JPH11246684A - 熱収縮ポリエステルフィルム - Google Patents

熱収縮ポリエステルフィルム

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JPH11246684A
JPH11246684A JP10052316A JP5231698A JPH11246684A JP H11246684 A JPH11246684 A JP H11246684A JP 10052316 A JP10052316 A JP 10052316A JP 5231698 A JP5231698 A JP 5231698A JP H11246684 A JPH11246684 A JP H11246684A
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JP
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heat
film
polyester
weight
shrinkage
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JP10052316A
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Inventor
Kokichi Hashimoto
幸吉 橋本
Hiroko Matsushima
博子 松島
Masahiro Kimura
将弘 木村
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】収縮応力性、熱収縮性、容器への密着性に優れ
た熱収縮フィルムを提供すること。 【解決手段】グリコール成分の中で1,3−プロパンジ
オールを1重量%以上含有し、フィルムの100℃の熱
風中での少なくとも一方向の熱収縮率が20%以上であ
り、フィルムの120℃の収縮応力が1MPa以下であ
ることを特徴とする熱収縮ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、収縮応力が小さ
く、熱収縮率が大きく、機械的特性や耐熱性等に優れ、
シュリンクラベルや食品包装等に用いられる熱収縮ポリ
エステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱収縮フィルムはビン、缶、
ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略称する)
ボトル等に用いられるシュリンクラベルや、食品包装用
のシュリンクラベルとしては、熱により収縮率の大き
い、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエ
チルアクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリル、ポリス
チレンからなる延伸フィルムが主として用いられてき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし近年、安全衛生
性や耐薬品性、透明性に優れたポリエステル系のシュリ
ンクフィルムが要望されるようになり、PETにネオペ
ンチルグリコールあるいはイソフタル酸等を共重合した
ポリエステルからなる延伸フィルムが提案されている
(特開昭63−156833号公報、特開昭63−20
2429号公報、特公昭63−7573号公報)。
【0004】しかしながら、これらのフィルムは収縮応
力が高く容器の変形を生じたり、容器の変形なく収縮さ
せると熱収縮率が不足するという問題があった。
【0005】従って本発明の目的とするところは、収縮
応力性、熱収縮性、密着性に優れた熱収縮フィルムを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の本発明の目的は、
グリコール成分の中で1,3−プロパンジオールを1重
量%以上含有し、フィルムの100℃の熱風中での少な
くとも一方向の熱収縮率が20%以上であり、フィルム
の120℃における収縮応力が1MPa以下であること
を特徴とする熱収縮ポリエステルフィルムによって達成
される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では、グリコール成分の中
で1,3−プロパンジオールを1重量%以上含有し、1
00℃の熱風中での少なくとも一方向の熱収縮率が20
%以上であり、120℃における収縮応力が1MPa以
下であるポリエステルフィルムを使用することで、熱収
縮性、収縮応力性に優れ、容器への良好な密着性が得ら
れる。
【0008】ここで、ポリエステルとはジカルボン酸成
分とグリコール成分からなるポリマーであり、ジカルボ
ン酸成分としては、例えばイソフタル酸、テレフタル
酸、フタル酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,
7−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン
酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジ
フェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニ
ルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、マロン酸、1,
