JP2000000842A - 射出成形同時絵付装置 - Google Patents
射出成形同時絵付装置Info
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/14—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
- B29C45/1418—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles the inserts being deformed or preformed, e.g. by the injection pressure
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- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
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- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 射出成形同時絵付装置において、熱盤が待機
位置から転写シートに対向する対向位置に移動する過程
において熱盤が転写シートに与える熱的影響をできるだ
け小さく抑制する。 【解決手段】 絵付シートSを加熱軟化させるための熱
盤70を待機位置から雌型12のキャビティ13上の対
向位置に移動させるときに、熱盤70と雌型12のパー
ティンク面14との距離が絵付シートS加熱軟化時より
も大の状態で移動させ、しかる後、前記熱盤70を前記
雌型のパーティング面に向かって前進させて、その状態
で絵付シートの加熱軟化を行う。
位置から転写シートに対向する対向位置に移動する過程
において熱盤が転写シートに与える熱的影響をできるだ
け小さく抑制する。 【解決手段】 絵付シートSを加熱軟化させるための熱
盤70を待機位置から雌型12のキャビティ13上の対
向位置に移動させるときに、熱盤70と雌型12のパー
ティンク面14との距離が絵付シートS加熱軟化時より
も大の状態で移動させ、しかる後、前記熱盤70を前記
雌型のパーティング面に向かって前進させて、その状態
で絵付シートの加熱軟化を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形と同時に
型内で絵付シートを射出樹脂成形物の表面に一体的に接
着して図柄や文字等が施された成形品を得るようにした
射出成形同時絵付装置に係り、特に、絵付シートの延伸
(予備成形)を効果的に行うべくその前に前記絵付シー
トを加熱軟化させるために使用される熱盤の配置を改善
したものに関する。
型内で絵付シートを射出樹脂成形物の表面に一体的に接
着して図柄や文字等が施された成形品を得るようにした
射出成形同時絵付装置に係り、特に、絵付シートの延伸
(予備成形)を効果的に行うべくその前に前記絵付シー
トを加熱軟化させるために使用される熱盤の配置を改善
したものに関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形と同時に射出樹脂成形体の表面
に絵付シートを一体的に接着する射出成形同時絵付方法
としては、従来より幾つもの態様が提案されているが、
それらの大半は、次の(a)〜(i)の工程の全部又は
幾つかを記述順に又はその順番を入れ換えて、順次、又
は複数の工程を同時に重複してもしくは並列的に行うよ
うにされている(特公昭50−19132号、実公平3
−56344号、特公平7−41637号公報等を参
照)。
に絵付シートを一体的に接着する射出成形同時絵付方法
としては、従来より幾つもの態様が提案されているが、
それらの大半は、次の(a)〜(i)の工程の全部又は
幾つかを記述順に又はその順番を入れ換えて、順次、又
は複数の工程を同時に重複してもしくは並列的に行うよ
うにされている(特公昭50−19132号、実公平3
−56344号、特公平7−41637号公報等を参
照)。
【0003】(a)絵付シートを射出成形に用いられる
雌型のパーティング面上に供給するシート供給工程。 (b)絵付シートを雌型のパーティング面に固定保持す
るクランプ工程。 (c)絵付シートを熱盤等により加熱軟化させる加熱軟
化工程。
雌型のパーティング面上に供給するシート供給工程。 (b)絵付シートを雌型のパーティング面に固定保持す
るクランプ工程。 (c)絵付シートを熱盤等により加熱軟化させる加熱軟
化工程。
【0004】(d)絵付シートを真空吸引及び/又は圧
空供給等により雌型のキャビティに沿わせるように延伸
させる延伸工程(予備成形工程)。 (e)雌型と雄型の一方(通常は雌型)を他方(通常は
雄型)側へ移動させて型締めを行う型締め工程。 (f)雌型と雄型との間に形成されるキャビティ内に雄
型側から流動状態の樹脂(熔融樹脂等)を注入充填して
固化せしめて射出成形を行う射出成形工程。
空供給等により雌型のキャビティに沿わせるように延伸
させる延伸工程(予備成形工程)。 (e)雌型と雄型の一方(通常は雌型)を他方(通常は
雄型)側へ移動させて型締めを行う型締め工程。 (f)雌型と雄型との間に形成されるキャビティ内に雄
型側から流動状態の樹脂(熔融樹脂等)を注入充填して
固化せしめて射出成形を行う射出成形工程。
【0005】(g)雌型と雄型とを離間させる型開き工
程。 (h)絵付シートのうちの射出樹脂成形体に接着付随さ
せるべき部分を他の部分(余剰部分)から切り離すシー
トトリミング工程。 (i)絵付シートが接着積層された積層品を雄雌両成形
型から取り出す取出工程。
程。 (h)絵付シートのうちの射出樹脂成形体に接着付随さ
せるべき部分を他の部分(余剰部分)から切り離すシー
トトリミング工程。 (i)絵付シートが接着積層された積層品を雄雌両成形
型から取り出す取出工程。
【0006】なお、複数の工程を同時に重複して行うと
は、複数の工程が一工程に含まれることをいい、例え
ば、前記(e)の型締め工程において絵付シートを雌型
と雄型との間に挟んで固定保持するようになせば、該型
締め工程と同時に重複して前記(b)のクランプ工程が
行われたことになり、また、前記(f)の射出成形工程
において絵付シートを射出された熔融樹脂の熱と圧力に
より延伸させるようになせば、該射出成形工程と同時に
重複して前記(d)の延伸工程が行われたことになる場
合をいう。
は、複数の工程が一工程に含まれることをいい、例え
ば、前記(e)の型締め工程において絵付シートを雌型
と雄型との間に挟んで固定保持するようになせば、該型
締め工程と同時に重複して前記(b)のクランプ工程が
行われたことになり、また、前記(f)の射出成形工程
において絵付シートを射出された熔融樹脂の熱と圧力に
より延伸させるようになせば、該射出成形工程と同時に
重複して前記(d)の延伸工程が行われたことになる場
合をいう。
【0007】また、絵付シートとしては、製品種別に応
じて貼合わせ積層シート(ラミネートシート)と転写シ
ートのいずれかが用いられ、ラミネートシートである場
合には、射出成形によりそのままで絵付けが行われたこ
とになり、射出樹脂成形体の表面にシート全層が接着一
体化して化粧層となる。それに対し、絵付シートが転写
シートである場合には、射出樹脂成形体の表面に一体化
した絵付シートのうちの支持体シートを剥離し、装飾層
等の転写層のみを射出樹脂成形体側に残留させて化粧層
となすことにより絵付けが完了する。
じて貼合わせ積層シート(ラミネートシート)と転写シ
ートのいずれかが用いられ、ラミネートシートである場
合には、射出成形によりそのままで絵付けが行われたこ
とになり、射出樹脂成形体の表面にシート全層が接着一
体化して化粧層となる。それに対し、絵付シートが転写
シートである場合には、射出樹脂成形体の表面に一体化
した絵付シートのうちの支持体シートを剥離し、装飾層
等の転写層のみを射出樹脂成形体側に残留させて化粧層
となすことにより絵付けが完了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、射出成形同
時絵付装置においては、通常、前記した(c)の加熱軟
化工程は図12に概略図示される如くにして行われる。
これを簡単に説明すると、図示の射出成形同時絵付装置
200において、雌型12は、その底部が可動盤11に
固定されていて、流体圧シリンダのラム9により水平方
向、言い換えれば、雄型(図外右方向)に対して接近−
離隔する方向(Y方向)に進退動するようされており、
この雌型12には、得るべき積層品に対応したキャビテ
ィ13が形成されるとともに、このキャビティ13の外
周側に平面のパーティング面14が形成され、前記キャ
ビティ13には所定本の真空吸引孔17が開口せしめら
れている。この真空吸引孔17は、真空吸引通路18及
び導管19を介して外部の真空ポンプに接続されてい
る。
時絵付装置においては、通常、前記した(c)の加熱軟
化工程は図12に概略図示される如くにして行われる。
これを簡単に説明すると、図示の射出成形同時絵付装置
200において、雌型12は、その底部が可動盤11に
固定されていて、流体圧シリンダのラム9により水平方
向、言い換えれば、雄型(図外右方向)に対して接近−
離隔する方向(Y方向)に進退動するようされており、
この雌型12には、得るべき積層品に対応したキャビテ
ィ13が形成されるとともに、このキャビティ13の外
周側に平面のパーティング面14が形成され、前記キャ
ビティ13には所定本の真空吸引孔17が開口せしめら
れている。この真空吸引孔17は、真空吸引通路18及
び導管19を介して外部の真空ポンプに接続されてい
る。
【0009】また、前記雌型12には、絵付シートSを
雌型12のパーティング面14に押圧固定するための枠
状のクランパー20が付設されている。このクランパー
20は、雌型12の四隅近くに設けられた貫通穴に摺動
自在に嵌挿された4本の連結ロッドによって図示してい
ない駆動機構により雌型12のパーティング面14に対
して垂直方向に進退動できるようになっている。さら
に、前記雌型12のパーティング面14には、Oリング
22が装着された環状の装着溝23が設けられている。
前記Oリング22は、前記枠状のクランパー20が、図
示のように、間に絵付シートSを挟んで雌型12のパー
ティング面14に押し付けられた際、前記キャビティ1
2と外部とを気密的に遮断する役目を果たす。
雌型12のパーティング面14に押圧固定するための枠
状のクランパー20が付設されている。このクランパー
20は、雌型12の四隅近くに設けられた貫通穴に摺動
自在に嵌挿された4本の連結ロッドによって図示してい
ない駆動機構により雌型12のパーティング面14に対
して垂直方向に進退動できるようになっている。さら
に、前記雌型12のパーティング面14には、Oリング
22が装着された環状の装着溝23が設けられている。
前記Oリング22は、前記枠状のクランパー20が、図
示のように、間に絵付シートSを挟んで雌型12のパー
ティング面14に押し付けられた際、前記キャビティ1
2と外部とを気密的に遮断する役目を果たす。
