JPH11262931A - 射出成形同時絵付方法及び装置 - Google Patents
射出成形同時絵付方法及び装置Info
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- JPH11262931A JPH11262931A JP6894098A JP6894098A JPH11262931A JP H11262931 A JPH11262931 A JP H11262931A JP 6894098 A JP6894098 A JP 6894098A JP 6894098 A JP6894098 A JP 6894098A JP H11262931 A JPH11262931 A JP H11262931A
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- heating
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/14—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
- B29C45/1418—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles the inserts being deformed or preformed, e.g. by the injection pressure
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- B29C2045/14286—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles the inserts being deformed or preformed, e.g. by the injection pressure means for heating the insert
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- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 絵付シート加熱軟化工程において、加熱効率
を向上させて成形コスト、成形時間を低減でき、かつ、
絵付シートの加熱ムラや各ショット毎の加熱量のバラツ
キを抑えることができて、絵柄模様に歪が生じる等の成
形不良が発生し難くされた射出成形同時絵付方法及び装
置を提供する。 【解決手段】 熱盤45を雄雌両成形型外の待機位置か
ら雄雌両成形型間の対向加熱位置に移動させるととも
に、該対向加熱位置からクランパー20に対接する対接
加熱位置へ移動させる。熱盤振れ止め手段として、クラ
ンパー20における雄型側の面の内周部に熱盤45が対
向加熱位置から対接加熱位置へと移動したときに嵌合せ
しめられる嵌合凹部20aが設けられる。
を向上させて成形コスト、成形時間を低減でき、かつ、
絵付シートの加熱ムラや各ショット毎の加熱量のバラツ
キを抑えることができて、絵柄模様に歪が生じる等の成
形不良が発生し難くされた射出成形同時絵付方法及び装
置を提供する。 【解決手段】 熱盤45を雄雌両成形型外の待機位置か
ら雄雌両成形型間の対向加熱位置に移動させるととも
に、該対向加熱位置からクランパー20に対接する対接
加熱位置へ移動させる。熱盤振れ止め手段として、クラ
ンパー20における雄型側の面の内周部に熱盤45が対
向加熱位置から対接加熱位置へと移動したときに嵌合せ
しめられる嵌合凹部20aが設けられる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形と同時に
型内で図柄や文字等が施された絵付シートを射出樹脂成
形体の表面に一体的に接着積層して加飾積層品(製品)
を得るようにした射出成形同時絵付装置及び方法に関す
る。
型内で図柄や文字等が施された絵付シートを射出樹脂成
形体の表面に一体的に接着積層して加飾積層品(製品)
を得るようにした射出成形同時絵付装置及び方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】射出成形と同時に射出樹脂成形体の表面
に絵付シートを一体的に接着する射出成形同時絵付方法
としては、従来より幾つもの態様が提案されているが、
それらの大半は、次の(a)〜(i)の工程の全部又は
幾つかを記述順に又はその順番を入れ換えて、順次、又
は複数の工程を同時に重複してもしくは並列的に行うよ
うにされている(特公昭50−19132号、実公平3
−56344号、特公平7−41637号公報等を参
照)。
に絵付シートを一体的に接着する射出成形同時絵付方法
としては、従来より幾つもの態様が提案されているが、
それらの大半は、次の(a)〜(i)の工程の全部又は
幾つかを記述順に又はその順番を入れ換えて、順次、又
は複数の工程を同時に重複してもしくは並列的に行うよ
うにされている(特公昭50−19132号、実公平3
−56344号、特公平7−41637号公報等を参
照)。
【0003】(a)絵付シートを射出成形に用いられる
雌型のパーティング面上に供給するシート供給工程。 (b)絵付シートを雌型のパーティング面に固定保持す
るクランプ工程。 (c)絵付シートを熱盤等により加熱軟化させる加熱軟
化工程。 (d)絵付シートを真空吸引及び/又は圧空供給等によ
り雌型のキャビティに沿わせるように延伸させる延伸工
程(予備成形工程)。
雌型のパーティング面上に供給するシート供給工程。 (b)絵付シートを雌型のパーティング面に固定保持す
るクランプ工程。 (c)絵付シートを熱盤等により加熱軟化させる加熱軟
化工程。 (d)絵付シートを真空吸引及び/又は圧空供給等によ
り雌型のキャビティに沿わせるように延伸させる延伸工
程(予備成形工程)。
【0004】(e)雌型と雄型の一方(通常は雌型)を
他方(通常は雄型)側へ移動させて型締めを行う型締め
工程。 (f)雌型と雄型との間に形成されるキャビティ内に雄
型側から流動状態の樹脂(熔融樹脂)を注入充填して射
出成形を行う射出成形工程。 (g)雌型と雄型とを離間させる型開き工程。 (h)絵付シートのうちの射出樹脂成形体に接着付随さ
せるべき部分を他の部分(余剰部分)から切り離すシー
トトリミング工程。 (i)絵付シートが接着積層された積層品を雄雌両成形
型から取り出す取出工程。
他方(通常は雄型)側へ移動させて型締めを行う型締め
工程。 (f)雌型と雄型との間に形成されるキャビティ内に雄
型側から流動状態の樹脂(熔融樹脂)を注入充填して射
出成形を行う射出成形工程。 (g)雌型と雄型とを離間させる型開き工程。 (h)絵付シートのうちの射出樹脂成形体に接着付随さ
せるべき部分を他の部分(余剰部分)から切り離すシー
トトリミング工程。 (i)絵付シートが接着積層された積層品を雄雌両成形
型から取り出す取出工程。
【0005】なお、複数の工程を同時に重複して行うと
は、複数の工程が一工程に含まれることをいい、例え
ば、前記(e)の型締め工程において絵付シートを雌型
と雄型との間に挟んで固定保持するようになせば、該型
締め工程と同時に重複して前記(b)のクランプ工程が
行われたことになり、また、前記(f)の射出成形工程
において絵付シートを射出された熔融樹脂の熱と圧力に
より延伸させるようになせば、該射出成形工程と同時に
重複して前記(d)の延伸工程が行われたことになる場
合をいう。
は、複数の工程が一工程に含まれることをいい、例え
ば、前記(e)の型締め工程において絵付シートを雌型
と雄型との間に挟んで固定保持するようになせば、該型
締め工程と同時に重複して前記(b)のクランプ工程が
行われたことになり、また、前記(f)の射出成形工程
において絵付シートを射出された熔融樹脂の熱と圧力に
より延伸させるようになせば、該射出成形工程と同時に
重複して前記(d)の延伸工程が行われたことになる場
合をいう。
【0006】また、絵付シートとしては、製品種別に応
じて貼合わせ積層シート(ラミネートシート)と転写シ
ートのいずれかが用いられ、ラミネートシートである場
合には、射出成形によりそのままで絵付けが行われたこ
とになり、射出樹脂成形体の表面にシート全層が接着一
体化して化粧層となる。それに対し、絵付シートが転写
シートである場合には、射出樹脂成形体の表面に一体化
した絵付シートのうちの支持体シートを剥離し、装飾層
等の転写層のみを射出樹脂成形体側に残留させて化粧層
