JPH11244279A - データ収集・処理装置およびこの装置を用いたシステム - Google Patents

データ収集・処理装置およびこの装置を用いたシステム

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JPH11244279A
JPH11244279A JP10048271A JP4827198A JPH11244279A JP H11244279 A JPH11244279 A JP H11244279A JP 10048271 A JP10048271 A JP 10048271A JP 4827198 A JP4827198 A JP 4827198A JP H11244279 A JPH11244279 A JP H11244279A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各チャンネルに挿入した複数個の積分器を交互
使用してデータ収集し、補正処理を加える場合、収集デ
ータの補正精度を向上させる。 【解決手段】データ収集用の複数のチャンネルそれぞれ
に2個ずつ並列に挿入された積分器52a,52bと、
各チャンネルの2個の積分器52a,52bをデータの
収集毎に交互に切り換えて当該切り換えられた積分器5
2a又は52bに収集データを積分させる切換制御手段
(56、51a,51b,53a,53b,)とを備え
るデータ収集・処理装置である。この装置はさらに、切
換制御手段により切り換えられた積分器52a又は52
bが各チャンネル内でどの積分器であるかの区別に応じ
て収集データに補正処理を施す補正ユニットを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データ収集用の複
数のチャンネルそれぞれに複数個ずつ挿入された積分器
をデータ収集の度に交互に切り換えて使用し、チャンネ
ル毎の積分器出力に所望の補正処理を加えるようにした
データ収集・処理装置およびこの装置を用いたシステム
であって、X線CTスキャナなどの放射線CTスキャナ
のデータ収集および処理のユニットに好適に実施できる
データ収集・処理装置に係り、とくに、複数個の積分器
それぞれで収集されたデータの特性を認識した補正処理
を実施できるようにしたデータ収集・処理装置およびこ
の装置を用いたシステムに関する。
【0002】なお、この発明のデータ収集・処理装置お
よびこの装置を用いたシステムは、必ずしもX線CTス
キャナなどの放射線CTスキャナに限定されるものでは
なく、上述したように各チャンネルにおいて複数個の積
分器を交互に切り換えて使用し、その積分出力に所定の
データ処理を加える構成の装置やシステムであれば容易
に適用できる。
【0003】
【従来の技術】従来、病院などにおいて、医用モダリテ
ィの1つとしてのX線CTスキャナが使用されている。
【0004】このスキャナは、一般的に、X線管から曝
射されて被検体を透過してきたX線ビームをX線検出器
で検出する構成を有し、このX線検出器は、複数の検出
素子をチャンネル方向に並べた複数チャンネル構造を有
する。X線検出器の複数チャンネルの検出信号は、チャ
ンネル毎に、DAS(データ収集装置)と呼ばれるユニ
ットに送られる。DASは、1ビュー毎且つチャンネル
毎に、検出信号を積分してデジタル量に変換し、この収
集データ(生データまたは原データとも呼ばれる)を補
正ユニットを経て再構成処ユニットに送るようになって
いる。
【0005】このデータ収集機能を有するDASとし
て、DAS内の各チャンネルに2個(複数個)の積分器
を設置し、これらの積分器を交互に切り換えて使用する
構成のものが知られている。つまり、あるビューでは一
方の積分器を使用し、次のビューではもう一方の積分器
を使用するといった具合である。これにより、一方の積
分器がリセットやセットアップなどの処理をしているオ
ーバーヘッド時間(通常、積分時間の5〜15%程度の
時間)の間に、もう一方の積分器を駆動させることがで
きるので、各チャンネル全体としては積分器のオーバー
ヘッド時間(デッドタイム)を無くしたのと等価にな
り、複数のビューに渡って連続的なデータ収集を行うこ
とができ、断続的に各ビューデータを収集する場合より
もX線を有効に利用できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な放射線CTスキャナにおいて高画質で高分解能の画像
を再構成するには、投影データ(生データ、原データ)
の収集およびその補正処理にもそれだけ高精度さが要求
される。
【0007】これにも関わらず、例えば上述のように1
チャンネルに2個の積分器を用いる従来構成の場合、こ
の2つの積分器の動作特性は必ずしも全く同一という保
証はなく、オフセット値やゲインなど、多少とも異なる
ことが多々あり得る。そのように動作特性が相違する
と、積分されたデータ値も微妙に異なってくる。
【0008】放射線CTスキャナにあっては、殆ど必須
の事項として、収集データを再構成する前に、オフセッ
ト補正やキャリブレーション補正など、各種の補正処理
を実施するが、その補正処理は、各チャンネルにおける
複数の積分器相互の動作特性の微妙な違いまでをも考慮
したものではなく、常に一定の様式、すなわち積分器の
動作特性は全て同一と仮定して行われる。つまり、各チ
ャンネルにおいて、積分器はビュー毎に入れ替わるが、
補正処理は常に同じオフセット値やキャリブレーション
データに基づき実施される。このため、この補正処理が
全ビューの投影データに適用されたとき、例えばリング
状のアーチファクトなどが再構成像に現れてしまうとい
う問題があった。