【0010】上記に加え、前記加熱軟化工程を行うべ
く、平板状の熱盤150が備えられている。この熱盤1
50は、熱盤移動手段としてのエアーシリンダ85のピ
ストンロッド85a先端に取り付けられており、該エア
ーシリンダ85により、絵付シート非加熱時には、前記
雌型12のキャビティ13上から外れた待機位置に置か
れ、絵付シート加熱時には前記待機位置から前記キャビ
ティ13上の対向加熱位置まで直線的(水平方向)に移
動せしめられるようになっている。
く、平板状の熱盤150が備えられている。この熱盤1
50は、熱盤移動手段としてのエアーシリンダ85のピ
ストンロッド85a先端に取り付けられており、該エア
ーシリンダ85により、絵付シート非加熱時には、前記
雌型12のキャビティ13上から外れた待機位置に置か
れ、絵付シート加熱時には前記待機位置から前記キャビ
ティ13上の対向加熱位置まで直線的(水平方向)に移
動せしめられるようになっている。
【0011】かかる構成のもとで、前記した如くに、
(a)絵付シートSを前記パーティング面14上に供給
するシート供給工程、(b)この絵付シートSを前記ク
ランパー20により前記パーティング面14に押圧固定
するクランプ工程が行われ、このクランプ工程後に、前
記平板状の熱盤150が前記エアーシリンダ85によ
り、前記待機位置から前記パーティング面14に押圧固
定されている絵付シートS上(キャビティ13上)であ
って、その加熱面150aが絵付シートSに対向する前
記対向加熱位置まで移動せしめられ、この熱盤150に
より、(c)絵付シートSを加熱軟化させる加熱軟化工
程が行われるとともに、(d)絵付シートSを前記真空
吸引孔17を通じた真空吸引により前記キャビティ13
に沿わせるように延伸させる延伸工程(予備成形工程)
が行われる。
(a)絵付シートSを前記パーティング面14上に供給
するシート供給工程、(b)この絵付シートSを前記ク
ランパー20により前記パーティング面14に押圧固定
するクランプ工程が行われ、このクランプ工程後に、前
記平板状の熱盤150が前記エアーシリンダ85によ
り、前記待機位置から前記パーティング面14に押圧固
定されている絵付シートS上(キャビティ13上)であ
って、その加熱面150aが絵付シートSに対向する前
記対向加熱位置まで移動せしめられ、この熱盤150に
より、(c)絵付シートSを加熱軟化させる加熱軟化工
程が行われるとともに、(d)絵付シートSを前記真空
吸引孔17を通じた真空吸引により前記キャビティ13
に沿わせるように延伸させる延伸工程(予備成形工程)
が行われる。
【0012】ところが、かかる射出成形同時絵付装置2
00においては、前記した加熱軟化工程において、熱盤
150が前記待機位置から前記キャビティ13上の対向
加熱位置である所定位置まで到達するのにある程度の時
間を必要とし、成形品のサイズが大きい場合には、絵付
シートSのキャビティ13に面する部分での過熱状態が
不均一となる。すなわち、熱盤150の進入方向(移動
方向)前方側に位置する絵付シートSの部分は、進入方
向(移動方向)後方側に位置する部分よりも長い時間加
熱を受けることとなり、より高温となり、より大きく軟
化しがちとなる。そのために、キャビティ13に面する
部分で転写シートの軟化程度が不均一となり、前記
(d)絵付シートSを前記真空吸引孔17を通じた真空
吸引により前記キャビティ13に沿わせるように延伸さ
せる延伸工程(予備成形工程)において、延びすぎによ
る絵柄の歪みや、シワが発生するのを避けられず、転写
後の成形品に悪影響を及ぼす。
00においては、前記した加熱軟化工程において、熱盤
150が前記待機位置から前記キャビティ13上の対向
加熱位置である所定位置まで到達するのにある程度の時
間を必要とし、成形品のサイズが大きい場合には、絵付
シートSのキャビティ13に面する部分での過熱状態が
不均一となる。すなわち、熱盤150の進入方向(移動
方向)前方側に位置する絵付シートSの部分は、進入方
向(移動方向)後方側に位置する部分よりも長い時間加
熱を受けることとなり、より高温となり、より大きく軟
化しがちとなる。そのために、キャビティ13に面する
部分で転写シートの軟化程度が不均一となり、前記
(d)絵付シートSを前記真空吸引孔17を通じた真空
吸引により前記キャビティ13に沿わせるように延伸さ
せる延伸工程(予備成形工程)において、延びすぎによ
る絵柄の歪みや、シワが発生するのを避けられず、転写
後の成形品に悪影響を及ぼす。
【0013】本発明は、上述したような問題を解消する
ためになされたもので、その目的とするところは、熱盤
が待機位置から対向加熱位置まで進入する過程におい
て、熱盤(の加熱面)が転写シートに与える熱的影響を
できるだけ小さく抑えるようにし、それにより、転写シ
ートが不均一に加熱され不均一に軟化するのを回避でき
るようにした射出成形同時絵付装置を提供することにあ
る。
ためになされたもので、その目的とするところは、熱盤
が待機位置から対向加熱位置まで進入する過程におい
て、熱盤(の加熱面)が転写シートに与える熱的影響を
できるだけ小さく抑えるようにし、それにより、転写シ
ートが不均一に加熱され不均一に軟化するのを回避でき
るようにした射出成形同時絵付装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る射出成形同時絵付装置は、基本的に
は、相互に対向配置されて一方が他方側へ移動せしめら
れるようにされた雌型及び雄型と、前記雌型のパーティ
ング面に対して直交する方向に移動可能とされ、絵付シ
ートを前記雌型のパーティング面上に押圧固定するクラ
ンプ手段と、前記絵付シートを加熱軟化させるための熱
盤と、該熱盤を前記絵付シート非加熱時には、前記雌型
のキャビティに対向した位置から外れた待機位置に退避
させ、絵付シート加熱時には前記待機位置から前記雌型
のキャビティに対向した位置に移動せしめる熱盤移動手
段と、前記雌型のキャビティ内に前記雄型側から流動状
態の樹脂を注入充填する樹脂射出手段と、を備える。
く、本発明に係る射出成形同時絵付装置は、基本的に
は、相互に対向配置されて一方が他方側へ移動せしめら
れるようにされた雌型及び雄型と、前記雌型のパーティ
ング面に対して直交する方向に移動可能とされ、絵付シ
ートを前記雌型のパーティング面上に押圧固定するクラ
ンプ手段と、前記絵付シートを加熱軟化させるための熱
盤と、該熱盤を前記絵付シート非加熱時には、前記雌型
のキャビティに対向した位置から外れた待機位置に退避
させ、絵付シート加熱時には前記待機位置から前記雌型
のキャビティに対向した位置に移動せしめる熱盤移動手
段と、前記雌型のキャビティ内に前記雄型側から流動状
態の樹脂を注入充填する樹脂射出手段と、を備える。
【0015】そして、前記射出成形同時絵付装置は、さ
らに、前記熱盤は、該熱盤又はその加熱部を前記対向す
る加熱位置において前記雌型に対して接近離隔する方向
に進退させる加熱部進退手段を備えていて、前記熱盤
は、前記加熱部進退手段によって、前記待機位置から前
記対向位置に、熱盤と雌型のパーティング面との距離が
絵付シート加熱軟化時よりも大の状態で移動し、しかる
後、前記熱盤又はその加熱部を前記雌型のパーティング
面に向かって前進させて、その状態で絵付シートの加熱
軟化を行うことを特徴とする。
らに、前記熱盤は、該熱盤又はその加熱部を前記対向す
る加熱位置において前記雌型に対して接近離隔する方向
に進退させる加熱部進退手段を備えていて、前記熱盤
は、前記加熱部進退手段によって、前記待機位置から前
記対向位置に、熱盤と雌型のパーティング面との距離が
絵付シート加熱軟化時よりも大の状態で移動し、しかる
後、前記熱盤又はその加熱部を前記雌型のパーティング
面に向かって前進させて、その状態で絵付シートの加熱
軟化を行うことを特徴とする。
【0016】本発明装置の熱盤は、伝導熱を用いる接触
加熱方式、あるいは輻射熱や誘電加熱を用いる非接触加
熱方式のいずれを採用してもよいが、最も好ましいの
は、赤外線輻射等よる非接触加熱方式で加熱する場合で
ある。前記熱盤移動手段及び加熱部進退手段としては、
エアーシリンダ等の流体圧シリンダ、ラック・ピニオン
による直線移送機構、案内レール上を走行する台車機構
等、種々の形態を採用できる。
加熱方式、あるいは輻射熱や誘電加熱を用いる非接触加
熱方式のいずれを採用してもよいが、最も好ましいの
は、赤外線輻射等よる非接触加熱方式で加熱する場合で
ある。前記熱盤移動手段及び加熱部進退手段としては、
エアーシリンダ等の流体圧シリンダ、ラック・ピニオン
による直線移送機構、案内レール上を走行する台車機構
等、種々の形態を採用できる。
【0017】上記のように、本発明においては、熱盤又
はその加熱部を前記雌型に対して接近離隔する方向に進
退させる加熱部進退手段を配備したことにより、前記熱
盤を前記待機位置から前記対向位置に移動させるとき
に、その移動の過程で熱盤が転写シートに与える熱的影
響を与えない(あるいは、抑制できる)だけの距離を保
って移動させことが可能となる。熱盤が所定の前記対向
位置に到達した後、前記加熱部進退手段により、前記熱
盤又はその加熱部を前記雌型側に接近させる。この接近
加熱位置にて絵付シートは本来の加熱を受けることとな
り、絵付シートの加熱軟化は適正かつ均一に行われる。
そのために、転写シートが不均一に加熱され不均一に軟
化するのは回避でき、成形品に模様の歪みやシワが生じ
るのは回避できる。
はその加熱部を前記雌型に対して接近離隔する方向に進
退させる加熱部進退手段を配備したことにより、前記熱
盤を前記待機位置から前記対向位置に移動させるとき
に、その移動の過程で熱盤が転写シートに与える熱的影
響を与えない(あるいは、抑制できる)だけの距離を保
って移動させことが可能となる。熱盤が所定の前記対向
位置に到達した後、前記加熱部進退手段により、前記熱
盤又はその加熱部を前記雌型側に接近させる。この接近
加熱位置にて絵付シートは本来の加熱を受けることとな
り、絵付シートの加熱軟化は適正かつ均一に行われる。
そのために、転写シートが不均一に加熱され不均一に軟
化するのは回避でき、成形品に模様の歪みやシワが生じ
るのは回避できる。
【0018】本発明において、雄雌両成形型は、鉄など
の金属あるいはセラミックスなどで作製され、それらに
必要に応じて、真空吸引や圧空供給用に小孔(真空吸引
孔等)を設ける。また、雌型を複数の分割部分の集合体
で構成(いわゆる入れ子構造に)し、隣合う分割部分間
にスリット状の隙間を形成して、この隙間を真空吸引孔
として用いて真空吸引を行うようにしてもよい。
の金属あるいはセラミックスなどで作製され、それらに
必要に応じて、真空吸引や圧空供給用に小孔(真空吸引
孔等)を設ける。また、雌型を複数の分割部分の集合体
で構成(いわゆる入れ子構造に)し、隣合う分割部分間
にスリット状の隙間を形成して、この隙間を真空吸引孔
として用いて真空吸引を行うようにしてもよい。
【0019】前記雄型には、従来のものと同様に、流動
状態の樹脂を射出するためのランナーと所要本のゲート
を設ける。ゲートの本数、位置、形状等は、得るべき製
