JPH11242362A - 静電荷像現像用コートキャリアおよびキャリアコーティング剤 - Google Patents

静電荷像現像用コートキャリアおよびキャリアコーティング剤

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JPH11242362A
JPH11242362A JP4262498A JP4262498A JPH11242362A JP H11242362 A JPH11242362 A JP H11242362A JP 4262498 A JP4262498 A JP 4262498A JP 4262498 A JP4262498 A JP 4262498A JP H11242362 A JPH11242362 A JP H11242362A
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carrier
polymer
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JP4262498A
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Isato Ikeda
勇人 池田
Nobuyuki Ando
信行 安道
Tomoyuki Kuwamoto
知幸 桑本
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コート層の耐摩耗性に優れ、長期間にわたっ
て安定した帯電量とエッジ現象のない高品質の画像を維
持できるコートキャリアを提供する。 【解決手段】 樹脂で表面を被覆された静電荷像現像用
コートキャリアであって、前記樹脂中には、カーボンブ
ラックとこのカーボンブラック表面の官能基と反応し得
る反応性基を有する重合体とを加熱撹拌することで得ら
れるカーボンブラックグラフトポリマーが配合されてな
ることを特徴とする静電荷像現像用コートキャリア。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術の分野】本発明は静電荷像現像用コートキャリア
およびキャリアコーティング剤に関するものである。特
に、本発明は、乾式二成分現像剤用キャリアとして用い
られる静電荷像現像用コートキャリアの改良に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】従来、トナーを用いて静電潜像を現像する
方法としてはカスケード現像法(米国特許第26185
52号参照)や磁気ブラシ現像法(米国特許第2874
063号参照)が知られている。
【0003】このいずれの方法においても二成分系乾式
現像剤が用いられている。
【0004】この二成分系乾式現像剤は、比較的大きな
キャリア粒子表面上に微小なトナー粒子が両粒子の摩擦
により発生した電気力により保持されており、静電潜像
に近接されると静電潜像が形成する電界によるトナー粒
子に対する該潜像方向への吸引力が、トナー粒子とキャ
リア粒子間の結合力に打ち勝ってトナー粒子は静電潜像
上に吸引付着されて静電潜像が可視化されるものであ
る。そして、現像剤は現像によって消費されたトナーを
補充しながら反復使用される。
【0005】この場合トナー粒子は必ず光積導電体上の
所望の像領域へ優先的に引きつけられるような正確な帯
電性および電荷の大きさを有していなければならない。
またキャリアは長期間の使用中、常にトナー粒子を所望
とする極性で、且つ充分な帯電量に摩擦帯電しなければ
ならない。
【0006】一般に二成分現像剤用キャリア材料として
は、マグネタイト、フェライトなどの金属酸化物が広く
使用されており、鉄粉キャリアなどに比べて見かけ密度
が小さく現像剤として軽量化が可能であるため、現像器
内において現像剤を撹拌する場合その撹拌抵抗が小さく
なるという利点を有している。更に鉄粉キャリアに比べ
て磁気特性上、残留磁束密度が低く、また抗磁力も小さ
く結果的にヒステリシスループの面積が小さい特徴を有
し、磁化反転及び磁化履歴に対して常に初期特性を保持
する特性を有している。またマグネタイト、フェライト
などは酸化物であるため化学的に安定であり、複写機内
で発生するオゾン、NO等による化学変化が起きにく
い。
【0007】しかしながらこのようなフェライト、マグ
ネタイト等の酸化物キャリアを用いた場合にあっても、
高速現像や多数枚複写による現像剤粒子間の衝突、また
は現像剤粒子と現像機械との衝突等の機械的衝突、また
はこれらの作用による発熱によって、トナー粒子の一部
はキャリア粒子の表面に物理的に付着して膜を形成する
事態、いわゆる、スペント化が生じていた。このような
事態となると、キャリア粒子表面上にトナー材の膜が徐
々に蓄積され、キャリア粒子とトナー粒子との間の摩擦
帯電がトナー同士の摩擦帯電に置換されてしまい、現像
剤全体の摩擦帯電特性が劣化し、ひいてはコピー画像の
地肌部にトナーが多数付着するという所謂地汚れの現象
が生じ、コピー品質が低下することとなる。また、キャ
リア表面に対するトナー膜の形成がひどくなると現像材
全体を交換しなければならなくなり、コスト増につなが
る欠点となっている。キャリア表面上にトナー膜が形成
される、いわゆるスペント化が生じ、キャリアの帯電特
性が使用時間とともに低下しトナー飛散、地かぶり等が
発生するという欠点があった。
【0008】このような、いわゆるスペント化を防止す
るため、従来よりキャリア表面に種々の樹脂を被覆する
方法が提案されているがいまだ満足の行くものは得られ
ていない。例えば、スチレン・メタクリレート共重合
体、スチレン重合体等の樹脂で被覆されたキャリアは、
帯電特性は優れているが、表面の臨界表面張力が比較的
高く、繰り返し複写するうちにやはりスペント化が起き
る為、現像剤としての寿命がそれ程長くない。又、四フ
ッ化エチレン重合体等の含フッ素樹脂を被覆したキャリ
アは表面張力が低いためトナーのスペント化は起き難い
が四フッ化エチレン重合体が摩擦帯電系列において最も
負側に位置していることからトナーを負極性に帯電しよ
うとする場合には用いることができない。また低表面張
力を持つものとしてシリコーン系樹脂含有のコーティン
グ層でコートしたキャリアが提案されている。例えば、
不飽和シリコーン樹脂とオルガノシリコーン、シラノー
ル等をスチレン〜アクリル樹脂と混合してキャリア表面
を被覆したもの(米国特許第3562533号);ポリ
フェニレン樹脂とオルガノシリコーンターポリマー樹脂
とで表面を被覆されたキャリア(米国特許第38471
27号);スチレン〜アクリレート〜メタクリレート樹
脂と、オルガノシラン、シラノール、シロキサン等で表
面を被覆されたキャリア(米国特許第3627522
号);シリコーン樹脂と正帯電特性を有する窒素含有樹
脂とを含有するコート層で被覆されたキャリア(特開昭
55−127567号);及び樹脂変性シリコーン樹脂
で表面を被覆されたキャリア(特開昭55−15775
1号)等が挙げられる。
【0009】しかしながら、このような樹脂被覆を施し
たキャリア、いわゆるコートキャリアは、一般に電気抵
抗が高いために現像剤として用いた場合、エッジ現象や
電荷の蓄積現象によって画像品質が劣るという欠点があ
った。
【0010】このようなコートキャリアの欠点はコーテ
ィング層に導電性物質を分散させることにより改良する
ことができる。即ち、キャリアにある程度の導電性が与
えられるとキャリアが現像電極として作用し、現像電極
と現像される感光体の表面が非常に密接した状態で現像
が行われるために、線部はいうまでもなく大面積の黒部
であっても原稿どおり忠実に再現される。
【0011】従来このような導電性材料としてはカーボ
ン、酸化スズ等が用いられているが、このような導電性
材料をキャリアのコーティング層に分散させた場合次の
ような欠点がある。
【0012】まず、このような導電性材料をキャリアコ
ーティング剤中へ配合した場合において、その分散性が
悪いため、得られるコートキャリアのコーティング層に
存在する導電性材料の量が、コートキャリア粒子相互に
おいてバラツキが生じ、帯電性能が安定化しない。ま
た、個々のコートキャリア粒子においても、コーティン
グ層内に局部的に導電性材料が凝集した状態で存在し、
この部位のみが高い導電性を示すために、キャリア粒子