となすことにより絵付けが完了する。
じて貼合わせ積層シート(ラミネートシート)と転写シ
ートのいずれかが用いられ、ラミネートシートである場
合には、射出成形によりそのままで絵付けが行われたこ
とになり、射出樹脂成形体の表面にシート全層が接着一
体化して化粧層となる。それに対し、絵付シートが転写
シートである場合には、射出樹脂成形体の表面に一体化
した絵付シートのうちの支持体シートを剥離し、装飾層
等の転写層のみを射出樹脂成形体側に残留させて化粧層
となすことにより絵付けが完了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、射出成形同
時絵付方法においては、前記したように、射出成形工程
前に、予備成形工程として、絵付シートを、雌型パーテ
ィング面上にクランパーによって押圧固定し、この絵付
シートを加熱軟化させた状態で延伸させて雌型キャビテ
ィに沿うように密着させる工程を行うことが好ましく、
このため、通常の射出成形同時絵付装置には、絵付シー
トを雌型パーティング面に固定しておくためのクランパ
ーと、この絵付シートを加熱軟化させるための熱盤と、
が備えられる。
時絵付方法においては、前記したように、射出成形工程
前に、予備成形工程として、絵付シートを、雌型パーテ
ィング面上にクランパーによって押圧固定し、この絵付
シートを加熱軟化させた状態で延伸させて雌型キャビテ
ィに沿うように密着させる工程を行うことが好ましく、
このため、通常の射出成形同時絵付装置には、絵付シー
トを雌型パーティング面に固定しておくためのクランパ
ーと、この絵付シートを加熱軟化させるための熱盤と、
が備えられる。
【0008】これを以下に、図7を参照しながら簡単に
説明する。図は、従来より使用されている射出成形同時
絵付装置10’の、加熱軟化工程における雌型12の周
辺部を示している。この雌型12には、得るべき積層製
品に対応したキャビティ13が設けられるとともに、真
空吸引手段としての真空吸引孔17、真空吸引溝16、
スリット状の真空吸引隙間15、真空吸引通路18、外
部に真空源に接続された導管19等が設けられ、そのパ
ーティング面14上には、図7のX方向から見た平面視
外形が矩形枠状ないし井桁状のクランパー80が前記パ
ーティング面14に対して接離する方向(X方向)に進
退可能に配置され、また、前記パーティング面14の外
周側にはOリング22が装着された装着溝23が形成さ
れており、該Oリング22は前記クランパー80と対向
している。
説明する。図は、従来より使用されている射出成形同時
絵付装置10’の、加熱軟化工程における雌型12の周
辺部を示している。この雌型12には、得るべき積層製
品に対応したキャビティ13が設けられるとともに、真
空吸引手段としての真空吸引孔17、真空吸引溝16、
スリット状の真空吸引隙間15、真空吸引通路18、外
部に真空源に接続された導管19等が設けられ、そのパ
ーティング面14上には、図7のX方向から見た平面視
外形が矩形枠状ないし井桁状のクランパー80が前記パ
ーティング面14に対して接離する方向(X方向)に進
退可能に配置され、また、前記パーティング面14の外
周側にはOリング22が装着された装着溝23が形成さ
れており、該Oリング22は前記クランパー80と対向
している。
【0009】そして、前記クランパー80により前記パ
ーティング面14に押圧固定された絵付シートSを加熱
軟化すべく、熱盤65が備えられている。この熱盤65
は、熱盤移送手段とされる例えば流体圧シリンダ(図
外)のピストンロッド67の先端に取り付けられてお
り、前記熱盤移送手段により、平面視矩形の加熱面65
aを前記雌型12側に向けた姿勢で、雄雌両成形型外
(ここでは、雌型12の上方)の待機位置から図のZ方
向に沿って真っ直ぐに下降せしめられて、雄雌両成形型
間(雌型12のパーティング面14上)の対向加熱位置
(図示の位置)まで移動せしめられ、この対向加熱位置
にて、前記絵付シートSを非接触状態で輻射熱によって
加熱軟化するようになっている。
ーティング面14に押圧固定された絵付シートSを加熱
軟化すべく、熱盤65が備えられている。この熱盤65
は、熱盤移送手段とされる例えば流体圧シリンダ(図
外)のピストンロッド67の先端に取り付けられてお
り、前記熱盤移送手段により、平面視矩形の加熱面65
aを前記雌型12側に向けた姿勢で、雄雌両成形型外
(ここでは、雌型12の上方)の待機位置から図のZ方
向に沿って真っ直ぐに下降せしめられて、雄雌両成形型
間(雌型12のパーティング面14上)の対向加熱位置
(図示の位置)まで移動せしめられ、この対向加熱位置
にて、前記絵付シートSを非接触状態で輻射熱によって
加熱軟化するようになっている。
【0010】しかしながら、上記のような従来装置1
0’においては、加熱軟化工程において、熱盤65は、
クランパー80からは離れた対向加熱位置で絵付シート
Sを加熱するようにされているので、当然ながら、熱盤
65(の加熱面65a)とクランパー80との間には間
隙kが形成される。このように熱盤65とクランパー8
0との間に間隙kが形成されると、輻射線の照度は離隔
距離の2乗に反比例して減少するため、加熱効率が低下
し、絵付シートSを適度に加熱軟化させるのに要する時
間が長くなるとともに、発熱エネルギー(消費電力等)
も多くなり、成形コスト、成形時間が増大する。
0’においては、加熱軟化工程において、熱盤65は、
クランパー80からは離れた対向加熱位置で絵付シート
Sを加熱するようにされているので、当然ながら、熱盤
65(の加熱面65a)とクランパー80との間には間
隙kが形成される。このように熱盤65とクランパー8
0との間に間隙kが形成されると、輻射線の照度は離隔
距離の2乗に反比例して減少するため、加熱効率が低下
し、絵付シートSを適度に加熱軟化させるのに要する時
間が長くなるとともに、発熱エネルギー(消費電力等)
も多くなり、成形コスト、成形時間が増大する。
【0011】さらに、上記に加え、前記間隙kから周囲
の冷気が絵付シートSと熱盤65との間に流入するた
め、絵付シートSの温度分布が不均一、言い換えれば、
絵付シートSに加熱ムラが生じやすくなり(例えば、絵
付シートSの中央部と外周部との温度差が大きくな
る)、絵付シートSの各部における延伸量がばらつき、
絵柄模様に歪みが生じたり、絵柄模様と射出樹脂成形体
との位置ずれ等が生じやすくなる。さらに、成形の各シ
ョット毎に加熱量がバラツキを生じる。
の冷気が絵付シートSと熱盤65との間に流入するた
め、絵付シートSの温度分布が不均一、言い換えれば、
絵付シートSに加熱ムラが生じやすくなり(例えば、絵
付シートSの中央部と外周部との温度差が大きくな
る)、絵付シートSの各部における延伸量がばらつき、
絵柄模様に歪みが生じたり、絵柄模様と射出樹脂成形体
との位置ずれ等が生じやすくなる。さらに、成形の各シ
ョット毎に加熱量がバラツキを生じる。
【0012】また、熱盤65は、熱盤移送手段の自由端
(エアーシリンダのピストンロッド67先端)に取り付
けられて片持ち支持されている関係等により、該熱盤6
5が前記待機位置から前記対向加熱位置(前記ピストン
ロッド67が最も突出伸長せしめられた状態)に前進せ
しめられたとき、熱盤進退方向に直交する左右方向(あ
るいは前後方向(X方向)に不所望な振れが生じやすく
なり、絵付シートSと熱盤65との離隔距離が定まり難
くなる。このように、熱盤65が前記対向加熱位置にて
振れてしまうことによっても、絵付シートSに加熱ムラ
が生じやすくなり、絵柄模様に歪みが生じる、絵柄模様
と射出樹脂成形体との位置ずれが生じる、等の成形不良
が発生しやすくなる。
(エアーシリンダのピストンロッド67先端)に取り付
けられて片持ち支持されている関係等により、該熱盤6
5が前記待機位置から前記対向加熱位置(前記ピストン
ロッド67が最も突出伸長せしめられた状態)に前進せ
しめられたとき、熱盤進退方向に直交する左右方向(あ
るいは前後方向(X方向)に不所望な振れが生じやすく
なり、絵付シートSと熱盤65との離隔距離が定まり難
くなる。このように、熱盤65が前記対向加熱位置にて
振れてしまうことによっても、絵付シートSに加熱ムラ
が生じやすくなり、絵柄模様に歪みが生じる、絵柄模様
と射出樹脂成形体との位置ずれが生じる、等の成形不良
が発生しやすくなる。
【0013】本発明は、上述の如くの問題を解消すべく
なされたもので、その目的とするところは、絵付シート
加熱軟化工程において、加熱効率を向上させて成形コス