品の形状等を勘案して自由に設定することができる。ま
た、絵付シートを雌型パーティング面に固定保持すべ
く、雌型パーティング面に対応した押圧面形状を有する
クランプ手段を付設する。クランプ手段としては、枠状
の押さえ板等を用いることができ、その駆動は、型締め
動作等の成形用駆動力を用いたり、エジェクターピン駆
動機構の動力を利用したりすることができる他、別途に
流体圧アクチュエーター等の駆動手段を設けることによ
りなされる。
状態の樹脂を射出するためのランナーと所要本のゲート
を設ける。ゲートの本数、位置、形状等は、得るべき製
品の形状等を勘案して自由に設定することができる。ま
た、絵付シートを雌型パーティング面に固定保持すべ
く、雌型パーティング面に対応した押圧面形状を有する
クランプ手段を付設する。クランプ手段としては、枠状
の押さえ板等を用いることができ、その駆動は、型締め
動作等の成形用駆動力を用いたり、エジェクターピン駆
動機構の動力を利用したりすることができる他、別途に
流体圧アクチュエーター等の駆動手段を設けることによ
りなされる。
【0020】絵付シートは、基材シートとその上に積層
された装飾層からなり、基材シートを成形品と密着一体
化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積層シ
ート(ラミネートシート)、あるいは一旦絵付シートと
成形品とを一体化させた後、装飾層(転写層)のみを成
形品側に残して基材シート(支持体シート)を剥離する
転写シートのいずれも使用することができる。
された装飾層からなり、基材シートを成形品と密着一体
化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積層シ
ート(ラミネートシート)、あるいは一旦絵付シートと
成形品とを一体化させた後、装飾層(転写層)のみを成
形品側に残して基材シート(支持体シート)を剥離する
転写シートのいずれも使用することができる。
【0021】前記貼合わせ積層シートの場合、基材シー
トとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリス
チレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。基材
シートの厚さは、通常20〜500μm程度である。装
飾層としては、印刷絵柄、着色又は透明塗装、金属薄
膜、あるいは、硬質塗膜、防曇塗膜、導電性層等の機能
性層等を用いることができる。
トとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリス
チレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。基材
シートの厚さは、通常20〜500μm程度である。装
飾層としては、印刷絵柄、着色又は透明塗装、金属薄
膜、あるいは、硬質塗膜、防曇塗膜、導電性層等の機能
性層等を用いることができる。
【0022】前記転写シートの場合は、一旦剥離性の支
持体シート上に形成した絵柄層等よりなる転写層を、別
の被転写体に転移させるためのもので、支持体シート上
には必要に応じて離型層を設けても良く、転写層として
は、剥離層、装飾層、接着剤層、等からなり、装飾層以
外の層は必要に応じて選択する。装飾層としては、絵柄
層、金属薄膜層(部分又は全面)あるいは硬質塗膜、防
曇塗膜、導電性層等の機能性層から選ばれる。
持体シート上に形成した絵柄層等よりなる転写層を、別
の被転写体に転移させるためのもので、支持体シート上
には必要に応じて離型層を設けても良く、転写層として
は、剥離層、装飾層、接着剤層、等からなり、装飾層以
外の層は必要に応じて選択する。装飾層としては、絵柄
層、金属薄膜層(部分又は全面)あるいは硬質塗膜、防
曇塗膜、導電性層等の機能性層から選ばれる。
【0023】支持体シートは、ナイロン6、ナイロン6
6等のポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル等、可撓性を
有する熱可塑性樹脂フィルムあるいはそれらの積層体が
好ましい。射出成形用の樹脂としては、ABS(アクリ
ロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂等の熱可塑性樹脂を加熱熔融して液状ない
し流動状態となったもの、あるいは、二液硬化型、触媒
硬化型の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等
の未硬化液等の射出成形同時絵付用として従来より知ら
れている材料を使用でき、製品の要求物性やコスト等に
応じて選定される。
6等のポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル等、可撓性を
有する熱可塑性樹脂フィルムあるいはそれらの積層体が
好ましい。射出成形用の樹脂としては、ABS(アクリ
ロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂等の熱可塑性樹脂を加熱熔融して液状ない
し流動状態となったもの、あるいは、二液硬化型、触媒
硬化型の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等
の未硬化液等の射出成形同時絵付用として従来より知ら
れている材料を使用でき、製品の要求物性やコスト等に
応じて選定される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。本実施形態の射出成形同時
絵付装置10は、図1、図2に加えて、型締め状態を示
す図6、図7を参照すればよくわかるように、雌型12
と雄型25とを備え、雌型12は、その底部が可動盤
(プラテン)11に固定されていて、流体圧シリンダの
ラム9等により水平方向、言い換えれば、雄型25に対
して接近−離隔する方向(Y方向)に進退動するようさ
れている。なお、本実施形態では、上記のように雌型1
2が可動型とされていて水平方向に移動するようにされ
ているが、これに限定される訳ではなく、例えば、雄
型、雌型を上下に対向配置してそれらの一方を鉛直方向
に移動させる等の形態を採用することもできる。
施の形態を詳細に説明する。本実施形態の射出成形同時
絵付装置10は、図1、図2に加えて、型締め状態を示
す図6、図7を参照すればよくわかるように、雌型12
と雄型25とを備え、雌型12は、その底部が可動盤
(プラテン)11に固定されていて、流体圧シリンダの
ラム9等により水平方向、言い換えれば、雄型25に対
して接近−離隔する方向(Y方向)に進退動するようさ
れている。なお、本実施形態では、上記のように雌型1
2が可動型とされていて水平方向に移動するようにされ
ているが、これに限定される訳ではなく、例えば、雄
型、雌型を上下に対向配置してそれらの一方を鉛直方向
に移動させる等の形態を採用することもできる。
【0025】前記雌型12は、ここでは複数の分割型か
らなる入れ子構造のものが採用されており、この雌型1
2には、得るべき積層品(成形品)に対応した比較的浅
い側面視概略「く」字状のキャビティ13が形成される
とともに、このキャビティ13の外周側にパーティング
面14が形成されている。このパーティング面14は、
図2、図3に加えて図4、図5を参照すればよくわかる
ように、外周側パーティング面14aと、これから段下
げされた内周側パーティング面14bとからなる段付き
パーティング面となっており、前記外周側パーティング
面14a及び内周側パーティング面14bのいずれも雄
型25側(Y方向)に張り出した概略凸状(山状)の湾
曲面となっている。
らなる入れ子構造のものが採用されており、この雌型1
2には、得るべき積層品(成形品)に対応した比較的浅
い側面視概略「く」字状のキャビティ13が形成される
とともに、このキャビティ13の外周側にパーティング
面14が形成されている。このパーティング面14は、
図2、図3に加えて図4、図5を参照すればよくわかる
ように、外周側パーティング面14aと、これから段下
げされた内周側パーティング面14bとからなる段付き
パーティング面となっており、前記外周側パーティング
面14a及び内周側パーティング面14bのいずれも雄
型25側(Y方向)に張り出した概略凸状(山状)の湾
曲面となっている。
【0026】そして、このパーティング面14(内周側
パーティング面14b)におけるキャビティ13の周り
に、該キャビティ13を囲むように絵付シートSを真空
吸引するための環状の連続した断面矩形のシート固定用
吸引溝16が形成されるとともに、このシート固定用吸
引溝16に所定本の真空吸引孔17が所定のピッチで開
口せしめられている。また、前記雌型12における分割
型間には、真空吸引孔として働くスリット状の隙間15
が形成されている。このスリット状の隙間15は、前記
キャビティ13の隅角部を形成する角丸(アール)部分
とそれに続く平面部分との境目部分に開口せしめられて
おり、前記真空吸引孔17に接続されている。なお、ス
リット状の隙間15を前記境目部分に開口させているの
は、前記境目部分が、真空吸引孔として用いられる前記
隙間15が存在することによって積層品に残される線条
の痕跡が最も目立たない箇所であるとの理由による。
パーティング面14b)におけるキャビティ13の周り
に、該キャビティ13を囲むように絵付シートSを真空
吸引するための環状の連続した断面矩形のシート固定用
吸引溝16が形成されるとともに、このシート固定用吸
引溝16に所定本の真空吸引孔17が所定のピッチで開
口せしめられている。また、前記雌型12における分割
型間には、真空吸引孔として働くスリット状の隙間15
が形成されている。このスリット状の隙間15は、前記
キャビティ13の隅角部を形成する角丸(アール)部分
とそれに続く平面部分との境目部分に開口せしめられて
おり、前記真空吸引孔17に接続されている。なお、ス
リット状の隙間15を前記境目部分に開口させているの
は、前記境目部分が、真空吸引孔として用いられる前記
隙間15が存在することによって積層品に残される線条
の痕跡が最も目立たない箇所であるとの理由による。
【0027】前記シート固定用吸引溝16に開口せしめ
られた真空吸引孔17と前記スリット状の隙間15と
は、前記雌型12内部に穿設された真空吸引通路18及
び導管19を介して外部の真空ポンプ(図示されない)
に接続されており、本実施形態では、前記真空吸引孔1
7、前記シート固定用吸引溝16、前記スリット状の隙
間15、前記真空吸引通路18、前記導管19、及び外
部の真空ポンプ(図示略)等で真空吸引手段が構成され
ている。
られた真空吸引孔17と前記スリット状の隙間15と
は、前記雌型12内部に穿設された真空吸引通路18及
び導管19を介して外部の真空ポンプ(図示されない)
に接続されており、本実施形態では、前記真空吸引孔1
7、前記シート固定用吸引溝16、前記スリット状の隙
間15、前記真空吸引通路18、前記導管19、及び外
部の真空ポンプ(図示略)等で真空吸引手段が構成され
ている。
