JPH11243982A - エステル交換油脂の製造方法 - Google Patents
エステル交換油脂の製造方法Info
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- JPH11243982A JPH11243982A JP10051061A JP5106198A JPH11243982A JP H11243982 A JPH11243982 A JP H11243982A JP 10051061 A JP10051061 A JP 10051061A JP 5106198 A JP5106198 A JP 5106198A JP H11243982 A JPH11243982 A JP H11243982A
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Landscapes
- Confectionery (AREA)
- Edible Oils And Fats (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 2―オレオパルミトステアリン(POS)が
多く、トリ飽和グリセリド(S3)の少ないエステル交
換油脂を、分別工程を設けなくても製造できる方法を提
供すること。 【解決手段】 本発明のエステル交換油脂の製造方法
は、2―オレオジパルミチン(POP)を10〜55重
量%及び2―オレオジステアリン(SOS)を10〜5
0重量%含有する油脂を、1、3位特異性を有するリパ
ーゼを用いてエステル交換反応させ、該エステル交換反
応の反応率を30〜95%に制御することを特徴とす
る。
多く、トリ飽和グリセリド(S3)の少ないエステル交
換油脂を、分別工程を設けなくても製造できる方法を提
供すること。 【解決手段】 本発明のエステル交換油脂の製造方法
は、2―オレオジパルミチン(POP)を10〜55重
量%及び2―オレオジステアリン(SOS)を10〜5
0重量%含有する油脂を、1、3位特異性を有するリパ
ーゼを用いてエステル交換反応させ、該エステル交換反
応の反応率を30〜95%に制御することを特徴とす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエステル交換油脂の
製造方法に関するものであり、詳しくはカカオバター代
用脂の製造方法に関するものである。
製造方法に関するものであり、詳しくはカカオバター代
用脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特公昭57―28519号公報には、2
―オレオジパルミチンと2―オレオジステアリンとを主
成分とする油脂を、1、3位特異性を有するリパーゼを
用いてエステル交換する方法が記載されている。
―オレオジパルミチンと2―オレオジステアリンとを主
成分とする油脂を、1、3位特異性を有するリパーゼを
用いてエステル交換する方法が記載されている。
【0003】しかしながら、この方法ではエステル交換
反応を反応が平衡となるまで行うため、得られるエステ
ル交換油脂には高融点成分であるトリ飽和グリセリド
(S3)の生成が多く、このエステル交換油脂をチョコ
レートに使用すると、口溶けが悪く、またテンパリング
時の作業性が悪くなる。そのため、得られたエステル交
換油脂からS3を取り除く分別工程が必要で手間がかか
り、また労力や費用も必要となる。また、2−オレオパ
ルミトステアリン(POS)が少ないエステル交換油脂
をチョコレートに使用する場合、耐熱性と口溶け性が最
適となる油脂の配合範囲が狭くなるため、得られるエス
テル交換油脂中にPOSが多く含まれることが望まし
い。
反応を反応が平衡となるまで行うため、得られるエステ
ル交換油脂には高融点成分であるトリ飽和グリセリド
(S3)の生成が多く、このエステル交換油脂をチョコ
レートに使用すると、口溶けが悪く、またテンパリング
時の作業性が悪くなる。そのため、得られたエステル交
換油脂からS3を取り除く分別工程が必要で手間がかか
り、また労力や費用も必要となる。また、2−オレオパ