ト、成形時間を低減でき、かつ、絵付シートの加熱ム
ラ、各ショット毎の加熱量のバラツキを抑えることがで
きて、絵柄模様に歪が生じる等の成形不良が発生し難く
された射出成形同時絵付方法及び装置を提供することに
ある。
なされたもので、その目的とするところは、絵付シート
加熱軟化工程において、加熱効率を向上させて成形コス
ト、成形時間を低減でき、かつ、絵付シートの加熱ム
ラ、各ショット毎の加熱量のバラツキを抑えることがで
きて、絵柄模様に歪が生じる等の成形不良が発生し難く
された射出成形同時絵付方法及び装置を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る射出成形同時絵付方法は、基本的に
は、雌型のパーティング面上に絵付シートを供給するシ
ート供給工程と、絵付シートをクランプ手段により前記
雌型のパーティング面上に押圧固定するクランプ工程
と、絵付シートを熱盤により加熱軟化させる加熱軟化工
程と、絵付シートを前記雌型のキャビティに沿わせて密
着させるように延伸させる延伸工程と、前記雌型と雄型
の一方を他方側へ移動させて型締めを行う型締め工程
と、前記雌型と雄型との間に形成される成形キャビティ
内に前記雄型側から流動状態の樹脂を注入充填し、得ら
れる射出樹脂成形体と絵付シートとを積層して一体化さ
せる射出成形工程と、前記雌型と雄型とを離間させる型
開き工程と、絵付シートが接着積層された積層品を前記
雌型から取り出す取出工程と、を含む。
く、本発明に係る射出成形同時絵付方法は、基本的に
は、雌型のパーティング面上に絵付シートを供給するシ
ート供給工程と、絵付シートをクランプ手段により前記
雌型のパーティング面上に押圧固定するクランプ工程
と、絵付シートを熱盤により加熱軟化させる加熱軟化工
程と、絵付シートを前記雌型のキャビティに沿わせて密
着させるように延伸させる延伸工程と、前記雌型と雄型
の一方を他方側へ移動させて型締めを行う型締め工程
と、前記雌型と雄型との間に形成される成形キャビティ
内に前記雄型側から流動状態の樹脂を注入充填し、得ら
れる射出樹脂成形体と絵付シートとを積層して一体化さ
せる射出成形工程と、前記雌型と雄型とを離間させる型
開き工程と、絵付シートが接着積層された積層品を前記
雌型から取り出す取出工程と、を含む。
【0015】そして、前記加熱軟化工程において、前記
熱盤の外周部を、前記クランプ手段における前記雄型側
の面の内周部に設けられた内周側嵌合凹部に嵌合させ
て、それらの間に実質的に間隙が生じないように対接さ
せることを特徴としている。本発明方法の好ましい態様
では、前記加熱軟化工程において、前記熱盤は前記クラ
ンプ手段に実質的に固定される。
熱盤の外周部を、前記クランプ手段における前記雄型側
の面の内周部に設けられた内周側嵌合凹部に嵌合させ
て、それらの間に実質的に間隙が生じないように対接さ
せることを特徴としている。本発明方法の好ましい態様
では、前記加熱軟化工程において、前記熱盤は前記クラ
ンプ手段に実質的に固定される。
【0016】この場合、前記熱盤と前記クランプ手段と
を、前記雌型と雄型との型開閉方向に沿って嵌合させる
こと、つまり、前記クランプ手段に設けられた内周側嵌
合凹部に前記熱盤の外周部を嵌合させることによって、
それらを実質的に固定してもよいし、あるいは、前記熱
盤と前記クランプ手段とを、別の固定手段、例えば、そ
れらに別途にそれぞれ設けられた相互に嵌合する嵌合凸
部と嵌合穴とを前記雌型と雄型との型開閉方向に沿って
嵌合させることによって、それらを実質的に固定するよ
うにしてもよい。
を、前記雌型と雄型との型開閉方向に沿って嵌合させる
こと、つまり、前記クランプ手段に設けられた内周側嵌
合凹部に前記熱盤の外周部を嵌合させることによって、
それらを実質的に固定してもよいし、あるいは、前記熱
盤と前記クランプ手段とを、別の固定手段、例えば、そ
れらに別途にそれぞれ設けられた相互に嵌合する嵌合凸
部と嵌合穴とを前記雌型と雄型との型開閉方向に沿って
嵌合させることによって、それらを実質的に固定するよ
うにしてもよい。
【0017】一方、本発明に係る射出成形同時絵付装置
は、基本的には、雄雌両成形型を備え、前記雌型のパー
ティング面上に絵付シートを供給するとともに、供給さ
れた絵付シートをクランプ手段によって前記パーティン
グ面上に押圧固定し、この絵付シートを熱盤により加熱
軟化させるとともに、真空吸引手段等により前記雌型キ
ャビティに沿って密着させるべく延伸させ、その後、前
記雄雌両成形型の型締めを行って、射出成形機からの流
動状態の樹脂を前記雄型から前記雌型と雄型との間に形
成される成形キャビティへ射出充填し、この樹脂が固化
した後、前記雄雌両成形型の型開きを行い、前記雄雌両
成形型から絵付シートが接着積層された積層製品を取り
出すようにされてなる。
は、基本的には、雄雌両成形型を備え、前記雌型のパー
ティング面上に絵付シートを供給するとともに、供給さ
れた絵付シートをクランプ手段によって前記パーティン
グ面上に押圧固定し、この絵付シートを熱盤により加熱
軟化させるとともに、真空吸引手段等により前記雌型キ
ャビティに沿って密着させるべく延伸させ、その後、前
記雄雌両成形型の型締めを行って、射出成形機からの流
動状態の樹脂を前記雄型から前記雌型と雄型との間に形
成される成形キャビティへ射出充填し、この樹脂が固化
した後、前記雄雌両成形型の型開きを行い、前記雄雌両
成形型から絵付シートが接着積層された積層製品を取り
出すようにされてなる。
【0018】そして、前記クランプ手段に、その雄型側
の面の内周部に前記熱盤の外周部と嵌合し得る内周側嵌
合凹部が設けられ、かつ、前記熱盤を前記雄雌両成形型
外の待機位置から前記雄雌両成形型間の対向加熱位置に
移動させるとともに、該対向加熱位置から前記クランプ
手段の内周側嵌合凹部にその外周部を嵌合させて対接す
る対接加熱位置へ移動させる熱盤移送手段を備えている
ことを特徴としている。
の面の内周部に前記熱盤の外周部と嵌合し得る内周側嵌
合凹部が設けられ、かつ、前記熱盤を前記雄雌両成形型
外の待機位置から前記雄雌両成形型間の対向加熱位置に
移動させるとともに、該対向加熱位置から前記クランプ
手段の内周側嵌合凹部にその外周部を嵌合させて対接す
る対接加熱位置へ移動させる熱盤移送手段を備えている
ことを特徴としている。
【0019】本発明装置の好ましい態様では、前記熱盤
及び又は前記クランプ手段に、それら相互を対接状態で
実質的に固定する熱盤振れ止め手段が設けられる。この
場合、前記クランプ手段に設けられた内周側嵌合凹部を
前記熱盤振れ止め手段として使用してもよいし、前記熱
盤振れ止め手段として、前記熱盤と前記クランプ手段と
に、前記熱盤が前記対向加熱位置から前記対接加熱位置
へと移動したときに相互に嵌合せしめられる嵌合凸部と
嵌合穴とを設けてもよいし、さらには、前記熱盤振れ止
め手段として、前記クランプ手段又は前記熱盤に、磁気
吸着手段や真空吸着手段等の吸着手段を設けてもよい。
及び又は前記クランプ手段に、それら相互を対接状態で
実質的に固定する熱盤振れ止め手段が設けられる。この
場合、前記クランプ手段に設けられた内周側嵌合凹部を
前記熱盤振れ止め手段として使用してもよいし、前記熱
盤振れ止め手段として、前記熱盤と前記クランプ手段と
に、前記熱盤が前記対向加熱位置から前記対接加熱位置
へと移動したときに相互に嵌合せしめられる嵌合凸部と
嵌合穴とを設けてもよいし、さらには、前記熱盤振れ止
め手段として、前記クランプ手段又は前記熱盤に、磁気
吸着手段や真空吸着手段等の吸着手段を設けてもよい。
【0020】本発明装置に使用される熱盤としては、伝
導熱を用いる接触加熱方式、あるいは輻射熱や誘電加熱
を用いる非接触加熱方式のいずれを採用してもよいが、
最も好ましいのは、赤外線輻射等よる非接触加熱方式で
加熱する場合である。前記熱盤移送手段としては、エア
ーシリンダ等の流体圧シリンダ、ラック・ピニオンある
いはねじ送り等による直線移送機構、案内レール上を走
行する台車機構等、種々の形態を採用できる。
導熱を用いる接触加熱方式、あるいは輻射熱や誘電加熱
を用いる非接触加熱方式のいずれを採用してもよいが、
最も好ましいのは、赤外線輻射等よる非接触加熱方式で
加熱する場合である。前記熱盤移送手段としては、エア
ーシリンダ等の流体圧シリンダ、ラック・ピニオンある
いはねじ送り等による直線移送機構、案内レール上を走
行する台車機構等、種々の形態を採用できる。
【0021】上述の如くの構成とされた本発明の射出成