【0028】さらに、前記雌型12の外周側パーティン
グ面14aの内周部分には、Oリング22が装着された
環状の装着溝23が設けられている。前記Oリング22
は、後述する概略「く」字状に湾曲した枠状のクランパ
ー20が、間に絵付シートSを挟んで雌型12の外周側
パーティング面14aに押し付けられた際、前記キャビ
ティ12と外部とを気密的に遮断する役目を果たす。
グ面14aの内周部分には、Oリング22が装着された
環状の装着溝23が設けられている。前記Oリング22
は、後述する概略「く」字状に湾曲した枠状のクランパ
ー20が、間に絵付シートSを挟んで雌型12の外周側
パーティング面14aに押し付けられた際、前記キャビ
ティ12と外部とを気密的に遮断する役目を果たす。
【0029】一方、前記雄型25は、射出成形機のノズ
ルが装着される固定盤(いずれも図示されない)に固定
されており、この雄型25には、前記得るべき積層品形
状に対応したコア部33及び側面視「く」字状に凹むパ
ーティング面34が設けられるとともに、その内部に
は、前記キャビティ13内に熔融樹脂P(図7)を注入
充填するための二股状のランナー27及びそれに連なる
2本のゲート28が設けられている。
ルが装着される固定盤(いずれも図示されない)に固定
されており、この雄型25には、前記得るべき積層品形
状に対応したコア部33及び側面視「く」字状に凹むパ
ーティング面34が設けられるとともに、その内部に
は、前記キャビティ13内に熔融樹脂P(図7)を注入
充填するための二股状のランナー27及びそれに連なる
2本のゲート28が設けられている。
【0030】また、前記雌型12には、絵付シートSを
雌型12の外周側パーティング面14aに押圧固定する
ための、該パーティング面14aと相似する、正面視が
矩形枠状で側面視が概略「く」字状のクランパー20が
付設されている。図4に示すように、このクランパー2
0は、雌型12の四隅近くに設けられた貫通穴に摺動自
在に嵌挿された4本の連結ロッド24によって図示して
いない駆動機構により雌型12に対して垂直方向に進退
動できるようになっている。なお、前記雄型25には、
図6に示される如くの型締め状態において前記クランパ
ー20が絵付シートSに対する押圧固定状態を解除する
離間動作を行い得る深さを持った切欠凹部29が穿設さ
れている。
雌型12の外周側パーティング面14aに押圧固定する
ための、該パーティング面14aと相似する、正面視が
矩形枠状で側面視が概略「く」字状のクランパー20が
付設されている。図4に示すように、このクランパー2
0は、雌型12の四隅近くに設けられた貫通穴に摺動自
在に嵌挿された4本の連結ロッド24によって図示して
いない駆動機構により雌型12に対して垂直方向に進退
動できるようになっている。なお、前記雄型25には、
図6に示される如くの型締め状態において前記クランパ
ー20が絵付シートSに対する押圧固定状態を解除する
離間動作を行い得る深さを持った切欠凹部29が穿設さ
れている。
【0031】上記した雌型12及び雄型25等に加え、
本実施形態の射出成形同時絵付装置10においては、前
記雌型12のパーティング面14上に絵付シートSを供
給するシート供給装置5を備えている。このシート供給
装置5は、図1に示される如く、前記可動盤11と共に
移動するようにされた、雌型12の上方に配置される左
右一対のスプロケットホイール41、41、44、44
と、雌型12の下方に配置される左右一対のスプロケッ
トホイール42、42、43、43を有しており、全体
として、前記雌型12と一体的に雄型25に対して接近
−離隔する方向(Y方向)に進退動する。そして、左右
のスプロケットホイール41、42、43、44(左
列)及び41、42、43、44(右列)には、それぞ
れシート搬送部材としての同一寸法形状の無端環状チェ
ーン50、50が、1本づつ、全体でL形となるように
掛け回されており、スプロケットホイール41、41
は、ステッピングギアードモーター(図示されない)に
より回転駆動せしめられるようになっている。
本実施形態の射出成形同時絵付装置10においては、前
記雌型12のパーティング面14上に絵付シートSを供
給するシート供給装置5を備えている。このシート供給
装置5は、図1に示される如く、前記可動盤11と共に
移動するようにされた、雌型12の上方に配置される左
右一対のスプロケットホイール41、41、44、44
と、雌型12の下方に配置される左右一対のスプロケッ
トホイール42、42、43、43を有しており、全体
として、前記雌型12と一体的に雄型25に対して接近
−離隔する方向(Y方向)に進退動する。そして、左右
のスプロケットホイール41、42、43、44(左
列)及び41、42、43、44(右列)には、それぞ
れシート搬送部材としての同一寸法形状の無端環状チェ
ーン50、50が、1本づつ、全体でL形となるように
掛け回されており、スプロケットホイール41、41
は、ステッピングギアードモーター(図示されない)に
より回転駆動せしめられるようになっている。
【0032】各無端環状チェーン50、50には、絵付
シートSの幅方向両端部を把持するためのシート把持用
チャック60が設けられており、ロール状に巻き取られ
た長尺帯状の絵付シートSが装填された巻出機(図示さ
れない)から、絵付シートSを雌型12のパーティング
面14上に供給すべく、1ショット分の長さの絵付シー
トSを把持できるようにされている。そして、前記無端
環状チェーン50、50のうちの前記シート把持用チャ
ック60が設けられている部分(1ショット分の絵付シ
ートSを把持する部分)は、待機位置と雌型パーティン
グ面14上の位置との間を往復運動するようにされてい
る。前記シート把持用チャック60により搬送された1
ショット分の絵付シートSは、前記記クランパー20に
より前記パーティング面14上に押圧固定される(な
お、上記のシート供給装置5の詳細は、本出願人の出願
に係る特願平10−38593号に記載されている)。
シートSの幅方向両端部を把持するためのシート把持用
チャック60が設けられており、ロール状に巻き取られ
た長尺帯状の絵付シートSが装填された巻出機(図示さ
れない)から、絵付シートSを雌型12のパーティング
面14上に供給すべく、1ショット分の長さの絵付シー
トSを把持できるようにされている。そして、前記無端
環状チェーン50、50のうちの前記シート把持用チャ
ック60が設けられている部分(1ショット分の絵付シ
ートSを把持する部分)は、待機位置と雌型パーティン
グ面14上の位置との間を往復運動するようにされてい
る。前記シート把持用チャック60により搬送された1
ショット分の絵付シートSは、前記記クランパー20に
より前記パーティング面14上に押圧固定される(な
お、上記のシート供給装置5の詳細は、本出願人の出願
に係る特願平10−38593号に記載されている)。
【0033】次に、前記クランパー20によりパーティ
ング面14上に押圧固定された絵付シートSを加熱軟化
させるための熱盤装置について説明する。本実施形態の
熱盤70は、絵付シート非加熱時には、前記雌型12の
キャビティ13に対向した位置から水平方向(X方向)
に外方の待機位置(図1参照)に後退させ、絵付シート
加熱時には、前記待機位置から前記雌型12のキャビテ
ィ13に対向した位置(図2、図3参照)に移動させる
熱盤移動手段としての第1のエアーシリンダ装置85
と、前記雌型12のキャビティ13に対向した位置にあ
る熱盤70を該雌型12に対して接近離隔する方向(Y
方向)に進退させるための加熱部進退手段としての、前
記第1のエアーシリンダ装置85のピストンロッド85
a先端に装着された第2のエアーシリンダ装置86と、
該第2のエアーシリンダ装置86のピストンロッド86
a先端に固定された矩形薄箱状の保持ケース75と、こ
の保持ケース75の左右方向(X方向)の側面壁76中
央付近に突設されたブラケット78に設けられたヒンジ
部材79を介して開閉可能に連結された第1の板状加熱
部71及び第2の板状加熱部72とを備えている。
ング面14上に押圧固定された絵付シートSを加熱軟化
させるための熱盤装置について説明する。本実施形態の
熱盤70は、絵付シート非加熱時には、前記雌型12の
キャビティ13に対向した位置から水平方向(X方向)
に外方の待機位置(図1参照)に後退させ、絵付シート
加熱時には、前記待機位置から前記雌型12のキャビテ
ィ13に対向した位置(図2、図3参照)に移動させる
熱盤移動手段としての第1のエアーシリンダ装置85
と、前記雌型12のキャビティ13に対向した位置にあ
る熱盤70を該雌型12に対して接近離隔する方向(Y
方向)に進退させるための加熱部進退手段としての、前
記第1のエアーシリンダ装置85のピストンロッド85
a先端に装着された第2のエアーシリンダ装置86と、
該第2のエアーシリンダ装置86のピストンロッド86
a先端に固定された矩形薄箱状の保持ケース75と、こ
の保持ケース75の左右方向(X方向)の側面壁76中
央付近に突設されたブラケット78に設けられたヒンジ
部材79を介して開閉可能に連結された第1の板状加熱
部71及び第2の板状加熱部72とを備えている。
【0034】一方、前記第1の板状加熱部71及び第2
の板状加熱部72は、図2によく示すように、それぞれ
その側端面中央部付近にリンク部材73、74の一端部
が回動自在に連結され、前記リンク部材73、74の他
端部は前記保持ケース75に内蔵固定された、ピストン
ロッドを2本持ち、両端からそのピストンロッド80
a、80bが突出しているエアーシリンダ80の前記ピ
ストンロッド80a、80bの両先端部にそれぞれ連結
部材81、82を介して回動自在に連結されている。前
記リンク部材73、74と前記ピストンロッド80a、
80bの両先端部とを連結する連結部材81、82は、
前記保持ケース75の側面壁76に形成された、上下方
向(Z方向)に伸びる長穴77、77に摺動自在に緩挿
されている。
の板状加熱部72は、図2によく示すように、それぞれ
その側端面中央部付近にリンク部材73、74の一端部
が回動自在に連結され、前記リンク部材73、74の他
端部は前記保持ケース75に内蔵固定された、ピストン
ロッドを2本持ち、両端からそのピストンロッド80
a、80bが突出しているエアーシリンダ80の前記ピ
ストンロッド80a、80bの両先端部にそれぞれ連結
部材81、82を介して回動自在に連結されている。前
記リンク部材73、74と前記ピストンロッド80a、
80bの両先端部とを連結する連結部材81、82は、
前記保持ケース75の側面壁76に形成された、上下方
向(Z方向)に伸びる長穴77、77に摺動自在に緩挿
されている。
【0035】前記エアーシリンダ80のピストンロッド
80a、80bは、コイルバネ等の付勢手段(図示され
ない)により常時突出伸長方向に付勢されており、前記
熱盤70が雌型12外方(X方向)の前記待機位置にあ
るとき(図1参照)には、前記ピストンロッド80a、
80bが最も突出伸長せしめられた状態とされ、このと
きには、図3において実線で示される如くに、1枚の平