ルミトステアリン(POS)が少ないエステル交換油脂
をチョコレートに使用する場合、耐熱性と口溶け性が最
適となる油脂の配合範囲が狭くなるため、得られるエス
テル交換油脂中にPOSが多く含まれることが望まし
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、2―オレオパルミトステアリン(POS)が多く、
トリ飽和グリセリド(S3)の少ないエステル交換油脂
を、分別工程を設けなくても製造できる方法を提供する
ことにある。
は、2―オレオパルミトステアリン(POS)が多く、
トリ飽和グリセリド(S3)の少ないエステル交換油脂
を、分別工程を設けなくても製造できる方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、2―オレオジ
パルミチン(POP)を10〜55重量%及び2―オレ
オジステアリン(SOS)を10〜50重量%含有する
油脂を、1、3位特異性を有するリパーゼを用いてエス
テル交換反応させ、該エステル交換反応の反応率を30
〜95%に制御することを特徴とするエステル交換油脂
の製造方法を提供することにより上記目的を達成したも
のである。
パルミチン(POP)を10〜55重量%及び2―オレ
オジステアリン(SOS)を10〜50重量%含有する
油脂を、1、3位特異性を有するリパーゼを用いてエス
テル交換反応させ、該エステル交換反応の反応率を30
〜95%に制御することを特徴とするエステル交換油脂
の製造方法を提供することにより上記目的を達成したも
のである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエステル交換油脂
の製造方法について詳細に説明する。本発明では、2―
オレオジパルミチン(POP)を10〜55重量%及び
2―オレオジステアリン(SOS)を10〜50重量%
含有する油脂が用いられる。上記油脂としては、POP
を、15〜45重量%、特に20〜35重量%、及びS
OSを、20〜45重量%、特に25〜45重量%含有
する油脂を用いるのが好ましい。POPが10重量%よ
り少ないと2―オレオパルミトステアリン(POS)の
生成量が少なくなり、55重量%よりも多いとトリ飽和
グリセリド(S3)の生成量が多くなり且つPOSの生
成量が少なくなる。一方、SOSが10重量%より少な
い又は50重量%よりも多いとPOSの生成量が少なく
なる。
の製造方法について詳細に説明する。本発明では、2―
オレオジパルミチン(POP)を10〜55重量%及び
2―オレオジステアリン(SOS)を10〜50重量%
含有する油脂が用いられる。上記油脂としては、POP
を、15〜45重量%、特に20〜35重量%、及びS
OSを、20〜45重量%、特に25〜45重量%含有
する油脂を用いるのが好ましい。POPが10重量%よ
り少ないと2―オレオパルミトステアリン(POS)の
生成量が少なくなり、55重量%よりも多いとトリ飽和
グリセリド(S3)の生成量が多くなり且つPOSの生
成量が少なくなる。一方、SOSが10重量%より少な
い又は50重量%よりも多いとPOSの生成量が少なく
なる。
【0007】本発明に使用されるリパーゼとしては、
1、3位特異性を有するリパーゼが用いられ、特にリゾ
プス属、ムコール属、アスペルギルス属、アルカリゲネ
ス属及びフミコラ属からなる群より選ばれた1種または
2種以上の1、3位特異性を有するリパーゼが好まし
い。これら以外の1、3位特異性を有するリパーゼであ
るキャンディダ属のリパーゼを用いた場合には、トリ飽
和グリセリドの生成量が多くなることがあるので好まし
くない。またこれらのリパーゼは、ケイソウ土、シリ
カ、セラミック、活性炭、イオン交換樹脂等の担体に固
定化して用いることが好ましい。
1、3位特異性を有するリパーゼが用いられ、特にリゾ
プス属、ムコール属、アスペルギルス属、アルカリゲネ
ス属及びフミコラ属からなる群より選ばれた1種または
2種以上の1、3位特異性を有するリパーゼが好まし
い。これら以外の1、3位特異性を有するリパーゼであ
るキャンディダ属のリパーゼを用いた場合には、トリ飽
