JPH11240040A - 射出成形同時絵付装置 - Google Patents

射出成形同時絵付装置

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JPH11240040A
JPH11240040A JP4588198A JP4588198A JPH11240040A JP H11240040 A JPH11240040 A JP H11240040A JP 4588198 A JP4588198 A JP 4588198A JP 4588198 A JP4588198 A JP 4588198A JP H11240040 A JPH11240040 A JP H11240040A
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JP
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heating
sheet
female mold
plate
hot platen
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JP4588198A
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Inventor
Hiroyuki Atake
浩之 阿竹
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱盤が待機位置から対向加熱位置に前進せし
められたときにおける不所望な振れを生じ難くできて、
熱盤と雌型等との接触を効果的に回避できるようにされ
た射出成形同時絵付装置を提供する。 【解決手段】 絵付シートSを加熱軟化させるための熱
盤70を絵付シート非加熱時には、雌型12のキャビテ
ィ13上から外れた待機位置に後退させ、絵付シート加
熱時には前記待機位置から前記雌型12のキャビティ1
3上の対向加熱位置に前進させる熱盤進退駆動手段85
を備え、前記熱盤70が前記待機位置から前記対向加熱
位置に前進せしめられたとき、該熱盤70を前記雌型1
2に対して一定位置に案内固定するための熱盤案内固定
手段90、90が配備されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形と同時に
型内で絵付シートを射出樹脂成形物の表面に一体的に接
着して図柄や文字等が施された成形品を得るようにした
射出成形同時絵付装置及び方法に係り、特に、絵付シー
トの延伸(予備成形)を効果的に行うべくその前に前記
絵付シートを加熱軟化させるために使用される熱盤を改
善したものに関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形と同時に射出樹脂成形体の表面
に絵付シートを一体的に接着する射出成形同時絵付方法
としては、従来より幾つもの態様が提案されているが、
それらの大半は、次の(a)〜(i)の工程の全部又は
幾つかを記述順に又はその順番を入れ換えて、順次、又
は複数の工程を同時に重複してもしくは並列的に行うよ
うにされている(特公昭50−19132号、実公平3
−56344号、特公平7−41637号公報等を参
照)。
【0003】(a)絵付シートを射出成形に用いられる
雌型のパーティング面上に供給するシート供給工程。 (b)絵付シートを雌型のパーティング面に固定保持す
るクランプ工程。 (c)絵付シートを熱盤等により加熱軟化させる加熱軟
化工程。 (d)絵付シートを真空吸引及び/又は圧空供給等によ
り雌型のキャビティに沿わせるように延伸させる延伸工
程(予備成形工程)。 (e)雌型と雄型の一方(通常は雌型)を他方(通常は
雄型)側へ移動させて型締めを行う型締め工程。
【0004】(f)雌型と雄型との間に形成されるキャ
ビティ内に雄型側から流動状態の樹脂(熔融樹脂等)を
注入充填して固化せしめて射出成形を行う射出成形工
程。 (g)雌型と雄型とを離間させる型開き工程。 (h)絵付シートのうちの射出樹脂成形体に接着付随さ
せるべき部分を他の部分(余剰部分)から切り離すシー
トトリミング工程。 (i)絵付シートが接着積層された積層品を雄雌両成形
型から取り出す取出工程。
【0005】なお、複数の工程を同時に重複して行うと
は、複数の工程が一工程に含まれることをいい、例え
ば、前記(e)の型締め工程において絵付シートを雌型
と雄型との間に挟んで固定保持するようになせば、該型
締め工程と同時に重複して前記(b)のクランプ工程が
行われたことになり、また、前記(f)の射出成形工程
において絵付シートを射出された熔融樹脂の熱と圧力に
より延伸させるようになせば、該射出成形工程と同時に
重複して前記(d)の延伸工程が行われたことになる場
合をいう。
【0006】また、絵付シートとしては、製品種別に応
じて貼合わせ積層シート(ラミネートシート)と転写シ
ートのいずれかが用いられ、ラミネートシートである場
合には、射出成形によりそのままで絵付けが行われたこ
とになり、射出樹脂成形体の表面にシート全層が接着一
体化して化粧層となる。それに対し、絵付シートが転写
シートである場合には、射出樹脂成形体の表面に一体化
した絵付シートのうちの支持体シートを剥離し、装飾層
等の転写層のみを射出樹脂成形体側に残留させて化粧層
となすことにより絵付けが完了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、射出成形同
時絵付装置においては、通常、前記した(c)の加熱軟
化工程が図21に概略図示される如くにして行われる。
これを簡単に説明すると、図示の射出成形同時絵付装置
200において、雌型12は、その底部が可動盤11に
固定されていて、流体圧シリンダのラム9により水平方
向、言い換えれば、雄型(図外)に対して接近−離隔す
る方向(Y方向)に進退動するようされており、この雌
型12には、得るべき積層品に対応したキャビティ13
が形成されるとともに、このキャビティ13の外周側に
平面のパーティング面14が形成され、前記キャビティ
13には所定本の真空吸引孔17が開口せしめられてい
る。この真空吸引孔17は、真空吸引通路18及び導管
19を介して外部の真空ポンプに接続されている。
【0008】また、前記雌型12には、絵付シートSを
雌型12のパーティング面14に押圧固定するための枠
状のクランパー20が付設されている。このクランパー
20は、雌型12の四隅近くに設けられた貫通穴に摺動
自在に嵌挿された4本の連結ロッドによって図示してい
ない駆動機構により雌型12のパーティング面14に対
して垂直方向に進退動できるようになっている。さら
に、前記雌型12のパーティング面14には、Oリング
22が装着された環状の装着溝23が設けられている。
前記Oリング22は、前記枠状のクランパー20が、図
示のように、間に絵付シートSを挟んで雌型12のパー
ティング面14に押し付けられた際、前記キャビティ1
2と外部とを気密的に遮断する役目を果たす。
【0009】上記に加え、前記加熱軟化工程を行うべ
く、平板状の熱盤150が備えられている。この熱盤1
50は、熱盤進退駆動手段としてのエアーシリンダ85
のピストンロッド86先端に取り付けられており、該エ
アーシリンダ85により、絵付シート非加熱時には、前
記雌型12のキャビティ13上から外れた待機位置に置
かれ、絵付シート加熱時には前記待機位置から前記キャ
ビティ13上の対向加熱位置まで直線的(水平方向)に
前進せしめられるようになっている。
【0010】かかる構成のもとで、前記した如くに、
(a)絵付シートSを前記パーティング面14上に供給
するシート供給工程、(b)この絵付シートSを前記ク
