JPH09188707A - 乳化重合用分散剤 - Google Patents

乳化重合用分散剤

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JPH09188707A
JPH09188707A JP289996A JP289996A JPH09188707A JP H09188707 A JPH09188707 A JP H09188707A JP 289996 A JP289996 A JP 289996A JP 289996 A JP289996 A JP 289996A JP H09188707 A JPH09188707 A JP H09188707A
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styrene
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weight
emulsion polymerization
sulfonation
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JP289996A
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Satoru Kasai
覚 笠井
Shigeo Kiuchi
茂夫 木内
Noriko Anabuki
典子 穴吹
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Original Assignee
Lion Corp
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
    • C08F2/16Aqueous medium
    • C08F2/22Emulsion polymerisation
    • C08F2/24Emulsion polymerisation with the aid of emulsifying agents
    • C08F2/26Emulsion polymerisation with the aid of emulsifying agents anionic

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳化重合時には発泡性を抑え、生成するエマ
ルジョンラテックスの安定性をより向上させるとともに
ポリマー物性及び性状に対し悪影響を与えない乳化重合
用分散剤を提供すること。 【解決手段】 重量平均分子量2,000〜100万で
あり、かつ分子量分布(Mw/Mn)2.0〜2.8である
水溶性スチレン系重合体のスルホン化物及び/又はその
塩からなる乳化重合用分散剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エマルジョンラテ
ックスの製造に用いられるアニオン性乳化重合用分散剤
として優れた、分子量分布がシャープな水溶性スチレン
系重合体スルホン化物からなる乳化重合用分散剤に関す
るものである。
【従来の技術】乳化重合は、一般に水に難溶性の各種エ
チレン性不飽和単量体又は共役ジエン系不飽和単量体等
を単独又は混合物として水溶性媒体中で重合せしめるも
のであり、この場合、重合場を与えたり生成エマルジョ
ンラテックスに分散安定性を付与するために乳化剤が用
いられる。乳化重合用乳化剤としては、直鎖アルキル硫
酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸塩、高級脂肪酸塩、樹脂
酸塩等のアニオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、プル
ロニック型界面活性剤等の非イオン界面活性剤が単独あ
るいは混合物として従来から使用されている。
【0002】しかしながら上記の界面活性剤では、エマ
ルジョンラテックスの安定性が不十分な場合が多く、例
えば合成ゴムであるSBR、NBR或いはCR等のラテ
ックスを乳化重合で得ようとする場合、上記界面活性剤
だけでは得られたエマルジョンラテックスの安定性が極
めて悪く、重合時に多量の凝集物が発生したり、長期保
存中あるいは輸送中にゲル化したり、凍結安定性が不十
分である等の問題があった。そこで重合用乳化剤として
機能する薬剤のほかに分散剤として機能する薬剤とし
て、特開昭49−37118号公報、同55−1420
19号公報にアルキルナフタレンスルホン酸あるいはナ
フタレンスルホン酸のホルマリン縮合物が提案されてい
る。しかし上記の分散剤は、分散性能は相応の効果が見
られるものの、ナフタレン環を持っていることから系が
着色するため、着色を嫌う用途には使用できないという
欠点があった。また、特開平1−268704号公報に
は、GPC法によって測定した平均分子量が1000〜
10万であるポリスチレンをスルホン化して得られるス
