JPH11244648A - 湿式排煙脱硫装置の吸収剤スラリー流量制御方法及び装置 - Google Patents

湿式排煙脱硫装置の吸収剤スラリー流量制御方法及び装置

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JPH11244648A
JPH11244648A JP10053590A JP5359098A JPH11244648A JP H11244648 A JPH11244648 A JP H11244648A JP 10053590 A JP10053590 A JP 10053590A JP 5359098 A JP5359098 A JP 5359098A JP H11244648 A JPH11244648 A JP H11244648A
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JP
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absorbent
concentration
flow rate
slurry
amount
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JP10053590A
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English (en)
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Kiyohito Otsubo
清仁 大坪
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸収剤の活性低下に伴う吸収剤過剰率の上昇
を抑えることができ、吸収剤の適切な供給並びに石膏純
度の確保にもつながる湿式排煙脱硫装置の吸収剤スラリ
ー流量制御方法及び装置を提供する。 【解決手段】 脱硫ガス流量Aと吸収塔入口SO2濃度
Bとに基づいて必要吸収剤量20を求め、吸収液のpH
を設定pH値に保持するのに必要となる吸収剤量補正値
24と、未反応吸収剤濃度Cを未反応吸収剤濃度計算値
36に保持するのに必要となる吸収剤量補正値40との
うち、小さい方を選択して前記必要吸収剤量20に加え
ることにより、補正吸収剤量26’を求め、該補正吸収
剤量26’と吸収剤スラリー濃度Eとに基づき設定吸収
剤スラリー流量28を求め、吸収剤スラリー流量Dが設
定吸収剤スラリー流量28と等しくなるよう制御を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿式排煙脱硫装置
の吸収剤スラリー流量制御方法及び装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、発電所等においては、石炭焚ボ
イラ等から排出される排ガスからSO 2(硫黄酸化物)
を吸収除去するために、吸収剤として炭酸カルシウム
(CaCO3)を用いた排煙脱硫装置が設けられるが、
該排煙脱硫装置は、通常、図4に示されるように、下部
に吸収液1の液溜部1aが形成され且つ上部に多数のス
プレーノズル2が配設された吸収塔3と、該吸収塔3の
液溜部1aの吸収液1を汲み上げ前記スプレーノズル2
から噴霧させて循環させる複数台の循環ポンプ4と、前
記吸収塔3の液溜部1aに酸化空気を供給する酸化空気
ブロワ5とを備えてなる構成を有している。
【0003】前述の如き排煙脱硫装置の場合、吸収液1
が循環ポンプ4の作動によりスプレーノズル2から噴霧
されつつ循環しており、図示していない石炭焚ボイラ等
から吸収塔3に送り込まれた排ガスは、前記スプレーノ
ズル2から噴霧される吸収液1と接触することにより、
SO2(硫黄酸化物)が吸収除去された後、外部へ排出
される。
【0004】一方、前記排ガスからSO2を吸収した吸
収液1は、液溜部1aに滴下し、酸化空気ブロワ5の作
