JP2011078293A - 断線保護継電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】地絡過電流継電器を設置する必要なく断線事故から平衡三相交流回路を保護することができる断線保護継電装置を提供する。
【解決手段】短絡事故や地絡事故が伴わない断線事故から平衡2回線送電線を保護するための第1の断線保護継電装置101は、平衡2回線送電線を構成する第1および第2の送電線1L,2LのR相、S相およびT相を流れる第1および第2のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1,IR2,IS2,IT2の電流変化量ΔIR1,ΔIS1,ΔIT1,ΔIR2,ΔIS2,ΔIT2に基づいて断線回線を判定するための電流変化量算出部14およびリレー演算処理部15を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、断線保護継電装置に関し、特に、短絡事故や地絡事故が伴わない断線事故から平衡三相交流回路を保護するために好適な断線保護継電装置に関する。
従来、短絡事故や地絡事故が伴わない断線事故から平衡2回線送電線(平衡三相交流回路の一つ)を保護するために、平衡2回線送電線を構成する2つの送電線の送電端側および受電端側に4つの地絡過電流継電器をそれぞれ設置して、4つの地絡過電流継電器によって各送電線の零相電流を検出することにより、断線回線(断線回路)の回線停止をしている。
また、下記の特許文献1に開示された保護継電器では、断線事故により断線回線ばかりでなく健全回線(健全回路)も遮断されることを防止するために、断線回線および健全回線を流れる正相電流の大きさの違いに着目して健全回線の回線停止を抑止するようにしている。
たとえば、図7に×印で示すように平衡2回線送電線を構成する第1および第2の送電線1L,2Lのうち第1の送電線1LのR相で断線事故が発生すると、平衡2回線送電線の送電端側(電源1側)では、第1の送電線1LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第1のR相、S相およびT相変流器3R1,3S1,3T1の残留回路(3次回路)から第1の地絡過電流継電器(51G)1111に入力される第1の零相電流I01が整定値以上になるため、第1の地絡過電流継電器(51G)1111が動作するとともに、第2の送電線2LのR相、S相およびT相にそれぞれ設置された第2のR相、S相およびT相変流器3R2,3S2,3T2の残留回路から第2の地絡過電流継電器1112に入力される第2の零相電流I02が整定値以上になるため、第2の地絡過電流継電器1112が動作する。
しかし、第1のR相、S相およびT相変流器3R1,3S1,3T1から第1の正相電流検出継電器1121にそれぞれ入力される第1のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1から演算処理で求められる第1の正相電流は、第2のR相、S相およびT相変流器3R2,3S2,3T2から第1の正相電流検出継電器1121にそれぞれ入力される第2のR相、S相およびT相電流IR2,IS2,IT2から演算処理で求められる第2の正相電流よりも小さくなるため、第1の正相電流検出継電器1121は、第1の送電線1Lを断線回線と判定して、第1の送電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置されている第1のR相、S相およびT相遮断器4R1,4S1,4T1に第1のトリップ信号T1を出力して第1のR相、S相およびT相遮断器4R1,4S1,4T1を一括遮断(開放)するが、第2の送電線のR相、S相およびT相にそれぞれ設置されている第2のR相、S相およびT相遮断器4R2,4S2,4T2に第2のトリップ信号T2が出力されて第2のR相、S相およびT相遮断器4R2,4S2,4T2が一括遮断されることを抑止する。
なお、下記の特許文献2に開示された断線検出回路では、平衡2回線送電線を構成する第1および第2の送電線に正相電流抽出継電器および逆相電流抽出継電器を設け、正相電流抽出継電器および逆相電流抽出継電器から入力される正相電流および逆相電流のベクトルを比較して断線回線を判定させる選択遮断回路を設けることにより、断線事故時に断線回線選択能力を持ち、断線回線のみ遮断停止させて負荷供給に支障を来たさないようにしている。
実開平5−18237号公報 実開平5−55731号公報