ランパー20により前記パーティング面14に押圧固定
するクランプ工程が行われ、このクランプ工程後に、前
記平板状の熱盤150が前記エアーシリンダ85によ
り、前記待機位置から前記パーティング面14に押圧固
定されている絵付シートS上(キャビティ13上)の、
その加熱面150aが絵付シートSに対向する前記対向
加熱位置まで前進せしめられ、この熱盤150により、
(c)絵付シートSを加熱軟化させる加熱軟化工程が行
われるとともに、(d)絵付シートSを前記真空吸引孔
17を通じた真空吸引により前記キャビティ13に沿わ
せるように延伸させる延伸工程(予備成形工程)が行わ
れる。
【0011】ところが、かかる射出成形同時絵付装置2
00においては、前記した加熱軟化工程において、熱盤
150が熱盤進退手段の自由端(エアーシリンダ85の
ピストンロッド86先端)に取り付けられている関係等
により、該熱盤150が前記待機位置から前記対向加熱
位置に前進せしめられたとき、図21の仮想線で示され
る如くに、熱盤進退方向に直交する上下方向(Z方向)
あるいは前後方向(Y方向)に不所望な振れが生じ、絵
付シートSと熱盤150との離隔距離が一定とならない
とともに、甚だしい場合は、この熱盤150が雌型1
2、クランパー20、雌型周辺の突起物K等に接触し、
絵付シートSの加熱軟化を適正に行えなくなるおそれが
あった。
【0012】この場合、熱盤150の前記対向加熱位置
を前記雌型12からもっと離した位置に設定すれば、前
記熱盤150の接触事故は防止できるが、このようにな
すと、絵付シートSと熱盤150の加熱面150aとの
離隔距離が大きくなるので、熱盤150の発熱エネルギ
ー(消費電力)や加熱軟化時間を増大させることが必要
となり、成形コストや成形サイクルの面で良策とはいえ
ない。
【0013】本発明は、上述した如くの問題を解消する
ためになされたもので、その目的とするところは、熱盤
が待機位置から対向加熱位置に前進せしめられたときに
おける不所望な振れを生じ難くできて、熱盤と雌型等と
の接触を効果的に回避できて加熱軟化工程を適正に行
え、かつ、熱盤の発熱エネルギーや加熱軟化時間を可及
的に低減できるようにされた射出成形同時絵付装置を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る射出成形同時絵付装置は、基本的に
は、相互に対向配置されて一方が他方側へ移動せしめら
れるようにされた雌型及び雄型と、前記雌型のパーティ
ング面に対して直交する方向に移動可能とされ、前記絵
付シートを前記雌型のパーティング面上に押圧固定する
クランプ手段と、絵付シートを加熱軟化させるための熱
盤と、この熱盤を絵付シート非加熱時には、前記雌型の
キャビティ上から外れた待機位置に後退させ、絵付シー
ト加熱時には前記待機位置から前記雌型のキャビティ上
の対向加熱位置に前進させる熱盤進退駆動手段と、前記
雌型のキャビティ内に前記雄型側から流動状態の樹脂を
注入充填する樹脂射出手段と、を備える。
【0015】そして、前記熱盤が前記待機位置から前記
対向加熱位置に前進せしめられたとき、該熱盤を前記雌
型に対して一定位置に案内固定するための熱盤案内固定
手段が配備されていることを特徴としている。前記熱盤
案内固定手段は、好ましくは、前記雌型を挟んで前記熱
盤の待機位置とは反対側に配置され、好ましい具体的な
構成としては、前記熱盤が前記待機位置から前記対向加
熱位置に前進せしめられるとき、該熱盤側に設けられた
誘導部材が嵌挿される案内固定穴又は案内固定溝を有し
ているものが挙げられる。
【0016】また、他の好ましい態様では、前記熱盤が
前記対向加熱位置にあるとき、該熱盤の加熱部を前記雌
型に対して接近離隔する方向に進退させる加熱部進退手
段が配備される。本発明装置の熱盤は、伝導熱を用いる
接触加熱方式、あるいは輻射熱や誘電加熱を用いる非接
触加熱方式のいずれを採用してもよいが、最も好ましい
のは、赤外線輻射等よる非接触加熱方式で加熱する場合
である。前記熱盤進退駆動手段としては、エアーシリン
ダ等の流体圧シリンダ、ラック・ピニオンによる直線移
送機構、案内レール上を走行する台車機構等、種々の形
態を採用できる。
【0017】上述の如くの構成とされた本発明に係る射
出成形同時絵付装置の好ましい態様では、前記熱盤が前
記待機位置から前記対向加熱位置に前進せしめられたと
き、該熱盤に設けられている例えば先細り棒状体からな
る誘導部材が、例えば、雌型を挟んで前記熱盤の待機位
置とは反対側に配置された熱盤案内固定手段に設けられ
ている例えば円錐案内面部を有する案内固定穴に案内さ
れながらそこに嵌挿されて停止せしめられる。この案内
固定穴への誘導部材の嵌挿によって、誘導部材を伴う熱
盤は、誘導部材の抜き差し方向の移動、つまり、前進・
後退方向の移動は可能であるが、それ以外の方向の挙動
(自由度)が実質的に規制され、前記熱盤全体が前記対
向加熱位置で不動(固定)状態となる。
【0018】これによって、熱盤に不所望な振れが生じ
難くなり、その結果、絵付シートと熱盤との離隔距離が
一定となって絵付シートの加熱軟化を適正に行えるとと
もに、この熱盤が雌型やクランパー等に接触するような
事故は生じ難くなり、さらに、熱盤の加熱部と雌型等と
の離隔距離を大きくしなくて済むことから、熱盤の発熱
エネルギー(消費電力)や加熱軟化時間を増大させるこ
とを要せず、成形コストや成形サイクルの増大を抑える
ことができる。
【0019】また、熱盤の加熱部を前記雌型に対して接
近離隔する方向に進退させる加熱部進退手段が配備され
ることにより、予め、前記熱盤の対向加熱位置を通常の
加熱位置から雌型パーティング面に直交する方向に適宜
に離れた位置に設定しておき、この雌型から比較的遠く
に離れた対向加熱位置から、前記熱盤の加熱部を、加熱
部進退手段により、前記雌型側に接近させるようになせ
ば、前記雌型から比較的遠くに離れた対向加熱位置まで
前進せしめられた熱盤が仮に不所望に振れたとしても、
雌型やクランパー等に接触せず、また、熱盤の加熱部が
前記対向加熱位置から雌型側に接近せしめられて、この
接近加熱位置にて絵付シートを加熱することにより、熱
盤の発熱エネルギー(消費電力)や加熱軟化時間を増大
させることを要しないで、絵付シートの加熱軟化を適正
に行え、さらに、熱盤の加熱部と雌型等との離隔距離を
大きくしなくて済むことから、成形コストや成形サイク
ルの増大を抑えることができる。
【0020】本発明において、雄雌両成形型は、鉄等の
金属あるいはセラミックス等で作製され、それらに必要
に応じて、真空吸引や圧空供給用に小孔(真空吸引孔
等)を設ける。また、雌型を複数の分割部分の集合体で
構成(いわゆる入れ子構造に)し、隣合う分割部分間に
スリット状の隙間を形成してこの隙間を真空吸引孔とし
て用いて真空吸引を行うようにしてもよい。
【0021】前記雄型には、流動状態の樹脂を射出する
ためのランナーと所要本のゲートを設ける。ゲートの本
数、位置、形状等は、得るべき製品の形状等を勘案して
自由に設定することができる。また、絵付シートを雌型
パーティング面に固定保持すべく、雌型パーティング面
に対応した押圧面形状を有するクランプ手段を付設す
る。クランプ手段としては、枠状の押さえ板等を用いる
ことができ、その駆動は、型締め動作等の成形用駆動力
を用いたり、エジェクターピン駆動機構の動力を利用し
たりすることができる他、別途に流体圧アクチュエータ
ー等の駆動手段を設けることによりなされる。
【0022】絵付シートは、基材シートとその上に積層
された装飾層からなり、基材シートを成形品と密着一体
化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積層シ