動によって液溜部1a内へ供給される酸化空気により強
制的に酸化され、石膏(硫酸カルシウム(CaS
4))が生成され、該石膏を含む液溜部1a内の吸収
液1の一部は、石膏スラリーとして回収され、該石膏ス
ラリーから水分が除去され石膏が生成されるようになっ
ている。
【0005】又、前記吸収塔3には、必要に応じて適
宜、流量調整弁8の開度を制御することにより、所要量
の吸収剤スラリーが供給されるようになっているが、そ
の制御系は、吸収塔3内における吸収液1のpH(ペー
ハー)を検出するpH計7と、脱硫ガス流量Aを検出す
る脱硫ガス流量計9と、吸収塔入口SO2濃度Bを検出
する吸収塔入口SO2濃度計10と、吸収剤スラリー流
量Dを検出する吸収剤スラリー流量計12と、吸収剤ス
ラリー濃度Eを検出する吸収剤スラリー濃度計13とを
備えると共に、前記脱硫ガス流量計9で検出された脱硫
ガス流量Aと、前記吸収塔入口SO2濃度計10で検出
された吸収塔入口SO2濃度Bと、前記pH計7で検出
された吸収液1のpHと、前記吸収剤スラリー濃度計1
3で検出された吸収剤スラリー濃度Eとに基づき、前記
吸収液1のpHを設定pH値に保持するのに必要となる
設定吸収剤スラリー流量28(図5参照)を求め、前記
吸収剤スラリー流量Dが設定吸収剤スラリー流量28と
等しくなるよう、前記流量調整弁8へ開度指令32を出
力する制御器6とを備えてなる構成を有している。
【0006】前記制御器6は、図5に示される如く、前
記吸収塔入口SO2濃度計10で検出された吸収塔入口
SO2濃度Bに対して設定脱硫率(例えば90%)を掛
けることにより、脱硫SO2濃度14を求めて出力する
乗算器15と、前記脱硫ガス流量計9で検出された脱硫
ガス流量Aに対して前記乗算器15から出力される脱硫
SO2濃度14を掛けることにより、排ガス中から除去
するSO2量16を求めて出力する乗算器17と、該乗
算器17から出力されるSO2量16に対して(吸収剤
量/SO2量)の値を掛けることにより、吸収剤量18
を求めて出力する乗算器19と、該乗算器19から出力
される吸収剤量18に対して設定吸収剤過剰率(例えば
1.02)を掛けることにより、実際に必要となる必要
吸収剤量20を求めて出力する乗算器21と、予め設定
された設定pH値(例えば5.0)と前記pH計7で検
出された吸収液1のpHとの差を求め、pH偏差22を
出力する減算器23と、該減算器23から出力されるp
H偏差22を比例積分処理して該pH偏差22をなくす
ための吸収剤量に換算した吸収剤量補正値24を出力す
る比例積分調節器25と、前記乗算器21から出力され
る必要吸収剤量20に対して前記比例積分調節器25か
ら出力される吸収剤量に換算した吸収剤量補正値24を
加えることにより、pH考慮必要吸収剤量26を求めて
出力する加算器27と、該加算器27から出力されるp
H考慮必要吸収剤量26を前記吸収剤スラリー濃度計1
3で検出された吸収剤スラリー濃度Eで割ることによ
り、設定吸収剤スラリー流量28を求めて出力する除算
器29と、該除算器29から出力される設定吸収剤スラ
リー流量28と前記吸収剤スラリー流量計12で検出さ
れた吸収剤スラリー流量Dとの差を求め、吸収剤スラリ
ー偏差30を出力する減算器31と、該減算器31から
出力される吸収剤スラリー偏差30を比例積分処理して
該吸収剤スラリー偏差30をなくすための流量調整弁8
の開度指令32を出力する比例積分調節器33とを備え
てなる構成を有している。
【0007】前記排煙脱硫装置の運転時には、pH計7
で検出された吸収液1のpHと、脱硫ガス流量計9で検
出された脱硫ガス流量Aと、吸収塔入口SO2濃度計1
0で検出された吸収塔入口SO2濃度Bと、吸収剤スラ
リー流量計12で検出された吸収剤スラリー流量Dと、
吸収剤スラリー濃度計13で検出された吸収剤スラリー
濃度Eとが制御器6へ入力され、該制御器6の乗算器1
5において前記吸収塔入口SO2濃度計10で検出され
た吸収塔入口SO2濃度Bに対して設定脱硫率を掛ける