しかしながら、上述したような断線事故時の零相電流を検出する保護方式では、地絡過電流継電器(図7に示す第1乃至第4の地絡過電流継電器1111〜1114)を設置する必要があるという問題や、地絡事故との判別ができないという問題がある。
また、正相電流を求めるための演算処理が必要である(上記の特許文献2に開示された断線検出回路では、逆相電流を求めるための演算処理も必要である。)という問題もある。
さらに、平衡2回線送電線に不平衡電流が流れている場合には、零相電流が常時発生するため、地絡過電流継電器の検出感度を低下させなければならないので、断線事故時の検出感度が低下するという問題がある。
本発明の目的は、地絡過電流継電器の設置および正相電流や逆相電流を求めるための演算処理を必要とすることなく断線事故から平衡三相交流回路を保護することができる断線保護継電装置を提供することにある。
本発明の断線保護継電装置は、短絡事故や地絡事故が伴わない断線事故から平衡三相交流回路を保護するための断線保護継電装置(101,102)であって、前記平衡三相交流回路を構成する第1および第2の回路(1L,2L)の各相を流れる第1および第2の相電流(IR1,IS1,IT1,IR2,IS2,IT2)の電流変化量(ΔIR1,ΔIS1,ΔIT1,ΔIR2,ΔIS2,ΔIT2)に基づいて断線回路を判定する断線回路判定手段(14,15)を具備することを特徴とする。
前記断線回路判定手段が、前記第1の相電流が減少し前記第2の相電流が増加するとともに、該第1の相電流の電流変化量が該第2の相電流の電流変化量に所定の裕度(β)を掛けた値の範囲内にある場合には、前記第1の回路で断線事故が発生したと判定し、一方、前記第2の相電流が減少し前記第1の相電流が増加するとともに、該第2の相電流の電流変化量が該第1の相電流の電流変化量に前記裕度を掛けた値の範囲内にある場合には、前記第2の回路で断線事故が発生したと判定してもよい。
前記断線回路判定手段が、前記第1の回路の各相のうち1つの相の第1の相電流だけが減少するとともに、該1つの相の第1の相電流の電流変化量が前記第2の回路の該1つの相の第2の相電流の電流変化量に前記裕度を掛けた値の範囲内にある場合には、該第1の回路の該1つの相で断線事故が発生したと判定してもよい。
前記断線回路判定手段が、前記第1の回路の各相のうち2つの相の第1の相電流だけが減少するとともに、該2つの相の第1の相電流の電流変化量が前記第2の回路の該2つの相の第2の相電流の電流変化量に前記裕度を掛けた値の範囲内にそれぞれある場合には、該第1の回路の該2つの相で断線事故が発生したと判定してもよい。
本発明の断線保護継電装置は、平衡三相交流回路を構成する第1および第2の回路の各相を流れる相電流の電流変化量に基づいて断線回路を判定するため、以下に示す効果を奏する。
(1)零相電流を検出する必要がないので、平衡三相交流回路に地絡過電流継電器を設置する必要がない。
(2)正相電流や逆相電流を求める必要がないので、そのための演算処理も必要ない。
(3)平衡三相交流回路に不平衡電流が流れてもその影響を受けないので、検出感度を低下させることなく断線回路のみを確実に検出することができる。
本発明の一実施例による第1および第2の断線保護継電装置101,102を平衡2回線送電線に設置した状態を示す図である。 図1に示した第1の断線保護継電装置101の構成を示すブロック図である。 図2に示したリレー演算処理部15における第1の送電線1Lに対する断線回線判定処理について説明するためのフローチャートである。 図2に示したリレー演算処理部15における第1の送電線1Lに対する断線回線判定処理について説明するためのフローチャートである。 図2に示したリレー演算処理部15における第1の送電線1Lに対する断線回線判定処理の具体例について説明するための各相電流のベクトル図である。 図2に示したリレー演算処理部15における第1の送電線1Lに対する断線回線判定処理の具体例について説明するための各相電流のベクトル図である。 地絡過電流継電器を用いた平衡2回線送電線における断線事故検出方法の一従来例について説明するための図である。
上記の目的を、平衡三相交流回路を構成する第1および第2の回路の各相を流れる第1および第2の相電流の電流変化量に基づいて断線回路を判定することにより実現した。
以下、本発明の断線保護継電装置の実施例について図面を参照して説明する。
なお、以下の説明では、
(1)正常時の第1のR相、S相およびT相電流IR1’,IS1’,IT1’(正常時の第2のR相、S相およびT相電流IR2’,IS2’,IT2’)の大きさを基準(=1)とする。
