JPH11246218A - アルミナゾル、アルミナゾルの製造方法および記録シート - Google Patents

アルミナゾル、アルミナゾルの製造方法および記録シート

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JPH11246218A
JPH11246218A JP10052430A JP5243098A JPH11246218A JP H11246218 A JPH11246218 A JP H11246218A JP 10052430 A JP10052430 A JP 10052430A JP 5243098 A JP5243098 A JP 5243098A JP H11246218 A JPH11246218 A JP H11246218A
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JP
Japan
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sol
alumina
alumina sol
peptization
recording sheet
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JP10052430A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Tanuma
敏弘 田沼
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗布乾燥したときに吸収性に優れた多孔質層を
形成することができ、かつ基材への塗工性が良好なアル
ミナゾルを得る。 【解決手段】アルミナ水和物のスラリーを酸で解膠しア
ルミナゾルを製造する方法において、濃縮時に固形分濃
度を変えることにより、ゾルの平均粒子径を300〜7
00nmの範囲に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミナゾル、ア
ルミナゾルの製造方法および記録シートに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミニウムイソプロポキシドを
加水分解し、得られた殿に酸を添加して解膠することに
よりアルミナゾルを製造する方法が知られている(B.E.
Yoldas, Amer. Ceram. Soc. Bull. 54, 289(1975) な
ど)。同様に、アルミン酸ナトリウムの水溶液に、酸を
加えてアルミナ水和物の沈殿を得て、これを酸などの解
膠剤を添加して、例えばオートクレーブ中で加熱して解
膠する方法も知られている。また、特開平6−6491
9号公報には、ゾル粒子として平均凝集粒子径が250
nm以下のアルミナゾルが記載されている。
【0003】このアルミナゾルをバインダーとともに基
材上に塗布し、乾燥させることにより、基材上に吸収性
が良好な多孔質層を形成することができる。例えば、フ
ィルム上にこのような多孔質層を形成することにより、
インクジェットプリンタによる記録に適した記録媒体が
得られることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】インクジェットプリン
タに用いる記録媒体では、高いインクの吸収性が必要と
される。インクジェットプリンタによっては中間色を正
確に再現するために、特に大量のインクを用いる形式の
ものがあり、このようなプリンタに対応するためには、
記録媒体も極めて高いインク吸収性を有することが要求
される。本発明は、基材に塗布した場合に高い吸収性を
有する多孔質層を形成することができ、しかも、保存
性、塗工製にも優れたアルミナゾルを得ることを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミナ水和
物の凝集粒子を分散相として含むゾルであって、平均凝
集粒子径が300〜700nmの範囲であるアルミナゾ
ルを提供する。
【0006】本発明のアルミナゾルは、ゾル中に分散層
として含まれアルミナ水和物が凝集粒子であって、しか
もその平均凝集粒子径が従来のアルミナゾルに比較し
て、大きいことを特徴とする。平均凝集粒子径は、例え
ばレーザー光の散乱などを利用して測定することができ
る。
【0007】本発明のアルミナゾルは、上記の構成を有
