JPH11240758A - 圧電磁器および圧電デバイス - Google Patents
圧電磁器および圧電デバイスInfo
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- JPH11240758A JPH11240758A JP10064462A JP6446298A JPH11240758A JP H11240758 A JPH11240758 A JP H11240758A JP 10064462 A JP10064462 A JP 10064462A JP 6446298 A JP6446298 A JP 6446298A JP H11240758 A JPH11240758 A JP H11240758A
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Abstract
度の大きな圧電磁器を、圧電特性を低下することなく、
簡単にしかも安価に提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の圧電磁器は、(Pb1-aAa)
(Zn1/3Nb2/3)xTiyZrzO3(ただし、Aはカル
シウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム
(Ba)から選ばれる少なくとも一種以上の金属元素で
ある。)の一般式で表したとき、0≦a≦0.1、x+
y+z=1、0.05≦x≦0.4、0.1≦y≦0.
5、0.2≦z≦0.6である主成分に対して、酸化マ
ンガンをMnO2に換算して0.05〜3wt% と、酸化
アンチモンおよび酸化ニオブの少なくとも一種を、Sb
2O3およびNb2O5に換算して合計0.05〜5wt% 添
加したことを特徴とする。
Description
ン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電磁器に関するもの
であり、特に機械的強度を必要とする圧電磁器に有用な
ものである。
鉛、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする磁器、さらに
はこれらの第2成分あるいは第3成分にさらに種々の添
加物を加えることにより、圧電特性、電気特性等が改善
された圧電磁器が得られている。
マンガン、酸化コバルトを添加することで超音波振動
子、フィルタ、圧電トランスに使用できる圧電特性の優
れた圧電磁器を得ることができ(特公昭54−1840
0号)、さらに鉛の一部をストロンチウム、バリウム等
で置換したものもあり(特開昭62−154682
号)、現在様々な用途に使用されている。
ついては古くから研究されてきたが、従来の電磁式トラ
ンスに比べて、小型化(特に薄型化)、軽量化が可能
で、さらに高効率、低ノイズという特徴がある。代表的
な圧電トランスは、長方形の圧電磁器板が用いられ、厚
み方向に分極された一次(入力)側と、長さ方向に分極
された二次(出力)側とからなる構造が一般的である。
この構造の圧電トランスに1波長または1/2波長共振
の交流電界を加えることにより、低インピーダンスの一
次側で電気エネルギーが振動エネルギーに変換される。
この振動エネルギーが高インピーダンスの二次側に伝搬
されて、ここで電気エネルギーへ変換されて高電圧が発
生する。
きな相関がある。圧電トランスのような大振幅で駆動す
るようなものにおいては、衝撃により破壊するのはもち
ろん、入力電圧を高くし大振幅で励振させると、ノード
点と呼ばれる応力が集中する点で破壊する。これを解決
するために、原料粉の粒子径を細かくして比表面を10
m2/g以上にするとともに650℃以下で仮焼し、素
子の結晶粒子径を1μm以下とする方法がある(特開平
6−112542号)。また、ホットプレスを用いた方
法で機械的強度を向上させることも可能である。
るための手段である粉体の微粉化は、圧電磁器を作製す
る上で粉体の取り扱いが難しくなり、また微粉化の工程
が新たに加わることもある。また、ホットプレスを用い
た場合には、通常の圧電磁器を製造する工程に比べ長く
なり、さらに設備的にも高価なものとなり、結果として
完成品も高価なものとなる。
機械的強度の大きな圧電磁器を、圧電特性を低下するこ
となく、簡単にしかも安価に提供することを目的として
なされたものである。
(1)、(2)のいずれかの構成により達成される。 (1) (Pb1-aAa)(Zn1/3Nb2/3)xTiyZr
zO3(ただし、Aはカルシウム(Ca)、ストロンチウ
ム(Sr)、バリウム(Ba)から選ばれる少なくとも
一種以上の金属元素である。)の一般式で表したとき、
0≦a≦0.1、x+y+z=1、0.05≦x≦0.
4、0.1≦y≦0.5、0.2≦z≦0.6である主
成分に対して、酸化マンガンをMnO2に換算して0.
05〜3wt% と、酸化アンチモンおよび酸化ニオブの少
なくとも一種を、Sb2O3およびNb2O5に換算して合
計0.05〜5wt% 添加した圧電磁器。 (2) 上記(1)の圧電磁器を用いた圧電デバイス。
ン酸ジルコン酸鉛組成物よりも機械的強度を向上させる
ものであり、組成としては従来の亜鉛ニオブ酸チタン酸
ジルコン酸鉛を主成分とする圧電磁器に酸化アンチモ
ン、酸化ニオブの一種以上を添加することによりその目
的を達成したものである。
て詳細に説明する。本発明の機械的強度を向上させた圧
電磁器は、(Pb1-aAa)(Zn1/3Nb2 /3)xTiyZ
rzO3(ただし、Aはカルシウム(Ca)、ストロンチ
ウム(Sr)、バリウム(Ba)から選ばれる少なくと
も一種以上の金属元素で0≦a≦0.1、x+y+z=
1、0.05≦x≦0.4、0.1≦y≦0.5、0.
