JPH11247113A - 部分排水性道路舗装構造とその構築方法 - Google Patents

部分排水性道路舗装構造とその構築方法

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JPH11247113A
JPH11247113A JP6188098A JP6188098A JPH11247113A JP H11247113 A JPH11247113 A JP H11247113A JP 6188098 A JP6188098 A JP 6188098A JP 6188098 A JP6188098 A JP 6188098A JP H11247113 A JPH11247113 A JP H11247113A
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pavement
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drainage
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茂広 小林
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憲一 安久
Norio Meshida
紀雄 召田
Akira Ito
亮 伊藤
Takashi Akimoto
隆 秋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 道路脇に堆積した雪からの融雪水や滞留する
雨水等を有効に排水し、しかも、強度と耐久性とを兼ね
備え、簡単な作業で安価に構築できる舗装構造とその構
築方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 常温舗装用混合物を用いて構築された排
水性舗装構造を、既設もしくは新設の他の舗装構造と隣
接させて道路側端部に有する部分排水性道路舗装構造を
提供すると共に、既設もしくは新設の他の舗装構造と隣
接させて道路側端部に常温舗装用混合物を舗設し、道路
側端部に排水性舗装構造を構築する部分排水性道路舗装
構造の構築方法を提供することによって上記課題を解決
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部分排水性道路舗
装構造とその構築方法に関し、更に詳しくは、常温舗装
用混合物を用いて道路側端部を排水性舗装構造とした新
規な部分排水性道路舗装構造とその構築方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】降雪地帯においては、道路中央部分は除
雪機などで除雪されるものの、道路側端部には除雪機な
どで排除された雪が堆積し、これが日中の気温上昇など
に伴って融雪すると、その融雪水によって路面が冠水し
たり、道路外に溢れ出て沿道の人家等に流入したりして
思わぬ被害をもたらすことがある。また、降雪地帯でな
くても、道路側端部が不等沈下などによって凹んでいる
ような場合には、雨水等の滞留を招きやすく、水跳ね
や、夜間の凍結など、通行の妨げとあったり、更には事
故の原因となったりすることがある。
【0003】従来、このような問題に対する対策は十分
には為されておらず、沿道の住民が独力で、道路側端部
に堆積した雪を付近にある排水溝に捨てるなどして排除
しているのが現状であり、道路側端部に滞留する雨水等
に対しては何等の有効な対策も為されていない。
【0004】一方、雨水を舗装路面から内部に浸透させ
て排水する排水性舗装なるものが近年行われているが、
これは、空隙率の大きな混合物を用いて舗装体を構築
し、舗装体を形成する骨材の間隙に雨水を浸透させて排
水するものであるため、骨材間の結合力が弱く、降雪地
帯など、冬季にチェーンを装着した車両が通行するよう
な道路には到底採用できる舗装ではなかった。また、基
層に不透水性の層を設け、その上に透水性の表層を設け
るものであるため、作業工程が複雑で、かつ、道路の横
断方向全般に渡って構築されるのが一般的であり、コス
トがかかるという問題があった。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術のもつ欠点を解決するために為されたもので、降雪地
帯などで道路脇に堆積した雪からの融雪水や滞留した雨
水等を有効に排水し、しかも、強度と耐久性とを兼ね備
え、簡単な作業で安価に構築できる舗装構造とその構築
方法を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく研究を重ねた結果、除雪機などで排除され
た雪が堆積したり、雨水等が滞留したりするのは専ら道
路側端部であることに着目し、道路側端部のみを排水性
舗装構造とすることによって融雪水や雨水などを排水す
る機能を分担させると共に、車両が通行する道路中央部
分は従来の非排水性舗装のまま残すことによって上記課
題が解決できることを見出して本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、常温舗装用混合物を
用いて構築された排水性舗装構造を、既設もしくは新設
の他の舗装構造と隣接させて道路側端部に有する部分排
水性道路舗装構造を提供すると共に、既設もしくは新設
の他の舗装構造と隣接させて道路側端部に常温舗装用混
合物を舗設し、道路側端部に排水性舗装構造を構築する
部分排水性道路舗装構造の構築方法を提供することによ
って上記課題を解決するものである。
【0008】本発明の部分排水性道路舗装構造において
