JPH11241060A - 増粘剤 - Google Patents

増粘剤

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JPH11241060A
JPH11241060A JP5882998A JP5882998A JPH11241060A JP H11241060 A JPH11241060 A JP H11241060A JP 5882998 A JP5882998 A JP 5882998A JP 5882998 A JP5882998 A JP 5882998A JP H11241060 A JPH11241060 A JP H11241060A
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JP
Japan
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polymer
monomer
block copolymer
diene
polymer unit
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JP5882998A
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Inventor
Keiichi Bessho
啓一 別所
Noboru Shimada
昇 嶋田
Shigeru Saito
繁 斉藤
Katsuhiro Ishikawa
克廣 石川
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的低分子量体であるにもかかわらず疎
水基の会合により増粘性を示す疎水基会合型増粘剤を提
供すること。 【解決手段】 ジエン系単量体を含有するポリマー
ユニットとオレフィン系単量体を含有するポリマーユニ
ットを含有するブロック共重合体あるいはその水素添加
物をスルホン化してなることを特徴とする増粘剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スルホン酸基を含
有した増粘剤に関するものであり、特に、比較的低分子
量体であるにもかかわらず疎水基の会合により増粘性を
示す疎水基会合型増粘剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ラテックスや水性塗料等の種々の
用途で水溶性の増粘剤が使われている。例を挙げれば各
種ポリアクリルアミド系ポリマー、ポリエチレンオキシ
ド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリル酸等の合成高分子、カゼイン、アルギン酸、
メチルセルロースやカルボキシメチルセルロース、メチ
ルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロ
ピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、および
その疎水性に置換された誘導体等のセルロースエーテル
類、アラビアガム、トラガントガムやグアーガム等の天
然多糖類等がある。近年になって会合型増粘剤(Associ
ative Thickener )と総称される一群の化合物が開発さ
れた。米国特許US-4,426,485号、US-4,411,819号等に詳
細な記述があるが、構造的にはポリエチレングリコール
の両端に疎水基として高級アルキル基が付いている非イ
オン性の分子である。この会合型増粘剤の特徴として、
分子量が千〜10万程度の低分子量化合物にも関わらず
増粘剤としての効果が大きいことが挙げられる。また機
能的には剪断力の増加に対する溶液粘度の低下が挙げら
れる。この性質は化合物の水溶液自体にも、またラテッ
クスや水性塗料等の組成物とした場合にも存在し、会合
型増粘剤の大きな特長となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の合成高分子系増
粘剤、セルロースエーテル類、天然多糖類などの増粘剤
は、増粘性は高いが、高剪断下でポリマー鎖の切断が生
じたり、腐敗による分子量の低下が生じることがあるた
め、長期に亘って増粘効果を維持することが難しい場合
がある。また、様々な物質との混合の際に必要な撹拌時
に、溶液粘度が高いため十分な混合が行えない場合もあ
る。一方、前記会合型の増粘剤では、分子量の低下等に
よる増粘効果の経時的低下はみられず、また、撹拌等の
剪断力下では、会合が一部解けるるため、溶液粘度が低
下するといったメリットがあるが、非会合型の増粘性に
比べて、増粘性が必ずしも十分でなく、さらなる増粘性
の向上が望まれていた。本発明者らは上記の問題を解決
すべく鋭意検討を重ねた結果、前記会合型増粘剤のメリ
