JP5147047B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線CT(Computed Tomography)装置に関し、特に、被検体をX線でスキャン(scan)して得られた投影データ(data)に基づいて画像を再構成するX線CT装置に関する。
従来、X線CT装置で心臓を撮影する場合には、心電同期撮影法を用いるのが一般的である。この心電同期撮影法には、プロスペクティブ(prospective)撮影法とレトロスペクティブ(retrospective)撮影法とがある。プロスペクティブ撮影法は、直近の複数の心拍に基づく平均した心拍周期を観測しつつ、心臓の動きが最も穏やかになる撮影に適した心位相(以下、至適心位相という)の到来時期を予測し、それに同期して投影データを収集し、画像を再構成する撮影法である。また、レトロスペクティブ撮影法は、被検体の心電波形をモニタリング(monitoring)し、被検体を比較的小さいヘリカルピッチ(helical
pitch)でヘリカルスキャンして、被検体の心電信号と被検体の投影データとを同時に収集し、所望の心位相に対応する投影データのみを後から抽出して画像を再構成する撮影法である。
ところで、至適心位相は、一般に、心電波形におけるR波と次のR波までの期間を0〜100%として、45%程度に相当する収縮期と、75%程度に相当する拡張期であると言われており、いずれも許容される時間幅は比較的狭い。その一方で、心拍数の変動や期外収縮は比較的発生しやすい。このため、心電波形などをモニタリングしても真の至適心位相を完全に予測することは難しく、例えば、至適心位相であると予測した心位相に対応した投影データを用いて実際に画像を再構成してみると、心臓を表す画像のうち一部が泊動でぶれていることがある。
そこで、現実には、撮影技師が再構成に用いる投影データの心位相を幾つか指定して、心位相の異なる複数の画像を再構成し、得られた画像を目視で確認して、全体的にぶれのない画像を至適心位相の画像として選択することが多い。この場合には、至適心位相の特定に煩雑な作業と多くの時間を要することになる。
このような問題の対応策として、例えば、少なくとも1心拍にわたる期間の投影データを収集し、複数の心拍位相の各々について、画像を再構成し、または、画像を再構成するのに必要な投影データセット(data
set)を生成し、心拍位相が所定量ずれた画像同士の組合せまたは投影データセット同士の組合せ毎に差分を求め、その差分が最も小さい画像同士または投影データ同士の組合せに対応した心拍位相を心臓の動きが最も少ない最適位相として決定する手法(例えば、特許文献1参照)を利用することができる。
特開2007−37782号公報
しかしながら、再構成して得られた画像、または、画像を再構成するのに必要な投影データセットはデータ量が多く、また、画像を再構成する処理に対する計算量も多いため、上記の手法では、画像同士または投影データセット同士の差分を求める処理に多くの時間を必要とし、画像を再構成するのに適した特定の心位相を高速に決定することが難しい。
本発明は、上記事情に鑑み、特定の心位相、例えば、被検体の心臓を表す画像の再構成に用いる投影データの心位相として適した心位相をより高速に決定することが可能なX線CT装置を提供することを目的とする。
第1の観点では、本発明は、被検体を挟んで相対向して配置された、X線照射部と複数の検出素子により検出面が構成されるX線検出部とを有し、該X線照射部とX線検出部とを回転軸の周りに回転させながら前記被検体をスキャンしてビュー(view)方向毎に投影データを収集するスキャン手段を備えたX線CT装置において、前記スキャン手段により収集された、それぞれが複数のビュー方向の各々に対応した複数の投影データを用いて、ビュー方向が対向し時間的に隣接する2つの投影データによる組合せ毎に、投影データ間の差異を算出する差異算出手段と、前記差異算出手段により算出された差異に基づいて、特定の心位相を決定する特定心位相決定手段とを備えたX線CT装置を提供する。
第2の観点では、本発明は、前記特定心位相決定手段が、前記算出された投影データ間の差異の中で値が最小となる差異に対応する心位相を特定の心位相として決定する、上記第1の観点のX線CT装置を提供する。
第3の観点では、本発明は、前記特定心位相決定手段が、前記算出された投影データ間の差異の中で、値が所定のしきい値以下であり前記差異の時間変化において極小となる差異に対応する心位相のうちいずれかを特定の心位相として決定する、上記第1の観点のX線CT装置を提供する。
第4の観点では、本発明は、前記スキャン手段によりスキャンされている間における前記被検体の心拍の時間変化を特定する心拍特定手段をさらに備え、前記特定心位相決定手段が、前記心拍特定手段により特定された心拍の時間変化にも基づいて前記特定の心位相を決定する、上記第1の観点のX線CT装置を提供する。
第5の観点では、本発明は、被検体を挟んで相対向して配置された、X線照射部と複数の検出素子により検出面が構成されるX線検出部とを有し、該X線照射部とX線検出部とを回転軸の周りに回転させながら前記被検体をスキャンしてビュー方向毎に投影データを収集するスキャン手段を備えたX線CT装置において、前記スキャン手段により収集された、それぞれが複数のビュー方向の各々に対応した複数の投影データを用いて、ビュー方向が対向し時間的に隣接する2つの投影データによる組合せ毎に、該投影データ間の差異を算出する差異算出手段と、前記算出された投影データ間の差異の時間変化を表示する表示手段とを備えたX線CT装置を提供する。
第6の観点では、本発明は、前記スキャン手段によりスキャンされている間における前記被検体の心拍の時間変化を特定する心拍特定手段をさらに備え、前記表示手段が、前記心拍特定手段により特定された心拍の時間変化と前記差異の時間変化とを時間軸を揃えて表示する、上記第5の観点のX線CT装置を提供する。