1−ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、セバチン酸、デカメチレンジカルボン酸などが挙
げることができる。これらのジカルボン酸のうち、テレ
フタル酸が耐熱性、コストの点から好ましく用いられ
る。
【0009】一方、本発明は、グリコール成分の中で、
1,3−プロパンジオールを1重量%以上含有するもの
である。1重量未満では収縮応力性が悪化するので好ま
しくない。なお、1,3−プロパンジオールは、ポリマ
ーの重合過程で副成分を生成し、含有率99重量%を越
える1,3−プロパンジオールのポリエステルは得られ
にくいことから、含有率の上限は99重量%である。よ
り好ましくは5〜80重量%である。5重量%未満では
収縮応力性が悪化しやすいので好ましくない。逆に80
重量%を越えると熱収縮性が悪化しやすいので好ましく
ない。さらに好ましくは30〜80重量%であること
が、収縮応力性と熱収縮性をバランスさせる点で好まし
い。
【0010】また、グリコール成分の中で本発明の効果
を損なわない範囲で1,3−プロパンジオールの他のも
のとして、他のグリコール成分、例えば、エチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジ
メタノール、ハイドロキノン、ビスフェノール−Aな
ど、またポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレン
グリコール−プロピレングリコール共重合体等を含有す
ることができる。
【0011】また、本発明の熱収縮ポリエステルフィル
ムは、100℃における少なくとも一方向の熱収縮率が
20%以上のものである。熱収縮率が20%未満の場
合、熱収縮性が不十分となり、フィルムが容器に十分密
着しないので好ましくない。
【0012】また、本発明の熱収縮ポリエステルフィル
ムは、120℃における収縮応力が1.0MPa以下の
ものである。1.0MPaを越えると収縮応力が大きく
容器を変形させやすいので好ましくない。
【0013】また、本発明の熱収縮ポリエステルフィル
ムはエチレンテレフタレート単位を主成分とするポリエ
ステルAとトリメチレンテレフタレート単位を主成分と
するポリエステルBとを混合してなることが好ましい。
【0014】ポリエステルAは構成単位の50重量%以
上がエチレンテレフタレート単位とするポリエステルで
ある。エチレンテレフタレート成分以外の30重量%以
下好ましくは20重量%以下の範囲でトリメチレンテレ
フタレート、ブチレンテレフタレレート、ブチレンテレ
フタレート、ヘキサンテレフタレート、エチレンナフタ
レート、シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ヒ
ドロキシベンゾエートおよびそれらの共重合体であって
もよい。
【0015】ポリエステルBは構成単位の50重量%以
上がトリメチレンテレフタレート単位とするポリエステ
ルである。トリメチレンテレフタレート成分以外の30
重量%以下好ましくは20重量%以下の範囲でエチレン
テレフタレート、ブチレンテレフタレレート、ブチレン
テレフタレート、ヘキサンテレフタレート、エチレンナ
フタレート、シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト、ヒドロキシベンゾエートおよびそれらの共重合体で
あってもよい。
【0016】ポリエステルAとポリエステルBの割合は
任意の割合で配合することができ、好ましくはポリエス
テルBの配合量10〜90重量%が収縮応力性と熱収縮
性をバランスさせる点でより好ましい。
【0017】また、本発明の熱収縮ポリエステルフィル
ムは、該フィルムの厚さ方向の屈折率が1.48〜1.
50であることが収縮応力性と熱収縮性をバランスさせ
る点で好ましい。
【0018】また、本発明の熱収縮ポリエステルフィル
ムは、二軸延伸性を良好にする点でカルボキシル末端基
数が40eq/t以下であることが好ましい。好ましく
は5〜25eq/tである。
【0019】また、本発明の熱収縮ポリエステルフィル
ムは、無機粒子、有機粒子、架橋高分子粒子などの公知
の粒子を添加して製造時、加工時、使用時の走行性やハ
ンドリング性を向上させることができる。
【0020】無機粒子としては特に限定されないが、炭
酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、
炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸
リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸
化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコ
ニウム、フッ化リチウム等が挙げられる。
【0021】有機粒子としてはシュウ酸カルシウムやカ
ルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等
のテレフタル酸塩が挙げられる。
【0022】架橋高分子粒子としてはジビニルベンゼ
ン、スチレン、アクリル酸、メタクリ酸、アクリル酸、
メタクリル酸のビニル系モノマーの単独または共重合体
が挙げられる。その他ポリテトラフルオロエチレン、ベ
ンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポキシ樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール
樹脂などの有機微粒子も好ましく用いられる。
【0023】本発明の熱収縮ポリエステルフィルムは、
必要に応じて難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワッ
クスの有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤を配
合することができる。
【0024】さらに本発明の熱収縮ポリエステルフィル
ムには、各種コーティングを施してもよい。本発明の熱
収縮ポリエステルフィルムの厚みは特に限定しないが、
1〜300μm、好ましくは5〜100μmで有効に使
用される。
【0025】次に、本発明の熱収縮ポリエステルフィル
ムの製造方法について説明する。
【0026】まず、本発明のポリエステルAおよびポリ
エステルBの重合方法について説明する。ポリエステル
Aの重合方法は、従来公知の、例えばジカルボン酸とグ
リコールの反応で直接低重合度ポリエステルを得る方法
や、ジカルボン酸の低級アルキルエステルと従来公知の
エステル交換触媒である、例えばナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム、亜鉛、ストロンチウム、チタン、ジ
ルコニウム、マンガン、コバルトを含む化合物の一種ま
たは二種以上を用いて加熱反応させ低重合ポリエステル
を得ることができ、得られた低重合度ポリエステルは、
重合触媒の存在下で減圧下200〜260℃で加熱重合
が行われる。
【0027】好ましい重合触媒としては三酸化アンチモ
ン、五酸化アンチモンのようなアンチモンや二酸化ゲル
マニウムで代表されようなゲルマニウム化合物や、特に
好ましい重合触媒としてはチタン化合物が挙げられる。
【0028】チタン化合物は例えばテトラアルキルチタ
ネート、テトラアリールチタネート、シュウ酸チタニル
塩類、シュウ酸チタニル、チタンを含むキレート化合
物、チタンのテトラカルボキシレート等であり、具体的
にはテトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネー
ト、テトラフェニルチタネートまたはこれらの部分加水
分解、シュウ酸チタニルアンモニウム、シュウ酸チタニ
ルカリウム、チタントリスアセチルアセトネート等を挙
げることができる。
【0029】なお、このポリエステルは、溶融重合後こ
れをチップ化し、160〜220℃で減圧下または窒素
などの不活性気流中で固相重合することもできる。
【0030】本発明のポリエステルBの重合方法もグリ
コール成分として1,3−プロパンジオールを使用する
以外はポリエステルAの重合方法と同様にして得ること
ができる。熱収縮ポリエステルフィルムの1,3−プロ
パンジオール成分の含有量は、他のグリコール成分を任
意の割合で同時に反応缶に仕込むことや、溶融重合後あ
るいはフィルムの製造前にポリエステルAを任意の割合
で配合することにより、含有量を1〜99重量%に変更
することができる。
【0031】また、本発明の熱収縮ポリエステルフィル
ムは、従来公知の任意の方法を用いて製造することがで
きる。例えば二軸延伸フィルムの場合、前述の本発明の
組成のポリエステルまたは共重合ポリエステルを通常の
ホッパドライヤー、パドリドライヤー、真空乾燥機等を
用いて乾燥した後、200〜320℃で溶融押し出し、
急冷して未延伸フィルムを得る。Tダイ法を用いた場
合、急冷時にいわゆる静電印加密着法を用いることによ
り、厚みの均一なフィルムを得ることができ好ましい。
【0032】次いでこの未延伸フィルムを同時あるいは
逐次に二軸延伸する方法が挙げられる。また、逐次二軸
延伸の場合、その延伸順序はフィルムを長手方向および
幅方向の順、あるいはこの逆の順としてもよい。さら
に、逐次二軸延伸においては、長手方向あるいは幅方向
の延伸を2回以上行うことも可能である。延伸方法につ
いては特に制限はなく、ロール延伸、テンター延伸等の
方法が適用され、形状面においてはフラット状、チュー
ブ状等どのようなものであってもよい。
【0033】フィルムの長手方向および幅方向の延伸倍
率は目的とするフィルムの熱収縮性、収縮応力性、容器
への密着性は配向度などに応じて任意に設定することが
できるが、好ましくは1.5〜6.0倍である。延伸温
度はポリエステルのガラス転移温度以上、結晶化温度以
下の範囲であれば任意の温度とすることができるが、通
常は30〜150℃が好ましい。さらに、二軸延伸の後
にフィルムの熱処理を行うことができる。熱処理温度は
ポリエステルの融点以下の任意の温度とすることができ
るが、好ましくは50〜150℃である。熱処理はフィ
ルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させつつ行
ってもよい。
【0034】
【実施例】次に、本発明の効果を実施例により説明する
が、本発明がこれらの実施例に限定されるものではな
い。まず、特性値の測定方法および評価方法を以下に示
す。
【0035】[特性値の測定方法・評価方法] (1)熱収縮率および外観 フィルムの長手方向に250mm、幅方向に10mmの
短冊状にサンプルを切り出し、23℃、湿度60%の雰
囲気中に30分間放置し、その雰囲気中で長手方向に2
00mmの間隔で2つの印をつけ、リニアスケール測長
機を用いて、その印の間隔を測定し、その値をLA とす
る。次に100℃の熱風を用い5分間加熱後、23℃、
湿度60%の雰囲気に1時間冷却、調湿後、先につけた
印の間隔をリニアスケール測長機で測定し、その値をL