ットを活かしつつ、かつ、増粘効果にも優れた会合型増
粘剤を見出し本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、疎水性ポリマ
ーユニットとスルホン酸基含有親水性ポリマーユニット
とを含有するブロック共重合体からなる増粘剤を提供す
るものである。また、ジエン系単量体を含有するポリマ
ーユニットとオレフィン系単量体を含有するポリマーユ
ニットを含有するブロック共重合体あるいはその水素添
加物をスルホン化してなることを特徴とする上記の増粘
剤を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の増粘剤は、疎水性ポリマーユニットとスルホン
酸基含有親水性ポリマーユニットとを含有するブロック
共重合体からなるものである。かかる疎水性ポリマーユ
ニットとしては、炭化水素系の単量体を主成分とする重
合体もしくは共重合体のユニットである。その炭化水素
系の単量体を主成分とする重合体もしくは共重合体のユ
ニットとしては、ジエン系単量体を主体とする(共)重
合体、芳香族ビニル化合物やオレフィンなどのオレフィ
ン系単量体を主体とする(共)重合体あるいはこれらを
水素添加した(共)重合体のユニットである。また、ス
ルホン酸基含有親水性ポリマーユニットとしては、上記
の疎水性ポリマーユニットにスルホン酸基を含有させた
ものが挙げられる。例えば、ジエン系単量体を主体とす
る(共)重合体、芳香族ビニル化合物やオレフィンなど
のオレフィン系単量体を主体とする(共)重合体あるい
はこれらを水素添加した(共)重合体のユニットなどの
炭化水素系単量体を主成分とする(共)重合体のユニッ
トに、スルホン酸基を含有させたものが挙げられる。炭
化水素系単量体を主成分とする(共)重合体のユニット
にスルホン酸基を含有させる方法としては、これらをス
ルホン化する方法、スルホン酸基を含有する単量体を共
重合する方法などがが挙げられる。好ましいのはジエン
系単量体を主体とする(共)重合体ユニットと、芳香族
ビニル化合物やオレフィンなどのオレフィン系単量体を
主体とする(共)重合体ユニットを含有するブロック共
重合体(以下ベースポリマーという)あるいはこれらを
水素添加したブロック共重合体をスルホン化する方法で
ある。
【0006】上記ジエン系単量体を主体とする(共)重
合体のユニットに使用されるジエン系単量体としては、
炭素数4〜12のジエン系化合物が好ましく、さらに好
ましくは炭素数4〜8、特に好ましくは炭素数4〜6の
ジエン系化合物である。これらジエン系化合物の具体例
としては、例えば、1,3−ブタジエン、1,2−ブタ
ジエン、1,2−ペンタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、2,3−ペンタジエン、イソプレン、1,2−ヘキ
サジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエ
ン、1,5−ヘキサジエン、2,3−ヘキサジエン、
2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,2−
ヘプタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタ
ジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエ
ン、2,3−ヘプタジエン、2,5−ヘプタジエン、
3,4−ヘプタジエン、3,5−ヘプタジエン、シクロ
ペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノル
ボルネンなどのほか、分岐した炭素数4〜7の各種脂肪
族あるいは脂環族ジエン類が挙げられる。これらは1種
単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
これらのうち特に好ましいのは、1,3−ブタジエン、
イソプレンである。
【0007】また、オレフィン系単量体を主体とする
(共)重合体ユニットは、芳香族ビニル化合物やオレフ
ィンなどのオレフィン系単量体を主体とする(共)重合
体ユニットである。芳香族ビニル化合物としては、例え
ば、スチレン、α―メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、p―メチルスチレン、m―メチルスチレン、ビニル
ナフタレンなどが挙げられる。また、オレフィンとして
は、エチレン、プロピレンなどが挙げられる。これらモ
ノマーは1種単独で用いても、2種以上併用して用いて
もよい。これらのうちで好ましいのは、芳香族ビニル化
合物であり、特に好ましくはスチレンである。
【0008】また、前記ジエン系単量体を主体とする
(共)重合体、芳香族ビニル化合物やオレフィンなどの
オレフィン系単量体を主体とする(共)重合体あるいは