ート(ラミネートシート)、あるいは一旦絵付シートと
成形品とを一体化させた後、装飾層(転写層)のみを成
形品側に残して基材シート(支持体シート)を剥離する
転写シートのいずれも使用することができる。
【0023】前記貼合わせ積層シートの場合、基材シー
トとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリス
チレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。基材
シートの厚さは、通常20〜500μm程度である。装
飾層としては、印刷絵柄、着色又は透明塗装、金属薄
膜、あるいは、硬質塗膜、防曇塗料、導電性層等の機能
性層等を用いることができる。
【0024】前記転写シートの場合は、一旦剥離性の支
持体シート上に形成した絵柄層等よりなる転写層を、別
の被転写体に転移させるためのもので、支持体シート上
には必要に応じて離型層を設けても良く、転写層として
は、剥離層、装飾層、接着剤層、等からなり、装飾層以
外の層は必要に応じて選択する。装飾層としては、絵柄
層、金属薄膜層(部分又は全面)あるいは硬質塗膜、防
曇塗膜、導電性層等の機能性層から選ばれる。
【0025】支持体シートは、ナイロン6、ナイロン6
6等のポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル等、可撓性を
有する熱可塑性樹脂フィルムあるいはそれらの積層体が
好ましい。
【0026】射出成形用の樹脂としては、ABS(アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂を加熱熔融して液状な
いし流動状態となったもの、あるいは、二液硬化型、触
媒硬化型の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂等の未硬化液等の射出成形同時絵付用として従来よ
り知られている材料を使用でき、製品の要求物性やコス
ト等に応じて選定される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る射出
成形同時絵付装置の第1実施形態を示す全体構成図、図
2は雌型周辺部を示す斜視図、図3は雌型周辺部を示す
平面図、図4は図1のA矢視部分の概略拡大図である。
【0028】本実施形態の射出成形同時絵付装置10
は、図1、図2に加えて、型締め状態を示す図12、図
13を参照すればよくわかるように、雌型12と雄型2
5とを備え、雌型12は、その底部が可動盤(プラテ
ン)11に固定されていて、流体圧シリンダのラム9等
により水平方向、言い換えれば、雄型25に対して接近
−離隔する方向(Y方向)に進退動するようされてい
る。
【0029】なお、本実施形態では、上記のように雌型
12が可動型とされていて水平方向に移動するようにさ
れているが、これに限定される訳ではなく、例えば、雄
型、雌型を上下に対向配置してそれらの一方を鉛直方向
に移動させる等の形態を採用することもできる。
【0030】前記雌型12は、ここでは複数の分割型か
らなる入れ子構造のものが採用されており、この雌型1
2には、得るべき積層品に対応した比較的浅い側面視概
略「く」字状のキャビティ13が形成されるとともに、
このキャビティ13の外周側にパーティング面14が形
成されている。このパーティング面14は、図2、図3
に加えて図10、図11を参照すればよくわかるよう
に、外周側パーティング面14aとこれから段下げされ
た内周側パーティング面14bとからなる段付きパーテ
ィング面となっており、前記外周側パーティング面14
a及び内周側パーティング面14bのいずれも雄型25
側(Y方向)に張り出した概略凸状(山状)の湾曲面と
なっている。
【0031】そして、このパーティング面14(内周側
パーティング面14b)におけるキャビティ13の周り
に、該キャビティ13を囲むように絵付シートSを真空
吸引するための環状の連続した断面矩形のシート固定用
吸引溝16が形成されるとともに、このシート固定用吸
引溝16に所定本の真空吸引孔17が所定のピッチで開
口せしめられている(図3参照)。
【0032】また、前記雌型12における分割型間に
は、真空吸引孔として働くスリット状の隙間15が形成
されている。このスリット状の隙間15は、前記キャビ
ティ13の隅角部を形成する角丸(アール)部分とそれ
に続く平面部分との境目部分に開口せしめられており、
前記真空吸引孔17に接続されている。なお、スリット
状の隙間15を前記境目部分に開口させているのは、前
記境目部分が、真空吸引孔として用いられる前記隙間1
5が存在することによって積層品に残される線条の痕跡
が最も目立たない箇所であるとの理由による。
【0033】前記シート固定用吸引溝16に開口せしめ
られた真空吸引孔17と前記スリット状の隙間15と
は、前記雌型12内部に穿設された真空吸引通路18及
び導管19を介して外部の真空ポンプに接続されてお
り、本実施形態では、前記真空吸引孔17、前記シート
固定用吸引溝16、前記スリット状の隙間15、前記真
空吸引通路18、前記導管19、及び外部の真空ポンプ
(図示略)等で真空吸引手段が構成されている。
【0034】さらに、前記雌型12の外周側パーティン
グ面14aの内周部分には、Oリング22が装着された
環状の装着溝23が設けられている。前記Oリング22
は、後述する概略「く」字状に湾曲した枠状のクランパ
ー20が、間に絵付シートSを挟んで雌型12の外周側
パーティング面14aに押し付けられた際、前記キャビ
ティ12と外部とを気密的に遮断する役目を果たす。
【0035】一方、前記雄型25は、射出成形機32
(図1)のノズルが装着される固定盤31に固定されて
おり、この雄型25には、前記得るべき積層品形状に対
応したコア部33及び側面視「く」字状に凹むパーティ
ング面34が設けられるとともに、その内部には、前記
キャビティ13内に熔融樹脂P(図13)を注入充填す
るための二股形状のランナー27及びそれに連なる2本
のゲート28が設けられている。
【0036】また、前記雌型12には、絵付シートSを
雌型12の外周側パーティング面14aに押圧固定する
ための、該パーティング面14aと相似する、正面視が
矩形枠状で側面視が概略「く」字状のクランパー20が
付設されている。このクランパー20は、雌型12の四
隅近くに設けられた貫通穴に摺動自在に嵌挿された4本
の連結ロッド24によって図示していない駆動機構によ
り雌型12に対して垂直方向に進退動できるようになっ
ている。なお、前記雄型25には、図12に示される如
くの型締め状態において前記クランパー20が絵付シー
トSに対する押圧固定状態を解除する離間動作を行い得
る深さを持った切欠凹部29が穿設されている。
【0037】なお、本実施形態の射出成形同時絵付装置
10により得るべき積層品は、平面視では矩形状で、断
面が概略「く」字状のパネルであり、また、前記絵付シ
ートSとして、ここでは、アクリル樹脂製の基材シート
(厚みは125μm)と、その上にグラビア印刷法によ
り積層された装飾層(アクリル樹脂と塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体の1:1重量比混合物)と、接着剤層(塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体系)とからなり、基材シー
トを射出樹脂成形体Paと密着一体化させたまま最終製
品として使用する貼り合わせ積層シート(ラミネートシ
ート)を用いている。前記装飾層(絵柄層)は、柄版を
3色組み合わせた木目模様となっており、また、前記接
着剤層は、スクリーン線数40線/cmのグラビアベタ