するため、このアルミナゾルを基材などに塗布した場
合、吸収性の良好な多孔質層を形成することができる。
従来のアルミナゾルでは、平均凝集粒子径は、通常27
0nm程度であり、それより大きいものは知られていな
かった。
【0008】本発明において、アルミナゾルの平均凝集
粒子径が300nmに満たない場合は、インクジェット
プリンタ用の記録シートに用いる場合、吸収性の高い塗
工層は得られない。逆に、アルミナゾルの平均粒子径が
700nmを超える場合は、アルミナゾルが不安定にな
りやすく、塗工液の固形分濃度を高くできないので不適
当である。特開平6−64919号公報に記載されるよ
うに、平均凝集粒子径が大きくなるほど塗工層の透明性
は低くなる傾向があるが、塗工層の透明性より吸収性の
方が優先する用途の場合は、本発明のアルミナゾルが好
適である。
【0009】本発明はまた、アルミナ水和物粒子を含む
分散液に酸を添加し、解膠した後、濃縮してゾルを製造
する方法において、濃縮後の固形分濃度が10〜20重
量%になった時点で解膠操作をやめて、アルミナ水和物
の凝集粒子を分散相として含むゾルであって、平均凝集
粒子径が300〜700nmの範囲であるアルミナゾル
を製造する方法を提供する。
【0010】本発明者は、アルミナゾルの平均粒子径
が、解膠剤の種類や量には依存せず、ゾルの固形分濃度
に大きく依存するということを見いだし、本発明をなし
たものである。
【0011】解膠の際の温度は80℃以上が好ましい。
温度が80℃未満の場合には、解膠に長時間を要した
り、解膠が不十分になるおそれがあるので好ましくな
い。解膠時間は、酸の使用量が多いほど短くなる傾向に
あるが、通常10〜72時間程度が適当である。なお、
解膠は均質なゾルを得るために撹拌下で行うのが好まし
い。
【0012】
【発明の実施の形態】アルミナ水和物の合成法として
は、アルミニウムアルコキシドの加水分解による方法、
またはアルミニウムの無機塩から合成する方法のいずれ
も採用することができる。
【0013】本発明において、アルミナ水和物としては
具体的には、結晶性のベーマイト(組成式Al23
nH2 O、n=1〜1.5)または水酸化アルミニウム
(組成式Al23 ・nH2 O、n=3〜5)あるいは
無定形のアルミナ水和物が挙げられる。特に、アルミナ
水和物がベーマイトである場合にはゾルから溶媒を乾燥
して得られるゲル体が吸収性が良好であると同時に透明
性が良好であるので、記録シートのインク吸収層などの
用途に好適に使用できる。
【0014】本発明のアルミナゾルは、好ましくはバイ
ンダーと混合して塗工液とし、基材に塗布して多孔質層
形成することにより、インクジェットプリンタに適した
記録シートを製造することができる。基材としては、
紙、合成紙、高分子フィルム、不織布などが使用でき
る。
【0015】バインダーとしては、でんぷんまたはその
変性物、ポリビニルアルコールまたはその変性物、スチ
レンブタジエンゴムラテックス、アクリル樹脂ラテック
ス、アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、ポリ
ビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等の有
機物を用いることができる。バインダーの使用量は、ア
ルミナゾルの固形分の2〜50重量%、特には3〜25
重量%を採用することが好ましい。バインダーの使用量
が2重量%未満の場合は多孔質層の強度が不十分になる
おそれがあり、逆に50重量%を超える場合には多孔質
層の吸収性が不十分になるおそれがあるのでそれぞれ好
ましくない。
【0016】
【実施例】例1 容量2000cm3 のガラス製反応器(セパラブル平底
バッフル付きフラスコ、撹拌翼、温度計、凝縮器付き)
に、イオン交換水810gとイソプロパノール676g
を仕込み、マントルヒーターにより液温を75℃に加熱
した。撹拌しながらアルミニウムイソプロポキシド30
6gを添加し、撹拌500rpm、液温75〜80で2
0時間加水分解した。次いで、イオン交換水400gを
添加しながら溶媒として用いたイソプロパノールおよび
加水分解で生成したイソプロパノールを留去した。イソ
プロパノールがほぼ全量留去されたときに、液温は95
℃になった。
【0017】次いで、20%のアミド硫酸水溶液7.6
gを添加して15時間95℃に保持して、解膠を行っ
た。さらにこの液を濃縮していき固形分濃度が10重量