ことにより、脱硫SO2濃度14が求められて乗算器1
7へ出力され、該乗算器17において前記脱硫ガス流量
計9で検出された脱硫ガス流量Aに対して前記乗算器1
5から出力される脱硫SO2濃度14を掛けることによ
り、排ガス中から除去するSO2量16が求められて乗
算器19へ出力され、該乗算器19において前記乗算器
17から出力されるSO2量16に対して(吸収剤量/
SO2量)の値を掛けることにより、吸収剤量18が求
められて乗算器21へ出力され、該乗算器21において
前記乗算器19から出力される吸収剤量18に対して設
定吸収剤過剰率を掛けることにより、実際に必要となる
必要吸収剤量20が求められて加算器27へ出力される
一方、減算器23において予め設定された設定pH値と
前記pH計7で検出された吸収液1のpHとの差が求め
られてpH偏差22が比例積分調節器25へ出力され、
該比例積分調節器(フィードバック制御演算を行なって
いる調節器)25において前記減算器23から出力され
るpH偏差22が比例積分処理され該pH偏差22をな
くすための吸収剤量に換算した吸収剤量補正値24が加
算器27へ出力され、該加算器27において前記乗算器
21から出力される必要吸収剤量20に対して前記比例
積分調節器25から出力される吸収剤量に換算した吸収
剤量補正値24を加えることにより、pH考慮必要吸収
剤量26が求められて除算器29へ出力され、該除算器
29において前記加算器27から出力されるpH考慮必
要吸収剤量26を前記吸収剤スラリー濃度計13で検出
された吸収剤スラリー濃度Eで割ることにより、設定吸
収剤スラリー流量28が求められて減算器31へ出力さ
れ、該減算器31において前記除算器29から出力され
る設定吸収剤スラリー流量28と前記吸収剤スラリー流
量計12で検出された吸収剤スラリー流量Dとの差が求
められ、吸収剤スラリー偏差30が比例積分調節器33
へ出力され、該比例積分調節器33において前記減算器
31から出力される吸収剤スラリー偏差30が比例積分
処理され該吸収剤スラリー偏差30をなくすための開度
指令32が流量調整弁8へ出力され、該流量調整弁8の
開度が調節され、前記吸収剤スラリー流量Dが設定吸収
剤スラリー流量28と等しくなるよう制御が行われ、こ
れにより前記吸収液1のpHを設定pH値に保持するよ
うになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の排煙脱硫装置の
場合、前述の如く吸収塔3内における吸収液1のpHを
設定pH値となるよう一定に制御し、排ガス中の硫黄分
と吸収剤中のカルシウムとが正常に略一対一で反応して
いる限りは、未反応な吸収剤は、排ガス中のSO 2に対
する吸収剤過剰率に見合うだけの僅かな量となり、排ガ
スの脱硫が確実に行われる。
【0009】しかしながら、吸収剤の回りに硫黄分との
反応を阻害する不純物が付着する等、なんらかの原因で
排ガス中の硫黄分と吸収剤とが反応しなくなった場合
(いわゆる吸収剤の活性低下が発生した場合)には、前
記吸収塔3内における吸収液1のpHが設定pH値に保
持されていても、吸収剤が必要以上に吸収塔3へ供給さ
れ、排ガス中のSO2に対する吸収剤過剰率が一定値を
越え、無駄が多くなると共に、吸収塔3の底部から石膏
スラリーとして抜き出される吸収液1中にも過剰な吸収
剤が含まれることとなり、石膏純度の低下にもつながっ
ていた。
【0010】本発明は、斯かる実情に鑑み、吸収剤の活
性低下に伴う吸収剤過剰率の上昇を抑えることができ、
吸収剤の適切な供給並びに石膏純度の確保にもつながる
湿式排煙脱硫装置の吸収剤スラリー流量制御方法及び装
置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、脱硫ガス流量
と吸収塔入口SO2濃度とに基づいて必要吸収剤量を求
め、吸収液のpHを設定pH値に保持するのに必要とな
る吸収剤量補正値と、未反応吸収剤濃度を未反応吸収剤
濃度計算値に保持するのに必要となる吸収剤量補正値と