印刷版(版深60μm)を2度用いて(グラビア印刷2
色刷りして)形成した厚みが2μmの層である。
【0038】上記した雌型12及び雄型25等に加え、
本実施形態の射出成形同時絵付装置10においては、前
記雌型12のパーティング面14上に絵付シートSを供
給するシート供給装置5を備えている。
【0039】このシート供給装置5は、側面視(図1)
で雌型12の左側に設置された支持架構1上にレール3
を介して図1の左右方向(Y方向)に沿って進退動可能
に配置された基体フレーム6を備えており、この基体フ
レーム6は、連結部材7で前記した可動盤11に連結固
定されている。また、図2に示される如くに、雌型12
の下方に配置されている、当該シート供給装置5の一部
を構成する後述の左右一対のスプロケットホイール4
2、42、43、43を支持する一対の連結プレート
8、8も前記雌型12に連結されている。したがって、
当該シート供給装置5は、前記雌型12と一体的に雄型
25に対して接近−離隔する方向(Y方向)に進退動す
る。
【0040】前記基体フレーム6上には、ロール状に巻
き取られた長尺帯状の絵付シートSが装填された巻出機
RSが備えられ、その巻出機RS及び複数個の案内ロー
ラ48、48、…を介して後述する如くにして送り出さ
れた絵付シートSの1ショット分を、雌型12のパーテ
ィング面14上に供給すべく、該基体フレーム6の右側
端部(雌型12側)付近と左側端部付近とに左右一対の
スプロケットホイール41、41、44、44、45、
45が配設されている(図4も参照)。前記右側端部に
位置するスプロケットホイール41、41は、ステッピ
ングギアードモーター52により回転駆動せしめられる
ようになっており、左右のスプロケットホイール41、
44、45(左列)及び41、44、45(右列)と前
記した雌型12下方の左右のスプロケットホイール4
2、43(左列)及び42、43(右列)には、それぞ
れシート搬送部材としての同一寸法形状の無端環状チェ
ーン50、50が、1本ずつ、全体でL形となるように
掛け回されている。
【0041】ここで、各無端環状チェーン50、50に
は、図6、図7に示される如くに、例えば2ピッチ毎に
支持部材61が設けられるとともに、この支持部材61
の下部と中間部とに大径ローラ62と小径ローラ63と
が取り付けられ、かつ、所定ピッチ(例えば5ピッチ)
毎に、その支持部材61の上部に、1ショット分の絵付
シートSの幅方向両端部を把持するためのシート把持用
チャック60が設けられている。このシート把持用チャ
ック60は、1ショット分の長さの絵付シートSを把持
できるように、無端環状チェーン50、50の特定範囲
にだけ所要個数設けられており、前記シート供給装置5
は、前記無端環状チェーン50、50のうちの前記シー
ト把持用チャック60が設けられている部分(1ショッ
ト分の絵付シートSを把持する部分)を、雌型12上の
前記基体フレーム6内に位置する待機位置と雌型パーテ
ィング面14上に位置する供給位置との間を往復運動さ
せるようになっている。
【0042】より詳細には、前記待機位置にて、巻出機
RSからの絵付シートSは、図4に示される如くに、前
記基体フレーム6に備えられたシート保持機構55か
ら、一対のレール59、59上を摺動するシート引き出
し機構57によりY方向に1ショット分だけ引き出さ
れ、この引き出された1ショット分の絵付シートSの幅
方向両端部を前記無端環状チェーン50、50に設けら
れた左右の所要個数のシート把持用チャック60、6
0、…により把持し、この把持状態の1ショット分の絵
付シートSをシートカッター56により巻出機RS側か
ら切り離す。次いで、この把持されている絵付シートS
を、概略凸状に湾曲した雌型パーティング面14の真上
の供給位置まで搬送し、搬送後は、後述するように、絵
付シートSがクランパー20により雌型パーティング面
14に固定保持された後は、前記シート把持用チャック
60、60、…部分を前記待機位置に戻すようにされて
いる。
【0043】このようなシート供給態様をとるため、雌
型12には、図2、図3、図5等を参照すればよくわか
るように、そのパーティング面14側に、前記左右の無
端環状チェーン50、大径ローラ62、小径ローラ6
3、及びシート把持用チャック60、60、…を通過案
内するための、外周側パーティング面14aに沿うよう
に湾曲しながら上下方向(Z方向)に伸びる左右一対の
供給側案内溝36、36が設けられ、また、雌型12の
底部側に、前記左右の無端環状チェーン50、大径ロー
ラ62を通す上下方向(Z方向)に伸びる直線状の左右
一対の底面側案内溝38、38が設けられている。
【0044】ここで、前記供給側案内溝36は、前記無
端環状チェーン50及びシート把持用チャック60、6
0、…をシート搬送方向に直交する2方向に対して位置
規制を行い得る断面形状とされており、図7、図8に示
される如くに、溝幅方向に突出する中間壁36Aを有
し、この中間壁36Aより上側が、前記シート把持用チ
ャック60の下部(固定受片部65)が位置せしめられ
る、前記パーティング面14に開口する開口溝36aと
なっており、前記中間壁36Aを挟むように前記無端環
状チェーン50、50に設けられた大径ローラ62、小
径ローラ63が挿入案内されるとともに、前記中間壁3
6Aと底壁部とには前記大径ローラ62が遊嵌される位
置規制凹部36d、36cが設けられている。この位置
規制凹部36d、36cや前記中間壁36Aが存在する
ことにより、前記無端環状チェーン50、50やシート
把持用チャック60、60、…は、シート搬送方向、つ
まり、凸状に湾曲したパーティング面14に沿う方向に
直交する2方向(図7において上下方向及び左右方向)
に対してその位置が規制される。
【0045】前記シート把持用チャック60は、前記支
持部材61の上部に横方向に突設されて絵付シートSの
裏面側(下側)を受ける固定受片部65と、前記パーテ
ィング面14より上側に位置するように支持板64に揺
動自在に軸支された可動押え片部66とからなるシート
把持部を備え、前記可動押え片部66は、圧縮コイルバ
ネ67により常時前記固定受片部65との間で絵付シー
トSを挟圧保持する方向に付勢されている。したがっ
て、前記シート把持用チャック60、60、…に把持さ
れた絵付シートSは前記雌型12の凸状に湾曲したパー
ティング面14に実質的に沿うように移動せしめられる
ことになる。なお、前記可動押え片部66と固定受片部
65とによる絵付シートSの把持をより強固及び確実に
するため、適宜に、それらの対接挟持部(絵付シートS
を挟んでいる一端部)に凹歯、凸歯を形成して噛合させ
るようにしたり、それらに微小エンボス凹凸を刻設する
等の対策を施してもよい。
【0046】また、前記可動押え片部66の無端環状チ
ェーン50側には、前記クランパー20が絵付シートS
を雌型パーティング面14に押圧固定する際に、それに
設けられた干渉回避用の凹部21に押圧されるローラ6
8が設けられており、このローラ68が前記クランパー
20の凹部21に押圧されることにより、前記可動押え
片部66が前記圧縮コイルバネ67の付勢力に抗して前
記固定受片部65から離れ、前記シート把持用チャック
60が絵付シートSの把持状態を解除するようになって
いる(図8参照)。
【0047】一方、前記無端環状チェーン50、50に
所要のテンションを付与すべく、本実施形態において
は、図1に示される如くに、雌型12の下方に、前記無
端環状チェーン50、50に圧接する一対のテンション
付与用のスプロケットホイール46が設けられている。
このテンション付与用のスプロケットホイール46の前
記無端環状チェーン50に対する位置(図1のY方向)
を調節することにより、前記無端環状チェーン50のテ