形同時絵付方法及び装置の好ましい態様においては、絵
付シートを加熱軟化させる際、熱盤は、熱盤移送手段に
よって、雄雌両成形型外の待機位置から雄雌両成形型間
の対向加熱位置に移動せしめられるとともにともに、該
対向加熱位置から前記クランプ手段に対接する対接加熱
位置へと移動せしめられ、この対接加熱位置に移動せし
められたとき、熱盤は、例えば、クランプ手段に設けら
れた振れ止め手段としての内周側嵌合凹部に嵌合せしめ
られて、それらの間に実質的に間隙が無くされるととも
に、クランプ手段に実質的に固定され、熱盤は、前記対
向加熱位置で不動(固定)状態となる。
形同時絵付方法及び装置の好ましい態様においては、絵
付シートを加熱軟化させる際、熱盤は、熱盤移送手段に
よって、雄雌両成形型外の待機位置から雄雌両成形型間
の対向加熱位置に移動せしめられるとともにともに、該
対向加熱位置から前記クランプ手段に対接する対接加熱
位置へと移動せしめられ、この対接加熱位置に移動せし
められたとき、熱盤は、例えば、クランプ手段に設けら
れた振れ止め手段としての内周側嵌合凹部に嵌合せしめ
られて、それらの間に実質的に間隙が無くされるととも
に、クランプ手段に実質的に固定され、熱盤は、前記対
向加熱位置で不動(固定)状態となる。
【0022】したがって、加熱軟化工程において、熱盤
とクランプ手段との間に実質的に間隙が無くされる上、
さらに絵付シートと熱盤加熱面との離隔距離も短くなる
ので、加熱効率が向上し、熱盤の発熱エネルギー(消費
電力)や加熱軟化時間を従来のものに比して削減でき、
成形コストや成形時間の増大を抑えることができる。
とクランプ手段との間に実質的に間隙が無くされる上、
さらに絵付シートと熱盤加熱面との離隔距離も短くなる
ので、加熱効率が向上し、熱盤の発熱エネルギー(消費
電力)や加熱軟化時間を従来のものに比して削減でき、
成形コストや成形時間の増大を抑えることができる。
【0023】また、熱盤がクランプ手段に実質的に固定
されることから、熱盤に不所望な振れが生じ難くなり、
その結果、絵付シートと熱盤との離隔距離が一定とな
り、絵付シートに加熱ムラが生じ難くなって、絵柄模様
に歪みが生じる、絵柄模様と射出樹脂成形体との位置ず
れが生じる、等の成形不良が発生し難くなる。本発明に
おいて、雄雌両成形型は、鉄等の金属あるいはセラミッ
クス等で作製され、それらに必要に応じて、真空吸引や
圧空供給用に小孔(真空吸引孔等)を設ける。
されることから、熱盤に不所望な振れが生じ難くなり、
その結果、絵付シートと熱盤との離隔距離が一定とな
り、絵付シートに加熱ムラが生じ難くなって、絵柄模様
に歪みが生じる、絵柄模様と射出樹脂成形体との位置ず
れが生じる、等の成形不良が発生し難くなる。本発明に
おいて、雄雌両成形型は、鉄等の金属あるいはセラミッ
クス等で作製され、それらに必要に応じて、真空吸引や
圧空供給用に小孔(真空吸引孔等)を設ける。
【0024】また、雌型を複数の分割部分の集合体で構
成(いわゆる入れ子構造に)し、隣合う分割部分間にス
リット状の隙間を形成してこの隙間を真空吸引孔として
用いて真空吸引を行うようにしてもよい。前記雄型に
は、流動状態の樹脂を射出するためのランナーと所要本
のゲートを設ける。ゲートの本数、位置、形状等は、得
るべき製品の形状等を勘案して自由に設定することがで
きる。
成(いわゆる入れ子構造に)し、隣合う分割部分間にス
リット状の隙間を形成してこの隙間を真空吸引孔として
用いて真空吸引を行うようにしてもよい。前記雄型に
は、流動状態の樹脂を射出するためのランナーと所要本
のゲートを設ける。ゲートの本数、位置、形状等は、得
るべき製品の形状等を勘案して自由に設定することがで
きる。
【0025】また、絵付シートを雌型パーティング面に
固定保持すべくクランプ手段を付設する。クランプ手段
としては、枠状ないし井桁状の押さえ板等を用いること
ができ、その駆動は、型締め動作等の成形用駆動力を用
いたり、イジェクターピン駆動機構の動力を利用したり
することができる他、別途に流体圧アクチュエーター等
の駆動手段を設けることによりなされる。
固定保持すべくクランプ手段を付設する。クランプ手段
としては、枠状ないし井桁状の押さえ板等を用いること
ができ、その駆動は、型締め動作等の成形用駆動力を用
いたり、イジェクターピン駆動機構の動力を利用したり
することができる他、別途に流体圧アクチュエーター等
の駆動手段を設けることによりなされる。
【0026】絵付シートの供給方法としては、巻き出し
巻き取り方式(ロール/ロール方式)、あるいは、ロー
ル状に巻き取られた長尺の連続帯状シートの先端を搬送
チャック等で把持して雌型のパーティング面上に供給す
るとともに、1ショット分毎に切断して枚葉シートとな
す方式、枚葉シートをロボット等で供給する方式等、い
ずれの供給方式も採用できる。
巻き取り方式(ロール/ロール方式)、あるいは、ロー
ル状に巻き取られた長尺の連続帯状シートの先端を搬送
チャック等で把持して雌型のパーティング面上に供給す
るとともに、1ショット分毎に切断して枚葉シートとな
す方式、枚葉シートをロボット等で供給する方式等、い
ずれの供給方式も採用できる。
【0027】絵付シートは、基材シートとその上に積層
された装飾層からなり、基材シートを成形品と密着一体
化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積層シ
ート(ラミネートシート)、あるいは一旦絵付シートと
成形品とを一体化させた後、装飾層(転写層)のみを成
形品側に残して基材シート(支持体シート)を剥離する
転写シートのいずれも使用することができる。
された装飾層からなり、基材シートを成形品と密着一体
化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積層シ
ート(ラミネートシート)、あるいは一旦絵付シートと
成形品とを一体化させた後、装飾層(転写層)のみを成
形品側に残して基材シート(支持体シート)を剥離する
転写シートのいずれも使用することができる。
【0028】前記貼合わせ積層シートの場合、基材シー
トとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリス
チレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。基材
シートの厚さは、通常20〜500μm程度である。装
飾層としては、印刷絵柄、着色又は透明塗装、金属薄
膜、あるいは、硬質塗膜、防曇塗料、導電性層等の機能
性層等を用いることができる。
トとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリス
チレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。基材
シートの厚さは、通常20〜500μm程度である。装
飾層としては、印刷絵柄、着色又は透明塗装、金属薄
膜、あるいは、硬質塗膜、防曇塗料、導電性層等の機能
性層等を用いることができる。
【0029】前記転写シートの場合は、一旦剥離性の支
持体シート上に形成した絵柄層等よりなる転写層を、別
の被転写体に転移させるためのもので、支持体シート上
には必要に応じて離型層を設けても良く、転写層として
は、剥離層、装飾層、接着剤層、等からなり、装飾層以
外の層は必要に応じて選択する。装飾層としては、絵柄
層、金属薄膜層(部分又は全面)あるいは硬質塗膜、防
曇塗膜、導電性層等の機能性層から選ばれる。支持体シ
ートは、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
樹脂、ポリ塩化ビニル等、可撓性を有する熱可塑性樹脂
フィルムあるいはそれらの積層体が好ましい。
持体シート上に形成した絵柄層等よりなる転写層を、別
の被転写体に転移させるためのもので、支持体シート上
には必要に応じて離型層を設けても良く、転写層として
は、剥離層、装飾層、接着剤層、等からなり、装飾層以
外の層は必要に応じて選択する。装飾層としては、絵柄
層、金属薄膜層(部分又は全面)あるいは硬質塗膜、防
曇塗膜、導電性層等の機能性層から選ばれる。支持体シ
ートは、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
樹脂、ポリ塩化ビニル等、可撓性を有する熱可塑性樹脂
フィルムあるいはそれらの積層体が好ましい。