和グリセリドの生成量が多くなることがあるので好まし
くない。またこれらのリパーゼは、ケイソウ土、シリ
カ、セラミック、活性炭、イオン交換樹脂等の担体に固
定化して用いることが好ましい。
【0008】エステル交換反応は、回分式、充填層型な
どの連続式のいずれでも構わないが、連続式の方が効率
的であるので好ましい。また、エステル交換反応は、無
溶媒または石油エーテル、n−ヘキサンなどの溶媒下で
行うことができるが、反応後に溶媒除去の工程が不要な
無溶媒とするのが好ましい。
どの連続式のいずれでも構わないが、連続式の方が効率
的であるので好ましい。また、エステル交換反応は、無
溶媒または石油エーテル、n−ヘキサンなどの溶媒下で
行うことができるが、反応後に溶媒除去の工程が不要な
無溶媒とするのが好ましい。
【0009】エステル交換反応に際し、2―オレオジパ
ルミチン(POP)を10〜55重量%及び2―オレオ
ジステアリン(SOS)を10〜50重量%含有する上
記油脂の水分は、0.1重量%以下、好ましくは0.0
5重量%以下、さらに好ましくは0.03重量%以下と
することた望ましい。水分が0.1重量%よりも多いと
得られるエステル交換油脂の酸価が高くなるため好まし
くない。
ルミチン(POP)を10〜55重量%及び2―オレオ
ジステアリン(SOS)を10〜50重量%含有する上
記油脂の水分は、0.1重量%以下、好ましくは0.0
5重量%以下、さらに好ましくは0.03重量%以下と
することた望ましい。水分が0.1重量%よりも多いと
得られるエステル交換油脂の酸価が高くなるため好まし
くない。
【0010】エステル交換反応の反応温度は20〜80
℃、好ましくは30〜70℃、さらに好ましくは40〜
60℃とすることが望ましい。20℃よりも低いと反応
速度が遅く、生産性が低いので好ましくなく、80℃よ
りも高いと上記リパーゼの活性低下が速くなるので好ま
しくない。
℃、好ましくは30〜70℃、さらに好ましくは40〜
60℃とすることが望ましい。20℃よりも低いと反応
速度が遅く、生産性が低いので好ましくなく、80℃よ
りも高いと上記リパーゼの活性低下が速くなるので好ま
しくない。
【0011】エステル交換反応の反応率は、反応平衡値
に対して30〜95%、好ましくは30〜70%、さら
に好ましくは40〜60%に制御する。30%未満では
POSの生成量が少なくなり、95%を超えるとS3の
生成量が多くなる。
に対して30〜95%、好ましくは30〜70%、さら
に好ましくは40〜60%に制御する。30%未満では
POSの生成量が少なくなり、95%を超えるとS3の
生成量が多くなる。
【0012】ここで、反応率は次のようにして求めるこ
とができる。 dPOP (原料油POP含有量―反応油POP含有量)の
絶対値 dPOS (原料油POS含有量―反応油POS含有量)の
絶対値 dSOS (原料油SOS含有量―反応油SOS含有量)の
絶対値 dPOPeq(原料油POP含有量―反応平衡時POP含有
量)の絶対値 dPOSeq(原料油POS含有量―反応平衡時POS含有
量)の絶対値 dSOSeq(原料油SOS含有量―反応平衡時SOS含有
量)の絶対値
とができる。 dPOP (原料油POP含有量―反応油POP含有量)の
絶対値 dPOS (原料油POS含有量―反応油POS含有量)の
絶対値 dSOS (原料油SOS含有量―反応油SOS含有量)の
絶対値 dPOPeq(原料油POP含有量―反応平衡時POP含有
量)の絶対値 dPOSeq(原料油POS含有量―反応平衡時POS含有
量)の絶対値 dSOSeq(原料油SOS含有量―反応平衡時SOS含有
量)の絶対値
【0013】エステル交換反応の反応率を上記範囲内に
するには、具体的には次のようにすればよい。充填層型
などの連続式で行う場合には、 とすればよい。一方、回分式で行う場合には、上記リパ
ーゼを上記油脂に添加し、撹拌速度100〜500rp
mで反応させる。次いで、設定反応率に達したら、該リ
パーゼをろ過などにより除去することで反応を停止すれ
ばよい。
するには、具体的には次のようにすればよい。充填層型
