よ
りも大きい時動作出力を出力判定要素14へ送出する。2
f動作判定要素12では基本波検出要素10、第2調波検出
要素9で検出された入力電流I1 ,I2 のそれぞれに含
まれる、それぞれの周波数成分の電流値の比率を演算し
て、基本波に対する第2調波の含有率を求め、この第2
調波の含有率が予め設定された一定の値を越えた時(2
f/1f≧K)動作出力を出力判定要素14へ送出する。
【0009】出力判定要素14では前記の差電流動作判定
要素11から動作出力があり、2f動作判定要素12から動
作出力が無い時に比率差動保護継電装置との出力を実行
するように構成されている。
【0010】つまり入力電流に含まれる第2調波の成分
が一定値を越えている時は出力を抑えるように作用させ
ることによって電源側のしゃ断器3を投入して電源を変
圧器1に印加した時、変圧器1の鉄芯飽和による変圧器
の電源側にのみ励磁突入電流が流れて差電流検出要素が
動作しても励磁突入電流に多く含まれる第2高調波の成
分によって、比率差動保護継電装置の誤動作を防止する
ことを目的としている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで前述の変圧器
励磁突入電流とこの電流に含まれる基本波及び第2高調
波は時間の経過とともに減衰するが、一定の含有率を維
持したまま減衰するわけではなく、通常、時間の経過と
ともに第2高調波の含有率も低下する。従って差電流値
が動作設定値以下となる前に第2高調波の含有率が早く
検出値以下に減衰すると比率差動保護継電装置の動作出
力の抑止が作用できなくなって誤動作する危険をはらん
でおり実際に誤動作した実例もある。
【0012】つぎに図6の変圧器励磁突入電流の減衰チ
ャート図を用いて従来回路の問題を説明する。
【0013】図6において(a)は変圧器に電源を印加
した時に流れる励磁突入電流の減衰チャートであり時間
tの経過とともに電流が破線の様に減衰することを示し
ている。
【0014】(b)は変圧器に電源印加した時流れる励
磁突入電流によって演算される入力電流I1 とI2 の差
電流の減衰チャートであり(a)と同一時系列で示され
ており励磁突入電流は変圧器の電圧印加側の一方(I1
又はI2 )にのみ流れるのでその全てが差電流(ΔI)
となる。
【0015】又、この励磁突入電流は変圧器定格電流の
8〜10倍にも及ぶ大電流が流れる。
【0016】一方、差電流(ΔI)動作設定値は通常変
圧器定格電流の30%程度が一般的であり、変圧器に電圧
印加した時点からta までの間差電流(ΔI)要素が動
作することを示している。
【0017】(c)は変圧器励磁突入電流に含まれる基
本波(1f)に対する第2高調波(2f)の含有率の減
衰チャートを示しており(a)と同一時系列で表わされ
ている。又、この2f含有率が変圧器に電圧印加して突
入電流が流れてからtB 後に2f含有率の検出値以下と
なることを示している。
【0018】ブロック構成図で説明した様に比率差動保
護継電装置は差電流(ΔI)要素が動作して、第2調波
(2f)検出要素が動作していない時に出力するように
構成されているがかかる構成によると図6の(b),
(c)で示すように2f含有率検出が早く復帰するよう
な場合には(d)で示すta −tb の時間幅だけ動作出
力が行なわれる。
【0019】この様に、変圧器に電圧を印加した通常の
状態において誤動作して、運転中の設備を全停止させる
危険をはらんでいる。
【0020】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、変圧器投入時の励磁突入電流による誤
動作を生じることなく高速度に検出できる比率差動保護
継電装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の比率作動保護継
電装置は、変圧器の一次入力電流及び二次入力電流の間
の差電流を求め、差電流が設定値以上であることを検出
する差電流検出手段と、一次入力電流及び二次入力電流