ルホン化度0.45〜0.75のポリスチレンスルホン酸の
塩を、乳化重合用分散剤として用いることが提案されて
いる。しかしこれらの場合は、着色がなく、分散性能も
相応の効果が見られるが、重合時に系の安定性が劣化し
たり、重合時に発泡するという問題があった。さらに特
開平3−203901号公報には、重量平均分子量が2
000〜10万であるスルホン化ポリスチレンで、スル
ホン化率が80〜95%のポリスチレンスルホン酸の塩
を、乳化重合用分散剤として用いることにより発泡性を
改善することが提案されているが、これらの場合は、重
合時の発泡性は抑えられ、分散性能も相応の効果が見ら
れるが、分子量分布(Mw/Mn)が広く、その分子量
分布増大の原因であるスルホン架橋体が重合の系を増粘
させたり、分散性能を損なうため、未だ不十分であり、
一層の改善が待たれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、乳化重合時
には発泡性を抑え、生成するエマルジョンラテックスの
安定性をより向上させるとともにポリマー物性及び性状
に対し悪影響を与えない乳化重合用分散剤を提供するこ
とを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明は、分子量分布が
シャープなスチレン系重合体を原料とし、スチレン系重
合体とエーテル化合物及び/又はカルボニル基含有化合
物を溶解してなるスルホン化試薬に不活性な溶媒に、ス
ルホン化試薬を導入してスルホン化し、その後所望によ
り中和することにより、これまでに得られていない分子
量分布がシャープな水溶性スチレン系重合体スルホン化
物が得られ、これを乳化重合用分散剤として使用すると
上記課題を解決できるとの知見に基づいてなされたので
ある。すなわち、本発明は、重量平均分子量2,000
〜100万であり、かつ分子量分布(Mw/Mn)2.0
〜2.8である水溶性スチレン系重合体のスルホン化物及
び/又はその塩からなることを特徴とする乳化重合用分
散剤を提供する。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるスチレン系重
合体は、分子量分布(Mw/Mn)が2.0〜2.8のシャ
ープなものであり、種々の分子量のスチレン系重合体を
用いることができ、かかるスチレン系重合体は単独又は
2種以上を混合したものが使用できる。使用するスチレ
ン系重合体の重量平均分子量は1,000〜50万、好
ましくは2,000〜10万、より好ましくは5,00
0〜5万のものを使用するのがよい。本発明で使用する
スチレン系重合体としては、ポリスチレンだけでなく、
ポリα−メチルスチレン、スチレン−α−メチルスチレ
ン共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレン
ーイソプレン共重合体、スチレンーアクリル系共重合等
を用いることができる。スルホン化試薬に不活性な溶媒
としては、炭素数1〜2の脂肪族ハロゲン化炭化水素が
好ましく用いられる。このようなハロゲン化炭化水素の
具体例としては、メチレンジクロリド、クロロホルム、
四塩化炭素、塩化エチル、1,1−ジクロルエタン、
1,2−ジクロルエタン、1,1,2,2−テトラクロ
ルエタン、エチレンジブロミド、等のスルホン化試薬に
不活性なものがあげられる。ハロゲン化炭化水素の炭素
数が3以上になると、スルホン化剤の溶解性が悪くなり
好ましくない。
【0005】溶媒の使用量はスチレン系重合体1重量部
に対して1〜30重量部程度が適当である。本発明で用
いるスルホン化物を製造するには、スルホン化試薬に不
活性な溶媒中にスチレン系重合体を溶解させるととも
に、添加剤としてエーテル化合物及び/又はカルボニル
基含有化合物をスチレン系重合体100重量部当たり、
0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好
ましくは0.1〜1重量部添加してこれらを溶解する。こ
の添加剤としては、溶媒と完全に混ざり合い均一系とな
るものが好ましい。添加剤が0.1重量部未満では分子内
又は分子間スルホン架橋が起こりやすく、添加の効果が
小さい。一方、10重量部を超えると、スルホン化試薬
がスチレン系重合体に有効に反応しなくなり、スルホン
化率が低下する。スルホン化の際に用いるエーテル化合
物及び/又はカルボニル基含有化合物としては、種々の
有機化合物を用いることができる。このうちエーテル化
合物としては、炭素数が3〜21のアルキルエーテル、
アルキルアリールエーテル、アリールエーテル、ジオキ
サン、フラン等があげられ、又ポリアルキレングリコー
ル、そのモノ又はジエーテル若しくはエステル、そのサ
ルフェートなどがあげられる。これらのうち、好ましい
エーテル化合物としては、式(1)及び(2)で表され
るものがあげられる。
【0006】
【化1】 R1 −O−R2 (1) A1 −O−(R3 −O)n −A2 (2) (式(1)中、R1 とR2 は、それぞれ独立に炭素数1