などの連続式で行う場合には、 とすればよい。一方、回分式で行う場合には、上記リパ
ーゼを上記油脂に添加し、撹拌速度100〜500rp
mで反応させる。次いで、設定反応率に達したら、該リ
パーゼをろ過などにより除去することで反応を停止すれ
ばよい。
【0014】このようにして得られたエステル交換油脂
は、トリ不飽和グリセリド(S3)を3.0重量%以
下、好ましくは2.5重量%以下、さらに好ましくは
2.1重量%以下含有し、かつ2―オレオパルミトステ
アリン(POS)を18重量%以上、好ましくは20重
量%以上、さらに好ましくは22重量%以上含有するも
のであることが望ましい。S3が3重量%よりも多いと
カカオバター代用脂としてチョコレートに用いたとき、
テンパリング時の作業性が悪いので好ましくない。ま
た、POSが18重量%よりも少ないとカカオバター代
用脂としてチョコレートに用いたとき口どけが悪く、耐
熱性に劣るものとなってしまうので好ましない。
は、トリ不飽和グリセリド(S3)を3.0重量%以
下、好ましくは2.5重量%以下、さらに好ましくは
2.1重量%以下含有し、かつ2―オレオパルミトステ
アリン(POS)を18重量%以上、好ましくは20重
量%以上、さらに好ましくは22重量%以上含有するも
のであることが望ましい。S3が3重量%よりも多いと
カカオバター代用脂としてチョコレートに用いたとき、
テンパリング時の作業性が悪いので好ましくない。ま
た、POSが18重量%よりも少ないとカカオバター代
用脂としてチョコレートに用いたとき口どけが悪く、耐
熱性に劣るものとなってしまうので好ましない。
【0015】本発明の製造方法により得られたエステル
交換油脂は、カカオバター代用脂として用いることがで
きる。また、カカオバター代用脂として使用する場合、
本発明の製造方法により得られたエステル交換油脂のみ
をカカオバター代用脂として用いてもよく、また本発明
に係る該エステル交換油脂を分別した油脂をカカオバタ
ー代用脂として用いてもよい。このエステル交換油脂や
エステル交換油脂を分別した油脂に、その他のカカオバ
ター代用脂、例えばパーム分別油、サル脂、サル分別
脂、シア分別脂、コクム脂、マンゴー分別脂、イリッペ
脂などの油脂を配合して用いることも可能である。
交換油脂は、カカオバター代用脂として用いることがで
きる。また、カカオバター代用脂として使用する場合、
本発明の製造方法により得られたエステル交換油脂のみ
をカカオバター代用脂として用いてもよく、また本発明
に係る該エステル交換油脂を分別した油脂をカカオバタ
ー代用脂として用いてもよい。このエステル交換油脂や
エステル交換油脂を分別した油脂に、その他のカカオバ
ター代用脂、例えばパーム分別油、サル脂、サル分別
脂、シア分別脂、コクム脂、マンゴー分別脂、イリッペ
脂などの油脂を配合して用いることも可能である。
【0016】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例により
何ら制限されるものではない。
明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例により
何ら制限されるものではない。
【0017】(実施例1)POPを28重量%及びSO
Sを35重量%含有する油脂の水分含量を0.05重量
%とし、ムコール属起源のリパーゼ(エステル交換活性
K=2.8)を充填し、45℃に保ったカラムに通し、
エステル交換反応を行った。反応率が50%となるよう
に、質量速度MV=4.0とすることにより調製した。
得られたエステル交換油脂は常法通り精製した。このエ
ステル交換油脂は、POSを22重量%及びS3を2.
3重量%含有し、カカオバター代用脂に適したものであ
った。
Sを35重量%含有する油脂の水分含量を0.05重量
%とし、ムコール属起源のリパーゼ(エステル交換活性
K=2.8)を充填し、45℃に保ったカラムに通し、
エステル交換反応を行った。反応率が50%となるよう
に、質量速度MV=4.0とすることにより調製した。
得られたエステル交換油脂は常法通り精製した。このエ
ステル交換油脂は、POSを22重量%及びS3を2.