【0009】上述の問題は、X線CTスキャナなどの放
射線CTスキャナに限定されるものではなく、各チャン
ネルに挿入した複数個の積分器を交互使用してデータ収
集し、このデータに補正処理を加える構成のデータ収集
・処理装置においても、最終段でのデータまたは情報の
精度を確保する上で、同様の問題があった。
【0010】本発明は、上述した従来技術の問題に着目
してなされたもので、各チャンネルに挿入した複数個の
積分器を交互に使用してデータ収集し、このデータに補
正などの処理を加える構成であっても、収集データの処
理精度を向上させ、この処理データを使用して得る情報
の品質を向上させることを、その目的とする。
【0011】また本発明は、各チャンネルに挿入した複
数個の積分器を交互使用して投影データの収集を行い、
このデータに各種の補正処理を加えるデータ収集・補正
装置を有する放射線CTスキャナのシステムにおいて、
投影データの補正精度を向上させ、リング状アーチファ
クトなどのノイズが再構成画像に出現することを的確に
防止することを、別の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るデータ収集・処理装置は、データ収集
用の複数のチャンネルそれぞれに複数個ずつ並列に挿入
された積分器と、前記各チャンネル内に併設された前記
複数個の積分器を前記データの収集毎に交互に切り換え
て当該切り換えられた積分器に収集データを積分させる
切換制御手段と、この切換制御手段により切り換えられ
た積分器が前記各チャンネル内でどの積分器であるかの
区別に応じて前記収集データに所望処理を施すデータ処
理手段とを備えることを特徴としている。
【0013】好適には、前記データ処理手段は、前記収
集データに前記所望の処理としての補正処理を実施する
手段である。
【0014】また好適には、前記データ処理手段は、前
記切換制御手段により切り換えられた積分器が前記各チ
ャンネル内でどの積分器であるかを認識する認識手段
と、この認識手段の認識結果に応じて事前に準備してあ
る補正用データを選択する選択手段と、この補正用デー
タに基づき前記収集データに前記補正処理を施す処理手
段とを備える。この補正処理は、例えば、前記切り換え
られた積分器に対応した量のオフセット補正またはキャ
リブレーション補正の少なくとも一方を含む。
【0015】さらに好適には、前記各チャンネル内に併
設された複数の積分器の数は2個である。
【0016】また、本発明に係るシステムは、上記デー
タ収集・処理装置をデータの収集および処理系の一部に
備える。例えば、このシステムは、放射線を曝射する線
源と、前記被検体を透過してきた前記放射線を入射させ
且つ前記複数のチャンネルから成る検出器と、前記放射
線により対象体をスキャンするスキャン指令手段とを備
え、前記検出器のチャンネル毎の検出出力を前記データ
収集・処理装置にチャンネル毎に供給するように構成し
ている。また例えば、このシステムは、前記線源は、前
記放射線としてのX線を曝射するX線源であり、前記検
出器は、前記対象体を透過してきた前記X線を検出する
X線検出器であるX線CTスキャナのシステムが好適で
ある。
【0017】これにより、各チャンネルにおいて、切換
使用される積分器の動作特性に合わせて補正などのデー
タ処理を実施することができる。このため、積分器のオ
フセット値やゲインといった動作特性上の固体差に敏感
なオフセット補正やキャリブレーション補正がチャンネ
ル毎に精度良く実施され、したがって、データの目的と
する処理精度も格段に向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各種の実施形態を
添付図面に基づき説明する。なお、以下の実施形態で
は、本発明のデータ収集・処理装置を用いたシステムと
して、放射線CTスキャナを代表するX線CTスキャナ
について説明する。
【0019】第1の実施形態 第1の実施形態に係る、画像診断装置としてのX線CT
スキャナを図1〜図9を参照して説明する。
【0020】このX線CTスキャナは、以下に詳述する
ように、複数チャンネル構造のX線検出器で検出したX
線ビームの投影データを、各チャンネル毎に挿入した2
個の積分器を交互使用して収集し、補正するデータ収集
・処理装置に特徴がある。
【0021】図1に示すX線CTスキャナは、シングル
スライスCTと呼ばれるスキャナである。このスキャナ
は、ガントリ1、寝台2、制御キャビネット3、電源
4、および各種のコントローラ31〜33を備え、例え
ばR−R方式で駆動するようになっている。コントロー
ラとしては、高電圧コントローラ31、架台コントロー
ラ33、および寝台コントローラ32(図2、3参照)
が備えられる。
【0022】ここで、図1、2に示す如く、寝台2の長
手方向をスライス方向(または回転軸方向)Zとして、
これに直交する2方向をチャンネル方向XおよびX線ビ
ーム曝射方向Yとしてそれぞれ定義する。
【0023】寝台2の上面には、その長手方向(スライ
ス方向Z)にスライド可能に支持された状態で天板2a
が配設されており、その天板2aの上面に被検体Pが通
常、仰向けに載せられる。天板2aは、サーボモータに
より代表される寝台駆動装置2bの駆動によって、ガン
トリ1の診断用開口部(図示せず)に進退可能に挿入さ
れる。寝台駆動装置2bには、寝台コントローラ32か
ら駆動信号が供給される。寝台2はまた、天板2aの寝
台長手方向の位置を電気信号で検出するエンコーダなど
の位置検出器(図示せず)を備え、この検出信号を寝台
制御用の信号として寝台コントローラ32に送るように
なっている。
【0024】ガントリ1は、図1および3に示す如く、
その内部に略円筒状の回転フレーム9を有する。回転フ