B とする。次式により熱収縮率を求める。
【0036】 熱収縮率(%)={(LA −LB )/LA }×100 次いで、MDとTD方向の熱収縮率の平均が20%以上
のものを○、10〜20%の範囲のものを△、10%未
満のものを×として評価した。さらに熱収縮後に、白化
等の外観不良を生じたものを×、良好なものを○として
評価した。
【0037】(2)収縮応力 フィルムを幅5mmの短冊状にサンプリングし、真空理
工(株)製熱分析システムMTS9000型、熱収応力
測定機TM9400型により、室温からフィルムの融点
まで昇温速度20℃/分で加熱したときに発生する収縮
力を測定し、温度に対する収縮応力を求めた。120℃
の熱収縮応力が、1.0MPa未満のものを○、1.0
〜1.5MPaの範囲のものを△、1.5MPa以上を
×として評価した。
【0038】(3)屈折率 アタゴ(株)製アッベ屈折計を用い、光源をナトリウム
ランプとして、フィルムの屈折率の測定を行った。フィ
ルム面内の厚み方向の屈折率nαを求めた。
【0039】(4)破断強度、引張弾性率 JIS−Z1702−1976に準じ、幅10mm、長
さ100mmの短冊状サンプルを引張速度300mm/
分で測定した。
【0040】(5)アルミニウム容器への密着性 アルミニウム容器への密着性を東洋エコー(株)製N
o.53のアルミニウム容器にフィルムをドライヤーで
収縮させ包装した後、外観の状態を次のように分類する
ことにより評価した。フィルムが十分に収縮し容器を包
み、容器の形状が元の形状を保持しているものを○、フ
ィルムが十分に収縮し容器を包むが、容器がやや変形し
ている箇所のあるものを△、フィルムの収縮が不足し、
良好に容器を包装できないものおよびフィルムが十分に
収縮し容器を包むがはっきりと変形している箇所のある
ものを×として評価した。
【0041】(6)カルボキシル末端基数 Maurice- Hwzingaのクレゾール溶解法(Anal .Che
m .Acta ,22 363(1960))で求めた。
【0042】(7)総合評価 収縮応力性、熱収縮性、容器への密着性を熱収縮フィル
ムとしての実用性について、優れるものを○、やや劣る
ものを△、劣るものを×として評価した。
【0043】実施例1 ポリエステルAは、公知の製造法により、ジカルボン酸
成分としてテレフタル酸単位86モル%、イソフタル酸
単位14モル%よりなり、グリコール成分としてエチレ
ングリコールにより、平均粒径1.1μmの真球状コロ
イダルシリカをポリマー当たり0.15重量%になるよ
うに添加した共重合ポリエステルを得た。
【0044】ポリエステルBは、まずジカルボン酸成分
としてテレフタール酸81重量部とグリコール成分とし
て1,3−プロパンジオール74重量部および重合触媒
としてテトラブチルチタネート0.08重量部を反応缶
に仕込み缶内の温度を150℃から190℃まで30分
以後3時間を要して230℃まで昇温し、留出する水を
系外に除去し、実質的なエステル化反応を終了させた。
得られた反応物にテトラブチルチタネートを0.03重
量部を追添加するとともに、平均粒径1.1μmの真球
状コロイダルシリカをポリマー当たり0.15重量%に
なるように添加し、230℃常圧から徐々に減圧、昇温
し60分を要して250℃、0.5mmHgに到達させ
た。重合反応を4時間20分行った。
【0045】押出機に上記で得られたポリエステルA5
0重量%とポリエステルB50重量%とを120℃で一
昼夜真空乾燥した原料を供給して260℃の温度で溶融
させ、濾過フィルターを得た後、スリット状の口金でシ
ート状に成形し、該シートに静電荷を印加させながら、
25℃に保った金属ドラムに巻き付けて冷却固化させ、
シート状とした。このシートを60℃の温度に加熱し、
長手方向に2.0倍延伸し冷却した後、引き続きテンタ
ー式延伸機に導き、60℃の温度に加熱し、幅方向に6
5℃で3.0倍延伸後、85℃の温度で熱処理を施し、
常温空気をフィルムに吹き付け、40℃の温度に冷却し
た。ついで縦方向に65℃で1.5倍再延伸し、85℃
の熱処理を施し、冷却して、引き続き常温空気をフィル
ムに吹き付け、40℃の温度に冷却し、ロール状に巻き
取り、熱収縮ポリエステルフィルムとした。フィルムの
厚みは25μmであった。
【0046】実施例2 ポリエステルA20重量%とポリエステルB80重量%
とした以外は実施例1と同様にして平均厚み25μmの
フィルムを得た。
【0047】実施例3 ポリエステルA95重量%とポリエステルB5重量%と
した以外は実施例1と同様にして平均厚み25μmのフ
ィルムを得た。
【0048】実施例4 ポリエステルB100重量%とした以外は実施例1と同
様にして平均厚み25μmのフィルムを得た。
【0049】比較例1 実施例1においてポリエステルA100重量%および延
伸条件を88℃、2.0倍の縦延伸、97℃、3.0倍
の横延伸とした以外は実施例1と同様にして平均厚み2
5μmのフィルムを得た。
【0050】比較例2 実施例1において延伸条件を60℃、1.2倍の縦延
伸、65℃、1.5倍の横延伸、85℃の熱処理のみと
する以外は実施例1と同様にして平均厚み25μmのフ
ィルムを得た。
【0051】比較例3 押出機にジカルボン酸成分としてテレフタル酸よりな
り、グリコール成分としてエチレングリコールよりな
り、平均粒径1.1μmの真球状コロイダルシリカをポ
リマー当たり0.15重量%になるように添加したポリ
エステルA100重量%を供給して280℃の温度で溶
融させ、濾過フィルターを得た後、スリット状の口金で