3重量%含有し、カカオバター代用脂に適したものであ
った。
【0018】(比較例1)MV=12.0とすることに
より反応率を20%としたほかは、実施例1と同様の方
法にてエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂
はPOSを16.8重量%及びS3を1.2重量%含有
しており、POSの含有量が少ないため、カカオバター
代用脂としてチョコレートに用いたとき、耐熱性と口溶
け性が最適となる油脂の配合範囲が狭いものであった。
より反応率を20%としたほかは、実施例1と同様の方
法にてエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂
はPOSを16.8重量%及びS3を1.2重量%含有
しており、POSの含有量が少ないため、カカオバター
代用脂としてチョコレートに用いたとき、耐熱性と口溶
け性が最適となる油脂の配合範囲が狭いものであった。
【0019】(比較例2)MV=0.5とすることによ
り反応率を100%としたほかは、実施例1と同様の方
法にてエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂
はPOSを30.6重量%及びS3を3.8重量%含有
しており、S3の含有量が多いため、カカオバター代用
脂としてチョコレートに用いたとき、口溶け及びテンパ
リング時の作業性が悪いものであった。
り反応率を100%としたほかは、実施例1と同様の方
法にてエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂
はPOSを30.6重量%及びS3を3.8重量%含有
しており、S3の含有量が多いため、カカオバター代用
脂としてチョコレートに用いたとき、口溶け及びテンパ
リング時の作業性が悪いものであった。
【0020】(比較例3)POPを8重量%及びSOS
を51重量%含有する油脂の水分含量を0.05重量%
とし、ムコール属起源のリパーゼ(K=2.0)を充填
し、45℃に保ったカラムに通し、エステル交換反応を
行った。反応率が50%となるように、MV=2.9と
することにより調製した。得られたエステル交換油脂は
常法通り精製した。このエステル交換油脂は、POSを
16重量%及びS3を1.6重量%含有していた。この
エステル交換油脂はPOSの含有量が少ないため、カカ
オバター代用脂としてチョコレートに用いたとき、耐熱
性と口溶け性が最適となる油脂の配合範囲が狭いもので
あった。
を51重量%含有する油脂の水分含量を0.05重量%
とし、ムコール属起源のリパーゼ(K=2.0)を充填
し、45℃に保ったカラムに通し、エステル交換反応を
行った。反応率が50%となるように、MV=2.9と
することにより調製した。得られたエステル交換油脂は
常法通り精製した。このエステル交換油脂は、POSを
16重量%及びS3を1.6重量%含有していた。この
エステル交換油脂はPOSの含有量が少ないため、カカ
オバター代用脂としてチョコレートに用いたとき、耐熱
性と口溶け性が最適となる油脂の配合範囲が狭いもので
あった。
【0021】(比較例4)POPを60重量%及びSO
Sを8重量%含有する油脂の水分含量を0.05重量%
とし、ムコール属起源のリパーゼ(K=2.8)を充填
し、45℃に保ったカラムに通し、エステル交換反応を
行った。反応率が50%となるように、MV=4.0と
することにより調製した。得られたエステル交換油脂は
常法通り精製した。このエステル交換油脂は、POSを
15.5重量%及びS3を3.4重量%含有していた。
このエステル交換油はPOSの含有量が少なく、S3の
含有量が多いため、カカオバター代用脂としてチョコレ
ートに用いたとき、耐熱性と口溶け性が最適となる油脂
の配合範囲が狭く、チョコレートの口溶けが悪く、テン
パリング時の作業性が悪いものであった。
Sを8重量%含有する油脂の水分含量を0.05重量%
とし、ムコール属起源のリパーゼ(K=2.8)を充填
し、45℃に保ったカラムに通し、エステル交換反応を
行った。反応率が50%となるように、MV=4.0と
することにより調製した。得られたエステル交換油脂は
常法通り精製した。このエステル交換油脂は、POSを
15.5重量%及びS3を3.4重量%含有していた。
このエステル交換油はPOSの含有量が少なく、S3の
含有量が多いため、カカオバター代用脂としてチョコレ
ートに用いたとき、耐熱性と口溶け性が最適となる油脂
の配合範囲が狭く、チョコレートの口溶けが悪く、テン
パリング時の作業性が悪いものであった。
【0022】(実施例2)POPを15重量%及びSO
Sを45重量%含有する油脂をヘキサンと等重量混合
し、水分含量を0.01重量%とした。リゾプス属起源
のリパーゼ(K=2.6)を充填し、35℃に保ったカ