これらを水素添加した(共)重合体のユニットには、前
記単量体以外に、増粘性を損なわない範囲で、他の単量
体を併用することもできる。他の単量体としては、例え
ば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのモノある
いはジカルボン酸またはジカルボン酸の無水物、(メ
タ)アクリロニトリルなどのビニルシアン化合物、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、ビニルメチルエチルケトン、
酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリ
ル酸グリシジルなどの不飽和化合物が挙げられる。これ
ら他の単量体は、1種単独でまたは2種以上併用して用
いることができる。
【0009】また、ジエン系単量体を主体とする(共)
重合体ユニットには、他の単量体として前記芳香族ビニ
ル化合物やオレフィンを劣位量共重合してもよい。芳香
族ビニル化合物を主体とする(共)重合体ユニットに
は、前記ジエン系単量体やオレフィンを劣位量共重合し
てもよい。また、オレフィンを主体とする(共)重合体
ユニットには、他の単量体として前記ジエン系単量体や
芳香族ビニル化合物を劣位量共重合してもよい。これら
他の単量体を併用する場合には、その単量体の使用量
は、各(共)重合体ユニット中、通常60%以下であ
り、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは30
重量%以下、特に好ましくは20重量%以下である。
【0010】スルホン酸基を有する単量体としては、前
記ジエン系単量体またはオレフィン系単量体にスルホン
酸基が付加したものが挙げられる。これらの具体例とし
ては、スルホン酸基含有ブタジエン、スルホン酸基含有
イソプレン、スルホン酸基含有スチレン、スルホン酸基
含有エチレン、スルホン酸基含有プロピレンなどが挙げ
られる。これらのうち好ましいのは、スルホン酸基含有
イソプレン、スルホン酸基含有スチレンである。
【0011】ベースポリマーの製造、すなわちジエン系
単量体を主体とする(共)重合体ユニットと、芳香族ビ
ニル化合物やオレフィンなどのオレフィン系単量体を主
体とする(共)重合体ユニットを含有するブロック共重
合体は、それぞれの単量体を開始剤を用い、必要に応じ
て溶剤を用いて(共)重合することにより製造すること
ができる。かかる開始剤としては、過酸化水素、ベンゾ
イルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルなど
のラジカル重合開始剤、あるいはn−ブチルリチウム、
ナトリウムナフタレン、金属ナトリウムなどのアニオン
重合開始剤が挙げられる。また、重合温度は、通常、−
100〜150℃、好ましくは0〜130℃である。重
合方式としては、ブロック共重合体を得るという意味か
ら、特に、アニオン重合が好ましく用いられる。
【0012】また、上記ブロック共重合体について、ジ
エン系単量体に基づく残存二重結合の一部あるいは全部
を水素添加(水添)して使用することもできる。この場
合、公知の水添触媒が使用可能で、例えば、特開平5―
222115号公報に記載されているような触媒、方法
が挙げられる。ベースポリマーである上記ブロック共重
合体を水添後、後述する方法でスルホン化することもで
きるが、該共重合体をスルホン化したのち、水添しても
よい。
【0013】本発明に使用されるベースポリマーは、好
ましくはジエン系単量体を含有するポリマーユニットA
とオレフィン系単量体を含有するポリマーユニットBを
含有するブロック共重合体である。そのブロック共重合
体の好ましい構造としては、AB型あるいはA(BA)
n型あるいはB(AB)n型あるいは(AB)n型(た
だし、nは好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3さ
らに好ましくは1〜2、特に好ましくは1)である。
本発明に使用されるベースポリマーは、好ましくは、ジ
エンモノマーユニットのブロック鎖(A)および芳香族
モノマーユニットのブロック鎖(B)を有する下記式で
表されるジエン系ブロック共重合体である。また、次の
ような構造のジエン系ブロック共重合体も使用できる。 Bm―(A―B)x―An、Am―Bー(A―B)x―An、
Bm―(A―B)x−A―Bn (ここで、mおよびnは2〜5、好ましくは2〜3、さ
らに好ましくは2であり、xは0〜3、好ましくは0〜
2、さらに好ましくは1である。)
【0014】これらのうちで好ましいのは、AB型、A
BA型、およびBAB型のブロック共重合体である。具
体的に好ましいベースポリマーとしては、例えば、イソ
プレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプ
レン−スチレン三元ブロック共重合体、イソプレンース
チレンーイソプレン三元ブロック共重合体、ブタジエン
−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−
スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエンースチレン
ーブタジエン三元ブロック共重合体およびこれらブロッ
ク共重合体の水素添加物が挙げられる。また、スルホン
化したポリマーの増粘性を低下させない程度であれば、
ジエンモノマ−ユニットのブロック鎖中に、前記芳香族
モノマーあるいは他のモノマーが一部共重合されていて
も良く、また、芳香族モノマーユニットのブロック鎖中
に前記ジエンモノマーあるいは他のモノマーが一部共重
合されていても良い。
【0015】これらベースポリマーあるいはその水添物
のポリスチレン換算の重量平均分子量(以下「Mw」と
いう)は、好ましくは5,000〜1,000,00
0、さらに好ましくは10,000〜500,000、
特に好ましくは20,000〜400,000である。
Mwが5,000未満であると、増粘性が十分でなく、
一方、1,000,000を超えると、スルホン化時に
ゲル化する等の問題が生じる場合があり好ましくない。
【0016】ブロック共重合体において、ジエン系単量
体を含有するポリマーユニットAとオレフィン系単量体
を含有するポリマーユニットBの割合A/Bは、水素添
加してないブロック共重合体の場合は、好ましくは40
〜95/60〜5であり、さらに好ましくは50〜90
/50〜10、特に好ましくは60〜80/40〜20
である。を含有するブロック共重合体である。また、水
素添加したブロック共重合体の場合は、好ましくは5〜
60/95〜40であり、さらに好ましくは10〜50
/90〜50、特に好ましくは20〜40/80〜60
である。
【0017】各ポリマーユニットAおよびBの重合度
は、水素添加してないブロック共重合体の場合は、好ま
しくはAが50以上、Bが20以上であり、さらに好ま
しくはAが100以上、Bが50以上であり、特に好ま
しくはAが200以上、Bが100以上である。また、
水素添加したブロック共重合体の場合は、好ましくはA
が20以上、Bが50以上であり、さらに好ましくはA
が50以上、Bが100以上であり、特に好ましくはA
が100以上、Bが200以上である。
【0018】本発明の増粘剤は、上記ブロック共重合体
からなるベースポリマーを、公知の方法、例えば日本科
学会編集、新実験講座(14巻 III、1773頁)ある
いは、特開平2―227403号公報などに記載された
方法でスルホン化することにより製造することができ
る。
【0019】すなわち、本発明の増粘剤は、上記ベース
ポリマーを、該ポリマー中のジエン系単量体に基づく二
重結合部分あるいは芳香族部分のどちらか一方を、スル
ホン化剤を用いて、優先的にスルホン化することより製
造することができる。なお、(1)水素添加していない
ベースポリマーあるいはジエンユニットが部分的に水素
添加されたベースポリマーを使用する場合には、ジエン
ユニットを優先的にスルホン化することが好ましく、一
方、(2)ジエンユニットが水素添加されたベースポリ
マーでは、芳香族ユニットを優先的にスルホン化するこ
とが好ましい。(1)のように、ジエンユニットを優先
的にスルホン化する場合には、スルホン化剤としては、
無水硫酸と電子供与性化合物との錯体あるいは亜硫酸水
素塩(Na塩、K塩、Li塩など)などを使用すること
が好ましい。また、(2)のように、芳香族ユニットを
優先的にスルホン化するためには、スルホン化剤とし
て、前記錯体の他、無水硫酸、クロルスルホン酸、発煙
硫酸どを使用することが好ましい。
【0020】ここで、電子供与性化合物としては、N,
N−ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ジブチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエ
ーテル類;ピリジン、ピペラジン、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミン類;
ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィドなどのスルフ
ィド類;アセトニトリル、エチルニトリル、プロピルニ
トリルなどのニトリル化合物などが挙げられ、このうち
でもN,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサンが好ま
しい。
【0021】水素添加していないベースポリマーあるい
は部分的に水素添加されたベースポリマーを使用する場
合には、スルホン化剤の量は、ベースポリマー中のジエ