〜10のアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基
を表し、式(2)中、A1 とA2 は、それぞれ独立に水
素、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、炭素数
1〜9のアルキル基を1〜3個置換基として有するアル
キルフェニル基又は−SO3 M基を表し、Mは水素、ア
ルカリ金属又はアンモニウム基を表し、R3 は炭素数2
〜4のアルキレン基を、nは1〜10の数を表す。) 式(1)のエーテル化合物としては、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニ
ソール、ジフェニルエーテル、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン等があげられ、式(2)のエーテル化合物とし
ては、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリ
コール類、ポリオキシエチレングリコールアルキルエー
テル類、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェニ
ルエーテル類、ポリエチレングリゴールジサルフェート
類があげられる。
【0007】又、カルボニル基含有化合物としては、炭
素数が3〜21のアルキルケトン、アルキルアリールケ
トン、アリールケトンなどのケトン化合物及び炭素数が
2〜11の脂肪族カルボン酸、アリールカルボン酸など
のカルボン酸化合物、これらのエステルなどのエステル
化合物があげられる。又、アルデヒド類も使用すること
ができるが、ケトン化合物、カルボン酸化合物やエステ
ル化合物を用いるのが好ましい。これらのうち、好まし
いカルボニル基含有化合物としては、式(3)及び
(4)で表されるものがあげられる。
【化2】 R1 −CO−R3 (3) R1 −COOX (4) (式(3)中、R1 とR3 は、それぞれ独立に炭素数1
〜10のアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル基
を表し、式(4)中、R1 は炭素数1〜10のアルキル
基、シクロアルキル基、フェニル基、炭素数1〜9のア
ルキル基を1〜3個置換基として有するアルキルフェニ
ル基を表し、Xは水素、炭素数1〜10のアルキル基、
シクロアルキル基又は−COR2 を表し、R2 は炭素数
1〜10のアルキル基、シクロアルキル基又はフェニル
基を表す。)
【0008】式(3)のケトン化合物としては、アセト
ン、アセトフェノン、アセチルアセトン、ジフェニルケ
トン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メ
チルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル
イソブチルケトン等があげられ、式(4)のカルボン酸
化合物又はエステル化合物としては、安息香酸、安息香
酸エステル類、イソフタル酸、無水フタル酸、酢酸、無
水酢酸、酢酸エステル類、プロピオン酸、無水プロピオ
ン酸、プロピオン酸エステル類、酪酸、無水酪酸、酪酸
エステル類、吉草酸、吉草酸エステル類、シクロヘキシ
ルカルボン酸等があげられる。上記化合物のうち、分子
中に芳香族炭化水素基を有するカルボン酸類、ケトン類
及びエーテル類が特に好ましい。スルホン化試薬として
は、無水硫酸、発煙硫酸等のスルホン化試薬を用いて任
意の方法でスルホン化できるが、無水硫酸が特に好まし
い。スチレン系重合体スルホン化物のスルホン化率は、
スルホン化時のスチレン系重合体とスルホン化試薬のモ
ル比を調製することでコントロールできる。スルホン化
率は80〜95%のスチレン系重合体スルホン化物が好
適に使用できる。
【0009】スルホン化反応により、水溶性スチレン系
重合体スルホン化物がスルホン化試薬に不活性な溶媒中
に分散した状態で得られる。このスルホン化物を所望に
より、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩
やアンモニウム塩等の中和剤によって中和し、溶媒分離
することにより、分子量分布がシャープなスチレン系重
合体スルホン化物の塩を得ることができる。ここで中和
剤の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム等の
アルカリ土類金属塩、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノール
アミン、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン等のアミン塩、アミン
塩酸塩、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩等の
アンモニウム塩等、水溶性のスチレン系重合体スルホン