第7の観点では、本発明は、前記差異の時間変化が表示された面上で指定された任意の位置に基づいて特定の心位相を決定する特定心位相決定手段をさらに備えた、上記第5の観点または第6の観点のX線CT装置を提供する。
第8の観点では、本発明は、前記X線検出部が、前記回転軸方向に複数の検出素子列を有し、前記差異算出手段が、それぞれが個々の前記検出素子列に対応した複数の列データで構成される投影データ間において、対応する検出素子列の前記回転軸方向の位置が同じである列データ間毎に差異を算出し、該列データ間毎に算出された差異に対する平均を前記投影データ間の差異として算出する、上記第1の観点から第7の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第9の観点では、本発明は、前記差異算出手段が、前記投影データを構成するデータのうち、前記検出面における前記回転方向での中心の近傍領域で構成される中心部に対応するデータについて差異を算出する、上記第1の観点から第8の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第10の観点では、本発明は、前記中心部が、前記回転の方向に2以上20以下の検出素子数分の幅を有する、上記第9の観点のX線CT装置を提供する。
第11の観点では、本発明は、前記差異算出手段が、前記組合せの投影データに対数変換、X線線量補正、感度補正、およびビームハードニング(beam
hardening)補正のうち少なくとも1つを含む前処理を施して得られた投影データについて差異を算出する、上記第1の観点から第10の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第12の観点では、本発明は、前記特定心位相決定手段により決定された特定の心位相に対応した画像を再構成する画像再構成手段をさらに備えた、上記第1の観点から第11の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
本発明において、ビュー方向とは、前記X線照射部から前記回転の中心に向かう向きを意味する。
なお、本発明は、アキシャルスキャン(axial scan)を行うX線CT装置だけでなく、ヘリカルスキャンを行うX線CT装置にも適用可能である。
本発明のX線CT装置によれば、ビュー方向が対向し時間的に隣接する2つの投影データによる組合せ毎に投影データ間の差異を算出し、その差異の大きさに基づいて特定の心位相を決定するので、再構成した画像同士や、画像を再構成するのに必要な投影データセット同士で比較するより、扱うデータ量も少なく、また計算式の簡素化も可能になり、総合的に計算量を少なくすることができ、特定の心位相、例えば、被検体の心臓を表す画像の再構成に用いる投影データの心位相として適した心位相をより高速に決定することが可能となる。
本発明にかかる実施形態について説明する。
図1は、本発明にかかる実施形態のX線CT装置1についての全体構成を示すブロック(block)図であり、図2は、本実施形態のX線CT装置1における要部を示す構成図である。
図1に示すように、X線CT装置1は、走査ガントリ(gantry)2と、操作コンソール(console)3と、撮影テーブル(table)4とを有し、撮影空間29において被検体6をX線でスキャンし、そのスキャンにより得られた被検体6の投影データをローデータ(raw
data)として用いて、被検体6のスライス面についての画像を再構成によって生成する。なお、被検体6には、被検体6の生体信号をセンサ(sensor)で検出して心電波形を表す信号を出力する心電計5が接続されている。
走査ガントリ2について説明する。走査ガントリ2は、操作コンソール3からの制御信号CTL30aに基づいて、撮影テーブル4により撮影空間29に移動された被検体6をX線でスキャンすることにより、その被検体6の投影データを得る。走査ガントリ2は、図1に示すように、X線管20と、X線管移動部21と、コリメータ(collimator)22と、X線検出部23と、データ収集部24と、X線コントローラ(controller)25と、コリメータコントローラ26と、回転部27と、回転コントローラ28とを有する。走査ガントリ2においては、図2に示すように、被検体6が搬入される撮影空間29を挟むように、X線管20とX線検出部23とが配置されている。そして、コリメータ22が、X線管20とX線検出部23との間に配置され、X線管20から撮影空間29の被検体6へ照射されるX線を遮蔽することによって成形する。そして、走査ガントリ2は、被検体6の体軸方向zを中心にして、X線管20とコリメータ22とX線検出部23とを被検体6の周囲で旋回させる。これにより、被検体6の周囲における複数のビュー方向からX線管20によりX線を照射し、X線管20から被検体6を透過するX線をX線検出部23が検出して、投影データを生成する。走査ガントリ2の各部について、順次、説明する。
X線管20は、例えば、回転陽極型であり、X線を被検体6に照射する。X線管20は、図2に示すように、X線コントローラ25からの制御信号CTL251に基づいて、所定強度のX線を被検体6の撮影領域にコリメータ22を介して照射する。X線管20から放射されたX線は、コリメータ22によって遮蔽されて、例えば、コーン(cone)状に成形され、X線検出部23に照射される。そして、X線管20は、被検体6の周囲のビュー方向からX線を被検体6に照射するために、被検体6の体軸方向zを中心に回転部27によって被検体6の周囲を回転移動する。つまり、X線管20は、撮影テーブル4が被検体6を撮影空間29に移動する方向に沿った軸を中心にして、被検体6の周囲を旋回する。
X線管移動部21は、図2に示すように、X線コントローラ25からの制御信号CTL252に基づいて、X線管20の放射中心を、走査ガントリ2における撮影空間29内の被検体6の体軸方向zに移動させる。
