JPH11129285A - 射出成形同時絵付方法及び装置 - Google Patents
射出成形同時絵付方法及び装置Info
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- JPH11129285A JPH11129285A JP30099597A JP30099597A JPH11129285A JP H11129285 A JPH11129285 A JP H11129285A JP 30099597 A JP30099597 A JP 30099597A JP 30099597 A JP30099597 A JP 30099597A JP H11129285 A JPH11129285 A JP H11129285A
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C45/26—Moulds
- B29C45/34—Moulds having venting means
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/14—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
- B29C45/1418—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles the inserts being deformed or preformed, e.g. by the injection pressure
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- Manufacturing & Machinery (AREA)
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- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 雌型と雄型との間に形成されるキャビティ空
間に残留するガスに起因して絵付シートにシワや剥離等
の不良箇所が生じることを確実に防止できる射出成形同
時絵付方法及び装置を提供する。 【解決手段】 型締め工程後で射出成形工程前又はそれ
と並行して、真空源45、46により、雌型12と雄型
25との間に形成されるキャビティ空間3内のガスを前
記雄型25に設けられたガス抜き通路手段としてのガス
抜き隙間33から強制的に外部に排除するガス抜き工程
を行う。
間に残留するガスに起因して絵付シートにシワや剥離等
の不良箇所が生じることを確実に防止できる射出成形同
時絵付方法及び装置を提供する。 【解決手段】 型締め工程後で射出成形工程前又はそれ
と並行して、真空源45、46により、雌型12と雄型
25との間に形成されるキャビティ空間3内のガスを前
記雄型25に設けられたガス抜き通路手段としてのガス
抜き隙間33から強制的に外部に排除するガス抜き工程
を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形と同時に
型内で図柄や文字等が施された絵付シートを射出樹脂成
形体の表面に一体的に接着積層して加飾積層品(製品)
を得るようにした射出成形同時絵付装置及び方法に関す
る。
型内で図柄や文字等が施された絵付シートを射出樹脂成
形体の表面に一体的に接着積層して加飾積層品(製品)
を得るようにした射出成形同時絵付装置及び方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】射出成形と同時に射出樹脂成形体の表面
に絵付シートを一体的に接着する射出成形同時絵付方法
としては、従来より幾つもの態様が提案されているが、
それらの大半は、次の(a)〜(i)の工程の全部又は
幾つかを記述順に又はその順番を入れ換えて、順次、又
は複数の工程を同時に重複してもしくは並列的に行うよ
うにされている(特公昭50−19132号、実公平3
−56344号、特公平7−41637号公報等を参
照)。
に絵付シートを一体的に接着する射出成形同時絵付方法
としては、従来より幾つもの態様が提案されているが、
それらの大半は、次の(a)〜(i)の工程の全部又は
幾つかを記述順に又はその順番を入れ換えて、順次、又
は複数の工程を同時に重複してもしくは並列的に行うよ
うにされている(特公昭50−19132号、実公平3
−56344号、特公平7−41637号公報等を参
照)。
【0003】(a)絵付シートを射出成形に用いられる
雌型のパーティング面上に供給するシート供給工程。 (b)絵付シートを雌型のパーティング面に固定保持す
るクランプ工程。 (c)絵付シートを熱盤等により加熱軟化させる加熱軟
化工程。 (d)絵付シートを真空吸引及び/又は圧空供給等によ
り雌型のキャビティに沿わせるように延伸させる延伸工
程(予備成形工程)。 (e)雌型と雄型の一方(通常は雌型)を他方(通常は
雄型)側へ移動させて型締めを行う型締め工程。 (f)雌型と雄型との間に形成されるキャビティ内に雄
型側から流動状態の樹脂(熔融樹脂)を注入充填して射
出成形を行う射出成形工程。 (g)雌型と雄型とを離間させる型開き工程。 (h)絵付シートのうちの射出樹脂成形体に接着付随さ
せるべき部分を他の部分(余剰部分)から切り離すシー
トトリミング工程。 (i)絵付シートが接着積層された積層品を雄雌両成形
型から取り出す取出工程。
雌型のパーティング面上に供給するシート供給工程。 (b)絵付シートを雌型のパーティング面に固定保持す
るクランプ工程。 (c)絵付シートを熱盤等により加熱軟化させる加熱軟
化工程。 (d)絵付シートを真空吸引及び/又は圧空供給等によ
り雌型のキャビティに沿わせるように延伸させる延伸工
程(予備成形工程)。 (e)雌型と雄型の一方(通常は雌型)を他方(通常は
雄型)側へ移動させて型締めを行う型締め工程。 (f)雌型と雄型との間に形成されるキャビティ内に雄
型側から流動状態の樹脂(熔融樹脂)を注入充填して射
出成形を行う射出成形工程。 (g)雌型と雄型とを離間させる型開き工程。 (h)絵付シートのうちの射出樹脂成形体に接着付随さ
せるべき部分を他の部分(余剰部分)から切り離すシー
トトリミング工程。 (i)絵付シートが接着積層された積層品を雄雌両成形
型から取り出す取出工程。
【0004】なお、複数の工程を同時に重複して行うと
は、複数の工程が一工程に含まれることをいい、例え
ば、前記(e)の型締め工程において絵付シートを雌型
と雄型との間に挟んで固定保持するようになせば、該型
締め工程と同時に重複して前記(b)のクランプ工程が
行われたことになり、また、前記(f)の射出成形工程
において絵付シートを射出された熔融樹脂の熱と圧力に
より延伸させるようになせば、該射出成形工程と同時に
重複して前記(d)の延伸工程が行われたことになる場
合をいう。
は、複数の工程が一工程に含まれることをいい、例え
ば、前記(e)の型締め工程において絵付シートを雌型
と雄型との間に挟んで固定保持するようになせば、該型
締め工程と同時に重複して前記(b)のクランプ工程が
行われたことになり、また、前記(f)の射出成形工程
において絵付シートを射出された熔融樹脂の熱と圧力に
より延伸させるようになせば、該射出成形工程と同時に
重複して前記(d)の延伸工程が行われたことになる場
合をいう。
【0005】また、絵付シートとしては、製品種別に応
じて貼合わせ積層シート(ラミネートシート)と転写シ
ートのいずれかが用いられ、ラミネートシートである場
合には、射出成形によりそのままで絵付けが行われたこ
とになり、射出樹脂成形体の表面にシート全層が接着一
体化して化粧層となる。それに対し、絵付シートが転写
シートである場合には、射出樹脂成形体の表面に一体化
した絵付シートのうちの支持体シートを剥離し、装飾層
等の転写層のみを射出樹脂成形体側に残留させて化粧層
となすことにより絵付けが完了する。
じて貼合わせ積層シート(ラミネートシート)と転写シ
ートのいずれかが用いられ、ラミネートシートである場
合には、射出成形によりそのままで絵付けが行われたこ
とになり、射出樹脂成形体の表面にシート全層が接着一
体化して化粧層となる。それに対し、絵付シートが転写
シートである場合には、射出樹脂成形体の表面に一体化