(2)第1のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1の正常時の第1のR相、S相およびT相電流IR1’,IS1’,IT1’に対する電流変化量をΔIR1(=|IR1|−|IR1’|),ΔIS1(=|IS1|−|IS1’|)およびΔIT1(=|IT1|−|IT1’|)とし、第2のR相、S相およびT相電流IR2,IS2,IT2の正常時の第2のR相、S相およびT相電流IR2’,IS2’,IT2’に対する電流変化量をΔIR2(=|IR2|−|IR2’|),ΔIS2(=|IS2|−|IS2’|)およびΔIT2(=|IT2|−|IT2’|)とする。
(3)第1および第2の送電線1L,2Lの断線事故が発生した事故相Xを流れる相電流を第1および第2の事故相電流IX1,IX2とし、第1および第2の送電線1L,2Lの事故相Xに対して遅れ相Yを流れる相電流を第1および第2の遅れ相電流IY1,IY2とし、第1および第2の送電線1L,2Lの事故相Xに対して進み相Zを流れる相電流を第1および第2の進み相電流IZ1,IZ2とする。
(4)第1の事故相、遅れ相および進み相電流IX1,IY1,IZ1の正常時の第1の事故相、遅れ相および進み相電流IX1’,IY1’,IZ1’に対する電流変化量をΔIX1(=|IX1|−|IX1’|)、ΔIY1(=|IY1|−|IY1’|)およびΔIZ1(=|IZ1|−|IZ1’|)とし、第2の事故相、遅れ相および進み相電流IX2,IY2,IZ2の正常時の第2の事故相、遅れ相および進み相電流IX2’,IY2’,IZ2’に対する電流変化量をΔIX2(=|IX2|−|IX2’|)、ΔIY2(=|IY2|−|IY2’|)およびΔIZ2(=|IZ2|−|IZ2’|)とする。
(5)第1の裕度α=0.2とし、第2の裕度β=0.9〜1.1とする。
本発明の断線保護継電装置は、平衡三相交流回路における断線事故時には断線回路の電流は健全回路に流れ込んで、断線回路を流れる電流は減少し健全回路を流れる電流は増加するとともに、その電流変化量は同じになることに着目して、電流が減少した方の回路が断線回路であると判定することにより、地絡過電流継電器を用いることなく断線事故から平衡三相交流回路を保護することを特徴とする。
平衡三相交流回路が平衡2回線送電線である場合には、本発明の一実施例による第1および第2の断線保護継電装置101,102は、図1に示すように、平衡2回線送電線の送電端側および受電端側にそれぞれ設置される。
第1の断線保護継電装置101は、図2に示すように、入力変換器11と、アナログ入力部12と、メモリ13と、電流変化量算出部14と、リレー演算処理部15と、整定・表示部16と、入出力部17と、外部機器インターフェース部(外部機器I/F部)18とを具備する。
入力変換器11は、第1のR相、S相およびT相変流器3R1,3S1,3T1(図1参照)からそれぞれ入力される第1のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1および第2のR相、S相およびT相変流器3R2,3S2,3T2(図1参照)から入力される第2のR相、S相およびT相電流IR2,IS2,IT2のレベルをアナログ入力部12の処理に適したレベルに変換する。なお、説明の簡単のために、第1および第2のR相、S相およびT相変流器3R1,3S1,3T1,3R2,3S2,3T2の変流比は1:1とする。
アナログ入力部12は、バンドパスフィルタとサンプリングホールド回路とマルチプレクサ回路とアナログ/ディジタル変換器とを備え、入力変換器11から入力されるアナログの第1および第2のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1,IR2,IS2,IT2をディジタルの第1および第2のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1,IR2,IS2,IT2に変換する。
メモリ13は、アナログ入力部12によってディジタルデータに変換された第1および第2のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1,IR2,IS2,IT2を格納するためのものである。