コリメータ22は、図2に示すように、X線管20とX線検出部23との間に配置されている。コリメータ22は、例えば、X線が透過しない遮蔽板を含み、チャネル(channel)方向iと列方向jとにそれぞれ2枚ずつ、遮蔽板が設けられている。コリメータ22は、コリメータコントローラ26からの制御信号CTL261に基づいて、各方向に設けられた2枚の遮蔽板を独立して移動させて、X線管20から照射されたX線をそれぞれの方向において遮ってコーン状に成形することにより、X線の照射範囲を調整する。つまり、コリメータ22は、X線管20から照射されたX線が通過する開口の大きさを可変することにより、X線の照射範囲を調整する。
X線検出部23は、X線管20から照射され被検体6を透過するX線を検出し、被検体6の投影データを生成する。X線検出部23は、X線管20と共に、回転部27によって被検体6の周囲を回転する。そして、被検体6の周囲の複数のビュー方向において、被検体6を透過したX線を検出して投影データを生成する。
図2に示すように、X線検出部23は、複数の検出素子23aを含み、例えば、X線管20が撮影空間29の被検体6の周囲を回転部27により回転する回転方向に沿ったチャネル方向iと、X線管20が回転部27によって回転する際に中心軸となる回転軸方向に沿った列方向jとに検出素子23aがアレイ(array)状に2次元的に配列されている。例えば、X線検出部23は、検出素子23aがチャネル方向iに1000個程度配列され、列方向jに64個程度配列されている。つまり、X線検出部23は、回転軸方向に並んだ複数の検出素子列を有している。1つのチャネルに相当する1つの検出素子23aにおける検出面の大きさは、例えば、1mm(ミリメートル)×1mm角程度、あるいは、0.5mm×0.5mm角程度を考えることができる。また、X線検出部23は、2次元的に配列された複数の検出素子23aによって、円筒な凹面状に湾曲した面を形成している。
X線検出部23を構成する検出素子23aは、例えば、固体検出器として構成されており、X線を光に変換するシンチレータ(scintillator)(図示なし)と、シンチレータが変換した光を電荷に変換するフォトダイオード(photo
diode)(図示なし)とを有する。なお、検出素子23aは、これに限定されるものではなく、例えば、カドミウム・テルル(CdTe)などを利用した半導体検出素子、あるいはキセノン(Xe)ガス(gas)を利用した電離箱型の検出素子であって良い。
データ収集部24は、X線検出部23からの投影データを収集するために設けられている。データ収集部24は、X線検出部23のそれぞれの検出素子23aが検出したX線による投影データを収集して、操作コンソール3に出力する。図2に示すように、データ収集部24は、選択・加算切換回路(MUX,ADD)241とアナログ−デジタル(analog−digital)変換器(ADC)242とを有する。選択・加算切換回路241は、X線検出部23の検出素子23aによる投影データを、中央処理装置30からの制御信号CTL303に応じて選択し、あるいは組合せを変えて足し合わせ、その結果をアナログ−デジタル変換器242に出力する。アナログ−デジタル変換器242は、選択・加算切換回路241において選択あるいは任意の組合せで足し合わされた投影データをアナログ信号からデジタル信号に変換して中央処理装置30に出力する。
X線コントローラ25は、図2に示すように、中央処理装置30からの制御信号CTL301に応じて、X線管20に制御信号CTL251を出力し、X線の照射を制御する。X線コントローラ25は、例えば、X線管20の管電圧や管電流、照射時間などを制御する。また、X線コントローラ25は、中央処理装置30による制御信号CTL301に応じて、X線管移動部221に対し制御信号CTL252を出力し、X線管20の放射中心を体軸方向zに移動するように制御する。
コリメータコントローラ26は、図2に示すように、中央処理装置30からの制御信号CTL302に応じてコリメータ22に制御信号CTL261を出力し、X線管20から被検体6へ照射されたX線を成形するように、コリメータ22を制御する。
回転部27は、図1に示すように、円板形状であり、中心部分に撮影空間29が形成されている。回転部27は、回転コントローラ28からの制御信号CTL28に応じて、例えば、モータ(motor)(図示なし)を駆動し、撮影空間29内における被検体6の体軸方向zを中心にして回転する。回転部27には、X線管20とX線管移動部21とコリメータ22とX線検出部23とデータ収集部24とX線コントローラ25とコリメータコントローラ26とが搭載されている。回転部27は、スリップリング(slip
ring)(図示なし)を介して、各部に電力を供給する。そして、回転部27は、各部を被検体6の周囲に回転移動させ、撮影空間29に搬入される被検体6と各部との位置関係を回転方向にて相対的に変化させる。回転部27が回転することによって、被検体6の周囲から複数のビュー方向ごとにX線管20がX線を被検体6に照射することが可能になり、被検体6を透過したX線をX線検出部23がそれぞれのビュー方向ごとに検出することが可能になる。
回転コントローラ28は、図1および図2に示すように、操作コンソール3の中央処理装置30による制御信号CTL304に基づいて、回転部27に制御信号CTL28を出力し、回転部27が回転するように制御する。
操作コンソール3について説明する。操作コンソール3は、図1に示すように、中央処理装置30と、入力装置31と、表示装置32と、記憶装置33とを有する。各部について、順次、説明する。
操作コンソール3における中央処理装置30は、オペレータ(operator)により入力装置31に入力される指令に基づいて、種々の処理を実施する。中央処理装置30は、コンピュータ(computer)と、このコンピュータを種々の手段として機能させるプログラム(program)とを含む。
中央処理装置30は、図1に示すように、制御部301と、心拍特定部302と、前処理部303と、差異算出部304と、特定心位相決定部305と、画像再構成部306とを有する。