ンションが調整され、雌型12の供給側案内溝36に対
する無端環状チェーン50及びシート把持用チャック6
0の位置が一義的に定められる。なお、雌型12の上方
(上流側)にも同様にテンション付与用のスプロケット
ホイール47(仮想線で示す)を配設してもよい。
【0048】そして、上記構成に加え、本実施形態の射
出成形同時絵付装置10においては、雌型12のパーテ
ィング面14が概略凸状の湾曲面となっている関係上、
前記クランパー20により前記パーティング面14上に
押圧固定された絵付シートSを加熱軟化させるための熱
盤が従来の平板状構成のものでは適正に行えないので、
熱盤70は、図14及び図15に示される如くの構成と
なっている。
【0049】すなわち、本実施形態の熱盤70は、絵付
シート非加熱時には、前記雌型12のキャビティ13上
から水平方向(X方向)に外方の待機位置(図2参照)
に後退させ、絵付シート加熱時には、前記待機位置から
前記雌型12のキャビティ13上の対向加熱位置(図
9、図14、図15参照)に前進させる熱盤進退駆動手
段としてのエアーシリンダ85のピストンロッド86先
端に固定された矩形薄箱状の保持ケース75と、この保
持ケース75の左右方向(X方向)の側面壁76中央付
近に突設されたブラケット78に設けられたヒンジ部材
79を介して開閉可能に連結された第1の板状加熱部7
1及び第2の板状加熱部72とを備えている。
【0050】一方、前記第1の板状加熱部71及び第2
の板状加熱部72は、それぞれその側端面中央部付近に
リンク部材73、74の一端部が回動自在に連結され、
前記リンク部材73、74の他端部は前記保持ケース7
5に内蔵固定された、ピストンロッドを2本持ち、両端
からそのピストンロッド80a、80bが突出している
エアーシリンダ80の前記ピストンロッド80a、80
bの両先端部にそれぞれ連結部材81、82を介して回
動自在に連結されている。前記リンク部材73、74と
前記ピストンロッド80aの両先端部とを連結する連結
部材81、82は、前記保持ケース75の側面壁76に
形成された、上下方向(Z方向)に伸びる長穴77、7
7に摺動自在に緩挿されている。
【0051】ここでは、前記エアーシリンダ80のピス
トンロッド80a、80bは、コイルバネ等の付勢手段
により常時突出伸長方向に付勢されており、前記熱盤7
0が雌型12外方(X方向)の前記待機位置にあるとき
(図2参照)には、前記ピストンロッド80a、80b
が最も突出伸長せしめられた状態とされ、このときに
は、前記第1の板状加熱部71及び第2の板状加熱部7
2は、図14において仮想線で示される如くに、1枚の
平板状の熱盤のように、180度開いた状態とされる。
それに対し、前記熱盤70が前記雌型12の概略凸状の
湾曲面とされたパーティング面14に固定保持されてい
る絵付シートS上の対向加熱位置(図9、図15参照)
に前進せしめられて、後述する如くに柱状部材90、9
0の案内固定穴92、92により案内固定された後に
は、前記ピストンロッド80a、80bが最も引き込ま
れた状態とされ、このときには、前記第1の板状加熱部
71及び第2の板状加熱部72は、それらの自由端側を
前記ヒンジ部材79を支点として相互に逆方向に相対回
転せしめられ、図14に示される如くに、前記絵付シー
トSに沿うように、その開き角度が側面視概略「く」字
状に調節され、それらが接近加熱位置をとる。
【0052】このように熱盤70の第1の板状加熱部7
1、第2の板状加熱部72が絵付シートSに沿うよう
に、その開き角度が側面視概略「く」字状に調節される
ことにより、従来の平板型の熱盤に比して、その加熱面
71a及び72aと絵付シートS(の外周部)との離隔
距離が大幅に狭められ(図14においてLaからLbと
なる)、絵付シートSの加熱温度分布を従来の平板型の
熱盤に比して均一(分布レンジを小)にできる。つま
り、熱盤が平板型である場合は、絵付シートのうち、凸
状の湾曲面を形成している絵付シートSの頂部付近は熱
盤の加熱面に近接するが、前記凸状の湾曲面の底部(裾
野側)は熱盤の加熱面から相当離れてしまう。それに対
し、本実施形態の熱盤70では、絵付シートSと第1の
板状加熱部71、第2の板状加熱部72の加熱面71
a、72aとの最大離隔距離と最小離隔距離との差が極
めて小さくなり、絵付シートSの各部における延伸量が
ばらつかず、絵柄模様の歪みや絵柄模様と成形体との位
置ずれ等が生じにくくなる。
【0053】さらに、本実施形態においては、前記熱盤
70が前記待機位置から前記対向加熱位置に前進せしめ
られたとき、該熱盤70を前記雌型12に対して一定位
置に案内固定すべく、次のような構成が付加されてい
る。すなわち、前記熱盤70における保持ケース75の
熱盤前進方向で見て先端側(雌型12側)となる側面壁
76の両端(上下端)に、それぞれ先端に先細り案内部
95a(図2、図15)を持つ誘導ロッド95、95が
垂直に突設される一方、この誘導ロッド95、95の水
平延長線上に位置するように、前記可動盤11の雌型固
定面側における前記雌型12を挟んで前記熱盤70の待
機位置とは反対側の面上の上下2箇所に、それぞれ熱盤
案内固定用の柱状部材90、90が相互に平行に垂設さ
れている。
【0054】前記柱状部材90、90の上端部付近に
は、図16(A)、(B)に示される如くに、前記熱盤
70が前記待機位置から前記対向加熱位置に前進せしめ
られるとき、前記誘導ロッド95、95の先細り案内部
95aが摺接せしめられつつ嵌挿される円錐案内面部9
1を有する案内固定穴92が水平方向に穿設されてい
る。前記案内固定穴92の内径は、前記誘導ロッド95
の外径と略同一ないし若干大きくされている。
【0055】上述の如くの構成とされた本実施形態の射
出成形同時装置10においては、絵付シートSは、ロー
ル状に巻き取られた長尺帯状の連続シートとされ、雌型
12の左斜め上(シート搬送方向上流側)にて、巻出機
RSから1ショット分が巻き出されて、一対の無端環状
チェーン50、50に設けられている、シート搬送方向
に沿って一定間隔で配置された所要個数のシート把持用
チャック60、60、…によりその1ショット分の幅方
向両端部が把持されるとともに、その1ショット分がシ
ートカッター56により巻出機RS側から切り離され
る。
【0056】ここでは、前記一対の無端環状チェーン5
0、50はそれぞれ無端環状体とされていて、案内駆動
手段を構成する左右のスプロケットホイール41〜45
間に掛け回されるとともに、その一部が常時雌型12に
設けられた供給側案内溝36及び底部側案内溝38を通
るように配置されており、かつ、該無端環状チェーン5
0、50に設けられているシート把持用チャック60、
60、…部分は雌型外の待機位置に置かれている(図
1)。
【0057】したがって、前記シート把持用チャック6
0、60、…により絵付シートSの幅方向両端部が把持
されている状態で、前記ステッピングギアードモーター
52が一方向(正転方向)に所定回転数だけ回転せしめ
られると、前記左右のスプロケットホイール41〜45
が一方向(図1において右回り)に回転せしめられ、そ
れに伴い前記無端環状チェーン50、50が回転移動し
て、前記シート把持用チャック60、60、…のシート
把持部(固定受片部65、可動押え片部66)は、前記
雌型12のパーティング面14(14a)に沿うように
設けられた供給側案内溝36内に大径ローラ62と小径
ローラ63とが挿入されるのに付随連動してパーティン
グ面14上に移動し、図2、図9に示される如くに、無
端環状チェーン50、50のシート把持用チャック6
0、60、…部分により把持されている絵付シート(1
ショット分)Sが雌型12の凸状に湾曲したパーティン