のうち、小さい方を選択して前記必要吸収剤量に加える
ことにより、補正吸収剤量を求め、該補正吸収剤量と吸
収剤スラリー濃度とに基づき設定吸収剤スラリー流量を
求め、吸収剤スラリー流量が設定吸収剤スラリー流量と
等しくなるよう制御を行うことを特徴とする湿式排煙脱
硫装置の吸収剤スラリー流量制御方法にかかるものであ
る。
【0012】又、本発明は、吸収塔内における吸収液の
pHを検出するpH計と、脱硫ガス流量を検出する脱硫
ガス流量計と、吸収塔入口SO2濃度を検出する吸収塔
入口SO2濃度計と、吸収剤スラリー流量を検出する吸
収剤スラリー流量計と、吸収剤スラリー濃度を検出する
吸収剤スラリー濃度計と、吸収塔内の吸収液中に含まれ
る未反応吸収剤濃度を検出する未反応吸収剤濃度計と、
吸収塔内の吸収液のスラリー濃度を検出するスラリー濃
度計と、吸収塔内へ供給される吸収剤スラリー流量を調
節する流量調整弁と、前記脱硫ガス流量と吸収塔入口S
2濃度とに基づいて必要吸収剤量を求め、吸収液のp
Hを設定pH値に保持するのに必要となる吸収剤量補正
値と、未反応吸収剤濃度を未反応吸収剤濃度計算値に保
持するのに必要となる吸収剤量補正値とのうち、小さい
方を選択して前記必要吸収剤量に加えることにより、補
正吸収剤量を求め、該補正吸収剤量と吸収剤スラリー濃
度とに基づき設定吸収剤スラリー流量を求め、前記吸収
剤スラリー流量が設定吸収剤スラリー流量と等しくなる
よう、前記流量調整弁へ開度指令を出力する制御器とを
備えたことを特徴とする湿式排煙脱硫装置の吸収剤スラ
リー流量制御装置にかかるものである。
【0013】上記手段によれば、以下のような作用が得
られる。
【0014】本発明の湿式排煙脱硫装置の吸収剤スラリ
ー流量制御方法においては、排煙脱硫装置の運転時に
は、脱硫ガス流量と吸収塔入口SO2濃度とに基づいて
必要吸収剤量が求められ、吸収液のpHを設定pH値に
保持するのに必要となる吸収剤量補正値と、未反応吸収
剤濃度を未反応吸収剤濃度計算値に保持するのに必要と
なる吸収剤量補正値とのうち、小さい方が選択されて前
記必要吸収剤量に加えられることにより、補正吸収剤量
が求められ、該補正吸収剤量と吸収剤スラリー濃度とに
基づき設定吸収剤スラリー流量が求められ、吸収剤スラ
リー流量が設定吸収剤スラリー流量と等しくなるよう制
御が行われる。
【0015】又、本発明の湿式排煙脱硫装置の吸収剤ス
ラリー流量制御装置においては、排煙脱硫装置の運転時
には、pH計で検出された吸収液のpHと、脱硫ガス流
量計で検出された脱硫ガス流量と、吸収塔入口SO2
度計で検出された吸収塔入口SO2濃度と、吸収剤スラ
リー流量計で検出された吸収剤スラリー流量と、吸収剤
スラリー濃度計で検出された吸収剤スラリー濃度と、未
反応吸収剤濃度計で検出された未反応吸収剤濃度と、ス
ラリー濃度計で検出されたスラリー濃度とが制御器へ入
力され、該制御器において、前記脱硫ガス流量と吸収塔
入口SO2濃度とに基づいて必要吸収剤量が求められ、
吸収液のpHを設定pH値に保持するのに必要となる吸
収剤量補正値と、未反応吸収剤濃度を未反応吸収剤濃度
計算値に保持するのに必要となる吸収剤量補正値とのう
ち、小さい方が選択されて前記必要吸収剤量に加えられ
ることにより、補正吸収剤量が求められ、該補正吸収剤
量と吸収剤スラリー濃度とに基づき設定吸収剤スラリー
流量が求められ、前記吸収剤スラリー流量が設定吸収剤
スラリー流量と等しくなるよう、前記流量調整弁へ開度
指令が出力され、該流量調整弁の開度が調節される。
【0016】前記湿式排煙脱硫装置の吸収剤スラリー流
量制御方法及び装置において、吸収液のpHが設定pH
値に保持されていても、仮に吸収剤の活性低下が発生し
た場合には、排ガス中の硫黄分と吸収剤とが反応しなく
なり、吸収塔内の吸収液中に含まれる未反応吸収剤濃度
が高まって未反応吸収剤濃度計算値より大きくなるが、
このように未反応吸収剤濃度が未反応吸収剤濃度計算値
より大きくなると、前記未反応吸収剤濃度を未反応吸収