した絵付シートのうちの支持体シートを剥離し、装飾層
等の転写層のみを射出樹脂成形体側に残留させて化粧層
となすことにより絵付けが完了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、上述した如くの
射出成形同時絵付方法により、絵付シートを射出樹脂成
形体の表面に一体的に接着積層して加飾積層品(製品)
を得るようにした場合、次のような問題が生じるおそれ
があった。すなわち、図6(A)、(B)に示される如
くに、得られた積層品P’において、例えば絵付シート
Saと射出樹脂成形体Paとの間にガスG(主として空
気)が残留して絵付シートSaにシワや剥離等の不具箇
所e(多少誇張して描かれている)を生じる場合があっ
た。
射出成形同時絵付方法により、絵付シートを射出樹脂成
形体の表面に一体的に接着積層して加飾積層品(製品)
を得るようにした場合、次のような問題が生じるおそれ
があった。すなわち、図6(A)、(B)に示される如
くに、得られた積層品P’において、例えば絵付シート
Saと射出樹脂成形体Paとの間にガスG(主として空
気)が残留して絵付シートSaにシワや剥離等の不具箇
所e(多少誇張して描かれている)を生じる場合があっ
た。
【0007】この原因を図5を参照しながら以下に説明
する。図5は従来型の射出成形同時絵付装置50におけ
る雌型12と雄型25とを部分的に示している。図示状
態は射出成形工程(途中)である。ここでは、説明が煩
瑣になるのを避けるため、概略構成のみを簡単に説明す
る。図5に示される従来例としての射出成形同時絵付装
置50においては、雌型12及び雄型25にそれぞれ得
るべき積層品P〔図6(C)〕の形状に対応したキャビ
ティ13及びコア部26が設けられており、雌型12に
は、さらに、前記キャビティ13に開口する所定本の真
空吸引孔17、17、…が設けられ、また、雄型25に
は、前記コア部26の上下端近くを通るように2本のゲ
ート37、37が設けられている。前記雌型の真空吸引
孔17、17、…は、真空吸引通路18及び導管19を
介して外部に設置された真空源としての真空タンク4
5、真空ポンプ46に接続されている。
する。図5は従来型の射出成形同時絵付装置50におけ
る雌型12と雄型25とを部分的に示している。図示状
態は射出成形工程(途中)である。ここでは、説明が煩
瑣になるのを避けるため、概略構成のみを簡単に説明す
る。図5に示される従来例としての射出成形同時絵付装
置50においては、雌型12及び雄型25にそれぞれ得
るべき積層品P〔図6(C)〕の形状に対応したキャビ
ティ13及びコア部26が設けられており、雌型12に
は、さらに、前記キャビティ13に開口する所定本の真
空吸引孔17、17、…が設けられ、また、雄型25に
は、前記コア部26の上下端近くを通るように2本のゲ
ート37、37が設けられている。前記雌型の真空吸引
孔17、17、…は、真空吸引通路18及び導管19を
介して外部に設置された真空源としての真空タンク4
5、真空ポンプ46に接続されている。
【0008】また、前記雌型12には、絵付シートSを
雌型12のパーティング面14に押圧固定するための矩
形枠状のクランパー20が付設されている。このクラン
パー20は、雌型12の四隅近くに設けられた貫通穴に
摺動自在に嵌挿された4本の連結ロッドによって図示し
ていない駆動機構により雌型12のパーティング面14
に対して垂直方向に進退動できるようになっている。な
お、前記雄型25には、図5に示される型締め状態にお
いて前記クランパー20を収容し得る溝状凹部29が穿
設されている。
雌型12のパーティング面14に押圧固定するための矩
形枠状のクランパー20が付設されている。このクラン
パー20は、雌型12の四隅近くに設けられた貫通穴に
摺動自在に嵌挿された4本の連結ロッドによって図示し
ていない駆動機構により雌型12のパーティング面14
に対して垂直方向に進退動できるようになっている。な
お、前記雄型25には、図5に示される型締め状態にお
いて前記クランパー20を収容し得る溝状凹部29が穿
設されている。
【0009】さらに、前記雌型12のパーティング面1
4には、前記キャビティ13を囲むように、Oリング2
2が装着される環状溝23が設けられている。前記Oリ
ング22は、前記枠状のクランパー20が、間に絵付シ
ートSを挟んで雌型12のパーティング面14に押し付
けられた際、前記キャビティ12と外部とを気密的に遮
断する役目を果たす。このような構成とされた射出成形
同時絵付装置50においては、射出成形同時絵付が例え
ば次のようして行われる。
4には、前記キャビティ13を囲むように、Oリング2
2が装着される環状溝23が設けられている。前記Oリ
ング22は、前記枠状のクランパー20が、間に絵付シ
ートSを挟んで雌型12のパーティング面14に押し付
けられた際、前記キャビティ12と外部とを気密的に遮
断する役目を果たす。このような構成とされた射出成形
同時絵付装置50においては、射出成形同時絵付が例え
ば次のようして行われる。
【0010】まず、雌型12のパーティング面14上に
絵付シートSを供給するシート供給工程が行われ、続い
て、前記クランパー20による絵付シートSを雌型12
のパーティング面14に押圧して固定保持するクランプ
工程が行われる。次に、クランパー20によって固定保
持されている絵付シートSに熱盤を接近させてそれを加
熱軟化させる加熱軟化工程が行われるとともに、前記絵
付シートSを前記真空吸引孔17、17、…から真空吸
引通路18及び導管19を通じて真空タンク45で真空
吸引することにより、前記雌型12のキャビティ13に
沿わせて密着させるように延伸させる延伸工程が行われ
る。
絵付シートSを供給するシート供給工程が行われ、続い
て、前記クランパー20による絵付シートSを雌型12
のパーティング面14に押圧して固定保持するクランプ
工程が行われる。次に、クランパー20によって固定保
持されている絵付シートSに熱盤を接近させてそれを加
熱軟化させる加熱軟化工程が行われるとともに、前記絵
付シートSを前記真空吸引孔17、17、…から真空吸
引通路18及び導管19を通じて真空タンク45で真空
吸引することにより、前記雌型12のキャビティ13に
沿わせて密着させるように延伸させる延伸工程が行われ
る。
【0011】この延伸工程が行われた後は、前記雌型1
2を雄型25側へ移動させて型締めを行う型締め工程が
行われ、図示のように、雌型12のパーティング面14
と雄型25のパーティング面34とが間に絵付シートS
を挟んで対接せしめられる。これにより、雌型12と雄
型25との間に得るべき積層品Pに対応したキャビティ
空間3が形成され、その後は、前記キャビティ空間3内
に前記雄型25のランナー及びゲート37、37を通じ
て熔融樹脂Pmが所定の射出圧をもって注入充填される
射出成形工程が行われ、さらに、前記キャビティ空間3
内の樹脂が硬化した後、雌型12と雄型25とを離間さ
せる型開き工程、前記絵付シートSが接着された積層品
Pを前記雌型12もしくは雄型25から取り出す取出工
程等が行われる。
2を雄型25側へ移動させて型締めを行う型締め工程が
行われ、図示のように、雌型12のパーティング面14
と雄型25のパーティング面34とが間に絵付シートS
を挟んで対接せしめられる。これにより、雌型12と雄
型25との間に得るべき積層品Pに対応したキャビティ
空間3が形成され、その後は、前記キャビティ空間3内
に前記雄型25のランナー及びゲート37、37を通じ
て熔融樹脂Pmが所定の射出圧をもって注入充填される
射出成形工程が行われ、さらに、前記キャビティ空間3
内の樹脂が硬化した後、雌型12と雄型25とを離間さ
せる型開き工程、前記絵付シートSが接着された積層品
Pを前記雌型12もしくは雄型25から取り出す取出工
程等が行われる。
【0012】ここで、前記射出成形工程に注目すると、
該工程では、前記したように雌型12のパーティング面
14と雄型25のパーティング面34とが間に絵付シー
トSを挟んで対接せしめられているので、雌型12と雄
型25との間に形成されるキャビティ空間3は実質的に
密閉されており、そこにはガス(主として空気)が閉じ
込められている。そのため、キャビティ空間3に熔融樹
脂Pmが注入充填されてもそのガスが抜けきらず、キャ
