JPH11239571A - Mri装置およびmr撮像方法 - Google Patents

Mri装置およびmr撮像方法

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JPH11239571A
JPH11239571A JP10244638A JP24463898A JPH11239571A JP H11239571 A JPH11239571 A JP H11239571A JP 10244638 A JP10244638 A JP 10244638A JP 24463898 A JP24463898 A JP 24463898A JP H11239571 A JPH11239571 A JP H11239571A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】心電同期法を併用して撮像するときの心電同期
タイミングを事前に適切に設定し、安定した且つ高描出
能のMR像を提供する。 【解決手段】MRI装置は、患者のECG信号を収集す
る手段と、ECG信号のR波の複数個それぞれに基づく
相異なる同期時刻のそれぞれにて患者の撮像部位に準備
用MRスキャンを実行して複数枚の画像のMR信号を収
集する準備用スキャン手段とを備える。さらに、MR信
号から複数枚の準備用画像を生成する手段と、その複数
枚の準備用画像を使って心電同期法のための適切な同期
時刻を特定する手段と、この特定された同期時刻に同期
してイメージング用MRスキャンを実行する手段とを備
える。準備用スキャン手段は、ECG信号のR波からの
遅延時間を複数通りの時間値に変更し、その遅延時間そ
れぞれの経過時に準備用MRスキャンを実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検体の磁気共鳴
現象に基づいて被検体内部を画像化する磁気共鳴イメー
ジングに関する。とくに、被検体の心時相を表す信号を
使って心電同期法に基づく撮像を行うMRI(磁気共鳴
イメージング)装置およびMR(磁気共鳴)撮像方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング(MRI)は、静
磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをそのラーモア
周波数の高周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴っ
て発生するMR信号から画像を再構成する撮像法であ
る。
【0003】この磁気共鳴イメージングによって、例え
ば肺野の血管や肝臓の血管(門脈)などを撮像する場
合、血管像の信号値を上げてS/Nを良くすること、体
動によるアーチファクトを低減することなどの種々の要
求がある。
【0004】このような要求がある中で、磁気共鳴イメ
ージングとして種々のタイプの撮像法が使用されてい
る。その1つは、超高速撮像法であるエコープラナーイ
メージング(EPI)法で、この撮像法は1回のRF励
起後に読み出し用傾斜磁場を高速に反転させることでM
R信号を高速に収集するパルスシーケンスを用いる。こ
のEPI法による撮像は、データ収集に要する時間が短
いため、体動に因るアーチファクトの入り込む余地が少
ないという点で有利である。また別の撮像法は、高速S
E(高速スピンエコー)法またはこれを応用した撮像法
で、これは1回のRF励起(つまり1ショット)に伴う
撮像時間(acquisition time)が1心拍に比較して長い
撮像法である(例えば、撮像時間は300ms程度。撮
像マトリクスのサイズによっては600ms程度)。こ
の高速SE法による撮像法は、EPI法に比べて、撮像
時間は比較的長くなるが、その反面、サセプタビリティ
に強く、また形態の歪みが少ないといった利点があるた
め、これを活用した撮像を行える。これらの撮像には、
従来から一般に知られている心電同期法としてのECG
ゲート法を併用することもできる。
【0005】また、撮像対象が心臓系である場合には、
1回のRF励起に伴う撮像時間が短いFE系のパルスシ
ーケンスによる撮像も行われている。とくに、近年、セ
グメンテッド(segmented )FFE法が多用されてい
る。このセグメンテッドFFE法の場合も、ECGゲー
ト法を併用して、セグメント毎の収集時相を合わせる手
法が好適である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各種のパルスシーケンスにECGゲート法を併用して
撮像する場合、以下のような未解決の課題が放置されて
いた。
【0007】つまり、心電同期のタイミングの適正化の
問題がある。この心電同期に関しては、その同期タイミ
ングの適正化などについて、従来、殆ど研究されていな
いのが実情であった。被検体の固体差や診断部位の違い
(例えば心臓に近いか遠いかなど)、さらには使用する
パルスシーケンスの種類に応じた、より適正な同期タイ
ミングが存在する筈であるが、従来は、かかる同期タイ
ミングについて具体的な研究および提案はなされていな
かった。このため、仮に、上述した撮像法においてEC
Gゲート法を併用しようとすると、操作者は経験に基づ
いて又は試行錯誤的に適当と思われる同期タイミングを
与えることになる。しかし、その場合、フローボイド
(flow void )現象などに因って、信号値が低くなり、
検査者は意図した血流を的確に捕捉したMRA像を得る
ことができない等の事態を招くことがある。すなわち、
ECGゲート法を十分に活かし且つ対象を確実に捕捉し
た安定したイメージングを行っていることの保証はな
い。
【0008】このような状況下にあるので、例えば、2
m/secと比較的高速の大動脈流を画像化したい場
合、心電同期の同期タイミングを適正に設定しないと上
述したフローボイド現象などを起こして確実に画像化で
きない可能性大である。
【0009】本発明は、このような従来技術の現状を打
破するためになされたもので、その目的の1つは、心電
同期法を併用して撮像するときの心電同期タイミングを
事前に最適に設定することができ、これにより、安定し
た且つ高描出能のMR像を提供することである。
【0010】また本発明の別の目的は、そのように心電
同期タイミングの最適化を図る際、横緩和時間が短めの
組織や血流の走行方向をも確実に描出し、その走行情報
を豊富化させることである。
【0011】さらに本発明の別の目的は、そのような心
電同期タイミングの最適化の操作を極力、省力化(自動
化)し、オペレータの操作上の手間や負荷を軽減するこ
とである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、本発明のMRI装置は、その第1の態様によれば、
被検体の心時相を表す信号を収集する信号収集手段と、
この信号の参照波の複数個それぞれに基づく相異なる同
期時刻にて前記被検体の前記領域に対して準備用MRス
キャンを複数回、実行してMR信号をそれぞれ収集する
準備用スキャン手段と、このMR信号から前記複数の相
異なる同期時刻に応じた複数枚の準備用画像を生成する
準備用画像生成手段と、この複数枚の準備用画像の情報
をイメージング用MRスキャンに反映させる準備情報反
映手段とを備える。
【0013】例えば、前記準備情報反映手段は、前記複
数枚の準備用画像を表示する表示手段と、この表示され
た複数の準備用画像を目視観察したことに伴う前記心電
同期法のための同期時刻の情報を手動で前記イメージン
グ用MRスキャンに反映させる手動反映手段とを備え
る。また、前記準備情報反映手段は、前記複数枚の準備
用画像を表示する表示手段と、この表示された複数の準
備用画像の所望位置を手動で指定する手動指定手段と、
この指定位置における前記準備用画像のデータの強度に
関する情報を自動的に演算する演算手段と、この演算手
段の演算結果から前記複数の準備用画像の内の所望の準
備用画像を自動的に選択する選択手段と、この選択され
た準備用画像が有する前記同期時刻を前記心電同期法の
ための同期時刻として自動的に前記イメージング用MR
スキャンに反映させる自動反映手段とを備える、ように
してもよい。
【0014】また、本発明のMRI装置の第2の態様に
よれば、被検体の心時相を表す信号を収集する信号収集
手段と、この信号の参照波の複数個それぞれに基づく相
異なる同期時刻にて前記被検体の撮像対象を含む領域に
対して準備用MRスキャンを複数回、実行してMR信号
をそれぞれ収集する準備用スキャン手段と、このMR信
号から前記複数の相異なる同期時刻に応じた複数枚の準
備用画像を生成する準備用画像生成手段と、前記複数枚
の準備用画像の情報に基づいて心電同期法のための所望
の同期時刻を特定する同期時刻特定手段と、この特定さ
れた同期時刻に同期して前記被検体の前記領域に対する
イメージング用MRスキャンを実行するイメージング用
スキャン手段とを備える。
【0015】この第2の態様に係る構成において、例え
ば、前記信号収集手段は、前記心時相を表す信号として
前記被検体のECG信号を収集する手段である。また、
例えば、前記準備用スキャン手段は、前記ECG信号に
含まれる参照波としてのR波からの遅延時間を複数通り
の時間値に変更する変更手段と、変更された前記遅延時
間それぞれの経過時を前記同期時刻として前記準備用M
Rスキャンを開始させるスキャン開始手段とを備える。
この準備用スキャン手段がスキャン対象とする前記被検
体の撮像対象は、一例としては、原子核スピンの横緩和
時間が短めの組織または血流である。
【0016】とくに、好適には、前記準備用MRスキャ
ンおよび前記イメージング用MRスキャンは共に同一種
類のパルスシーケンスを用いる。一例として、このパル
スシーケンスは高速SE法のパルスシーケンスまたはこ
の高速SE法を用いたFASE法などのパルスシーケン
スである。このパルスシーケンスは、例えば、1回のR
F励起当たりのスキャン時間は約200msec以上で
ある。また、このパルスシーケンスは、例えば、前記M
R信号を周波数空間に配置してフーリエ変換することで
実空間画像を再構成するフーリエ変換法に依存するシー
ケンスであって、前記周波数空間をその位相エンコード
方向の所定量毎に分割して前記MR信号を配置するシー
ケンスであってもよい。
【0017】また別の例として、前記パルスシーケンス
はセグメンテッド高速FE法のパルスシーケンスであ
る。このセグメンテッド高速FE法のパルスシーケンス
は、例えば、前記R波間において複数の相異なる時刻の
各々毎に複数個のエコー信号を収集し、前記被検体の前
記領域を通るシングルスライスに対応する複数の2次元
k空間それぞれに同一時刻の前記エコー信号を配置する
パルス列を有する。
【0018】さらに別の例として、前記パルスシーケン
スはEPI法のパルスシーケンスである。
【0019】さらに別の観点から、前記準備用MRスキ
ャンは2次元スキャンのパルスシーケンスを用い、且つ
前記イメージング用MRスキャンは3次元スキャンのパ
ルスシーケンスを用いるようにしてもよい。
【0020】以上の構成によれば、心電同期法を併用し