板状の熱盤のように、180度開いた状態とされる。ま
た、この位置では、前記第2のエアーシリンダ装置86
のピストンロッド86aはY方向に最も後退した位置と
されており、前記板状加熱部71、72の加熱面71
a、72aと絵付シートSの最突出部との離隔距離が最
大のLcとなる。通常、後退位置での熱盤70(第1の
板状加熱部71及び第2の板状加熱部72)の表面は、
後記する前進位置(対向加熱位置)(図3仮想線位置)
との距離から30mm〜150mm程度後退した位置と
される。そして、その状態で、熱盤70は、前記第1の
エアーシリンダ装置85の作用により、前記待機位置か
らキャビティ13に対向する前記対向位置に移動する。
80a、80bは、コイルバネ等の付勢手段(図示され
ない)により常時突出伸長方向に付勢されており、前記
熱盤70が雌型12外方(X方向)の前記待機位置にあ
るとき(図1参照)には、前記ピストンロッド80a、
80bが最も突出伸長せしめられた状態とされ、このと
きには、図3において実線で示される如くに、1枚の平
板状の熱盤のように、180度開いた状態とされる。ま
た、この位置では、前記第2のエアーシリンダ装置86
のピストンロッド86aはY方向に最も後退した位置と
されており、前記板状加熱部71、72の加熱面71
a、72aと絵付シートSの最突出部との離隔距離が最
大のLcとなる。通常、後退位置での熱盤70(第1の
板状加熱部71及び第2の板状加熱部72)の表面は、
後記する前進位置(対向加熱位置)(図3仮想線位置)
との距離から30mm〜150mm程度後退した位置と
される。そして、その状態で、熱盤70は、前記第1の
エアーシリンダ装置85の作用により、前記待機位置か
らキャビティ13に対向する前記対向位置に移動する。
【0036】前記熱盤70は、前記第2のエアーシリン
ダ装置86の作動により、前記対向位置から、前記雌型
12の概略凸状の湾曲面とされたパーティング面14に
固定保持されている絵付シートSに近接した対向加熱位
置に移動せしめられ、前記板状加熱部71、72の加熱
面71a、72aと絵付シートSの最突出部との離隔距
離が最小Ldとなる(板状加熱部71が接近加熱位置を
とる)。その過程で、あるいは、接近加熱位置に到達し
たときに、前記ピストンロッド80a、80bは最も引
き込まれた状態とされ、これにより、前記第1の板状加
熱部71及び第2の板状加熱部72は、それらの自由端
側を前記ヒンジ部材79を支点として相互に逆方向に相
対回転せしめられ、前記絵付シートSに沿うように、そ
の開き角度が側面視概略「く」字状に調節され、それら
が接近加熱位置となる(図3仮想線位置参照)。
ダ装置86の作動により、前記対向位置から、前記雌型
12の概略凸状の湾曲面とされたパーティング面14に
固定保持されている絵付シートSに近接した対向加熱位
置に移動せしめられ、前記板状加熱部71、72の加熱
面71a、72aと絵付シートSの最突出部との離隔距
離が最小Ldとなる(板状加熱部71が接近加熱位置を
とる)。その過程で、あるいは、接近加熱位置に到達し
たときに、前記ピストンロッド80a、80bは最も引
き込まれた状態とされ、これにより、前記第1の板状加
熱部71及び第2の板状加熱部72は、それらの自由端
側を前記ヒンジ部材79を支点として相互に逆方向に相
対回転せしめられ、前記絵付シートSに沿うように、そ
の開き角度が側面視概略「く」字状に調節され、それら
が接近加熱位置となる(図3仮想線位置参照)。
【0037】このように、熱盤70は、前記待機位置か
らキャビティ13に対向した前記対向位置に移動すると
きには、パーティング面14に固定保持されている絵付
シートSから大きく離れた状態(距離Lc)で移動する
ので、その移動の過程で、転写シートSに熱的影響を与
えることを回避できる。また、前記対向加熱位置では、
熱盤70の第1の板状加熱部71、第2の板状加熱部7
2が絵付シートSに沿うように、その開き角度が側面視
概略「く」字状に調節されて、接近加熱位置(距離L
d)を取ることができるので、従来の平板型の熱盤に比
して、その加熱面71a及び72aと絵付シートS(の
外周部)との離隔距離が大幅に狭められ、絵付シートS
の加熱温度分布を従来の平板型の熱盤に比して均一(分
布レンジを小)にできる。つまり、熱盤が平板型である
場合は、絵付シートのうち、凸状の湾曲面を形成してい
る絵付シートSの頂部付近は熱盤の加熱面に近接する
が、前記凸状の湾曲面の底部(裾野側)は熱盤の加熱面
から相当離れてしまう。それに対し、本実施形態の熱盤
70では、絵付シートSと第1の板状加熱部71、第2
の板状加熱部72の加熱面71a、72aとの最大離隔
距離と最小離隔距離との差が極めて小さくなり、絵付シ
ートSの各部における延伸量がばらつかず、絵柄模様の
歪みや絵柄模様と成形体との位置ずれ等が生じにくくな
る。
らキャビティ13に対向した前記対向位置に移動すると
きには、パーティング面14に固定保持されている絵付
シートSから大きく離れた状態(距離Lc)で移動する
ので、その移動の過程で、転写シートSに熱的影響を与
えることを回避できる。また、前記対向加熱位置では、
熱盤70の第1の板状加熱部71、第2の板状加熱部7
2が絵付シートSに沿うように、その開き角度が側面視
概略「く」字状に調節されて、接近加熱位置(距離L
d)を取ることができるので、従来の平板型の熱盤に比
して、その加熱面71a及び72aと絵付シートS(の
外周部)との離隔距離が大幅に狭められ、絵付シートS
の加熱温度分布を従来の平板型の熱盤に比して均一(分
布レンジを小)にできる。つまり、熱盤が平板型である
場合は、絵付シートのうち、凸状の湾曲面を形成してい
る絵付シートSの頂部付近は熱盤の加熱面に近接する
が、前記凸状の湾曲面の底部(裾野側)は熱盤の加熱面
から相当離れてしまう。それに対し、本実施形態の熱盤
70では、絵付シートSと第1の板状加熱部71、第2
の板状加熱部72の加熱面71a、72aとの最大離隔
距離と最小離隔距離との差が極めて小さくなり、絵付シ
ートSの各部における延伸量がばらつかず、絵柄模様の
歪みや絵柄模様と成形体との位置ずれ等が生じにくくな
る。
【0038】本実施形態の射出成形同時絵付装置10に
おいて、前記シート把持用チャック60、60、…によ
り絵付シートSの幅方向両端部が把持されている状態
で、前記図示しないステッピングギアードモーターが一
方向(正転方向)に所定回転数だけ回転せしめられる
と、前記左右のスプロケットホイール41〜44が一方
向(図1において右回り)に回転せしめられ、それに伴
い前記無端環状チェーン50、50が回転移動して、前
記シート把持用チャック60、60、…により把持され
ている絵付シート(1ショット分)Sが雌型12の凸状
に湾曲したパーティング面14の真上にそれに沿うよう
に搬送されて位置決めされる。
おいて、前記シート把持用チャック60、60、…によ
り絵付シートSの幅方向両端部が把持されている状態
で、前記図示しないステッピングギアードモーターが一
方向(正転方向)に所定回転数だけ回転せしめられる
と、前記左右のスプロケットホイール41〜44が一方
向(図1において右回り)に回転せしめられ、それに伴
い前記無端環状チェーン50、50が回転移動して、前
記シート把持用チャック60、60、…により把持され
ている絵付シート(1ショット分)Sが雌型12の凸状
に湾曲したパーティング面14の真上にそれに沿うよう
に搬送されて位置決めされる。
【0039】続いて、絵付シートSは、クランパー20
により前記雌型12の外周側パーティング面14a上に
固定保持される。なお、図示しないが、クランパー20
より絵付シートSが雌型12の外周側パーティング面1
4a上に固定保持されたとき、前記シート把持用チャッ
ク60、60、…は前記絵付シートSの把持状態を解除
するようにされている。前記クランパー20によって絵
付シートSが前記パーティング面14a上に固定保持さ
れている状態で、前記ステッピングギアードモーターが
逆転せしめられ、それに伴い前記無端環状チェーン5
0、50が反対方向に回転移動して、該無端環状チェー
ン50、50のシート把持用チャック60、60、…を
元の待機位置に戻し、次ショット分の絵付シートSを供
給するための準備(シートの引き出し、把持等)が行わ
れる。
により前記雌型12の外周側パーティング面14a上に
固定保持される。なお、図示しないが、クランパー20
より絵付シートSが雌型12の外周側パーティング面1
4a上に固定保持されたとき、前記シート把持用チャッ
ク60、60、…は前記絵付シートSの把持状態を解除
するようにされている。前記クランパー20によって絵
付シートSが前記パーティング面14a上に固定保持さ
れている状態で、前記ステッピングギアードモーターが
逆転せしめられ、それに伴い前記無端環状チェーン5
0、50が反対方向に回転移動して、該無端環状チェー
ン50、50のシート把持用チャック60、60、…を
元の待機位置に戻し、次ショット分の絵付シートSを供
給するための準備(シートの引き出し、把持等)が行わ
れる。
【0040】前記シート把持用チャック60、60、…
から解放された絵付シートSは、その外周部がクランパ
ー20により雌型12のパーティング面14aに固定保
持された状態で、熱盤70が待機位置(図1)から絵付
シートSの真上の対向位置へと移動せしめられる(図
3。だたし、熱盤は実線の位置)。前記のように、この
位置では、前記第2エアーシリンダ装置86のピストン
ロッド86aはY方向に最も後退した位置とされてお
り、熱盤70の表面は前記対向加熱位置から30mm〜
150mm程度後退した位置とされている。そのため
に、その移動の過程で、転写シートSを不均一に加熱す
ることはない。
から解放された絵付シートSは、その外周部がクランパ
ー20により雌型12のパーティング面14aに固定保
持された状態で、熱盤70が待機位置(図1)から絵付
シートSの真上の対向位置へと移動せしめられる(図
3。だたし、熱盤は実線の位置)。前記のように、この
位置では、前記第2エアーシリンダ装置86のピストン
ロッド86aはY方向に最も後退した位置とされてお
り、熱盤70の表面は前記対向加熱位置から30mm〜
150mm程度後退した位置とされている。そのため
に、その移動の過程で、転写シートSを不均一に加熱す
ることはない。
【0041】この状態で、前記第2エアーシリンダ装置
86を操作し、前記熱盤70を前記対向位置から絵付シ
ートSに近接した対向加熱位置に移動せしめる。同時
に、第1の板状加熱部71及び第2の板状加熱部72の
開き角度が、凸状に湾曲したパーティング面14aに沿
うような断面「く」字状に自動調節されてそれらが接近
加熱位置をとり(図3。ただし、熱盤は2点鎖線の位
置)、それらの加熱面71a、72aにより、絵付シー
トSが加熱軟化せしめられ(加熱軟化工程)、続いて、
絵付シートSは、図5に示される如くに、前記真空吸引
孔17やスリット状の隙間15を通じた真空吸引により
雌型12の内周側パーティング面14b及びキャビティ
13に沿うように延伸せしめられてそれらに密着せしめ
られる(延伸工程)。
86を操作し、前記熱盤70を前記対向位置から絵付シ