ビティ空間3から抜けなかったガスは、熔融樹脂Pmの
最終充填箇所、つまり、キャビティ空間3のうちのゲー
ト37、37から最も遠い部分や2本のゲート37、3
7から射出された熔融樹脂の合流地点付近等に残留する
ことになり、その残留ガスによって、前記した図6
(A)、(B)に示される如くのシワや剥離等の不良箇
所eが発生してしまうのである。
該工程では、前記したように雌型12のパーティング面
14と雄型25のパーティング面34とが間に絵付シー
トSを挟んで対接せしめられているので、雌型12と雄
型25との間に形成されるキャビティ空間3は実質的に
密閉されており、そこにはガス(主として空気)が閉じ
込められている。そのため、キャビティ空間3に熔融樹
脂Pmが注入充填されてもそのガスが抜けきらず、キャ
ビティ空間3から抜けなかったガスは、熔融樹脂Pmの
最終充填箇所、つまり、キャビティ空間3のうちのゲー
ト37、37から最も遠い部分や2本のゲート37、3
7から射出された熔融樹脂の合流地点付近等に残留する
ことになり、その残留ガスによって、前記した図6
(A)、(B)に示される如くのシワや剥離等の不良箇
所eが発生してしまうのである。
【0013】このような問題を解消すべく、前記キャビ
ティ空間3内のガスを外部に逃がすための何らかの方策
を講じようとすると、前記ゲート37、37の位置設計
等に大きな制約が課せられるとともに、射出圧等の成形
条件も制限されてしまうという問題があった。本発明
は、上述の如くの問題を解消すべくなされたもので、そ
の目的とするところは、ゲートの位置設計等に制約を課
すことなく、また、射出圧等の成形条件も制限すること
なく、雌型と雄型との間に形成されるキャビティ空間に
残留するガスに起因して絵付シートにシワや剥離等の不
良箇所が生じることを確実に防止できる射出成形同時絵
付方法及び装置を提供することにある。
ティ空間3内のガスを外部に逃がすための何らかの方策
を講じようとすると、前記ゲート37、37の位置設計
等に大きな制約が課せられるとともに、射出圧等の成形
条件も制限されてしまうという問題があった。本発明
は、上述の如くの問題を解消すべくなされたもので、そ
の目的とするところは、ゲートの位置設計等に制約を課
すことなく、また、射出圧等の成形条件も制限すること
なく、雌型と雄型との間に形成されるキャビティ空間に
残留するガスに起因して絵付シートにシワや剥離等の不
良箇所が生じることを確実に防止できる射出成形同時絵
付方法及び装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る射出成形同時絵付方法は、基本的に
は、雌型のパーティング面上に絵付シートを供給するシ
ート供給工程と、前記絵付シートを前記雌型のパーティ
ング面上に固定保持するクランプ工程と、前記雌型に設
けられた吸引通路手段を通じて前記絵付シートを真空吸
引して前記雌型のキャビティに沿わせて密着させるよう
に延伸させる延伸工程と、前記雌型と雄型の一方を他方
側へ移動させて型締めを行う型締め工程と、前記雌型と
雄型との間に形成されるキャビティ空間に前記雄型側か
ら流動状態の樹脂を注入充填する射出成形工程と、前記
雌型と雄型とを離間させる型開き工程と、前記絵付シー
トが接着積層された積層品を前記雌型から取り出す取出
工程と、を含み、前記型締め工程後で前記射出成形工程
前又はそれと並行して、前記雌型と雄型との間に形成さ
れるキャビティ空間内のガスを前記雄型に設けられたガ
ス抜き通路手段を通じて強制的に外部に排除するガス抜
き工程を行うことを特徴としている。
く、本発明に係る射出成形同時絵付方法は、基本的に
は、雌型のパーティング面上に絵付シートを供給するシ
ート供給工程と、前記絵付シートを前記雌型のパーティ
ング面上に固定保持するクランプ工程と、前記雌型に設
けられた吸引通路手段を通じて前記絵付シートを真空吸
引して前記雌型のキャビティに沿わせて密着させるよう
に延伸させる延伸工程と、前記雌型と雄型の一方を他方
側へ移動させて型締めを行う型締め工程と、前記雌型と
雄型との間に形成されるキャビティ空間に前記雄型側か
ら流動状態の樹脂を注入充填する射出成形工程と、前記
雌型と雄型とを離間させる型開き工程と、前記絵付シー
トが接着積層された積層品を前記雌型から取り出す取出
工程と、を含み、前記型締め工程後で前記射出成形工程
前又はそれと並行して、前記雌型と雄型との間に形成さ
れるキャビティ空間内のガスを前記雄型に設けられたガ
ス抜き通路手段を通じて強制的に外部に排除するガス抜
き工程を行うことを特徴としている。
【0015】また、本発明に係る射出成形同時絵付装置
は、上記方法を実施するための装置であって、雌型と雄
型とを備え、前記雌型に真空吸引孔等の吸引通路手段が
設けられるとともに、前記雄型に前記雌型との間に形成
されるキャビティ空間内のガスを強制的に外部に排除す
るガス抜き通路手段が設けられ、前記吸引通路手段及び
ガス抜き通路手段は、外部に設置された真空タンク、真
空ポンプ等の真空源に接続されていることを特徴として
いる。
は、上記方法を実施するための装置であって、雌型と雄
型とを備え、前記雌型に真空吸引孔等の吸引通路手段が
設けられるとともに、前記雄型に前記雌型との間に形成
されるキャビティ空間内のガスを強制的に外部に排除す
るガス抜き通路手段が設けられ、前記吸引通路手段及び
ガス抜き通路手段は、外部に設置された真空タンク、真
空ポンプ等の真空源に接続されていることを特徴として
いる。
【0016】前記雄型に設けるガス抜き通路手段は、前
記キャビティ空間に開口するものであればその位置、形
状等は特に限定されないが、ガス(空気)は通すが流動
状態の樹脂は入り込まない極細の孔が好ましく、前記雌
型に設けられる真空吸引孔のような孔であればよい。よ
り好ましくは、例えば、雄型の少なくともコア部を複数
の分割型からなる入れ子構造となし、前記分割型間にス
リット状の隙間を形成し、この隙間を前記ガス抜き通路
手段として用いる。
記キャビティ空間に開口するものであればその位置、形
状等は特に限定されないが、ガス(空気)は通すが流動
状態の樹脂は入り込まない極細の孔が好ましく、前記雌
型に設けられる真空吸引孔のような孔であればよい。よ
り好ましくは、例えば、雄型の少なくともコア部を複数
の分割型からなる入れ子構造となし、前記分割型間にス
リット状の隙間を形成し、この隙間を前記ガス抜き通路
手段として用いる。
【0017】また、前記ガス抜き通路手段は、キャビテ
ィ空間内のガスを外部に強制的に排除するため、外部に
設置された真空タンク、真空ポンプ等の真空源に接続す
るが、この場合、雌型に設けられた真空吸引孔等の真空
吸引通路手段が接続されている真空源を前記ガス抜き通
路手段の真空源、つまり、共通の真空源として用いるこ
とができ、かかる場合は、その真空源と前記二つの通路
手段との間に切換弁を介装して、所定のタイミングで通
路の切り換えを行い、絵付シートの真空吸引後(延伸工
程後)にキャビティ空間のガス抜きが行われるようにな
す。
ィ空間内のガスを外部に強制的に排除するため、外部に
設置された真空タンク、真空ポンプ等の真空源に接続す
るが、この場合、雌型に設けられた真空吸引孔等の真空
吸引通路手段が接続されている真空源を前記ガス抜き通
路手段の真空源、つまり、共通の真空源として用いるこ
とができ、かかる場合は、その真空源と前記二つの通路
手段との間に切換弁を介装して、所定のタイミングで通
路の切り換えを行い、絵付シートの真空吸引後(延伸工
程後)にキャビティ空間のガス抜きが行われるようにな
す。
【0018】上述の如くの構成とされた本発明の射出成
形同時絵付方法及び装置の好ましい態様においては、従
来と同様にして、シート供給工程、クランプ工程、加熱
軟化工程が行われるとともに、絵付シートを真空吸引孔
等の吸引通路手段を通じて真空源により真空吸引するこ
とにより、前記雌型のキャビティに沿わせて密着させる
ように延伸させる延伸工程が行われる。もちろん、絵付
シート自体がゴム等の常温での延伸性に富んだ材料から
なる場合には、加熱軟化工程は省略可能である。
形同時絵付方法及び装置の好ましい態様においては、従
来と同様にして、シート供給工程、クランプ工程、加熱
軟化工程が行われるとともに、絵付シートを真空吸引孔
等の吸引通路手段を通じて真空源により真空吸引するこ
