JPH10346A - 分散剤 - Google Patents

分散剤

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JPH10346A
JPH10346A JP8151058A JP15105896A JPH10346A JP H10346 A JPH10346 A JP H10346A JP 8151058 A JP8151058 A JP 8151058A JP 15105896 A JP15105896 A JP 15105896A JP H10346 A JPH10346 A JP H10346A
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JP
Japan
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repeating unit
polymer
weight
dispersant
sulfonic acid
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JP8151058A
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English (en)
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Minoru Kuzutani
稔 葛谷
Shigeo Kiuchi
茂夫 木内
Satoru Kasai
覚 笠井
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳化重合等に使用される分散剤であって、優
れた分散性能を有し、得られるポリマーの物性および性
状に対し悪影響を与えない分散剤を提供する。 【解決手段】 下記の式(化1)で表される繰り返し単
位1および下記の式(化2)で表される繰返し単位2を
必須構成要素とし、前記繰り返し単位1と繰り返し単位
2のモル比が、繰り返し単位1/繰り返し単位2=98
/2〜80/20の範囲であり、重量平均分子量が20
00〜100万の範囲であるポリマーからなる分散剤で
ある。この分散剤は、分散性能が高く、着色および発泡
のおそれがない。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳化重合もしくは
懸濁重合において、原料となる単量体を分散させ、また
生成した重合物(ポリマー)の分散を安定させるのに使
用される分散剤に関する。
【0002】
【従来の技術】乳化重合は、例えば、水に難溶性の各種
エチレン性不飽和単量体または共役ジエン系不飽和単量
体等を単独又は混合物として分散させ、この状態で重合
を行うものであり、この場合、重合場を与えたり生成ラ
テックスエマルジョンに分散安定性を付与するために乳
化剤が用いられる。
【0003】この乳化重合用乳化剤としては、例えば、
直鎖アルキル硫酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、高級
脂肪酸塩、樹脂酸塩等のアニオン性界面活性剤や、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸
エステル、プルロニック型界面活性剤等の非イオン界面
活性剤が単独もしくは混合物として使用される。
【0004】しかしながら、従来の界面活性剤では、生
成したラテックスエマルジョンの安定性が不十分な場合
が多く、例えば合成ゴムであるスチレンブタジエンゴム
(SBR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)もしく
はクロロプレンゴム(CR)等のラテックスエマルジョ
ンを乳化重合で得ようとする場合、上記界面活性剤だけ
では得られたラテックスエマルジョンの安定性が極めて
悪く、重合時に多量の凝集物が発生したり、長期保存中
もしくは輸送中にゲル化したり、凍結安定性が不十分で
ある等の問題があった。そこで、この問題を解決するた
めに、前記乳化剤に加え、分散剤の使用が提案され、一
部で実施されている。例えば、特開昭49−37118
号公報もしくは特開昭55−142019号公報におい
てアルキルナフタレンスルホン酸もしくはナフタレンス
ルホン酸のホルマリン縮合物が、分散剤として提案され
ている。
【0005】しかし、これらの分散剤の使用により、従
来と比較して分散性の若干の向上が認められるものの、
ナフタレン環を有することからエマルジョン系が着色す
るという問題がある。このため、この分散剤は、着色を
嫌う用途には使用できず、用途が限定されていた。
【0006】この他に、特開平1−268704号公報