ンユニット1モルに対して、0.5モル以上1.2モル
以下、好ましくは、0.8モル以上1.1モル以下であ
り、0.5モル未満では十分な増粘性が得られない場合
があり、また1.2を超えると、未反応スルホン化剤が
不純物として残るので好ましくない。また、水素添加し
たベースポリマーを使用する場合には、通常、スルホン
化剤の量は、ベースポリマー中のジエンユニット1モル
に対して、0.5モル以上1.2モル以下、好ましく
は、0.8モル以上1.1モル以下であり、0.5モル
未満では十分な増粘性が得られない場合があり、また
1.2を超えると、未反応スルホン化剤が不純物として
残る。
【0022】このスルホン化の際には、無水硫酸、硫酸
などのスルホン化剤に不活性な溶媒を使用することもで
き、この溶媒としては例えばクロロホルム、ジクロロエ
タン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、ジ
クロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタ
ン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;液体二酸化イ
オウ、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロ
ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ジオキサン、テトラヒ
ドロフランなどのエーテル系溶剤、水などが挙げられ
る。これらの溶媒は、適宜、2種以上混合して使用する
ことができる。このスルホン化の反応温度は、通常、−
70〜200℃、好ましくは−30〜50℃であり、−
70℃未満ではスルホン化反応が遅くなり経済的でな
く、一方200℃を超えると副反応を起こし、生成物が
黒色化あるいは不溶化する場合がある。
【0023】本発明の増粘剤に使用されるジエン系ブロ
ック共重合体のスルホン化物は、このスルホン化生成物
に水または塩基性化合物を作用させることにより得られ
る。この塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸
化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、
カリウムメトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カ
リウム−t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシ
ド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなど
の炭酸塩;メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチ
ルリチウム、sec−ブチルリチウム、アミルリチウ
ム、プロピルナトリウム、メチルマグネシウムクロライ
ド、エチルマグネシウムブロマイド、プロピルマグネシ
ウムアイオダイド、ジエチルマグネシウム、ジエチル亜
鉛、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウムなどの有機金属化合物;アンモニア水、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリ
ブチルアミン、ピリジン、アニリン、ピペラジンなどの
アミン類;ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウ
ム、亜鉛などの金属化合物を挙げることができる。これ
らの塩基性化合物は、1種単独で使用することも、また
2種以上を併用することもできる。これらの塩基性化合
物の中では、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水が好
ましく、特に水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸
化カリウムが好ましい。
【0024】塩基性化合物の使用量は、使用したスルホ
ン化剤1モルに対して、好ましくは1.5モル以下、さ
らに好ましくは1.2モル以下であり、2モルを超える
と、未反応アルカリが多く、製品の純度が低下する。こ
の反応の際には、上記塩基性化合物を水溶液の形で使用
することもでき、あるいは塩基性化合物に不活性な有機
溶媒に溶解して使用することもできる。この有機溶媒と
しては、上記各種の有機溶媒のほか、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物;メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エ
チレングリコールなどのアルコール類などが挙げられ