の周面全体に均一な電荷を形成できなくなり、キャリア
粒子表面全体に均一にトナー粒子を保持することができ
なくなる虞れがある。
【0013】また、現像剤中のキャリアは繰り返し使用
されるため、経時の使用でキャリア同士の摩擦あるいは
キャリアと現像器の壁面との摩擦により導電性材料がコ
ーティング層から離脱してしまい帯電量が変化してしま
うという問題があった。
【0014】また、一般にトナーとキャリアは両者が接
触することにより帯電するが、感光体上の潜像をトナー
で現像するためには、トナーがある程度の帯電量維持す
る必要があり、通常10〜20μc/gが適当とされて
いる。しかしながら、キャリアの電気抵抗が小さくなる
とトナーに発生した電荷はキャリアを通して減衰してし
まい帯電量を維持できない。従って、キャリアの抵抗を
下げた場合には帯電量を調整する必要が生じてくる。こ
の帯電量の調整は一般にはトナーに対して行われ、代表
的には染料のような極性制御剤を用いているが、このよ
うな染料は高価であり、その量が少ないと極性制御剤と
しての効果が発揮されず、帯電量を増すために量を多く
すると樹脂への均一な分散が困難となり、長時間使用す
ると現像剤の特性が劣化し、安定した品質の画像が得ら
れなくなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
問題点を解決してなる改良された静電荷像現像用キャリ
アおよびキャリアコーティング剤を提供することを目的
とする。
【0016】本発明はまた、コートキャリアのコート層
に対するトナーのスペント化の防止作用を何ら損ねるこ
となく、コート層の耐摩耗性に優れ、長期間にわたって
安定した帯電量とエッジ現象のない高品質の画像を維持
できるコートキャリアおよびその製造に用いられるキャ
リアコーティング剤を提供することを目的とする。
【0017】本発明はさらに、キャリアにより現像剤の
帯電量を制御することで、安価で帯電の安定した現像剤
を構成するコートキャリアおよびその製造に用いられる
キャリアコーティング剤を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記諸目的を達成する本
発明は、樹脂で表面を被覆された静電荷像現像用コート
キャリアであって、前記樹脂中には、カーボンブラック
とこのカーボンブラック表面の官能基と反応し得る反応
性基を有する重合体とを加熱撹拌することで得られるカ
ーボンブラックグラフトポリマーが配合されてなること
を特徴とする静電荷像現像用コートキャリアである。
【0019】本発明はまた、前記カーボンブラックグラ
フトポリマーが、カーボンブラックに、カーボンブラッ
ク表面の官能基と反応し得る反応性基を有するセグメン
ト(A)と、前記樹脂に親和性を有するポリマー鎖から
なるセグメント(B)とを有するブロックないしグラフ
ト型の重合体が、前記セグメント(A)の反応性基とカ
ーボンブラック表面の官能基との反応により、結合して
なることを特徴とするものである上記に記載の静電荷像
現像用キャリアを示すものである。
【0020】本発明はさらに、前記セグメント(A)の
有する反応性基が、エポキシ基、チオエポキシ基、アジ
リジン基およびオキサゾリン基よりなる群から選ばれる
少なくとも1種または2種以上のものである上記に記載
の静電荷像現像用キャリアを示すものである。
【0021】本発明はまた、前記セグメント(B)がポ
リシロキサン系構造を有するものである上記に記載の静
電荷像現像用キャリアを示すものである。
【0022】本発明はさらに前記樹脂が、シリコーン系
樹脂である上記に記載の静電荷像現像用キャリアを示す
ものである。
【0023】上記諸目的を達成する本発明はまた、静電
荷像現像用キャリアの表面をコーティングするキャリア
コーティング剤であって、樹脂中に、カーボンブラック
とこのカーボンブラック表面の官能基と反応し得る反応
性基を有する重合体とを加熱撹拌することで得られるカ
ーボンブラックグラフトポリマーが配合されてなること
を特徴とするキャリアコーティング剤である。
【0024】
【作用】シリコーン系樹脂等の樹脂だけでキャリア芯材
に被覆した場合、その樹脂自体の電気抵抗が高いため、
現像剤として用いたとき、ベタ部中間調再現性が劣る。
ところが、樹脂にカーボンブラックを配合し、キャリア
芯材を被覆すると、コーティング層の抵抗を低下させる
ことができ、現像剤として用いた場合ベタ部中間調再現
性が著しく向上する。
【0025】しかし、樹脂中に、必要に応じて溶媒等で
希釈し、カーボンブラックを分散して調製してなるキャ
リアコーティング剤は、その調整後放置すると分散させ
たカーボンブラックが凝集しやすく、このコーティング
剤をそのまま使用してキャリア芯材にコーティング層を
形成すると、コートキャリアの特性が、コーティング剤
の調製から供使までの時間の相違、さらには得られたコ
ートキャリア粒子相互間において大きく異なり、帯電量
の変化や繰り返し使用時のコーティング層の削れが多く
なり帯電量が低下する。
【0026】これに対し、本発明に係るカーボンブラッ
クグラフトポリマーを配合してなる樹脂で調製したキャ
リアコーティング剤は、調製後長持間放置してもカーボ
ンの凝集が起きにくく、調製後長持間放置したコーティ
ング剤を用いても調製直後のコーティング剤を用いて得
られたものと同等の特性を有するコートキャリアが得ら
れ、コートキャリア個々の特性のバラツキも少なく、か
つ繰り返し使用しても、コーティング層の変化も少なく
帯電量の低下もない。
【0027】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施形態に基づき詳
細に説明する。本発明に係るキャリアコーティング剤
は、樹脂中に、カーボンブラックとこのカーボンブラッ
ク表面の官能基と反応し得る反応性基を有する重合体と
を加熱撹拌することで得られるカーボンブラックグラフ
トポリマーが配合されてなることを特徴とするものであ
る。
【0028】キャリアコーティング剤の樹脂成分として
は、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸
エステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル
−スチレン共重合体系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等
を用いることも可能であるが、トナーとのスペント化を
有効に防止する上から低表面張力を持つ樹脂が好まし
い。このような低表面張力を有する樹脂としては、例え
ば、シリコーン系樹脂、含フッ素樹脂、あるいはこれら
の混合物などが例示でき、特にシリコーン系樹脂が望ま
しい。また、このような低表面張力を有する樹脂と、そ
の他の樹脂との混合物を用いることも可能である。
【0029】シリコーン系樹脂としては、従来知られて
いるいずれのシリコーン系樹脂であってもよく、オルガ
ノシロキサン結合のみからなるストレートシリコンおよ
びアルキド、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどで
変性したシリコーン系樹脂が挙げられる。
【0030】シリコーン系樹脂として具体的には、特に
限定されるものではないが、例えば次式によって表され
るものが例示できる。
【0031】
【化1】
【0032】(但し、上記式中Rは水素原子、炭素原
子数1〜4のアルキル基またはフェニル基、Rおよび
は水素基、炭素原子1〜4のアルキル基、炭素原子
数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、
炭素原子数2〜4のアルケニル基、炭素原子数2〜4の
アルケニルオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、
エチレンオキサイド基、グリシジル基または
【0033】
【化2】
【0034】(式中、R、Rはヒドロキシ基、カル
ボキシル基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子
数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜4のアルケニ