とにより、前記雌型のキャビティに沿わせて密着させる
ように延伸させる延伸工程が行われる。もちろん、絵付
シート自体がゴム等の常温での延伸性に富んだ材料から
なる場合には、加熱軟化工程は省略可能である。
【0019】この延伸工程が行われた後は、前記雌型を
雄型側へ移動させて型締めを行う型締め工程が行われ、
雌型のパーティング面と雄型のパーティング面とが間に
絵付シートを挟んで対接せしめられる。これにより、雌
型と雄型との間に得るべき積層品に対応したキャビティ
空間が形成され、その後は、前記キャビティ空間内に前
記雄型のランナー及びゲートを通じて熔融樹脂が所定の
射出圧をもって注入充填される射出成形工程が行われる
が、かかる射出成形工程前又はそれと並行して、前記雌
型と雄型との間に形成されるキャビティ空間内のガス
(主として空気)を前記雄型に設けられたガス抜き通路
手段を通じて強制的に外部に排除するガス抜き工程が行
われる。
雄型側へ移動させて型締めを行う型締め工程が行われ、
雌型のパーティング面と雄型のパーティング面とが間に
絵付シートを挟んで対接せしめられる。これにより、雌
型と雄型との間に得るべき積層品に対応したキャビティ
空間が形成され、その後は、前記キャビティ空間内に前
記雄型のランナー及びゲートを通じて熔融樹脂が所定の
射出圧をもって注入充填される射出成形工程が行われる
が、かかる射出成形工程前又はそれと並行して、前記雌
型と雄型との間に形成されるキャビティ空間内のガス
(主として空気)を前記雄型に設けられたガス抜き通路
手段を通じて強制的に外部に排除するガス抜き工程が行
われる。
【0020】このガス抜き工程は、例えば、前記ガス抜
き通路手段と外部の真空源との間に介装された切換弁の
動作状態を所定のタイミングで切り換えて前記ガス抜き
通路手段と外部の真空源とを連通させることにより行わ
れ、これにより、前記キャビティ空間内のガスが完全に
抜かれ、該キャビティ空間内は負圧となる。このように
ガス抜き工程及び射出成形工程が終了した後は、前記キ
ャビティ空間内の樹脂が硬化した後、雌型と雄型とを離
間させる型開き工程、前記絵付シートが接着された積層
品を前記雌型もしくは雄型から取り出す取出工程等が行
われる。
き通路手段と外部の真空源との間に介装された切換弁の
動作状態を所定のタイミングで切り換えて前記ガス抜き
通路手段と外部の真空源とを連通させることにより行わ
れ、これにより、前記キャビティ空間内のガスが完全に
抜かれ、該キャビティ空間内は負圧となる。このように
ガス抜き工程及び射出成形工程が終了した後は、前記キ
ャビティ空間内の樹脂が硬化した後、雌型と雄型とを離
間させる型開き工程、前記絵付シートが接着された積層
品を前記雌型もしくは雄型から取り出す取出工程等が行
われる。
【0021】このように、本発明方法装置では、射出成
形工程前又はそれと並行してガス抜き工程が行われるの
で、キャビティ空間にはガスが残留しておらず、したが
って、得られる積層品には、前記した図6(A)、
(B)に示される如くのシワや剥離等の不良箇所eは発
生せず、同図(C)のように美麗な積層品Pが得られ
る。また、射出成形工程前又はそれと並行してキャビテ
ィ空間内のガスを強制的に外部に排除するようにされる
ので、雄型のゲートの位置等に制約が課せられず、設計
自由度が向上し、また、射出圧等の成形条件の制限も緩
和される。
形工程前又はそれと並行してガス抜き工程が行われるの
で、キャビティ空間にはガスが残留しておらず、したが
って、得られる積層品には、前記した図6(A)、
(B)に示される如くのシワや剥離等の不良箇所eは発
生せず、同図(C)のように美麗な積層品Pが得られ
る。また、射出成形工程前又はそれと並行してキャビテ
ィ空間内のガスを強制的に外部に排除するようにされる
ので、雄型のゲートの位置等に制約が課せられず、設計
自由度が向上し、また、射出圧等の成形条件の制限も緩
和される。
【0022】さらに、ガス抜き通路手段を切換弁を介し
て従来から備えられている雌型の吸引通路手段が接続さ
れている真空源に接続することにより、ガス抜き手段を
付加することによる装置コストの上昇を最小限に抑えら
れる。本発明において、雄雌両成形型は、鉄等の金属あ
るいはセラミックス等で作製され、それらに必要に応じ
て、真空吸引や圧空供給用に小孔(真空吸引孔等)を設
ける。
て従来から備えられている雌型の吸引通路手段が接続さ
れている真空源に接続することにより、ガス抜き手段を
付加することによる装置コストの上昇を最小限に抑えら
れる。本発明において、雄雌両成形型は、鉄等の金属あ
るいはセラミックス等で作製され、それらに必要に応じ
て、真空吸引や圧空供給用に小孔(真空吸引孔等)を設
ける。
【0023】また、雌型を複数の分割部分の集合体で構
成(いわゆる入れ子構造に)し、隣合う分割部分間にス
リット状の隙間を形成してこの隙間を真空吸引孔として
用いて真空吸引を行うようにしてもよい。前記雄型に
は、流動状態の樹脂を射出するためのランナーと所要本
(一本以上)のゲートを設ける。ゲートの本数、位置、
形状等は、得るべき製品の形状等を勘案して自由に設定
することができる。
成(いわゆる入れ子構造に)し、隣合う分割部分間にス
リット状の隙間を形成してこの隙間を真空吸引孔として
用いて真空吸引を行うようにしてもよい。前記雄型に
は、流動状態の樹脂を射出するためのランナーと所要本
(一本以上)のゲートを設ける。ゲートの本数、位置、
形状等は、得るべき製品の形状等を勘案して自由に設定
することができる。
【0024】絵付シートは、ロール状に巻き取られた長
尺の連続帯状シートの状態から必要量ずつ(1ショット
分ずつ)供給するようにしてもよいし、予め所定寸法に
裁断した枚葉シートを供給するようにしてもよい。ま
た、帯状シート(の次ショット部分)もしくは枚葉シー
トからなる絵付シートを対向配置された雌型と雄型との
間に供給するには、巻き出し機及び巻き取り機を用いて
帯状シートを連続して1ショット分ずつ供給するように
したロール/ロール方式でもよいし、前記枚葉絵付シー
トを保持する吸着盤等を備えたロボット(マニュピュレ
ーター)等で搬送する方式でもよいが、生産性の面から
はロール/ロール方式が推奨される。
尺の連続帯状シートの状態から必要量ずつ(1ショット
分ずつ)供給するようにしてもよいし、予め所定寸法に
裁断した枚葉シートを供給するようにしてもよい。ま
た、帯状シート(の次ショット部分)もしくは枚葉シー
トからなる絵付シートを対向配置された雌型と雄型との
間に供給するには、巻き出し機及び巻き取り機を用いて
帯状シートを連続して1ショット分ずつ供給するように
したロール/ロール方式でもよいし、前記枚葉絵付シー
トを保持する吸着盤等を備えたロボット(マニュピュレ
ーター)等で搬送する方式でもよいが、生産性の面から
はロール/ロール方式が推奨される。
【0025】また、絵付シートを雌型パーティング面に
固定保持すべくクランプ手段を付設する。クランプ手段
としては、枠状の押さえ板等を用いることができ、その
駆動は、型締め動作等の成形用駆動力を用いたり、エジ
ェクターピン駆動機構の動力を利用したりすることがで
きる他、別途に流体圧アクチュエーター等の駆動手段を
設けることによりなされる。
固定保持すべくクランプ手段を付設する。クランプ手段
としては、枠状の押さえ板等を用いることができ、その
駆動は、型締め動作等の成形用駆動力を用いたり、エジ
ェクターピン駆動機構の動力を利用したりすることがで
きる他、別途に流体圧アクチュエーター等の駆動手段を
設けることによりなされる。
【0026】絵付シートは、基材シートとその上に積層
された装飾層からなり、基材シートを成形品と密着一体
化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積層シ
ート(ラミネートシート)、あるいは一旦絵付シートと
成形品とを一体化させた後、装飾層(転写層)のみを成
形品側に残して基材シート(支持体シート)を剥離する
転写シートのいずれも使用することができる。
された装飾層からなり、基材シートを成形品と密着一体
化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積層シ
ート(ラミネートシート)、あるいは一旦絵付シートと
成形品とを一体化させた後、装飾層(転写層)のみを成