は、車両が通行する道路中央部分は既設もしくは新設の
他の舗装構造である。他の舗装構造とは、常温舗装用混
合物を用いて構築される排水性舗装構造以外の舗装構造
を言い、通常は、加熱混合物を用いて構築される密粒度
型の舗装構造であるのが一般的であり、そのような密粒
度型の舗装構造は、車両の通行にも耐える十分な強度を
備えている反面、融雪水や雨水などの浸透を許さず、排
水機能を有していない。一方、常温舗装用混合物を用い
て構築される排水性舗装構造は、融雪水や雨水などの浸
透、排出機能を有し、除雪機などで排除された雪が堆積
する道路側端部を常温舗装用混合物を用いて構築した排
水性舗装構造とすることによって、融雪水などが集中し
ても十分に対応でき、道路全体としては、十分な強度と
排水性とを兼ね備えた部分排水性道路舗装構造を構築す
ることが可能となるものである。このように、道路を縦
断方向に分割し、その各々の部分に異なった機能を分担
させるという発想はこれまでに存在せず、本発明は、少
なくともこの点において新規である。
【0009】道路側端部に排水性舗装構造を構築するに
際しては、不等沈下などによって凹み雨水等が滞留しや
すくなった既設舗装の一部を、補修などの目的で一部削
除し、削除した部分に常温舗装用混合物を舗設して排水
性舗装構造を構築しても良いし、新たに道路舗装を構築
する際に、道路側端部に常温舗装用混合物を舗設して排
水性舗装とするようにしても良い。また、道路側端部の
凹みが大きな場合には、既設舗装の道路側端部を削り取
ることなく、その凹みに常温舗装用混合物を舗設して排
水性舗装構造を構築しても良い。
【0010】本発明においては、道路側端部に構築され
る排水性舗装構造は、通常、舗装体表層部を構成する単
層として構築される。このようにすることによって、既
設舗装の一部を削除して、その部分に常温舗装用混合物
を舗設する場合においても、また、新たに道路舗装を構
築する場合にあっても、簡単な作業で、かつ、簡便に部
分排水性舗装構造を構築することが可能となる。
【0011】また、本発明における排水性舗装構造の部
分には導水パイプを内蔵させておくことが望ましい。導
水パイプを敷設しておくことにより、排水性舗装構造か
らの排水を効率的に集水し、集水桝に排出することが可
能となる。なお、本発明における排水性舗装構造の部分
と、集水桝との間を、適宜、水抜き孔によって連通させ
ておくことは言うまでもない。
【0012】本発明においては、常温舗装用混合物を用
いて排水性舗装を構築することが特徴である。常温舗装
用混合物は、主として、骨材と水硬性無機材料、更に
は、必要に応じてアスファルト乳剤を混合して製造さ
れ、常温で施工することができるので、材料の加熱に伴
うCO2 の発生がなく、作業性が良いだけでなく、地球
環境にも影響を与えることの少ない優れた舗装用材料で
ある。
【0013】本発明はまた、排水性舗装構造と既設もし
くは新設の他の舗装構造との接合部を、細骨材、アスフ
ァルト乳剤、および、水硬性無機材料を含む混合物によ
って、充填、一体化することにより、排水性舗装構造と
既設又は新設の他の舗装構造とを強固に密着、一体化す
ることを特徴とするものである。常温舗装用混合物を用
いて構築した排水性舗装構造と既設もしくは新設の他の
舗装構造との接合部には段差が生じ易く、また、接合部
においては密度や滑り抵抗などが不連続になるため、接
合部は、車両の通行によって損傷を受け易い箇所であ
る。本発明においては、接合部ないしはその周辺部に細
骨材、アスファルト乳剤、および、水硬性無機材料を含
む混合物を流し込み、少なくとも排水性舗装構造の空隙
部を充填し、既設もしくは新設の他の舗装構造と一体化
させることにより、接合部を補強する。このようにする
ことによって、部分排水性道路舗装構造に十分な耐久性
を付与することが可能となるものである。
【0014】本明細書において、道路側端部とは、一般
に車両が通行することの少ない道路の側端部をいい、歩
道と車道との区別のない道路にあっては、路肩又はその
近辺を、また、歩道と車道との区別のある道路にあって
は、歩道に隣接した車道の側帯又はその近辺を、さらに
は、中央分離帯がある道路にあっては、中央分離帯に隣
接した側帯又はその近辺などを指すものであり、道路に
よっては車線の一部を含んでいても良い。また、道路中
央部とは、道路側端部以外の道路部分をいうものとす
る。
【0015】本発明においては、通常、道路側端から一
定距離の範囲の道路側端部に常温舗装用混合物を用いて
排水性舗装が構築されるが、排水性舗装が構築される領
域は、必ずしも道路側端又はその近傍を含む必要はな
く、場合によっては、道路側端からある程度距離を置い
たところから排水性舗装を構築しても良い。また、本発
明は、道路側端部以外の部分にも別途排水性舗装構造を
備えた舗装構造を決して排除するものでない。
【0016】本発明の部分排水性道路舗装構造並びにそ
の構築方法が適用される道路とは、一般道路、高速道路
のみならず、工場等の構内道路、駐車場、広場、飛行
場、港湾施設等、舗装され、車両等が通行する全ての場
所を含み、それぞれの場所において、車両等が通行する
ことの少ない部分が道路側端部に該当するものである。
また、本発明の部分排水性道路舗装構造並びにその構築
方法は、降雪地帯における融雪水の排水のみに限られる
ものではなく、雨水等を道路側端部の路面に浸透させ、
排水する場合にも適用できることは勿論である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の部分排水性道路舗