電流変化量算出部14は、アナログ入力部12から入力される第1のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1の大きさからメモリ13に格納されている1サイクル前の第1のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1の大きさを引くことにより、第1のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1の電流変化量ΔIR1,ΔIS1,ΔIT1を算出するとともに、アナログ入力部12から入力される第2のR相、S相およびT相電流IR2,IS2,IT2の大きさからメモリ13に格納されている1サイクル前の第2のR相、S相およびT相電流IR2,IS2,IT2の大きさを引くことにより、第2のR相、S相およびT相電流IR2,IS2,IT2の電流変化量ΔIR2,ΔIS2,ΔIT2を算出する。
リレー演算処理部15は、アナログ入力部12から入力される第1および第2のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1,IR2,IS2,IT2と電流変化量算出部14によって算出された第1および第2のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1,IR2,IS2,IT2の電流変化量ΔIR1,ΔIS1,ΔIT1,ΔIR2,ΔIS2,ΔITとに基づいて後述する断線回線判定処理を行うことにより断線回線を判定し、断線回線(第1または第2の送電線1L,2L)の各相に設置された各相遮断器(第1のR相、S相およびT相遮断器4R1,4S1,4T1または第2のR相、S相およびT相遮断器4R2,4S2,4T2)を一括遮断するためのトリップ信号(第1のトリップ信号T1または第2のトリップ信号T2)を生成し、生成したトリップ信号を入出力部17および外部機器インターフェース部18を介して各相遮断器に送信する。
整定・表示部16は、リレー整定処理を行うとともに、整定値などを外部に表示する。
第2の断線保護継電装置102は、第1の断線保護継電装置101と同様に構成されているが、第1の送電線1Lの受電端側に設置された第2のR相、S相およびT相変流器3R3,3S3,3T3から入力される第2のR相、S相およびT相電流IR3,IS3,IT3と第2の送電線2Lの受電端側に設置された第4のR相、S相およびT相変流器3R4,3S4,3T4から入力される第4のR相、S相およびT相電流IR4,IS4,IT4とに基づいて動作する。
次に、第1の断線保護継電装置101のリレー演算処理部15における第1の送電線1Lに対する断線回線判定処理方法について、図3および図4に示すフローチャートを参照して説明する。
リレー演算処理部15は、第1の裕度α(=0.2)および第2の裕度β(=0.9〜1.1)を用いて、第1のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1の大きさが1サイクル前の第1のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1(すなわち、正常時の第1のR相、S相およびT相電流IR1’,IS1’,IT1’)の大きさの0.2倍未満のものがあるか否かを調べる(図3のステップS11)。
その結果、該当の相電流がある場合には、リレー演算処理部15は、該当の相を事故相Xとする。
ステップS11おける結果が“YES”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の遅れ相電流IY1の大きさが正常時の第1の遅れ相電流IY1’の大きさの0.2倍未満であるか否かを調べる(ステップS12)。
その結果が“YES”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の進み相電流IZ1の大きさが正常時の第1の進み相電流IZ1’の大きさの0.2倍未満であるか否かを調べる(ステップS13)。
その結果が“YES”である場合には、リレー演算処理部15は、第1のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1の大きさが全体的に減少したと判定して、断線事故なしと判定する。
一方、ステップS13における結果が“NO”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の進み相電流IZ1の大きさが正常時の第1の進み相電流IZ1’の大きさの0.9〜1.1倍の範囲内にあるか否かを調べる(ステップS14)。
その結果が“YES”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の事故相電流IX1の電流変化量ΔIX1が第2の事故相電流IX2の電流変化量ΔIX2の0.9〜1.1倍の範囲内にあるか否かを調べる(ステップS15)。