レーム9の内側には上述の診断用開口部が位置する。ま
た回転フレーム9には、上記診断用開口部に挿入された
被検体Pを挟んで互いに対向するようにX線管10及び
X線検出器11が設けられている。さらに、回転フレー
ム9の所定位置には、図3に模式的に示す如く、高電圧
発生器21、プリコリメータ22、ポストコリメータ2
3、データ収集装置DAS24、および架台駆動装置2
5が備えられる。
【0025】この内、X線源として機能するX線管10
は例えば回転陽極X線管の構造を成し、高電圧発生器2
1からフィラメントに電流を流すことによりフィラメン
トが加熱され、熱電子がターゲットに向かって放出され
る。この熱電子はターゲット面に衝突して実効焦点が形
成され、ターゲット面の実効焦点の部位からX線ビーム
(ファンビーム)が曝射される。
【0026】高電圧発生器21には、低圧スリップリン
グ26を介して電源装置4から低電圧電源が供給される
るともに、光信号伝送システム27を介して高電圧コン
トローラ31からX線曝射の制御信号が与えられる。こ
のため、高電圧発生器21は、供給される低圧電源から
高電圧を生成するとともに、この高電圧から制御信号に
応じたパルス状の管電圧を生成し、これをX線管10に
供給する。
【0027】またX線検出器11は、複数の検出チャン
ネルを有する検出素子列をスライス方向に1列配した1
次元検出器から成る(図1参照)。X線管10とX線検
出器11は回転フレーム9の回転によってガントリ1内
で、診断用開口部における軸方向の回転中心軸の囲りに
回転可能になっている。X線検出器11の各検出素子
は、入射する透過X線をこれに相当する光信号に変換す
るシンチレータと、その光信号をこれに相当する電流信
号に変換するフォトダイオードとの固体検出器の構造を
有する。この検出器11が検出した微弱な電流信号は、
DAS24に送られる。
【0028】DAS24は、検出チャンネル毎に、検出
器11から送られてくる透過X線の検出信号としての微
弱電流信号を増幅してA/D変換し、これを収集データ
としてデータ伝送部28に送る。この処理を行うため、
DAS24は、図4に示す如く、各チャンネル毎に2個
の積分器を併設した構成になっている。具体的には、各
チャンネル毎に、入力側電子スイッチ51a、積分器5
2a、および出力側電子スイッチ53bがこの順に接続
された一方の直列回路と、入力側電子スイッチ51b、
積分器52b、および出力側電子スイッチ53bがこの
順に接続されたもう一方の直列回路とを、検出器11の
フォトダイオードPHTの出力側に電気的並列に接続し
た構造を有する。この出力側電子スイッチ53a,53
bの出力端は共にサンプル/ホールド回路54に接続さ
れ、この回路54がさらにA/D変換器55を介してデ
ータ伝送部28に至る。
【0029】また、DAS24には、CPUを有しかつ
ソフトウエアプログラムで駆動する制御回路56が設け
られる。制御回路56は、後述するメインコントローラ
の管理下に置かれ、このDAS内の各構成要素の動作を
制御する。
【0030】電子スイッチ51a,51b,53a,お
よび53bは例えばFET,トランジスタなどの電子ス
イッチング素子で構成され、制御回路56から供給され
るスイッチ切換信号SW1a,SW1b,SW2a,S
W2bを受けてオン、オフ動作する。
【0031】積分器52a,52bのそれぞれは、I/
V変換器と、例えば演算増幅器とコンデンサを並列接続
した積分回路とを有して形成され、リセット信号RSa
(RSb)が入力するまで入力電荷を積分するととも
に、制御回路56からリセット信号RSa(RSb)が
供給されたときに積分回路はリセット動作を行う。
【0032】サンプル/ホールド回路54は制御回路5
6からサンプル/ホールド(S/H)Ss/H 信号が供給
されたときの積分値をサンプル・ホールドし、A/D変
換器55を介して出力する。A/D変換器55には、制
御回路56からA/D変換の期間(すなわち、デジタル
データの読出しに要する時間幅)を制御するトリガ信号
としての読出し制御信号SA/D が与えられる。この制御
信号SA/D は、図6に示す如く、A/D変換の期間をサ
ンプル/ホールド後の適宜な期間に設定するように与え
られる。
【0033】上記1チャンネル当たりのデータ収集およ
び処理の回路は、詳細には図示していないが、例えば1
000チャンネル分、並列に装備される。
【0034】データ伝送部28はガントリ1内の回転側
と固定側の信号経路を接続するもので、ここでは一例と
して、非接触で信号伝送する光伝送システムが使用され
る。なお、このデータ伝送部28としてスリップリング
の構造を用いてもよい。このデータ伝送部28を介して
取り出された透過X線のデジタル量の検出信号は制御キ
ャビネット3の後述する補正ユニットに送られる。
【0035】一方、プリコリメータ22はX線管10と
被検体Pとの間に、またポストコリメータ23は被検体
PとX線検出器11との間にそれぞれ設けられる。プリ
コリメータ22は、例えばチャンネル方向Xに一定の幅
で且つスライス方向Zには可変幅または固定幅のスリッ
ト状の開口を形成する。これにより、X線管10から曝
射されたX線ビームのスライス方向Zの幅を絞って、例
えばX線検出器11の検出素子列のトータルのスライス
幅に対応した所望スライス幅のファンビームを形成す
る。ポストコリメータ23も同様に、チャンネル方向X
には一定幅でスライス方向Zに可変幅または固定幅のス
リット状の開口を有する。ポストコリメータ23は、本
実施形態では、プリコリメータ22によって絞られたX
線ビームを更に細かく絞る補助的な絞り機能を担ってい
る。
【0036】さらに、架台駆動装置25はガントリ1内