て撮像するときの心電同期タイミングが事前に適切また
は最適に設定され、安定した且つ高描出能のMR像が提
供される。
【0021】1つの例として、1回のRF励起に伴う撮
像時間が1心拍に比較して比較的長いパルスシーケンス
に拠るものであっても、複数の心拍それぞれに対して遅
延時間をダイナミックに変えながら準備用MRスキャン
が複数回行われる。具体的には、複数のR波それぞれか
らの遅延時間が種々調整される。この遅延時間の大小の
程度を適宜に変えることで、R波出現直後の乱流的な流
れの時間帯を回避し、かつ、比較的安定した流れの時間
帯に合わせた複数通りの準備用MRスキャンを実施でき
る。このため比較的コントラストの良い、遅延時間の異
なる複数枚の再構成画像が得られる。この画像の中か
ら、大動脈などの撮像対象が最も良好に描出されている
画像を選択でき、その画像データ収集時の遅延時間を適
切な又は最適な同期タイミングとして決することができ
る。
【0022】したがって、心電同期イメージング用MR
スキャンを実施する際、撮像対象が例えば横緩和時間T
2 が短めの血液であっても、その血液に対する適切な又
は最適な同期タイミングが事前に設定されている。つま
り、被検体自体の固体差、診断部位の相違、さらには診
断する撮像対象の相違などがあっても、個々の被検体、
診断部位、撮像対象に対して、同期タイミングがMR信
号値の観点から常に所望の適切なタイミングに設定され
ている。このため、フローボイド現象などに因る信号値
低下などの事態を低減または排除し、血流などの撮像対
象からのエコー信号の強度を上げることができる。した
がって、撮像対象を確実に捕捉した描出能の高い高品質
のMR画像を得ることができる。
【0023】また別の例として、1回の励起に伴う撮像
時間が比較的短いseg.FFE法に心電同期法を併用
して心臓などを撮像する場合も、その心電同期タイミン
グが事前に適切に設定されるので、撮像対象を確実に捕
捉した高描出能のMR像が提供される。
【0024】さらに、本発明のMRI装置は、前記第2
の態様の構成において、前記準備用スキャン手段は、前
記撮像対象の複数種それぞれの走行方向に対応させた位
相エンコード方向で前記準備用MRスキャンを撮像対象
別に実行する実行手段を有し、前記準備用画像生成手段
は、撮像対象別に、前記準備用MRスキャンで収集した
前記MR信号から前記複数枚分の準備用画像を生成する
手段であり、前記同期時刻特定手段は、撮像対象別に、
前記複数枚の準備用画像の情報に基づいて前記所望の同
期時刻を特定する手段であり、前記イメージング用スキ
ャン手段は、前記撮像対象の複数種それぞれの走行方向
に対応させた位相エンコード方向で且つ前記撮像対象別
に特定した前記所望の同期時刻に同期して前記イメージ
ング用MRスキャンを撮像対象別に実行する実行手段を
有することができる。
【0025】この複数種の撮像対象は、例えば、前記被
検体の前記領域内を空間的に異なる方向に走行する複数
種の血流である。また例えば、前記イメージング用スキ
ャン手段は、前記イメージング用MRスキャンで収集さ
れたエコー信号を撮像対象別に収集する収集手段と、そ
の撮像対象別のエコー信号から前記領域の画像データを
生成する生成手段とを備える。さらに例えば、前記生成
手段は、前記エコー信号を撮像対象別に実空間画像のデ
ータに再構成する手段と、この撮像対象別の再構成デー
タを画素毎に合成する手段とを備える。
【0026】また、前述した第2の態様の構成におい
て、前記準備用スキャン手段は、前記準備用MRスキャ
ンに供する位相エンコード方向を前記撮像対象の走行方
向に合わせて設定する手段を有することもでできる。
【0027】以上の構成により、準備用画像における画
素値の位相エンコード方向のぼけと血流などの撮像対象
の走行方向が一致するので、その走行方向が強調された
MR像となり、撮像対象の方向描出能が向上する。した
がって、この準備用画像を使って心電同期タイミングを
選択・設定するときの精度を格段に向上させることがで
きる。加えて、イメージング用スキャン手段において
も、その位相エンコード方向を撮像対象の走行方向に合
わせるので、最終的に得られるMR像の方向描出能も向
上する。
【0028】さらに、本発明のMRI装置は、前記第2
の態様の構成において、前記準備用スキャン手段により
前記準備用MRスキャンを実行している間は前記被検体
に息止めの遂行を指令する息止め指令手段を備えること
もできる。このように息止め法を併用することで、準備
用MRスキャン中の被検体の体動が少なくなるので、こ
の体動に起因したアーチファクトの発生を抑えたMR像
を得ることができる。したがって、このMR像を使って
心電同期タイミングを選択・設定するときの精度を格段
に向上させることができる。
【0029】またさらに、本発明のMRI装置は、前記
第2の態様の構成において、前記同期時刻特定手段を、
前記複数枚の準備用画像をオペレータに提示するととも
にオペレータが望む部位の指定を受けるインターフェー
ス手段と、前記関心部位の前記エコー信号の強度に関す
るデータから前記所望の同期時刻を確定する確定手段と
を備えるように構成してもよい。一例として、前記同期
時刻特定手段は、確定された前記所望の同期時刻を前記
イメージング用MRスキャンのシーケンスに自動的に反
映させる反映手段をさらに備えることができる。また別
の例として、前記インターフェース手段は、前記複数枚
の準備用画像それぞれに前記相異なる複数の同期時刻そ
れぞれを表す情報を各別に重畳させて表示する表示手段
を備えていてもよい。さらに別の例として、前記インタ
ーフェース手段は、前記オペレータが望む部位をROI
で指定を受けるROI指定手段を備える一方で、前記確
定手段は、前記ROIの部分の信号強度分布をその部分
に対応する画素値から演算する手段と、その信号強度分
布から所定のアルゴリズムで前記所望の同期時刻を決め
る手段とを備えることもできる。
【0030】これにより、心電同期タイミングの設定上
の操作が極力、省力化され、または自動化されるので、
オペレータの操作上の手間や負荷が軽減される。
【0031】さらに、本発明のMR撮像方法によれば、
被検体の心時相を表す信号に含まれる参照波の複数個そ
れぞれからの遅延時間を変更しながら、その変更された
前記遅延時間それぞれの経過時に前記被検体の撮像対象
を含む領域に対して準備用MRスキャンを実行して準備
用画像をそれぞれ生成し、この複数枚の準備用画像の情
報に基づいて心電同期法のための所望の同期時刻を特定
し、その同期時刻に同期して前記被検体の前記領域に対
してイメージング用MRスキャンを実行することを特徴
とする。これにより、心電同期タイミングを適切に又は
最適に設定できる。この同期タイミングに拠るイメージ
ング用MRスキャンを確実に実行して、撮像対象の描出
能が最も高いMR像を確実かつ安定に得ることができ
る。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
添付図面を参照して説明する。
【0033】第1の実施形態 第1の実施の形態を図1〜図10を参照して説明する。
【0034】この実施形態にかかるMRI(磁気共鳴イ
メージング)装置の概略構成を図1に示す。
【0035】このMRI装置は、被検体としての患者P
を載せる寝台部と、静磁場を発生させる静磁場発生部
と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場発生部
と、RF(高周波)信号を送受信する送受信部と、シス
テム全体のコントロール及び画像再構成を担う制御・演
算部と、患者Pの心時相を表す信号としてのECG(心
電図)信号を計測する心電計測部と、患者Pに息止めを
指令する息止め指令部とを機能的に備えている。
【0036】静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石
1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備
え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空
間)の長手軸方向(Z軸方向)に静磁場H0 を発生させ
る。なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられて
いる。このシムコイル14には、後述するホスト計算機
の制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のた
めの電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天
板を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
【0037】傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた
傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイ
ルユニット3は、互いに直交するX、Y、Z軸方向の傾
斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコ
イル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はさらに、x,
y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源
4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケン
サの制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜磁
場を発生させるためのパルス電流を供給する。
【0038】傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x
〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、
3軸X,Y,Z方向の傾斜磁場を合成して、スライス方
向傾斜磁場GS 、位相エンコード方向傾斜磁場GE 、お
よび読出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場GR
の各方向を任意に設定・変更することができる。スライ
ス方向、位相エンコード方向、および読出し方向の各傾
斜磁場は、静磁場H0に重畳される。
【0039】送受信部は、磁石1内の撮影空間にて患者
Pの近傍に配設されるRF(高周波)コイル7と、この
RFコイル7に接続された送信器8T及び受信器8Rと
を備える。後述するシーケンサの制御のもと、この送信
器8Tは、磁気共鳴(NMR)を励起させるためのラー
モア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に供給する
一方、受信器8Rは、RFコイル7が受信したMR信号
(高周波信号)を受信し、この受信信号に各種の信号処