る。これらの溶媒は、適宜、2種以上混合して使用する
ことができる。
【0025】塩基性化合物を水溶液または有機溶媒溶液
として使用する場合には、塩基性化合物濃度は、通常、
1〜70重量%、好ましくは10〜50重量%程度であ
る。また、この反応温度は、通常、−30〜150℃、
好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは+50〜1
00℃で行われ、また常圧、減圧あるいは加圧下のいず
れでも実施することができる。さらに、反応時間は、通
常、0.1〜24時間、好ましくは0.5〜5時間であ
る。
【0027】以上のようなジエン系ブロック共重合体ス
ルホン化物のスルホン酸(塩)基含量は、水素添加して
いないベースポリマーあるいは部分的に水素添加された
ベースポリマーを使用したスルホン化物の場合には、通
常、ジエンユニットの50モル%以上、好ましくは70
モル%以上である。また、水素添加したベースポリマー
を使用したスルホン化物の場合には、通常、芳香族ユニ
ットの50モル%以上、好ましくは、70モル%以上で
ある。いずれの場合も、50モル%未満では、十分な増
粘性が得られない場合がある。
【0028】本発明のジエン系ブロック共重合体スルホ
ン化物の構造は、赤外線吸収スペクトルによってスルホ
ン基の吸収より確認でき、これらの組成比は元素分析な
どにより知ることができる。また、核磁気共鳴スペクト
ルにより、その構造を確認することができる。
【0029】本発明のジエン系ブロック共重合体のスル
ホン化物は、スルホン酸基を有する親水ブロック鎖と芳
香族環あるいはジエンの水添ユニットなどの疎水ブロッ
ク鎖を同一分子内に有することが特徴であり、疎水ブロ
ック鎖が水中で会合することにより増粘性が発現する。
したがって、通常の高分子量タイプの増粘剤とは違っ
て、比較的分子量が低いものでも、十分な増粘性を示
す。また、増粘性は、分子量の変量により制御できるこ
とは言うまでもないが、親水性ブロック鎖あるいは疎水
性ブロック鎖の長さ、配列様式、スルホン酸含量などを
変量することにより、制御することが可能であり、高い
増粘効果を示すものが得られる。また、疎水ブロック鎖
の会合状態が、剪断力、温度などにより変化するため、
増粘性を制御できることも特徴である。
【0030】本発明の増粘剤は、主として、水中で使用
することにより増粘性が発現する。しかしながら、水以
外に、例えば前記した公知の有機溶剤を併用しても問題
ない。また、本発明の増粘剤が有機溶剤に可溶の場合に
は、スルホン酸ブロック(親水)鎖が会合を起こし、同
様な増粘作用を示すため、有機溶剤中で使用することも
できる。
【0031】本発明の増粘剤は他の公知の増粘剤と併用
して使用することも可能である。公知の増粘剤として
は、例えば、前記合成高分子系増粘剤の他、ポリアクリ
ルアミド系高分子、ポリエチレンオキシド系高分子、前
記セルロースエーテル類、前記天然多糖類、ベントナイ
ト、モンモリロナイト、アタパルジャイトなどの無機系
増粘剤などが挙げられる。また、さらに増粘性をアップ
させるために、カルシウム、マグネシウムなどの多価金
属を併用することもできる。
【0032】本発明の増粘剤は、例えば各種ラテックス
や各種顔料を溶解ないし分散させた水系塗料などに使用
することができる。水を分散媒とする各種の水系組成物
に通常0.1〜10重量%程度添加することにより、液
垂れ防止や塗工性の向上などの効果を発現させることが
できる。具体的には、増粘剤を添加することにより組成
物の粘度が増すのみならず、低剪断応力時には粘度が比
較的高く液垂れし難く、高剪断応力時には粘度が相対的
に低下して塗布が容易になるなどのメリットがある。さ
らに建材混合物、特にタイル接着剤、充填化合物、精製
油、殊にタイルおよびセッコウベースの充填剤のセメン
ト接着剤、食品添加物、コンクリート用増粘剤、各種ス
ラリーの増粘剤などに使用できる。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定される
ものではない。なお、実施例中、部および%は、特に断
らない限り重量基準である。実施例および比較例に使用
したジエン系ブロック共重合体を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例1) ガラス製反応容器にジオキサン500gを入れ、これ
に無水硫酸50gを内温を25℃に保ちながら添加し、
2時間攪拌して、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。 別のガラス製反応容器に、ポリマー1―61gをジ
オキサン400gに溶解させた。この中に上記で得ら
れた錯体全量を、内温を25℃に保ちながら添加し、さ
らに2時間攪拌を続けた。 撹拌後、水酸化ナトリウム30gを200ccの水の溶