において、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法に
よる平均分子量が1000〜10万であるポリスチレン
をスルホン化(スルホン化度0.45〜0.75)して
得られるポリスチレンスルホン酸塩を、分散剤として用
いることが提案されている。この分散剤は、着色の問題
がないが、重合時のエマルジョン系の安定性が悪く、ま
た重合時に発泡するという問題がある。
【0007】さらに、特開平3−203901号公報に
おいて、重量平均分子量が2000〜10万のポリスチ
レンスルホン酸塩(スルホン化率80〜95%)が、分
散剤として提案されている。しかし、この分散剤は、重
合時の発泡の問題は改善されるが、分散性において問題
がある。
【0008】他方、懸濁重合は、乳化剤を使用せず、分
散剤のみを使用し、原料モノマーを分散(懸濁)した状
態で重合を行うものであるが、この懸濁重合もしくは前
記乳化重合に使用される従来の分散剤は、分散性が未だ
十分とはいえず、これの向上が分散剤の共通の課題とな
っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
問題を解決し、優れた分散性能を有し、生成するラテッ
クスエマルジョンの安定性をより向上させるとともに得
られるポリマーの物性および性状に対し悪影響を与えな
い分散剤を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の分散剤は、前記の式(化1)で表される繰
り返し単位1および前記の式(化2)で表される繰返し
単位2を必須構成要素とし、前記繰り返し単位1と繰り
返し単位2のモル比が、繰り返し単位1/繰り返し単位
2=98/2〜80/20の範囲であり、重量平均分子
量が2000〜100万の範囲であるポリマーからな
る。
【0011】このように、本発明の分散剤は、特殊なス
ルホン酸(またはその塩)基を含有する芳香族系ポリマ
ーからなるものであり、ベンゼン環のオルト位にスルホ
ン酸(またはその塩)基が結合した前記繰返し単位2
と、ベンゼン環のメタ位またはパラ位にスルホン酸(ま
たはその塩)基が結合した前記繰返し単位1とをポリマ
ー中に特定の割合で有し、かつ重量平均分子量が特定範
囲のものである。この特殊なポリマーからなる本発明の
分散剤は、分酸性が極めて高く、これを用いることによ
り、重合時の分散性および生成したラテックスエマルジ
ョンの分散性および安定性を極めて良好とする。また、
本発明の分散剤は、着色することがなく、また重合時の
発泡も抑制されるものである。このため、本発明の分散
剤は、得られるポリマーの物性および性状に悪影響を及
ぼすおそれがない。
【0012】なお、本発明にかかる前記ポリマーは、ラ
ンダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を詳しく説明す
る。本発明の分散剤は、前記式(化1)で表される繰返
し単位1および前記式(化2)で表される繰返し単位2
を必須構成要素とするポリマーからなる。
【0014】前記繰返し単位2の形態としては、前記式
(化2)において、例えば、nが0の場合、SO3 M基
は、ベンゼン環の2位又は6位のいずれかにあり、nが
1の場合、(イ)1つのSO3 M基がベンゼン環の2位
にあり、もう1つのSO3 M基が6位にある場合と、
(ロ)1つのSO3 M基がベンゼン環の2位又は6位の
いずれかにあり、もう1つのSO3 M基がベンゼン環の
3〜5位のいずれかにある場合とがあげられる。
【0015】また、本発明にかかるポリマーを構成する
必須モノマー単位としては、例えばスチレンスルホン酸
またはその塩、α−メチルスチレンスルホン酸またはそ
の塩等があげられ、これらは単独または併用することが
できる。このうちの2〜20モル%、好ましくは3〜1
5モル%がオルト位にスルホン酸基を有する繰返し単位
2であり、残りが繰返し単位1である。これは、繰返し
単位2の量が、2モル%未満では分散性能が不十分とな
り、一方、20モル%を越える場合にも同様に分散性能
が満足されない場合があるからである。
【0016】また、前記スチレンスルホン酸塩およびα
−メチルスチレンスルホン酸塩の構成材料となる塩基性
物質としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸
化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等
のアルカリ土類金属水酸化物、アンモニアまたはアンモ
ニア水、もしくはモノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、モルホリン、エチルア