理を施して、対応するデジタルデータを形成するように
なっている。
【0040】さらに、制御・演算部は、シーケンサ(シ
ーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機
6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器1
2、および入力器13を備える。この内、ホスト計算機
6は、記憶したソフトウエア手順により、シーケンサ5
にパルスシーケンス情報を指令するとともに、シーケン
サ5を含む装置全体の動作を統括する機能を有する。こ
のホスト計算機6によるスキャン制御の一例は後述され
る。
【0041】このMRI装置は、予め設定した値の心電
同期タイミングの心電同期イメージングスキャンを行う
ことを特徴としている。具体的には、ホスト計算機6は
そのメインプログラムを実行する中で、図2に示す如
く、準備用MRスキャンおよびイメージング用MRスキ
ャンを行う。準備用MRスキャンは、その後のイメージ
ング用MRスキャンで使用する同期タイミングを事前に
かつ適切値に決めるための準備用シーケンスを実行する
スキャンで、以下、「ECG−prepスキャン」と呼
ぶことにする。イメージング用MRスキャンは、その前
のECG−prepスキャンにより設定した同期タイミ
ングで心電同期法に依るシーケンスを実行するスキャン
であり、以下、単に「イメージングスキャン」と呼ぶ。
ECG−prepスキャンの実行ルーチンの一例を図3
に、心電同期イメージングスキャンの実行ルーチンの一
例を図8にそれぞれに示す。なお、図2には示していな
いが、ECG−prepスキャンの前に位置決めスキャ
ンが行われ、このスキャン結果に基づき撮像位置の位置
決めがなされる。
【0042】シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備
えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシー
ケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電
源4、送信器8T、受信器8Rの一連の動作を制御す
る。ここで、パルスシーケンス情報とは、一連のパルス
シーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信器8Tお
よび受信器8Rを動作させるために必要な全ての情報で
あり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印加するパ
ルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関す
る情報を含む。また、シーケンサ5は、受信器8Rが出
力するデジタルデータ(MR信号)を入力して、このデ
ータを演算ユニット10に転送する。
【0043】このパルスシーケンスとしては、フーリエ
変換法を適用できるものであれば、2次元(2D)スキ
ャンまたは3次元(3D)スキャンであってもよい。ま
た、パルス列の形態としては、SE(スピンエコー)
法、FE(フィールド・グラジェントエコー)法、FS
E(高速SE)法、EPI(エコープラナーイメージン
グ)法、Fast asymmetric SE(FASE:FSE法に
ハーフフーリエ法を組み合わせた手法)法などを適用で
きる。
【0044】また、これらのパルスシーケンスで撮像を
行うときの、1回のRF励起(つまり、1ショット)当
たりの撮像時間は約200〜1000msec程度のオーダ
である。この範囲の撮像時間は、例えば1ショット−F
ASE法(2Dまたは3D)を使用した場合、一例とし
ては、以下のような撮像パラメータを採用することで達
成される。
【0045】
【外1】
【0046】また、演算ユニット10は、受信器8Rか
らシーケンサ5を介して送られてくるMR信号のデジタ
ルデータを入力してフーリエ空間(k空間または周波数
空間とも呼ばれる)への原データ(生データとも呼ばれ
る)の配置、および、原データを実空間画像に再構成す
るための2次元または3次元のフーリエ変換処理を行う
一方で、画像データの合成処理を行うようになってい
る。なお、フーリエ変換処理はホスト計算機6に担当さ
せてもよい。
【0047】この画像データの合成処理の好適な一例
は、複数フレームの再構成画像データを対応画素毎に加
算する処理、または、複数フレームの再構成画像データ
間の対応するピクセル毎に最大値を選択する最大値投影
(MIP)処理である。なお、加算処理には、単純加算
処理、加算平均処理、重み付け加算処理などが含まれ
る。また、この合成処理の別の例として、フーリエ空間
上で複数フレームの軸の整合をとって原データのまま1
フレームの原データに合成するようにしてもよい。
【0048】記憶ユニット11は、原データおよび再構
成画像データのみならず、上述の合成処理が施された画
像データを保管することができる。表示器12は画像を
表示する。また入力器13を介して、術者が希望する同
期タイミング選択用のパラメータ情報、スキャン条件、
パルスシーケンス、画像合成法などの情報をホスト計算
機6に入力できるようになっている。
【0049】また、息止め指令部として音声発生器19
を備えている。この音声発生器19は、ホスト計算機6
から指令があったときに、息止め開始および息止め終了
の例えばメッセージを音声として発することができる。
【0050】さらに、心電計測部は、患者Pの体表に付
着させてECG信号を電気信号として検出するECGセ
ンサ17と、このセンサ信号にデジタル化処理を含む各
種の処理を施してホスト計算機6およびシーケンサ5に
出力するECGユニット18とを備える。この心電計測
部による計測信号は、ECG−prepスキャンと心電
同期イメージングスキャンを実行するときにホスト計算
機6およびシーケンサ5により用いられる。これによ
り、心電同期法の同期タイミングを適切に設定でき、こ
の設定した同期タイミングに拠る心電同期イメージング
スキャンを行ってMR原(生)データを収集できるよう
になっている。
【0051】次に、同期タイミングを事前設定するため
の処理を、図3〜図6を参照して説明する。
【0052】ホスト計算機6は、図示しない所定のメイ
ンプログラムを実行している中で、入力器13からの指
令に応答して、図3に示すECG−prepスキャンの
実行ルーチンを開始する。
【0053】最初に、ホスト計算機6は、ECG−pr
epスキャンを実行するスキャン条件およびパラメータ
情報を入力器13から読み込む(同図ステップS1)。
スキャン条件には、スキャンの種類、パルスシーケンス
の種類、位相エンコード方向などが含まれる。パラメー
タ情報には、心電同期タイミングを決めるための初期時
間To(ここでは、ECG信号中のR波のピーク値から
の遅延時間)、時間増分の刻み幅Δt、回数カウンタC
NTの上限値などが含まれ、これらのパラメータは操作
者により任意に設定できる。
【0054】次いで、ホスト計算機6は、シーケンスの
実行回数をカウントする回数カウンタCNT、同期タイ
ミングを決めるための時間の増分パラメータTinc、
および遅延時間TDLをクリヤする(CNT=0,Tin
c=0,TDL=0:ステップS2)。この後、ホスト計
算機6は音声発生器19にメッセージデータを送出し
て、例えば「息を止めて下さい」といった息止め指令を
患者Pに対して行わせる(ステップS3)。この息止め
は、ECG−prepスキャン実行中の患者の体動を抑
制する上で実施する方が好ましいが、場合によっては、
息止めを実施しない状態でECG−prepスキャンを
実行するようにしてもよい。
【0055】このように準備が整うと、ホスト計算機6
はステップS4以降の処理を順次実行する。これによ
り、心電同期タイミングを変更しながらのスキャン実行
に移行する。
【0056】具体的には、R波のピーク到達時間からの
遅延時間TDLが、TDL=To+Tincにより演算され
る(ステップS4)。次いで、ECGユニット18で信
号処理されたECG信号が読み込まれ、その信号中のR
波のピーク値が出現したか否かが判断される(ステップ
S5)。この判断処理はR波出現まで繰り返される。R
波が出現すると(ステップS5,YES)、ステップS
4で演算したその時点の遅延時間TDLがR波ピーク時間
から経過したかどうかが続いて判断される(ステップS
6)。この判断処理も遅延時間TDLが経過するまで続け
られる。
【0057】R波のピーク時刻から遅延時間TDLが経過
すると(ステップS6,YES)、各回のスキャンのパ
ルスシーケンスの開始をシーケンサ5に指令する(ステ
ップS7:図4参照)。このパルスシーケンスは、その
種類としては、後述するイメージング用のパルスシーケ
ンスと同一に設定するのが望ましい。ただし、このEC
G−prepスキャンの目的は、撮像対象の信号強度が
最高になる心電同期用の遅延時間を設定することである
から、心電同期イメージングスキャンを3次元で行う場
合であっても、このECG−prepスキャンは、撮像
対象を含んでさえすれば2次元で行えばよい。この2次
元スキャンにより全体の撮像時間を最小限に止めること
ができる。心電同期イメージングスキャンが2次元の場
合は、ECG−prepスキャンは2次元スキャンでよ
く、またイメージングスキャンよりも多少、空間分解能
(マトリクスサイズなど)を下げてもよい。
【0058】このECG−prepスキャンとして、高
速SE法とハーフフーリエ法とを組み合わせた2次元F
ASE(2D−FASE)法が使用される。勿論、この
スキャン法の代わりに、通常のSE法、高速SE法、E
PI法、FE法、セグメンテッドFFE法など、各種の
2次元スキャン法を採用することもできる。
【0059】このシーケンス開始指令に応答し、シーケ
ンサ5は操作者から指令された種類のパルスシーケンス
の実行を開始するので、患者Pの所望部位の断面が2次
元スキャンされる。
【0060】上記シーケンス実行開始の指令後、回数カ
ウンタCNT=CNT+1の演算が行われ(ステップS
8)、さらに、時間の増分パラメータTinc=ΔT・
CNTの演算が行われる(ステップS9)。これによ
り、パルスシーケンスの実行を指令した各回毎に回数カ
ウンタCNTのカウント値が1ずつ増加し、また同期タ
イミングを調整する増分パラメータTincがそのカウ
ント値に比例して増加する。
【0061】次いで、各回のパルスシーケンスの実行に
必要な予め定めた所定期間(例えば後述する撮像条件で
は700msec程度)が経過するまで、そのまま待機
する(ステップS10)。さらに回数カウンタCNT=
予め定めた上限値になったか否かを判断する(ステップ
S11)。同期タイミングを最適化させるために、遅延
時間TDLを各種の時間値に変更しながら、例えば5枚の
2次元像を撮影する場合、回数カウンタCNT=5に設
定される。回数カウンタCNT=上限値に到達していな
い場合(ステップS11,NO)、ステップS4の処理
に戻って上述した処理が繰り返される。反対に、回数カ
ウンタCNT=上限値に到達した場合(ステップS1