化物の塩が得られるようなものが好ましい。得られた水
溶性スチレン系重合体スルホン化物の分子量は、GPC
法(gel permeation chromato
graphy;ゲル透過クロマトグラフィー)での測定
値で重量平均分子量(Mw)が2,000〜100万、
好ましくは5,000〜20万、より好ましくは1万〜
10万であり、数平均分子量(Mn)に対する重量平均
分子量の比(Mw/Mn)が2.0〜2.8のものである。
分子量が2,000未満では乳化重合で生成したラテッ
クスへの吸着が不十分で分散性が劣る。また、分子量が
100万を超えると重合時の粘度が上昇するため好まし
くない。
【0010】このようにして得られた乳化重合用分散剤
は、そのままの水性スラリー(濃度5〜50%程度)、
濃縮物(濃度50〜60%)や常法により乾燥した粉体
として実用に供される。本発明の乳化重合用分散剤を用
いる乳化重合は、公知の方法により行うことができる。
例えば、モノマー100重量部に対し、水60〜500
重量部、乳化重合用乳化剤0.5〜10重量部、本発明の
乳化重合用分散剤0.5〜10重量部、適量の重合開始
剤、さらに必要に応じて無機塩、連鎖移動剤を添加し窒
素雰囲気下で適当な温度を設定して重合反応を行う。
尚、ここで使用されるモノマーとしては、イソプレン、
ブタジエン、2ーシアノブタジエン等の共役ジエン類、
クロロプレン、1ークロロブタジエン、2,3ージクロ
ロブタジエン等のハロゲン化共役ジエン類、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニ
ル等のビニルエステル類、メチルビニルエーテル、ブチ
ルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、α
ーメチルスチレン等の芳香族ビニル類、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸ブチル等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類
を挙げることができる。これらのモノマーは単独である
いは必要に応じて2種以上の混合物として用いることも
可能である。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、重量平均分子量2,0
00〜100万であり、かつ分子量分布(Mw/Mn)
2.0〜2.8である水溶性スチレン系重合体のスルホン化
物及び/又はその塩を乳化重合用分散剤として用いるこ
とにより、乳化重合によってエマルジョンラテックスを
製造する場合において、重合時の系の安定性の劣化、発
泡時の問題を起こさずに重合ができる。また製造される
ラテックスの物性、あるいは製品性状に影響を与えるこ
となく製造が可能となるため、工業的なエマルジョンラ
テックスの製造に好適である。次に実施例によって本発
明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
【0012】
【実施例】
合成例1 重量平均分子量2,000(Mw/Mn=1.8)のポリ
スチレン100重量部を1,2−ジクロロエタン400
重量部に溶解し、更にアセトフェノン1.0重量部を添加
して原料溶液を調製した。この原料溶液をタービン型撹
拌機付きのスルホン化反応器にスルホン化試薬である無
水硫酸とともに連続的に供給して45℃でスルホン化反
応を行った。この場合、供給速度は原料24g/mi
n、無水硫酸4.07g/min、無水硫酸/ポリスチレ
ンのモル比は1.10とし、また、反応器はジャケット付
きで槽容量400mlのものを使用した。得られたスル
ホン化物を10%NaOH水溶液を用いて中和後、分離
し、ポリスチレンスルホン酸Naを得た。得られたポリ
スチレンスルホン酸Naの重量平均分子量は3,90
0、分子量分布(Mw/Mn)は2.0、スルホン化率は
89%であった。 合成例2〜7 表−1に記載した分子量及び分子量分布のポリスチレン
を用いた他は合成例1に従い、各種ポリスチレンのスル
ホン化物を合成し、その分析値を同表にあわせ示した。
【0013】合成例8 重量平均分子量9,800(Mw/Mn=1.9)のポリ
スチレン100重量部を1,2−ジクロロエタン400
重量部に溶解して原料溶液を調製した。この原料溶液を
0℃に冷却し、スルホン化試薬である無水硫酸97重量
部を3時間要して滴下、更に40℃で2時間熟成を行っ
た。得られたスルホン化物を10%NaOH水溶液を用
いて中和後、分離し、ポリスチレンスルホン酸Naを得
た。得られたポリスチレンスルホン酸Naの重量平均分
子量は25,500、分子量分布(Mw/Mn)は3.
9、スルホン化率は70%であった。 合成例9 重量平均分子量9,800(Mw/Mn=1.9)のポリ
スチレン100重量部を1,2−ジクロロエタン400
重量部に溶解して原料溶液を調製した。この原料溶液を
タービン型撹拌機付きのスルホン化反応器にスルホン化