ートSに近接した対向加熱位置に移動せしめる。同時
に、第1の板状加熱部71及び第2の板状加熱部72の
開き角度が、凸状に湾曲したパーティング面14aに沿
うような断面「く」字状に自動調節されてそれらが接近
加熱位置をとり(図3。ただし、熱盤は2点鎖線の位
置)、それらの加熱面71a、72aにより、絵付シー
トSが加熱軟化せしめられ(加熱軟化工程)、続いて、
絵付シートSは、図5に示される如くに、前記真空吸引
孔17やスリット状の隙間15を通じた真空吸引により
雌型12の内周側パーティング面14b及びキャビティ
13に沿うように延伸せしめられてそれらに密着せしめ
られる(延伸工程)。
【0042】なお、前記加熱軟化工程終了後は、前記第
2エアーシリンダ装置86を操作して熱盤70を前記対
向位置まで後退させるとともに、前記第1の板状加熱部
71及び第2の板状加熱部72が前記「く」字状の接近
加熱位置をとる状態から180度開いた元の状態に戻そ
れる。さらに、前記第1エアーシリンダ装置85を操作
して、前記熱盤70全体を前記対向位置から待機位置に
戻す。
2エアーシリンダ装置86を操作して熱盤70を前記対
向位置まで後退させるとともに、前記第1の板状加熱部
71及び第2の板状加熱部72が前記「く」字状の接近
加熱位置をとる状態から180度開いた元の状態に戻そ
れる。さらに、前記第1エアーシリンダ装置85を操作
して、前記熱盤70全体を前記対向位置から待機位置に
戻す。
【0043】上記のように、前記熱盤70(第1の板状
加熱部71及び第2の板状加熱部72)は、前記待機位
置から前記対向位置まで移動させる間は、前記熱盤70
と雌型12のパーティンク面14との距離が絵付シート
Sの加熱軟化時での距離よりも大の状態で移動し、しか
る後、前記雌型12のパーティング面14に向かって前
進させるようにしたので、成形品のサイズが大きい場合
であっても、熱盤70の進入方向前方側に位置する絵付
シートSの部分と、進入方向後方側に位置する部分との
間で加熱状態が異なる状態となることは回避され、軟化
度を均一とすることができる。そのために、絵付シート
Sを真空吸引により前記キャビティ13に沿わせるよう
に延伸させる延伸工程(予備成形工程)において、延び
すぎによる絵柄の歪みや、シワの発生はなく、良好な絵
付成形品が得られる。
加熱部71及び第2の板状加熱部72)は、前記待機位
置から前記対向位置まで移動させる間は、前記熱盤70
と雌型12のパーティンク面14との距離が絵付シート
Sの加熱軟化時での距離よりも大の状態で移動し、しか
る後、前記雌型12のパーティング面14に向かって前
進させるようにしたので、成形品のサイズが大きい場合
であっても、熱盤70の進入方向前方側に位置する絵付
シートSの部分と、進入方向後方側に位置する部分との
間で加熱状態が異なる状態となることは回避され、軟化
度を均一とすることができる。そのために、絵付シート
Sを真空吸引により前記キャビティ13に沿わせるよう
に延伸させる延伸工程(予備成形工程)において、延び
すぎによる絵柄の歪みや、シワの発生はなく、良好な絵
付成形品が得られる。
【0044】また、前記対向位置では、第1の板状加熱
部71及び第2の板状加熱部72を180度開いた単板
状として、熱盤70全体の厚み方向(Y方向)の占有ス
ペースを縮小しておき、雌型キャビティ13上で、凸状
に湾曲したパーティング面14aに沿うような断面
「く」字状に調節して接近加熱位置をとらせるようにし
たことにより、熱盤70の進退時には、雌型12やクラ
ンパー20と単板状とされた第1の板状加熱部71及び
第2の板状加熱部72の特に外周部側との間に大きなス
ペースができるので、熱盤70(の第1の板状加熱部7
1や第2の板状加熱部72等)が雌型12やクランパー
20等に接触するような事故は生じ難くなる。
部71及び第2の板状加熱部72を180度開いた単板
状として、熱盤70全体の厚み方向(Y方向)の占有ス
ペースを縮小しておき、雌型キャビティ13上で、凸状
に湾曲したパーティング面14aに沿うような断面
「く」字状に調節して接近加熱位置をとらせるようにし
たことにより、熱盤70の進退時には、雌型12やクラ
ンパー20と単板状とされた第1の板状加熱部71及び
第2の板状加熱部72の特に外周部側との間に大きなス
ペースができるので、熱盤70(の第1の板状加熱部7
1や第2の板状加熱部72等)が雌型12やクランパー
20等に接触するような事故は生じ難くなる。
【0045】さらに、待機位置と対向位置との間で熱盤
70が移動するために要する通路スペース(通路断面
積)も必要最小限の大きさで済むことになり、そのた
め、熱盤70と雌型12周辺に配置されている各種機器
類や配線、配管類等との干渉が効果的に避けられ、か
つ、それらの機器類や配線、配管類等のレイアウト上の
自由度が増し、スペース効率、作業効率が向上する。
70が移動するために要する通路スペース(通路断面
積)も必要最小限の大きさで済むことになり、そのた
め、熱盤70と雌型12周辺に配置されている各種機器
類や配線、配管類等との干渉が効果的に避けられ、か
つ、それらの機器類や配線、配管類等のレイアウト上の
自由度が増し、スペース効率、作業効率が向上する。
【0046】上記した加熱軟化工程及び延伸工程の後
は、従来と同様に、雌型12を雄型25側へ移動させて
型締めを行う型締め工程(図6参照)行われるが、この
ときは、前記シート供給装置5全体が雌型12と一体的
に雄型25側へ移動する。続いて、雌型12と雄型25
との間に形成されるキャビティ13内に雄型25のラン
ナー27及びゲート28、28を介して流動状態の樹脂
(熔融樹脂等)を注入充填して固化せしめる射出成形を
行う射出成形工程(図7参照)、雌型12と雄型25と
を離間させる型開き工程、絵付シートSのうちの射出樹
脂成形体に接着付随させるべき部分を他の部分(余剰部
分)から切り離すシートトリミング工程(絵付シートが
ラミネートシートの場合)、絵付シートSが接着積層さ
れた積層品を雄雌両成形型から取り出す取出工程、をへ
て、絵付シートが射出樹脂成形体に積層された積層品
(製品)が得られる。
は、従来と同様に、雌型12を雄型25側へ移動させて
型締めを行う型締め工程(図6参照)行われるが、この
ときは、前記シート供給装置5全体が雌型12と一体的
に雄型25側へ移動する。続いて、雌型12と雄型25
との間に形成されるキャビティ13内に雄型25のラン
ナー27及びゲート28、28を介して流動状態の樹脂
(熔融樹脂等)を注入充填して固化せしめる射出成形を
行う射出成形工程(図7参照)、雌型12と雄型25と
を離間させる型開き工程、絵付シートSのうちの射出樹
脂成形体に接着付随させるべき部分を他の部分(余剰部
分)から切り離すシートトリミング工程(絵付シートが
ラミネートシートの場合)、絵付シートSが接着積層さ
れた積層品を雄雌両成形型から取り出す取出工程、をへ
て、絵付シートが射出樹脂成形体に積層された積層品
(製品)が得られる。
【0047】図8〜図11は、本発明に係る射出成形同
時絵付装置の第2実施形態を示している。図示実施形態
の射出成形同時絵付装置300は、前述した図12に示
される射出成形同時絵付装置200と略同様に、可動盤
111、平面のパーティング面114及びキャビティ1
13を有する雌型112、絵付シートSを前記パーティ
ング面114に押圧固定する矩形枠状のクランパー12
0等を備えることに加えて、平面のパーティング面11
4に対応して加熱面171aが平面の熱盤170が配設
されている。
時絵付装置の第2実施形態を示している。図示実施形態
の射出成形同時絵付装置300は、前述した図12に示
される射出成形同時絵付装置200と略同様に、可動盤
111、平面のパーティング面114及びキャビティ1
13を有する雌型112、絵付シートSを前記パーティ
ング面114に押圧固定する矩形枠状のクランパー12
0等を備えることに加えて、平面のパーティング面11
4に対応して加熱面171aが平面の熱盤170が配設
されている。
【0048】この熱盤170は、絵付シート非加熱時に
は、前記雌型112のキャビティ113上から水平方向
(X方向)に外方の待機位置(図8参照)に移動させ、
絵付シート加熱時には、前記待機位置から前記雌型11
2のキャビティ113上の対向位置(図9参照)に移動
させる熱盤移動手段としての第1のエアーシリンダ装置
185のピストンロッド186先端に固定された矩形薄
箱状の保持ケース175と、この保持ケース175の中
央部に厚み方向に貫くように垂設固定された加熱部進退
手段としての第2のエアーシリンダ装置180と、この
第2のエアーシリンダ装置180のピストンロッド18
1(図11)先端に垂直に固定された板状加熱部171
と、を備えている。
は、前記雌型112のキャビティ113上から水平方向
(X方向)に外方の待機位置(図8参照)に移動させ、
絵付シート加熱時には、前記待機位置から前記雌型11
2のキャビティ113上の対向位置(図9参照)に移動
させる熱盤移動手段としての第1のエアーシリンダ装置
185のピストンロッド186先端に固定された矩形薄
箱状の保持ケース175と、この保持ケース175の中
央部に厚み方向に貫くように垂設固定された加熱部進退
手段としての第2のエアーシリンダ装置180と、この
第2のエアーシリンダ装置180のピストンロッド18
1(図11)先端に垂直に固定された板状加熱部171
と、を備えている。
【0049】ここでは、前記加熱部進退用の第2のエア
ーシリンダ装置180のピストンロッド181は、前記
熱盤170が雌型112外方(X方向)の前記待機位置
にあるとき(図8参照)には、前記ピストンロッド18
1が最も引き込まれた状態とされ、このときには、前記
板状加熱部171は、図10に示される如くに、前記保
持ケース175に近接した状態となり、その加熱面17
1aと絵付シートSとの離隔距離が最大のLcとなる。
この距離は、熱盤の加熱部171が絵付シートSに熱的
影響を与えない(あるいは、抑制できる)程度の距離
(通常、30mm〜150mm程度)とされ、そのため
に、その移動の過程で、転写シートSを不均一に加熱す
ることは回避される。それに対し、前記ピストンロッド
181が最も突出伸長せしめられたとき、前記板状加熱
部171が雌型112側に最も接近した接近加熱位置を
とる状態となり、その加熱面171aと絵付シートSと
の離隔距離が最小のLd(図11)となる。
ーシリンダ装置180のピストンロッド181は、前記
熱盤170が雌型112外方(X方向)の前記待機位置
にあるとき(図8参照)には、前記ピストンロッド18
1が最も引き込まれた状態とされ、このときには、前記
板状加熱部171は、図10に示される如くに、前記保
持ケース175に近接した状態となり、その加熱面17
1aと絵付シートSとの離隔距離が最大のLcとなる。
この距離は、熱盤の加熱部171が絵付シートSに熱的
影響を与えない(あるいは、抑制できる)程度の距離
(通常、30mm〜150mm程度)とされ、そのため
に、その移動の過程で、転写シートSを不均一に加熱す
ることは回避される。それに対し、前記ピストンロッド