グ面14の真上にそれに沿うように搬送されて位置決め
される(シート把持用チャック60、60、…部分が待
機位置から供給位置に移動)。
【0058】続いて、絵付シートSは、クランパー20
により前記雌型12の外周側パーティング面14a上に
固定保持され、かつ、このクランパー20より絵付シー
トSが雌型12の外周側パーティング面14a上に固定
保持されるとき、該クランパー20のシート固定保持動
作を利用して、前記シート把持用チャック60、60、
…が前記絵付シートSの把持状態を解除する解除動作を
行わせる。つまり、図7及び図8を参照すればよくわか
るように、シート把持用チャック60、60、…の可動
押え片部66に設けられたローラ68が前記クランパー
20の凹部21に押圧されて、前記可動押え片部66が
前記圧縮コイルバネ67の付勢力に抗して前記固定受片
部65から離れ、前記シート把持用チャック60が絵付
シートSの把持状態を解除する。図9はこの状態を示し
ている。
【0059】さらに、前記シート把持用チャック60、
60、…に前記解除動作を行わせた後、前記クランパー
20によって絵付シートSが前記パーティング面14a
上に固定保持されている状態で、前記ステッピングギア
ードモーター52が逆転せしめられ、前記左右のスプロ
ケットホイール41〜45が前記シート供給時とは逆方
向(図1において左回り)に回転せしめられ、それに伴
い前記無端環状チェーン50、50が反対方向に回転移
動して、該無端環状チェーン50、50における前記シ
ート把持用チャック60、60、…のシート把持部(固
定受片部65、可動押え片部66)は、大径ローラ62
と小径ローラ63部分が前記雌型12のパーティング面
14(14a)に沿うように設けられた供給側案内溝3
6から雌型12の上流側に引き出されるのに付随連動し
て元の待機位置に戻され、次ショット分の絵付シートS
を供給するための準備(シートの引き出し、把持等)が
行われる。
【0060】次に、前記シート把持用チャック60、6
0、…から解放された絵付シートSは、その外周部がク
ランパー20により雌型12のパーティング面14aに
固定保持された状態で、熱盤70が待機位置(図2)か
ら絵付シートSの真上の対向加熱位置へと前進せしめら
れる。
【0061】ここでは、前記熱盤70の第1の板状加熱
部71及び第2の板状加熱部72は、図2及び図14に
おいて仮想線で示されている如くに、未だ、1枚の平板
状の熱盤のように180度開いた状態とされ、前記熱盤
70が前記待機位置から前記対向加熱位置に前進せしめ
られたとき、該熱盤70に設けられている前記誘導ロッ
ド95、95(の先細り案内部95a)が、図16
(A)、(B)に示される如くに、雌型12を挟んで前
記熱盤70の待機位置とは反対側に設置されている柱状
部材90、90に穿設された円錐案内面部91を有する
案内固定穴92に摺接せしめられつつ挿入されてそこで
停止せしめられる。
【0062】この案内固定穴92に対する誘導ロッド9
5、95の嵌挿によって、誘導ロッド95、95を伴う
熱盤70は、該誘導ロッド95、95の抜き差し方向の
移動、つまり、前進・後退方向の移動は可能であるが、
それ以外の方向の挙動が実質的に規制され、前記熱盤7
0全体が前記対向加熱位置で不動(固定)状態となる。
【0063】このようにして、前記熱盤70が柱状部材
90、90に誘導ロッド95、95を介して固定保持さ
れた後、前記熱盤70のエアーシリンダ80が作動せし
められて、図9、図14、図15に示される如くに、第
1の板状加熱部71及び第2の板状加熱部72の開き角
度が、凸状に湾曲したパーティング面14aに沿うよう
な断面「く」字状に自動調節されてそれらが接近加熱位
置をとり、それらの加熱面71a、72aにより、絵付
シートSが加熱軟化せしめられ(加熱軟化工程)、続い
て、絵付シートSは、図11に示される如くに、前記真
空吸引孔17やスリット状の隙間15を通じた真空吸引
により雌型12の内周側パーティング面14b及びキャ
ビティ13に沿うように延伸せしめられてそれらに密着
せしめられる(延伸工程)。
【0064】なお、前記加熱軟化工程終了後は、前記第
1の板状加熱部71及び第2の板状加熱部72が前記
「く」字状の接近加熱位置をとる状態から180度開い
た元の状態(対向加熱位置をとる状態)に戻されるとと
もに、前記熱盤進退手段を構成するエアーシリンダ85
のピストンロッド86が引き込まれ、前記誘導ロッド9
5、95が前記案内固定穴92、92から抜き出され
て、前記熱盤70全体が前記対向加熱位置から待機位置
に戻される。
【0065】上記のように、熱盤70を対向加熱位置に
て柱状部材90、90に誘導ロッド95、95を介して
案内固定するようにしたことにより、熱盤70に、その
進退方向に直交する二方向(上下方向あるいは前後方
向)の不所望な振れが生じ難くなる。そのため、絵付シ
ートSと第1の板状加熱部71及び第2の板状加熱部7
2の加熱面71a、72aとの離隔距離が一定となって
絵付シートの加熱軟化を適正に行えるとともに、この熱
盤70(の第1の板状加熱部71や第2の板状加熱部7
2等)が雌型12やクランパー20等に接触するような
事故は生じ難くなり、さらに、熱盤70の第1の板状加
熱部71及び第2の板状加熱部72と雌型12等との離
隔距離を大きくしなくて済むことから、熱盤の発熱エネ
ルギー(消費電力)や加熱軟化時間を増大させることを
要せず、成形コストや成形サイクルの増大を抑えること
ができる。
【0066】また、前記熱盤70における第1の板状加
熱部71及び第2の板状加熱部72を、雌型キャビティ
13上への前進時、言い換えれば、前記待機位置から前
記対向加熱位置にて案内固定されるまでの間は、図2及
び図14において仮想線で示される如くに、180度開
いた単板状として、熱盤70全体の厚み方向(Y方向)
の占有スペースを縮小しておき、雌型キャビティ13上
で、凸状に湾曲したパーティング面14aに沿うような
断面「く」字状に調節して接近加熱位置をとらせるよう
にしたことにより、熱盤70の進退時には、雌型12や
クランパー20と単板状とされた第1の板状加熱部71
及び第2の板状加熱部72の特に外周部側との間に大き
なスペースができるので、この点からも、熱盤70(の
第1の板状加熱部71や第2の板状加熱部72等)が雌
型12やクランパー20等に接触するような事故は生じ
難くなる。
【0067】さらに、待機位置と対向加熱位置との間で
熱盤70が移動するために要する通路スペース(通路断
面積)も必要最小限の大きさで済むことになり、そのた
め、熱盤70と雌型12周辺に配置されている各種機器
類や配線、配管類等との干渉が効果的に避けられ、か
つ、それらの機器類や配線、配管類等のレイアウト上の
自由度が増し、スペース効率、作業効率が向上する。
【0068】そして、上記した加熱軟化工程及び延伸工
程の後は、従来と同様に、雌型12を雄型25側へ移動
させて型締めを行う型締め工程(図12参照)行われる
が、このときは、前記シート供給装置5全体が雌型12
と一体的に雄型25側へ移動する。続いて、雌型12と
雄型25との間に形成されるキャビティ13内に雄型2
5のランナー27及びゲート28、28を介して流動状
態の樹脂(熔融樹脂等)を注入充填して固化せしめる射
出成形を行う射出成形工程(図13参照)、雌型12と
雄型25とを離間させる型開き工程、絵付シートSのう
ちの射出樹脂成形体に接着付随させるべき部分を他の部
分(余剰部分)から切り離すシートトリミング工程、絵
付シートSが接着積層された積層品を雄雌両成形型から
取り出す取出工程、をへて、絵付シートが射出樹脂成形
体に積層された積層品(製品)が得られる。
【0069】図17〜図20は、本発明に係る射出成形