の回転側要素全体を回転フレーム9を、その中心軸周り
に回転させるモータおよびギア機構などを備える。この
架台駆動装置25には、架台コントローラ33から駆動
信号が与えられる。
【0037】高電圧コントローラ31、寝台コントロー
ラ32、および架台コントローラ33は、信号的にはガ
ントリ1および寝台2と制御キャビネット3との間に介
在し、後述するメインコントローラからの制御信号に応
答して、それぞれが担当する負荷要素を駆動する。な
お、架台コントローラ33は架台駆動装置25の制御の
みならず、メインコントローラが行うDAS24の制御
をも兼任するように構成してもよい。
【0038】制御キャビネット3は、システム全体を統
括するメインコントローラ30のほか、メインコントロ
ーラ30にバスBを介して接続された補正ユニット3
4、データ保存ユニット35、再構成ユニット36、表
示プロセッサ37、ディスプレイ38、および入力器3
9とを備える。
【0039】補正ユニット34は、メインコントローラ
30からの処理指令に応じて、DAS24から送られて
くるデジタル量の収集データに各種の補正処理を施す。
この補正処理としては、オフセット補正、LOG変換、
リファレンス補正、キャリブレーション補正があり、こ
の処理は後述する。
【0040】これを実施する補正ユニット34は、図5
に示すように、入力側に位置してデータ伝送部28に接
続された入力バッファ34a、この入力バッファ34a
に接続されたバス34b、ならびに、このバス34bに
接続されたCPU34c、ROM34d、RAM34
e、およびシステムバスインターフェイス34fを備え
る。システムバスインターフェイス34fは更に制御キ
ャビネット3の制御バスに接続されている。ROM34
dには、CPU34cが実施する上記各種の補正処理の
アルゴリズムのプログラムデータが予め格納されてい
る。RAM34eはCPU34cの処理に関わるデータ
を一時記憶できる。
【0041】この補正処理された収集データは、メイン
コントローラ30の書き込み指令によって、データ保存
ユニット35に一旦格納・保存される。この保存データ
は、メインコントローラ30の所望タイミングでの読み
出し指令に応じてデータ保存ユニット35から読み出さ
れ、再構成ユニット36に転送される。再構成ユニット
36は、メインコントローラ30の管理下において、再
構成用の収集データが転送されたきた段階で、例えばコ
ンボルーションバックプロジェクション法に基づきスラ
イス毎の再構成処理を行い、断層像を生成する。
【0042】この断層像データは、メインコントローラ
30の制御の元、必要に応じてデータ保存ユニット35
に保存される一方、表示プロセッサ37に送られる。表
示プロセッサ37は、断層像データにカラー化処理、ア
ノテーションデータやスキャン情報の重畳処理などの必
要な処理を行い、ディスプレイ38に供給する。ディス
プレイ38により画像データがD/A変換され、断層像
として表示される。
【0043】入力器39は、スキャン条件(スキャン部
位及び位置,スライス厚,X線管電圧及び電流、被検体
に対するスキャン方向などを含む)、画像表示条件など
の指令をメインコントローラ30に与えるために使用さ
れる。
【0044】この実施形態に係るX線CTスキャナの作
用および効果を、DAS24のそれを中心に説明する。
【0045】メインコントローラ30は、所定のメイン
プログラムを実施する中で、例えばマルチスキャン法に
基づく撮影に必要な指令を出力する。
【0046】これにより、このシングルスライスCT構
造のX線CTスキャナにあっては、あるスライスでスキ
ャンを行って複数のビュー分の投影データ(生データま
たは原データとも呼ばれる)を得た後、そのスライス厚
さ分だけ、例えば被検体を寝かせた天板を移動させて次
のスキャンを行ない、隣接スライスの各ビューの投影デ
ータを得る。このスライスのスキャンと天板(またはX
線管および検出器)の移動とが交互に繰り返され、診断
部位の一連の複数枚の断層像(スライス像)の投影デー
タが等間隔で得られる。
【0047】この一連のスキャンに際し、DAS24を
中心に以下の処理が実施される。
【0048】いま、あるスライスの、あるビューをスキ
ャンしているとする。X線検出器11は、チャンネル毎
に、検出した入射X線に対応した電流をDAS24の各
チャンネル回路に出力する。
【0049】DAS24では、その制御回路56がチャ
ンネル毎に、図6の時刻t1に示す如く、入力側の電子
スイッチ51a,51bに対するスイッチ切換信号SW
1a,SW1bを SW1a=オン,SW1b=オフ に切り換え、出力側の電子スイッチ53a,53bに対
するスイッチ切換信号SW2a,SW2bを SW2a=オフを維持,SW2b=オン に設定し、かつ、2個の積分器52a,52bに対する
リセット信号RSa,RSbを RSa=オフ,RSb=オフを維持 に設定する。また、この時刻t1の時点では、サンプル
/ホールド信号S/Hはオフに設定される。
【0050】このため、チャンネル毎に、X線検出器1
1から出力された検出電流がオン状態にある入力側の一
方の電子スイッチ51aを通って一方の積分器52aに
流れ、この積分器のコンデンサに電荷が貯められる。こ
のとき、この積分器51aの出力側の電子スイッチ53
aはオフ状態であるから、積分器の電荷蓄積には支障は
無い。この電荷蓄積と並行して、もう一方の側の入力側
電子スイッチ51b=オフ、出力側電子スイッチ53b
=オンとなるので、もう一方の側の積分器52bからそ
れまでに蓄積されていた電荷が出力電圧として読み出さ
れる。この電荷はサンプル/ホールド回路54に出力さ
れる。
【0051】上述のスイッチおよびリセット状態のまま