に含まれた基本波成分の値を求める基本波検出手段およ
び一次入力電流及び二次入力電流に含まれた第2高調波
成分の値を求める第2高調波検出手段と、これら検出手
段の検出値から基本波に対する第2高調波の比を求め、
この比が予め定めた設定値以上であると出力を生じる第
2高調波動作判定手段と、第2高調波動作判定手段から
の出力を記憶し、差電流検出手段の動作信号が消滅した
ことによりこの記憶を解除する第2高調波動作記憶手段
と、差電流検出手段の動作時に第2高調波動作記憶手段
が記憶状態の場合は無事故状態と判定する出力判定手段
と、を具備したことを特徴とする。また、請求項2に記
載した比率作動保護継電装置は、所定周期で求めた変圧
器の一次入力電流及び二次入力電流の間の差電流を順次
記憶し、先回求めた先回差電流値と今回差電流値との比
較演算を行い、差電流値が増加したことを判定して出力
を生じる差電流増加検出手段を有し、第2高調波動作記
憶手段として、差電流増加検出手段の出力によっても記
憶を解除する構成であることを特徴とする。また、請求
項3に記載した比率作動保護継電装置は、変圧器の一次
入力電流及び二次入力電流の間の差電流を求め、差電流
が設定値以上であることを検出する差電流検出手段と、
一次入力電流及び二次入力電流に含まれた基本波成分の
値を求める基本波検出手段および一次入力電流及び二次
入力電流に含まれた第2高調波成分の値を求める第2高
調波検出手段と、これら検出手段の検出値から基本波に
対する第2高調波の比を求め、この比が予め定めた設定
値以上であると出力を生じる第2高調波動作判定手段
と、第2高調波動作判定手段からの動作信号の復帰を予
め定めた時間だけ遅延させるオフディレー手段と、差電
流検出手段の動作時、上記オフディレー手段が、ディレ
ー中の場合は、無事故状態と判定する出力判定手段と、
を具備したことを特徴とする。
【0022】
【作用】本発明の比率作動保護継電装置においては、変
圧器の一次入力電流及び二次入力電流の間の差電流を求
め、差電流が設定値以上であることを検出し、一次入力
電流及び二次入力電流に含まれた基本波成分の値を求
め、一次入力電流及び二次入力電流に含まれた第2高調
波成分の値を求め、これらの検出値から基本波に対する
第2高調波の比め求め、この比が予め定めた設定値以上
であると出力を生じさせ、第2高調波動作判定手段から
の出力を記憶し、差電流検出手段の動作信号が消滅した
ことによりこの記憶を解除し、差電流検出手段の動作時
に第2高調波動作記憶手段が記憶状態の場合は無事故状
態と判定する。また、請求項2に記載した比率作動保護
継電装置においては、所定周期で求めた変圧器の一次入
力電流及び二次入力電流の間の差電流を順次記憶し、先
回求めた先回差電流値と今回差電流値との比較演算を行
い、差電流値が増加したことを判定して出力を生じさ
せ、第2高調波動作記憶手段として、差電流増加検出手
段の出力によっても記憶を解除する。また、請求項3に
記載した比率作動保護継電装置においては、変圧器の一
次入力電流及び二次入力電流の間の差電流を求め、差電
流が設定値以上であることを検出し、一次入力電流及び
二次入力電流に含まれた基本波成分の値を求め、一次入
力電流及び二次入力電流に含まれた第2高調波成分の値
を求め、これらの検出値から基本波に対する第2高調波
の比を求め、この比が予め定めた設定値以上であると出
力を生じさせ、第2高調波動作判定手段からの動作信号
の復帰を予め定めた時間だけ遅延させ、差電流検出手段
の動作時、上記オフディレー手段が、ディレー中の場合
は、無事故状態と判定する。
【0023】
【実施例】次に本発明の比率作動保護継電装置の一実施
例を説明する。図1において、8は変圧器の一次入力電
流及び二次入力電流の間の差電流と差電流比率を求め、
差電流と高電流比率がそれぞれ共に設定値以上であるこ
とを検出する差電流検出手段、10は一次入力電流及び二
次入力電流に含まれた基本波成分の値を求める基本波検
出手段、9は一次入力電流及び二次入力電流に含まれた
第2高調波成分の値を求める第2高調波検出手段、12は