1,YES)、息止め解除の指令が音声発生器19に出
され(ステップS12)、その後の処理はメインプログ
ラムに戻される。息止め解除の音声メッセージは例えば
「息をして結構です」である。
【0062】上述の処理を順次実行すると、一例とし
て、図4に示すタイミングで準備用のパルスシーケンス
が各回毎に実行される。例えば、初期時間To=300
msec,時間刻みΔT=100msecを指令してい
たとすると、第1回目のシーケンスに対する遅延時間T
DL=300msec、第2回目のそれに対する遅延時間
TDL=400msec、第3回目のそれに対する遅延時
間TDL=500msec、…といった具合に同期タイミ
ングを決する遅延時間TDLが調整される。このため、息
止め指令後の最初のR波がピーク値に達すると、その到
達時刻から遅延時間TDL(=To)後に、例えば2D−
FASE法に基づく第1回目のスキャンECGprep
1が所定時間(約700msec)継続し、エコー信号
が収集される。このシーケンス継続中に次のR波が出現
した場合でも、図3のステップS10の待機処理がある
ので、このR波出現には何等関与されずに、シーケンス
は続けられる。つまり、ある心拍に同期して開始された
シーケンスの実行処理は次の心拍にまたがって続けら
れ、エコー信号が収集される。
【0063】そして、回数カウンタCNTが所定値に到
達していない場合、図3のステップS5〜ステップS1
1の処理が再び実行される。このため、図4の例では、
3番目のR波が出現してピーク値に達すると、この到達
時点から遅延時間TDL=To+Tinc=400mse
cが経過した時点で、第2回目のスキャンECGpre
p2が所定時間継続し、同様にエコー信号が収集され
る。このスキャンが終わって次のR波が出現すると、遅
延時間TDL=To+2・Tinc=500msecが経
過すると、第3回目のスキャンECGprep3が所定
時間継続し、同様にエコー信号が収集される。さらに、
このスキャンが終わって次のR波が出現すると、遅延時
間TDL=To+3・Tinc=600msecが経過す
ると、第4回目のスキャンECFprep3が所定時間
継続し、同様にエコー信号が収集される。このスキャン
が所望回数、例えば5回続き、合計5フレーム(枚)の
同一断面のエコーデータが収集される。
【0064】各フレームのエコーデータは順次、シーケ
ンサ5を経由して演算ユニット10に送られる。演算ユ
ニット10は周波数空間のエコーデータを2次元フーリ
エ変換法により実空間の画像に再構成する。この再構成
画像はMRA像データとして記憶ユニット11に記憶さ
れる。ホスト計算機6は、例えば入力器13からの操作
信号に応答して、このMRA像を順次、シネ(CIN
E)表示する。
【0065】このように、ダイナミックに心電同期の遅
延時間(同期タイミング)が変更された複数枚のMRA
像の表示例を図5(a)〜(e)に示す。これらの図は
実際の画像写真を模写したもので、2D−FASE法
(実効TE(TEeff )=40ms,エコー間隔(ET
S)=5ms,ショット数=1,スライス厚(ST)=
40mm,スライス枚数(NS)=1,加算枚数(NA
Q)=1,マトリクスサイズ=256×256,FOV
=40×40cm,実際のスキャン時間=700ms程
度)、かつ、位相エンコード方向=図の上下方向(体軸
方向)に設定して実験した肺野の画像写真を模式的に表
している。この画像で目的としているエンティティとし
ての血流は下行大動脈である。同図において遅延時間T
DLはそれぞれ、(a)でTDL=300msec,(b)
でTDL=400msec,(c)でTDL=500mse
c,(d)でTDL=600msec,(e)でTDL=7
00msec、となっている。
【0066】これらのシネ表示像を目視観察すれば、大
動脈流からのエコー信号が最も強く表れ、かつ大動脈全
体が明瞭なのは、同図(e)のMRA像である。ほかの
(a)〜(d)のMRA像の場合、(e)に比べて、大
動脈流の写っている範囲が極く一部または短い範囲であ
って、拍動に伴う血流の速度が速いなどの要因から、エ
コー信号の強度が相対的に低く、フローボイド現象に近
い状態になっている。つまり、肺野において大動脈流の
MRA像を得る場合、この実験の場合には、同図(e)
の状態、すなわち遅延時間TDL=700msecが最適
となる。これにより、心電同期の同期タイミングは、R
波のピーク到達時刻から遅延時間TDL=700msec
後の時刻ということが判明する。
【0067】したがって、操作者は、このように遅延時
間TDLをダイナミックに変えて撮像した複数枚のMRA
像から最適な画像、すなわち最適な遅延時間TDLを目視
判定で決し、この遅延時間のパラメータを引き続き行う
イメージングスキャンに手動で反映させる処理を行う。
なお、ここでの「最適な」の用語は、同期タイミングの
与えられた設定法の条件下で「最も適切と思われる」を
意味する。
【0068】さらに、上述したECG−prepスキャ
ンにおいて、位相エンコード方向を大動脈流の走行方向
に沿った方向(体軸方向)に意図的に設定している。こ
れにより、位相エンコード方向をそれ以外の方向に設定
した場合に比べて、大動脈流の走行方向情報(方向性)
を欠落または落とさずに、より明瞭に撮像することがで
き、その描出能に優れている。この理由を以下に述べ
る。
【0069】一般に、肺血管や肝臓の血管(門脈)に代
表される血流はT2 時間が若干短い(T2 =100〜2
00ms)ことが知られている。このT2 時間の短めの
血流は、T2 時間が長いCSFや関節液(T2 >200
0ms)に比べて、信号の半値幅が広がることが分かっ
ている。このことは、例えば、文献「R. Todd Cons-tab
le and John C. Gore, "The loss of small objects in
Variable TE ima-ging: Implications for FSE, RARE,
and EPI", Magnetic Resonance in Medi-cine 28, 9-2
4, 1992 」に示されている。同文献によると、T2 時間
の異なる物質に対する信号値の広がりは、図6に示すよ
うに、“point spread function ”によって表される。
同図のグラフは、静磁場=1.5T、TEeff =240
ms、エコー間隔(ETS)=12msのときのもの
で、横軸が位相エンコード方向の画像上の画素数を表
し、縦軸が任意単位の信号強度である。これによると、
2 =2000msのCSFや関節液に比べて、T2
200msの血液(動脈)はその半値幅が広がってい
る。これは、T2 =200msの血液(動脈)はCSF
や関節液よりも、見掛け上、位相エンコード方向の幅が
伸びているのと等価であると言える。したがって、T2
=200msの血液(動脈)は、CSFや関節液に比べ
て、画像全体が位相エンコード方向に余計にぼけること
を示している。
【0070】そこで、位相エンコード方向を血流方向に
設定することで、T2 時間が短い血液の位相エンコード
方向の信号値のピクセル上の広がり(ぼけ)の度合い
が、T2 時間が長いものよりも大きいことを積極的に利
用でき、血流方向が強調されるのである。したがって、
上述したように、心電同期のための最適な(適切な)M
RA像(すなわち最適な(適切な)遅延時間)を選択す
るときに、その選択がより容易化される。
【0071】次に、この実施形態の心電同期イメージン
グスキャンの動作を図7〜図10を参照して説明する。
【0072】ホスト計算機6は、入力器13からの操作
情報に応答して図7に示す処理を実行する。
【0073】これを詳述すると、ホスト計算機6は、前
述したECG−prepスキャンを通して操作者が決め
た最適な(適切な)遅延時間TDLを入力器13を介して
入力する(ステップS20)。次いで、ホスト計算機6
は操作者が入力器13から指定したスキャン条件(画像
サイズ、スキャン回数、スキャン間の待機時間、スキャ
ン部位に応じたパルスシーケンスなど)および画像合成
処理法の情報(再構成画像での合成か周波数空間上での
合成か、加算処理か最大値投影(MIP)処理かなど。
加算処理の場合には、単純加算、加算平均処理、重み付
け加算処理のいずれかなど)を入力し、それらの情報を
制御情報に処理し、その制御情報をシーケンサ5および
演算ユニット10に出力する(ステップS21)。
【0074】なお、ホスト計算機6は、このステップS
21の処理において、画像合成を達成するためのスキャ
ン回数(すなわち同一撮像部位に何枚の画像を撮像する
か)に応じて、自動的に位相エンコード方向の変更角度
を演算し、スキャン毎の位相エンコード方向の角度変更
情報をパルスシーケンスに組み込んでシーケンサ5に送
るようになっている。この角度変更情報は例えば、画像
合成を行う画像枚数が2枚の場合、1回目のスキャンが
終わって2回目のスキャンを実行するときに、位相エン
コード方向を1回目のそれから90°変える、というも
のである。
【0075】次いで、スキャン前の準備完了の指示があ
ったと判断できると(ステップS22)、ステップS2
3で息止め開始の指令を音声発生器19に出力する(ス
テップS23)。これにより、音声発生器19は、EC
G−prepスキャン時と同様に「息を止めて下さい」
といった内容の音声メッセージを発するから、これを聞
いた患者は息を止めることになる(図9参照)。
【0076】この息止め開始を指令した後、ホスト計算
機6は所定の調整時間Tsp(例えば1秒)の間そのまま
待機し、患者が完全に息止め状態に移行したタイミング
を見計らう(ステップS24)。
【0077】この調整時間の待機が完了すると、ホスト
計算機6はECG信号に関する処理を順次実行する(ス
テップS25〜S27)。まず、ECG信号を入力し、
その信号にR波のピーク値が出現するまでECG信号を
監視しながら待機する。R波が出現し、そのピークに達
すると、そのピーク到達時刻からステップS20で読み
込んだ遅延時間TDLだけ待機する処理を行う(ステップ
S27)。この遅延時間TDLの値は、前述したようにE
CG−prepの事前スキャンにより対象とする血流や
組織を撮像する上で最もエコー信号の強度が高くなり、
撮像対象の描出能に優れる値に最適化されている。
【0078】なお、息止め指令から最初のR波出現まで
の調整時間Tsp′は、上述した値Tspに、この時間Tsp
経過後からR波出現までの任意時間βを加えた値にな
る。
【0079】この最適な遅延時間TDLが経過した時点が
心電同期タイミングであるとして、ホスト計算機6はシ
ーケンサ5にスキャンの開始を指令する(ステップS2
8)。この指令を受けたシーケンサ5は、既に送られて
記憶していたパルスシーケンス情報に応じて送信器8T
および傾斜磁場電源4を駆動し、イメージングスキャン
を実行する。このスキャン処理の一例を図8に、そのタ
イミングを図9にそれぞれ示す。
【0080】図8に示す処理例はスキャンの回数が2回
であって、後述する画像合成処理は2枚の再構成画像を
相互に加算処理するものである。このスキャン制御例を
説明する。