形品側に残して基材シート(支持体シート)を剥離する
転写シートのいずれも使用することができる。
【0027】前記貼合わせ積層シートの場合、基材シー
トとしては、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリスチレ
ン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポ
リプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いる
ことができる。基材シートの厚さは、通常20〜500
μm程度である。装飾層としては、印刷絵柄、着色又は
透明塗装、金属薄膜、あるいは、硬質塗膜、防曇塗料、
導電性層等の機能性層等を用いることができる。
トとしては、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリスチレ
ン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポ
リプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いる
ことができる。基材シートの厚さは、通常20〜500
μm程度である。装飾層としては、印刷絵柄、着色又は
透明塗装、金属薄膜、あるいは、硬質塗膜、防曇塗料、
導電性層等の機能性層等を用いることができる。
【0028】前記転写シートの場合は、一旦剥離性の支
持体シート上に形成した絵柄層等よりなる転写層を、別
の被転写体に転移させるためのもので、支持体シート上
には必要に応じて離型層を設けても良く、転写層として
は、剥離層、装飾層、接着剤層、等からなり、装飾層以
外の層は必要に応じて選択する。装飾層としては、絵柄
層、金属薄膜層(部分又は全面)あるいは硬質塗膜、防
曇塗膜、導電性層等の機能性層から選ばれる。
持体シート上に形成した絵柄層等よりなる転写層を、別
の被転写体に転移させるためのもので、支持体シート上
には必要に応じて離型層を設けても良く、転写層として
は、剥離層、装飾層、接着剤層、等からなり、装飾層以
外の層は必要に応じて選択する。装飾層としては、絵柄
層、金属薄膜層(部分又は全面)あるいは硬質塗膜、防
曇塗膜、導電性層等の機能性層から選ばれる。
【0029】支持体シートは、ナイロン6、ナイロン6
6等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等、可撓性を有する熱
可塑性樹脂フィルムあるいはそれらの積層体が好まし
い。射出成形用の樹脂としては、ABS(アクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、ポリスチ
レン、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート等の熱
可塑性樹脂を加熱熔融して液状ないし流動状態となった
もの、あるいは、二液硬化型、触媒硬化型の樹脂、例え
ば、ポリウレタン、ポリエステル等の未硬化液等の射出
成形同時絵付用として従来より知られている材料を使用
でき、製品の要求物性やコスト等に応じて選定される。
6等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等、可撓性を有する熱
可塑性樹脂フィルムあるいはそれらの積層体が好まし
い。射出成形用の樹脂としては、ABS(アクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、ポリスチ
レン、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート等の熱
可塑性樹脂を加熱熔融して液状ないし流動状態となった
もの、あるいは、二液硬化型、触媒硬化型の樹脂、例え
ば、ポリウレタン、ポリエステル等の未硬化液等の射出
成形同時絵付用として従来より知られている材料を使用
でき、製品の要求物性やコスト等に応じて選定される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る射出
成形同時絵付装置の一実施形態を示す全体構成図、図2
はその雄型を示す平面図である。本実施形態の射出成形
同時絵付装置10は、凹凸形状の雌型12と雄型25と
を備え、それら雌型12及び雄型25にはそれぞれ得る
べき積層品P〔図6(C)〕の形状に対応したキャビテ
ィ13及びコア部26が設けられている。
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る射出
成形同時絵付装置の一実施形態を示す全体構成図、図2
はその雄型を示す平面図である。本実施形態の射出成形
同時絵付装置10は、凹凸形状の雌型12と雄型25と
を備え、それら雌型12及び雄型25にはそれぞれ得る
べき積層品P〔図6(C)〕の形状に対応したキャビテ
ィ13及びコア部26が設けられている。
【0031】前記雌型12は、その底部が可動盤11に
固定されていて、流体圧シリンダのラム14により水平
方向、言い換えれば、雄型25に対して接近−離隔する
方向に進退動するようされている。なお、本実施形態で
は、上記のように雌型12が可動型とされていて水平方
向に移動するようにされているが、これに限定される訳
ではなく、例えば、雄型、雌型を上下に対向配置してそ
れらの一方を鉛直方向に移動させる等の形態を採用する
こともできる。
固定されていて、流体圧シリンダのラム14により水平
方向、言い換えれば、雄型25に対して接近−離隔する
方向に進退動するようされている。なお、本実施形態で
は、上記のように雌型12が可動型とされていて水平方
向に移動するようにされているが、これに限定される訳
ではなく、例えば、雄型、雌型を上下に対向配置してそ
れらの一方を鉛直方向に移動させる等の形態を採用する
こともできる。
【0032】また、雌型12には、前記キャビティ13
に開口する所定本の真空吸引孔17、17、…が所定の
ピッチで設けられ、この雌型の真空吸引孔17、17、
…は、真空吸引通路18、導管(内径が1インチ程度の
ホース)19、及び電磁切換弁43を介して外部に設置
された真空源としての真空タンク45、ロータリー式の
真空ポンプ46に接続されている。なお、前記真空タン
ク45は、その容量が150l程度とされ、前記真空ポ
ンプ46により30torr程度までの真空度にされてい
る。
に開口する所定本の真空吸引孔17、17、…が所定の
ピッチで設けられ、この雌型の真空吸引孔17、17、
…は、真空吸引通路18、導管(内径が1インチ程度の
ホース)19、及び電磁切換弁43を介して外部に設置
された真空源としての真空タンク45、ロータリー式の
真空ポンプ46に接続されている。なお、前記真空タン
ク45は、その容量が150l程度とされ、前記真空ポ
ンプ46により30torr程度までの真空度にされてい
る。
【0033】さらに、前記雌型12には、絵付シートS
を雌型12のパーティング面14に押圧固定するための
矩形枠状のクランパー20が付設されている。このクラ
ンパー20は、雌型12の四隅近くに設けられた貫通穴
に摺動自在に嵌挿された4本の連結ロッド24によって
図示していない駆動機構により雌型12のパーティング
面14に対して垂直方向に進退動できるようになってい
る。
を雌型12のパーティング面14に押圧固定するための
矩形枠状のクランパー20が付設されている。このクラ
ンパー20は、雌型12の四隅近くに設けられた貫通穴
に摺動自在に嵌挿された4本の連結ロッド24によって
図示していない駆動機構により雌型12のパーティング
面14に対して垂直方向に進退動できるようになってい
る。
【0034】前記雌型12のパーティング面14には、
前記キャビティ13の全周を囲むように、Oリング22
が装着される環状溝23が設けられている。前記Oリン
グ22は、前記枠状のクランパー20が、間に絵付シー
トSを挟んで雌型12のパーティング面14に押し付け
られた際、前記キャビティ12と外部とを気密的に遮断
する役目を果たす。
前記キャビティ13の全周を囲むように、Oリング22
が装着される環状溝23が設けられている。前記Oリン
グ22は、前記枠状のクランパー20が、間に絵付シー
トSを挟んで雌型12のパーティング面14に押し付け