その結果が“YES”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の遅れ相電流IY1の電流変化量ΔIY1が第2の遅れ相電流IY2の電流変化量ΔIY2の0.9〜1.1倍の範囲内にあるか否かを調べる(ステップS16)。
その結果が“YES”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の送電線1Lの事故相Xおよび遅れ相Yで断線事故が発生したと判定する(ステップS17)。
また、ステップS12における結果が“NO”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の進み相電流IZ1の大きさが正常時の第1の進み相電流IZ1’の大きさの0.2倍未満であるか否かを調べる(図4のステップS21)。
その結果が“YES”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の遅れ相電流IY1の大きさが正常時の第1の遅れ相電流IY1’の大きさの0.9〜1.1倍の範囲内にあるか否かを調べる(ステップS22)。
その結果が“YES”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の事故相電流IX1の電流変化量ΔIX1が第2の事故相電流IX2の電流変化量ΔIX2の0.9〜1.1倍の範囲内にあるか否かを調べる(ステップS23)。
その結果が“YES”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の進み相電流IZ1の電流変化量ΔIZ1が第2の進み相電流IZ2の電流変化量ΔIZ2の0.9〜1.1倍の範囲内にあるか否かを調べる(ステップS24)。
その結果が“YES”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の送電線1Lの事故相Xおよび進み相Zで断線事故が発生したと判定する(ステップS25)。
また、ステップS21における結果が“NO”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の遅れ相電流IY1の大きさが正常時の第1の遅れ相電流IY1’の大きさの0.9〜1.1倍の範囲内にあるか否かを調べる(ステップS31)。
その結果が“YES”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の進み相電流IZ1の大きさが正常時の第1の進み相電流IZ1’の大きさの0.9〜1.1倍の範囲内にあるか否かを調べる(ステップS32)。
その結果が“YES”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の事故相電流IX1の電流変化量ΔIX1が第2の事故相電流IX2の電流変化量ΔIX2の0.9〜1.1倍の範囲内にあるか否かを調べる(ステップS33)。
その結果が“YES”である場合には、リレー演算処理部15は、第1の送電線1Lの事故相Xで断線事故が発生したと判定する(ステップS34)。
第1の断線保護継電装置101のリレー演算処理部15における第2の送電線2Lに対する断線回線判定処理方法も同様にして行われる。
次に、第1の断線保護継電装置101のリレー演算処理部15における第1の送電線1Lに対する断線回線判定処理の具体例について、図5および図6を参照して説明する。
(1)正常時の場合
正常時の第1のR相、S相およびT相電流IR1’,IS1’,IT1’は、図5(a−1)に示すように、大きさが同じで位相差が120°のものとなる。同様に、正常時の第2のR相、S相およびT相電流IR2’,IS2’,IT2’は、同図(a−2)に示すように、大きさが同じで位相差が120°のものとなる。
したがって、第1の送電線1Lにおいて断線事故が発生していない場合には、第1のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1の大きさは負荷に比例して変化するだけであるため、ステップS11〜S13の結果はすべて“YES”となる。
その結果、リレー演算処理部15は、断線事故なしと判定する。
(2)第1の送電線1LのR相断線時の場合