解した溶液および、メタノール300gを添加し、80
゜cで還流下、4時間撹拌した。撹拌後、減圧下で溶剤
を除去して、主として、ジエンユニットがスルホン化さ
れた増粘剤を得た。
【0036】(実施例2)実施例1において、ベースポ
リマーであるポリマー1をポリマー2―48gに変えた
以外は、実施例1と同様に実施し、主として、ジエンユ
ニットがスルホン化された増粘剤を得た。 (実施例3)実施例1において、ベースポリマーである
ポリマー1をポリマー3―71gに変えた以外は、実施
例1と同様に実施し、主として、ジエンユニットがスル
ホン化された増粘剤を得た。
【0037】(実施例4) ガラス製反応容器に1、2―ジクロルエタン500g
を入れ、これに無水硫酸50gを内温を25℃に保ちな
がら添加し、無水硫酸―1、2―ジクロルエタン溶液を
得た。 別のガラス製反応容器に、ポリマー4―61gを
1、2―ジクロルエタン400gに溶解させた。この中
に上記で得られた溶液全量を、内温を25℃に保ちな
がら添加し、さらに2時間攪拌を続けた。 撹拌後、水酸化ナトリウム30gを200ccの水の溶
解した溶液および、メタノール300gを添加し、80
゜cで還流下、4時間撹拌した。撹拌後、減圧下で溶剤
を除去して、主として、芳香族ユニットがスルホン化さ
れた増粘剤を得た。
【0038】(実施例5)実施例4において、ベースポ
リマーであるポリマー4をポリマー5―48gに変えた
以外は、実施例4と同様に実施し、主として、芳香族ユ
ニットがスルホン化された増粘剤を得た。 (実施例6)実施例4において、ベースポリマーである
ポリマー4をポリマー6―71gに変えた以外は、実施
例4と同様に実施し、主として、芳香族ユニットがスル
ホン化された増粘剤を得た。
【0039】(比較例1)実施例1において、ベースポ
リマーであるポリマー1をポリマー7―71gに変えた
以外は、実施例1と同様に実施し、主として、ジエンユ
ニットがスルホン化された増粘剤を得た。
【0040】(粘度測定)実施例および比較例で得られ
たポリマーを濃度が1%および2%になるようにイオン
交換水に溶解した。溶解後の粘度を、B型粘度系を用い
て、25゜cで測定した。結果を表2に示す。本発明の
増粘剤は、分子量が数万から数十万と比較的低いにもか
かわらず、増粘作用が大きいことがわかる。
【0041】
【表2】
【0042】(発明の効果)本発明の増粘剤は、優れた
増粘効果を有しており、ラテックス、水系塗料、各種ス
ラリーなどに増粘性を付与できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 克廣 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】疎水性ポリマーユニットとスルホン酸基含
    有親水性ポリマーユニットとを含有するブロック共重合
    体からなる増粘剤。
  2. 【請求項2】ジエン系単量体を含有するポリマーユニッ
    トとオレフィン系単量体を含有するポリマーユニットを
    含有するブロック共重合体あるいはその水素添加物をス
    ルホン化してなることを特徴とする請求項1記載の増粘
  3. 【請求項3】ジエン系単量体を含有するポリマーユニッ
    トAとオレフィン系単量体を含有するポリマーユニット
    Bを含有するブロック共重合体が、AB型あるいはA
    (BA)n型あるいはB(AB)n型あるいは(AB)
    m型(ただし、nは1〜3、mは2〜3)であることを
    特徴とする請求項2記載の増粘剤
JP5882998A 1998-02-24 1998-02-24 増粘剤 Pending JPH11241060A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005218761A (ja) * 2004-02-09 2005-08-18 Seed Co Ltd 香料含有ゲル
JP2010018660A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Hymo Corp ダイラタンシー性を誘起する水溶性ブロック状共重合体及びダイラタンシー性組成物
WO2021149334A1 (ja) 2020-01-22 2021-07-29 国立研究開発法人産業技術総合研究所 増粘剤

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JP2010018660A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Hymo Corp ダイラタンシー性を誘起する水溶性ブロック状共重合体及びダイラタンシー性組成物
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