制御部301は、X線CT装置1の各部を制御するために設けられている。制御部301は、オペレータにより入力装置31に入力された指令に基づいて各部を制御する。例えば、制御部301は、オペレータにより入力装置31に入力されたスキャンを開始する指令に基づいて各部を制御しスキャンを実施する。具体的には、制御部301は、撮影テーブル4に制御信号CTL30bを出力し、撮影テーブル4に被検体6を撮影空間29へ搬送させて移動させる。そして、制御部301は、回転コントローラ28に制御信号CTL304を出力して、走査ガントリ2の回転部27を所定の回転角度に固定させたり、あるいは所定の回転周期で回転させたりする。そして、制御部301は、X線管20からX線を照射するように、制御信号CTL301をX線コントローラ25に出力する。そして、制御部301は、制御信号CTL302をコリメータコントローラ26に出力し、コリメータ22を制御してX線を成形する。また、制御部301は、制御信号CTL303をデータ収集部24に出力し、X線検出部23の検出素子23aが得る投影データを収集するように制御する。なお、ここでは、実施形態の説明を簡単にするため、制御部301は、各部を制御して定速回転によるアキシャルスキャンを実施する。すなわち、撮影テーブル4を停止させた状態で回転部27の回転周期を一定にして所定の時間間隔で投影データを順次収集する。これにより、各投影データはそのビュー方向が一定の角度刻み、例えば1°刻みで割り当てられるように収集される。
心拍特定部302は、走査ガントリ2によりスキャンされている間における被検体6の心拍の時間変化を特定する。ここでは、心電計5が、被検体6の生体信号をセンサで検出して被検体6の心電信号を生成し、操作コンソール3の中央処理装置30に送信する。心拍特定部302は、その心電信号を受信して被検体6の心電波形を特定する。
前処理部303は、走査ガントリ2のデータ収集部24により収集された投影データに対して、オフセット(offset)補正、対数変換、X線線量補正、感度補正およびビームハードニング補正を含む前処理を施す。ここで、対数変換とは、X線検出部で得られたデータを対数変換する処理である。X線線量補正とは、照射されるX線の線量の空間的な不均一性を把握して、収集されたデータを補正する処理である。感度補正とは、X線検出部を含むデータ収集系におけるX線の空間的な位置またはエネルギー(energy)に応じた検出感度を把握して、収集されたデータを補正する処理である。ビームハードニング補正とは、ビームハードニング現象による線質変化を考慮して、収集されたデータを補正する処理である。なお、コーン角補正はここでの前処理に含まれていてもよい。また、チャネル方向の個々のデータがファン(fan)状に広がる個々のX線経路に対応した投影データのセットを、チャネル方向の個々のデータが互いに平行な個々のX線経路に対応した投影データのセットに並び換える、いわゆるファン−パラ(fan−parallel)変換、関数フィルタ(filter)の重畳は、ここでの前処理に含まれず、画像再構成部306による再構成処理に含まれる。
差異算出部304は、前処理部303により前処理が施された複数の投影データに基づいて、ビュー方向が対向し時間的に隣接する2つの投影データによる組合せ、すなわち、ビュー方向に対応する回転部27の回転位置が180°分ずれた2つの投影データによる組合せ毎に、投影データ間の差異を算出する。
ここでは、差異算出部304は、それぞれが個々の検出素子列に対応した複数の列データで構成される投影データ間において、対応する検出素子列の列方向jの位置が同じである列データ間毎に差異を算出し、列データ間毎に算出された差異に対する平均をその投影データ間の差異として算出する。つまり、列データ間の差異の算出に用いる列データの組合せは、アキシャルスキャンでは、同じ検出素子列で得られた2つの列データとなり、また、ヘリカルスキャンでは、それぞれが異なる検出素子列で得られた2つの列データとなる。
また、差異算出部304は、投影データを構成するデータのうち、X線検出部23の検出面におけるチャネル方向iでの中心(線)の近傍領域で構成される中心部に対応するデータについてのみ差異を算出する。
ビュー方向が対向する2つの投影データ間では、特にX線検出部23の中心部で得られたデータに関し、X線のパスが略重なる。そのため、この2つの投影データ間の差異には、ビュー方向が180°回転する間、すなわち、走査ガントリ2の回転部27が180°回転する間に被検体6が動いた量が反映される。したがって、この差異をビュー方向が互いに180°分ずれた2つの投影データによる組合せ毎に算出してその差異の変化を見ることにより、被検体6の動いた量の時間変化を知ることができる。なお、現時点では、回転部27の回転周期は、0.35秒/回転が実現されている。この場合、回転部27を180°分回転するのに要する時間は約0.175秒であり、この程度の時間差であれば被検体6の心臓の動きを検出することが可能である。
図3は、X線検出部23における中心部Cの一例を示す図である。中心部Cとしては、例えば、図3に示すように、チャネル方向(回転方向)iでの中心線を対称軸Lとして、チャネル方向iに1以上40以下である所定チャネル(検出素子)数分の幅w、列方向jに1以上X線検出部23の全列数以下である所定列数分の幅dを有する部分とすることができる。しかし好適には、チャネル方向の幅wは2〜20チャネル分程度である。これは、幅wが大きいと、差異の算出に用いる2つのデータ間でX線のパス(path)のずれが大きくなるし、また幅wが1チャネル分しかないと、被検体6の微小な位置変動やノイズ(noise)によるデータ値の変動が生じやすく信頼性に欠けるからである。一方、列方向の幅dは、あまり制約を受けない。これは、コーン角補正により、実質的にX線のパスのずれを抑制することができるからである。したがって、例えば、中心部Cのチャネル方向の幅wを10チャネル分、列方向の幅dを64列分とすることができる。なお、コーン角補正を行わない場合には、列方向の幅dを小さくする必要がある。