第1の送電線1LのR相で断線事故が発生すると、図5(b−1)に示すように、第1のR相電流IR1の大きさはΔIR1だけ減少し、第1のS相およびT相電流IS1,IT1は変化しない。また、同図(b−2)に示すように、第2のR相電流IR2の大きさはΔIR2だけ増加し、第2のS相およびT相電流IS2,IT2は変化しない。
ここで、第1のR相電流IR1の減少量ΔIR1(すなわち、電流変化量ΔIR1)と第2のR相電流IR2の増加量ΔIR2(すなわち、電流変化量ΔIR2)とは同じになる。
したがって、この断線事故により第1のR相電流IR1の大きさが正常時の第1のR相電流IR1’の大きさの0.2倍未満になると、図3のステップS11の結果が“YES”となるため、リレー演算処理部15は、R相、S相およびT相を事故相X、遅れ相Yおよび進み相Zとするとともに、第1のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1を第1の事故相、遅れ相および進み相電流IX1,IY1,IZ1として、ステップS12の処理を行う。
第1のS相電流IS1は変化しないため、ステップS12の結果は“NO”となるので、リレー演算処理部15は図4のステップS21の処理を行う。
第1のT相電流IT1も変化しないため、ステップS21の結果は“NO”となるので、リレー演算処理部15はステップS31の処理を行う。
第1のS相電流IS1は変化しないため、ステップS31の結果は“YES”となるので、リレー演算処理部15はステップS32の処理を行う。
第1のT相電流IT1も変化しないため、ステップS32の結果は“YES”となるので、リレー演算処理部15はステップS33の処理を行う。
第1のR相電流IR1の電流変化量ΔIR1と第2のR相電流IR2の電流変化量ΔIR2とは同じになるため、ステップS33の結果は“YES”となる。
その結果、リレー演算処理部15は、ステップS34の処理を行って、第1の送電線1LのR相で断線事故が発生したと判定する。
(3)第1の送電線1LのR相およびS相断線時の場合
第1の送電線1LのR相およびS相で断線事故が発生すると、図6(a)に示すように、第1のR相およびS相電流IR1,IS1の大きさはΔIR1およびΔIS1だけ減少し、第1のT相電流IT1は変化しない。また、同図(b)に示すように、第2のR相およびS相電流IR2,IS2の大きさはΔIR2およびΔIS2だけ増加し、第2のT相電流IT2は変化しない。
ここで、第1のR相電流IR1の減少量ΔIR1(すなわち、電流変化量ΔIR1)と第2のR相電流IR2の増加量ΔIR2(すなわち、電流変化量ΔIR2)とは同じになり、第1のS相電流IS1の減少量ΔIS1(すなわち、電流変化量ΔIS1)と第2のS相電流IS2の増加量ΔIS2(すなわち、電流変化量ΔIS2)とは同じになる。
したがって、この断線事故により第1のR相電流IR1の大きさが正常時の第1のR相電流IR1’の大きさの0.2倍未満になると、図3のステップS11の結果が“YES”となるため、リレー演算処理部15は、R相、S相およびT相を事故相X、遅れ相Yおよび進み相Zとするとともに、第1のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1を第1の事故相、遅れ相および進み相電流IX1,IY1,IZ1として、ステップS12の処理を行う。
この断線事故により第1のS相電流IS1の大きさが正常時の第1のS相電流IS1’の大きさの0.2倍未満になると、ステップS12の結果が“YES”となるため、リレー演算処理部15はステップS13の処理を行う。
第1のT相電流IT1は変化しないため、ステップS13の結果が“NO”となるため、リレー演算処理部15はステップS14の処理を行う。
第1のT相電流IT1は変化しないため、ステップS14の結果が“YES”となるため、リレー演算処理部15はステップS15の処理を行う。
第1のR相電流IR1の電流変化量ΔIR1と第2のR相電流IR2の電流変化量ΔIR2とは同じになるため、ステップS15の結果は“YES”となるので、リレー演算処理部15はステップS15の処理を行う。
第1のS相電流IS1の電流変化量ΔIS1と第2のS相電流IS2の電流変化量ΔIS2とは同じになるため、ステップS16の結果は“YES”となる。
その結果、リレー演算処理部15は、ステップS17の処理を行って、第1の送電線1LのR相およびS相で断線事故が発生したと判定する。
以上の説明では、図3のステップS11においてリレー演算処理部15は第1の事故相電流IX1の大きさが正常時の第1の事故相電流IX1’の大きさの0.2倍未満であるか否かを調べたが、第1の事故相電流IX1の電流変化量ΔIX1が正常時の第1の事故相電流IX1’の大きさの0.8倍以上であるか否かを調べてもよい。ステップS12、S13、S21においても同様である。