%になったところで濃縮をやめ、乳白色のゾルを得た。
【0018】このゾルのpHは25℃で4.5であり、
これらのゾルの140℃乾燥物は粉末X線回折によると
ベーマイト結晶からなり結晶粒子の(010)面に垂直
な方向の結晶の厚さは81Åであった。このゾルは安定
で長期間の保存が可能であった。平均凝集粒子径をレー
ザー散乱法により測定した結果を表1に示す。
【0019】このゾル100gに、ポリビニルアルコー
ル(クラレ社製、124H)の10重量%水溶液を固形
分基準で10重量%添加して塗工液を調製した。この塗
工液を厚さ200μmのレジンコート紙上に、乾燥後の
膜厚が20μmになるようにバーコーターで塗布し乾燥
した結果、塗膜にはクラックは発生せず、インク吸収性
の大きな記録シートが得られた。
【0020】この記録シートに、フォトインクジェット
プリンタ(キヤノン社製、商品名BJC430J)を用
いて、シアンとイエローの2つのインクの混色によるグ
リーンのテストパターンの印刷を行った。このプリンタ
での最大のインク吐出量を100%とし、85%、70
%、55%、40%で印刷した。ムラなく印刷できた最
大のインク量を肉眼で判断することにより、インク吸収
性を評価した。その結果を表1に示す。このプリンタ
は、従来のインクジェットプリンタに比較すると、同じ
色濃度の印刷をするために必要なインク量が多いという
特徴がある。上記のインク量で40%でムラなく印字で
きる記録シートであれば、従来のインクジェットプリン
タには対応できる。
【0021】例2〜5 解膠後のゾルについて、それぞれ表1に示した濃度まで
濃縮したこと以外は例1と同様にしてアルミナゾルを得
た。いずれもゾルもpHは25℃で4.5であり、これ
らのゾルの140℃乾燥物は粉末X線回折によるとベー
マイト結晶からなり結晶粒子の(010)面に垂直な方
向の結晶の厚さは81Åであった。同様に、これらのゾ
ルは安定で長期間の保存が可能で、塗工性も良好であっ
た。
【0022】ゾルの平均凝集粒子径をレーザー散乱法に
より測定した結果、および、例1と同様にして作製した
記録シートについて行ったインク吸収性評価の結果を表
1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】例6(参考例) 例5のアルミナゾルについて、超音波ホモジナイザーを
用いて超音波処理を施して、平均凝集粒子径200nm
のアルミナゾルを得た。このアルミナゾルを用い、例1
と同様にして記録シートを作製した。この記録シートに
ついて、同様にインク吸収性を評価したところ、ムラな
く印刷できたインク量は70%であった。さらに、例1
〜4のアルミナゾルについても、さらに超音波処理を施
し、その処理時間を変えることで粒径を150〜300
nmの間になるように制御できた。
【0025】
【発明の効果】本発明のアルミナゾルを基材上に塗布し
乾燥させた場合には、特に吸収性が良好な多孔質ゲル層
を形成することができる。本発明のアルミナゾルは、保
存性、塗工安定性に優れ、乾燥時にクラックが発生する
ことがなく容易に厚塗りができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナ水和物の凝集粒子を分散相として
    含むゾルであって、平均凝集粒子径が300〜700n
    mの範囲であるアルミナゾル。
  2. 【請求項2】アルミナ水和物が、ベーマイトである請求
    項1記載のアルミナゾル。
  3. 【請求項3】アルミナ水和物粒子を含む分散液に酸を添
    加し、解膠した後、濃縮してゾルを製造する方法におい
    て、濃縮後の固形分濃度が10〜20重量%になった時
    点で解膠操作をやめて、アルミナ水和物の凝集粒子を分
    散相として含むゾルであって、平均凝集粒子径が300
    〜700nmの範囲であるアルミナゾルを製造する方
    法。
  4. 【請求項4】アルミナ水和物が、ベーマイトである請求
    項3記載のアルミナゾルの製造方法。
  5. 【請求項5】基材上に、請求項1または2記載のアルミ
    ナゾルとバインダーとを混合た塗工液を、塗布して形成
    した多孔質層を有する記録シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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