181が最も突出伸長せしめられたとき、前記板状加熱
部171が雌型112側に最も接近した接近加熱位置を
とる状態となり、その加熱面171aと絵付シートSと
の離隔距離が最小のLd(図11)となる。
【0050】なお、本実施形態においては、前記熱盤1
70が前記待機位置から前記対向位置に移動せしめられ
たとき、該熱盤170を前記雌型112に対して一定位
置に案内固定すべく、次のような構成が付加されてい
る。すなわち、前記熱盤170における保持ケース17
5の熱盤移動方向で見て先端側となる側面壁176の両
端(上下端)付近に、それぞれ先端に先細り案内部19
5aを持つ誘導ロッド195、195が垂直に突設され
る一方、この誘導ロッド195、195の水平延長線上
に位置するように、前記可動盤111の雌型固定面側に
おける前記雌型112を挟んで前記熱盤170の待機位
置とは反対側の面上の上下2箇所に、それぞれ熱盤案内
固定用の柱状部材190、190が相互に平行に垂設さ
れている。
70が前記待機位置から前記対向位置に移動せしめられ
たとき、該熱盤170を前記雌型112に対して一定位
置に案内固定すべく、次のような構成が付加されてい
る。すなわち、前記熱盤170における保持ケース17
5の熱盤移動方向で見て先端側となる側面壁176の両
端(上下端)付近に、それぞれ先端に先細り案内部19
5aを持つ誘導ロッド195、195が垂直に突設され
る一方、この誘導ロッド195、195の水平延長線上
に位置するように、前記可動盤111の雌型固定面側に
おける前記雌型112を挟んで前記熱盤170の待機位
置とは反対側の面上の上下2箇所に、それぞれ熱盤案内
固定用の柱状部材190、190が相互に平行に垂設さ
れている。
【0051】前記柱状部材190、190の上端部付近
には、前記熱盤170が前記待機位置から前記対向位置
に移動せしめられるとき、前記誘導ロッド195、19
5の先細り案内部195aが摺接せしめられつつ嵌挿さ
れる円錐案内面部191を有する案内固定穴192が水
平方向に穿設されている。前記案内固定穴192の内径
は、前記誘導ロッド195の外径と略同一ないし若干大
きくされている。
には、前記熱盤170が前記待機位置から前記対向位置
に移動せしめられるとき、前記誘導ロッド195、19
5の先細り案内部195aが摺接せしめられつつ嵌挿さ
れる円錐案内面部191を有する案内固定穴192が水
平方向に穿設されている。前記案内固定穴192の内径
は、前記誘導ロッド195の外径と略同一ないし若干大
きくされている。
【0052】このような構成とされた射出成形同時絵付
装置300においては、絵付シートSが、従来より公知
の態様、例えばロール/ロール方式等により雌型112
のパーティング面114に供給され(シート供給工程)
るとともに、この絵付シートSを前記クランパー120
により前記パーティング面114に押圧固定するクラン
プ工程が行われ、このクランプ工程後に、前記板状加熱
部171を有する熱盤170が前記第1のエアーシリン
ダ装置185により、前記待機位置から前記パーティン
グ面114に押圧固定されている絵付シートS上(キャ
ビティ13上)の、その加熱面171aが絵付シートS
に対向する前記対向位置まで移動せしめられる。
装置300においては、絵付シートSが、従来より公知
の態様、例えばロール/ロール方式等により雌型112
のパーティング面114に供給され(シート供給工程)
るとともに、この絵付シートSを前記クランパー120
により前記パーティング面114に押圧固定するクラン
プ工程が行われ、このクランプ工程後に、前記板状加熱
部171を有する熱盤170が前記第1のエアーシリン
ダ装置185により、前記待機位置から前記パーティン
グ面114に押圧固定されている絵付シートS上(キャ
ビティ13上)の、その加熱面171aが絵付シートS
に対向する前記対向位置まで移動せしめられる。
【0053】ここでは、未だ、加熱部進退用の第2のエ
アーシリンダ装置180のピストンロッド181は最も
引き込まれた状態であり、前記熱盤170の板状加熱部
171は、保持ケース175に近接している(図10参
照)。そして、前記熱盤170が前記待機位置から前記
対向位置に移動せしめられたとき、該熱盤170に設け
られている前記誘導ロッド195、195(の先細り案
内部195a)が、図9に示される如くに、前記柱状部
材190、190に穿設された円錐案内面部191を有
する案内固定穴192に摺接せしめられつつ挿入され
て、そこで停止せしめられる。 この案内固定穴192
に対する誘導ロッド195、195の嵌挿によって、誘
導ロッド195、195を伴う熱盤170は、該誘導ロ
ッド195、195の抜き差し方向の移動、つまり、移
動・後退方向の移動は可能であるが、それ以外の方向の
挙動が実質的に規制され、前記熱盤170全体が前記対
向加熱位置で不動(固定)状態となる。
アーシリンダ装置180のピストンロッド181は最も
引き込まれた状態であり、前記熱盤170の板状加熱部
171は、保持ケース175に近接している(図10参
照)。そして、前記熱盤170が前記待機位置から前記
対向位置に移動せしめられたとき、該熱盤170に設け
られている前記誘導ロッド195、195(の先細り案
内部195a)が、図9に示される如くに、前記柱状部
材190、190に穿設された円錐案内面部191を有
する案内固定穴192に摺接せしめられつつ挿入され
て、そこで停止せしめられる。 この案内固定穴192
に対する誘導ロッド195、195の嵌挿によって、誘
導ロッド195、195を伴う熱盤170は、該誘導ロ
ッド195、195の抜き差し方向の移動、つまり、移
動・後退方向の移動は可能であるが、それ以外の方向の
挙動が実質的に規制され、前記熱盤170全体が前記対
向加熱位置で不動(固定)状態となる。
【0054】このようにして、前記熱盤170が柱状部
材190、190に誘導ロッド195、195を介して
固定保持された後、前記熱盤170の加熱部進退用の第
2のエアーシリンダ装置180が作動せしめられて、図
11に示される如くに、板状加熱部171が雌型112
側に移動せしめられ、前記板状加熱部171の加熱面1
71aと絵付シートSとの離隔距離が最大のLc(図1
0)から最小のLd(図11)となる(板状加熱部17
1が接近加熱位置をとる)。
材190、190に誘導ロッド195、195を介して
固定保持された後、前記熱盤170の加熱部進退用の第
2のエアーシリンダ装置180が作動せしめられて、図
11に示される如くに、板状加熱部171が雌型112
側に移動せしめられ、前記板状加熱部171の加熱面1
71aと絵付シートSとの離隔距離が最大のLc(図1
0)から最小のLd(図11)となる(板状加熱部17
1が接近加熱位置をとる)。
【0055】このように、絵付シートSに板状加熱部1
71が接近せしめられた状態で、絵付シートSが加熱軟
化せしめられ(加熱軟化工程)、続いて、絵付シートS
は、図示していない真空吸引孔やスリット状の隙間を通
じた真空吸引により雌型112のパーティング面114
及びキャビティ113に沿うように延伸せしめられてそ
れらに密着せしめられる(延伸工程)。
71が接近せしめられた状態で、絵付シートSが加熱軟
化せしめられ(加熱軟化工程)、続いて、絵付シートS
は、図示していない真空吸引孔やスリット状の隙間を通
じた真空吸引により雌型112のパーティング面114
及びキャビティ113に沿うように延伸せしめられてそ
れらに密着せしめられる(延伸工程)。
【0056】なお、前記加熱軟化工程終了後は、前記板
状加熱部171が前記接近加熱位置から元の保持ケース
175に近接した対向位置まで後退せしめられるととも
に、前記熱盤進退手段を構成する第1のエアーシリンダ
装置185のピストンロッド186が引き込まれ、前記
誘導ロッド195、195が前記案内固定穴192、1
92から抜き出されて、前記熱盤70全体が前記対向位
置から待機位置に戻される。
状加熱部171が前記接近加熱位置から元の保持ケース
175に近接した対向位置まで後退せしめられるととも
に、前記熱盤進退手段を構成する第1のエアーシリンダ
装置185のピストンロッド186が引き込まれ、前記
誘導ロッド195、195が前記案内固定穴192、1
92から抜き出されて、前記熱盤70全体が前記対向位
置から待機位置に戻される。
【0057】なお、上記した熱盤170を対向位置にて
柱状部材190、190に誘導ロッド195、195を
介して案内固定する技術手段は、図1〜図7に基づいて
先に説明した本発明に係る射出成形同時絵付装置の第1
実施形態においても適用できることは容易に理解されよ
う。また、第1及び第2のいずれの実施形態において
も、熱盤を前記待機位置と前記対向位置との間で移動さ
せる熱盤移動手段(第1のエアシリンダ装置)のピスト
ンロッド側に、前記対向位置にある熱盤を前記雌型に対
して接近離隔する方向に進退させる加熱部進退手段(第
2のエアシリンダ装置)を配置したものを示したが、前
記熱盤移動手段(第1のエアシリンダ装置)そのものを
適宜の移動手段により雌型に対して接近離隔する方向に
進退させるようにしても、所期の目的は達成できる。
柱状部材190、190に誘導ロッド195、195を
介して案内固定する技術手段は、図1〜図7に基づいて
先に説明した本発明に係る射出成形同時絵付装置の第1
実施形態においても適用できることは容易に理解されよ
う。また、第1及び第2のいずれの実施形態において
も、熱盤を前記待機位置と前記対向位置との間で移動さ
せる熱盤移動手段(第1のエアシリンダ装置)のピスト
ンロッド側に、前記対向位置にある熱盤を前記雌型に対
して接近離隔する方向に進退させる加熱部進退手段(第
2のエアシリンダ装置)を配置したものを示したが、前
記熱盤移動手段(第1のエアシリンダ装置)そのものを
適宜の移動手段により雌型に対して接近離隔する方向に
進退させるようにしても、所期の目的は達成できる。
【0058】次に、本発明の有効性を実証する実際の試
験例について説明する。試験では、絵付シートSとし
て、基材シートしとての透明なメチルメタクリレート−
ブチルメタクリレート共重合体系のアクリル樹脂フィル
ム(厚みは125μm)に、グラビア印刷法により装飾
層(顔料:弁柄、カーボンブラック、イソインドリノ
ン、及びチタン白からなる。バインダー:アクリル樹脂
と塩化ビニル酢酸ビニル共重合体の1:1重量比混合
物)と、接着剤層(塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系)
とを積層したものを用いた。前記装飾層(絵柄層)は、
柄版を3色組み合わせ木目の模様を持つ柄を3色重ね刷
りで得た。また、接着剤層は、スクリーン線数40線/
cmの版を2度用いて4μmの層を形成した。
験例について説明する。試験では、絵付シートSとし
て、基材シートしとての透明なメチルメタクリレート−
ブチルメタクリレート共重合体系のアクリル樹脂フィル
ム(厚みは125μm)に、グラビア印刷法により装飾
層(顔料:弁柄、カーボンブラック、イソインドリノ
ン、及びチタン白からなる。バインダー:アクリル樹脂