ル基、炭素原子数2〜4のアルケニルオキシ基、フェニ
ル基、フェノキシ基、k、l、m、n、o、pは1以上
の整数を示す。)) 上記各置換基は未置換のもののほか、例えばアミノ基、
ヒドロキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、アルキ
ル基、フェニル基、エチレンオキシド基、グリシジル
基、ハロゲン原子のような置換基を有していてもよい。
【0035】例えば、市販品としてストレートシリコン
樹脂は、信越化学製のKR271、KR255、KR1
52、トーレシリコン製のSR2400、SR2406
等があり、変性シリコーン樹脂は、信越化学製のKR2
06(アルキッド変性)、KR5208(アクリル変
性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305
(ウレタン変性)、トーレシリコン製のSR2115
(エポキシ変性)、SR2110(アルキッド変性)な
どがある。
【0036】しかして、本発明に係るキャリアコーティ
ング剤においては、上記したような樹脂中に、カーボン
ブラックとこのカーボンブラック表面の官能基と反応し
得る反応性基を有する重合体とを加熱撹拌することで得
られるカーボンブラックグラフトポリマーが配合され
る。
【0037】本明細書でいう「カーボンブラックグラフ
トポリマー」とは、カーボンブラック部分に重合体部分
がグラフト化された微粒子をいう。カーボンブラックグ
ラフトポリマーは、カーボンブラックの一次粒子あるい
は数個の凝集体に重合体がグラフト化されたものであ
る。さらに、ここでいう「グラフト化」とは、ドネ(J
ean−Baptiste Donnet)らがその著
書「カーボンブラック」(1978年5月1日株式会社
講談社発行)にて定義しているように、カーボンブラッ
クのような基質に対する重合体の不可逆的な付加のこと
である。
【0038】不可逆的な付加反応を行うことによりカー
ボンブラック粒子表面部分に対し重合体部分を化学結合
させることができ、これにより、上記両者を確実に結合
させることができる。「グラフト化」に用いることがで
きる付加反応には、求電子付加反応、ラジカル付加反
応、求核付加反応、付加環化反応がある。
【0039】カーボンブラックは、通常数nm〜数百n
mの粒子径を持つ。しかし、カーボンブラックは粒子同
士の凝集力が大きいため、通常数ミクロン以上の粒子径
を持つ凝集体として取り扱われる。また、カーボンブラ
ック同士の凝集力は、カーボンブラックと他の媒体との
親和性に比べ著しく大きく、カーボンブラックをサブミ
クロンで媒体中に分散させることは非常に困難である。
一方、カーボンブラックグラフトポリマーは、カーボン
ブラックの粒子間に重合体部分が有効に入り込み、カー
ボンブラック同士の凝集力を弱めることができる。さら
に、重合体部分が媒体と親和性のある時、カーボンブラ
ックグラフトポリマーはサブミクロンで媒体中に分散で
きる。
【0040】このようなカーボンブラックグラフトポリ
マーを製造する上で用いられるカーボンブラックとして
は、その表面にカルボキシル基、ヒドロキシ基等の官能
基を有するものであれば特に限定されず、例えばファー
ネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラッ
ク、ランプブラック等のいずれの種類のものを用いるこ
とができ、通常の市販品をそのまま使用できるが、中で
もカルボキシル基を有するものが好ましい。さらにカー
ボンブラックとしてはpH7未満、特にpH1〜5のカ
ーボンブラックを用いることが好ましい。カルボキシル
基を有するカーボンブラックは、酸性カーボンブラック
として容易に入手できるが、中性あるいは塩基性のカー
ボンブラックを酸化処理することにより得られたものも
本発明における原料として好適に用いることができる。
カーボンブラックが、カルボキシル基等の官能基を有し
ていない場合、あるいはpH7以上である場合、グラフ
ト化が有効に行なわれないことがある。なお、カーボン
ブラックのpHの試験法はJIS K 6211による
ものである。
【0041】また、カーボンブラックの平均粒子径は
0.0005〜0.5μm、特に0.001〜0.2μ
mの範囲内であることが好ましい。平均粒子径が0.0
005μm未満のカーボンブラックは容易に得られない
ため、産業上意義が小さい。また、平均粒子径が0.5
μmを越える場合、得られたカーボンブラックグラフト
ポリマーに十分な分散性が付与できないことがある。
【0042】一方、カーボンブラックにグラフト化させ
る重合体における、カーボンブラックの表面と反応し得
る反応性基としては、カーボンブラック表面に存在する
官能基と反応して当該重合体のカーボンブラックへのグ
ラフト化に寄与できるものであれば特に限定されるもの
ではなく各種の反応性基を利用できる。
【0043】ここで、グラフト化をより確実かつ安定な
ものとするためには、重合体部分が共有結合を介してカ
ーボンブラックに結合することが望まれ、特にエステル
結合、チオエステル結合、アミド結合、アミノ結合、エ
ーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオ
カルボニル結合およびスルホニル結合よりなる群から選
ばれる少なくとも1種の結合、さらには、エステル結
合、チオエステル結合およびアミド結合よりなる群から
選ばれる少なくとも1種の結合であることが望まれる。
このような点も考慮すると、反応性基は、エポキシ基、
チオエポキシ基、アジリジン基およびオキサゾリン基よ
りなる群から選ばれる少なくとも1種または2種以上の
ものであることが望ましい。カーボンブラックに対する
反応性基は必ずしもこれらのみに限定されるものではな
いが、これらの反応性基以外の基を有する重合体を用い
る場合、使用できるカーボンブラックの種類に制限が生
ずることがある。重合体が前記反応性基を有するもので
あることが好ましい理由は、使用できるカーボンブラッ
クの種類や状態にかかわらず、温和な条件においてもカ
ーボンブラックと重合体とが非常に高いグラフト化効率
で付加反応することにある。特に、カーボンブラックが
上記したようにカルボキシル基を表面官能基として有す
る場合、カルボキシル基が、エポキシ基、チオエポキシ
基、アジリジン基またはオキサゾリン基と熱反応により
高収率で不可逆的付加反応を行ない、この付加反応によ
り、カーボンブラック部分と重合体部分に上記した共有
結合が形成されるゆえ望ましい。
【0044】これらの反応性基の重合体中への導入方法
としては、一般的には、例えば、WO88/03545
(PCT/JP87/00867)に開示されるよう
に、例えば、(1)反応性基を分子内に有する重合性単
量体を必要により他の重合性単量体とともに重合する方
法および(2)反応性基を分子内に有する化合物を、該
化合物と反応し得る重合体に反応させて該反応性基を該
重合体に導入する方法がある。なお、後述するように本
発明においては、このような反応性基のみならず重合鎖
中に二重結合、加水分解性基などを含有したり、あるい
は、また重合体がグラフトないしブロック型構造のもの
とするためには、以下に示すようにより特別な合成条件
が必要とされる場合がある。
【0045】本発明において用いられる、カーボンブラ
ックの表面の官能基と反応し得る上記のごとき反応性基
を有する重合体の骨格構造としては、特に限定されるも
のではなく、例えば、各種ビニル系ポリマー構造、ポリ
エステル系構造、ポリエーテル系構造、ポリシロキサン
系構造等といった各種のものを用いることができるが、
重合体としては、キャリアコーティング剤のマトリック
スを構成する樹脂に対して親和性の高いセグメント
(B)と、このセグメント(B)よりも前記樹脂に対す
る親和性の低いセグメント(A)とを有し、かつ前記セ
グメント(A)のみがカーボンブラックの表面官能基と
反応してグラフト化に寄与する反応性基を有するブロッ
クないしグラフト型構造を有するものであることが好ま
しい。
【0046】これは、次のような理由による。すなわ
ち、カーボンブラックグラフトポリマーの作製に用いら
れるカーボンブラックと反応性を有する重合体が、ラン
ダム共重合体であるもしくは片末端に1つの反応性基を
有する重合体であると、カーボンブラックと反応性を有