シート状に成形し、該シートに静電荷を印加させなが
ら、25℃に保った金属ドラムに巻き付けて冷却固化さ
せ、シート状とした。このシートを88℃の温度に加熱
し、長手方向に2.0倍延伸し冷却した後、引き続きテ
ンター式延伸機に導き、80℃の温度に加熱し、幅方向
に97℃で3.0倍延伸後、85℃の温度で熱処理を施
し、常温空気をフィルムに吹き付け、40℃の温度に冷
却した。ついで縦方向に105℃で1.5倍再延伸し、
85℃の熱処理を施し、冷却して、引き続き常温空気を
フィルムに吹き付け、40℃の温度に冷却し、ロール状
に巻き取った。フィルムの厚みは25μmであった。
【0052】比較例4 実施例1において延伸条件を60℃、1.4倍の縦延
伸、85℃の熱処理のみとする以外は実施例1と同様に
して平均厚み25μmのフィルムを得た。
【0053】比較例5 実施例1において延伸条件を60℃、2.0倍の縦延
伸、65℃、3.0倍の横延伸、85℃の熱処理のみと
する以外は実施例1と同様にして平均厚み25μmのフ
ィルムを得た。
【0054】実施例5〜6、比較例6 実施例1で用いたポリエステルB原料のカルボキシル末
端基数を変更する以外は、実施例1と同様にしてフィル
ムを得た。
【0055】以上の実施例1〜6および比較例1〜6の
製造条件と得られたフィルム特性の評価結果をまとめた
のが次の表1、表2である。
【0056】
【表1】
【表2】 表1、表2の結果からわかるように、実施例1〜5で得
られた熱収縮ポリエステルフィルムは収縮応力性、熱収
縮性、容器密着性に優れたフィルムであった。
【0057】すなわち、表1、表2から上記フィルム特
性を得るには1,3−プロパンジオールを1重量%以上
含有し、フィルムの100℃の熱風中での少なくとも一
方向の熱収縮率が20%以上であることがわかった。
【0058】一方、比較例1、比較例3および比較例5
で得られたフィルムは、収縮応力が大きく、容器の変形
する箇所が認められ好ましくなかった。また比較例2お
よび比較例4のフィルムは熱収縮性が小さく、容器への
密着性が十分でなく収縮フィルムとして好ましくなかっ
た。比較例6は二軸延伸性が悪くフィルムが作製できな
かった。
【0059】
【発明の効果】本発明で得られた熱収縮ポリエステルフ
ィルムは、グリコール成分の中で1,3−プロパンジオ
ールを1重量%以上含有し、フィルムの100℃の熱風
中での少なくとも一方向の熱収縮率が20%以上であ
り、フィルムの120℃の収縮応力が1MPa以下であ
ることにより、収縮応力性、熱収縮性、容器への密着性
に優れたフィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 67:00 105:02 B29L 7:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリコール成分の中で1,3−プロパンジ
    オールを1重量%以上含有し、フィルムの100℃の熱
    風中での少なくとも一方向の熱収縮率が20%以上であ
    り、フィルムの120℃における収縮応力が1MPa以
    下であることを特徴とする熱収縮ポリエステルフィル
    ム。
  2. 【請求項2】グリコール成分の中で1,3−プロパンジ
    オールを5〜80重量%含有し、フィルムの100℃の
    熱風中での少なくとも一方向の熱収縮率が20%以上で
    あり、フィルムの120℃における収縮応力が1MPa
    以下であることを特徴とする熱収縮ポリエステルフィル
    ム。
  3. 【請求項3】ポリエステルが、エチレンテレフタレート
    単位を主成分とするポリエステルAとトリメチレンテレ
    フタレート単位を主成分とするポリエステルBとを混合
    してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の熱収縮ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】該フィルムの厚み方向の屈折率が、1.4
    8〜1.5であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の熱収縮ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】該フィルムのカルボキシル末端基数が、4
    0eq/t以下であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の熱収縮ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】該フィルムが包装用フィルムであることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱収縮ポリ
    エステルフィルム。
JP10052316A 1998-03-04 1998-03-04 熱収縮ポリエステルフィルム Pending JPH11246684A (ja)

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JP10052316A JPH11246684A (ja) 1998-03-04 1998-03-04 熱収縮ポリエステルフィルム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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