適宜な時間が経過して時刻t2になった時点にて、制御
回路56から供給されるサンプル/ホールド信号S/H
が瞬時的に立ち上がる。これにより、サンプル/ホール
ド回路54がオンになって積分器52bの出力電圧値を
保持する。この電圧値はA/D変換器55によりA/D
変換され、いまスキャン中のビューの内の1チャンネル
分の投影データ(生データ、原データ)として出力され
る。各チャンネルの投影データは、このように並行して
同時に出力され、1ビューの所定チャンネル分の投影デ
ータが収集される。
【0052】このデータ収集が終わった後の適宜な時刻
t3になると、蓄積電荷の読み出しを行った側のスイッ
チ切換信号SW2bおよびリセット信号RSbをSW2
b=オフ、 RSb=オンに切り換える。これにより、
蓄積電荷を読み出した側の積分器52bがリセットされ
る。
【0053】これにより、いまスキャンしていたビュー
でのデータ収集が終わり、X線管10およびX線検出器
11を所定角度だけ被検体回りに回転させ、次のビュー
のスキャンを準備する。
【0054】そして、図6の時刻t4になった時点で、
入力側の電子スイッチ51a,51bに対するスイッチ
切換信号SW1a,SW1bを SW1a=オフ,SW1b=オン に切り換え、出力側の電子スイッチ53a,53bに対
するスイッチ切換信号SW2a,SW2bを SW2a=オン,SW2b=オフを維持 に設定し、かつ、2個の積分器52a,52bに対する
リセット信号RSa,RSbを RSa=オフを維持,RSb=オフ に設定する。また、この時刻t4の時点では、サンプル
/ホールド信号S/Hはオフに設定される。
【0055】これにより、今度はそれまでとは反対に、
チャンネル毎に、X線検出器11から出力された検出電
流がオン状態にある入力側のもう一方の電子スイッチ5
1bを通ってもう一方の積分器52bに流れ、この積分
器のコンデンサに電荷が前述と同様に貯められる。この
電荷蓄積と並行して、前述と同様に、一方の側の積分器
52aからそれまでに蓄積されていた電荷が出力電圧と
して読み出される。この電荷はサンプル/ホールド回路
54に出力される。
【0056】このスイッチおよびリセット状態のまま適
宜な時間が経過して時刻t5になった時点で、サンプル
/ホールド信号S/Hが瞬時的に立ち上がる。これによ
り、サンプル/ホールド回路54がオンになって積分器
52aの出力電圧値が保持される。この電圧値はA/D
変換器55によりA/D変換され投影データとして出力
される。各チャンネルで同時にこの出力がなされ、1ビ
ューの所定チャンネル分の投影データが収集される。
【0057】このデータ収集が終わった後の適宜な時刻
t6になると、蓄積電荷の読み出しを行った側のスイッ
チ切換信号SW2aおよびリセット信号RSaを SW2a=オフ、 RSa=オン に切り換える。これにより、蓄積電荷を読み出した側の
積分器52aがリセットされる。
【0058】このように、各チャンネルの積分器をビュ
ー毎に交互に切り換えながら、スライス全体をスキャン
し、画像再構成に必要なデータが収集される。つまり、
積分器を交互に切り換えて行うことで、積分動作をデッ
ドタイム無く連続的に実施することができ、放射線の利
用効率を高めることができる。
【0059】このDAS24で収集されたデジタル量の
投影データは、ビュー毎に順次、データ伝送部28を介
して制御キャビネット3内の補正ユニット34に送られ
る。この補正ユニット34では、CPU34cの制御の
元に、入力データが図7に例示するフォーマットでRA
M34eに一時記憶される。これにより、例えば、ある
1ビュー毎(角度毎)に1000チャンネル分のデータ
が収集され、1000ビューで被検体周り1回転分の投
影データが収集され、RAM34eに例示のフォーマッ
トで配置される。ここでは、最初のビュー1の1000
チャンネル分の投影データは一方の積分器52aの群に
拠るデータであり、その次のビュー2のそれは他方の積
分器52bの群に拠るデータである。以下、積分器を切
り換えて交互に実施される。
【0060】この1回転分のデータ配置が済むと、CP
U34cはこのデータに対して、オフセット補正、LO
G変換、リファレンス補正、およびキャリブレーション
補正の順で全補正をソフトウエア処理により実行する。
【0061】(a)オフセット補正 オフセット補正は、一般的には、積分器への入力電圧が
微妙にオフセットしているために生じる誤差を補償(補
正)する処理である。この処理は、被写体の撮影を実施
する前に、放射線を発生させない状態、すなわち検出器
への入力値が零の状態で収集したデータ(信号値)を、
収集した被写体の投影データから減ずることで実施され
る。
【0062】(a−1)オフセットデータの収集時 このためオフセット補正を行う場合、チャンネル毎のオ
フセット補正値を事前に求め、記憶しておく必要があ
る。図8に、メインコントローラ30の管理下におい
て、CPU34cが行うオフセット補正値の演算処理の
データフローダイヤグラムを示す。
【0063】CPU34cは、X線管10にX線を曝射
させない状態で、X線検出器11、DAS24を介して
送られてきたデータを複数回(例えば100回)を入力
する。DAS24では前述のように各回毎または一定画
数毎に積分器52a,52bを切り換えてX線非曝射状
態でのデータ収集を行うので、CPU34aは、この積
分器切換に合わせてソフトウエア的にゲート処理を行う
(ステップS1)。このゲート処理(すなわち、使用し
ている積分器がいずれであるかの認識処理)は、CPU
34cが、DAS24の制御回路56にスイッチ切換指
令内容に予め合わせた一定の切換順を記憶していてもよ