【0030】射出成形用の樹脂としては、ABS(アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂を加熱熔融して液状な
いし流動状態となったもの、あるいは、二液硬化型、触
媒硬化型の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂等の未硬化液等の射出成形同時絵付用として従来よ
り知られている材料を使用でき、製品の要求物性やコス
ト等に応じて選定される。
リロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂を加熱熔融して液状な
いし流動状態となったもの、あるいは、二液硬化型、触
媒硬化型の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂等の未硬化液等の射出成形同時絵付用として従来よ
り知られている材料を使用でき、製品の要求物性やコス
ト等に応じて選定される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る射出
成形同時絵付装置の一実施形態を示す全体構成図であ
る。本実施形態の射出成形同時絵付装置10により得る
べき積層製品は、図4の射出成形工程を参照すればよく
わかるように、平面視では矩形状で断面がコ字状のパネ
ルであり、射出樹脂成形体(Pa)の表面に絵付シート
Sを接着積層したものである。なお、前記絵付シートS
として、ここでは、アクリル樹脂製の基材シート(厚み
は125μm)と、その上にグラビア印刷法により積層
された装飾層(アクリル樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル共
重合体の1:1重量比混合物のバインダーと顔料からな
るインキの絵柄層)と、接着剤層(塩化ビニル酢酸ビニ
ル共重合体系)とからなり、基材シートを射出樹脂成形
体Paと密着一体化させたまま最終製品として使用する
貼り合わせ積層シート(ラミネートシート)を用いてい
る。前記装飾層(絵柄層)は、柄版を3色組み合わせた
木目模様となっており、また、前記接着剤層は、スクリ
ーン線数40線/cmのグラビアベタ印刷版(版深60
μm)を2度用いて(グラビア印刷2色刷りして)形成
した厚みが2μmの層である。
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る射出
成形同時絵付装置の一実施形態を示す全体構成図であ
る。本実施形態の射出成形同時絵付装置10により得る
べき積層製品は、図4の射出成形工程を参照すればよく
わかるように、平面視では矩形状で断面がコ字状のパネ
ルであり、射出樹脂成形体(Pa)の表面に絵付シート
Sを接着積層したものである。なお、前記絵付シートS
として、ここでは、アクリル樹脂製の基材シート(厚み
は125μm)と、その上にグラビア印刷法により積層
された装飾層(アクリル樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル共
重合体の1:1重量比混合物のバインダーと顔料からな
るインキの絵柄層)と、接着剤層(塩化ビニル酢酸ビニ
ル共重合体系)とからなり、基材シートを射出樹脂成形
体Paと密着一体化させたまま最終製品として使用する
貼り合わせ積層シート(ラミネートシート)を用いてい
る。前記装飾層(絵柄層)は、柄版を3色組み合わせた
木目模様となっており、また、前記接着剤層は、スクリ
ーン線数40線/cmのグラビアベタ印刷版(版深60
μm)を2度用いて(グラビア印刷2色刷りして)形成
した厚みが2μmの層である。
【0032】本実施形態の射出成形同時絵付装置10
は、前記した得るべき積層製品に対応した凹凸形状の雌
型12と雄型25とを備え、雌型12は、図示はされて
いないが、その底部が可動盤に固定されていて、流体圧
シリンダのラム等により水平方向(図1のX方向)、言
い換えれば、雄型25に対して接近−離隔する方向に進
退動するようされている。
は、前記した得るべき積層製品に対応した凹凸形状の雌
型12と雄型25とを備え、雌型12は、図示はされて
いないが、その底部が可動盤に固定されていて、流体圧
シリンダのラム等により水平方向(図1のX方向)、言
い換えれば、雄型25に対して接近−離隔する方向に進
退動するようされている。
【0033】なお、本実施形態では、上記のように雌型
12が可動型とされていて水平方向に移動するようにさ
れているが、これに限定される訳ではなく、例えば、雄
型、雌型を上下に対向配置してそれらの一方を鉛直方向
に移動させる等の形態を採用することもできる。
12が可動型とされていて水平方向に移動するようにさ
れているが、これに限定される訳ではなく、例えば、雄
型、雌型を上下に対向配置してそれらの一方を鉛直方向
に移動させる等の形態を採用することもできる。
【0034】前記雌型12は、ここでは複数の分割型か
らなる入れ子構造のものが採用されており、この雌型1
2には、前記積層製品に対応するキャビティ13が形成
されるとともに、このキャビティ13の外周側にパーテ
ィング面14が形成されている。このパーティング面1
4におけるキャビティ13の周りに、該キャビティ13
を囲むように絵付シートSを真空吸引するための環状の
連続した断面矩形のシート固定用吸引溝16が形成され
るとともに、このシート固定用吸引溝16に所定本の真
空吸引孔17が所定のピッチで開口せしめられている。
らなる入れ子構造のものが採用されており、この雌型1
2には、前記積層製品に対応するキャビティ13が形成
されるとともに、このキャビティ13の外周側にパーテ
ィング面14が形成されている。このパーティング面1
4におけるキャビティ13の周りに、該キャビティ13
を囲むように絵付シートSを真空吸引するための環状の
連続した断面矩形のシート固定用吸引溝16が形成され
るとともに、このシート固定用吸引溝16に所定本の真
空吸引孔17が所定のピッチで開口せしめられている。
【0035】そして、前記雌型12における分割型間に
は、真空吸引孔として働くスリット状の隙間15が形成
されている。このスリット状の隙間15は、前記キャビ
ティ13の隅角部を形成する角丸(アール)部分とそれ
に続く平面部分との境目部分に開口せしめられている。
なお、スリット状の隙間15を前記境目部分に開口させ
ているのは、前記境目部分が、真空吸引孔として用いら
れる前記隙間15が存在することによって積層製品Pに
残される線条の痕跡が最も目立たない箇所であるとの理
由による。
は、真空吸引孔として働くスリット状の隙間15が形成
されている。このスリット状の隙間15は、前記キャビ
ティ13の隅角部を形成する角丸(アール)部分とそれ
に続く平面部分との境目部分に開口せしめられている。
なお、スリット状の隙間15を前記境目部分に開口させ
ているのは、前記境目部分が、真空吸引孔として用いら
れる前記隙間15が存在することによって積層製品Pに
残される線条の痕跡が最も目立たない箇所であるとの理
由による。
【0036】前記シート固定用吸引溝16に開口せしめ
られた真空吸引孔17と前記スリット状の隙間15と
は、前記雌型12内部に穿設された真空吸引通路18及
び導管19を介して外部の真空ポンプに接続されてお
り、本実施形態では、前記真空吸引孔17、前記シート
固定用吸引溝16、前記スリット状の隙間15、前記真
空吸引通路18、前記導管19、及び外部の真空ポンプ
等で真空吸引手段が構成されている。
られた真空吸引孔17と前記スリット状の隙間15と
は、前記雌型12内部に穿設された真空吸引通路18及
び導管19を介して外部の真空ポンプに接続されてお
り、本実施形態では、前記真空吸引孔17、前記シート
固定用吸引溝16、前記スリット状の隙間15、前記真
空吸引通路18、前記導管19、及び外部の真空ポンプ
等で真空吸引手段が構成されている。
【0037】さらに、前記雌型12のパーティング面1
4の外周側には、Oリング22が装着された環状の装着
溝23が設けられている。前記Oリング22は、後述す
る矩形枠状ないし井桁状のクランパー20(図2参照)
が、間に絵付シートSを挟んで雌型12のパーティング
面14に押し付けられた際、前記キャビティ12と外部
とを気密的に遮断する役目を果たす。
4の外周側には、Oリング22が装着された環状の装着
溝23が設けられている。前記Oリング22は、後述す
る矩形枠状ないし井桁状のクランパー20(図2参照)
が、間に絵付シートSを挟んで雌型12のパーティング
面14に押し付けられた際、前記キャビティ12と外部