基本波検出手段10及び第2高調波検出手段9のそれぞれ
で求められた値から基本波に対する第2高調波の比を求
めて、この比が予め定めた設定値以上であることを検出
する第2高調波動作判定手段、15は第2高調波動作判定
手段12からの出力を記憶してこの記憶を差電流検出手段
9および第2高調波動作判定手段12の双方の動作信号が
共に消滅した時に再設定する第2高調波動作記憶手段、
14は差電流検出手段8が動作していて第2高調波動作記
憶手段15の動作が消滅している時に動作信号を出力する
出力判定手段であり、また、図2は請求項2に記載した
比率作動保護継電装置の構成図を示し、16は変圧器の一
次入力電流及び二次入力電流の間の差電流を記憶し、先
回求めた先回差電流値と今回求めた今回差電流値の比較
演算を行なって差電流値が増加したことを判定する差電
流増加検出手段、15aは第2高調波動作判定手段12の動
作信号が消滅していて、且つ、差電流検出手段11の動作
信号が出力されている時、または差電流増加検出手段16
が動作した場合に、動作記憶を解除する第2高調波動作
記憶解除機能である。図3は請求項3に記載した比率作
動保護継電装置の構成図を示し、17は第2高調波動作判
定手段からの動作信号の復帰を予め定めた時間だけ遅延
させる第2高調波動作検出オフディレー手段である。
【0024】即ち、本実施例は、変圧器一次二次入力電
流間の差電流とその比率を求め、この差電流及び差電流
比率がともに設定値以上になった時動作する差電流検出
手段8と、一次二次入力電流に含まれる基本波成分の値
を求める基本波検出手段10と第2高調波成分の値を求め
る第2高調波検出手段9と、これら基本波検出手段10と
第2高調波検出手段9で求められた値から第2高調波の
基本波に対する含有率を求め、この第2高調波の含有率
が一定値以上になった時動作する第2高調波動作判定手
段と、この第2高調波動作判定手段12の動作を差電流検
出手段8が復帰するまで記憶する第2高調波動作記憶手
段15と、差電流検出手段8が動作していて、第2高調波
動作記憶手段15が復帰(動作していない時)している時
当該比率差動保護継電装置の動作出力を送出する出力判
定手段14とから構成されたことを特徴とし、請求項2の
実施例は、変圧器一次二次入力電流間の差電流を求めこ
の値を記憶し、前回求めた差電流に対し、今回求めた差
電流が増加したことを検出する差電流増加検出手段16を
加え、さらに第2調波動作記憶手段15の動作記憶を差電
流検出手段が復帰するか又は、差電流増加検出手段が動
作するまで継続させるように構成することを特徴として
おり、請求項3の実施例は第2高調波動作記憶手段15の
代わりに第2高調波動作出力オフディレー手段17を設
け、第2高調波検出手段9からの動作出力の復帰を一定
時間遅延させるように構成することを特徴としている。
【0025】以上のような構成としたので、変圧器励磁
突入電流に一定値以上の第2高調波が含まれていること
を検出して、この第2高調波検出信号を記憶し、記憶さ
れたこの第2高調波検出信号は差電流値が動作差電流設
定値以下となった時に記憶解除を行ない、この記憶があ
る場合は比率差動保護継電装置の動作を阻止する。
【0026】この様に構成すれば変圧器励磁突入電流の
差電流値と第2調波含有率の減衰特性が異なって第2高
調波含有率の方が早く検出値以下となった場合でも比率
差動保護継電装置の誤動作を防止することが出来る。
【0027】また、請求項2の実施例では、変圧器励磁
突入電流に一定値以上の第2高調波が含まれていること
を検出しこの検出信号を記憶し、一定周期毎にサンプリ
ングされた差電流値を格納して先回差電流値と今回の差
電流値を比較し、先回値に対し今回値の差電流検出値が
一定値以上増加した場合前記第2高調波検出記憶を解除
する。さらに請求項1と同様に差電流値が動作差電流設
定値以下となった場合も第2高調波検出記憶を解除す
る。
【0028】この様に構成すれば通常の励磁突入電流に
は前記請求項1と同様にして、第2高調波含有率の方が
