JPH11252584A - テレビ受像機の信号処理回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路構成を複雑化することなく、かつ色の濃
さを損なうことなく画質の改善を図る。 【解決手段】 補正回路１によって補正される前の輝度
信号Ｙに対する補正後の輝度信号Ｙ′（＝Ｙ＋ΔＹ）の
比率α（＝Ｙ′／Ｙ）を補正比率検出回路である割算回
路６で検出し、色補正回路である掛算回路７により輝度
信号の補正比率αに応じて色差信号Ｒ−Ｙ，Ｂ−Ｙの増
幅率を制御する。こうして輝度信号Ｙの補正による変化
を色差信号Ｒ−Ｙ，Ｂ−Ｙにも同じ比率で掛けることに
よって、色の濃さを損なうことなく画質を改善する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビ受像
機の信号処理回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にカラーテレビの映像信号には、輝
度信号Ｙと色差信号Ｒ−Ｙ，Ｂ−Ｙとが用いられてお
り、テレビ受像機では映像受信回路において輝度信号Ｙ
を取出し、また色信号再生回路において３つの色差信号
Ｒ−Ｙ，Ｇ−Ｙ，Ｂ−Ｙを取出し、これらの輝度信号Ｙ
と色差信号Ｒ−Ｙ，Ｇ−Ｙ，Ｂ−Ｙから原色信号Ｒ，
Ｇ，Ｂを生成し、カラー受像管を駆動する。

【０００３】ところで、従来のテレビ受像機の信号処理
回路では、画質の改善のために図３に示すような信号処
理回路を設けていた。この従来の信号処理回路は、補正
回路１によって輝度信号Ｙ入力に輪郭補正、ガンマ補正
などさまざまな処理を施し、その補正後の輝度信号Ｙ′
出力を用いて、色信号再生回路２で再生された３つの色
差信号Ｒ−Ｙ，Ｇ−Ｙ，Ｂ−Ｙとこの輝度信号Ｙとを原
色信号出力回路３で足し合わせて色信号Ｒ，Ｇ，Ｂを生
成する構成である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の信号処理回路では、画質は改善されるが、次のよ
うな問題点があった。本来、カラーテレビの映像信号は
色信号Ｒ，Ｇ，Ｂから輝度信号Ｙと色差信号Ｒ−Ｙ，Ｂ
−Ｙが作り出されている。そしてカラーテレビ受像機側
では、図３に示したように補正後の輝度信号Ｙ′（＝Ｙ
＋ΔＹ；ΔＹは補正分）と色差信号Ｒ−Ｙとを加算する
ことによって元の色信号Ｒを再現している。色信号Ｂ，
Ｇも同様である。

【０００５】そのため、輝度信号Ｙに補正処理を施して
振幅を変化させても、色の成分がそのままでは、結果と
して色の濃さが変化してしまうことを意味していた。す
なわち、輝度信号Ｙ′が補正前よりも大きくなった場合
には色は薄くなり、逆に輝度信号Ｙ′を元の信号より小
さくした場合には色が濃くなってしまっていた。

【０００６】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、輝度信号Ｙの補正による変化を色差信
号にも同じ比率で掛けることによって、色の濃さを損な
うことなく画質を改善することができるテレビ受像機の
信号処理回路を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明のテレビ
受像機の信号処理回路は、輝度信号の補正回路と、前記
補正回路によって補正される前の輝度信号に対する補正
後の輝度信号の比率を検出する補正比率検出回路と、前
記補正比率検出回路が検出する前記輝度信号の補正比率
に応じて、色差信号の増幅率を制御する色補正回路とを
備えたものである。

【０００８】請求項１の発明のテレビ受像機の信号処理
回路では、輝度信号の補正回路によって補正される前の
輝度信号Ｙに対する補正後の輝度信号Ｙ′（＝Ｙ＋Δ
Ｙ）の比率α（＝Ｙ′／Ｙ）を補正比率検出回路で検出
し、色補正回路により輝度信号の補正比率αに応じて色
差信号Ｒ−Ｙ，Ｂ−Ｙの増幅率を制御する。

【０００９】こうして輝度信号Ｙの補正による変化を色
差信号Ｒ−Ｙ，Ｂ−Ｙにも同じ比率で掛けることによっ
て、色の濃さを損なうことなく画質を改善する。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図１は本発明の１つの実施の形態の
回路構成を示している。この実施の形態のテレビ受像機
の信号処理回路は図３に示した従来例と同様、輝度信号
Ｙを入力し、輪郭補正、ガンマ補正などさまざまな処理
を施して補正輝度信号Ｙ′（＝Ｙ＋ΔＹ）を出力する輝
度信号補正回路１と、復調された色差信号Ｒ−Ｙ，Ｂ−
Ｙそれぞれを入力して３つの色差信号Ｒ−Ｙ，Ｇ−Ｙ，
Ｂ−Ｙを再生する色信号再生回路２と、これらの３つの
色差信号と輝度信号とを足し合わせることによってＲ，
Ｇ，Ｂの原色を得る原色信号出力回路３と、カラー受像
管４を備え、さらに本発明の特徴として、輝度信号Ｙ入
力を所定タイミングだけ遅延させる遅延回路５と、輝度
信号補正回路１の補正輝度信号Ｙ′と遅延回路５を経て
きた輝度信号Ｙ入力との割算（Ｙ′／Ｙ＝α）を行う割
算回路６と、色信号再生回路２の入力信号Ｒ−Ｙ，Ｂ−
Ｙに対してこの割算回路６の結果αを掛算し、その結果
を色信号再生回路２の最終入力信号（Ｒ−Ｙ）′，（Ｂ
−Ｙ）′とする掛算回路７とを備えている。