する反応性基は1つの分子鎖中にまばらに存在するかも
しくは約1個存在している形でしかないのに比較して、
ブロック型ないしグラフト型の重合体では特定の部位に
カーボンブラックと反応性を有する基が集中したかたち
になっているため、カーボンブラックとの反応確率を非
常に高めるものと考えられるものである。さらに、例え
ば、重合体部分を形成する重合体として、キャリアコー
ティング剤のマトリックスを構成する樹脂に対して親和
性の高いセグメント(B)と、このセグメント(B)よ
りも前記樹脂に対する親和性の低いセグメント(A)と
を有し、かつ前記セグメント(A)のみがカーボンブラ
ックの表面官能基と反応してグラフト化に寄与する反応
性基を有するように分子設計し、前記樹脂若しくはこれ
に近い性状(極性)を持つ媒体からなる分散媒液中でグ
ラフト化させると、グラフト化効率の向上はより顕著な
ものとなると考えられる。これにより得られたカーボン
ブラックグラフトポリマーにおいて表面に結合したグラ
フト鎖は、前記樹脂に対する親和性の高いセグメント
(B)が外側に露出するように配向されているので、前
記樹脂に対し高い親和性を示し、カーボンブラックグラ
フトポリマーはサブミクロン単位で樹脂中に分散できる
ものである。
【0047】さらにこのようにブロックないしグラフト
型の重合体のうち、カーボンブラック表面の官能基と反
応に供せず、外方に配向する側のセグメント、すなわち
セグメント(B)に不飽和二重結合、あるいはアルコキ
シシリル基等の加水分解性基といったキャリアコーティ
ング剤のマトリックスを構成する樹脂と反応性を有する
基を導入すれば、得られたカーボンブラックグラフトポ
リマーをキャリアコーティング剤に配合した場合におい
て、当該キャリアコーティング剤をキャリア核粒子表面
にコーティングした場合において、硬化反応ないし架橋
反応がより良好に進行し、皮膜強度、カーボンブラック
の分散安定性といった面においても極めて優れたものと
なる。
【0048】このブロックないしグラフト型の重合体に
おいて、上記したような反応性基を有するセグメント
(A)は、そのセグメント鎖構造上でコーティング剤の
マトリックスを構成する樹脂に対し親和性の低いものと
することが望ましい。なお、ここでいう低い親和性と
は、あくまで他方のセグメント(B)との対比による相
対的なものであるため、コーティング剤のマトリックス
となる樹脂の種類あるいはセグメント(B)の構成いか
んによって、セグメント(A)は各種の構成とすること
ができ、一概には特定できない。しかしながら、さらに
別の観点からすると、前記セグメント(A)は、カーボ
ンブラックに対し親和性が高いものとすることが、カー
ボンブラックに対してより良好な配向性を示すものとな
るゆえに望ましい。この点から前記セグメント(A)
は、その主鎖が炭素−炭素結合を主とするもの、より好
ましくは、例えばベンゼン環、ナフタレン環、インデン
環などのような芳香環を主鎖に含むもので、かつ前記し
たような反応性基を分子内に有するものとし、一方、前
記セグメント(B)は、セグメント(A)よりも炭素−
炭素結合の少ない、特に芳香環の少ない骨格構造、例え
ばポリシロキサン構造、あるいはエーテル結合、エステ
ル結合等の炭素−炭素結合以外の結合を多く含むものと
することが望ましい。
【0049】ただ、セグメント(A)が実質的に高度の
縮合多環構造のみで構成されてしまうとセグメント
(A)の剛直性が極端に高まることとなり、カーボンブ
ラックへのグラフト時にカーボンブラック表面へのセグ
メント(A)の近接が困難な虞れがあるために、適度な
線状構造を有することが望ましい。
【0050】上記したように、セグメント(A)の鎖構
造は、カーボンブラックに付与しようとする分散性の面
から選択されるセグメント(B)の鎖構造に応じて、適
宜選択し得るものであり、例えば、スチレン系単量体、
(メタ)アクリル系単量体、アルキレン系単量体などの
単独もしくは共重合による各種ビニル系ポリマー、ポリ
エステル、ポリエーテル等の(上記反応性基を有する)
重合鎖とすることができるが、このうち、ビニル系ポリ
マー、特に、芳香環を有するビニル系単量体成分を50
モル%以上、より好ましくは、60モル%以上含みかつ
反応性性基を有するビニル系ポリマーであることが、目
的媒体に応じて選択される各種のセグメント(B)との
組合せが可能となるため望ましい。
【0051】さらに経済性等を考慮すると特に、スチレ
ン系単量体および(メタ)アクリル系単量体を主とする
単独ないし共重合ポリマー、特にスチレン系単量体成分
を50モル%以上、さらには60モル%以上含む(上記
反応性基を有する)重合鎖が望ましい。
【0052】しかしながら、反応性基を有するセグメン
ト(A)は、そのセグメント鎖構造上で前記樹脂に対し
セグメント(B)より親和性の十分低いものとすれば、
必ずしもセグメント(A)がカーボンブラックに対し親
和性の高いものとしなくともよく、カーボンブラックに
対してはセグメント(A)とセグメント(B)の親和性
に実質的な差異がなくとも、あるいはセグメント(B)
よりも親和性の低いものであっても十分に使用可能であ
り、場合によっては、セグメント(B)側を例えばスチ
レン系構造とすることも可能である。
【0053】一方、セグメント(B)は、前記樹脂への
分散性等、カーボンブラックに付与しようとする特性に
よって、例えば、ポリシロキサン系構造、ポリ(メタ)
アクリル系構造、ポリアルキレングリコールなどのポリ
エーテル系構造、ポリエステル系構造、ポリアルキレン
系構造、ポリアミド構造、ポリイミド構造、ポリウレタ
ン構造、あるいは含フッ素ポリマー構造などを有する重
合鎖から適当なものが選択される。しかしながら、上記
したようにキャリアコーティング剤のマトリックスを構
成する樹脂として、コートキャリアのトナーとのスペン
ト化を有効に防止する上から低表面張力を持つシリコー
ン系樹脂ないしはこれを主成分とする樹脂混合物が好ま
しいことから、このセグメント(B)としても、このよ
うなシリコーン系樹脂と親和性の高いポリシロキサン系
構造が好ましい。
【0054】このような反応性基を有するセグメント
(A)と、セグメント(A)とは骨格構造の異なる、好
ましくはセグメント(A)よりもキャリアコーティング
剤のマトリックス樹脂に対して高い親和性を有するセグ
メント(B)とを有するブロックないしグラフト型の重
合体を得る方法としては、特に限定されず、公知の種々
のブロックないしグラフト型重合体の重合技術と、反応
性ポリマーの製造技術を適当に組合せることで製造する
ことができる。
【0055】グラフト型の重合体を得る方法としては、
例えば、グラフト鎖となる高分子量体の存在下に、重合
開始剤及び重合性単量体を溶液重合、乳化重合、塊状重
合又は懸濁重合して主鎖となる重合体を重合する方法す
る方法が知られている。しかしながら、前記高分子量体
がラジカル重合性官能基を持たないものであると、得ら
れるグラフト共重合体には多量のグラフト化されていな
い重合体が含まれており、グラフト効率が低いという欠
点をもっている。それ故、当該高分子量体としてラジカ
ル重合性高分子量体を用いて行なうことが好ましい。こ
のようなラジカル重合性高分子量体は、一般に、「マク
ロモノマー」と称され、片末端にラジカル重合性基、例
えば、(メタ)アクロイル基、スチリル基などを有する
高分子量体であり、例えば、有機溶剤中で片末端カルボ
キシル基を有する重合体とグリシジル基を有するラジカ
ル重合性単量体を反応させることにより得られるもので
ある(例えば、特公昭43−11224号公報には、有
機溶剤中でラジカル重合性単量体をメルカプト酢酸の存
在下で、ラジカル重合させて得られるプレポリマーとグ
リシジルメタクリレートをジメチルラウリルアミン触媒
の存在下で反応させて得る方法が開示されている。)。
【0056】従って、例えば、本発明に係るグラフト共
重合体を得るには、セグメント(B)を形成する成分と
してのラジカル重合性高分子量体(b)存在下に、前記
したようなカーボンブラックに対する反応性基を分子内
に有する重合性単量体(a)およびその他必要により配
合されるセグメント(A)の骨格を形成する重合性単量
体(c)重合すればよい。
【0057】カーボンブラックに対する反応性基を分子
内に有する重合性単量体(a)としては、
【0058】