とを気密的に遮断する役目を果たす。
【0038】一方、前記雄型25は、図示はされていな
いが、射出成形機のノズルが装着される固定盤に固定さ
れており、この雄型25には、前記積層製品形状に対応
した凸部(コア部)26が設けられるとともに、その内
部には、熔融樹脂射出用のランナー27及びそれに連な
るゲート28が設けられている。
いが、射出成形機のノズルが装着される固定盤に固定さ
れており、この雄型25には、前記積層製品形状に対応
した凸部(コア部)26が設けられるとともに、その内
部には、熔融樹脂射出用のランナー27及びそれに連な
るゲート28が設けられている。
【0039】また、前記雌型12には、絵付シートSを
そのパーティング面14に押圧固定するための、図2
(A)に示される如くの、平面視外形が矩形枠状ないし
井桁状のクランパー20が付設されている。このクラン
パー20における前記雄型25側の面の内周部には、図
2(B)の断面図(図2(A)のU−U矢視断面図)に
示される如くに、後述する平面視矩形の熱盤45が厚み
方向(図1のX方向)に沿って嵌合せしめられる、熱盤
振れ止め手段としてのL形断面の嵌合凹部20aが設け
られている。この嵌合凹部20aの上端側(図1におい
て熱盤45側)には、前記熱盤45を嵌合させやすくす
るためのR(アール)又は面取りが施されている。
そのパーティング面14に押圧固定するための、図2
(A)に示される如くの、平面視外形が矩形枠状ないし
井桁状のクランパー20が付設されている。このクラン
パー20における前記雄型25側の面の内周部には、図
2(B)の断面図(図2(A)のU−U矢視断面図)に
示される如くに、後述する平面視矩形の熱盤45が厚み
方向(図1のX方向)に沿って嵌合せしめられる、熱盤
振れ止め手段としてのL形断面の嵌合凹部20aが設け
られている。この嵌合凹部20aの上端側(図1におい
て熱盤45側)には、前記熱盤45を嵌合させやすくす
るためのR(アール)又は面取りが施されている。
【0040】このクランパー20は、雌型12の四隅近
くに設けられた貫通穴に摺動自在に嵌挿された4本の連
結ロッド24によって図示していない駆動機構により雌
型12のパーティング面14に対して垂直方向に進退動
できるようになっている。なお、前記雄型25には、図
4に示される如くの型締め状態において前記クランパー
20が収容される収容凹部29が穿設されている。
くに設けられた貫通穴に摺動自在に嵌挿された4本の連
結ロッド24によって図示していない駆動機構により雌
型12のパーティング面14に対して垂直方向に進退動
できるようになっている。なお、前記雄型25には、図
4に示される如くの型締め状態において前記クランパー
20が収容される収容凹部29が穿設されている。
【0041】上記構成に加え、前記クランパー20によ
り前記パーティング面14に押圧固定された絵付シート
Sを加熱軟化すべく、熱盤45が備えられている。この
熱盤45は、平面視矩形で、その前端面(加熱面45
a)側の外周部に、前記したクランパー20の嵌合凹部
20aに嵌め込まれやすくするためのR(アール)が施
されている。
り前記パーティング面14に押圧固定された絵付シート
Sを加熱軟化すべく、熱盤45が備えられている。この
熱盤45は、平面視矩形で、その前端面(加熱面45
a)側の外周部に、前記したクランパー20の嵌合凹部
20aに嵌め込まれやすくするためのR(アール)が施
されている。
【0042】そして、この熱盤20は、熱盤移送手段の
一部を構成する流体圧シリンダ(図外)のピストンロッ
ド47の先端に取り付けられており、前記熱盤移送手段
により、前記加熱面45aを前記雌型12側に向けた姿
勢で、雄雌両成形型外(ここでは雌型12の上方)の待
機位置から図のZ方向に沿って真っ直ぐに下降せしめら
れて、雄雌両成形型間(雌型12のパーティング面14
上)の対向加熱位置(図1の位置)にて停止せしめられ
る。そしてさらに、前記対向加熱位置から、前記ピスト
ンロッド47を有するエアーシリンダが雌型12側(図
のX方向)に移動せしめられることによって、図3に示
される如くに、前記クランパー20に設けられているL
型断面の嵌合凹部20aにその外周部が嵌合せしめられ
るようになっており、この対向加熱位置にて、前記絵付
シートSを加熱軟化するようになっている。
一部を構成する流体圧シリンダ(図外)のピストンロッ
ド47の先端に取り付けられており、前記熱盤移送手段
により、前記加熱面45aを前記雌型12側に向けた姿
勢で、雄雌両成形型外(ここでは雌型12の上方)の待
機位置から図のZ方向に沿って真っ直ぐに下降せしめら
れて、雄雌両成形型間(雌型12のパーティング面14
上)の対向加熱位置(図1の位置)にて停止せしめられ
る。そしてさらに、前記対向加熱位置から、前記ピスト
ンロッド47を有するエアーシリンダが雌型12側(図
のX方向)に移動せしめられることによって、図3に示
される如くに、前記クランパー20に設けられているL
型断面の嵌合凹部20aにその外周部が嵌合せしめられ
るようになっており、この対向加熱位置にて、前記絵付
シートSを加熱軟化するようになっている。
【0043】上記のような構成とされた本実施形態の射
出成形同時絵付装置10においては、まず最初に、図1
に示される如くに、例えばロール状に巻き取られた長尺
の連続帯状の絵付シートSを1ショット分づつ前記雌型
12の上流側から巻き出して雌型40のパーティング面
14とクランパー20との間を通してその下流側にて巻
き取るようにして、絵付シートSの1ショット分が雌型
12のパーティング面14とクランパー20との間に供
給され(シート供給工程)、次に、前記クランパー20
により前記雌型12のパーティング面14に押圧固定さ
れる(クランプ工程)。
出成形同時絵付装置10においては、まず最初に、図1
に示される如くに、例えばロール状に巻き取られた長尺
の連続帯状の絵付シートSを1ショット分づつ前記雌型
12の上流側から巻き出して雌型40のパーティング面
14とクランパー20との間を通してその下流側にて巻
き取るようにして、絵付シートSの1ショット分が雌型
12のパーティング面14とクランパー20との間に供
給され(シート供給工程)、次に、前記クランパー20
により前記雌型12のパーティング面14に押圧固定さ
れる(クランプ工程)。
【0044】続いて、熱盤移送手段により、前記熱盤4
5がその加熱面45aを前記雌型12側に向けた姿勢
で、雄雌両成形型外(ここでは雌型12の上方)の待機
位置から図のZ方向に沿って真っ直ぐに下降せしめられ
て、雄雌両成形型間(雌型12のパーティング面14
上)の対向加熱位置(図1の位置)にて停止せしめられ
る。そしてさらに、前記対向加熱位置から、前記ピスト
ンロッド47を有するエアーシリンダが雌型12側(図
のX方向左側)に移動せしめられることによって、図3
に示される如くに、該熱盤45の外周縁部が前記クラン
パー20における雄型25側の内周部に設けられている
L型断面の嵌合凹部20aに嵌合せしめられる。
5がその加熱面45aを前記雌型12側に向けた姿勢
で、雄雌両成形型外(ここでは雌型12の上方)の待機
位置から図のZ方向に沿って真っ直ぐに下降せしめられ
て、雄雌両成形型間(雌型12のパーティング面14
上)の対向加熱位置(図1の位置)にて停止せしめられ
る。そしてさらに、前記対向加熱位置から、前記ピスト
ンロッド47を有するエアーシリンダが雌型12側(図
のX方向左側)に移動せしめられることによって、図3
に示される如くに、該熱盤45の外周縁部が前記クラン
パー20における雄型25側の内周部に設けられている
L型断面の嵌合凹部20aに嵌合せしめられる。
【0045】このように、熱盤45がクランパー20の
嵌合凹部20aに嵌合せしめられることにより、熱盤4
5とクランパー20とのの間に間隙が実質的に無くされ
るとともに、熱盤45はクランパー20に実質的に固定
され、熱盤45は、前記対向加熱位置で不動(固定)状
態となる。したがって、加熱軟化工程において、熱盤4
5とクランパー20との間に実質的に間隙が無くされ、
かつ、熱盤45の加熱面45aと絵付シートSとの離隔
距離も短縮されるので、加熱効率が向上し、熱盤45の
発熱エネルギー(消費電力)や加熱軟化時間を従来のも
のに比して削減でき、成形コストや成形時間の増大を抑
えることができる。
嵌合凹部20aに嵌合せしめられることにより、熱盤4
5とクランパー20とのの間に間隙が実質的に無くされ
るとともに、熱盤45はクランパー20に実質的に固定