また、図3のステップS14においてリレー演算処理部15は第1の進み相電流IY1の大きさが正常時の第1の進み相電流IY1’の大きさの0.9〜1.1の範囲内にあるか否かを調べたが、第1の進み相電流IY1の電流変化量ΔIY1が正常時の第1の進み相電流IY1’の大きさの−0.1〜0.1倍の範囲内にあるか否かを調べてもよい。ステップS22、S31、S32においても同様である。
第1の断線保護継電装置101は、第1の送電線1L用と第2の送電線2L用とに分けて構成し、両者間で第1のR相、S相およびT相電流IR1,IS1,IT1と第2のR相、S相およびT相電流IR2,IS2,IT2とをやり取りさせるようにしてもよい。
第2の断線保護継電装置102についても同様である。
また、平衡2回線送電線の送電端側および受電端側にそれぞれ設置されている2つの送電線保護継電器に第1および第2の断線保護継電装置101,102の機能をそれぞれ付加するようにしてもよい。
1 電源
R1〜3R4,3S1〜3S4,3T1〜3T4 第1乃至第4のR相、S相およびT相変流器
R1〜4R4,4S1〜4S4,4T1〜4T4 第1乃至第4のR相、S相およびT相遮断器
101,102 第1および第2の断線保護継電装置
11 入力変換器
12 アナログ入力部
13 メモリ
14 電流変化量算出部
15 リレー演算処理部
16 整定・表示部
17 入出力部
18 外部機器インターフェース部
1111〜1114 第1乃至第4の地絡過電流検電器
1121,1122 第1および第2の正相電流検出継電器
1L,2L 第1および第2の送電線
R1〜IR4,IS1〜IS4,IT1〜IT4 第1乃至第4のR相、S相およびT相電流
R1’,IS1’,IT1’ 正常時の第1のR相、S相およびT相電流
X1,IY1,IZ1,IX2,IY2,IZ2 第1および第2の事故相、遅れ相および進み相電流
X1’,IY1’,IZ1’ 正常時の第1の事故相、遅れ相および進み相電流
ΔIR1,ΔIS1,ΔIT1,ΔIR2,ΔIS2,ΔIT2,ΔIX1,ΔIY1,ΔIZ1,ΔIX2,ΔIY2,ΔIZ2 電流変化量
01〜I04 第1乃至第4の零相電流
1〜T4 第1乃至第4のトリップ信号
X 事故相
Y 遅れ相
Z 進み相
α,β 裕度
S11〜S17,S21〜S25,S31〜S34 ステップ

Claims (4)

  1. 短絡事故や地絡事故が伴わない断線事故から平衡三相交流回路を保護するための断線保護継電装置(101,102)であって、
    前記平衡三相交流回路を構成する第1および第2の回路(1L,2L)の各相を流れる第1および第2の相電流(IR1,IS1,IT1,IR2,IS2,IT2)の電流変化量(ΔIR1,ΔIS1,ΔIT1,ΔIR2,ΔIS2,ΔIT2)に基づいて断線回路を判定する断線回路判定手段(14,15)を具備することを特徴とする断線保護継電装置。
  2. 前記断線回路判定手段が、前記第1の相電流が減少し前記第2の相電流が増加するとともに、該第1の相電流の電流変化量が該第2の相電流の電流変化量に所定の裕度(β)を掛けた値の範囲内にある場合には、前記第1の回路で断線事故が発生したと判定し、一方、前記第2の相電流が減少し前記第1の相電流が増加するとともに、該第2の相電流の電流変化量が該第1の相電流の電流変化量に前記裕度を掛けた値の範囲内にある場合には、前記第2の回路で断線事故が発生したと判定することを特徴とする、請求項1記載の断線保護継電装置。
  3. 前記断線回路判定手段が、前記第1の回路の各相のうち1つの相の第1の相電流だけが減少するとともに、該1つの相の第1の相電流の電流変化量が前記第2の回路の該1つの相の第2の相電流の電流変化量に前記裕度を掛けた値の範囲内にある場合には、該第1の回路の該1つの相で断線事故が発生したと判定することを特徴とする、請求項1記載の断線保護継電装置。
  4. 前記断線回路判定手段が、前記第1の回路の各相のうち2つの相の第1の相電流だけが減少するとともに、該2つの相の第1の相電流の電流変化量が前記第2の回路の該2つの相の第2の相電流の電流変化量に前記裕度を掛けた値の範囲内にそれぞれある場合には、該第1の回路の該2つの相で断線事故が発生したと判定することを特徴とする、請求項2または3記載の断線保護継電装置。
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