剤濃度計算値に保持するのに必要となる吸収剤量補正値
がマイナスの値となり、該未反応吸収剤濃度を未反応吸
収剤濃度計算値に保持するのに必要となる吸収剤量補正
値が選択されて前記必要吸収剤量に加えられるため、前
記必要吸収剤量が実質的に絞り込まれる形となり、吸収
剤が必要以上に吸収塔へ供給されることが回避され、排
ガス中のSO2に対する吸収剤過剰率が一定値以下に抑
えられ、無駄がなくなると共に、吸収塔の底部から石膏
スラリーとして抜き出される吸収液中に過剰な吸収剤が
含まれてしまうこともなくなり、石膏純度も確保され
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例と共に説明する。
【0018】図1及び図2は本発明を実施する形態の一
例であって、図中、図4及び図5と同一の符号を付した
部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図4及び
図5に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴
とするところは、図1及び図2に示す如く、吸収塔3内
の吸収液1中に含まれる未反応吸収剤濃度Cを検出する
未反応吸収剤濃度計34と、吸収塔3内の吸収液1のス
ラリー濃度Fを検出するスラリー濃度計35とを追加し
て設け、更に、前記スラリー濃度計35で検出されたス
ラリー濃度Fに基づき未反応吸収剤濃度計算値36を求
めて出力する関数発生器37と、該関数発生器37から
出力される未反応吸収剤濃度計算値36と前記未反応吸
収剤濃度計34で検出された未反応吸収剤濃度Cとの差
を求め未反応吸収剤濃度偏差38を出力する減算器39
と、該減算器39から出力される未反応吸収剤濃度偏差
38を比例積分処理して該未反応吸収剤濃度偏差38を
なくすための吸収剤量に換算した吸収剤量補正値40を
出力する比例積分調節器41と、比例積分調節器25か
ら出力される吸収剤量補正値24(即ち吸収液1のpH
を設定pH値に保持するのに必要となる吸収剤量補正値
24)と前記比例積分調節器41から出力される吸収剤
量補正値40(即ち未反応吸収剤濃度Cを未反応吸収剤
濃度計算値36に保持するのに必要となる吸収剤量補正
値40)とのうち小さい方を選択し補正値42として加
算器27へ出力する低選択器43とを追加して設け、前
記加算器27において必要吸収剤量20に補正値42を
加えることにより補正吸収剤量26’を求めて除算器2
9へ出力するよう構成した点にある。
【0019】尚、前記関数発生器37には、図3に示さ
れるような関数が入力されており、該関数は、スラリー
濃度Fの増減に対し略比例させて未反応吸収剤濃度計算
値36を増減させることを表わしている。
【0020】次に、上記図示例の作動を説明する。
【0021】排煙脱硫装置の運転時には、pH計7で検
出された吸収液1のpHと、脱硫ガス流量計9で検出さ
れた脱硫ガス流量Aと、吸収塔入口SO2濃度計10で
検出された吸収塔入口SO2濃度Bと、吸収剤スラリー
流量計12で検出された吸収剤スラリー流量Dと、吸収
剤スラリー濃度計13で検出された吸収剤スラリー濃度
Eと、未反応吸収剤濃度計34で検出された未反応吸収
剤濃度Cと、スラリー濃度計35で検出されたスラリー
濃度Fとが制御器6へ入力され、該制御器6の乗算器1
5において前記吸収塔入口SO2濃度計10で検出され
た吸収塔入口SO2濃度Bに対して設定脱硫率を掛ける
ことにより、脱硫SO2濃度14が求められて乗算器1
7へ出力され、該乗算器17において前記脱硫ガス流量
計9で検出された脱硫ガス流量Aに対して前記乗算器1
5から出力される脱硫SO2濃度14を掛けることによ
り、排ガス中から除去するSO2量16が求められて乗
算器19へ出力され、該乗算器19において前記乗算器
17から出力されるSO2量16に対して(吸収剤量/
SO2量)の値を掛けることにより、吸収剤量18が求
められて乗算器21へ出力され、該乗算器21において