試薬である無水硫酸とともに連続的に供給して45℃で
スルホン化反応を行った。この場合、供給速度は原料2
4g/min、無水硫酸4.07g/min、無水硫酸/
ポリスチレンのモル比は1.10とし、また、反応器はジ
ャケット付きで槽容量400mlのものを使用した。得
られたスルホン化物を10%NaOH水溶液を用いて中
和後、分離し、ポリスチレンスルホン酸Naを得た。得
られたポリスチレンスルホン酸Naの重量平均分子量は
37,000、分子量分布(Mw/Mn)は4.1、スル
ホン化率は92%であった。
【0014】なお、上記合成例において調製したポリス
チレンスルホン酸塩の各特性は次のようにして求めた。 (1)ポリスチレンの分子量 標準物質として標準ポリスチレンを用い、分離カラムに
東ソー(株)製TSKG1000HXL(7.8mmID×
30cm)を使用し、紫外線検出器(波長266nm)
を用いてGPCにより求めた。なお、試料中にスチレン
が検出された場合は、スチレンを除外して重量平均分子
量を求めた。 (2)スルホン化スチレン系重合体の分子量 標準物質として、標準ポリスチレンスルホン酸ナトリウ
ムを用い、分離カラムとして東ソー(株)製TSK G
3000SW(7.5mmID×30cm)とTSK G
4000SW(7.5mmID×30cm)を使用し、紫
外線検出器(測定波長238nm)を用いてGPC法に
より求めた。なお、試料中にスチレンスルホン酸塩が検
出された場合は、スチレンスルホン酸塩を除外して、重
量平均分子量、数平均分子量を求めた。また、分子量分
布は、メインピークにおける重量平均分子量(Mw)/
数平均分子量(Mn)を算出して求めた。 (3)スルホン化率 元素分析により全S、Cを求め、次式により算出した。
【0015】
【表1】 表−1 ─────────────────────────────────── 原料ポリスチレンの性状 ポリスチレンスルホン酸Naの性状 合成例──────────────────────────────── 分子量 分子量分布 分子量 分子量分布 スルホン化率 (Mw) (Mw/Mn) (Mw) (Mw/Mn) (%) 1 2,000 1.8 3,900 2.0 89 2 5,000 1.8 9,700 2.1 90 3 9,800 1.9 21,000 2.2 92 4 48,000 2.1 99,000 2.3 92 5 20万 2.2 43万 2.4 93 6 1,000 2.0 1,900 2.1 88 7 60万 2.1 132万 2.5 93 8 9,800 1.9 25,500 3.9 70 9 9,800 1.9 37,000 4.1 92
【0016】実施例1 温度計、窒素導入管、撹拌機、還流冷却管、滴下ロート
を備えた反応容器にスチレンモノマー100重量部、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム1.0
重量部、乳化重合用分散剤として合成例1で得たポリス
チレンのスルホン化物1.0重量部、ドデシルメルカプタ
ン0.25重量部、及びイオン交換水100重量部を仕込
み窒素置換した。さらに反応容器に触媒として過硫酸カ
リウムの0.5重量%水溶液を1.0重量部滴下し、窒素還
流下40℃にて重合を行った。重合転化率70%のとこ
ろで、t−ブチルカテコール及びフェノチアジンを各々
0.01重量部反応容器に添加し、重合を停止させた。得
られたラテックスエマルジョンについて、凝集性、発泡
性及び着色性を評価し、結果を表−2に合わせて示し
た。 実施例2〜5 合成例1で得たポリスチレンのスルホン化物の代わりに
合成例2〜5で得られたポリスチレンのスルホン化物を
用いた以外は、実施例1と同様の方法により乳化重合を
行い評価した。結果を表−2に合わせて示した。 実施例6〜15 モノマーとしてスチレンモノマーを用いる代わりに後記
表−2に示すモノマーを用い、合成例1で得たポリスチ
レンのスルホン化物の代わりに表−2に示すポリスチレ
ンのスルホン化物を用いて実施例1と同様の方法により
乳化重合を行い評価した。結果を表−2に合わせて示し
た。
【0017】比較例1〜3 合成例1で得たポリスチレンのスルホン化物の代わりに
合成例6〜8で得られたポリスチレンのスルホン化物を
用いる以外は、実施例1と同様の方法により乳化重合を
行い評価した。結果を表−3に合わせて示す。 比較例4 合成例1で得たポリスチレンのスルホン化物の代わりに
東ソー製スチレンスルホン酸Na重合物PSS−1(ス
ルホン化率100%)を用いた外は、実施例1と同様の
方法により乳化重合を行い評価した。結果を表−3に合
わせて示す。 比較例5 合成例1で得たポリスチレンのスルホン化物の代わりに
合成例9で得られたポリスチレンのスルホン化物を用い
る以外は、実施例1と同様の方法により乳化重合を行い
評価した。結果を表−3に合わせて示す。 比較例6 合成例1で得たポリスチレンのスルホン化物の代わりに
花王製ナフタリンスルホン酸塩ホルマリン縮合物NSF