2≦z≦0.6)の一般式で示される主成分に対して、
酸化マンガンをMnO2換算で0.05〜3wt% 、好ま
しくは0.1〜1.5wt% と、酸化アンチモンおよび酸
化ニオブの少なくとも一種を、Sb2O3およびNb2O5
に換算して合計0.05〜5wt% 好ましくは0.1〜3
wt% 添加したものである。
酸化ニオブ添加量の合計が0.05wt% より小さいと機
械的強度の向上がみられず、5wt% よりも大きくすると
圧電特性の低下とともに、機械的強度も低下する。通
常、上記酸化アンチモンは、Sb2O3の形で、酸化ニオ
ブは、Nb2O5の形で添加される。両者が添加されると
き、その量比は任意である。
ら化学量論組成に換算して求める。なお、圧電磁器の組
成は、PbとAの比率およびZn+NbとTiとZrの
比率以外については上記式から多少偏倚していてもよ
い。
いるが、アルカリ土類元素およびMnは炭酸塩およびシ
ュウ酸塩等の焼成により酸化物となる化合物を用いても
よい。
スカイトの主相を形成し、その平均グレイン径は0.5
〜10μm である。
トランスや超音波モータ等に用いられる圧電デバイスと
して適している。
ン型圧電トランスの場合には、例えば図1に示したよう
な構造とされる。すなわち圧電デバイス10は、上記圧
電磁器で構成された長方形の板状のデバイス本体12を
有している。このデバイス本体12は、通常長さL=1
5〜40mm、幅W=3〜7mm、厚さT=0.7〜1.5
mmとされる。本発明の圧電デバイスは2mm以下、特に
0.05〜1mmの厚さのときに有効である。
導体層で形成された出力電極14が設けられており、こ
のデバイス本体12の上記出力電極14から遠い側の半
部の上下面には、導体層で形成された入力電極16、1
8が設けられている。これらの電極14、16、18
は、銀(Ag)等の導体で形成され、厚さが1〜20μm
程度とされる。上記入力電極16、18が設けられたデ
バイス本体12の部分、すなわち一次側部分12aは厚
み方向に予め分極されており、一方残りの部分は、すな
わち二次側部分12bは長さ方向に分極されている。一
次側部分12aの長さL1は、7〜20mm程度とされ
る。
れる電圧デバイス10は、入力電極16、18から一次
側部分に1波長または1/2波長共振の交流電界を印加
することにより、電気エネルギー、振動エネルギー、電
気エネルギーの順に変換されて、出力電極14から高電
圧に変換されて取り出される。図1に示した単板の圧電
デバイス10を用いた場合で、5〜15倍の電圧とする
ことができる。
示したように、デバイス本体12の一次側部分12a
を、磁器層12a−1〜12a−nと電極層16、18
を繰り返し積層した構造にすることにより、この積層数
に応じて達成することができる。なお、この積層構造の
圧電デバイスの場合にも、外形サイズ自体は、図1に示
した単板の電圧デバイスの場合と同一あるいは同等であ
る。
製することができる。なお、図2に示した積層構造のも
のの場合は、磁器と電極(特に磁器内に配置されるも
の)は同時焼成されることが望ましい。この時の焼成温
度は、1000〜1150℃とすることが好ましい。
をさらに詳細に説明する。出発原料として酸化鉛(Pb
O)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(Z
rO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb
2O5)、酸化アンチモン(Sb2O3)、炭酸マンガン
(MnCO3)、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸ス
トロンチウム(SrCO3)、炭酸バリウム(BaC
O3)を用い、これらの粉末を下記の組成式になるよう
に配合して、各配合物をボールミルにより湿式混合し
た。なお、Aの元素および酸化アンチモン、酸化ニオブ
添加量は表1に示すものとした。
0.20Ti0.40Zr0.40O3+MnCO3(1.0wt% Mn
O2換算)+Sb2O3(awt% )+Nb2O5(bwt% )
間仮焼した後、仮焼物をボールミルで湿式粉砕した。次
いで、この仮焼粉末に少量の結合剤を添加し、約5to
n/cm2の圧力で50×50mmの形状に成形した。
℃の大気中で2時間焼成して圧電磁器試料を得た。この
ようにして得られた試料について密度測定を行い、理論
密度に対して95%以上になっていることを確認した。
め、2mm×4mm、厚み0.9mmになるように加工した。
この試験片をJIS(R1601)に従い抗折強度試験
を行った。その結果を表1に示した。
ス特性(効率、昇圧比等)を確認するため、長さL=3
2mm×幅W=4.5mm、厚みT=1mmになるように加工