ここで、ビュー方向が対向し時間的に隣接する2つの投影データによる組合せ毎に投影データ間の差異を算出する手順について説明する。
図4は、ビュー方向が対向し時間的に隣接する2つの投影データによる組合せ毎に投影データ間の差異を算出する様子を示す概念図である。図4に示すように、ここでは、スキャンによって順次収集された個々の投影データを識別番号vで識別し、全投影データをP〜Pとする。図4では、各投影データのビュー方向が理解し易いように、そのビュー方向に対応する回転部27の回転位置を模式化して添えている。
まず、差異算出部304は、ビュー方向が対向し時間的に隣接する2つの投影データによる組合せをそれぞれ特定する。ここで、ビュー方向が180°回転するまでに収集される投影データの数をzとすると、識別番号vの投影データPと識別番号v+zの投影データPv+zとが組合せGを構成する。
次に、差異算出部304は、組合せG毎に、組合せGを構成する2つの投影データPとPv+zについて、次式により列データ間毎の差異を算出する。
Δpcv_r=Ave{|pv_r(c)−pv+z_r(c)|/pv_r(c)} ,
(c=cs,…,ce)
or Max{|pv_r(c)−pv+z_r(c)|/pv_r(c)} ,
(c=cs,…,ce)
…(1)
ここで、Δpcv_rは列データpi_vとpv+z_rとの差異、rは列番号、zはビュー方向が180°回転するまでに収集される投影データの数、Aveは平均値を取る関数、Maxは最大値を取る関数、cはチャネル番号、csは中心部Cの開始チャネル番号、ceは中心部Cの終了チャネル番号、pv_r(c)は列データpv_rにおけるチャネルcのデータ値である。
すなわち、組合せGを構成する2つの投影データPとPv+zを考えた場合、列番号rが同じである列データの組合せ毎に、列データのうち中心部C(チャネル番号c=cs,・・・,ce)に対応するデータについて、列データ間の差異を算出する。この列データ間の差異は、チャネル番号cが同じであるデータ値pv_r(c),pv+z_r(c)の組合せ毎に差異を求め、求められた複数の差異に対する代表値、例えば、平均値や最大値として求める。このデータ値間の差異は、これらデータ値間の差分|pv_r(c)−pv+z_r(c)|を一方のデータ値の大きさpv_r(c)で規格化して求める。
差異算出部304は、列データ間毎に差異Δpcv_rが得られると、これら列データ間毎に算出された差異に対する平均を投影データPとPv+zとの間の差異ΔPとして算出する。
上記のようにして組合せG毎に算出された差異ΔPを、その差異の算出に用いた2つの投影データに対応する時点、例えば、それら2つの投影データが収集された各時点の中間時点と対応させてプロット(plot)することにより、差異の時間変化を求めることができる。
図5は、差異の時間変化を表す曲線Sの一例を示す図である。図5では、横軸は、差異ΔPの算出に用いた2つの投影データに対応する時点t、縦軸は、差異ΔPの大きさを表している。この図において、差異が大きいところは被検体6の動きが大きく、差異の小さいところは被検体6の動きが小さいと考えることができる。
特定心位相決定部305は、投影データに対応する時点を表す時間軸上で特定の心位相に対応する時点を決定する。本実施形態では、特定心位相決定部305は、特定の心位相として心臓の動きが最も穏やかになるいわゆる至適心位相に対応する時点を決定する。
特定心位相決定部305は、まず、差異算出部304により算出された差異に基づいて至適心位相の候補に対応する時点を1つ以上決定する。至適心位相の候補に対応する時点を決定する方法としては種々考えることができるが、ここでは、特定心位相決定部305は、所定のしきい値以下であり極小となる差異を、値が小さい順に所定数、選択する。また、特定心位相決定部305は、上記のように選択された差異Δpcsiのうち、心拍特定部302により特定された心電波形において収縮期または拡張期が含まれると考えられる期間、例えば、心位相が35〜55%または65〜85%となる期間内の時点に対応する差異のみを残し、他の差異を外す。そして、残った差異Δpcsに対応する時点、すなわち、差異Δpcsの算出に用いた投影データに対応する時点を、至適心位相の候補に対応する時点として決定する。このようにすれば、至適心位相と似た特徴を持つ非至適心位相に対応した時点を、誤って候補として決定してしまう可能性を低く抑えることができ、候補の信頼性が向上する。
決定された至適心位相の候補に対応する時点は、後述の如く、表示装置32により表示される。
特定心位相決定部305は、次に、至適心位相に対応する時点を決定する。至適心位相に対応する時点を決定する方法としては種々考えることができるが、ここでは、特定心位相決定部305は、オペレータにより至適心位相の候補に対応する時点のうちいずれか1つを選択する指令が入力されると、選択された時点を至適心位相に対応する時点として決定し、または、オペレータにより指定された任意の時点を至適心位相に対応する時点として決定する。例えば、表示装置32の表示面に、心電波形、差異の時間変化、および至適心位相の候補に対応する時点を特定する矢印記号が表示されており、オペレータはその画面上に表示されるポインタ(pointer)をマウス(mouse)などで操作して、至適心位相の候補に対応する時点を特定する矢印記号のうちいずれかをクリック(click)していずれかの候補の時点を選択したり、上記矢印記号以外の任意の位置をクリックしてその位置の座標に基づく任意の時点を指定したりする。
画像再構成部306は、データ収集部24により収集された投影データに基づいて被検体6断層面についての画像を再構成する。ここでは、画像再構成部306は、特定心位相決定部305により決定された至適心位相に対応した時点の画像を再構成する。すなわち、その決定された至適心位相に対応する時点を中心とする所定の期間内に収集された投影データであって、再構成するのに必要なビュー方向範囲の投影データを用いて画像を再構成する。