装構造とその構築方法について詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明の部分排水性道路舗装構造
の断面の一例を示す図である。図1において、符号1は
本発明の部分排水性道路舗装構造を、2は排水性舗装構
造を、3は既設舗装の表層を、4は既設の非排水性舗装
の基層を、5は既設舗装の上層路盤を示す。6は排水性
舗装構造2の内部に埋設された導水パイプ、7はU字
溝、8は除雪機などで排除され道路側端部に堆積した
雪、9は車両のタイヤである。
【0019】図1の場合、排水性舗装構造2は、既設舗
装の表層3の道路側端部を削り取り、その後に、常温舗
装用混合物を舗設することによって構築される。図示の
例にあっては、既設舗装の表層3の部分だけが削り取ら
れ、その削り取られた場所に常温舗装用混合物が舗設さ
れているが、削り取る既設舗装は表層3の部分に限られ
るものではなく、既設舗装の表層3の厚さが薄い場合に
は、基層4をも含めて削り取り、逆に、既設舗装の表層
3の厚さが十分にある場合には、表層3を残して削り取
るようにしても良い。また、既設舗装が湾曲しているよ
うな場合には、基層4を部分的に削り取ったり、表層3
を部分的に残して削り取る場合も存在する。いずれにし
ても、舗設される常温舗装用混合物によって構築される
排水性舗装構造が、通常、舗装体の表層を構成するよう
な厚さになるように既設舗装を削り取るのが好ましい。
好ましい排水性舗装構造2の厚さは3〜10cm程度で
ある。排水性舗装構造2の厚さが3cm未満であると、
決して実施できないという訳ではないが、十分な排水能
力が得られず、また、10cmを越えると、構築費用が
増大する割には排水能力は増大せず、不経済である。
【0020】削り取られた箇所には常温舗装用混合物が
搬入され、敷き均され、十分に転圧されることにより舗
設される。常温舗装用混合物の搬入に先立って、常温舗
装用混合物が舗設される部分の基層4の上面や例えばU
字溝7などの側溝等の露出面等にタックコートを施した
り、基層4の上面に図示しない防水シートをアスファル
ト系溶剤型接着剤などで接着しておくのが望ましい。そ
のようにしておくことにより、排水性舗装構造2に浸透
してきた融雪水等の水は、基層4に浸透することなく、
導水パイプ6に集められ、集水桝に排出される。集水桝
をU字溝の適宜の位置に予め設けておくことは勿論であ
る。また、例えば、図2に示すように、既設舗装の沈下
が激しく、道路側端部がかなり凹んでいるような場合に
は、既設舗装を削り取ることなく、そのまま開粒度舗装
用混合物を舗設して排水性舗装構造を構築することも可
能である。なお、この場合にも、既設舗装の露出面を清
掃し、露出面にタックコートを施したり、防水シートを
敷設したり、更には、導水パイプを設けておくことは同
様である。
【0021】導水パイプ6としては、ステンレス鋼材を
スパイラル状に捲回したものや、ガラス繊維、天然繊
維、合成繊維、人造繊維、炭素繊維、金属繊維、金属線
などで網状もしくはメッシュ状に形成された管、強化耐
熱性合成樹脂管に多数の孔をあけた有孔管、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリプロピレン、ビニロン等の合成繊
維や炭素繊維の不織布で管状に形成されたものなどを用
いることができる。なお、導水パイプ6の断面形状は円
に限られるものではなく、三角、四角、楕円等、種々の
形態が可能である。導水パイプ6の直径は10〜30m
mが好ましく、従って、導水パイプ6を埋設する場合に
は、排水性舗装構造2の厚さもそれ以上が要求されるの
は勿論である。
【0022】排水性舗装構造2が構築される位置は、一
般に車両の通行が少なく、除雪機などによって排除され
た雪8が堆積する道路側端部であり、排水性舗装構造の
道路側端部からの幅Xは、通常、10〜200cm、好
ましくは30〜150cmの範囲である。幅Xが10c
m未満であると、十分な排水能力が得られないばかりで
なく、常温舗装用混合物の舗設作業が困難となる。一
方、幅Xが200cmを越えると、排水能力は増大する
ものの、車両のタイヤの通過する頻度が増し、かつ、構
築費用の増大につながるので、好ましくない。排水性舗
装構造の幅Xは、常に一定である必要はなく、道路幅が
変動し、側帯幅が変動しているような場合には、変動さ
せることも可能である。なお、図1や図2の例において
は、道路側端に接して排水性舗装構造を構築している
が、排水性舗装構造の構築位置は、必ずしも道路側端に
接する必要はなく、道路側端から一定距離をおいて設け
るようにしても良い。そのような場合には、道路側端に
接して残る既設舗装部分に、集水桝に通ずる管路等を設
けることが必要であるのは言うまでもない。また、降雪
地帯にあっては、排水性舗装構造を構築するに際して、
排水性舗装構造下部に図示しない電熱マットや温水パイ
プ等の融雪装置を埋設しておくのが好ましい。
【0023】図3は、図1の例における排水性舗装構造
2と既設舗装の表層3との接合部の拡大図であり、図1
と同じものには同じ符号を付してある。排水性舗装構造
2と既設舗装の表層3との接合部には段差が生じ易く、
また、密度や滑り抵抗に不連続があるので、車両の通行
等によって、排水性舗装構造2が損傷を受ける危険性が
あるので、図3に示すように、モルタル状の混合物10
を接合部とその周辺部に流し込み、接合部とその周辺部
における空隙を充填して、排水性舗装構造2と既設舗装
との密着性を向上させ、両者を一体化するのが望まし
い。このようにすることによって、例えば、既設舗装の
表層3に、符号11で示すような角欠部11が存在した
としても、モルタル状の混合物10によって充填され、