いし、また、その制御回路56とCPU34cとが情報
を交換し合って、その切換順を決めるようにしてもよ
い。
【0064】このゲート処理により、例えば一方の積分
器52aを経由したデータがチャンネル毎に複数回収集
されるから、そのデータをチャンネル毎に積算しながら
その積算値をチャンネル毎のバッファに記憶する(ステ
ップS2)とともに、その収集回数をカウントする(ス
テップS3)。そして、所定回数のデータ収集が終わっ
た時点で、複数回の収集に拠るデータ(信号積算値)を
チャンネル毎にデータ収集回数で割り算して、一方の積
分器52aに対するチャンネル毎のオフセット補正値を
求め、バッファBAに記憶させる(ステップS4)。
【0065】全く同様の処理が、もう一方の積分器52
bに対しても実施される(ステップS1,S2′〜S
4′)。この結果、もう一方の積分器52bに対するチ
ャンネル毎のオフセット補正値が求められ、別のバッフ
ァBBに記憶される。
【0066】このオフセット補正値は、複数回のデータ
収集の平均値として求められているので、測定誤差、と
くにノイズによる誤差を少なくすることができ、精度の
高いオフセット補正値を求めることができる。
【0067】(a−2)被写体のデータ収集時 この被写体の実際のデータ収集はX線管10を駆動させ
て前述したように実施される。この場合、ビュー毎に使
用する積分器が52a,52bの間で交互に切り換えて
使用される。このときの透過X線の投影データは、例え
ば前述した図7記載の例のフォーマットでRAM34e
に一時記憶される。つまり、ビュー1、3、5、…の投
影データが一方の積分器52a(=A)を介して収集さ
れ、これに対し、ビュー2、4、6、…の投影データが
もう一方の積分器52b(=B)を介して収集されたも
のであることが、DAS24の制御回路56により認識
される。
【0068】このため、CPU34cは、一方の積分器
52aを使用して収集したビュー1、3、5、…の各チ
ャンネルの投影データから、これに対応して求めた積分
器52a用の一方のバッファBAに記憶していたチャン
ネル毎の補正値を減算する(ステップS5)。これによ
り、一方の積分器52aの使用を認識したオフセット補
正がチャンネル毎に好適に実施され、再びRAM34e
の所定記憶領域に格納される。同様に、CPU34c
は、他方の積分器52bを使用して収集したビュー2、
4、6、…の各チャンネルの投影データから、これに対
応して求めた積分器52b用の他方のバッファBBに記
憶していたチャンネル毎の補正値を減算する(ステップ
S5′)。これにより、もう一方の積分器52bの使用
を認識したオフセット補正がチャンネル毎に好適に実施
され、再びRAM34eの所定記憶領域に格納される。
【0069】(b)LOG変換 次に、CPU34cは、RAM34eに格納されている
1回転分の投影データ(例えば1000チャンネル×1
000ビュー)のそれぞれを対数変換する。
【0070】(c)リファレンス補正 続いて、CPU34cは、RAM34eに格納されてい
る1回転分の投影データに対するリファレンス補正を行
う。これは、通常、先頭チャンネルに付けられたリファ
レンス検出器(図示せず)から出力される、X線強度に
応じた信号値を用いて、各投影データを規格化する演算
(例えば減算)をソフトウエア的に行うことで実施され
る。
【0071】(d)キャリブレーション補正 続いて、CPU34cは、RAM34eに格納されてい
る1回転分の投影データに対するキャリブレーション補
正を行う。
【0072】キャリブレーション補正は、一般的には、
チャンネル毎のゲインを補償(補正)する処理である。
この処理としては、通常、例えば基準となる被写体(例
えば円筒形の水ファントム)を用いて収集した投影デー
タをキャリブレーションデータとし、収集した被写体の
投影データからキャリブレーションデータを減じる処理
が実施される。
【0073】図9に、CPU34cにより実行されるキ
ャリブレーション補正のデータフローダイヤグラムを示
す。
【0074】キャリブレーションデータは、メインコン
トローラ30の制御の元に、使用する積分器52a,5
2bを交換して基準被写体を使い、予め測定される。そ
して、積分器52a(=A),52b(=B)毎且つチ
ャンネル毎のキャリブレーションデータが例えば補正ユ
ニット34のRAM34e内に形成された記憶領域に予
め格納されている(ステップS11,S11′)。
【0075】そこで、被写体の投影データ収集時におい
て、CPU34Cは、RAM34eの所定記憶領域に格
納されている、上述した各種の補正処理済みの投影デー
タそれぞれに対して、いずれの積分器52a(=A)又
は52b(=B)で収集されたのかを、例えば図7に示
す如く、収集データ中に含められた、使用した積分器を
示す区別情報に拠り識別する(ステップS12)。次い
で、識別した積分器に対応するキャリブレーションデー
タを読み出し(ステップS13またはS13′)、その
データを投影データから減算する(ステップS14また
はS14′)。
【0076】このように、補正ユニット34にて一連の
データ補正が施された1回転分の投影データは、次い
で、データ保存ユニット35に転送して一旦格納した
後、再構成ユニット36に転送される。この再構成ユニ
ット36によって、スキャンしたスライスの画像が再構
成され、表示プロセッサ35の所定の処理の元にディス
プレイ38に表示されるとともに、データ保存ユニット
35に保存される。
【0077】本実施形態のスキャンはマルチスキャン法
に拠っているので、ある位置でのスキャンが終わると、
例えば天板位置をスライス厚分移動させて次のスライス
でのスキャンが実施される。これにより、複数枚のスラ