早く検出値以下となった場合には比率差動保護継電装置
の誤動作を防止出来て、動作出力阻止中に新たに事故が
発生し差電流が増加し、第2高調波の含有率が検出値を
下廻っている場合、速やかに第2高調波検出記憶が解除
されるので変圧器に電圧印加した直後の事故にも応動す
ることが可能となる。
【0029】また、他の実施例では、変圧器励磁突入電
流に一定値以上の第2高調波が含まれていることを検出
し、この検出信号の復帰に一定時間の延遅を持たせる。
又、上記検出信号により差電流検出が行なわれていても
比率差動保護継電装置の動作出力の送出を阻止するよう
に構成する。この様に構成すれば通常の変圧器励磁突入
電流の減衰過渡において差電流検出の動作復帰以前に第
2高調波含有率検出が復帰しても前記復帰遅延時間によ
り比率差動保護継電装置の誤動作を防止することが可能
である。
【0030】図1は本発明の一実施例の比率差動保護継
電装置18のブロック構成図であり、図4に示す電力系統
における比率差動保護継電装置6の代りに適用され、電
力系統の説明は従来技術の図4の説明と同様である。
【0031】又、図5の従来の比率差動保護継電装置6
と同一番号を付した要素は同様手段で同様に作用するも
のである。
【0032】図1の比率差動保護継電装置18は図4の変
圧器1の一次側と2次側の計器用変流器2,4の二次に
接続されその2次電流I1 ,I2 が比率差動保護継電装
置18に取り込まれている。
【0033】各入力電流I1 ,I2 はアナログ/ディジ
タル変換要素7でディジタル値に変換され、一定周期毎
にサンプリングされて差電流(ΔI)検出要素8、基本
波(1f)検出要素10、第2高調波(2f)検出要素9
のそれぞれでサンプリングデータが読み込まれる。
【0034】差電流(ΔI)検出要素8では一定サンプ
リング周期毎に入力電流I1 とI2の差電流の絶対値と
差電流比率が求められ、その演算結果のデータが差電流
(ΔI)動作判定要素11に読み込まれる。
【0035】基本波(1f)検出要素10、第2高調波
(2f)検出要素9では一定サンプリング周期毎にそれ
ぞれディジタルフィルタ処理されて、それぞれの周波数
成分の電流値1f,2fが求められ、その演算結果が2
f動作判定要素12に読み込まれる。
【0036】差電流(ΔI)動作判定要素11では、一定
サンプリング周期毎に予め設定された設定値記憶要素13
からの設定データと前記差電流(ΔI)検出要素8から
の差電流(ΔI)データと差電流比率データとの比較演
算を実行して差電流(Δ)値、および差電流比率値の両
者が共にそれぞれの設定値よりも大きい時、差電流(Δ
I)動作出力を出力判定要素14と2f動作記憶要素15へ
送出する。
【0037】2f動作判定要素12では、一定サンプリン
グ周期毎に基本波(1f)検出要素10、第2高調波(2
f)検出要素9で求められた、入力電流I1 ,I2 のそ
れぞれに含まれるそれぞれの周波数成分のデータを読み
込み、基本波(1f)に対する第2高調波(2f)の含
有率を演算し、この演算結果2f/1fが予め設定され
た値Kを越えた時(2f/1f≧K)、2f検出動作出
力を2f動作記憶要素15に送出する。
【0038】2f動作記憶要素15では一定サンプリング
周期毎に前記差電流(ΔI)動作判定要素11及び2f動
作判定要素12のそれぞれの判定結果を読み込み、2f動
作判定要素12の動作出力使を記憶する。又、この記憶は
2f動作判定要素12の動作出力と差電流(ΔI)動作判
定要素11とが共にオフした時消去される。尚、この記憶
データは出力判定要素14へ送出される。
【0039】出力判定要素14では一定周期毎に前記差電
流(ΔI)動作判定要素11と2f動作記憶要素15の動作
出力を読み込み、差電流(ΔI)動作判定要素11が動作
していて2f動作記憶要素15の動作記憶が無い場合に当
該比率差動保護継電装置の動作信号を出力する。
【0040】つまり入力電流に第2高調波が一定値以上
含入されている場合は、事故では無く、変圧器に電圧を
印加した時通常流れる励磁突入電流であると判定し当該