前記乗算器19から出力される吸収剤量18に対して設
定吸収剤過剰率を掛けることにより、実際に必要となる
必要吸収剤量20が求められて加算器27へ出力され
る。
【0022】一方、前記制御器6の減算器23におい
て、予め設定された設定pH値と前記pH計7で検出さ
れた吸収液1のpHとの差が求められてpH偏差22が
比例積分調節器25へ出力され、該比例積分調節器25
において前記減算器23から出力されるpH偏差22が
比例積分処理され該pH偏差22をなくすための吸収剤
量に換算した吸収剤量補正値24が低選択器43へ出力
されると共に、前記スラリー濃度計35で検出されたス
ラリー濃度Fに基づき関数発生器37において未反応吸
収剤濃度計算値36が求められて減算器39へ出力さ
れ、該減算器39において前記関数発生器37から出力
される未反応吸収剤濃度計算値36と前記未反応吸収剤
濃度計34で検出された未反応吸収剤濃度Cとの差が求
められて未反応吸収剤濃度偏差38が比例積分調節器4
1へ出力され、該比例積分調節器41において前記減算
器39から出力される未反応吸収剤濃度偏差38が比例
積分処理されて該未反応吸収剤濃度偏差38をなくすた
めの吸収剤量に換算した吸収剤量補正値40が前記低選
択器43へ出力され、該低選択器43において前記比例
積分調節器25から出力される吸収剤量補正値24(即
ち吸収液1のpHを設定pH値に保持するのに必要とな
る吸収剤量補正値24)と前記比例積分調節器41から
出力される吸収剤量補正値40(即ち未反応吸収剤濃度
Cを未反応吸収剤濃度計算値36に保持するのに必要と
なる吸収剤量補正値40)とのうち小さい方が選択され
補正値42として加算器27へ出力され、該加算器27
において前記必要吸収剤量20に補正値42を加えるこ
とにより補正吸収剤量26’が求められて除算器29へ
出力される。
【0023】前記除算器29においては、前記加算器2
7から出力される補正吸収剤量26’を前記吸収剤スラ
リー濃度計13で検出された吸収剤スラリー濃度Eで割
ることにより、設定吸収剤スラリー流量28が求められ
て減算器31へ出力され、該減算器31において前記除
算器29から出力される設定吸収剤スラリー流量28と
前記吸収剤スラリー流量計12で検出された吸収剤スラ
リー流量Dとの差が求められ、吸収剤スラリー偏差30
が比例積分調節器33へ出力され、該比例積分調節器3
3において前記減算器31から出力される吸収剤スラリ
ー偏差30が比例積分処理され該吸収剤スラリー偏差3
0をなくすための開度指令32が流量調整弁8へ出力さ
れ、該流量調整弁8の開度が調節され、前記吸収剤スラ
リー流量Dが設定吸収剤スラリー流量28と等しくなる
よう制御が行われる。
【0024】ここで、前記吸収液1のpHが設定pH値
に保持されていても、仮に吸収剤の活性低下が発生した
場合には、排ガス中の硫黄分と吸収剤とが反応しなくな
り、吸収塔3内の吸収液1中に含まれる未反応吸収剤濃
度Cが高まって未反応吸収剤濃度計算値36より大きく
なるが、このように未反応吸収剤濃度Cが未反応吸収剤
濃度計算値36より大きくなると、前記減算器39から
出力される未反応吸収剤濃度偏差38はマイナスの値と
なり、前記比例積分調節器41から出力される吸収剤量
補正値40もマイナスの値となり、前記低選択器43に
おいては、比例積分調節器41から出力される吸収剤量
補正値40(即ち未反応吸収剤濃度Cを未反応吸収剤濃
度計算値36に保持するのに必要となる吸収剤量補正値
40)が選択され補正値42として加算器27へ出力さ
れるため、前記必要吸収剤量20が実質的に絞り込まれ
る形となり、吸収剤が必要以上に吸収塔3へ供給される
ことが回避され、排ガス中のSO2に対する吸収剤過剰
率が一定値以下に抑えられ、無駄がなくなると共に、吸
収塔3の底部から石膏スラリーとして抜き出される吸収
液1中に過剰な吸収剤が含まれてしまうこともなくな
り、石膏純度も確保される。
【0025】こうして、吸収剤の活性低下に伴う吸収剤