(重量平均分子量Mw. 7,500)を用いる以外は、
実施例1と同様の方法により乳化重合を行い評価した。
結果を表−3に合わせて示す。
【0018】比較例7〜16 モノマーとしてスチレンモノマーを用いる代わりに後記
表−3に示すモノマーを用い、合成例1で得たポリスチ
レンのスルホン化物の代わりに表−3に示すポリスチレ
ンのスルホン化物を用いる以外は、実施例1と同様の方
法により乳化重合を行い評価した。結果を表−3に合わ
せて示す。 比較例17 ポリスチレンのスルホン化物を添加しない以外は、実施
例1と同様の方法により乳化重合を行い評価した。結果
を表−3に合わせて示す。
【0019】尚、凝集性、発泡性、着色性は下記のよう
に評価した。 (1)凝集性 製造したエマルジョンを80メッシュの篩で濾過し、濾
過残量を水で洗浄後乾燥して得られた凝集物を、仕込み
モノマーに対する重量%で表し、凝集性とした。 (2)発泡性 得られたエマルジョンを100ccのエプトン管に40
ccサンプリングし、約5秒間で10回振とうした後の
泡の容積(cc)から以下の基準で評価した。 ○:泡の容積0〜1cc △:泡の容積1〜3cc ×:泡の容積3cc以上 (3)着色性 目視により判定した。
【0020】
【表2】 表−2(実施例) ───────────────────────────────────実施例 モノマー 分散剤 凝集性 発泡性 着色性 1 スチレン 合成例1 0.44 ○ 無 色 2 スチレン 合成例2 0.29 ○ 無 色 3 スチレン 合成例3 0.30 ○ 無 色 4 スチレン 合成例4 0.40 ○ 無 色 5 スチレン 合成例5 0.45 ○ 無 色 6 スチレン/プロピレン(6:4) 合成例1 0.43 ○ 無 色 7 スチレン/ブタジエン(6:4) 合成例1 0.51 ○ 無 色 8 スチレン/BVE *1(6:4) 合成例2 0.33 ○ 無 色 9 スチレン/BA*2(6:4) 合成例2 0.28 ○ 無 色 10 スチレン/MMA *3(6:4) 合成例3 0.37 ○ 無 色 11 クロロプレン/BA(6:4) 合成例3 0.40 ○ 無 色 12 ブタジエン/MMA(6:4) 合成例4 0.45 ○ 無 色 13 BA/MMA(6:4) 合成例4 0.34 ○ 無 色 14 ブタジエン/酢酸ビニル(6:4) 合成例5 0.50 ○ 無 色15 BA/酢酸ビニル(6:4) 合成例5 0.39 ○ 無 色 *1;BVE:ブチルビニルエーテル *2;BA :アクリル酸ブチル *3;MMA:メタクリル酸メチル
【0021】
【表3】 表−3(比較例) ───────────────────────────────────比較例 モノマー 分散剤 凝集性 発泡性 着色性 1 スチレン 合成例6 2.72 ○ 無 色 2 スチレン 合成例7 増粘 ― 無 色 3 スチレン 合成例8 1.41 × 無 色 4 スチレン PSS-1 3.57 ○ 無 色 5 スチレン 合成例9 1.61 ○ 無 色 6 スチレン NSF 1.31 ○ 黄 色 7 スチレン/プロピレン(6:4) 合成例8 1.56 × 無 色 8 スチレン/ブタジエン(6:4) 合成例8 1.88 × 無 色 9 スチレン/BVE(6:4) PSS-1 3.77 ○ 無 色 10 スチレン/BA (6:4) PSS-1 3.47 ○ 無 色 11 スチレン/MMA(6:4) 合成例9 1.48 ○ 無 色 12 クロロプレン/BA(6:4) 合成例9 1.61 ○ 無 色 13 ブタジエン/MMA(6:4) 合成例9 1.77 ○ 無 色 14 BA/MMA(6:4) 合成例9 1.54 ○ 無 色 15 ブタジエン/酢酸ビニル(6:4) NSF 1.83 ○ 黄 色 16 BA/酢酸ビニル(6:4) NSF 1.50 ○ 黄 色17 スチレン 無添加 2.53 ○ 無 色 *1;BVE:ブチルビニルエーテル *2;BA :アクリル酸ブチル *3;MMA:メタクリル酸メチル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量2,000〜100万で
    あり、かつ分子量分布(Mw/Mn)2.0〜2.8である
    水溶性スチレン系重合体のスルホン化物及び/又はその
    塩からなることを特徴とする乳化重合用分散剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007133019A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Sharp Corp トナーの製造方法
JP2011074185A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Daicen Membrane Systems Ltd スチレン系ポリマー

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