比率差動保護継電装置の動作信号の出力を阻止するもの
で、この励磁突入電流の減衰過渡において差電流動作値
を越えた状態で先に第2高調波の含有率の方が早く検出
値以下となっても、2f動作記憶の継続により当該比率
差動保護継電装置からの誤出力を阻止できるようにな
り、電力系統の電源供給安定化の向上を達成できるもの
である。
【0041】図2は本発明の他の実施例の比率差動保護
継電装置19のブロック構成図であり、図4に示す電力系
統における比率差動保護継電装置6の代りに適用され、
電力系統の説明は、従来技術の図4の説明と同様であ
る。
【0042】又、図5の従来の比率差動保護継電装置6
と同一番号を付した要素は同様手段で同様に作用するも
のである。
【0043】図2の比率差動保護継電装置19は図4の変
圧器1の一次側と2次側の計器用変流器2,4の二次に
接続され、その2次電流I1 ,I2 が比率差動保護継電
装置19に取り込まれている。
【0044】各入力電流I1 ,I2 はアナログ/ディジ
タル変換要素7でディジタル値に変換され、一定周期毎
にサンプリングされて差電流(ΔI)検出要素8、基本
波(1f)検出要素10、第2高調波(2f)検出要素9
及び差電流(ΔI)急増検出要素16のそれぞれでサンプ
リングデータが読み込まれる。
【0045】差電流(ΔI)検出要素8では一定サンプ
リング周期毎に入力電流I1 とI2の差電流の絶対値と
差電流比率が求められ、その演算結果のデータが差電流
(ΔI)動作判定要素11に読み込まれる。
【0046】基本波(1f)検出要素10、第2高調波
(2f)検出要素9では一定サンプリング周期毎にそれ
ぞれディジタルフィルタ処理されて、それぞれの周波数
成分の電流値1f,2fが求められ、その演算結果が2
f動作判定要素12に読み込まれる。
【0047】差電流(ΔI)動作判定要素11では、一定
サンプリング周期毎に予め設定された設定値記憶要素13
からの設定データと前記差電流(ΔI)検出要素8から
の差電流(ΔI)データと差電流比率データとの比較演
算を実行して、差電流(Δ)値、および差電流比率値の
両者が共にそれぞれの設定値よりも大きい時、差電流
(ΔI)動作出力を出力判定要素14と2f動作記憶要素
15へ送出する。
【0048】2f動作判定要素12では、一定サンプリン
グ周期毎に基本波(1f)検出要素10、第2高調波(2
f)検出要素9で求められた、入力電流I1 ,I2 のそ
れぞれに含まれるそれぞれの周波数成分のデータを読み
込み、基本波(1f)に対する第2高調波(2f)の含
有率を演算し、この演算結果2f/1fが予め設定され
た値Kを越えた時(2f/1f≧K)、2f検出動作出
力を2f動作記憶要素15に送出する。
【0049】差電流(ΔI)急増検出要素16では一定サ
ンプリング周期毎に入力電流I1 ,I2 の差電流の絶対
値が求められ、このデータを一担記憶し、さらに先回の
演算データと今回の演算データとの比較を行ない、今回
求められた差電流(ΔI)値の方が、先回求められた差
電流(ΔI)値よりも所定の値だけ大きい時、差電流
(ΔI)急増検出出力を2f動作記憶要素15へ送出す
る。
【0050】2f動作記憶要素15では一定サンプリング
周期毎に前記差電流(ΔI)動作判定要素11、及び2f
動作判定要素12さらにΔI急増検出要素16のそれぞれの
判定結果を読み込み、2f動作判定要素12の動作出力を
記憶する。又、この記憶は2f動作判定要素12動作出力
がオフしていて差電流(ΔI)動作判定要素11と差電流
(ΔI)急増検出要素16の動作出力とが共にオフしてい
る時消去される。尚、この記憶データは出力判定要素14
へ送出される。
【0051】出力判定要素14では一定周期毎に前記差電
流(ΔI)動作判定要素11と2f動作記憶要素15の動作
出力を読み込み、差電流(ΔI)動作判定要素11が動作
していて2f動作記憶要素15の動作記憶が無い場合に当
該比率差動保護継電装置の動作信号を出力する。
【0052】つまり入力電流に第2高調波が一定値以上