操作コンソール3の入力装置31は、例えば、キーボード(keybord)やマウスなどにより構成されている。入力装置31は、オペレータの入力操作に基づいて、スキャン条件や被検体6の情報などの各種情報や指令を中央処理装置30に入力する。例えば、入力装置31は、オペレータからのスキャンを開始する指令を入力したり、至適心位相決定部305による決定に関するオペレータからの指令を入力したりする。
操作コンソール3の表示装置32は、例えば、CRTを含み、中央処理装置30からの指令に基づき、表示面に種々の画像を表示する。
ここでは、表示装置32は、心拍特定部302により特定された心電波形と、差異算出部304により求められた差異の時間変化とを時間軸を揃えて表示し、さらに、特定心位相決定部305により決定された至適心位相の候補に対応する時点を特定する情報を表示する。これにより、至適心位相として推奨される時点が表示装置32の画面を通じてオペレータに提供される。
図6は、心電波形、差異の時間変化、および至適心位相の候補に対応する時点を特定する情報が表示された表示装置32の表示面の一例を示す図である。この例では図6に示すように、中央に時間軸tが表示され、上段に心電波形H、下段に差異の時間変化を示す曲線Sが表示されている。また、時間軸t上には、収縮期または拡張期を含む期間Rをそれぞれ特定する記号Wと、至適心位相の候補Kを特定する矢印記号Mがそれぞれ表示されている。差異の時間変化を示す曲線Sは、その差異の値に応じて色が変わるように表示される。例えば、差異の値が大きいほど赤に近い色となり、差異の値が小さいほど緑に近い色となるように表示する。
また、表示装置32は、画像再構成部306により生成された被検体6のスライス面についての画像を表示する。
操作コンソール3の記憶装置33は、メモリ(memory)により構成されており、プログラムなどのデータを記憶する。記憶装置33は、その記憶されたデータが必要に応じて中央処理装置30にアクセス(access)される。
撮影テーブル4は、撮影空間29の内部と外部との間で被検体6を移動する。ここでは、撮影テーブル4は、水平方向にスライド可能なクレードル(cradle)4aを有し、被検体6が載置されたクレードル4aを水平方向にスライド(slide)させることにより被検体6を移動させる。
本実施形態のX線CT装置1における動作について説明する。
図7は、X線CT装置1における動作の流れを示すフロー(flow)図である。
制御部301は、各部を制御して、被検体6の心臓をスライス位置としてスキャンするとともに、心拍特定部302が心電計5から送られてくる信号を受信して、被検体6をスキャンしている間の被検体6の心電波形を取得する(S1)。なお、ここでは、1心拍以上に相当する期間、および、回転部27の1.5回転分以上に相当するビュー方向の投影データPr〜Prを収集する。収集された投影データPr〜Prと取得された心電波形のデータは、記憶装置33に送られ記憶される。
制御部301は、記憶装置33から投影データPr〜Prを読出し前処理部302に送る。前処理部302は、投影データPr〜Prに対してオフセット補正、X線線量補正、感度補正、およびビームハードニング補正を含む前処理を施して処理済の投影データP〜Pを生成し、これら処理済の投影データP〜Pを記憶装置33に送る(S2)。
ここで、制御部301は、識別番号vを1に初期化する(S3)。
制御部301は、投影データP〜Pの中で、ビュー方向が対向し時間的に隣接する2つの投影データによる組合せG=(P,Pv+z)を特定し(S4)、組合せGを構成する投影データP,Pv+zを記憶装置33から読み出して、差異算出部304に送る。
差異算出部304は、投影データP,Pv+zに対し、各列データpv_r,pv+z_r(r=1,2,…)の中心部Cに対応するデータについて、列データ間の差異Δpcv_r(=Ave{|pv_r(c)−pv+z_r(c)|/pv_r(c)} ,(c=cs,…,ce))を算出する(S5)。差異算出部304は、さらに、これら列データ間毎に算出された差異に対する平均を投影データPとPv+zとの間の差異ΔPとして算出する(S6)。
制御部301は、式v+z<mが肯定されるか否かを判定し、差異の算出対象となる投影データの組合せが残っているかを確認する(S7)。ここで、式v+z<mが肯定される、すなわち差異の算出対象となる組合せが残っていると判定されたときには、制御部301は、vをインクリメント(inclement)し(S8)、ステップ(step)S3に戻って次の投影データの組合せを特定する。一方、式v+z<mが否定される、すなわち差異の算出対象となる組合せが残っていないと判定されたときには、次のステップに進み、特定心位相決定部305により至適心位相の候補を決定する処理が開始される。
特定心位相決定部305は、差異算出部304により算出された投影データ間の差異に基づいて、差異の時間変化を求めるとともに、所定のしきい値以下であり極小となる差異を、値が小さい順に所定数、選択する(S9)。特定心位相決定部305は、さらに、選択された差異Δpcsのうち、心拍特定部302により特定された心電波形において収縮期または拡張期が含まれると考えられる期間内の時点に対応した差異のみを残し、他の差異を外す(S10)。特定心位相決定部305は、残った差異Δpcsに対応する時点、すなわち、差異Δpcsが算出された投影データに対応する時点を、至適心位相の候補に対応する時点として決定する(S11)。
表示装置32は、心拍特定部302により特定された被検体6の心電波形Hと、特定心位相決定部305により求められた差異の時間変化を表す曲線Sと、特定心位相決定部305により決定された至適心位相の候補に対応する時点を特定する記号Mとを、同一表示面上に表示する(S12)。オペレータは、この表示面を見ることにより、心電波形と差異の時間変化とを対比して確認したり、至適心位相の候補に対応する時点がどの時点であるかを認識したりして、至適心位相として決定すべき時点を検討することができる。