した後、図1に示すローゼン型となるように銀電極を形
成し、厚み方向(一次側部分)、長さ方向(二次側部
分)の順に、120℃のシリコンオイル中で2kV/mmの
電界で30分間分極を行った。なお、一次側部分の長さ
L1を16mmとした。こうして作成した試料をノード点
と呼ばれる振動しない点(応力が最大の点)および出力
電極でコンタクトプローブ20(図3参照)により保
持、入出力を行い、トランス特性を測定した後、出力側
を無負荷として入力側に共振周波数(100kHz)を
合わせながら200Vを印加し、1分後の破壊の有無
(破壊試験)を調べた。これらの結果も表1に示した。
なお、表1の破壊試験の欄において、0は破壊せず、×
は破壊したをそれぞれ示す。
酸化ニオブの合計の添加量が0.01wt% 未満の試料に
ついては、機械的強度の向上がみられず、上記破壊試験
において破壊した。また、合計の添加量が5wt% をこえ
る試料については、機械的強度に大きな向上がみられ
ず、上記破壊試験において破壊したとともに入出力の変
換効率も低下してくる。なお、破壊は、すべてのもの
が、デバイス本体12の二次側部分12bのノード点部
分で生じた。
シウム、ストロンチウム、バリウムで置換した場合に
も、酸化アンチモン、酸化ニオブの添加による機械的強
度の向上がみられる。このとき、効果のある酸化アンチ
モン、酸化ニオブの添加量は鉛単独の場合と同じであ
る。また、x、y、zを所定の範囲にしなかった場合に
は、焼成がむずかしく圧電特性が非常に低くなる。
電磁器は、亜鉛ニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛を主成分
とする圧電磁器に対して、酸化アンチモン、酸化ニオブ
の少なくとも一種以上の金属酸化物を特定量添加するこ
とにより、トランス特性を維持したまま機械的強度も向
上させた圧電磁器を提供することができる。
る。
ある。
念的に示した図である。
(1)、(2)のいずれかの構成により達成される。 (1) (Pb1-aAa)(Zn1/3Nb2/3)xTiyZr
zO3(ただし、Aはカルシウム(Ca)、ストロンチウ
ム(Sr)、バリウム(Ba)から選ばれる少なくとも
一種以上の金属元素である。)の一般式で表したとき、
0≦a≦0.1、x+y+z=1、0.05≦x≦0.
4、0.1≦y≦0.5、0.2≦z≦0.6である主
成分と、酸化マンガンをMnO2に換算して0.05〜
3wt% と、酸化アンチモンおよび酸化ニオブの少なくと
も一種を、Sb2O3およびNb2O5に換算して合計0.
05〜5wt% とを含む副成分とからなる圧電磁器。 (2) 上記(1)の圧電磁器を用いた圧電デバイス。
て詳細に説明する。本発明の機械的強度を向上させた圧
電磁器は、(Pb1-aAa)(Zn1/3Nb2 /3)xTiyZ
rzO3(ただし、Aはカルシウム(Ca)、ストロンチ
ウム(Sr)、バリウム(Ba)から選ばれる少なくと
も一種以上の金属元素で0≦a≦0.1、x+y+z=
1、0.05≦x≦0.4、0.1≦y≦0.5、0.
2≦z≦0.6)の一般式で示される主成分と、酸化マ
ンガンをMnO2換算で0.05〜3wt% 、好ましくは
0.1〜1.5wt% と、酸化アンチモンおよび酸化ニオ
ブの少なくとも一種を、Sb2O3およびNb2O5に換算
して合計0.05〜5wt% 好ましくは0.1〜3wt% と
を含む副成分とからなるものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 (Pb1-aAa)(Zn1/3Nb2/3)xT
iyZrzO3(ただし、Aはカルシウム(Ca)、スト
ロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)から選ばれる少
なくとも一種以上の金属元素である。)の一般式で表し
たとき、 0≦a≦0.1、x+y+z=1、0.05≦x≦0.
4、0.1≦y≦0.5、0.2≦z≦0.6である主
成分に対して、 酸化マンガンをMnO2に換算して0.05〜3wt%
と、 酸化アンチモンおよび酸化ニオブの少なくとも一種を、
Sb2O3およびNb2O5に換算して合計0.05〜5wt
% 添加した圧電磁器。 - 【請求項2】 請求項1の圧電磁器を用いた圧電デバイ
ス。
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1998
- 1998-02-27 JP JP10064462A patent/JP2957537B2/ja not_active Expired - Fee Related
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