強固な接合部を形成することができる。モルタル状の混
合物10は、既設舗装の表層3上を約1〜2mm程度の
厚さで一部覆うように流し込むのが良く、モルタル状混
合物10の充填幅Yは5〜30cm程度、好ましくは7
〜25cm程度、また表層3を覆う幅Zは2〜10cm
程度、好ましくは3〜7cm程度が十分な接合性を得る
上で望ましい。このように、排水性舗装構造と非排水性
舗装構造との接合部をモルタル状混合物によって充填、
一体化することにより、本発明の部分排水性道路舗装構
造の耐久性は一層向上する。モルタル状混合物10によ
って接合部とその周辺部を充填した後、必要に応じて、
排水性舗装構造2の上部に、アクリル系、エポキシ系の
樹脂を散布してトップコートを行っても良い。
【0024】図4は、本発明の部分排水性道路舗装構造
を新規に構築する場合の一例を示し、図1と同じものに
は同じ符号を付してある。図4において、12は道路の
センターラインを、13は型枠を、14は型枠13固定
するアンカーボルトを示し、15は下層路盤、16は路
床土である。部分排水性道路舗装構造は、基層4までを
通常の方法で構築したのち、まず、センターライン12
から排水性舗装構造2とする道路側端部を除いた部分ま
でを型枠13、13で囲み、型枠13、13間に通常の
アスファルト混合物を投入し、敷き均して、転圧するこ
とによって行われる。転圧後、非排水性舗装の表層3が
所定の強度を発現したのを確認した後、道路側端側の型
枠13を取り除き、表層3と道路側端との間に常温舗装
用混合物を搬入する。搬入に先立ち、タックコートを施
したり、防水シートを敷設したり、更には、導水パイプ
6を敷設したりするのは、図1の場合と同様である。
【0025】次いで、搬入された常温舗装用混合物を敷
き均し、転圧して、排水性舗装構造2を構築する。排水
性舗装構造2と表層3との接合部にモルタル状混合物を
流し込み、接合部とその周辺部を充填し、排水性舗装構
造2と表層3とを密着一体化するのも図1の場合と同様
である。必要に応じてトップコートを行っても良いこと
は勿論である。
【0026】次に、本発明で使用する常温舗装用混合物
とモルタル状混合物について説明する。
【0027】〈常温舗装用混合物〉本発明で使用する常
温舗装用混合物は、空隙率が10〜30%の混合物で、
排水性舗装を構築するのに適したものであり、その典型
的な配合割合は、骨材100重量部に対して、アスファ
ルト乳剤0〜15重量部、水硬性無機材料1〜15重量
部である。なお、空隙率は、混合物を通常の方法で転圧
し締め固めた状態で空中並びに水中での重量を測定し、
(空中重量)/{(空中重量)−(水中重量)}なる関
係式で実際の密度を求め、次いで、(空隙率%)=10
0−100×{(実際の密度)/(理論密度)}なる式
によって得られる値である。
【0028】本発明で使用する常温舗装用混合物に使用
する骨材としては、社団法人日本道路協会発行の「アス
ファルト舗装要綱」に記載されている舗装用の骨材であ
ればどのようなものでも使用でき、例えば、砕石、玉
砕、砂利、鉄鋼スラグ等があり、また、これらの骨材に
アスファルトを被覆したアスファルト被覆骨材および再
生骨材なども使用できる。その他、これに類似する粒状
材料で、人工焼成骨材、焼成発泡骨材、人工軽量骨材、
陶磁器粒、ルクソバイト、シノパール、アルミニウム
粒、プラスチック粒、セラッミックス、エメリー等も使
用することができる。
【0029】本発明で使用する粗骨材としては、一般的
には、粒径範囲2.5〜5mmの7号砕石、粒径範囲5
〜13mmの6号砕石、粒径範囲が13〜20mmの5
号砕石、あるいは、これらの1種または2種以上を混合
した砕石や、合成された砕石等を使用することができ
る。これら骨材に、骨材に対して0.3〜2重量%程度
のアスファルト乳剤やストレートアスファルト、改質ア
スファルト、エポキシ樹脂とその硬化剤、ゴムや合成樹
脂などで被覆したものも使用できる。
【0030】粗骨材の使用量は、骨材全量を100重量
%とした場合、このうちの93〜75重量%の範囲が望
ましい。
【0031】本発明で使用する細骨材とは、2.5mm
フルイを通過するもので、例えば、川砂、丘砂、山砂、
スクリーニングス、砕石ダスト、シリカサンド、人工骨
材、石粉、焼却炉灰、クレー、タルク、フライアッシ
ュ、カーボンブラックなどであるが、このほか、ゴム粉
粒、コルク粉粒、木質粉粒、樹脂粉粒、パルプ、人工骨
材等が挙げられ、これらの細骨材は、その1種もしくは
2種以上を用いることができる。
【0032】細骨材の使用量は、骨材全量を100重量
%とした場合、このうちの7〜25重量%の範囲が望ま
しい。
【0033】本発明の常温舗装用混合物に使用する水硬
性無機材料としては、セメント、無水石膏、半水石膏、
粉末状スラグなどが挙げられる。
【0034】使用するセメントとしては、普通ポルトラ
ンドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポル
トランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、白色
ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメン
ト、アルミナセメント、膨張セメント、高炉コロイドセ
メント、コロイドセメント、超速硬セメント、白色セメ
ント、フライアッシュセメント、耐硫酸塩セメント、ジ
ェットセメントなどが挙げられる。これらの水硬性無機
材料は、その1種もしくは2種以上を併用することも可
能で、更には、水や、公知のセメント用混和材料、例え