過剰率の上昇を抑えることができ、吸収剤の適切な供給
並びに石膏純度の確保にもつながる。
【0026】尚、本発明の湿式排煙脱硫装置の吸収剤ス
ラリー流量制御方法及び装置は、上述の図示例にのみ限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0027】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の湿式排煙
脱硫装置の吸収剤スラリー流量制御方法及び装置によれ
ば、吸収剤の活性低下に伴う吸収剤過剰率の上昇を抑え
ることができ、吸収剤の適切な供給並びに石膏純度の確
保にもつながるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の全体概要構成図
である。
【図2】図1に示す制御器の制御ブロック図である。
【図3】図2に示す関数発生器に入力されている関数を
表わす線図である。
【図4】従来例の全体概要構成図である。
【図5】図4に示す制御器の制御ブロック図である。
【符号の説明】 1 吸収液 3 吸収塔 6 制御器 7 pH計 8 流量調整弁 9 脱硫ガス流量計 10 吸収塔入口SO2濃度計 12 吸収剤スラリー流量計 13 吸収剤スラリー濃度計 20 必要吸収剤量 24 吸収剤量補正値 26’ 補正吸収剤量 28 設定吸収剤スラリー流量 32 開度指令 34 未反応吸収剤濃度計 35 スラリー濃度計 36 未反応吸収剤濃度計算値 40 吸収剤量補正値 43 低選択器 A 脱硫ガス流量 B 吸収塔入口SO2濃度 C 未反応吸収剤濃度 D 吸収剤スラリー流量 E 吸収剤スラリー濃度 F スラリー濃度

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱硫ガス流量と吸収塔入口SO2濃度と
    に基づいて必要吸収剤量を求め、吸収液のpHを設定p
    H値に保持するのに必要となる吸収剤量補正値と、未反
    応吸収剤濃度を未反応吸収剤濃度計算値に保持するのに
    必要となる吸収剤量補正値とのうち、小さい方を選択し
    て前記必要吸収剤量に加えることにより、補正吸収剤量
    を求め、該補正吸収剤量と吸収剤スラリー濃度とに基づ
    き設定吸収剤スラリー流量を求め、吸収剤スラリー流量
    が設定吸収剤スラリー流量と等しくなるよう制御を行う
    ことを特徴とする湿式排煙脱硫装置の吸収剤スラリー流
    量制御方法。
  2. 【請求項2】 吸収塔内における吸収液のpHを検出す
    るpH計と、脱硫ガス流量を検出する脱硫ガス流量計
    と、吸収塔入口SO2濃度を検出する吸収塔入口SO2
    度計と、吸収剤スラリー流量を検出する吸収剤スラリー
    流量計と、吸収剤スラリー濃度を検出する吸収剤スラリ
    ー濃度計と、吸収塔内の吸収液中に含まれる未反応吸収
    剤濃度を検出する未反応吸収剤濃度計と、吸収塔内の吸
    収液のスラリー濃度を検出するスラリー濃度計と、吸収
    塔内へ供給される吸収剤スラリー流量を調節する流量調
    整弁と、 前記脱硫ガス流量と吸収塔入口SO2濃度とに基づいて
    必要吸収剤量を求め、吸収液のpHを設定pH値に保持
    するのに必要となる吸収剤量補正値と、未反応吸収剤濃
    度を未反応吸収剤濃度計算値に保持するのに必要となる
    吸収剤量補正値とのうち、小さい方を選択して前記必要
    吸収剤量に加えることにより、補正吸収剤量を求め、該
    補正吸収剤量と吸収剤スラリー濃度とに基づき設定吸収
    剤スラリー流量を求め、前記吸収剤スラリー流量が設定
    吸収剤スラリー流量と等しくなるよう、前記流量調整弁
    へ開度指令を出力する制御器とを備えたことを特徴とす
    る湿式排煙脱硫装置の吸収剤スラリー流量制御装置。
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