【化3】
【0059】
【化4】
【0060】
【化5】
【0061】
【化6】
【0062】
【化7】
【0063】
【化8】
【0064】
【化9】
【0065】
【化10】
【0066】
【化11】
【0067】
【化12】
【0068】
【化13】
【0069】
【化14】
【0070】
【化15】
【0071】(但し、これらの式中のR1 は水素または
メチル基を示し、nは0または1〜20の整数であ
る。)等の式で表されるエポキシ基含有重合性単量体
類;
【0072】
【化16】
【0073】
【化17】
【0074】
【化18】
【0075】
【化19】
【0076】
【化20】
【0077】
【化21】
【0078】
【化22】
【0079】
【化23】
【0080】
【化24】
【0081】
【化25】
【0082】
【化26】
【0083】
【化27】
【0084】
【化28】
【0085】(但し、これらの式中のR1 およびnはエ
ポキシ基含有重合性単量体の場合と同様である。)等で
表わされるチオエポキシ基含有重合性単量体類;
【0086】
【化29】
【0087】
【化30】
【0088】
【化31】
【0089】
【化32】
【0090】
【化33】
【0091】
【化34】
【0092】
【化35】
【0093】
【化36】
【0094】
【化37】
【0095】
【化38】
【0096】
【化39】
【0097】
【化40】
【0098】
【化41】
【0099】
【化42】
【0100】
【化43】
【0101】
【化44】
【0102】
【化45】
【0103】
【化46】
【0104】
【化47】
【0105】
【化48】
【0106】
【化49】
【0107】
【化50】
【0108】
【化51】
【0109】
【化52】
【0110】
【化53】
【0111】
【化54】
【0112】
【化55】
【0113】
【化56】
【0114】
【化57】
【0115】
【化58】
【0116】
【化59】
【0117】
【化60】
【0118】
【化61】
【0119】
【化62】
【0120】
【化63】
【0121】
【化64】
【0122】
【化65】
【0123】
【化66】
【0124】
【化67】
【0125】
【化68】
【0126】
【化69】
【0127】
【化70】
【0128】
【化71】
【0129】
【化72】
【0130】
【化73】
【0131】
【化74】
【0132】
【化75】
【0133】
【化76】
【0134】
【化77】
【0135】
【化78】
【0136】
【化79】
【0137】
【化80】
【0138】
【化81】
【0139】
【化82】
【0140】等で表されるアジリジン基含有重合性単量
体類;2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4
−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル
−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−エチル−2−オ
キサゾリン、2−ビニル−5−エチル−2−オキサゾリ
ン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソ
プロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソ
プロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソ
プロペニル−4−エチル−2−オキサゾリン、2−イソ
プロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2−イソ
プロペニル−4,5−ジメチル−2−オキサゾリンなど
のオキサゾリン基含有重合性単量体類;N−ヒドロキシ
メチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリル
アミド、N−ヒドロキシブチルアクリルアミド、N−ヒ
ドロキシイソブチルアクリルアミド、N−ヒドロキシ−
2−エチルヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシシ
クロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメ
タクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミ
ド、N−ヒドロキシブチルメタクリルアミド、N−ヒド
ロキシイソブチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシ−
2−エチルヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシ
シクロヘキシルメタクリルアミドなどのN−ヒドロキシ
アルキルアミド基含有重合性単量体類;を挙げることが
でき、これらの群から選ばれる1種または2種以上を使
用することができる。
【0141】また、セグメント(A)を上記したような
所望の骨格となすために、必要により使用できる重合性
単量体(c)としては、前記単量体(a)ならびに後述
するようなセグメント(B)を形成する成分としての上
記したようなラジカル重合性高分子量体(b)共重合し
得るものであれば特に限定されず、得ようとするセグメ
ント(A)の分子構造に応じて、例えばスチレン、o−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p
−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−
クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチ
レン等のスチレン系モノマー;アクリル酸、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸
ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n
−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル等のアクリル
酸あるいはメタクリル酸系モノマー;エチレン、プロピ
レン、ブチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリルニ
トリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニ
ルピロリドン等の単量体を1種または2種以上適宜用い
ることができる。
【0142】一方、セグメント(B)成分を構成するた
めラジカル重合性高分子量体(b)としては、所望の重
合鎖、例えば、ポリシロキサン系構造、ポリ(メタ)ア
クリル系構造、ポリエーテル系構造、ポリエステル系構
造、ポリアルキレン系構造、ポリアミド構造、ポリイミ
ド構造、ポリウレタン構造、含フッ素ポリマー系構造な
どの重合鎖の片末端に反応性基を有するものであればよ
い。
【0143】例えば、セグメント(B)をポリシロキサ
ン系構造を有するものとする場合、当該ポリシロキサン
系構造としては、ポリジメチルシロキサン基、部分アル
キル基置換のポリジメチルシロキサン基、部分アリール
基置換のポリジメチルシロキサン基、トリス(トリアル
キルシロキシ)シリルプロピル基等のポリオルガノシロ
キサンを含有するものなどが例示できる。
【0144】従って、ポリシロキサン系構造を有するラ
ジカル重合性高分子量体(b1 )としては、例えば(メ
タ)アクリロイル基含有ポリジメチルシロキサン、スチ
リル基含有ポリジメチルシロキサン(メタ)アクリロイ
ル基含有部分オクチル置換ポリジメチルシロキサン、ス
チリル基含有部分オクチル置換ポリジメチルシロキササ
ン、スチリル基含有部分フェニル置換ポリジメチルシロ
キサン、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル
(メタ)アクリレート等の重合性ポリシロキサン類が挙
げられ、これらの中から1種または2種以上を用いるこ
とができ、特に以下のものが望ましい。
【0145】
【化83】