ば、収縮補償材、硬化促進材、硬化遅延材、分散剤、空
気連行剤、増粘剤、減水剤、充填剤などを併用すること
も可能である。
【0035】使用する水硬性無機材料の量は、骨材10
0重量部に対して、通常、1〜15重量部の範囲であ
り、好ましくは、3〜9重量部の範囲である。水硬性無
機材料の量が1重量部未満では、常温アスファルト混合
物の硬化体の安定性が低下するのに対し、15重量部を
越えると、硬化体の剛性が過大となり、撓み性が発揮さ
れなくなり、亀裂発生の原因となる。
【0036】本発明の常温舗装用混合物に使用するアス
ファルト乳剤とは、レーキアスファルト等の天然アスフ
ァルト、ストレートアスファルト、ブローンアスファル
ト、セミブローンアスファルト、溶剤脱瀝アスファルト
(例えば、プロパン脱瀝アスファルト)等の石油アスフ
ァルト、重油、タール、ピッチ等の1種、または2種以
上を混合した瀝青物を、各種界面活性剤やクレー(例え
ばベントナイト)などの乳化剤を用い、さらには、アル
カリ、酸、塩、分散剤、保護コロイドなどを必要に応じ
て添加して、コロイドミル、ホモジナイザー、ホモミキ
サーなどの適当な乳化機によって、水中に乳化させたも
のである。
【0037】乳化剤としては、カチオン系、アニオン
系、両性系のいずれをも用いることができる。
【0038】本発明で使用できるカチオン系の乳化剤と
しては、長鎖アルキル基を有する脂肪族あるいは脂環族
のモノアミン、ジアミン、トリアミン、アミドアミン、
ポリアミノエチルイミダゾリン、長鎖ヒドロキシアルキ
ルジアミン、ロジンアミン、これらアミン類の酸化エチ
レン付加物、アミンオキサイド、または、これらのアミ
ン系界面活性剤に塩酸、スルファミン酸、酢酸などの酸
を作用させた水溶性ないし水分散性の塩、さらには、こ
れらのアミン系界面活性剤の第四級アンモニウム塩等が
挙げられる。また、これらの界面活性剤と共に、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルアリルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピ
レンブロックコーポリマーなどのノニオン系界面活性剤
を併用することもできる。
【0039】本発明で使用できるアニオン系の乳化剤と
しては、高級アルコール硫酸エステル、アルキルアリル
スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、αオレ
フィンスルホン酸塩、高級アルコールエトオキシレー
ト、高級アルコールエトオキシレートサルフェート、石
鹸、ナフタリンスルホン酸塩およびホルマリン変性物、
アルカリリグニン塩、リグニンスルホン酸塩、カゼイン
のアルカリ塩、ポリアクリル酸塩等が挙げられる。
【0040】本発明で使用できる両性系の乳化剤として
は、アルキルフェノール、モノおよび多価アルコール
酸、脂肪族類、脂肪族アミン類、脂肪族アミド類、エタ
ノールアミン類等のアルキレンオキシドの付加物、など
が挙げられる。
【0041】また、アスファルト乳剤に用いられる分散
剤や保護コロイドとしては、ナフタリンスルホン酸ソー
ダ、カゼイン、アルギン酸、ゼラチン、カルボキシメチ
ルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソー
ダ、リグニンスルホン酸塩、ニトロフミン酸塩等が挙げ
られる。
【0042】本発明に使用されるアスファルト乳剤とし
ては、上記乳化分散される瀝青物に、ゴム及び熱可塑性
高分子重合物から選ばれる1種または2種以上を、直接
混和するポストミックスタイプによる方法で改質した改
質アスファルト乳剤を用いることもできる。
【0043】改質アスファルト乳剤に使用されるゴム及
び熱可塑性高分子重合物は、例えば、天然ゴム、ガタバ
ーチャ、環化ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレ
ン・イソプレンゴム、イソプレンゴム、ポリイソブチレ
ンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴ
ム、ハロゲン化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン、クロ
ロスルホン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、
EPTゴム、アルフィンゴム、スチレン・ブタジエンブ
ロック共重合ゴム、スチレン・イソプレンブロック共重
合ゴムなどのゴム、及び、エチレン・酢酸ビニール共重
合物、エチレン・アクリレート共重合物、ポリエチレ
ン、酢酸ビニール・アクリレート共重合物などの熱可塑
性高分子重合物であり、これらの1種もしくは2種以上
が併用して使用される。これらは、例えば、粉末状、ラ
テックス状、エマルジョン状、水性状のものであり、ラ
テックス状、エマルジョン状、水性状のものはポストミ
ックスタイプの方法による改質アスファルト乳剤に専ら
使用されるが、プレミックスタイプの方法による改質ア
スファルト乳剤に使用しても良い。
【0044】上記のゴムや熱可塑性高分子重合物ととも
に、接着性や相溶性を改善するために、粘着付与剤とし
て熱可塑性固形樹脂や固形状ゴム、液状樹脂、軟化剤、
可塑剤などを添加しても良い。例えば、ロジンとその誘
導体、テルペン樹脂や石油樹脂とその誘導体、アルキッ
ド樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール
樹脂、クマロンインデン樹脂、合成テルペン樹脂、アル