イスの断層CT像が順次、再構成され、表示される。
【0078】なお、この実施形態に係る補正ユニット3
4は、図7に示すフォーマットの1回転分の投影データ
を順次読み出し、これに所望の補正処理を実施して再び
書き込むという方法に沿って説明したが、この補正処理
の手順はこれに限定されない。例えば、読み出した投影
データそれぞれに一連の例えば上述した4種類の補正,
変換処理を施し、これをデータ保存ユニット35に転送
するという処理を各投影データについて繰り返し実施す
るようにしてもよい。
【0079】したがって、本実施形態のX線CTスキャ
ナによれば、チャンネル毎に、収集データがいずれの積
分器を経由したデータであるかを区別、認識し、その経
由した積分器の特性に合わせて、その後の各種の補正処
理を行うようにしたため、補正精度が著しく向上し、よ
り高精度な補正に拠ってリング状のアーチファクトを防
止するなど、画質を格段に向上させることができる。ま
た当然に、複数の積分器をチャンネル毎に挿入している
ため、各チャンネル全体としては積分動作上のデッドタ
イムが無く、連続的にデータ収集を行うことができるこ
とから、X線の利用効率が向上し、スキャナの運用コス
ト、稼働率を下げることが可能になる一方、画像に入り
込むノイズを少なくしてS/Nの良い断層像を提供でき
る。
【0080】なお、上記実施形態に対してさらに種々の
変形が可能であり、それらの変形例によって実現される
構成も本発明の要旨がカバーする範囲である。
【0081】変形例その1 かかる変形例の1つとして、スキャナの補正ユニットの
構成がある。上記実施形態では、CPUを中心としたコ
ンピュータによるソフトウエア演算で補正処理を行う補
正ユニットの構成を挙げたが、本発明はこれに限定され
るものではない。これに代えて、例えば図8や図9のデ
ータフローダイヤグラムをブロック図として読み替えて
表されるデジタル回路などのハードウエア構成で実現し
てもよい。また、前述した実施形態の補正ユニット34
のCPUが、その収集データが経由した積分器を区別、
認識する手法は各種のものがあり、メインコントロー
ラ、DASの制御回路、あるいは架台コントローラなど
からその区別情報を受けるようにしてもよい。また、ス
キャンのビュー(角度)毎に予め使用する積分器を決め
ておいて、その決定情報を予め補正ユニット34のCP
Uが記憶しているようにしてもよい。
【0082】変形例その2 また、補正ユニット34で実施する補正/変換処理は、
前述した4種類に限定されない。この補正ユニット34
で実行される、チャンネル毎の使用する積分器の違いに
起因する補正は全て本発明の要旨の範囲である。
【0083】変形例その3 本発明に適用される検出器は、その種類に依存するもの
ではない。例えば図10に示すように、複数の検出素子
列をスライス方向に併設した2次元検出器11であって
もよく、この2次元検出器11を使用したマルチスライ
スCTを構成してもよい。また、この検出器はイメージ
インテンシファイヤおよび撮像素子を組み合わせて構成
されていてもよい。
【0084】変形例その4 また、本発明に適用されるDASの回路は、その種類に
依存しないことも明らかである。例えば、前述した種類
以外には、シグマ・デルタ型A/Dコンバータ(コンパ
レータとデジタルトラッキング回路により構成され、A
/D変換までをまとめて行う構成を有する。この場合、
サンプル/ホールド以降の回路は不要になる)や、デル
タ・シグマ型A/Dコンバータ(積分器、コンパレー
タ、および1ビットA/Dコンバータにより構成され、
A/D変換までをまとめて行う構成を有する。この場
合、サンプル/ホールド以降の回路は不要になる)を使
用してもよい。
【0085】このように積分とA/D変換とを同時に行
う場合、とくに、前述したようにリセットやセットアッ
プなどのオーバーヘッド時間を小さくできることは重要
なファクタであり、有利になる。
【0086】変形例その5 前述の実施形態では、本発明のデータ収集・処理装置
を、放射線CTスキャナの1つであるX線CTスキャナ
に実施した場合を説明してきたが、本発明は必ずしもそ
のような用途に限定されるものでない。要は、複数のデ
ータ検出チャンネルを有し、各チャンネルに複数の積分
器を挿入し、この積分器を交互に切り換えてデータ収集
を行い、この収集データの補正処理を施すという構成の
装置、システムであれば全て適用され、例えば産業用の
X線分析装置などにも好適に実施できる。
【0087】さらに、なお、画像再構成法の種類やスキ
ャン方法なども適宜なものを使用できることは勿論であ
る。
【0088】変形例その6 さらに、チャンネル毎の使用した積分器を区別する情報
(積分器情報)に関しても、本発明では種々の変形が可
能である。例えば、図11に示すように、その区別は、
収集データの伝送とは別のラインを介してデータ収集装
置(DAS)24から補正ユニット34に送るように構
成してもよい。
【0089】また、どちらの積分器を先に使用するかの
固定情報をデータ収集装置(DAS)に持たせ、データ
収集装置は必ずその固定情報に基づき処理するように構
成するとともに、補正ユニットではそれに応じて必ず、
例えば最初に伝送されてくるデータが積分器Aによる積
分データであると自動的に認識して補正処理し、その後
は交互に順次、補正を行うようにしてもよい。これによ
り、補正ユニットの構成を簡素化できるというメリット
が得られる。
【0090】なお、本発明は上述した実施形態や変形例
に限定されるものではなく、本発明の基本原理の範囲内
で適宜に組み合わせ、変更、変形することが可能であ
る。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の装置およ