ミン、ブチルアミン、ヤシ油アミン、牛脂アミン、エチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、ポリエチレンイミン等の有機アミン、または
これらのポリエチレンオキシド付加物を用いることがで
きる。このなかでも、分散安定性の理由から、水酸化ナ
トリウムが好ましい。
【0017】本発明にかかるポリマーは、前記繰返し単
位1および繰返し単位2のみから構成することができる
が、所望により他の繰返し単位を共重合させることもで
きる。このような他の繰返し単位としては、次のモノマ
ーが挙げられる。例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン等の芳香族炭化
水素モノマー、ビニルトルエンスルホン酸またはその
塩、ビニルナフタレンスルホン酸またはその塩等の芳香
族スルホン酸モノマー、ブタジエン、イソプレン、ペン
タジエン、シクロペンタジエン等の共役ジエン類、ブタ
ジエン、イソプレン、ペンタジエン、シクロペンタジエ
ン等の共役ジエンのスルホン化物またはその塩、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、イソブチレン等のオレフィン
類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール
酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸またはこれ
らの酸の一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有
機アミン塩、およびこれらの酸とアルコール、ポリエチ
レングリコール、イセチオン酸等の水酸基含有化合物と
のエステル類が挙げられる。これらの他のモノマーは、
単独もしくは2種以上を併用することができる。このな
かで、分散安定性の理由から、アクリル酸が好ましい。
【0018】上記他のモノマーを導入する場合、前記繰
返し単位1および繰返し単位2のポリマー全体に対する
含有割合は、通常50重量%以上、好ましくは70〜9
8重量%である。すなわち、50重量%未満では得られ
るポリマーの分散性能等が十分でなくなるおそれがある
からである。
【0019】本発明にかかるポリマーは、前記繰返し単
位1および繰返し単位2を誘導できるモノマー、必要に
応じ前記他のモノマーを、公知の方法、例えば、ラジカ
ル重合、アニオン重合、カチオン重合などにより重合し
て得られる。前記ポリマーの具体的な製造方法として
は、以下に示す(1)〜(4)の4種類の方法が一般的
である。 (1)スルホン酸基を有さない繰返し単位1に対応する
モノマーを重合した後、スルホン化する方法。 (2)スルホン酸基を有さない繰返し単位1に対応する
モノマーと他のモノマーとを共重合した後、スルホン化
する方法。 (3)繰返し単位1および繰返し単位2のスルホン酸基
を含んだモノマーを共重合する方法。 (4)繰返し単位1および繰返し単位2のスルホン酸基
を含んだモノマーと他のモノマーとを共重合する方法。
【0020】これらの方法のなかで、工業的には、上記
(1)および(2)の方法で行うのが、経済的であり好
ましい。本発明にかかるポリマーの重量平均分子量は、
通常、2000〜100万、好ましくは5000〜20
万、さらに好ましくは1万〜10万である。すなわち、
重量平均分子量が、2000未満では、乳化重合で生成
したラテックスエマルジョンへの吸着が不十分で分散性
能が劣り、一方、重量平均分子量が100万を越えると
重合時の粘度が上昇するため好ましくない。
【0021】本発明において、得られるポリマー中の繰
返し単位1および繰返し単位2の量(モル比)を前記特
定の範囲とするには、例えば、p−スチレンスルホン酸
ナトリウムおよびm−スチレンスルホン酸ナトリウムの
少なくとも一つと、o−スチレンスルホン酸とを特定の
割合で共重合する方法や、ポリスチレンを無水硫酸によ
りスルホン化する方法などの方法を採用するのが好まし
い。
【0022】本発明にかかるポリマー中の繰返し単位1
および繰返し単位2の含有割合は、例えば、元素分析お
よびNMRスペクトル測定によりベンゼン環の特定位置
にあるスルホン酸基の割合を算出して、求めることがで
きる。例えば、前記繰返し単位1においてスルホン酸基
がパラ位にあり、前記繰返し単位2においてスルホン酸
基がオルト位のみにある場合、先ず、ポリマー中の全ス
ルホン酸基含有量を元素分析計測定による炭素原子と硫
黄原子の比より算出し、さらに、パラ位に結合したスル
ホン酸基の量を、NMRスペクトル測定による芳香族環
のプロトン比から算出し、前記全スルホン酸基含有量か
ら前記パラ位に結合したスルホン酸基の量を差し引いて