られた際、前記キャビティ12と外部とを気密的に遮断
する役目を果たす。
【0035】一方、雄型25は、射出成形機のノズル
(図示略)が装着される固定盤27に固定されており、
この雄型25には、外周側に前記雌型12のパーティン
グ面14に絵付シートSを挟んで対接せしめられるパー
ティング面34が設けられ、このパーティング面34
に、図4に示される型締め状態において前記クランパー
20を収容し得る溝状凹部29が穿設されている。ま
た、雄型25には、図1に加えて図2を参照すればよく
わかるように、その前面中央部に突設された前記コア部
26の四隅近くに、得られた積層品Pを該雄型25から
取り外すためのエジェクターピン38が摺動自在に嵌挿
され、それら各エジェクターピン38の近くにそれぞれ
前記射出成形機のノズル50からの熔融樹脂を図示して
いないランナーを介して後述するキャビティ空間3(図
4)に射出するための、全部で4本のゲート37が設け
られている。
(図示略)が装着される固定盤27に固定されており、
この雄型25には、外周側に前記雌型12のパーティン
グ面14に絵付シートSを挟んで対接せしめられるパー
ティング面34が設けられ、このパーティング面34
に、図4に示される型締め状態において前記クランパー
20を収容し得る溝状凹部29が穿設されている。ま
た、雄型25には、図1に加えて図2を参照すればよく
わかるように、その前面中央部に突設された前記コア部
26の四隅近くに、得られた積層品Pを該雄型25から
取り外すためのエジェクターピン38が摺動自在に嵌挿
され、それら各エジェクターピン38の近くにそれぞれ
前記射出成形機のノズル50からの熔融樹脂を図示して
いないランナーを介して後述するキャビティ空間3(図
4)に射出するための、全部で4本のゲート37が設け
られている。
【0036】ここで、この雄型25のコア部26の中央
部は、複数の分割型からなる入れ子構造のブッシング部
32とされており、このブッシング部32における前記
分割型間にスリット状のガス抜き隙間33〔その間隙
は、ガス(空気)は通すが流動状態の樹脂は入り込まな
い20〜30μm程度となっている〕が格子状に形成さ
れており、このガス抜き隙間33が、該雄型25と前記
雌型12との間に形成されるキャビティ空間3内のガス
を強制的に外部に排除するガス抜き通路手段として用い
られるようになっている。すなわち、前記ガス抜き隙間
33は、雄型25内部に形成された合同通路35、及び
それに接続された導管(内径が1インチ程度のホース)
36を介して、前記雌型12の真空吸引孔17と真空タ
ンク45との間に介装された前記電磁切換弁43に接続
され、この電磁切換弁43を介して前記真空タンク45
に接続されている。言い換えれば、前記ガス抜き隙間3
3は、絵付シートSを真空吸引する延伸工程で用いられ
る共通の真空源(真空タンク45)に電磁切換弁43を
介して選択的に接続されるようになっている。
部は、複数の分割型からなる入れ子構造のブッシング部
32とされており、このブッシング部32における前記
分割型間にスリット状のガス抜き隙間33〔その間隙
は、ガス(空気)は通すが流動状態の樹脂は入り込まな
い20〜30μm程度となっている〕が格子状に形成さ
れており、このガス抜き隙間33が、該雄型25と前記
雌型12との間に形成されるキャビティ空間3内のガス
を強制的に外部に排除するガス抜き通路手段として用い
られるようになっている。すなわち、前記ガス抜き隙間
33は、雄型25内部に形成された合同通路35、及び
それに接続された導管(内径が1インチ程度のホース)
36を介して、前記雌型12の真空吸引孔17と真空タ
ンク45との間に介装された前記電磁切換弁43に接続
され、この電磁切換弁43を介して前記真空タンク45
に接続されている。言い換えれば、前記ガス抜き隙間3
3は、絵付シートSを真空吸引する延伸工程で用いられ
る共通の真空源(真空タンク45)に電磁切換弁43を
介して選択的に接続されるようになっている。
【0037】前記電磁切換弁43は、前記雌型12の真
空吸引孔17と前記真空タンク45とが連通するのを遮
断するとともに前記雄型25のガス抜き隙間33と前記
真空タンク45とが連通するのを遮断する非作動状態
と、前記雌型12の真空吸引孔17と前記真空タンク4
5とを連通させるとともに前記雄型25のガス抜き隙間
33と前記真空タンク45とが連通するのを遮断する第
1の作動状態と、前記雌型12の真空吸引孔17と前記
真空タンク45とが連通するのを遮断するとともに前記
雄型25のガス抜き隙間33と前記真空タンク45とを
連通させる第2の作動状態と、をとり得るようになって
いる。
空吸引孔17と前記真空タンク45とが連通するのを遮
断するとともに前記雄型25のガス抜き隙間33と前記
真空タンク45とが連通するのを遮断する非作動状態
と、前記雌型12の真空吸引孔17と前記真空タンク4
5とを連通させるとともに前記雄型25のガス抜き隙間
33と前記真空タンク45とが連通するのを遮断する第
1の作動状態と、前記雌型12の真空吸引孔17と前記
真空タンク45とが連通するのを遮断するとともに前記
雄型25のガス抜き隙間33と前記真空タンク45とを
連通させる第2の作動状態と、をとり得るようになって
いる。
【0038】なお、本実施形態の射出成形同時絵付装置
10により得るべき積層品Pは、平面視では矩形状(縦
300〜400mm、横200mm前後)で、断面がコ
字状のパネルであり(図6参照)、また、前記絵付シー
トSとして、ここでは、アクリル樹脂製の基材シート
(厚みは125μm)と、その上にグラビア印刷法によ
り積層された装飾層(アクリル樹脂と塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体の1:1重量比混合物のバインダーに含量
を添加)と、接着剤層(塩化ビニル酢酸ビニル共重合体
系)とからなり、基材シートを射出樹脂成形体Paと密
着一体化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ
積層シート(ラミネートシート)を用いている。前記装
飾層(絵柄層)は、柄版を3色組み合わせた木目模様と
なっており、また、前記接着剤層は、スクリーン線数4
0線/cmのグラビアベタ印刷版(版深60μm)を2
度用いて(グラビア印刷2色刷りして)形成した厚みが
2μmの層である。
10により得るべき積層品Pは、平面視では矩形状(縦
300〜400mm、横200mm前後)で、断面がコ
字状のパネルであり(図6参照)、また、前記絵付シー
トSとして、ここでは、アクリル樹脂製の基材シート
(厚みは125μm)と、その上にグラビア印刷法によ
り積層された装飾層(アクリル樹脂と塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体の1:1重量比混合物のバインダーに含量
を添加)と、接着剤層(塩化ビニル酢酸ビニル共重合体
系)とからなり、基材シートを射出樹脂成形体Paと密
着一体化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ
積層シート(ラミネートシート)を用いている。前記装
飾層(絵柄層)は、柄版を3色組み合わせた木目模様と
なっており、また、前記接着剤層は、スクリーン線数4
0線/cmのグラビアベタ印刷版(版深60μm)を2
度用いて(グラビア印刷2色刷りして)形成した厚みが
2μmの層である。
【0039】また、前記ブッシング部32は縦横50m
m程度であり、前記ガス抜き隙間33が10mmピッチ
で形成されている。上述の如くの構成とされた本実施形
態の射出成形同時絵付装置10においては、以下のよう
にして射出成形同時絵付が行われる。まず、図1に示さ
れる如くに、ロール状に巻き取られた長尺の連続帯状の
絵付シートSの1ショット分が雌型12のパーティング
面14とクランパー20との間に供給され(シート供給
工程)、次に、図3に示される如くに、前記クランパー
20により前記雌型12のパーティング面14に押圧固
定される(クランプ工程)。
m程度であり、前記ガス抜き隙間33が10mmピッチ
で形成されている。上述の如くの構成とされた本実施形
態の射出成形同時絵付装置10においては、以下のよう
にして射出成形同時絵付が行われる。まず、図1に示さ