と塩化ビニル酢酸ビニル共重合体の1:1重量比混合
物)と、接着剤層(塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系)
とを積層したものを用いた。前記装飾層(絵柄層)は、
柄版を3色組み合わせ木目の模様を持つ柄を3色重ね刷
りで得た。また、接着剤層は、スクリーン線数40線/
cmの版を2度用いて4μmの層を形成した。
【0059】成形樹脂として、耐熱ABS樹脂を用意し
た。成型時の樹脂温度は240℃、金型温度は60℃と
した。テスト金型として、キャビティ寸法400×60
0mm、深さ40mmのものを用い、上記絵付シートS
を予め雌型パーティング面に供給し、そこにクランプし
た後、以下の比較実験を行った。絵付シートSを加熱す
る熱盤(ヒーター)として、大きさ500mm×800
mm)の長方形加熱面を有する直方体型の温度分布制御
機能付きのセラミックパネルを用い、ヒーター温度を3
50℃に設定した。
た。成型時の樹脂温度は240℃、金型温度は60℃と
した。テスト金型として、キャビティ寸法400×60
0mm、深さ40mmのものを用い、上記絵付シートS
を予め雌型パーティング面に供給し、そこにクランプし
た後、以下の比較実験を行った。絵付シートSを加熱す
る熱盤(ヒーター)として、大きさ500mm×800
mm)の長方形加熱面を有する直方体型の温度分布制御
機能付きのセラミックパネルを用い、ヒーター温度を3
50℃に設定した。
【0060】[比較例] 熱盤加熱面がフィルムから4
0mmの位置でヒーターを上下方向に昇降させて、雌雄
両型内に浸入せしめて、フィルムの表面温度を熱伝対で
測定した。ヒーターの昇降速度は800mmを6秒で移
動させた。そのときのフィルムの一番上の部分と一番下
の部分とでは、5秒加熱時で130℃と100℃であっ
た。そのまま、熱盤加熱面とフィルムとの距離を40m
mに保ち、絵付シートを輻射熱で5秒加熱した。雌型キ
ャビティ内の吸引溝から真空吸引して真空成形を行い、
雄型ゲートから樹脂を射出して成形品を得た。成形品を
脱型して取り出し、観察すると製品上面にフィルムの加
熱し過ぎによると見られる模様の歪みとシワが観察され
た。
0mmの位置でヒーターを上下方向に昇降させて、雌雄
両型内に浸入せしめて、フィルムの表面温度を熱伝対で
測定した。ヒーターの昇降速度は800mmを6秒で移
動させた。そのときのフィルムの一番上の部分と一番下
の部分とでは、5秒加熱時で130℃と100℃であっ
た。そのまま、熱盤加熱面とフィルムとの距離を40m
mに保ち、絵付シートを輻射熱で5秒加熱した。雌型キ
ャビティ内の吸引溝から真空吸引して真空成形を行い、
雄型ゲートから樹脂を射出して成形品を得た。成形品を
脱型して取り出し、観察すると製品上面にフィルムの加
熱し過ぎによると見られる模様の歪みとシワが観察され
た。
【0061】[実施例] 一方、熱盤加熱面がフィルム
から140mmの位置でヒーターを上下方向に昇降させ
て、雌雄両型間に浸入せしめた。ヒーターの昇降速度は
800mmを6秒で移動させた。同様にしてフィルムの
一番上の部分と一番下の部分の温度を測定した。5秒加
熱時での上下の部分温度は両方とも100℃であり、差
はなかった。その後に、エアーシリンダーでヒーターを
金型キャビティ面に向けて100mmの距離前進させ、
熱盤加熱面とフィルムとの距離は40mmとした。その
状態で絵付シートを輻射熱で5秒加熱した。前記比較例
の場合同様に、雌型キャビティ内の吸引溝から真空吸引
して真空成形を行い、雄型ゲートから樹脂を射出して成
形品を得た。成形品を脱型して取り出し、観察すると、
絵柄の歪みもシワもない良好なものが得られた。
から140mmの位置でヒーターを上下方向に昇降させ
て、雌雄両型間に浸入せしめた。ヒーターの昇降速度は
800mmを6秒で移動させた。同様にしてフィルムの
一番上の部分と一番下の部分の温度を測定した。5秒加
熱時での上下の部分温度は両方とも100℃であり、差
はなかった。その後に、エアーシリンダーでヒーターを
金型キャビティ面に向けて100mmの距離前進させ、
熱盤加熱面とフィルムとの距離は40mmとした。その
状態で絵付シートを輻射熱で5秒加熱した。前記比較例
の場合同様に、雌型キャビティ内の吸引溝から真空吸引
して真空成形を行い、雄型ゲートから樹脂を射出して成
形品を得た。成形品を脱型して取り出し、観察すると、
絵柄の歪みもシワもない良好なものが得られた。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係る射出成形同時絵付装置においては、熱盤又はそ
の加熱部を雌型に対して接近離隔する方向に進退させる
加熱部進退手段を配備したことにより、熱盤を待機位置
から転写シートに対向した位置に移動させるときに、そ
の移動の過程で熱盤が転写シートに熱的影響を与えない
だけの距離を保って移動させことが可能となる。そのた
めに、真空成形以前に、転写シートが不均一に加熱され
不均一に軟化するのは回避でき、成形品に模様の歪みや
シワが生じるのは回避できる。
明に係る射出成形同時絵付装置においては、熱盤又はそ
の加熱部を雌型に対して接近離隔する方向に進退させる
加熱部進退手段を配備したことにより、熱盤を待機位置
から転写シートに対向した位置に移動させるときに、そ
の移動の過程で熱盤が転写シートに熱的影響を与えない
だけの距離を保って移動させことが可能となる。そのた
めに、真空成形以前に、転写シートが不均一に加熱され
不均一に軟化するのは回避でき、成形品に模様の歪みや
シワが生じるのは回避できる。
【図1】本発明に係る射出成形同時絵付装置の第1実施
形態を示す全体構成図。
形態を示す全体構成図。
【図2】図1に示される装置に使用されている熱盤と熱
盤案内固定手段の説明に供される斜視図。
盤案内固定手段の説明に供される斜視図。
【図3】図1に示される装置に使用されている熱盤の移
動状態の説明に供される図。
動状態の説明に供される図。
【図4】図1に示される装置の転写シート供給工程の説
明に供される図。
明に供される図。
【図5】図1に示される装置の延伸工程、加熱軟化工程
の説明に供される図。
の説明に供される図。
【図6】図1に示される装置の型締め工程の説明に供さ
れる図。
れる図。
【図7】図1に示される装置の射出成形工程の説明に供
される図。
される図。
【図8】本発明に係る射出成形同時絵付装置の第2実施
形態の熱盤待機時の雌型周辺部を示す斜視図。
形態の熱盤待機時の雌型周辺部を示す斜視図。
【図9】図8に示される装置の加熱軟化工程時の雌型周
辺部を示す斜視図。
辺部を示す斜視図。
【図10】図8に示される装置において熱盤の加熱部が
対向位置にあるときの側面図。
対向位置にあるときの側面図。
【図11】図8に示される装置において熱盤の加熱部が
対向加熱位置にあるときの側面図。
対向加熱位置にあるときの側面図。
【図12】従来の射出成形同時絵付装置の説明に供され
る雌型周辺部を示す図である。
る雌型周辺部を示す図である。
S 絵付シート 5 シート供給装置 10 射出成形同時絵付装置 12 雌型 13 キャビティ 14 パーティング面 15 スリット状の隙間 17 真空吸引孔 20 クランパー 25 雄型 50 無端環状チェーン 60 シート把持用チャック 70 熱盤 71 第1の板状加熱部 72 第2の板状加熱部 80 開き角度調節用エアーシリンダ 85 熱盤移動手段(第1のエアーシリンダ装
置) 86 加熱部進退手段(第2のエアーシリンダ装
置)
置) 86 加熱部進退手段(第2のエアーシリンダ装
置)
Claims (2)
- 【請求項1】 相互に対向配置されて一方が他方側へ移
動せしめられるようにされた雌型及び雄型と、前記雌型
のパーティング面に対して直交する方向に移動可能とさ
れ、絵付シートを前記雌型のパーティング面上に押圧固
定するクランプ手段と、前記絵付シートを加熱軟化させ
るための熱盤と、該熱盤を前記絵付シート非加熱時に
は、前記雌型のキャビティに対向した位置から外れた待
機位置に退避させ、絵付シート加熱時には前記待機位置
から前記雌型のキャビティに対向した位置に移動せしめ
る熱盤移動手段と、前記雌型のキャビティ内に前記雄型
側から流動状態の樹脂を注入充填する樹脂射出手段と、
を備えた射出成形同時絵付装置において、 前記熱盤は、該熱盤又はその加熱部を前記対向する加熱
位置において前記雌型に対して接近離隔する方向に進退
させる加熱部進退手段をさらに有していて、前記熱盤
は、前記待機位置から前記対向位置に、熱盤と雌型のパ
ーティンク面との距離が絵付シート加熱軟化時よりも大
の状態で移動し、しかる後、前記熱盤又はその加熱部を
前記雌型のパーティング面に向かって前進させて、その
状態で絵付シートの加熱軟化を行うことを特徴とする射
出成形同時絵付装置。 - 【請求項2】 前記雌型のパーティング面が概略凸状の
湾曲面とされてなり、かつ、前記熱盤の加熱面の側面視
形状が概略「く」字状であることを特徴とする請求項1
記載の射出成形同時絵付装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17112198A JP2000000842A (ja) | 1998-06-18 | 1998-06-18 | 射出成形同時絵付装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17112198A JP2000000842A (ja) | 1998-06-18 | 1998-06-18 | 射出成形同時絵付装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000000842A true JP2000000842A (ja) | 2000-01-07 |
Family
ID=15917383
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17112198A Pending JP2000000842A (ja) | 1998-06-18 | 1998-06-18 | 射出成形同時絵付装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000000842A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115195023A (zh) * | 2022-08-09 | 2022-10-18 | 克劳斯玛菲机械(中国)有限公司 | 一种热塑性有机纤维板一体成型设备 |
-
1998
- 1998-06-18 JP JP17112198A patent/JP2000000842A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115195023A (zh) * | 2022-08-09 | 2022-10-18 | 克劳斯玛菲机械(中国)有限公司 | 一种热塑性有机纤维板一体成型设备 |
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