オルト位に結合したスルホン酸基の量として、繰返し単
位2の量を求め、差し引きの残量を繰返し単位1の量と
し、これらの値から前記割合を算出することができる。
【0023】また本発明にかかるポリマーの重量平均分
子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GP
C)により測定できる。本発明の分散剤は、希釈水溶液
(濃度5〜30重量%)や濃縮水溶液(濃度30〜60
重量%)、もしくは常法により乾燥して粉体として実用
に供される。
【0024】本発明の分散剤を用いる乳化重合は、公知
の方法により行うことができる。例えば、モノマー10
0重量部に対し、水60〜500重量部、乳化重合用乳
化剤0.5〜10重量部、本発明の分散剤0.5〜10
重量部、適量の重合開始剤、さらに必要に応じて無機
塩、連鎖移動剤を添加し窒素雰囲気下で適当な温度を設
定して重合反応を行う。なお、ここで使用されるモノマ
ーとしては、イソプレン、ブタジエン、2ーシアノブタ
ジエン等の共役ジエン類、クロロプレン、1ークロロブ
タジエン、2,3ージクロロブタジエン等のハロゲン化
共役ジエン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲ
ン化ビニル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、メチ
ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエ
ーテル類、スチレン、αーメチルスチレン等の芳香族ビ
ニル類、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のアクリル酸又は
メタクリル酸エステル類を挙げることができる。これら
のモノマーは単独でもしくは必要に応じて2種以上の混
合物として用いることも可能である。
【0025】また、本発明の分散剤を用いる懸濁重合
も、従来公知の方法により行うことができる。例えば、
モノマー100重量部に対し、水60〜500重量部、
本発明の分散剤0.01〜10重量部、好ましくは、
0.1〜5重量部、適量の重合開始剤、さらに必要に応
じて無機塩、連鎖移動剤を添加し窒素雰囲気下で適当な
温度を設定して重合反応を行う。なお、この懸濁重合で
使用されるモノマーは、前記モノマーが使用できる。
【0026】
【実施例】つぎに、実施例について比較例と併せて説明
する。まず、下記の合成例1〜3により、実施例のポリ
マー(A〜L)および比較例のポリマー(イ〜ロ)を合
成した。なお、前記ポリマー(A〜L、イ〜ロ)の重量
平均分子量、繰返し単位1と繰返し単位2の比率、スル
ホン酸基の導入率のそれぞれの測定方法を、以下に示
す。
【0027】(1)ポリマーの重量平均分子量 標準物質として標準ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
を用い、分離カラムとしてTSK−G3000SWとG
4000SW(7.5mmID×30cm、東ソー社
製)を使用し、紫外線検出器(測定波長238nm)を
用いてGPC法により求めた。
【0028】(2)繰返し単位1と繰返し単位2の比
率、スルホン酸基の導入率 ポリマーが芳香族炭化水素モノマーのホモポリマーのス
ルホン化物の場合は、元素分析計(EA−1108型、
カルロエルバ社製)により測定した炭素原子と硫黄原子
の比から芳香環1ユニット当たりのスルホン酸基導入率
を計算した(この水溶性ポリマー中に硫酸塩を含む場合
は、イオンクロマトグラフィーでその量を定量し、その
硫黄原子量を元素分析計で得た硫黄原子量より差し引い
た。)。
【0029】芳香環のパラ位のスルホン酸基導入率は、
1H−NMRスペクトル(測定機、JNM−EX270
型、日本電子社製)を測定し、7.6ppm付近のピー
ク強度(a)と8.1ppm付近のピーク強度(b)か
ら(b/2)/(a/3+b/2)×100として求め
た。芳香環のオルト位のスルホン酸基の導入率は、元素
分析計で求めたスルホン酸基の導入率からパラ位の導入
率を差し引いた値をその導入率とした。
【0030】また、ポリマーが芳香族炭化水素モノマー
と共役ジエンとの共重合体のスルホン化物の場合は、共
役ジエンモノマーユニットのスルホン酸基導入率を10
0%とし、芳香族炭化水素モノマーユニットのスルホン
酸基導入率を元素分析計により測定した炭素原子と硫黄
原子の比から計算した(この水溶性ポリマー中に硫酸塩
を含む場合は、イオンクロマトグラフィーでその量を定
量し、その硫黄原子量を元素分析計で得た硫黄原子量よ
り差し引いた。)。芳香環のパラ位のスルホン酸基導入
率は、 1H−NMRスペクトル(測定機は上記と同様)
を測定し、7.6ppm付近のピーク強度(a)と8.