ラムに通し、エステル交換反応を行った。反応率が80
%となるように、MV=1.6とすることにより調製し
た。得られたエステル交換油脂は常法通り精製した。こ
のエステル交換油脂は、POSを21.2重量%及びS
3を3.0重量%含有し、カカオバター代用脂に適した
ものであった。
Sを45重量%含有する油脂をヘキサンと等重量混合
し、水分含量を0.01重量%とした。リゾプス属起源
のリパーゼ(K=2.6)を充填し、35℃に保ったカ
ラムに通し、エステル交換反応を行った。反応率が80
%となるように、MV=1.6とすることにより調製し
た。得られたエステル交換油脂は常法通り精製した。こ
のエステル交換油脂は、POSを21.2重量%及びS
3を3.0重量%含有し、カカオバター代用脂に適した
ものであった。
【0023】(実施例3)POPを54重量%及びSO
Sを13重量%含有する油脂の水分含量を0.01重量
%とし、アスペルギルス属起源のリパーゼ(K=2.
5)を油脂100重量部に対して0.1重量部添加し、
65℃で、反応率が35%となるまで撹拌時間24時
間、300rpmで攪拌し、エステル交換反応を行っ
た。得られたエステル交換油脂は常法通り精製した。こ
のエステル交換油脂は、POSを18重量%及びS3を
2.5重量%含有し、カカオバター代用脂に適したもの
であった。
Sを13重量%含有する油脂の水分含量を0.01重量
%とし、アスペルギルス属起源のリパーゼ(K=2.
5)を油脂100重量部に対して0.1重量部添加し、
65℃で、反応率が35%となるまで撹拌時間24時
間、300rpmで攪拌し、エステル交換反応を行っ
た。得られたエステル交換油脂は常法通り精製した。こ
のエステル交換油脂は、POSを18重量%及びS3を
2.5重量%含有し、カカオバター代用脂に適したもの
であった。
【0024】
【発明の効果】本発明はエステル交換油脂の製造方法に
関するものであり、詳しくはカカオバター代用脂として
好適に利用できるエステル交換油脂の製造方法に関する
ものである。本発明のエステル交換油脂の製造方法によ
れば、POS含有量が多く、S3含有量の少ないエステ
ル交換油脂を得ることができ、このエステル交換油脂を
用いたチョコレートは、耐熱性と口溶け性が最適となる
油脂の配合範囲が広く、テンパリング時の作業性がよい
ものである。
関するものであり、詳しくはカカオバター代用脂として
好適に利用できるエステル交換油脂の製造方法に関する
ものである。本発明のエステル交換油脂の製造方法によ
れば、POS含有量が多く、S3含有量の少ないエステ
ル交換油脂を得ることができ、このエステル交換油脂を
用いたチョコレートは、耐熱性と口溶け性が最適となる
油脂の配合範囲が広く、テンパリング時の作業性がよい
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒川 浩 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 2―オレオジパルミチン(POP)を1
0〜55重量%及び2―オレオジステアリン(SOS)
を10〜50重量%含有する油脂を、1、3位特異性を
有するリパーゼを用いてエステル交換反応させ、該エス
テル交換反応の反応率を30〜95%に制御することを
特徴とするエステル交換油脂の製造方法。 - 【請求項2】 得られるエステル交換油脂が、トリ飽和
グリセリド(S3)を3.0重量%以下、かつ2―オレ
オパルミトステアリン(POS)を18.0重量%以上
含有することを特徴とする請求項1記載のエステル交換
油脂の製造方法。 - 【請求項3】 2―オレオジパルミチン(POP)を1
0〜55重量%及び2―オレオジステアリン(SOS)
を10〜50重量%含有する上記油脂の水分が、0.1
重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載
のエステル交換油脂の製造方法。 - 【請求項4】 上記1、3位特異性リパーゼが、リゾプ
ス属、ムコール属、アスペルギルス属、アルカリゲネス
属及びフミコラ属からなる群より選ばれた1種または2
種以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに
記載のエステル交換油脂の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載のエステル
交換油脂の製造方法により得られたエステル交換油脂か