【００１１】ここで、割算回路６は、輝度信号補正回路
１によって補正される前の輝度信号Ｙに対する、輝度信
号補正回路１によって後の輝度信号Ｙ′の比率を検出す
る補正比率検出回路である。また、掛算回路７は、その
補正比率に応じて、２つの色差信号Ｒ−Ｙ，Ｂ−Ｙの増
幅率を制御する色補正回路である。

【００１２】次に、上記構成のテレビ受像機の信号処理
回路の動作について、図２の波形図を用いて説明する。
図２において、（ａ），（ｂ）は図１の構成には直接的
には関係ないが、参考までに、色信号Ｒ，Ｂの一例波形
を示している。輝度信号補正回路１に入力された同図
（Ｃ）に示す輝度信号Ｙはさまざまな補正を受けて同図
（ｆ）に示す補正輝度信号Ｙ′（＝Ｙ＋ΔＹ）として出
力される。これと並行して、入力輝度信号Ｙが補正回路
１で補正処理を受けて出力されるまでの時間だけ遅延回
路５によって入力輝度信号Ｙに遅延をかけ、補正を受け
た輝度信号Ｙ′とその補正前の元の輝度信号Ｙとを割算
回路６によって割算して、補正による振幅の変化率α
（＝Ｙ′／Ｙ）を求め、このαを掛算回路７に出力す
る。

【００１３】元の成分をＹ、補正分をΔＹとすると α＝Ｙ′／Ｙ＝（Ｙ＋ΔＹ）／Ｙ となる。

【００１４】掛算回路７は、このαを色信号再生回路２
に入力される同図（ｄ），（ｅ）に示す色差信号Ｒ−
Ｙ，Ｂ−Ｙそれぞれと掛算して、その結果、同図
（ｇ），（ｈ）に示す（Ｒ−Ｙ）′，（Ｂ−Ｙ）′信号
を色信号再生回路２の最終入力信号とする。

【００１５】 （Ｒ−Ｙ）′＝α＊（Ｒ−Ｙ） （Ｂ−Ｙ）′＝α＊（Ｂ−Ｙ） この結果、色信号再生回路２に入力される色差信号（Ｒ
−Ｙ）′，（Ｂ−Ｙ）′は輝度信号Ｙ′と同じ比率αで
補正を受けたことになる。したがって、これらの信号
（Ｒ−Ｙ）′，（Ｂ−Ｙ）′から３つの色差信号（Ｒ−
Ｙ）′，（Ｇ−Ｙ）′，（Ｂ−Ｙ）′を得、さらに原色
信号Ｒ′，Ｇ′，Ｂ′を再生すると、同図（ｉ）に示す
ように、 Ｒ′＝α＊（Ｒ−Ｙ）＋Ｙ′ ＝α＊（Ｒ−Ｙ）＋α＊Ｙ ＝α＊Ｒ であり、同じように、同図（ｊ）に示すように、 Ｇ′＝α＊Ｇ Ｂ′＝α＊Ｂ であり、Ｒ′／Ｂ′＝Ｒ／Ｂ（変化なし）となる。

【００１６】この結果、本発明の信号処理回路によれ
ば、色信号Ｒ，Ｇ，Ｂは色の濃さが変化することなく、
輝度補正による画質の向上が図れることになる。

【００１７】なお、本発明上記の実施の形態の回路構成
に限定されるものではなく、掛算回路７を色信号再生回
路２の後段に設けることができ、また色信号再生回路２
内の増幅回路のゲイン設定に用いる構成とすることもで
きる。また色差信号の復調回路は上記の実施の形態に限
定されることはなく、従来実施されている各種の回路に
対してその入力側、あるいは出力側、あるいは内部に上
記の掛算回路を設けることが可能である。

【００１８】

【発明の効果】以上のように請求項１の発明によれば、
補正回路によって補正される前の輝度信号Ｙに対する補
正後の輝度信号の比率を補正比率検出回路で検出し、色
補正回路により輝度信号の補正比率に応じて色差信号の
増幅率を制御するようにしたので、輝度信号の補正によ
る変化を色差信号にも同じ比率で掛けることによって、
色の濃さを損なうことなく画質を改善することができ、
しかも単純な回路構成でこれを実現することができてコ
ストの上昇を抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１つの実施の形態の回路ブロック図。

【図２】上記の実施の形態の動作の説明図。

【図３】従来例の回路ブロック図。

【符号の説明】

１ 輝度信号補正回路 ２ 色信号再生回路 ３ 原色信号出力回路 ４ カラー受像管 ５ 遅延回路 ６ 割算回路（補正比率検出回路） ７ 掛算回路（色補正回路）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 輝度信号の補正回路と、 前記補正回路によって補正される前の輝度信号に対する
   補正後の輝度信号の比率を検出する補正比率検出回路
   と、 前記補正比率検出回路が検出する前記輝度信号の補正比
   率に応じて、色差信号の増幅率を制御する色補正回路と
   を備えて成るテレビ受像機の信号処理回路。