びシステムは、チャンネル毎の積分器の切換使用に伴っ
て積分動作上のデッドタイム(すなわち、オーバヘッド
時間)を解消することができるので、放射線CTスキャ
ナの場合には放射線の利用効率を向上させ、画像ノイズ
を抑制でき、さらに連続的なデータ収集ができるという
各種の利点が得られることに加え、切換制御手段により
切り換えられた積分器が各チャンネル内でどの積分器で
あるかの区別に応じて収集データに補正などの所望処理
を施すようにしているので、切り換えられた積分器に固
有の動作特性に対応した処理を施すことができ、収集デ
ータの精度のみならず、補正精度など、データ収集後の
データ処理精度が一段と向上し、放射線CTスキャナで
はリング状のアーチファクトの発生を防止または抑制す
ることができ、この画質改善によって、放射線CTスキ
ャナの場合には診断精度の向上、診断に伴う操作上の手
間、労力の軽減、および患者スループットの向上などに
著しく寄与可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデータ収集・処理装置を実施した放射
線CTスキャナとしてのX線CTスキャナのガントリの
概念を示す図。
【図2】X線CTスキャナのガントリと寝台、およびX
線ビームの位置関係を示す概要図。
【図3】X線CTスキャナの概略構成を示すブロック
図。
【図4】DASの概要構成例を示すブロック図。
【図5】補正ユニットの構成の一例を示すブロック図。
【図6】DASにおける積分器の切換動作を中心とする
データ収集動作を説明するタイミングチャート。
【図7】補正ユニットのRAMに格納されるデータのフ
ォーマットを示す模式図。
【図8】オフセット補正の流れを模式的に示すデータフ
ローチャート。
【図9】キャリブレーション補正の流れを模式的に示す
データフローチャート。
【図10】X線検出器の別の例を示す模式図。
【図11】積分器情報の伝送に係る別の例を示す部分ブ
ロック図。
【符号の説明】
1 ガントリ 2 寝台 3 制御キャビネット 10 X線管(X線源) 11 X線検出器 24 データ収集装置(DAS) 25 架台駆動装置 28 データ伝送部 30 メインコントローラ 32 寝台コントローラ 33 架台コントローラ 34 補正ユニット 35 データ保存ユニット 36 再構成ユニット 37 表示プロセッサ 38 ディスプレイ 39 入力器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データ収集用の複数のチャンネルそれぞ
    れに複数個ずつ並列に挿入された積分器と、前記各チャ
    ンネル内に併設された前記複数個の積分器を前記データ
    の収集毎に交互に切り換えて当該切り換えられた積分器
    に収集データを積分させる切換制御手段と、この切換制
    御手段により切り換えられた積分器が前記各チャンネル
    内でどの積分器であるかの区別に応じて前記収集データ
    に所望処理を施すデータ処理手段とを備えることを特徴
    としたデータ収集・処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明において、 前記データ処理手段は、前記収集データに前記所望の処
    理としての補正処理を実施する手段であるデータ収集・
    処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の発明において、 前記データ処理手段は、前記切換制御手段により切り換
    えられた積分器が前記各チャンネル内でどの積分器であ
    るかを認識する認識手段と、この認識手段の認識結果に
    応じて事前に準備してある補正用データを選択する選択
    手段と、この補正用データに基づき前記収集データに前
    記補正処理を施す処理手段とを備えたデータ収集・処理
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の発明において、 前記補正処理は、前記切り換えられた積分器に対応した
    量のオフセット補正またはキャリブレーション補正の少
    なくとも一方を含むデータ収集・処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    発明において、 前記各チャンネル内に併設された複数の積分器の数は2
    個であるデータ収集・処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のデータ収集・処理装置
    をデータの収集および処理系の一部に備えたシステム。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の発明において、 放射線を曝射する線源と、前記被検体を透過してきた前
    記放射線を入射させ且つ前記複数のチャンネルから成る
    検出器と、前記放射線により対象体をスキャンするスキ
    ャン指令手段とを備え、前記検出器のチャンネル毎の検
    出出力を前記データ収集・処理装置にチャンネル毎に供
    給するように構成した放射線CTスキャナのシステム。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の発明において、 前記線源は、前記放射線としてのX線を曝射するX線源
    であり、前記検出器は、前記対象体を透過してきた前記
    X線を検出するX線検出器であるX線CTスキャナのシ
    ステム。
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