らなることを特徴とするカカオバター代用脂。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10051061A JPH11243982A (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | エステル交換油脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10051061A JPH11243982A (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | エステル交換油脂の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11243982A true JPH11243982A (ja) | 1999-09-14 |
Family
ID=12876298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10051061A Pending JPH11243982A (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | エステル交換油脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11243982A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7442531B2 (en) | 2003-07-09 | 2008-10-28 | The Nisshin Oillio Group, Ltd. | Method for producing symmetric triglycerides |
WO2011068275A1 (ko) | 2009-12-04 | 2011-06-09 | 씨제이제일제당(주) | 효소적 에스테르 교환반응을 통한 초콜릿 및 제과용 유지 제조 방법 |
WO2011068291A1 (ko) | 2009-12-04 | 2011-06-09 | 씨제이제일제당(주) | 초콜릿용 코코아버터 대체 유지 및 이를 함유하는 초콜릿 조성물 |
WO2011068274A1 (ko) * | 2009-12-04 | 2011-06-09 | 씨제이제일제당(주) | 초콜릿 및 제과용 유지 조성물 |
WO2011132804A1 (ko) | 2010-04-22 | 2011-10-27 | 씨제이제일제당(주) | 카카오 버터 유사 하드버터의 제조 방법 |
WO2011159024A2 (ko) | 2010-06-16 | 2011-12-22 | 씨제이제일제당 (주) | 초콜릿 및 제과용 유지 조성물 |
EP2420556A1 (en) | 2010-08-16 | 2012-02-22 | CJ CheilJedang Corporation | Replacement fats for cocoa butter having good thermal resistance and mouth-feel and chocolate composition including the same |
CN108441524A (zh) * | 2018-03-12 | 2018-08-24 | 江南大学 | 一种1-棕榈酸-2-油酸-3-硬脂酸甘油三酯脂肪的制备方法 |
-
1998
- 1998-03-03 JP JP10051061A patent/JPH11243982A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7442531B2 (en) | 2003-07-09 | 2008-10-28 | The Nisshin Oillio Group, Ltd. | Method for producing symmetric triglycerides |
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WO2011068291A1 (ko) | 2009-12-04 | 2011-06-09 | 씨제이제일제당(주) | 초콜릿용 코코아버터 대체 유지 및 이를 함유하는 초콜릿 조성물 |
WO2011068274A1 (ko) * | 2009-12-04 | 2011-06-09 | 씨제이제일제당(주) | 초콜릿 및 제과용 유지 조성물 |
KR101314683B1 (ko) * | 2009-12-04 | 2013-10-07 | 씨제이제일제당 (주) | 초콜릿용 코코아버터 대체 유지 및 이를 함유하는 초콜릿 조성물 |
WO2011132804A1 (ko) | 2010-04-22 | 2011-10-27 | 씨제이제일제당(주) | 카카오 버터 유사 하드버터의 제조 방법 |
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