キレン樹脂、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、イソ
ブチレンとブタジエンとの共重合物、鉱油、プロセスオ
イル、パイン油、アントラセン油、松根油、可塑剤、動
植物油、重合油などである。また、老化防止剤、酸化防
止剤、硫黄等も添加することができる。さらにまた、改
質アスファルト乳剤の粘度調整を目的に、MC、CM
C、HEC、PVA、ゼラチンなどの水溶性高分子保護
コロイドを添加することも可能である。
【0045】改質アスファルト乳剤中のアスファルト
と、ゴム及び熱可塑性高分子重合物との配合割合は、ア
スファルト100重量部に対してゴム及び熱可塑性高分
子重合物が10〜100重量部程度、好ましくは、20
〜50重量部程度である。ゴム及び熱可塑性高分子重合
物の量が10重量部未満では、改質アスファルト乳剤が
分解、硬化した後における改質アスファルト乳剤の骨材
に対する接着力、把握力が劣るのに対し、100重量部
を越えると、凝集力が強すぎて、かえって骨材からの剥
離が生じ易く、また、経済的でない。また、改質アスフ
ァルト乳剤中のアスファルトとしては、分解、硬化した
後の特性を考慮して、針入度(25℃)が40〜300
程度のものを使用するのが好ましい。改質アスファルト
乳剤の蒸発残留物(固形物)濃度は、通常、40〜80
重量%程度であるが、本発明では、なるべく濃度の高い
ものが望ましい。
【0046】また、これらのアスファルト乳剤には、耐
熱性向上や、紫外線等による劣化防止、作業性向上、並
びに接着性向上等の目的で、紫外線吸収剤や、各種添加
剤、粘度調整剤などを添加しても良い。
【0047】本発明の常温舗装用混合物におけるアスフ
ァルト乳剤の使用量は、骨材100重量部に対して、通
常、0〜15重量部程度、好ましくは、5〜10重量部
程度である。アスファルト乳剤の使用量が15重量部を
越えると、常温舗装用混合物の安定度がかえって低下す
るので好ましくない。
【0048】本発明の常温舗装用混合物は、上述したよ
うな骨材、水硬性無機材料、アスファルト乳剤を混合撹
拌して製造することができる。
【0049】こうして製造した常温舗装用混合物には、
更に、熱硬化性樹脂をエマルジョンとして加えても良
い。熱硬化性樹脂エマルジョンとしては、例えば、エポ
キシ樹脂とその硬化剤を乳化したものが挙げられる。加
える熱硬化性樹脂エマルジョンは微量で良く、例えば、
骨材100重量部に対して、0.1〜3重量部程度であ
る。硬化剤の使用量は、熱硬化性樹脂エマルジョンの固
形分100重量部に対して60〜80重量部程度で良
い。また、更に、顔料等を添加して有色の常温舗装用混
合物としても良い。
【0050】〈モルタル状混合物〉次に、本発明で使用
するモルタル状混合物について説明する。
【0051】本発明で使用するモルタル状混合物は、細
骨材とアスファルト乳剤と水硬性無機材料とを主成分と
し、これらを混合撹拌して製造したものである。使用す
る細骨材、アスファルト乳剤、及び、水硬性無機材料と
しては、常温舗装用混合物に使用するものと同じものが
使用でき、アスファルト乳剤の典型的な配合割合は、細
骨材100重量部に対して10〜50重量部、好ましく
は、20〜40重量部の範囲である。アスファルト乳剤
の量が10重量部未満、もしくは、50重量部超では、
決して使用できないという訳ではないが、良好な混合物
が得られ難いという不都合がある。また、水硬性無機材
料の典型的な配合割合は、細骨材100重量部に対して
0〜10重量部、好ましくは、1〜6重量部の範囲であ
る。水硬性無機材料の量が10重量部を越えると、決し
て使用できないという訳ではないが、良好な混合物が得
られ難くなる。
【0052】アスファルト乳剤の分解は自然分解に頼る
のが一番であるが、場合によっては、分解剤を使用して
強制的に分解させても良い。
【0053】以下、実施例を用いて、本発明を更に説明
するが、本発明がこれら実施例に限られるものでないこ
とは勿論である。
【0054】
【実施例1】工場敷地内の構内道路の既設舗装を、道路
側端から1mの幅で10mの長さに渡って帯状に削り取
った。削り取りは、加熱装置を有する路面切削機を使用
し、切削深さは5cmであった。露出した既設舗装面及
びU字溝の露出面に、カチオゾールGM(ゴム入りアス
ファルト乳剤、ニチレキ(株)製)を0.7リットル/
2 散布し、タックコートとした。散布はエンジンスプ
レヤーを用いて行った。タックコート後、導水パイプ
(ステンレス鋼製、直径17mm)をU字溝に沿って配
設し、導水パイプの端部をU字溝の流末に配設された集
水桝中に誘導した。続いて、パグミルミキサーから常温
舗装用混合物を既設舗装の切削部後に点々と分散置き
し、レーキやスコップで一様な厚さになるように敷き均
した。敷き均し厚は、後の転圧減を考慮して7cmとし
た。敷き均し後、振動ローラーとバイブレーターを用い
て転圧した。
【0055】常温舗装用混合物に使用した材料は以下の
通りであった。 骨材及び水硬性無機材料:アスファルト乳剤被覆骨材と、水硬性無機材料とし ての早強ポルトランドセメントとの混合物を使用。 早強ポルトランドセメントの骨材に対する配合割合 は、骨材100重量部に対して、4重量部。(商品 名:ポーラスロック(ニチレキ(株)製。荷姿50 kg/袋)) アスファルト乳剤 :改質アスファルト乳剤。 改質アスファルト中の固形分の性状 粘度(25℃) 350 蒸発残留物 70(%) pH 9.0 (商品名:ポーラスゾール(ニチレキ(株)製。荷姿 20リットル/缶))
【0056】上記ポーラスロック100重量部をパグミ
ルミキサーに投入し、30秒空練りした後、ポーラスゾ