1ppm付近のピーク強度(b)から(b/2)/(a
/3+b/2)×100として求めた。芳香環のオルト
位のスルホン酸基の導入率は、元素分析計で求めたスル
ホン酸基の導入率からパラ位の導入率を差し引いた値を
その導入率とした。
【0031】(合成例1)重量平均分子量7000のポ
リスチレン100重量部を1,2−ジクロロエタン40
0重量部に溶解し、さらにアセトフェノン1.0重量部
を添加して原料溶液を調製した。この原料溶液をタービ
ン型撹拌機付きのスルホン化反応器にスルホン化剤であ
るSO3 とともに連続的に供給して、45℃でスルホン
化反応を行った。この場合、供給速度は、原料溶液が2
4g/分、SO3 が4.25g/分である。また、ポリ
スチレン中のスチレン単位に対するSO3 のモル比は
1.15である。前記反応器はジャケット付きで容量4
00mlである。得られたスルホン化物を10%水酸化
ナトリウム水溶液で中和後、分離、濃縮し、ポリスチレ
ンスルホン酸ナトリウム水溶液(ポリマー:A)を得
た。
【0032】得られたポリスチレンスルホン酸ナトリウ
ム(ポリマー:A)の重量平均分子量は14000、ス
チレン単位に対する全スルホン酸基導入率は102%、
パラ位へのスルホン酸基導入率は90%、オルト位への
スルホン酸基導入率は12%であった。
【0033】他方、ポリマー:C、D、H、I、J、K
およびLの合成は、下記の表1に示す原料を同表に示す
割合で使用した以外は、前記ポリマー:Aと同様の操作
により行った。
【0034】(合成例2)スチレン10重量部、p−ス
チレンスルホン酸ナトリウム80重量部、o−スチレン
スルホン酸ナトリウム10重量部を、精製水400重量
部に懸濁させた。これを窒素置換した後、過硫酸カリウ
ム0.8重量部および過硫酸アンモニウム1.5重量部
を加え、50℃で6時間重合させてポリスチレンスルホ
ン酸ナトリウム(ポリマー:B)を合成した。
【0035】得られたポリスチレンスルホン酸ナトリウ
ム(ポリマー:B)の重量平均分子量は100000で
あった。他方、ポリマー:E、F、G、イ、ハおよびニ
の合成は、下記の表1に示す原料を同表に示す割合で使
用した以外は、前記ポリマー:Bと同様の操作により行
った。
【0036】(合成例3)重量平均分子量20000の
ポリスチレン100重量部を、1,2−ジクロロエタン
400重量部に溶解後、濃硫酸1,000重量部を加え、
80℃で3時間撹拌した。反応混合物を1,000重量部
の水で希釈後、水酸化ナトリウム水溶液で中和した。濃
縮後、再結晶法により硫酸ナトリウムを除去して、ポリ
スチレンスルホン酸ナトリウム水溶液を得た。
【0037】得られたポリスチレンスルホン酸ナトリウ
ム(ポリマー:ロ)の重量平均分子量は40000、ス
チレン単位に対する全スルホン酸基導入率は100%、
パラ位へのスルホン酸基導入率は60%、オルト位への
スルホン酸基導入率は40%であった。
【0038】
【表1】
【0039】このようにして得られた実施例のポリマー
(A〜L)、比較例のポリマー(イ〜ロ)の芳香環への
スルホン酸基導入率、繰返し単位1と繰返し単位2との
モル比、重量平均分子量(Mw)、重量平均分子量と数
平均分子量との比(Mw/Mn)を下記の表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】(実施例1)温度計、窒素導入管、撹拌
機、還流冷却管、滴下ロートを備えた反応容器にスチレ
ンモノマー100重量部、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル硫酸ナトリウム1.0重量部、分散剤(ポリマ
ー:A)1.0重量部、ドデシルメルカプタン0.25
重量部、およびイオン交換水100重量部を仕込み窒素
置換した。さらに反応容器に触媒として過硫酸カリウム
の0.5重量%水溶液を1.0重量部滴下し、窒素還流
下40℃にて重合を行った。
【0042】重合転化率70%のところで、t−ブチル
カテコールおよびフェノチアジンを各々0.01重量部
反応容器に添加し、重合を停止させ、ラテックスエマル
ジョンを得た。
【0043】(実施例2〜12)ポリマー:Aに代え
て、ポリマー:B〜Lを用いた以外は、実施例1と同様
の方法により乳化重合を行い、ラテックスエマルジョン
を得た。
【0044】(実施例13〜24)スチレンモノマーに
代えて下記表3に示すモノマーを用い、ポリマー:Aに
代えて同表に示すポリマーを用いた以外は、実施例1と
同様の方法により乳化重合を行い、ラテックスエマルジ
ョンを得た。
【0045】(実施例25)温度計、窒素導入管、撹拌
機、還流冷却器、滴下ロートを備えた反応容器にスチレ
ンモノマー100重量部、分散剤(ポリマー:A)1.