【0146】(ただし、式中、Bは−COO−またはフ
ェニレン基を示し、R1 は水素原子またはメチル基を、
2 は炭素数1〜6のアルキレン基を、R3 〜R13は同
一または異なってアリール基、炭素数1〜6のアルキル
基または炭素数1〜10のアルコキシル基をそれぞれ示
し、aおよびbは同一または異なって0〜10の整数
を、nは0〜200の整数をそれぞれ示す。) 同様に、セグメント(B)をポリメタ(アクリル)系構
造を有するものとする場合、ラジカル重合性高分子量体
(b2 )としては、例えば、以下に示されるようなもの
が使用され得る。
【0147】
【化84】
【0148】(ただし、式中、R1 、R2 は同一または
異なって水素原子またはメチル基を示し、R3 は炭素数
1〜25のアルキル基を示し、Xは任意の連結鎖であ
り、Yは開始剤末端またはH原子、nは0〜500の整
数を示す。)
【0149】
【化85】
【0150】(ただし、式中、R1 、R2 、R4 は同一
または異なって水素原子またはメチル基を示し、R3
5 は同一または異なって炭素数1〜25のアルキル基
を示し、Xは任意の連結鎖であり、Yは開始剤末端また
はH原子、m、nはそれぞれ同一または異なって0〜5
00の整数を示す。)
【0151】
【化86】
【0152】(ただし、式中、R1 、R2 は同一または
異なって水素原子またはメチル基を示し、R3 は炭素数
1〜25のアルキレン基を示し、R4 は炭素数1〜25
のアルキル基を示し、Xは任意の連結鎖であり、Yは開
始剤末端またはH原子、nおよびmは同一または異なっ
て0〜500の整数を示す。) さらに、セグメント(B)をポリスチレン系構造を有す
るものとする場合、ラジカル重合性高分子量体(b3)
としては、例えば、以下に示されるようなものが使用さ
れ得る。
【0153】
【化87】
【0154】(ただし、式中、R1 は水素原子またはメ
チル基を示し、Xは任意の連結鎖であり、Yは開始剤末
端またはH原子、Zは水素原子、ハロゲン置換基または
炭素数1〜8のアルキル基、nは0〜500の整数を示
す。) なお、上記式群において示す連結鎖Xについては、例え
ば、「マクロモノマーの化学と工業」(山下雄也監修、
(株)アイピーシー発行、平成元年9月20日)に詳し
く示されており、これに示されているもののいずれを用
いることもできる。
【0155】このような重合体を得る際の重合方法とし
ては、公知の重合方法を用いることができる。例えば、
塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法など
を挙げることができる。中でも、ラジカル触媒を用いて
の溶液重合法が好ましい。
【0156】ラジカル触媒としては、通常、ビニル単量
体の重合に用いられているものであればいずれも使用で
きる。代表的なものとしては、2,2´−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;ベンゾリルパー
オキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ter
t−ブチルパーオクトエート、tert−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物系化合物
等が挙げられ、これらは通常単量体100重量部当たり
0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の範
囲内で使用される。また溶剤としては、用いられる単量
体、ラジカル重合性高分子量体の種類に応じて適宜選択
される。
【0157】重合終了後、得られた反応性基を有する重
合体の溶液をそのままカーボンブラックとの反応に用い
ることもできるし、また溶液の溶媒を留去して重合体を
取り出して用いることもできる。
【0158】本発明で用いることのできるグラフト型重
合体を得る別の方法としては、例えば、カーボンブラッ
クに対する反応性基を有する化合物を、該化合物と反応
し得る基をセグメント(A)に有しかつこのセグメント
(A)にセグメント(B)がグラフトしてなる前駆重合
体に反応させて該反応性基を該前駆重合体中に導入する
方法を挙げることができる。
【0159】上記化合物としては、例えば、カーボンブ
ラックに対する前記の反応性基の1種を分子内に2個以
上有する化合物、カーボンブラックに対する前記の反応
性基の2種以上を分子内に有する化合物、カーボンブラ
ックに対する前記の反応性基の1種以上と前記の反応性
基以外の官能基とを分子内に有する化合物等を挙げるこ
とができる。
【0160】ただし、上記の官能基とはエポキシ基、チ
オエポキシ基、アジリジン基およびオキサゾリン基およ
びオキサゾリン基以外のものであって、かつ、前記の前
駆重合体の有する当該反応し得る基と反応し得るもので
ある。前駆重合体の有する反応し得る基としては例えば
イソシアネート基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロ
キシル基、ビニル基等を挙げることができる。
【0161】またブロック型の重合体を得る方法として
は、例えばアニオンリビング重合法、カチオンリビング
重合法、イニファータ法等が知られており、さらに、他
の方法としては、セグメント(A)またはセグメント
(B)(本発明においてはセグメント(A)は反応性基
を導入するためセグメント(B)の方が好ましい。)の
単量体をラジカル重合する際に、チオールカルボン酸、
あるいは2−アセチルチオエチルチオール、10−アセ
チルチオデカンチオール等の分子内にチオエステルとチ
オール基とを含有する化合物を共存させて重合して得ら
れた重合体を水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカ
リで処理して、片末端にチオール基を有する重合体と
し、得られた片末端にチオール基を有する重合体の存在
下でもう一方のセグメントの単量体成分をラジカル重合
する方法が知られている。
【0162】従って、本発明に係るブロック共重合体を
得るには、上記したような公知の方法を適宜変更し、前
記グラフト共重合体を得る場合と同様に、セグメント
(A)の重合性単量体として少なくともその一部に前記
したような反応性基を有する重合性単量体(a)を用い
て、ブロック共重合体の重合の際にセグメント(A)に
反応性基を導入するか、あるいはブロック共重合体の重
合後に、このような反応性基をセグメント(A)に導入
すればよい。
【0163】この理解のために、ほんの一例を述べる
と、アニオンリビング法による合成方法として、4−ビ
ニルベンジルリチウムを用い、テトラヒドロフラン中窒
素気流中にスチレンを加え、重合した後、低温下でアク
リル酸ステアリルを重合させることによりA−Bブロッ
ク(スチレン−アクリル酸ステアリル)共重合体を得、
その後セグメント(A)の開始末端のビニル基を3−ク
ロロ過安息香酸を使ってエポキサイド基に変換すること
によってセグメント(A)にカーボンブラックと反応性
を有する反応性基を導入することができる。あるいは、
4−ビニルベンジルリチウムを用い、テトラヒドロフラ
ン中窒素気流中にスチレンを加え、重合して、セグメン
ト(A)部分を得た後、反応系にグリシジルメタクリレ
ートを添加してセグメント(A)に反応性基を有するセ
グメントを結合させ、さらにその後、低温下でアクリル
酸ステアリルを重合させることによりといった手法を採
ることもできる。
【0164】このようにして得られるグラフトないしは
ブロック型重合体の分子量については特に制限されない
が、カーボンブラックに対するグラフト化の効果や、カ
ーボンブラックとの反応時の作業性を考慮すると上記分
子量は平均分子量1000〜1000000の範囲とす
ることが好ましく、より好ましくは5000〜1000
00の範囲である。
【0165】また、グラフトないしはブロック型重合体
におけるセグメント(A)およびセグメント(B)の分
子量としても特に制限されるものではないが、カーボン
ブラックに対するグラフト効率の面からするとセグメン
ト(A)は平均分子量300〜100000の範囲、よ
り好ましくは1000〜50000の範囲とすることが
好ましく、またカーボンブラックに付与しようとする分
散性改質効果の面からするとセグメント(B)は平均分