特定心位相決定部305は、ここで、オペレータにより至適心位相の候補に対応する時点のうちいずれか1つを選択する指令が入力されると、選択された時点を至適心位相に対応する時点として決定する。また、特定心位相決定部305は、オペレータにより表示装置32の表示面上で指定された任意の時点を至適心位相に対応する時点として決定する(S13)。
画像再構成部306は、特定心位相決定部305により決定された至適心位相に対応する時点を中心とする所定の期間内に収集された投影データであって、再構成するのに必要なビュー方向範囲の投影データを記憶装置33から読み出し、それらの投影データを用いて画像を再構成する。(S14)。
表示装置32は、画像再構成部306により再構成された画像を表示面に表示する(S15)。
このように、上記の実施形態によれば、ビュー方向が対向し時間的に隣接する2つの投影データによる組合せ毎に投影データ間の差異を算出し、その差異の大きさに基づいて特定の心位相を決定するので、再構成した画像同士や、画像を再構成するのに必要な投影データセット同士で比較するより、扱うデータ量も少なく、また計算式の簡素化も可能になり、総合的に計算量を少なくすることができ、特定の心位相、例えば、被検体の心臓を表す画像の再構成に用いる投影データの心位相として適した心位相をより高速に決定することが可能となる。
また、上記の実施形態によれば、被検体6の心電波形Hと差異の時間変化を表す曲線Sとを時間軸を揃えて表示しているので、オペレータが被検体6の心拍の状態とそのときの被検体6の心臓の動きを想像することができ、真の至適心位相を推測することができる。
また、上記の実施形態によれば、差異の時間変化と至適心位相の候補とが表示された面上で、候補を選択して、または、任意の心位相を指定して至適心位相を決定するので、差異の時間変化、候補を参照しながら、所望の心位相を至適心位相として決定することができ、自由度の高い決定が可能である。
なお、本発明の実施に際しては、上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形形態を採用することができる。
上記の実施形態においては、特定心位相決定部305は、算出された投影データ間の差異が所定のしきい値以下であり極小となる時点を、差異が小さい順に所定数、至適心位相の候補に対応する時点として決定しているが、例えば、特定心位相決定部305は、算出された差異が最小となる時点を、至適心位相の候補に対応する時点として決定してもよい。ただし、最小となる差異が時間的に隣接する他の差異や2番目に小さい差異と比して極端に小さい場合など、信頼性が疑われる事情がある場合には、そのような最小となる差異を除外し、次に小さい差異に対応した時点を候補として決定してもよい。また、例えば、差異算出部304は、列データ間毎に算出された差異に対する平均とその分散とを算出し、特定心位相決定部305は、その平均と分散に基づいて特定の心位相を決定していもよい。具体例としては、その平均と分散を重み付け加算、例えば、7対3の割合で加算することにより得られるスコアが最小となる心位相を特定の心位相として決定する。また、例えば、特定心位相決定部305は、差異の時間変化を表す曲線において、臨床画像などのサンプルデータを参照して事前に定義された所定のパターン曲線と所定レベル以上の類似度で合致する曲線部分を特定し、特定された曲線部分における所定の位置の時点を、至適心位相の候補に対応する時点として決定してもよい。
また、上記の実施形態においては、表示装置32は、心電波形Hと差異の時間変化を表す曲線Sとをそれぞれ別の段に表示しているが、例えば、表示装置32は、差異の時間変化と候補に対応する時点を特定する情報とを表示し、心電波形は表示しないようにしてもよい。また、例えば、表示装置32は、心電波形Hと差異の時間変化を示す曲線Sとを重ねて表示してもよい。また、例えば、表示装置32は、差異の値に応じて色が変わるバーを表示してもよい。また、例えば、表示装置32は、心電波形そのものの色を対応する差異の大きさに応じて変えて表示してもよい。また、例えば、表示装置32は、画像再構成部306にて再構成に用いる投影データが収集された時間的範囲を特定する情報、例えば枠などを表示してもよい。
また、上記の実施形態においては、心拍特定部302は、心電計5から送信された心電信号を略リアルタイムで受信して被検体6の心電波形を特定しているが、例えば、心拍特定部302は、心電計5が内蔵メモリに記憶した心電波形のデータをスキャン実施後にまとめて受信して心電波形を特定してもよい。
また、上記の実施形態においては、差異算出部304は、ファン−パラ変換前の投影データについて差異を算出しているが、投影データを構成するチャネルデータ間について対応する時点のずれが許容できる場合には、ファン−パラ変換後の投影データについて差異を算出してもよい。
また、上記の実施形態においては、本発明をレトロスペクティブ再構成法に適用した例について説明したが、本発明は、プロスペクティブ再構成法にも適用可能である。つまり、本発明によれば、差異の算出に用いる計算量が少ないので、差異算出部304は、組合せを構成する2つの投影データが得られる毎に即時これら投影データ間の差異を算出することもでき、このようにすれば、スキャンを実施しているその場で至適心位相を決定することができる。
また、上記の実施形態においては、特定心位相決定部305は、心臓の動きが最も穏やかな至適心位相を特定の心位相として決定しているが、至適心位相以外の心位相を特定の心位相として決定してもよい。