ール8重量部を添加し、1分半程度混合し、常温舗装用
混合物とした。この常温混合物の一部を取り、別途物性
試験を行ったところ、次のような結果が得られた。
【0057】〈マーシャル安定度試験〉 イ.養生日数3日間、試験温度20℃ 安定度 645(kgf) フロー値 19(1/100cm) 空隙率 21.5(%) ロ.養生日数7日間、試験温度60℃ 安定度 1220(kgf) フロー値 21(1/100cm) 空隙率 21.5(%)
【0058】〈カンタブロ試験〉 ハ.養生日数7日間、試験温度20℃ 損失率 9.8(%)
【0059】〈ホイールトラッキング試験〉 ニ.養生日数7日間、試験温度60℃ 動的安定度 10,000(回/mm)
【0060】〈ラベリング試験〉 ホ.養生日数7日間、試験温度−10℃ すり減り量 0.7(cm2
【0061】上記常温舗装用混合物の舗設後、既設舗装
との接合部に、細骨材とアスファルト乳剤と水硬性無機
材料とからなるモルタル状混合物を流し込み、充填し
た。モルタル混合物に使用した材料は次のとおりであっ
た。
【0062】 細骨材及び水硬性無機材料:細骨材と、水硬性無機材料としての早強ポルトラ ンドセメントとの混合物。早強ポルトランドセメ ントの細骨材に対する配合割合は、細骨材100 重量部に対して、2重量部。(商品名:ロメンパ ッチ(ニチレキ(株)製。荷姿3.5kg/袋) ) アスファルト乳剤 :改質アスファルト乳剤 改質アスファルト中の固形分の性状 針入度(25℃) 62(1/10mm) 軟化点 58(℃) 蒸発残留物 42(%) (商品名:パックゾール(ニチレキ(株)製。荷姿 1リットル/紙箱))
【0063】上記ロメンパッチ3.5kgに対して、パ
ックゾール1リットルを混合し、撹拌すると、約15秒
程度で、モルタル状混合物が得られた。得られたモルタ
ル状混合物の一部を取り、別途物性試験を行ったところ
次のような結果を得た。 〈硬化前の性状〉 可使時間(11℃) 8分 硬化時間(11℃) 25分 〈硬化後の性状〉 マーシャル安定度 385kgf マーシャルフロー値 42(1/100cm)
【0064】上記モルタル状混合物を、接合面から既設
舗装側へ5cm、排水性舗装側へ20cmの幅で流し込
み、モルタル状混合物が十分に浸透するのを待って、溢
れたモルタル状混合物が接合面を跨いで、接合面両側の
舗装体表面を1〜2mmの厚さで覆うようにゴムレーキ
で敷き広げた。モルタル状混合物は5〜7分程度で固化
し、接合面を強固に一体化、結合した。
【0065】舗設後、1日の養生期間をおいて、道路側
端部に散水車で散水したが、道路側端部からの水の浸
透、排出は速やかに行われ、道路中央部が冠水すること
はなかった。また、舗設1ヶ月後、排水性舗装構造と既
設舗装との接合部周辺から、コアーボーラーで5個のサ
ンプルコアーを抜き取り観察したが、常温舗装用混合物
の空隙部、並びに、既設舗装の角欠部はモルタル状混合
物によって完全に充填されていた。
【0066】
【実施例2】L字溝側溝から35cmの幅で、沈下した
表層部を、一部基層部を含めて、6cmの厚さに小型路
面切削機で切削した。切削あとを清掃後、タックコート
としてゴム入りアスファルト乳剤(商品名:カチオゾー
ルGM(ニチレキ(株)製))を0.9リットル/m2
散布した。散布後、実施例1と同じ導水パイプを敷設
し、続いて常温舗装用混合物を舗設した。
【0067】使用した常温舗装用混合物の配合は次のと
おりである。 骨材: 6号砕石(栃木県葛生産) 66.7重量% 7号砕石(栃木県葛生産) 24.4重量% 水硬性無機材料: 早強ポルトランドセメント(住友大阪 セメント(株)製) 7.2重量% 水道水(W/C=23.6%) 1.7重量% 混和材(マイティー100((株)花王製) セメント100重量部に対して 1.1重量部 添加材(スチレンブタジエンゴム) セメント100重量部に対して 20.5重量部
【0068】水硬性無機材料、水道水、混和材、添加材
の所定量をパン型モルタルミキサーに投入し、20〜3
0秒間混合した後、骨材を投入し、更に90〜120秒
間混合して、常温舗装用混合物を得た。この常温舗装用
混合物の28日養生後の物性は以下のとおりであった。 圧縮強度 343 (kgf/cm2) 空隙率 22 (%) カンタブロ試験損失率 8.9(%)
【0069】常温舗装用混合物の舗設後、実施例1と同
じモルタル状混合物を用いて接合部を充填、一体化し
た。実施例1と同じく、1日の養生期間をおいて、道路
側端部に散水車で散水したが、道路側端部からの水の浸
透、排出は速やかに行われ、道路中央部が冠水すること
はなかった。また、舗設1ヶ月後、排水性舗装構造と既
設舗装との接合部周辺から、コアーボーラーで5個のサ
ンプルコアーを抜き取り観察したが、常温舗装用混合物
の空隙部、並びに、既設舗装の角欠部はモルタル状混合
物によって完全に充填されていた。
【0070】
【発明の効果】以上のように、本発明は、道路側端部
に、既設もしくは新設の他の舗装構造と隣接して常温舗
装用混合物による排水性舗装構造を構築するものである
ので、例えば、道路側端部に堆積した雪から多量の融雪
水が流れ出ることがあったり、道路側端部に雨水等が集
まることがあっても、それらの融雪水や雨水等を速やか
に浸透、排出することができるものである。また、本発
明においては、排水性舗装構造は、表層を構成する単層
として構築されるので、施工が簡単で、かつ、経済的に
も優れたものである。しかも、本発明で使用する常温舗
装用混合物は、施工に際して加熱を要せず、必要量を現
場で簡単に製造することができるので、新設のみなら