れる如くに、ロール状に巻き取られた長尺の連続帯状の
絵付シートSの1ショット分が雌型12のパーティング
面14とクランパー20との間に供給され(シート供給
工程)、次に、図3に示される如くに、前記クランパー
20により前記雌型12のパーティング面14に押圧固
定される(クランプ工程)。
【0040】続いて、熱盤40を前記クランパー20に
より押圧固定されている前記絵付シートS上に移動させ
て、この熱盤40により前記絵付シートSを加熱軟化
(例えば表面温度330°Cの表面からの赤外線輻射で
3秒間)させる(加熱軟化工程)とともに、前記電磁切
換弁43が前記非作動状態から前記第1の動作状態に切
り換えられ、前記雌型12の真空吸引孔17と前記真空
タンク45とが連通せしめられ、かつ、前記雄型25の
ガス抜き隙間33と前記真空タンク45とが連通するの
は遮断されたままにされる。
より押圧固定されている前記絵付シートS上に移動させ
て、この熱盤40により前記絵付シートSを加熱軟化
(例えば表面温度330°Cの表面からの赤外線輻射で
3秒間)させる(加熱軟化工程)とともに、前記電磁切
換弁43が前記非作動状態から前記第1の動作状態に切
り換えられ、前記雌型12の真空吸引孔17と前記真空
タンク45とが連通せしめられ、かつ、前記雄型25の
ガス抜き隙間33と前記真空タンク45とが連通するの
は遮断されたままにされる。
【0041】これにより、図3に示される如くに、雌型
12における絵付シートSで密封されているキャビティ
13内の空気が前記真空吸引孔17、17、…から真空
吸引通路18及び導管19を通じて真空吸引(約5秒
間)され、前記絵付シートSが前記雌型12のキャビテ
ィ13に沿わせて密着させるように延伸させる延伸工程
が行われる。なお、図3において、1点鎖線は延伸途中
の絵付シートを図示している。
12における絵付シートSで密封されているキャビティ
13内の空気が前記真空吸引孔17、17、…から真空
吸引通路18及び導管19を通じて真空吸引(約5秒
間)され、前記絵付シートSが前記雌型12のキャビテ
ィ13に沿わせて密着させるように延伸させる延伸工程
が行われる。なお、図3において、1点鎖線は延伸途中
の絵付シートを図示している。
【0042】この延伸工程が行われた後は、図4に示さ
れる如くに、前記雌型12を雄型25側へ移動させて型
締めを行う型締め工程が行われ、雌型12のパーティン
グ面14と雄型25のパーティング面34とが間に絵付
シートSを挟んで対接せしめられる。これにより、雌型
12と雄型25との間に得るべき積層品Pに対応したキ
ャビティ空間3が形成され、その後は、前記キャビティ
空間3内に前記雄型25のランナー及び4本のゲート3
7(サブマリーンゲート)を通じて熔融樹脂Pmが所定
の射出圧をもって注入充填される射出成形工程が行われ
るが、型締め工程以後であってかつかかる射出成形工程
前又はそれと並行して、前記電磁切換弁43が前記第1
の作動状態から第2の作動状態に切り換えられる。
れる如くに、前記雌型12を雄型25側へ移動させて型
締めを行う型締め工程が行われ、雌型12のパーティン
グ面14と雄型25のパーティング面34とが間に絵付
シートSを挟んで対接せしめられる。これにより、雌型
12と雄型25との間に得るべき積層品Pに対応したキ
ャビティ空間3が形成され、その後は、前記キャビティ
空間3内に前記雄型25のランナー及び4本のゲート3
7(サブマリーンゲート)を通じて熔融樹脂Pmが所定
の射出圧をもって注入充填される射出成形工程が行われ
るが、型締め工程以後であってかつかかる射出成形工程
前又はそれと並行して、前記電磁切換弁43が前記第1
の作動状態から第2の作動状態に切り換えられる。
【0043】これにより、前記雌型12の真空吸引孔1
7と前記真空タンク45とが連通するのが遮断されると
ともに前記雄型25のガス抜き隙間33と前記真空タン
ク45とが連通せしめられ、前記雌型12と雄型25と
の間に形成されるキャビティ空間3内のガス(主として
空気)が前記ガス抜き隙間33、合同通路35、導管3
6を通じて強制的に外部に排除するガス抜き工程が行わ
れ、前記キャビティ空間3内のガスが完全に抜かれ、該
キャビティ空間3内は負圧となる。
7と前記真空タンク45とが連通するのが遮断されると
ともに前記雄型25のガス抜き隙間33と前記真空タン
ク45とが連通せしめられ、前記雌型12と雄型25と
の間に形成されるキャビティ空間3内のガス(主として
空気)が前記ガス抜き隙間33、合同通路35、導管3
6を通じて強制的に外部に排除するガス抜き工程が行わ
れ、前記キャビティ空間3内のガスが完全に抜かれ、該
キャビティ空間3内は負圧となる。
【0044】このようにガス抜き工程及び射出成形工程
が終了した後は、前記キャビティ空間3内の樹脂が硬化
した後、雌型12と雄型25とを離間させる型開き工
程、前記絵付シートSが接着された積層品Pを前記イジ
ェクターピン38により雄型25から取り外す取出工程
等が行われる。
が終了した後は、前記キャビティ空間3内の樹脂が硬化
した後、雌型12と雄型25とを離間させる型開き工
程、前記絵付シートSが接着された積層品Pを前記イジ
ェクターピン38により雄型25から取り外す取出工程
等が行われる。
【0045】このように、本実施形態では、射出成形工
程前又はそれと並行してガス抜き工程が行われるので、
キャビティ空間3にはガスが残留しておらず、したがっ
て、得られる積層品には、前記した図6(A)、(B)
に示される如くのシワや剥離等の不良箇所eは発生せ
ず、同図(C)のように美麗な積層品Pが得られる。ま
た、射出成形工程前又はそれと並行してキャビティ空間
3内のガスを強制的に外部に排除するようにされるの
で、雄型12のゲート37、37の位置等に制約が課せ
られず、設計自由度が向上し、また、射出圧等の成形条
件の制限も緩和される。
程前又はそれと並行してガス抜き工程が行われるので、
キャビティ空間3にはガスが残留しておらず、したがっ
て、得られる積層品には、前記した図6(A)、(B)
に示される如くのシワや剥離等の不良箇所eは発生せ
ず、同図(C)のように美麗な積層品Pが得られる。ま
た、射出成形工程前又はそれと並行してキャビティ空間
3内のガスを強制的に外部に排除するようにされるの
で、雄型12のゲート37、37の位置等に制約が課せ
られず、設計自由度が向上し、また、射出圧等の成形条
件の制限も緩和される。
【0046】さらに、ガス抜き通路手段(ガス抜き隙間
33)を切換弁43を介して従来から備えられている雌
型12の吸引通路手段(真空吸引孔17)が接続されて
いる真空源(真空タンク45)に接続しているので、ガ
ス抜き手段を付加することによる装置コストの上昇を最
小限に抑えられる。
33)を切換弁43を介して従来から備えられている雌
型12の吸引通路手段(真空吸引孔17)が接続されて
いる真空源(真空タンク45)に接続しているので、ガ
ス抜き手段を付加することによる装置コストの上昇を最
小限に抑えられる。
【0047】なお、前記雌型12の吸引通路手段(真空
吸引孔17)が接続されている真空源(真空タンク4
5)とは別の真空源を用意してこれにガス抜き通路手段
(ガス抜き隙間33)を接続するようにしてもよいこと
勿論である。また、必要に応じて、切換弁43に真空吸
引孔17側とガス抜き隙間33との両方に連通できる第
3の作動状態を設け、絵付シートのキャビティ13への
吸引とガス抜き工程とを同時に行ってもよい。
吸引孔17)が接続されている真空源(真空タンク4
5)とは別の真空源を用意してこれにガス抜き通路手段
(ガス抜き隙間33)を接続するようにしてもよいこと
勿論である。また、必要に応じて、切換弁43に真空吸
引孔17側とガス抜き隙間33との両方に連通できる第
3の作動状態を設け、絵付シートのキャビティ13への
吸引とガス抜き工程とを同時に行ってもよい。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係る射出成形同時絵付方法及び装置によれば、型締
め工程以後であってかつ射出成形工程前又はそれと並行
してガス抜き工程が行われるので、キャビティ空間には
ガスが残留しておらず、したがって、得られる積層品に
は、シワや剥離等の不良箇所eは発生せず、美麗な積層
品を得ることができる。また、射出成形工程前又はそれ