【0081】シーケンサ5は通常、ホスト計算機6から
イメージングスキャンの開始指令が送られてきたか否か
を判断しながら待機している(ステップS28−1)。
スキャンが指令されると、シーケンサ5は、指令されて
いる位相エンコード方向に基づく1回目のスキャンを実
行する(ステップS28−2)。この1回目のスキャン
の場合、例えば2D−FASE法が選択され、また位相
エンコード方向がZ軸方向に、読出し方向(周波数エン
コード方向)がX軸方向に各々設定されている(図9参
照)。この結果、例えば、肺野のスキャンに伴う1フレ
ーム分のMR原データ(生データ)が収集される。
【0082】このとき2D−FASE法によって患者P
から発生したエコー信号は、RFコイル7で受信され、
受信器8Rに送られる。受信器8Rではエコー信号に各
種の前処理が施され、デジタル量に変換される。このデ
ジタル量のエコーデータは演算ユニット10に送られ、
内蔵メモリに拠る例えば2次元k空間に配置される。こ
のk空間上のエコーデータの組は適宜なタイミングで例
えば2次元フーリエ変換して実空間断層像に変換され
る。この再構成画像データは記憶ユニット11に一時的
に格納されて2回目のスキャンを待つ。
【0083】シーケンサ5は1回目のスキャン指令後、
そのスキャンが完了したか否かを判断しながら待機して
いる(ステップS28−3)。
【0084】この後、シーケンサ5は2回目のスキャン
まで所定時間Twの間待機する(ステップS28−
4)。この待機時間Twは、1回目のスキャンに拠る原
子核スピンの挙動が励起パルス印加前の定常状態まで戻
るまで待つことを意図したものである。これにより、2
回目のスキャン時の原子核スピンの挙動が1回目のそれ
に殆ど影響されないから、T1緩和時間の多少の影響が
少なくなり、2回のスキャンに伴うエコーデータのばら
つきが少なくなる。この待機時間Twとしては、例えば
6秒程度のオーダである。なお、術者が入力器13を介
して待機時間Twの長短を調節するようにすることも、
望ましい態様の1つである。
【0085】この待機時間Twが経過すると、シーケン
サ5はECG信号を入力し、その中のR波ピークの出現
を待つ(ステップS28−5,6)。このため、実際の
待機時間Tw′は指定待機時間Twに、この時間Tw経
過からR波出現までの任意時間βを加えた値になる。R
波が出現すると、再び、最適化された遅延時間TDLの間
は待機状態となる(ステップS28−7)。
【0086】この遅延時間TDL経過後に、シーケンサ5
は2回目のスキャンを1回目と同じスライスについて同
様に実行する(ステップS28−8)。ただし、このと
きの位相エンコード方向は、予め設定されている角度だ
け変更されてスキャンが実施される。例えば、1回目の
位相エンコード方向から90°ずれた方向に、2回目の
スキャン時の位相エンコード方向が設定されている。一
例として、位相エンコード方向がX軸方向に、読出し方
向(周波数エンコード方向)がZ軸方向に各々変更され
る。このエンコード状態で2回目のスキャンが実施され
(図9参照)、収集されたエコー信号の処理は1回目の
ときと同じである。
【0087】そして、シーケンサ5は2回目のスキャン
完了が判断できると、スキャン完了の通知をホスト計算
機6に対して行う(ステップS28−9,10)。
【0088】図7のステップS29において待機してい
たホスト計算機6は、シーケンサ5からのスキャン完了
通知を受ける。これにより、ホスト計算機6は息止め解
除の指令を音声発生器19に出力する(ステップS3
0)。このため、音声発生器19は、例えば「息をして
結構です」といった音声メッセージを患者に向けて発
し、息止め期間が終わる(図9参照)。
【0089】この一連のデータ収集処理が終わると、ホ
スト計算機6は、演算ユニット10に対して記憶ユニッ
ト11に一次格納されている2回のスキャンに拠る再構
成画像A,Bの合成処理および表示を指令する(ステッ
プS31)。この合成処理の方法は前記ステップS21
の入力処理で認識できているから、その方法で画像合成
を行って1枚の合成画像Cを生成する。合成処理法とし
ては、いまの場合、2枚の画像A,Bを画素値毎に加算
する加算処理や、2枚の画像A,Bの最大値投影処理が
使用できる。加算処理の場合、単純加算、加算平均、重
み付け加算のいずれかの方法が指令されているので、そ
の方法に沿って行う。この結果、図9に模式的に示す如
く、2枚の再構成されたMRA画像A,Bから合成画像
Cが得られる。
【0090】このように本実施形態によれば、心電同期
イメージングスキャンを行うときの同期タイミング(上
述した遅延時間TDL)が複数の心拍を利用して適切に設
定されるので、血流などの撮像対象が発生するエコー信
号が最も高くなる状態でイメージングスキャンが実施さ
れる。血流速度が相対的に遅かったり、フローボイド現
象に因ってエコー信号の強度が相対的に低下または殆ど
零となる状態を確実に回避できる。最適化された同期タ
イミングで安定した、高描出能のMRA像を提供するこ
とができる。また高速SE系のパルスシーケンスを使用
すると、サスセプタビリティや形態の歪みの点での優位
性も当然に享受することができる。
【0091】これを従来の心電同期法と比較する。従来
のように、心電図波形の例えばR波のピーク時間から常
に一定の遅延時間経過後に、イメージングシーケンスを
実行する場合、R波出現の直後に発生する乱流的な血流
時間帯を回避し、血流状態が比較的安定している時間帯
を選択してスキャンできる。これにより、乱流的な血流
の影響を排除でき、安定した血流状態でのエコー信号を
周波数空間の位相エンコード方向の中心域に配置して、
再構成した画像のコントラストを高めることはできる。
【0092】しかし、一定の遅延時間がいつも妥当とは
限らず、例えば、心電同期法を使って横緩和時間が短め
の組織や血流などを撮像する場合でも、被検体の固体差
や撮像部位の違い、さらにはパルスシーケンスの種類に
応じて適正な同期タイミングが存在する筈である。この
同期タイミングに過不足があると、心筋から駆出された
血液の流れが未だ撮像部位まで十分には到達していなか
ったり、その反対に駆出血液の流れが既に撮像部位を抜
けてしまい、エコー信号が生じないフローボイド(flow
void )現象が発生してしまう。
【0093】このような撮像時間の比較的長いSE系の
シーケンスと心電同期法を併用して横緩和時間が短めの
組織や血流などを撮像する場合、エコー信号値が最強に
なる同期タイミングの最適化を考慮した手法が従来では
知られていなかったが、本発明により、そのような事態
を解消できる。1回の励起に伴う撮像時間が長いため、
1心拍内で同期タイミング(時相)変えて複数回スキャ
ンすることは実際上困難であるが、本発明のように複数
心拍にわたってECG−prepスキャンを考え、その
内の複数のR波に別々の同期タイミングを割り当てるこ
とで、ダイナミックに同期タイミングを変えてスキャン
できる。この結果、同期タイミングの相違を反映し、比
較的コントラストの良い、しかも、R波出現直後の乱流
発生の影響を回避した準備用MRA像が複数枚得られ
る。この画像を用いて同期タイミングを事前に最適に
(適切に)設定でき、したがって上述した各種の効果を
享受することができる。
【0094】また、このように同期タイミングが予め最
適化されるから、撮像のやり直しを行う必要も殆ど無く
なり、操作者の操作上の負担も軽減するとともに、患者
スループットの向上も可能になり、さらに患者の負担も
軽減または抑制される。
【0095】ところで、本実施形態によれば、位相エン
コード方向を変えて収集したエコーデータの複数枚の画
像から新規な合成画像を得ることができる。この合成画
像は位相エンコード方向の変更制御に拠って、とくに、
2 緩和時間の短めな血流の描出能に優れている。
【0096】この理由は、前記図6で説明した位相エン
コード方向の画素値の強調(ぼけ)の効果を積極的に利
用し、この強調効果を得た画像を複数枚合成することに
ある。これを図10で模式的に説明する。同図に示すよ
うに、血管B1からその直交方向に枝分かれした血管B
11があって、例えば1回目のスキャン時の位相エンコ
ード方向が血管B1の走行方向に略一致し、2回目のス
キャン時の位相エンコード方向が枝分かれした血管B1
1に略一致しているとする。同図(a)に示すように、
1回目のスキャンに拠る位相エンコード方向の信号値の
広がりに拠って各画素が疑似的に伸びたものと等価にな
り、その位相エンコード方向と略一致している血管B1
はぼけに因って強調され、反対に、これに直交する方向
の血管B11はぼけてしまう。しかし、2回目のスキャ
ンでは位相エンコード方向が90°変更されるので、今
度は反対に同図(b)に示すように、一方の血管B1は
ぼけるが、もう一方の血管B11はぼけに因って強調さ
れる。
【0097】上述した実施形態では、同図(a)および
(b)の再構成画像が画素毎に加算(合成)されるの
で、同図(c)に示す如く、両方の位相エンコード方向
の血流B1,B11の画像が共に消失されずに残る。し
かも、位相エンコード方向にぼけるとはいえ、加算処理
の場合には、2枚の画像を画素毎に加算しているからア
ベレージング法の利点も享受でき、併せて血流の信号値
を上げ、S/Nを向上させる。図10では直交する2方
向についてのみ説明したが、血流B1が1回目の位相エ
ンコード方向から多少ずれていても、また血流B11が
2回目のそれから多少ずれていても、かかる利点を多少
とも享受できる。したがって、縦横無尽に走行している
肺血管などの血管に対し、その走行方向情報を殆ど欠落
させることなく、高いS/Nおよび実質部の高いコント
ラストで描出することができ、診断能の向上に寄与可能
になる。
【0098】従来の位相エンコード方向が固定のアベレ
ージング法の場合には、S/N比向上は見込めるもの
の、例えば図10(a)に示す方向に位相エンコード方
向を設定したときには、血流B11が位相エンコード方
向のぼけに因って目視で識別困難になるか、または、消
失してしまうことがあった。また同図(b)に示す方向
に位相エンコード方向を設定したときには、血流B1が
同様の問題に直面していた。しかしながら、本実施形態
によって、そのような状態を回避し、とくに、肺野や肝
臓の血管などT2 時間が短めの血管についてその走行方
向の情報量を低下させることなく描出することができる
ようになった。
【0099】さらに、上述した実施形態の場合、1回の
息止め期間に2回全部のイメージングスキャンを終える
ようにしている。このため、肺などの周期的運動による
体動アーチファクトの発生を抑制できるとともに、複数
回にわたって息止め撮像をするときの患者の体自体の位
置ずれに因る体動アーチファクトの発生も合わせて低減
できる。これにより、アーチファクトのより少ない高品
質のMR像を提供できる。
【0100】また、2回のスキャンの間にスピンの回復
を待つ待機時間を設定しているから、2回目のスキャン
もより的確に実行でき、高品質の画像を提供できる。
【0101】さらに、そのような待機時間を設定したと
しても、多くの場合、1回目、2回目のスキャンは1.