ず、特に道路側端部のみを補修する際に道路側端部のみ
を排水性舗装構造とする場合に極めて有効であるばかり
でなく、材料の加熱に伴うCO2 ガスの発生がなく、地
球環境に与える影響が少ないという優れた効果も併せ有
するものである。更には、排水性舗装構造と既設もしく
は新設の他の舗装構造との接合部にモルタル状混合物を
流し込み、接合部を充填して一体化するので、極めて耐
久性に富む部分排水性道路舗装構造が得られるものであ
る。このように、本発明は、種々の優れた効果を有する
ものであり、産業上、極めて有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の部分排水性道路舗装構造の一例を示
す断面図である。
【図2】 本発明の部分排水性道路舗装構造の他の例を
示す断面図である。
【図3】 接合部の拡大図である。
【図4】 本発明の部分排水性道路舗装構造の他の例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 部分排水性道路舗装構造 2 排水性舗装構造 3 表層 4 基層 5 上層路盤 6 導水パイプ 7 U字溝 8 堆積雪 9 車両タイヤ 10 モルタル状混合物 11 角欠部 12 センターライン 13 型枠 14 アンカーボルト 15 下層路盤 16 路床
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安久 憲一 大阪府大阪市大正区南恩加島7−1−55 住友大阪セメント株式会社セメントコンク リート研究所内 (72)発明者 召田 紀雄 埼玉県大宮市指扇1958−243 (72)発明者 伊藤 亮 栃木県下都賀郡国分寺町駅東4−16−19 (72)発明者 秋本 隆 北海道恵庭市恵み野西6−10−23

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温舗装用混合物を用いて構築された排
    水性舗装構造を、既設もしくは新設の他の舗装構造と隣
    接させて、道路側端部に有する部分排水性道路舗装構
    造。
  2. 【請求項2】 道路側端部の排水性舗装構造が、道路側
    端から10〜200cmの幅で存在する請求項1記載の
    部分排水性道路舗装構造。
  3. 【請求項3】 道路側端部の排水性舗装構造が、表層部
    を構成する単層としてのみ存在する請求項1または2記
    載の部分排水性道路舗装構造。
  4. 【請求項4】 排水性舗装構造が導水パイプを内蔵する
    請求項1、2または3記載の部分排水性道路舗装構造。
  5. 【請求項5】 常温舗装用混合物が、空隙率10〜30
    %の常温舗装用混合物である請求項1、2、3または4
    記載の部分排水性道路舗装構造。
  6. 【請求項6】 常温舗装用混合物が、骨材とアスファル
    ト乳剤と水硬性無機材料とを、骨材100重量部に対し
    て、アスファルト乳剤0〜15重量部、水硬性無機材料
    1〜15重量部の割合で含む常温舗装用混合物である請
    求項1、2、3、4または5記載の部分排水性道路舗装
    構造。
  7. 【請求項7】 排水性舗装構造と既設もしくは新設の他
    の舗装構造との接合部ないしはその周辺部が、細骨材、
    アスファルト乳剤、および、水硬性無機材料を含む混合
    物によって、充填、一体化されている請求項1、2、
    3、4、5または6記載の部分排水性道路舗装構造。
  8. 【請求項8】 既設もしくは新設の他の舗装構造と隣接
    させて、道路側端部に常温舗装用混合物を舗設し、道路
    側端部に排水性舗装構造を構築する部分排水性道路舗装
    構造の構築方法。
  9. 【請求項9】 既設の舗装構造の道路側端部を削り取
    り、削り取ったあとに常温舗装用混合物を舗設する請求
    項8記載の部分排水性道路舗装構造の構築方法。
  10. 【請求項10】 道路側端部の表層部を除いて他の舗装
    構造を構築し、次いで、道路側端部の表層部に常温舗装
    用混合物を舗設する請求項8記載の部分排水性道路舗装
    構造の構築方法。
  11. 【請求項11】 道路側端から10〜200cmの幅で
    排水性舗装構造を構築する請求項8、9または10記載
    の部分排水性道路舗装構造の構築方法。
  12. 【請求項12】 導水パイプを敷設し、次いで、常温舗
    装用混合物を舗設する請求項8、9、10または11記
    載の部分排水性道路舗装構造の構築方法。
  13. 【請求項13】 常温舗装用混合物の空隙率が10〜3
    0%の範囲にある請求項8、9、10、11または12
    記載の部分排水性道路舗装構造の構築方法。
  14. 【請求項14】 骨材とアスファルト乳剤と水硬性無機
    材料とを、骨材100重量部に対して、アスファルト乳
    剤0〜15重量部、水硬性無機材料1〜15重量部の割
    合で含む常温舗装用混合物を舗設する請求項8、9、1
    0、11、12または13記載の部分排水性道路舗装構
    造の構築方法。
  15. 【請求項15】 排水性舗装構造と既設もしくは新設の
    他の舗装構造との接合部に、細骨材、アスファルト乳
    剤、および、水硬性無機材料を含む混合物を流し込み、
    接合部とその周辺部を充填、一体化する請求項8、9、
    10、11、12、13または14記載の部分排水性道
    路舗装構造の構築方法。
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