0重量部、およびイオン交換水200重量部を仕込み窒
素置換した。さらに反応容器に触媒としてアゾビスイソ
ブチロニトリルの0.5重量%水溶液を1.0重量部滴
下し、窒素還流下40℃にて重合を行なった。
【0046】重合添加率70%のところで、t−ブチル
カテコールおよびフェノチアジンを各々0.01重量部
反応容器に添加し、重合を停止させ、ポリマー分散水溶
液を得た。
【0047】(比較例1〜4)ポリマー:Aに代えてポ
リマー:イ〜ニを用いた以外は、実施例1と同様の方法
により乳化重合を行い、ラテックスエマルジョンを得
た。
【0048】(比較例5)ポリマー:Aを添加しない以
外は、実施例1と同様の方法により乳化重合を行いラテ
ックスエマルジョンを得た。
【0049】このようにして得られたラテックスエマル
ジョンについて、下記の方法により凝集性、発泡性およ
び着色性を評価した。その結果を、実施例1〜25につ
いては、下記の表3に、比較例1〜5については下記の
表4に示す。
【0050】(1)凝集性 ラテックスエマルジョンを80メッシュの篩で濾過し、
濾過残量を水で洗浄後乾燥して凝集物を得た。この凝集
物の仕込みモノマーに対する割合(重量%)算出し、こ
の値で凝集性を評価した。 (2)発泡性 ラテックスエマルジョンを100ccのエプトン管に4
0ccサンプリングし、約5秒間で10回振とうした後
の泡の容積(cc)から以下の基準で評価した。
【0051】 ○:泡の容積0〜1cc △:泡の容積1〜3cc ×:泡の容積3cc以上 (3)着色性 目視により判定した。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】上記表3から、実施例のポリマーを分散剤
として使用したラテックスエマルジョンでは、凝集物の
生成および発泡が抑制され、無着色であった。また、実
施例の乳化重合および懸濁重合において、モノマーの分
散性も良好であった。これらの結果から、実施例のポリ
マーを分散剤として使用すれば、乳化重合および懸濁重
合において、モノマーおよび得られるラテックスエマル
ジョンの分散性を良好にすることができ、また得られる
ポリマーの物性や性状に悪影響を与えることがないとい
える。これに対し、上記表4から、比較例のポリマーを
分散剤として用いると、発泡は抑制されるが、凝集物が
生成した。特に、分散剤を使用しない比較例5では、凝
集物が多量に生じた。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の分散剤は、優れ
た分散性能を有し、発泡が抑制され、かつ無着色のもの
である。このため、これを乳化重合もしくは懸濁重合に
使用すれば、モノマーおよび得られるラテックスエマル
ジョンを良好に分散させることができ、凝集物の生成を
防止でき、さらに得られるるポリマーの物性や性状に悪
影響を及ぼさない。このため、本発明の分散剤の使用に
より、乳化重合もしくは懸濁重合により得られるラテッ
クスエマルジョンの品質を向上させることが可能とな
り、またその製造コストの低減を期待できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(化1)で表される繰り返し単
    位1および下記の式(化2)で表される繰返し単位2を
    必須構成要素とし、前記繰り返し単位1と繰り返し単位
    2のモル比が、繰り返し単位1/繰り返し単位2=98
    /2〜80/20の範囲であり、重量平均分子量が20
    00〜100万の範囲であるポリマーからなる分散剤。 【化1】 【化2】
JP8151058A 1996-06-12 1996-06-12 分散剤 Pending JPH10346A (ja)

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