同時絵付装置の第2実施形態を示している。図示実施形
態の射出成形同時絵付装置300は、前述した図21に
示される射出成形同時絵付装置200と略同様に、可動
盤111、平面のパーティング面114及びキャビティ
113を有する雌型112、絵付シートSを前記パーテ
ィング面114に押圧固定する矩形枠状のクランパー1
20等を備えることに加えて、平面のパーティング面1
14に対応して加熱面171aが平面の熱盤170が配
設されている。
【0070】この熱盤170は、絵付シート非加熱時に
は、前記雌型112のキャビティ113上から水平方向
(X方向)に外方の待機位置(図17参照)に後退さ
せ、絵付シート加熱時には、前記待機位置から前記雌型
112のキャビティ113上の対向加熱位置(図18、
図19参照)に前進させる熱盤進退駆動手段としてのエ
アーシリンダ185のピストンロッド186先端に固定
された矩形薄箱状の保持ケース175と、この保持ケー
ス75の中央部に厚み方向に貫くように垂設固定された
加熱部進退用エアーシリンダ180と、このエアーシリ
ンダ180のピストンロッド181(図20)先端に垂
直に固定された板状加熱部171と、を備えている。
【0071】ここでは、前記加熱部進退用のエアーシリ
ンダ180のピストンロッド181は、前記熱盤170
が雌型112外方(X方向)の前記待機位置にあるとき
(図17参照)には、前記ピストンロッド181が最も
引き込まれた状態とされ、このときには、前記板状加熱
部171は、図17及び図19に示される如くに、前記
保持ケース175に近接した状態となり、その加熱面1
71aと絵付シートSとの離隔距離が最大のLc(図1
9)となる。それに対し、前記熱盤170が前記雌型1
12のパーティング面114に固定保持されている絵付
シートS上の対向加熱位置(図19参照)に前進せしめ
られて、後述する如くに柱状部材190、190の案内
固定穴192、192により案内固定された後には、前
記ピストンロッド181が最も突出伸長せしめられた状
態とされ、このときには、前記板状加熱部171が雌型
112側に最も接近した接近加熱位置をとる状態とな
り、その加熱面171aと絵付シートSとの離隔距離が
最小のLd(図19)となる。
【0072】さらに、本実施形態においても、前述した
第1実施形態と同様に、前記熱盤170が前記待機位置
から前記対向加熱位置に前進せしめられたとき、該熱盤
170を前記雌型112に対して一定位置に案内固定す
べく、次のような構成が付加されている。
【0073】すなわち、前記熱盤170における保持ケ
ース175の熱盤前進方向で見て先端側(雌型112
側)となる側面壁176の両端(上下端)付近に、それ
ぞれ先端に先細り案内部195a(図17、図18)を
持つ誘導ロッド195、195が垂直に突設される一
方、この誘導ロッド195、195の水平延長線上に位
置するように、前記可動盤111の雌型固定面側におけ
る前記雌型112を挟んで前記熱盤170の待機位置と
は反対側の面上の上下2箇所に、それぞれ熱盤案内固定
用の柱状部材190、190が相互に平行に垂設されて
いる。
【0074】前記柱状部材190、190の上端部付近
には、前述した第1実施形態のものと同様に、前記熱盤
170が前記待機位置から前記対向加熱位置に前進せし
められるとき、前記誘導ロッド195、195の先細り
案内部195aが摺接せしめられつつ嵌挿される円錐案
内面部191を有する案内固定穴192が水平方向に穿
設されている。前記案内固定穴192の内径は、前記誘
導ロッド195の外径と略同一ないし若干大きくされて
いる。
【0075】このような構成とされた射出成形同時絵付
装置300においては、絵付シートSが、従来より公知
の態様、例えばロール/ロール方式等により雌型112
のパーティング面114に供給され(シート供給工程)
るとともに、この絵付シートSを前記クランパー120
により前記パーティング面114に押圧固定するクラン
プ工程が行われ、このクランプ工程後に、前記板状加熱
部171を有する熱盤170が前記エアーシリンダ18
5により、前記待機位置から前記パーティング面114
に押圧固定されている絵付シートS上(キャビティ13
上)の、その加熱面171aが絵付シートSに対向する
前記対向加熱位置まで前進せしめられる。
【0076】ここでは、未だ、加熱部進退用のエアーシ
リンダ180のピストンロッド181は最も引き込まれ
た状態であり、前記熱盤170の板状加熱部171は、
保持ケース175に近接している(図17、図19参
照)。そして、前記熱盤170が前記待機位置から前記
対向加熱位置に前進せしめられたとき、該熱盤170に
設けられている前記誘導ロッド195、195(の先細
り案内部195a)が、図18、図19に示される如く
に、雌型112を挟んで前記熱盤170の待機位置とは
反対側に設置されている柱状部材190、190に穿設
された円錐案内面部191を有する案内固定穴192に
摺接せしめられつつ挿入されてそこで停止せしめられ
る。
【0077】この案内固定穴192に対する誘導ロッド
195、195の嵌挿によって、前記第1実施形態と同
様に、誘導ロッド195、195を伴う熱盤170は、
該誘導ロッド195、195の抜き差し方向の移動、つ
まり、前進・後退方向の移動は可能であるが、それ以外
の方向の挙動が実質的に規制され、前記熱盤170全体
が前記対向加熱位置で不動(固定)状態となる。
【0078】このようにして、前記熱盤170が柱状部
材190、190に誘導ロッド195、195を介して
固定保持された後、前記熱盤170の加熱部進退用のエ
アーシリンダ180が作動せしめられて、図18、図2
0に示される如くに、板状加熱部171が雌型112側
に前進せしめられ、前記板状加熱部171の加熱面17
1aと絵付シートSとの離隔距離が最大のLc(図1
9)から最小のLd(図20)となる(板状加熱部17
1が接近加熱位置をとる)。
【0079】このように、絵付シートSに板状加熱部1
71が接近せしめられた状態で、絵付シートSが加熱軟
化せしめられ(加熱軟化工程)、続いて、絵付シートS
は、図示していない真空吸引孔やスリット状の隙間を通
じた真空吸引により雌型112のパーティング面114
及びキャビティ113に沿うように延伸せしめられてそ
れらに密着せしめられる(延伸工程)。
【0080】なお、前記加熱軟化工程終了後は、前記板
状加熱部171が前記接近加熱位置から元の保持ケース
175に近接した対向加熱位置まで後退せしめられると
ともに、前記熱盤進退手段を構成するエアーシリンダ1
85のピストンロッド186が引き込まれ、前記誘導ロ
ッド195、195が前記案内固定穴192、192か
ら抜き出されて、前記熱盤70全体が前記対向加熱位置
から待機位置に戻される。
【0081】上記のように、熱盤170を対向加熱位置
にて柱状部材190、190に誘導ロッド195、19
5を介して案内固定するようにしたことにより、熱盤1
70に、その進退方向に直交する二方向(上下方向ある
いは前後方向)の不所望な振れが生じ難くなる。そのた
め、絵付シートSと板状加熱部171の加熱面171a
との離隔距離が一定となって加熱軟化工程を適正に行え
るとともに、この熱盤170(の板状加熱部171等)
が雌型112やクランパー120等に接触するような事
故は生じ難くなり、さらに、熱盤170の加熱部171
と雌型112等との離隔距離を大きくしなくて済むの
で、熱盤の発熱エネルギー(消費電力)や加熱軟化時間
を増大させることを要せず、成形コストや成形サイクル
の増大を抑えることができる。
【0082】また、前記熱盤170における板状加熱部
171を、雌型キャビティ113上への前進時、言い換
えれば、前記待機位置から前記対向加熱位置にて案内固