含入されている場合は、事故では無く変圧器に電圧を印
加した時通常流れる励磁突入電流であると判定し当該比
率差動保護継電装置の動作信号の出力を阻止するもの
で、この励磁突入電流の減衰過渡において差電流動作値
を越えた状態で先に第2高調波の含有率の方が早く検出
値以下となっても、2f動作記憶の継続により当該比率
差動保護継電装置からの誤出力を阻止できるようにな
り、電力系統の電源供給安定化の向上を達成できるもの
であることと変圧器に電圧を印加した直後に短絡事故が
発生した場合には即座に2f動作記憶を解除して当該比
率差動保護継電装置の動作信号を得ることが可能となり
より信頼度の高い継電装置を提供することが可能とな
る。
【0053】図3は本発明の他の実施例の比率差動保護
継電装置20のブロック構成図であり、図4に示す電力系
統における比率差動保護継電装置6の代りに適用され、
電力系統の説明は、従来技術の図4の説明と同様であ
る。
【0054】又、図5の従来の比率差動保護継電装置6
と同一番号を付した要素は同様手段で同様に作用するも
のである。
【0055】図3の比率差動保護継電装置20は図4の変
圧器1の一次側と2次側の計器用変流器2,4の二次に
接続され、その2次電流I1 ,I2 が比率差動保護継電
装置に取り込まれている。
【0056】各入力電流I1 ,I2 はアナログ/ディジ
タル変換要素7でディジタル値に変換され、一定周期毎
にサンプリングされて差電流(ΔI)検出要素8、基本
波(1f)検出要素10、第2高調波(2f)検出要素9
のそれぞれでサンプリングデータが読み込まれる。
【0057】差電流(ΔI)検出要素8では一定サンプ
リング周期毎に入力電流I1 とI2の差電流の絶対値と
差電流比率が求められ、その演算結果のデータが差電流
(ΔI)動作判定要素11に読み込まれる。
【0058】基本波(1f)検出要素10、第2高調波
(2f)検出要素9では一定サンプリング周期毎にそれ
ぞれディジタルフィルタ処理されて、それぞれの周波数
成分の電流値1f,2fが求められ、その演算結果が2
f動作判定要素12に読み込まれる。
【0059】差電流(ΔI)動作判定要素11では、一定
サンプリング周期毎に予め設定された設定値記憶要素13
からの設定データと前記差電流(ΔI)検出要素8から
の差電流(ΔI)データと差電流比率データとの比較演
算を実行して、差電流(Δ)値、および差電流比率値の
両者が共にそれぞれの設定値よりも大きい時、差電流
(ΔI)動作出力を出力判定要素14へ送出する。
【0060】2f動作判定要素12では、一定サンプリン
グ周期毎に基本波(1f)検出要素10、第2高調波(2
f)検出要素9で求められた、入力電流I1 ,I2 のそ
れぞれに含まれるそれぞれの周波数成分のデータを読み
込み、基本波(1f)に対する第2高調波(2f)の含
有率を演算し、この演算結果2f/1fが予め設定され
た値Kを越えた時(2f/1f≧K)、2f検出動作出
力を2fオフディレー処理要素17へ送出する。
【0061】2fオフディレー処理要素17では一定周期
毎に前記2f動作判定要素12の動作出力を監視し、2f
動作判定要素12が動作している場合は2fオフディレー
処理要素17の動作出力を出力判定要素14へ送出する。
【0062】又、2f動作判定要素12の動作出力がON
からOFFに変化した場合は所定の時間だけ遅延させた
後に出力判定要素14へ送出していた2fオフディレー処
理要素17の出力をオフさせるものである。
【0063】出力判定要素14では一定周期毎に前記差電
流(ΔI)動作判定要素11と2f動作記憶要素15の動作
出力を読み込み、差電流(ΔI)動作判定要素11が動作
していて2fオフディレー処理要素17の動作出力がオフ
している時のみ、当該比率差動保護継電装置の動作信号
を出力する。
【0064】尚、図6において、61は差電流要素動作範
囲、62は動作設定値、63は2f含有率検出範囲、64は検
出設定値、65は出力である。
【0065】
【発明の効果】本発明により、入力電流に第2高調波が