され、熱盤45は、前記対向加熱位置で不動(固定)状
態となる。したがって、加熱軟化工程において、熱盤4
5とクランパー20との間に実質的に間隙が無くされ、
かつ、熱盤45の加熱面45aと絵付シートSとの離隔
距離も短縮されるので、加熱効率が向上し、熱盤45の
発熱エネルギー(消費電力)や加熱軟化時間を従来のも
のに比して削減でき、成形コストや成形時間の増大を抑
えることができる。
【0046】また、熱盤45がクランパー20に実質的
に固定されることから、熱盤45に不所望な振れが生じ
難くなり、その結果、絵付シートSと熱盤45との離隔
距離が一定となり、絵付シートSに加熱ムラが生じ難く
なって、絵柄模様に歪みが生じる、絵柄模様と射出樹脂
成形体との位置ずれが生じる、等の成形不良が発生し難
くなる。さらに、熱盤45とクランパー20との間の隙
間が無くなるため、外気流入による各ショット毎の加熱
量のバラツキもなくなる。
に固定されることから、熱盤45に不所望な振れが生じ
難くなり、その結果、絵付シートSと熱盤45との離隔
距離が一定となり、絵付シートSに加熱ムラが生じ難く
なって、絵柄模様に歪みが生じる、絵柄模様と射出樹脂
成形体との位置ずれが生じる、等の成形不良が発生し難
くなる。さらに、熱盤45とクランパー20との間の隙
間が無くなるため、外気流入による各ショット毎の加熱
量のバラツキもなくなる。
【0047】上記のようにして、熱盤45による絵付シ
ートSの加熱軟化工程が行われた後、前記絵付シートS
を前記真空吸引孔17、17及びシート固定用吸引溝1
6並びに前記スリット状の隙間15から真空吸引通路1
8及び導管19を通じて真空吸引することにより、前記
雌型12のキャビティ13に沿わせて密着させるように
延伸させる延伸工程が行われる。
ートSの加熱軟化工程が行われた後、前記絵付シートS
を前記真空吸引孔17、17及びシート固定用吸引溝1
6並びに前記スリット状の隙間15から真空吸引通路1
8及び導管19を通じて真空吸引することにより、前記
雌型12のキャビティ13に沿わせて密着させるように
延伸させる延伸工程が行われる。
【0048】この延伸工程においては、まず、絵付シー
トSのうちの射出樹脂成形体Paに接着される中央部分
(キャビティ13に沿うように密着せしめられる部分)
の外周側の部分が、前記シート固定用吸引溝16内に引
き込まれ、これにより、絵付シートSに適度のテンショ
ンが付与されるとともに、該絵付シートSがシート固定
用吸引溝16部分でしっかりと固定され、続いて、絵付
シートSのうちの前記中央部分がさらに延伸せしめられ
てキャビティ13内に引き込まれ、最終的には前記キャ
ビティ13に沿うように密着せしめられることになる
(図3の仮想線)。
トSのうちの射出樹脂成形体Paに接着される中央部分
(キャビティ13に沿うように密着せしめられる部分)
の外周側の部分が、前記シート固定用吸引溝16内に引
き込まれ、これにより、絵付シートSに適度のテンショ
ンが付与されるとともに、該絵付シートSがシート固定
用吸引溝16部分でしっかりと固定され、続いて、絵付
シートSのうちの前記中央部分がさらに延伸せしめられ
てキャビティ13内に引き込まれ、最終的には前記キャ
ビティ13に沿うように密着せしめられることになる
(図3の仮想線)。
【0049】上記のようにして延伸工程が行われた後
は、前記熱盤45が上記とは逆順で対接加熱位置、対向
加熱位置、待機位置へと移動せしめられ、その後、図4
に示される如くに、前記雌型12を雄型25側へ移動さ
せて型締めを行う型締め工程が行われ、その後は、前記
雌型12と雄型25との間に形成される成形キャビティ
3内に前記雄型25のランナー27及びゲート28を通
じて熔融樹脂(耐熱ABS、樹脂温度240°C)が所
定の射出圧をもって注入充填される射出成形工程が行わ
れる。
は、前記熱盤45が上記とは逆順で対接加熱位置、対向
加熱位置、待機位置へと移動せしめられ、その後、図4
に示される如くに、前記雌型12を雄型25側へ移動さ
せて型締めを行う型締め工程が行われ、その後は、前記
雌型12と雄型25との間に形成される成形キャビティ
3内に前記雄型25のランナー27及びゲート28を通
じて熔融樹脂(耐熱ABS、樹脂温度240°C)が所
定の射出圧をもって注入充填される射出成形工程が行わ
れる。
【0050】この射出成形工程において、絵付シートS
と射出樹脂とが一体化され、その後、前記成形キャビテ
ィ3内の熔融樹脂(Pa)が冷却(型温度60°C)さ
れて固化した後、雌型12と雄型25とを離間させる型
開き工程が行われるとともに、得られた積層製品の取出
工程が行われる。
と射出樹脂とが一体化され、その後、前記成形キャビテ
ィ3内の熔融樹脂(Pa)が冷却(型温度60°C)さ
れて固化した後、雌型12と雄型25とを離間させる型
開き工程が行われるとともに、得られた積層製品の取出
工程が行われる。
【0051】なお、上記した実施形態においては、熱盤
45を対向加熱位置(図1の位置)から対接加熱位置
(図3の位置)への移動は、ピストンロッド47を有す
るエアーシリンダを含む熱盤移送手段全体が雌型12側
に移動せしめられるようにされているが、それに代え
て、図5に示される如くに、熱盤移送手段のエアーシリ
ンダのピストンロッド72の先端に、進退用エアーシリ
ンダ70を取り付け、このエアーシリンダ70のピスト
ンロッド75の先端に熱盤45を取り付け、前記進退用
エアーシリンダ70によって、熱盤45を対向加熱位置
と対接加熱位置との間で進退移動させるようにしてもよ
い。
45を対向加熱位置(図1の位置)から対接加熱位置
(図3の位置)への移動は、ピストンロッド47を有す
るエアーシリンダを含む熱盤移送手段全体が雌型12側
に移動せしめられるようにされているが、それに代え
て、図5に示される如くに、熱盤移送手段のエアーシリ
ンダのピストンロッド72の先端に、進退用エアーシリ
ンダ70を取り付け、このエアーシリンダ70のピスト
ンロッド75の先端に熱盤45を取り付け、前記進退用
エアーシリンダ70によって、熱盤45を対向加熱位置
と対接加熱位置との間で進退移動させるようにしてもよ
い。
【0052】また、上記実施形態では、熱盤振れ止め手
段として、前記クランパー20に、前記熱盤45が前記
対向加熱位置から前記対接加熱位置へと移動したときに
嵌合せしめられる嵌合凹部20aが設けられているが、
前記熱盤振れ止め手段としては、この嵌合凹部20aに
加えてさらに他の固定手段を併用してもよい。他の熱盤
振れ止め手段としては、例えば、図6(A)に示される
如くに、熱盤45側に先細り形状の嵌合凸部51、5
1、…を突設し、クランパー20A側に前記嵌合凸部5
1、51、…が嵌合せしめられる嵌合穴20bを設け
る、あるいは、図6(B)に示される如くに、熱盤45
側に吸着手段としての磁石52、52、…を設けて、ク
ランパー20B(通常は鉄系の金属製)に吸着させるよ
うにしてもよい。
段として、前記クランパー20に、前記熱盤45が前記
対向加熱位置から前記対接加熱位置へと移動したときに
嵌合せしめられる嵌合凹部20aが設けられているが、
前記熱盤振れ止め手段としては、この嵌合凹部20aに
加えてさらに他の固定手段を併用してもよい。他の熱盤
振れ止め手段としては、例えば、図6(A)に示される
如くに、熱盤45側に先細り形状の嵌合凸部51、5
1、…を突設し、クランパー20A側に前記嵌合凸部5
1、51、…が嵌合せしめられる嵌合穴20bを設け
る、あるいは、図6(B)に示される如くに、熱盤45
側に吸着手段としての磁石52、52、…を設けて、ク
ランパー20B(通常は鉄系の金属製)に吸着させるよ
うにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係る射出成形同時絵付方法及び装置によれば、絵付
シートを加熱軟化させる際、熱盤は、熱盤移送手段によ
って、雄雌両成形型外の待機位置から雄雌両成形型間の
対向加熱位置に移動せしめられるとともにともに、該対
向加熱位置から前記クランプ手段に対接する対接加熱位
置へと移動せしめられ、この対接加熱位置に移動せしめ
られたとき、クランプ手段との間に実質的に間隙が無く
されるとともに、クランプ手段に実質的に固定されるの
で、加熱効率が向上し、熱盤の発熱エネルギー(消費電
力)や加熱軟化時間を従来のものに比して削減でき、成
形コストや成形時間の増大を抑えることができ、また、
熱盤がクランプ手段に実質的に固定されることから、熱
盤に不所望な振れが生じ難くなり、その結果、絵付シー