子量300〜100000の範囲、より好ましくは20
00〜20000の範囲とすることが好ましい。
【0166】さらに、グラフトないしはブロック型重合
体のセグメント(A)が有する反応性基の数としても特
に限定されるものではないが、重合体1分子当り平均し
て50〜1、より好ましくは20〜1程度有することが
望まれる。
【0167】次に、本発明に係るカーボンブラックグラ
フトポリマーの製造方法についてグラフトないしブロッ
ク型の重合体を用いた場合を例にとり説明する。グラフ
トないしブロック型の重合体のカーボンブラックへのグ
ラフト化は、カーボンブラックと、上記したようなグラ
フトないしはブロック型重合体を加熱混合することによ
り行うことができるが、良好なグラフト効率を得るため
には、反応性基を有するセグメント(A)を、他方のセ
グメント(B)よりも、マトリックス樹脂に対し親和性
の低いものとして分子設計しておき、得られるカーボン
ブラックグラフトポリマーを分散性させようとする前記
マトリックス樹脂に近い性状を有する媒体からなる分散
媒液の存在下で加熱混合することが望ましい。すなわ
ち、この分散媒液は、当該重合体のセグメント(B)に
対し高い親和性ないし相溶性を有しセグメント(A)に
対しては親和性ないし相溶性の低いものである。
【0168】従って使用される分散媒液は、当該重合体
におけるセグメント(A)とセグメント(B)の組合せ
に応じて、適宜選択される。
【0169】例えば、重合体におけるセグメント(A)
がポリスチレン系構造を有し、かつセグメント(B)が
ポリシロキサン構造を有するものである場合、使用され
る分散媒液としては、ポリジメチルシロキサン、部分オ
クチル置換ポリジメチルシロキサン、部分フェニル置換
ポリジメチルシロキサン、フルオロシリコーンオイル等
のシリコーンオイルなどが好ましい。
【0170】また例えば、重合体におけるセグメント
(A)がポリスチレン系構造を有し、かつセグメント
(B)が例えばポリメチルメタクリレートなどの疎水性
(メタ)アクリル系構造を有するものである場合、使用
される分散媒液としては、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ等のセロソルブ類;酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ブチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;ピロ
リドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシドなどの非プロトン性極性溶剤などが好ましい。
【0171】このような分散媒液存在下によるカーボン
ブラックと前記重合体のグラフト化においては、さらに
該重合体に該当しないポリマー、重合性単量体等の他の
物質を存在させることもできる。
【0172】このグラフト化は、例えば、40〜300
℃、好ましくは70〜250℃の温度下に、0.5〜1
0時間、好ましくは2〜5時間攪拌混合することにより
行なわれる。反応温度が40℃未満の場合にはグラフト
化が進行しないことがあり好ましくない。300℃を越
える場合は重合体成分が変質することがあり、好ましく
ない。
【0173】反応の手順としては、カーボンブラックお
よび重合体と、前記分散媒体を反応装置に仕込み、加熱
下に混合すればよい。
【0174】このようなグラフト化におけるカーボンブ
ラックと前記重合体との配合割合は、使用される前記重
合体の種類、得ようとする製品の用途等に応じて左右さ
れるものであるため、一概には規定できないが、カーボ
ンブラック100重量部に対し、前記重合体1〜100
0重量部、より好ましくは2〜500重量部程度とする
ことが望ましい。すなわち、重合体が1重量部未満であ
ると、カーボンブラックの表面性状を十分に改質するこ
とが困難となる虞れがあり、一方1000重量部を越え
ると、カーボンブラックに結合する重合体の量が多くな
り、経済的でないのみならず、本来的に要求されるカー
ボンブラックの特性を損なう虞れがあるためある。
【0175】本発明で、上記したようなキャリアコーテ
ィング剤で被覆するキャリア核粒子としては、平均粒径
が10〜1000μ、好ましくは30〜500μの砂、
コバルト、鉄、銅、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、黄
銅、ガラス等の非金属や金属、金属合金等従来使用され
ている材料が広く用いられる。
【0176】コーティング層の形成法としては、コーテ
ィング層組成物を前記核粒子表面に噴霧法、ディッピン
グ法、流動床法等の従来公知の手段で塗布すればよい。
【0177】また本発明において、コーティング層の膜
厚はあまり薄くても、またあまり厚くても不都合を生じ
やすく、0.1〜20μm程度が好ましい。
【0178】なお、本発明のコートキャリアと組み合わ
せて用いられるトナーは従来より公知の組成の物でよ
く、かつ何らその組成には限定されるものではないが、
代表的なものを例示すると、例えば結着樹脂としては、
ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン
等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p
−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ス
チレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メ
タアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル
酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル
酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレ
ン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン
−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル
共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリ
レート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、
ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、
変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又
は脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラ
フィン、パラフィンワックスなどが単独あるいは混合し
て使用できる。着色剤としては、黒色の着色剤として、
例えばカーボンブラック、アニリンブラック、ファーネ
スブラック、ランプブラック等が使用できる。またシア
ンの着色剤としては、例えばフタロシアニンブルー、メ
チレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレッ
ト、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用で
きる。マゼンタの着色剤としては、例えばローダミン6
Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッ
ド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ
等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えばク
ロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、
ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイ
エロー、タートラジン等が使用できる。更にこれらのト
ナーは、より効率的な帯電付与を与えるために、帯電制
御剤、例えば染顔料、極性制御剤などを含有してもよい