一定値以上含入されている場合は、事故では無く変圧器
に電圧を印加した時通常流れる励磁突入電流であると判
定し、当該比率差動保護継電装置の動作信号の出力を阻
止するもので、この励磁突入電流の減衰過渡において差
電流動作値を越えた状態で先に第2高調波の含有率の方
が早く検出値以下となっても、2f動作信号の復帰を所
定時間だけ遅延させることにより当該比率差動保護継電
装置からの誤出力を阻止できるようになり、電力系統の
電源供給安定化の向上を達成できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の比率差動保護継電装置の一実施例を示
すブロック構成図である。
【図2】本発明の比率差動保護継電装置の他の実施例を
示すブロック構成図である。
【図3】本発明の比率差動保護継電装置の他の実施例を
示すブロック構成図である。
【図4】従来の電力系統及び本発明の比率差動保護継電
装置が適用される電力系統構成図である。
【図5】図4の従来の比率差動保護継電装置のブロック
構成図である。
【図6】図5の従来の比率差動保護継電装置の動作を説
明するためのチャート図及び変圧器励磁突入電流の減衰
チャート図である。
【符号の説明】
7…アナログ/ディジタル変換要素 8…差電流(ΔI)検出要素 9…第2高調波検出要素 10…基本波検出要素 11…差電流(ΔI)動作判定要素 12…第2高調波動作判定要素 13…動作値記憶要素 14…出力判定要素 15…第2高調波動作記憶要素 16…差電流(ΔI)急増検出要素 17…2fオフディレー処理要素
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−67718(JP,A) 特開 平3−128620(JP,A) 特開 平3−245724(JP,A) 特開 昭64−8824(JP,A) 特開 昭63−234830(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02H 7/04 - 7/055

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変圧器の一次入力電流及び二次入力電流
    の間の差電流を求め、前記差電流が設定値以上であるこ
    とを検出する差電流検出手段と、 前記一次入力電流及ぴ二次人力電流に含まれた基本波成
    分の値を求める基本波検出手段および前記一次入力電流
    及び二次人力電流に含まれた第2高調波成分の値を求め
    る第2高調波検出手段と、 これら検出手段の検出値から基本波に対する第2高調波
    の比を求め、この比が予め定めた設定値以上であると出
    力を生じる第2高調波動作判定手段と、 この第2高調波動作判定手段からの出力を記憶し、前記
    差電流検出手段の動作信号が消滅したことによりこの記
    憶を解除する第2高調波動作記憶手段と、 前記差電流検出手段の動作時に前記第2高調波動作記憶
    手段が記憶状態の場合は無事故状態と判定する出力判定
    手段と、 を具備してなる比率作動保護継電装置。
  2. 【請求項2】 所定同期で求めた変圧器の一次入力電流
    及び二次入力電流の間の差電流を順次記憶し、先回求め
    た先回差電流値と今回差電流値との比較演算を行い、差
    電流値が増加したことを判定して出力を生じる差電流増
    加検出手段を有し、第2高調波動作記憶手段として、前
    記差電流増加検出手段の出力によっても記憶を解除する
    構成であることを特徴とする請求項1に記載した比率作
    動保護継電装置。
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CN113219245A (zh) * 2021-03-26 2021-08-06 南京南瑞继保电气有限公司 宽频谐波检测方法及装置
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