本発明にかかる実施形態において、X線CT装置1についての全体構成を示すブロック図である。 本発明にかかる実施形態において、X線CT装置1の要部を示す構成図である。 本発明にかかる実施形態において、X線検出部23における中心部Cの一例を示す図である。 本発明にかかる実施形態において、ビュー方向が対向する2つの投影データによる組合せ毎に中心部Cに対応したデータ間で差異を算出する概念を示す図である。 本発明にかかる実施形態において、差異の時間変化を表す曲線Sの一例を示す図である。 本発明にかかる実施形態において、心電波形、差異の時間変化、および至適心位相の候補が表示された表示装置32の表示面の一例を示す図である。 本発明にかかる実施形態において、X線CT装置1における動作の流れを示すフロー図である。
符号の説明
1…X線CT装置(X線CT装置)、
2…走査ガントリ(スキャン手段)、
3…操作コンソール、
4…撮影テーブル、
5…心電計、
6…被検体、
20…X線管(X線照射部)、
21…X線管移動部、
22…コリメータ、
23…X線検出部(X線検出部)、
24…データ収集部、
25…X線コントローラ、
26…コリメータコントローラ、
27…回転部、
28…回転コントローラ、
29…撮影空間、
30…中央処理装置、
31…入力装置、
32…表示装置、
33…記憶装置、
301…制御部、
302…心拍特定部(心拍特定手段)、
303…前処理部、
304…差異算出部(差異算出手段)、
305…特定心位相決定部(特定心位相決定手段)、
306…画像再構成部(画像再構成手段)、

Claims (11)

  1. 被検体を挟んで相対向して配置された、X線照射部と複数の検出素子により検出面が構成されるX線検出部とを有し、該X線照射部とX線検出部とを回転軸の周りに回転させながら前記被検体をスキャンしてビュー方向毎に投影データを収集するスキャン手段を備えたX線CT装置において、
    前記スキャン手段により収集された、それぞれが複数のビュー方向の各々に対応した複数の投影データを用いて、ビュー方向が対向し時間的に隣接する2つの投影データによる組合せ毎に、投影データ間の差異を算出する差異算出手段であって、前記投影データを構成するデータのうち、前記検出面における前記回転方向での中心の近傍領域で構成される中心部に対応するデータについて差異を算出する差異算出手段と、
    前記差異算出手段により算出された差異に基づいて、特定の心位相を決定する特定心位相決定手段とを備えたX線CT装置。
  2. 前記中心部は、前記回転の方向に2以上20以下の検出素子数分の幅を有する、請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記特定心位相決定手段は、前記算出された投影データ間の差異の中で値が最小となる差異に対応する心位相を特定の心位相として決定する、請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記特定心位相決定手段は、前記算出された投影データ間の差異の中で、値が所定のしきい値以下であり前記差異の時間変化において極小となる差異に対応する心位相のうちいずれかを特定の心位相として決定する、請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
  5. 前記スキャン手段によりスキャンされている間における前記被検体の心拍の時間変化を特定する心拍特定手段をさらに備え、
    前記特定心位相決定手段は、前記心拍特定手段により特定された心拍の時間変化にも基づいて前記特定の心位相を決定する、請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
  6. 被検体を挟んで相対向して配置された、X線照射部と複数の検出素子により検出面が構成されるX線検出部とを有し、該X線照射部とX線検出部とを回転軸の周りに回転させながら前記被検体をスキャンしてビュー方向毎に投影データを収集するスキャン手段を備えたX線CT装置において、
    前記スキャン手段により収集された、それぞれが複数のビュー方向の各々に対応した複数の投影データを用いて、ビュー方向が対向し時間的に隣接する2つの投影データによる組合せ毎に、該投影データ間の差異を算出する差異算出手段であって、前記投影データを構成するデータのうち、前記検出面における前記回転方向での中心の近傍領域で構成される中心部に対応するデータについて差異を算出する差異算出手段と、
    前記算出された投影データ間の差異の時間変化を表示する表示手段とを備えたX線CT装置。
  7. 前記スキャン手段によりスキャンされている間における前記被検体の心拍の時間変化を特定する心拍特定手段をさらに備え、
    前記表示手段は、前記心拍特定手段により特定された心拍の時間変化と前記差異の時間変化とを時間軸を揃えて表示する、請求項に記載のX線CT装置。
  8. 前記差異の時間変化が表示された面上で指定された任意の位置に基づいて特定の心位相を決定する特定心位相決定手段をさらに備えた、請求項または請求項に記載のX線CT装置。
  9. 前記X線検出部は、前記回転軸方向に複数の検出素子列を有し、
    前記差異算出手段は、それぞれが個々の前記検出素子列に対応した複数の列データで構成される投影データ間において、対応する検出素子列の前記回転軸方向の位置が同じである列データ間毎に差異を算出し、該列データ間毎に算出された差異に対する平均を前記投影データ間の差異として算出する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  10. 前記差異算出手段は、前記組合せの投影データに対数変換、X線線量補正、感度補正、およびビームハードニング補正のうち少なくとも1つを含む前処理を施して得られた投影データについて差異を算出する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  11. 前記特定心位相決定手段により決定された特定の心位相に対応した画像を再構成する画像再構成手段をさらに備えた、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のX線CT装置。
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