5秒程度、待機時間は4秒程度で済むので、息止めの期
間は6秒ちょっとで済む程度である。したがって、患者
の1回の息止めの継続時間は短くて済み、子供や高齢者
にとっても、息止めに関する精神的、体力的負担が軽い
という利点もある。
【0102】第2の実施形態 本発明の第2の実施形態を説明する。なお、この第2〜
第5の実施形態は、上述のECG−prepスキャンを
通して最適化された遅延時間TDLを用いる心電同期イメ
ージングスキャンのほかの例に関する。
【0103】前述した第1の実施形態のイメージングス
キャンは、位相エンコード方向を変えて合計2回のスキ
ャンを行うものであったが、本発明はこれに限定される
ものではない。そこで、この第2の実施形態のMRI装
置では、図11に示す如く、位相エンコード方向を変え
て合計4回のイメージングスキャンを順次、所定待機時
間毎に実施し、これにより45°ずつ位相エンコード方
向が異なった4フレーム分のMR原データを得る。各回
のイメージングスキャンは心電同期法としてのECGゲ
ート法を採用し、その同期タイミングは、事前に実施さ
れるECG−prepスキャンを通して最適化された遅
延時間TDLで決められる。画像処理の一例としては、原
データをそれぞれのフレームで画像再構成し、4枚の再
構成画像を合成処理(加算処理または最大値投影処理)
を行う。これによっても、上述した実施形態のものと同
等またはそれ以上に、位相エンコード方向のより細かい
角度制御に拠って、血管の走行情報が豊富なMR画像を
得ることができる。
【0104】すなわち、加算(合成)する画像枚数n
(すなわち位相エンコード方向の変更回数)はn≧2で
あればよい。
【0105】第3の実施形態 第3の実施形態を図12〜13を参照して説明する。こ
の実施形態は3次元の心電同期イメージングスキャンに
関する。
【0106】この3次元の心電同期イメージングスキャ
ンの場合、スライス方向を不変とした状態で、位相エン
コード方向と読出し方向をスキャン毎に交換しながら
(インターリーブさせながら)、複数個のスライスエン
コード量に応じた複数回のスキャンが実行される。具体
的な一例として、図12に、ホスト計算機6およびシー
ケンサ5によって指令される心電同期イメージングスキ
ャンのシーケンス(前述したECG−prepスキャン
の後で実施される)の一例を示す。各スライスエンコー
ド量に応じたスキャンでは、位相エンコード方向を変え
る手法のほか、ECGゲート法および息止め法が採用さ
れている。心電同期タイミングは、事前に実施されるE
CG−prepスキャンを通して最適化された遅延時間
TDLで決められる。例えば、図13(a),(b)に示
す如く、腹部を3次元撮像する場合のボリューム領域の
データ収集は、RLse1 ,HFse1 ,RLse2 ,HFse
2 ,…,RLsen ,HFsen の順序で各スライスエンコ
ード量に応じたスキャンが2n回(nは2以上の整
数)、例えば3D−FASE法で実施される。
【0107】スキャンRLseまたはHFseは、ボリュー
ム領域の3次元原データを提供するスライスエンコード
傾斜磁場による各スライスエンコード量に対する心電同
期のシングルスキャンを表す。しかし、スキャンRLse
とスキャンHFseでは位相エンコード方向が異なる。ス
キャンRLseの場合、図13(b)の実線矢印X1で示
すように、位相エンコード方向が患者の体の左右RL方
向に設定される。これに対し、スキャンHFseの場合、
同図の点線矢印X2で示すように、位相エンコード方向
は患者の上下(頭部/脚部)HF方向に設定され、左右
方向とは90度異なる。添字se1…senは、各スキ
ャンに対するスライスエンコードの傾斜磁場量を表す。
この例示シーケンスでは、同一のスライスエンコード量
se1(…sen)について第1、第2の2回の心電同
期スキャンが実施され、この1組のスキャンがスライス
エンコード量を変えながら順次繰り返される。この3次
元スキャンの場合、全体の撮像時間は比較的長くなるの
で、息止めは複数回に別けて実施される。
【0108】画像再構成は、位相エンコード方向が左右
RL方向に設定された3次元原データの1組で、また位
相エンコード方向が上下HF方向に設定された3次元原
データの別の1組で個別に実施される。両方の3次元の
再構成データは画素毎に合成され、最終的な3次元のM
RAデータとなる。
【0109】この3次元撮像によっても、前述した実施
形態のものと同等に、最適化された心電同期タイミング
による描出能の向上を初めとして、血流の方向性の確保
などの作用効果を得ることができる。
【0110】第4の実施形態 本発明の第4の実施形態を図14〜15を参照して説明
する。この例はマルチスライス・イメージングスキャン
に関する。
【0111】図14は、ホスト計算機6およびシーケン
サ5により指令される心電同期イメージングスキャンの
シーケンスを例示している。このシーケンスでは、第3
の実施形態と同様に、位相エンコード方向の制御、心電
同期法としてのECGゲート法、および1回息止め法の
各手法が採用されている。ECGゲート法による同期タ
イミングは、事前に実施されるECG−prepスキャ
ンを通して最適化された遅延時間TDLで決められる。
【0112】例えば、4枚のマルチスライスイメージン
グで腹部を撮像する場合、図15に示す如く、各スライ
スに対応したスキャンRL1,RL2,RL3,RL
4,HF1,HF2,HF3,HF4,…の順序で例え
ば2次元FASE法に基づきデータ収集される。第3の
実施形態と同様に、スキャンRLは位相エンコード方向
が左右RL方向、スキャンHFはそれが上下HF方向で
あることを示し、各回のスキャンにより各スライスの2
次元原データが生成される。互いに位相エンコード方向
が90度異なる2フレームの再構成画像データが画素毎
に合成され、各スライス面のMRA像データがつくられ
る。このため、高い血流方向の検出能が確保される。ま
た、当然に、前述したECGゲート法や息止め法の効果
もこのマルチスライスイメージングにおいて併せて発揮
される。
【0113】なお、このマルチスライスイメージングの
スキャン順序は、RL1,HF1,RL2,HF2,…
といった具合に任意の順に変更してもよい。
【0114】なお、上述した各実施形態にあっては、イ
メージングスキャン時に位相エンコード方向を変えて複
数回のスキャンを行うように設定していたが、本発明は
必ずしもそのように位相エンコード方向を変える必要は
ない。予め定めた一定方向の位相エンコード方向のまま
複数回のスキャンを行って複数組の画像データを生成
し、その複数組の画像データをアベレージングして1組
の画像データを得るように構成してもよい。
【0115】第5の実施形態 本発明の第5の実施形態を図16〜18に基づき説明す
る。本実施形態は、複数種類の対象を撮像する場合に本
発明を適用したものである。
【0116】前述の各実施形態は、ECG−prepス
キャンにより最適設定するECGゲート法(心電同期
法)の同期タイミング(遅延時間TDL)は1つの量、す
なわち1つの固定同期タイミングであった。
【0117】撮像対象が1種類であるときは、この1つ
の同期タイミングでも間に合うが、撮像対象が図16に
示す如く、患者の大動脈ARと肝臓門脈PVであるとす
ると、前者はほぼ体軸方向に沿って走行し、後者は体軸
方向に直交する左右方向に沿って走行する部分が多い。
つまり、撮像対象としての血管の種類が異なると、その
走行方向も異なり、ECGゲート法における最適な同期
タイミングも異なることが一般的と想定される。そこ
で、本実施形態のMRI装置は、ECGゲート法の同期
タイミングの数を撮像対象の種類、すなわち血管や組織
の走行方向の違いに応じて複数個、設定することを特徴
とする。
【0118】具体的には、ホスト計算機6およびシーケ
ンサ5は共働して図17に示すように、心電同期イメー
ジングスキャンに先立って、合計2回のECG−pre
pスキャンを順次実行するようになっている。最初のE
CG−prepスキャン#1では、位相エンコード方向
を例えば上下(体軸)HF方向に設定した状態で前述し
た図3、4に示すECG−prepスキャンが、一例と
して2次元FASE法により実行される。この第1回目
のECG−prepスキャンにより、図16に示す例で
言えば、大動脈ARの走行方向の情報収集が重視された
状態で、複数時相のスキャンが前述の如く実行される。
この結果、大動脈ARからのMR信号の強度が最大にな
る最適遅延時間TDL=α1が設定される。
【0119】第2回目のECG−prepスキャンで
は、位相エンコード方向を例えば左右RL方向に設定し
た状態で前述した図3、4に示すECG−prepスキ
ャンが同じく2次元FASE法により実行される。この
第2回目のECG−prepスキャンにより、図16に
示す例で言えば、門脈PVの走行方向の情報収集が重視
された状態で、複数時相のスキャンが前述の如く実行さ
れる。この結果、門脈PVからのMR信号の強度が最大
になる最適遅延時間TDL=α2が設定される。
【0120】その後、ホスト計算機6およびシーケンサ
5は共働して、この2種類の遅延時間TDL=α1,α2
を使い、3次元FASE法に基づく心電同期イメージン
グスキャンを実行する。このイメージングスキャンのシ
ーケンス例を図18に示す。同図に示すように、1回目
の1つ目のスライスエンコード量se1に対するスキャ
ンのときには、門脈PVの走行方向に合わせた遅延時間
TDL=α2に同期してスキャンされる。そして、これに
呼応して、スキャンが位相エンコード方向=左右RL方
向で且つスライスエンコード量se1の状態で3次元F
ASE法に基づき実行される。さらに、2回目の1つ目
のスライスエンコード量se1に対するスキャンのとき
には、大動脈ARの走行方向に合わせた遅延時間TDL=
α1に同期してスキャンされる。そして、これに呼応し
て、スキャンが位相エンコード方向=上下HF方向で且
つスライスエンコード量se1の状態で3次元FASE
法に基づき実行される。
【0121】以下、同様に、スライスエンコード量se
を変えながら、遅延時間TDL=α2に基づく位相エンコ
ード方向=左右RL方向の心電同期イメージングスキャ
ンと、遅延時間TDL=α1に基づく位相エンコード方向
=上下HF方向の心電同期イメージングスキャンとが交
互に繰り返される。この一連のスキャンによって収集さ
れたエコー信号は、第1の実施形態と同様に処理され、
表示される。
【0122】このように、個別のECG−prepスキ
ャンにより、ECGゲート法のための同期タイミング
(遅延時間)が位相エンコード方向を2種類の撮像対象
の走行方向に合わせて個別に設定され、この2つの量の
同期タイミングそれぞれに基づき2種類の撮像対象(大
動脈や門脈)の走行方向に合わせた位相エンコード方向
で心電同期イメージングスキャンが行われ、MR画像が
生成される。
【0123】このため、位相エンコード方向を2種類の
撮像対象それぞれに合わせて撮像するときの前述した効
果は勿論のこと、ECGゲート法の同期タイミング自体