定されるまでの間は、図17及び図19示される如く
に、保持ケース175側に引き込んだ状態として、熱盤
170全体の厚み方向(Y方向)の占有スペースを縮小
しておき、雌型キャビティ113上で、板状加熱部17
1を雌型112側に前進させて接近加熱位置をとらせる
ようにしたことにより、熱盤170の進退時には、雌型
112やクランパー120と板状加熱部171との間に
大きなスペースができるので、この点からも、熱盤17
0(の板状加熱部171等)が雌型112やクランパー
120等に接触するような事故は生じ難くなる。
【0083】さらに、待機位置と対向加熱位置との間で
熱盤170が移動するために要する通路スペース(通路
断面積)も必要最小限の大きさで済むことになり、その
ため、熱盤170と雌型112周辺に配置されている各
種機器類や配線、配管類等との干渉が効果的に避けら
れ、かつ、それらの機器類や配線、配管類等のレイアウ
ト上の自由度が増し、スペース効率、作業効率が向上す
る。
【0084】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係る射出成形同時絵付装置においては、熱盤が雌型
外方の待機位置から雌型キャビティ上の対向加熱位置に
前進せしめられたとき、熱盤案内固定手段により、熱盤
が雌型に対して一定位置に案内固定されるので、熱盤に
不所望な振れが生じ難くなり、その結果、絵付シートと
熱盤との離隔距離が一定となって加熱軟化工程を適正に
行えるとともに、熱盤が雌型やクランパー等に接触する
ような事故を生じ難くでき、さらに、熱盤の加熱部と雌
型等との離隔距離を大きくしなくて済むので、熱盤の発
熱エネルギー(消費電力)や加熱軟化時間を増大させる
ことを要せず、成形コストや成形サイクルの増大を抑え
ることができる。
【0085】また、熱盤の加熱部を前記雌型に対して接
近離隔する方向に進退させる加熱部進退手段が配備され
ることにより、予め、前記熱盤の対向加熱位置を通常の
加熱位置から雌型パーティング面に直交する方向に適宜
に離れた位置に設定しておき、この雌型から比較的遠く
に離れた対向加熱位置から、前記熱盤の加熱部を、加熱
部進退手段により、前記雌型側に接近させるようになせ
ば、前記雌型から比較的遠くに離れた対向加熱位置まで
前進せしめられた熱盤が仮に不所望に振れたとしても、
雌型やクランパー等に接触せず、また、熱盤の加熱部が
前記対向加熱位置から雌型側に接近せしめられて、この
接近加熱位置にて絵付シートを加熱することにより、熱
盤の発熱エネルギー(消費電力)や加熱軟化時間を増大
させることを要しないで、絵付シートの加熱軟化を適正
に行え、さらに、熱盤の加熱部と雌型等との離隔距離を
大きくしなくて済むことから、成形コストや成形サイク
ルの増大を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形同時絵付装置の第1実施
形態を示す全体構成図。
【図2】図1に示される装置の雌型周辺部を示す斜視
図。
【図3】図1に示される装置の雌型周辺部の正面図。
【図4】図1のA矢視拡大図。
【図5】図1に示される雌型の水平断面図。
【図6】図1に示される装置に使用されている無端環状
チェーン及びシート把持用チャックを示す部分拡大側面
図。
【図7】図1に示される装置に使用されている無端環状
チェーン及びシート把持用チャックと雌型に設けられた
案内溝の説明に供される部分拡大断面図。
【図8】図1に示される装置に使用されている無端環状
チェーン及びシート把持用チャックの動作説明に供され
る部分拡大断面図。
【図9】図1に示される装置のシート供給工程の説明に
供される雌型周辺部の斜視図。
【図10】図1に示される装置のシート供給工程の説明
に供される図。
【図11】図1に示される装置の延伸工程、加熱軟化工
程の説明に供される図。
【図12】図1に示される装置の型締め工程の説明に供
される図。
【図13】図1に示される装置の射出成形工程の説明に
供される図。
【図14】図1に示される装置に使用されている熱盤の
説明に供される図。
【図15】図1に示される装置に使用されている熱盤と
熱盤案内固定手段の説明に供される斜視図。
【図16】図1に示される装置に使用されている熱盤案
内固定手段の作用説明に供される図。
【図17】本発明に係る射出成形同時絵付装置の第2実
施形態の熱盤待機時の雌型周辺部を示す斜視図。
【図18】図17に示される装置の加熱軟化工程時の雌
型周辺部を示す斜視図。
【図19】図17に示される装置において熱盤の加熱部
が対向加熱位置にあるときの側面図。
【図20】図17に示される装置において熱盤の加熱部
が接近加熱位置にあるときの側面図。
【図21】従来の射出成形同時絵付装置の説明に供され
る雌型周辺部を示す図。
【符号の説明】
S 絵付シート 5 シート供給装置 10 射出成形同時絵付装置 12 雌型 13 キャビティ 14 パーティング面 15 スリット状の隙間 17 真空吸引孔 20 クランパー 25 雄型 50 無端環状チェーン 60 シート把持用チャック 70 熱盤 71 第1の板状加熱部 72 第2の板状加熱部 80 開き角度調節用エアーシリンダ 85 熱盤進退用エアーシリンダ 90 柱状部材 92 案内固定穴 95 誘導ロッド 170 熱盤 171 板状加熱部 180 加熱部進退用エアーシリンダ 185 熱盤進退用エアーシリンダ 190 柱状部材 192 案内固定穴 195 誘導ロッド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に対向配置されて一方が他方側へ移
    動せしめられるようにされた雌型及び雄型と、前記雌型
    のパーティング面に対して直交する方向に移動可能とさ
    れ、前記絵付シートを前記雌型のパーティング面上に押
    圧固定するクランプ手段と、絵付シートを加熱軟化させ
    るための熱盤と、この熱盤を絵付シート非加熱時には、
    前記雌型のキャビティ上から外れた待機位置に後退さ
    せ、絵付シート加熱時には前記待機位置から前記雌型の
    キャビティ上の対向加熱位置に前進させる熱盤進退駆動
    手段と、前記雌型のキャビティ内に前記雄型側から流動
    状態の樹脂を注入充填する樹脂射出手段と、を備えた射
    出成形同時絵付装置において、 前記熱盤が前記待機位置から前記対向加熱位置に前進せ
    しめられたとき、該熱盤を前記雌型に対して一定位置に
    案内固定するための熱盤案内固定手段が配備されている
    ことを特徴とする射出成形同時絵付装置。
  2. 【請求項2】 前記熱盤案内固定手段は、前記雌型を挟
    んで前記熱盤の待機位置とは反対側に配置されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の射出成形同時絵付装
    置。
  3. 【請求項3】 前記熱盤案内固定手段は、前記熱盤が前
    記待機位置から前記対向加熱位置に前進せしめられると
    き、該熱盤側に設けられた誘導部材が嵌挿される案内固
    定穴又は溝を有していることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の射出成形同時絵付装置。
  4. 【請求項4】 前記熱盤が前記対向加熱位置にあると
    き、該熱盤の加熱部を前記雌型に対して接近離隔する方
    向に進退させる加熱部進退手段が配備されていることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の射出成
    形同時絵付装置。
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