トと熱盤との離隔距離が一定となり、絵付シートに加熱
ムラが生じ難くなって、絵柄模様に歪みが生じる、絵柄
模様と射出樹脂成形体との位置ずれが生じる、等の成形
不良が発生し難くなる。
明に係る射出成形同時絵付方法及び装置によれば、絵付
シートを加熱軟化させる際、熱盤は、熱盤移送手段によ
って、雄雌両成形型外の待機位置から雄雌両成形型間の
対向加熱位置に移動せしめられるとともにともに、該対
向加熱位置から前記クランプ手段に対接する対接加熱位
置へと移動せしめられ、この対接加熱位置に移動せしめ
られたとき、クランプ手段との間に実質的に間隙が無く
されるとともに、クランプ手段に実質的に固定されるの
で、加熱効率が向上し、熱盤の発熱エネルギー(消費電
力)や加熱軟化時間を従来のものに比して削減でき、成
形コストや成形時間の増大を抑えることができ、また、
熱盤がクランプ手段に実質的に固定されることから、熱
盤に不所望な振れが生じ難くなり、その結果、絵付シー
トと熱盤との離隔距離が一定となり、絵付シートに加熱
ムラが生じ難くなって、絵柄模様に歪みが生じる、絵柄
模様と射出樹脂成形体との位置ずれが生じる、等の成形
不良が発生し難くなる。
【図1】本発明に係る射出成形同時絵付装置の一実施形
態を示す全体構成図。
態を示す全体構成図。
【図2】図1に示される装置のクランパーを示し、
(A)は平面図、(B)は(A)のU−U矢視線に従う
断面図。
(A)は平面図、(B)は(A)のU−U矢視線に従う
断面図。
【図3】図1に示される装置の加熱軟化工程及び延伸工
程の説明に供される断面図。
程の説明に供される断面図。
【図4】図1に示される装置の射出成形工程の説明に供
される断面図。
される断面図。
【図5】本発明装置の他の実施形態を示す図。
【図6】図1に示される装置における熱盤振れ止め手段
の他の例を示す図。
の他の例を示す図。
【図7】従来の射出成形同時絵付装置の一例を示す図。
S 絵付シート 10 射出成形同時絵付装置 12 雌型 13 キャビティ 14 パーティング面 15 スリット状の隙間 16 シート固定用吸引溝 17 真空吸引孔 20 枠状のクランパー 20a 嵌合凹部 25 雄型 45 熱盤
Claims (9)
- 【請求項1】 雌型のパーティング面上に絵付シートを
供給するシート供給工程と、絵付シートをクランプ手段
により前記雌型のパーティング面上に押圧固定するクラ
ンプ工程と、絵付シートを熱盤により加熱軟化させる加
熱軟化工程と、絵付シートを前記雌型のキャビティに沿
わせて密着させるように延伸させる延伸工程と、前記雌
型と雄型の一方を他方側へ移動させて型締めを行う型締
め工程と、前記雌型と雄型との間に形成される成形キャ
ビティ内に前記雄型側から流動状態の樹脂を注入充填し
て固化せしめ、得られる射出樹脂成形体と絵付シートと
を積層して一体化させる射出成形工程と、前記雌型と雄
型とを離間させる型開き工程と、絵付シートが接着積層
された積層品を前記雌型から取り出す取出工程と、を含
み、 前記加熱軟化工程において、前記熱盤の外周部を、前記
クランプ手段における前記雄型側の面の内周部に設けら
れた内周側嵌合凹部に嵌合させて、それらの間に実質的
に間隙が生じないように対接させることを特徴とする射
出成形同時絵付方法。 - 【請求項2】 前記加熱軟化工程において、前記熱盤を
前記クランプ手段に実質的に固定することを特徴とする
請求項1に記載の射出成形同時絵付方法。 - 【請求項3】 前記熱盤と前記クランプ手段とを、前記
雌型と雄型との型開閉方向に沿って嵌合させることによ
って、それらを実質的に固定することを特徴とする請求
項1又は2に記載の射出成形同時絵付方法。 - 【請求項4】 前記熱盤と前記クランプ手段とを、それ
らにそれぞれ設けられた相互に嵌合する嵌合凸部と嵌合
穴とを前記雌型と雄型との型開閉方向に沿って嵌合させ
ることによって、それらを実質的に固定することを特徴
とする請求項1乃至3のいずれかに記載の射出成形同時
絵付方法。 - 【請求項5】 雄雌両成形型を備え、前記雌型のパーテ
ィング面上に絵付シートを供給するとともに、供給され
た絵付シートをクランプ手段によって前記パーティング
面上に押圧固定し、この絵付シートを熱盤により加熱軟
化させるとともに、真空吸引手段等により前記雌型キャ
ビティに沿って密着させるべく延伸させ、その後、前記
雄雌両成形型の型締めを行って、射出成形機からの流動
状態の樹脂を前記雄型から前記雌型と雄型との間に形成
される成形キャビティへ射出充填し、この樹脂が固化し
た後、前記雄雌両成形型の型開きを行い、前記雄雌両成
形型から絵付シートが接着積層された積層製品を取り出
すようにされてなる射出成形同時絵付装置において、 前記クランプ手段に、その雄型側の面の内周部に前記熱
盤の外周部と嵌合し得る内周側嵌合凹部が設けられ、か
つ、前記熱盤を前記雄雌両成形型外の待機位置から前記
雄雌両成形型間の対向加熱位置に移動させるとともに、
該対向加熱位置から前記クランプ手段の内周側嵌合凹部
にその外周部を嵌合させて対接する対接加熱位置へ移動
させる熱盤移送手段を備えていることを特徴とする射出
成形同時絵付装置。 - 【請求項6】 前記熱盤及び又は前記クランプ手段に、
それら相互を対接状態で実質的に固定する熱盤振れ止め
手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載
の射出成形同時絵付装置。 - 【請求項7】 前記クランプ手段に設けられた内周側嵌
合凹部が前記熱盤振れ止め手段として使用されているこ
とを特徴とする請求項5又は6に記載の射出成形同時絵
付装置。 - 【請求項8】 前記熱盤振れ止め手段として、前記熱盤
と前記クランプ手段とに、前記熱盤が前記対向加熱位置
から前記対接加熱位置へと移動したときに相互に嵌合せ
しめられる嵌合凸部と嵌合穴とが設けられていることを
特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の射出成形
同時絵付装置。 - 【請求項9】 前記熱盤振れ止め手段として、前記クラ
ンプ手段又は前記熱盤に、吸着手段が設けられているこ
とを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の射出
成形同時絵付装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6894098A JPH11262931A (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 射出成形同時絵付方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6894098A JPH11262931A (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 射出成形同時絵付方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11262931A true JPH11262931A (ja) | 1999-09-28 |
Family
ID=13388178
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6894098A Pending JPH11262931A (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 射出成形同時絵付方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11262931A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014213491A (ja) * | 2013-04-24 | 2014-11-17 | 川崎重工業株式会社 | 複合成形物の製造方法および製造装置 |
-
1998
- 1998-03-18 JP JP6894098A patent/JPH11262931A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014213491A (ja) * | 2013-04-24 | 2014-11-17 | 川崎重工業株式会社 | 複合成形物の製造方法および製造装置 |
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