を、患者別に、撮像対象別に、かつ、使用するパルスシ
ーケンス別に対応して設定している。したがって、例え
ば血流速度の如何を問わず、目的とする血管からの信号
値が最も大きい状態での心電同期イメージングスキャン
が行われるので、2種類の撮像対象が確実に捕捉され
る。つまり、全部の撮像対象の走行情報が十分に確保さ
れ、高描出能で、高いS/NのMR画像が提供される。
【0124】なお、上述の説明は撮像対象が大動脈と門
脈の2種類である場合であったが、3種類以上の撮像対
象であっても同様で、その種類数だけのECG−pre
pスキャンを実施して撮像対象別の同期タイミングを設
定すればよい。また、この複数個の同期タイミングを使
用する心電同期イメージングスキャンは、図18の3次
元FASE法による3次元撮像に限定されることなく、
図9に示した2次元FASE法によるシングルスライス
撮像や、図14に示した2次元FASE法によるマルチ
スライス撮像であってもよい。さらに、それらの撮像に
使用するパルスシーケンスもFASE法に限定されるこ
となく、高速SE法であっても、またFE系のパルスシ
ーケンスであってもよい。
【0125】第6の実施形態 本発明の第6の実施形態を図19〜図23に基づき説明
する。
【0126】この実施形態に係るMRI装置は、パルス
シーケンスとして心臓系の撮像に好適なセグメンテッド
(segmented )FFE法(以下、segFFE法と呼
ぶ)を採用したことを特徴とする。一例として、ECG
−prepスキャンを2次元のsegFFE法で実施
し、その後の心電同期イメージングスキャンを3次元の
segFFE法で実施する場合を説明する。このよう
に、ECG−prepスキャンの次元を減らすことで、
心電同期タイミングの測定時間を短縮させることができ
る。
【0127】このsegFFE法を採用したシーケンス
の具体例を図19〜21に示す。図19にはECG−p
repスキャンの概要を、図20にはECG−prep
スキャンの2次元segFFE法に依るパルスシーケン
スの一例をそれぞれ示す一方で、図21には心電同期イ
メージングスキャンの概要を、図22には心電同期イメ
ージングスキャンの3次元segFFE法に基づくパル
スシーケンスの一例をそれぞれ示す。このECG−pr
epスキャンおよびイメージングスキャンには図示して
いないが、息止め法が併用される。
【0128】ECG−prepスキャンは「シングルス
ライス・マルチフェーズ」と呼ばれる方式を採用してい
る。ホスト計算機6はシーケンサ5に対してこの方式に
基づく2次元segFFE法のパルスシーケンスを指令
する。
【0129】この「シングルスライス・マルチフェー
ズ」方式によれば、スライス用傾斜磁場GS およびRF
周波数で決まるシングルスライスに対して複数の時相の
エコーデータを一度に収集することができる。このた
め、そのスライスに撮像目的の血管が入るようにそのス
ライス厚さが決められる。
【0130】これを具体的に説明すると、セグメントと
呼ぶ一塊の連続データが得られるECG信号のR−R波
間において、R波ピーク値の出現時刻から遅延時間TDL
=α1が経過した時刻から、図19、20のセグメント
1のフェーズ1で示す如く、複数組のRF励起およびF
E法によるエコー収集が繰り返される(ここでは4個の
エコー信号収集)。これにより収集された複数個(ここ
では4個)のエコー信号は受信処理を経て、演算ユニッ
ト10に送られる。演算ユニット10には、位相エンコ
ード方向を複数個(ここでは4個)に分割してk空間が
複数個(ここでは5個)形成されており、フェーズ1で
収集された複数個のエコー信号はその位相エンコード量
に応じて最初のk空間KS1の各分割領域の最初のライ
ンに配置される(図19参照)。
【0131】さらに、R波ピーク値の出現時刻から遅延
時間TDL=α2(>α1)が経過した時刻から、セグメ
ント1のフェーズ2で示す如く、複数組のRF励起およ
びFE法によるエコー収集が繰り返される。この結果得
られたエコー信号は、次のk空間KS2の各分割領域の
最初のラインに配置される。遅延時間TDL=α3(>α
2),α4(>α3),α5(>α4)のそれぞれにつ
いても同様にして4個のエコー信号が収集され、3番
目、4番目、および5番目のk空間KS3,KS4,お
よびKS5の各分割領域の最初のラインに配置される。
この結果、5個のk空間それぞれの各分割領域の最初の
ラインにエコーデータが配置される。
【0132】次いで、次のR−R波間であるセグメント
2に対しても同様のエコー収集および配置が実行され
る。ただし、このときの収集データは各k空間の各分割
領域の次のラインに配置される。以下、同様にセグメン
ト3、4、および5について実行される。
【0133】したがって、このECG−prepスキャ
ンが終了すると、5個のk空間全部のデータ配置が完了
している。演算ユニット10はこれら5個のk空間のデ
ータを2次元フーリエ変換して、5枚の実空間画像を再
構成する。つまり、遅延時間TDL=α1,α2,α3,
α4,α5の時相の準備用画像を1回のスキャンで一度
に得ることができる。そこで、オペレータは、この5枚
の準備用画像を例えば目視観察して、撮像部位が最も明
瞭に表示されている画像、すなわち最適な遅延時間TDL
の値を特定する。
【0134】次いで、適宜なタイミングで、ホスト計算
機6はシーケンサ5に対して3次元segFFE法の心
電同期イメージングスキャンを図21、22に示す如く
指令する。このイメージングスキャンで用いられている
最適遅延時間TDL=αmは、上述のECG−prepス
キャンで設定された値である。
【0135】このイメージングスキャンの各セグメント
に対するパルス列は、最初に印加するMT(magnetizat
ion transfer)効果を与えるMTパルスPmtと、その
次に印加する脂肪抑制用の化学選択パルスPchess と、
その次に各傾斜磁場方向に印加するディフェーズ用のス
ポイラパルスSPs,SPr,SPeとを準備用パルス
列として含む。この準備用パルス列の後には、フィール
ドエコーを収集するためのデータ収集パルス列Pacq
を配置してある。このイメージングスキャンは3次元ス
キャンであるので、位相エンコード用傾斜磁場GE1の他
に、スライス用傾斜磁場GE2が印加される。
【0136】このセグメント化された複数個のエコー信
号は、そのスライスエンコード量および位相エンコード
量に応じて演算ユニット10の3次元k空間に配置され
る。この配置データはその後、3次元フーリエ変換によ
り実空間データに再構成され、さらに例えばMIP処理
により2次元画像に変換される。
【0137】このように本実施形態によれば、前述した
実施形態のように位相エンコード方向を空間的に変えて
複数回スキャンするスキャン法を採用していないが、s
egFFE法を用いて心臓系を確実に撮像することがで
きる。とくに、このときの心電同期タイミングを事前に
最適化しているので、心臓系の速い血流をも確実に捕捉
することができる。
【0138】この心電同期タイミングは上述のように
「シングルスライス・マルチフェーズ」方式で測定され
るので、1回のECG−prepスキャンで複数の時相
の画像を一度に得ることができる。つまり、複数回のE
CG−prepスキャンを行う必要がなく、全体の撮像
時間を短縮でき、患者スループットを向上させる。
【0139】なお、このsegFFE法を用いたECG
−prepスキャンは上述の「シングルスライス・マル
チフェーズ」方式に限定されるものではなく、例えば、
図23に示す如く、「マルチスライス・シングルフェー
ズ」方式を簡便的な手法として採用することもできる
(ここでのシングルフェーズは各スライスに1つのフェ
ーズを意味する)。同図に示す如く、各セグメントにお
けるスライス1の複数個のエコー信号を集めて1枚のス
ライス#1のk空間KS1を埋める。また、各セグメン
トのスライス2の複数個のエコー信号を集めて別の1枚
のスライス#2のk空間KS2を埋める。同様に、各セ
グメントのスライス3,4,5の複数個のエコー信号を
それぞれ集めて別の1枚のスライス#3,#4,#5の
k空間KS3,KS4,KS5をそれぞれ埋める。これ
により、遅延時間TDL=α1、α2、α3、α4、α5
で決まる、収集時相が相互に異なる複数枚のスライス#
1〜#5の画像が1回のsegFFE法のスキャンで得
られる。
【0140】この複数枚のスライス#1〜#5は互いに
近接しているので、撮像部位の心電同期タイミングを共
にほぼ正確に反映した1枚のスライス(画像)であると
見做しても差支えない場合も多い。このような場合、こ
の複数枚の画像を1枚の画像として扱い、これらの画像
から最適な遅延時間を設定すればよい。とくに、この簡
便な「マルチスライス・シングルフェーズ」方式を使用
できる場合、SAR(RF被爆)の点で「シングルスラ
イス・マルチフェーズ」方式よりも有利である。
【0141】なお、このsegFFE法と同様の手法を
EPI法にも適用できる。つまり、ECG−prepス
キャンは2次元のEPI法で実施し、これにより最適化
した遅延時間を用いて3次元のEPI法に基づくイメー
ジングスキャンを実行するものである。
【0142】第7の実施形態 本発明の第7の実施形態を図24〜図26に基づき説明
する。
【0143】この実施形態のMRI装置は、ECG−p
repスキャンにより得られた複数時相の画像データか
らの最適遅延時間の選択処理およびその遅延時間のイメ
ージングスキャンへの反映処理を省力化することに特徴
を有する。
【0144】この特徴を達成するため、ホスト計算機6
は図24に示す一連の処理を行う。前述した各実施形態
のように、ECG−prepスキャンにより複数時相
(遅延時間)の準備用画像が得られると、ホスト計算機
6は図24の処理に移行し、その複数の準備用画像IM
1〜IM5を図25に示す如く表示する(ステップS4
1)。この準備用画像IM1〜IM5のそれぞれには遅
延時間TDLの値も重畳表示される(ステップS42)。
【0145】この表示が済むと、ホスト計算機6はライ
ンROIを図25に示す如く、準備用画像IM1〜IM
5の初期位置に重畳表示する(ステップS43)。次い
で、入力器13からの入力信号を読み込み、オペレータ
の指定に応じてROI位置を調整し、ROI位置がそれ
でOKか否かを判定する(ステップS44,S45)。
これにより、オペレータとの間で対話的にオペレータが
望む例えば血管上の位置にラインROIが設定される。
【0146】このROI設定が終わると、ホスト計算機
6は各準備用画像IM上の指定ライン位置の画素につい
て信号強度分布DSを演算し、その分布DSを各画像上
に重畳表示する(ステップS46、S47)。この表示
の一例を図26に示す。
【0147】ホスト計算機6は信号強度(画素値)分布
の例えば最高値を呈する画像(分布)を特定する(ステ
ップS48)。この「最高値」は、ROI位置の信号強
度が最も大きい画像(分布)を特定するための1つの指
標であり、これ以外の指標を用いてもよい。なお、ライ
ンROIの代わりに矩形状のROIを用い、信号強度分