が、従来よりかなり少ない量でよい。極性制御剤として
は、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及
びその塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のC
o、Cr、Fe等の金属錯体アミノ化合物、第4級アン
モニウム化合物、有機染料等がある。また必要に応じ
て、テフロン、ステアリン酸亜鉛のごとき滑剤あるいは
酸化セリウム、炭化ケイ素等の研磨剤、あるいは例えば
コロイダルシリカ、酸化アルミニウムなどの流動性付与
剤、ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラッ
ク、酸化スズ等の導電性付与剤、あるいは低分子量ポリ
オレフィンなどのワックス等を添加しても良い。
【0179】さらにトナーとしては、これらの各成分を
配合し、溶融混練したのち、粉砕、分級して得られる粉
砕法によるもの、あるいは、重合により結着樹脂を構成
する単量体を懸濁重合する際に着色剤等の他の成分を配
合し着色微粒子を得る懸濁重合法によるもの、その他、
シード重合法、乳化重合法、噴霧乾燥法、マイクロカプ
セル法等各種の方法によって得られたものを使用するこ
とが可能である。
【0180】本発明のコーティングキャリアのトナーに
対するの使用量としては、トナーの組成、形態等によっ
ても左右されるが、トナー粒子がキャリア粒子のキャリ
ア表面に付着して、その表面積の30〜90%を占める
程度に両粒子を混合するのが好ましい。
【0181】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に何らに限定され
るものではない。なお、以下の記載において、各成分の
量(部)はすべて重量部である。
【0182】合成例1 −工程1− ポリジメチルシロキサンマクロマー(チッソ(株)製、
サイラプレーンFM0711、平均分子量約1000
0)75部、スチレン15部、イソプロペニルオキサゾ
リン10部、開始剤としてアゾイソプチロニトリル3部
をトルエン50部に溶解し、均一な重合性単量体組成物
(1)を得た。
【0183】温度計、撹拌羽根、N2ガス導入管、冷却
管及び滴下漏斗を備えたフラスコに、トルエン50部を
仕込み、80℃に昇温した。上記重合性単量体組成物
(1)を滴下漏斗に仕込み、80℃で3時間にわたり滴
下を行い、その後、2時間同温度において重合を進め
た。
【0184】更に、100℃に昇温し、アゾイソブチロ
ニトリル0.3部をトルエン10部に溶解させたブース
タ液を30分毎に計4回添加した後、更に100℃で2
時間重合熟成を行い、オキサゾリン基を有する重合体溶
液(1)(不揮発分40%)を得た。
【0185】−工程2− 温度計、撹拌羽根、冷却管を備え付けたセパラブルフラ
スコにカーボンブラック(MA100R、三菱化学
(株)製)30部、重合体溶液(1)22.5部、トル
エン97.5部をそれぞれ仕込み、撹拌混合を行った。
【0186】続いてジルコニア製ビーズ750部をフラ
スコ内に仕込み、回転数750rpmで撹拌しながら1
00℃で1時間反応を行った。
【0187】その後、ジルコニア製ビーズを分離し、カ
ーボンブラックグラフトポリマー分散液(1)(カーボ
ンブラック含有率20%、ポリマー含有率6%)を得
た。
【0188】実施例1 シリコーン樹脂としてSR2400(東レダウコーニン
グシリコーン製)100部、上記カーボンブラックグラ
フトポリマー分散液(1)7.5部、トルエン100部
を撹拌混合し、キャリアコーティング剤(1)を調製し
た。
【0189】流動床型塗布装置を用いてこのキャリアコ
ーティング剤(1)を粒径100μmの球状フェライト
粒子に環境温度180℃で、ほぼ1.5μmの厚さでコ
ーティングし、コートキャリア(1)を得た。
【0190】比較例1 実施例1においてカーボンブラックグラフトポリマー分
散体(1)7.5部の代わりに、予めカーボンブラック
(MA100R、三菱化学(株)製)1.5部をトルエ
ン6部に分散させておいた比較用カーボンブラック分散
体(C1)7.5部を用いた以外は実施例1と同様の操
作を行い、比較用コートキャリア(C1)を得た。
【0191】 合成例2 スチレン−アクリル樹脂(三洋化成(株)製、TB1000) 100部 カーボンブラック(MA100R、三菱化学(株)製) 8部 ワックス(三洋化成(株)製、550P) 2部 帯電制御剤(保土谷化学(株)製、スピロンブラックTRH) 1部 上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混
合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で加熱
溶融混練を行った。その後冷却した混練物を粗砕し、さ
らに粉砕、分級を行い粒径5〜20μmのトナーを得
た。
【0192】性能評価 実施例1および比較例1で得られたキャリア(1)、比
較用キャリア(C1)97部に対して、それぞれ合成例
2で得られたトナー3部をボールミルで混合し、現像剤
(1)、比較用現像剤(1)を得た。
【0193】次にこの現像剤を用い、シャープ製複写機
(SF9800)にセットし、画像出しテストを行った
結果、現像剤(1)においてはエッジ現像のない鮮鋭度
の高い初期画像が得られ、さらに30万枚後の画像も初
期画像と同様の画像が得られた。これに対し、比較用現
像剤(C1)を用いて同様の試験を行ったところ1万枚
を過ぎたころより、カブリが生じ始め又画像が低下し始
めた。
【0194】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特性のバラツキが少なく安定した性能を有するコートキ
ャリアが得られ、さらに繰り返し使用しても、コーティ
ング層の変化も少なく帯電量の低下もない。このため、
本発明に係るコートキャリアを用いて静電荷像現像を行
った場合において、エッジ現像のない鮮鋭度の高い画像
を長期間にわたり安定して得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂で表面を被覆された静電荷像現像用
    コートキャリアであって、前記樹脂中には、カーボンブ
    ラックとこのカーボンブラック表面の官能基と反応し得
    る反応性基を有する重合体とを加熱撹拌することで得ら
    れるカーボンブラックグラフトポリマーが配合されてな
    ることを特徴とする静電荷像現像用コートキャリア。
  2. 【請求項2】 前記カーボンブラックグラフトポリマー
    が、カーボンブラックに、カーボンブラック表面の官能
    基と反応し得る反応性基を有するセグメント(A)と、
    前記樹脂に対して親和性を有するポリマー鎖からなるセ
    グメント(B)とを有するブロックないしグラフト型の
    重合体が、前記セグメント(A)の反応性基とカーボン
    ブラック表面の官能基との反応により、結合してなるこ
    とを特徴とするものである請求項1に記載の静電荷像現
    像用キャリア。
  3. 【請求項3】 前記セグメント(A)の有する反応性基
    が、エポキシ基、チオエポキシ基、アジリジン基および
    オキサゾリン基よりなる群から選ばれる少なくとも1種
    または2種以上のものである請求項2に記載の静電荷像
    現像用キャリア。
  4. 【請求項4】 前記セグメント(B)がポリシロキサン
    系構造を有するものである請求項2または3に記載の静
    電荷像現像用キャリア。
  5. 【請求項5】 前記樹脂が、シリコーン系樹脂である請
    求項1〜4のいずれか1つに記載の静電荷像現像用キャ
    リア。
  6. 【請求項6】 静電荷像現像用キャリアの表面をコーテ
    ィングするキャリアコーティング剤であって、樹脂中
    に、カーボンブラックとこのカーボンブラック表面の官
    能基と反応し得る反応性基を有する重合体とを加熱撹拌
    することで得られるカーボンブラックグラフトポリマー
    が配合されてなることを特徴とするキャリアコーティン
    グ剤。
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