と並行してキャビティ空間内のガスを強制的に外部に排
除するようにされるので、雄型のゲートの位置等に制約
が課せられず、設計自由度が向上し、また、射出圧等の
成形条件の制限も緩和できる。さらに、ガス抜き通路手
段を切換弁を介して従来から備えられている雌型の吸引
通路手段が接続されている真空源に接続することによ
り、ガス抜き手段を付加することによる装置コストの上
昇を最小限に抑えることができる。
明に係る射出成形同時絵付方法及び装置によれば、型締
め工程以後であってかつ射出成形工程前又はそれと並行
してガス抜き工程が行われるので、キャビティ空間には
ガスが残留しておらず、したがって、得られる積層品に
は、シワや剥離等の不良箇所eは発生せず、美麗な積層
品を得ることができる。また、射出成形工程前又はそれ
と並行してキャビティ空間内のガスを強制的に外部に排
除するようにされるので、雄型のゲートの位置等に制約
が課せられず、設計自由度が向上し、また、射出圧等の
成形条件の制限も緩和できる。さらに、ガス抜き通路手
段を切換弁を介して従来から備えられている雌型の吸引
通路手段が接続されている真空源に接続することによ
り、ガス抜き手段を付加することによる装置コストの上
昇を最小限に抑えることができる。
【図1】本発明に係る射出成形同時絵付装置の一実施形
態を示す全体構成図。
態を示す全体構成図。
【図2】図1に示される装置の雄型を示す平面図。
【図3】図1に示される装置の延伸工程、加熱軟化工程
の説明に供される図。
の説明に供される図。
【図4】図1に示される装置の型締め工程、射出成形工
程の説明に供される図。
程の説明に供される図。
【図5】従来の射出成形同時絵付装置における射出成形
工程の説明に供される図。
工程の説明に供される図。
【図6】得られた積層品を示し、(A)は不良箇所のあ
る積層品の平面図、(B)は(A)のX−X矢視断面
図、(C)は不良箇所のない積層品の断面図。
る積層品の平面図、(B)は(A)のX−X矢視断面
図、(C)は不良箇所のない積層品の断面図。
S 絵付シート P 積層品 Pa 射出樹脂成形体 10 射出成形同時絵付装置 12 雌型 13 キャビティ 14 パーティング面 17 真空吸引孔 18 真空吸引通路 20 枠状のクランパー 25 雄型 26 コア部 32 ブッシング部 33 ガス抜き隙間 35 合同通路 36 導管 43 電磁切換弁 45 真空タンク 46 真空ポンプ
Claims (4)
- 【請求項1】 雌型のパーティング面上に絵付シートを
供給するシート供給工程と、前記絵付シートを前記雌型
のパーティング面上に固定保持するクランプ工程と、前
記雌型に設けられた吸引通路手段を通じて前記絵付シー
トを真空吸引して前記雌型のキャビティに沿わせて密着
させるように延伸させる延伸工程と、前記雌型と雄型の
一方を他方側へ移動させて型締めを行う型締め工程と、
前記雌型と雄型との間に形成されるキャビティ空間に前
記雄型側から流動状態の樹脂を注入充填する射出成形工
程と、前記雌型と雄型とを離間させる型開き工程と、前
記絵付シートが接着積層された積層品を前記雌型から取
り出す取出工程と、を含み、 前記型締め工程後で前記射出成形工程前又はそれと並行
して、前記雌型と雄型との間に形成されるキャビティ空
間内のガスを前記雄型に設けられたガス抜き通路手段を
通じて強制的に外部に排除するガス抜き工程を行うこと
を特徴とする射出成形同時絵付方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の射出成形同時絵付方法
を実施するための装置であって、雌型と雄型とを備え、
前記雌型に真空吸引孔等の吸引通路手段が設けられると
ともに、前記雄型に前記雌型との間に形成されるキャビ
ティ空間内のガスを強制的に外部に排除するガス抜き通
路手段が設けられ、前記吸引通路手段及びガス抜き通路
手段は、外部に設置された真空タンク、真空ポンプ等の
真空源に接続されていることを特徴とする射出成形同時
絵付装置。 - 【請求項3】 前記雄型の少なくともコア部が複数の分
割型からなる入れ子構造にされるとともに、前記分割型
間にスリット状の隙間が形成され、この隙間が前記ガス
抜き通路手段として用いられていることを特徴とする請
求項2に記載の射出成形同時絵付装置。 - 【請求項4】 前記吸引通路手段及びガス抜き通路手段
は、切換弁を介して共通の真空源に接続されていること
を特徴とする請求項2又は3に記載の射出成形同時絵付
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30099597A JPH11129285A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 射出成形同時絵付方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30099597A JPH11129285A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 射出成形同時絵付方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11129285A true JPH11129285A (ja) | 1999-05-18 |
Family
ID=17891571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30099597A Pending JPH11129285A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 射出成形同時絵付方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11129285A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1435285A1 (en) * | 2001-10-10 | 2004-07-07 | Sakaeriken Kogyo Co., Ltd. | Method for producing plastic molding with texture pattern |
CN102837392A (zh) * | 2012-09-14 | 2012-12-26 | 晟扬精密模具(昆山)有限公司 | 吸膜机构 |
CN110116478A (zh) * | 2019-06-19 | 2019-08-13 | 易伟青 | 一种具有排气功能的注塑模具 |
-
1997
- 1997-10-31 JP JP30099597A patent/JPH11129285A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1435285A1 (en) * | 2001-10-10 | 2004-07-07 | Sakaeriken Kogyo Co., Ltd. | Method for producing plastic molding with texture pattern |
EP1435285A4 (en) * | 2001-10-10 | 2006-03-15 | Sakaeriken Kogyo Co Ltd | METHOD FOR PRODUCING PLASTIC PART WITH STRUCTURE PATTERN |
CN102837392A (zh) * | 2012-09-14 | 2012-12-26 | 晟扬精密模具(昆山)有限公司 | 吸膜机构 |
CN110116478A (zh) * | 2019-06-19 | 2019-08-13 | 易伟青 | 一种具有排气功能的注塑模具 |
CN110116478B (zh) * | 2019-06-19 | 2021-01-15 | 深圳市江南伟业模具塑胶有限公司 | 一种具有排气功能的注塑模具 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040902 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060518 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061003 |