布の代わりにヒストグラムを用いてもよい。
【0148】次いで、ホスト計算機6は特定された準備
用画像、すなわちその画像の時相(遅延時間)TDLを最
適な心電同期タイミングとして確定し、その値を内部メ
モリに記憶する(ステップS49)。この記憶された遅
延時間TDLは、イメージングスキャン時にそのメモリか
ら自動的に読み出される。すなわち、前述した図7のス
テップS20の処理に対応するステップS50の処理に
おいて、手動により指定されるのではなく、既に記憶し
ていた最適遅延時間TDLが自動的に読み出される。
【0149】これにより、ECG−prepスキャンを
撮像時間の短い2次元スキャンのFASE法、EPI
法、segFFE法で行い、最適な心電同期タイミング
をオペレータとの間でインターラクティブに確定し、そ
の心電同期タイミングをイメージングスキャンに自動的
に反映させることができる。
【0150】したがって、オペレータがECG−pre
pスキャンで得た複数の準備用画像を判定するときの労
力を軽減し、また判定誤差を減らして、より正確な心電
同期タイミングを求めることができる。これにより、心
電同期イメージングスキャンにおける血流の捕捉能力を
高めることができる。また、ECG−prepスキャン
に基づく心電同期タイミングの決定結果を自動的に心電
同期イメージングスキャンに反映させるので、この点か
らも操作上の労力が著しく軽減される。
【0151】なお、上記実施形態では複数枚の準備用画
像の内の最も適切と思われる画像を信号強度分布などの
演算結果から選択的に決め、その画像に割り当てられて
いる遅延時間TDLを適切な同期タイミングとして決する
ように構成したが、本発明にかかる同期タイミングの決
定方法はこれに限定されるものではない。要するに、複
数枚の準備用画像のデータを利用して適切を思われる同
期タイミングを選択または決定するものであればよい。
【0152】例えば、上述の実施形態で複数枚の準備用
画像から2枚以上の準備用画像を適切に選択し、これら
の選択画像に割り当てられている複数の遅延時間値から
カーブフィッティング法などの周知の手法に基づき、最
適な遅延時間を更に演算して求めるようにしてもよい。
【0153】例えば、準備用画像を表示することなく、
信号強度分布やヒストグラムなどを画像データから自動
的に演算し、その演算結果を所定のアルゴリズムで自動
的に判定し、その判定結果から同期タイミングを自動的
に決めるようにしてもよい。この同期タイミングは前述
したように自動的にECG−ゲートのイメージングスキ
ャンに反映させることで、ECG−prepスキャンと
イメージングスキャンの間で同期タイミング設定に関す
るオペレータの手間を全く不要にすることができる。
【0154】ところで、上述した各実施形態およびその
変形例では、MRアンギオグラフィ(MRA)を目的と
していたが、撮像対象は血管のみに限定されず、繊維状
に走行する組織等、任意の対象のものであってよい。と
くに、T2 時間が短めなものであれば、本発明に係るE
CG−prepスキャンおよびその後のイメージングス
キャンを好適に実施できる。
【0155】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のMRI装
置およびMR撮像方法によれば、心電同期法を併用して
撮像する場合、1回のRF励起(1ショット)に伴う撮
像時間の長短に関わらず、複数心拍それぞに対する準備
用MRスキャンの実行を通して、心電同期法の同期タイ
ミング(時相)が予め適切に決定される。このため、イ
メージング用スキャンとして心電同期スキャンを行うと
きの同期タイミングが診断部位を流れる血流などの撮像
対象にとって適切な状態となり、撮像対象から発生する
エコー信号の強度が最も高くなる。この結果、いわゆる
フローボイド現象などに因ってエコー信号の強度が相対
的に低下または殆ど零となる状態を確実に回避でき、撮
像対象自体の描出およびその方向性の情報量を向上させ
た視認性の良い高描出能のMR像を安定して提供するこ
とができる。
【0156】とくに、例えばT2 時間がT2 =100〜
200msと短めの血液を撮像するときに、その効果が著
しく発揮される。同時に、準備用スキャンに息止め法を
併用することで、体動アーチファクトの少ない、高品質
のMR画像を準備でき、これにより心電同期の同期タイ
ミングの設定精度を更に向上させることができる。
【0157】また、本発明によれば、心電同期タイミン
グの適切化を図る際、少なくとも準備用MRスキャンに
おいて、その位相エンコード方向を撮像対象の走行方向
に合わせるため、例えば横緩和時間が短めの組織や血流
の走行方向をも確実に描出でき、その走行情報を豊富に
提供することができる。
【0158】さらに、本発明によれば、心電同期タイミ
ングの適切化の操作をオペレータとのインターラクティ
ブな操作や自動演算により極力、省力化および自動化す
る一方で、確定した最適な心電同期タイミングをイメー
ジング用MRスキャンに自動的に反映するようにしてい
るので、オペレータの操作上の手間や負荷を軽減でき、
さらに患者スループット向上にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るMRI装置の構成の一
例を示す機能ブロック図。
【図2】実施形態におけるECG−prepスキャンと
心電同期イメージングスキャンの時間の前後関係を説明
する図。
【図3】コントローラが実行するECG−prepスキ
ャンの手順を例示する概略フローチャート。
【図4】ECG−prepスキャンの一例を示すタイミ
ングチャート。
【図5】ECG−prepスキャンにより得られた、遅
延時間をダイナミックに変化させたときの肺野のMRA
像を模式的に写生した図。
【図6】位相エンコード方向の信号値の広がりを説明す
る図。
【図7】実施形態にてホスト計算機が実行するイメージ
ングスキャンの処理例を示す概略フローチャート。
【図8】同実施形態にてシーケンサが実行するスキャン
制御の処理例を示す概略フローチャート。
【図9】同実施形態におけるイメージングキャンのスキ
ャン順と画像合成の関係を模式的に説明する図。
【図10】単独スキャン時の異なる位相エンコード方向
における見掛け上の信号値の広がりを反映した画素列と
画像合成時のそれを例示する模式図。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るイメージング
スキャンのスキャン順と画像合成の関係を模式的に説明
する図。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る3次元イメー
ジングスキャンのスキャン順と画像合成の関係を模式的
に説明する図。
【図13】3次元スキャンに係るボリューム領域と傾斜
磁場方向の設定の関係を説明する図。
【図14】本発明の第4の実施形態に係るマルチスライ
ス・スキャンのスキャン順と画像合成の関係を模式的に
説明する図。
【図15】マルチスライス・スキャンに係るスライス面
の位置関係を説明する図。
【図16】本発明の第5の実施形態に係るECG−pr
epスキャンの撮像対象別の位相エンコード方向の設定
を説明する図。
【図17】2段階のECG−prepスキャンの時間関
係を説明する図。
【図18】2つの値の同期タイミングを用いた心電同期
イメージングスキャンを説明する部分的タイムチャー
ト。
【図19】本発明の第6の実施形態に係るECG−pr
epスキャンのseg.FFE法のシーケンス、収集時
相、およびエコーデータ配置の関係を説明する図。
【図20】2次元seg.FFE法のパルス列の一例を
説明するシーケンス。
【図21】第6の実施形態に係るイメージングスキャン
のseg.FFE法のシーケンス、収集時相、およびエ
コーデータ配置の関係を説明する図。
【図22】3次元seg.FFE法のパルス列の一例を
説明するシーケンス。
【図23】第6の実施形態の変形例に係るECG−pr
epスキャンのseg.FFE法のシーケンス、収集時
相、およびエコーデータ配置の関係を説明する図。
【図24】本発明の第7の実施形態に係る最適同期タイ
ミングの確定の自動化処理を示す概略フローチャート。
【図25】最適同期タイミングの確定処理の一過程を示
す準備用画像の表示状態図。
【図26】最適同期タイミングの確定処理の別の一過程
を示す準備用画像の表示状態図。
【符号の説明】
1 磁石 2 静磁場電源 3 傾斜磁場コイルユニット 4 傾斜磁場電源 5 シーケンサ 6 コントローラ 7 RFコイル 8T 送信器 8R 受信器 10 演算ユニット 11 記憶ユニット 12 表示器 13 入力器 16 音声発生器 17 ECGセンサ 18 ECGユニット 19 音声発生器

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の所望の領域に対して心電同期法
    に拠るイメージング用MRスキャンを行うMRI装置に
    おいて、 前記被検体の心時相を表す信号を収集する信号収集手段
    と、この信号の参照波の複数個それぞれに基づく相異な
    る同期時刻にて前記被検体の前記領域に対して準備用M
    Rスキャンを複数回、実行してMR信号をそれぞれ収集
    する準備用スキャン手段と、このMR信号から前記複数
    の相異なる同期時刻に応じた複数枚の準備用画像を生成
    する準備用画像生成手段と、この複数枚の準備用画像の
    情報を前記イメージング用MRスキャンに反映させる準
    備情報反映手段とを備えたことを特徴とするMRI装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明において、 前記準備情報反映手段は、前記複数枚の準備用画像を表
    示する表示手段と、この表示された複数の準備用画像を
    目視観察したことに伴う前記心電同期法のための同期時
    刻の情報を手動で前記イメージング用MRスキャンに反
    映させる手動反映手段とを備えるMRI装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の発明において、 前記準備情報反映手段は、前記複数枚の準備用画像を表
    示する表示手段と、この表示された複数の準備用画像の
    所望位置を手動で指定する手動指定手段と、この指定位
    置における前記準備用画像のデータの強度に関する情報
    を自動的に演算する演算手段と、この演算手段の演算結
    果に基づいて前記複数の準備用画像の内の所望の準備用
    画像を自動的に選択する選択手段と、この選択された準
    備用画像が有する前記同期時刻を前記心電同期法のため
    の同期時刻として自動的に前記イメージング用MRスキ
    ャンに反映させる自動反映手段とを備えるMRI装置。
  4. 【請求項4】 被検体の心時相を表す信号を収集する信
    号収集手段と、この信号の参照波の複数個それぞれに基
    づく相異なる同期時刻にて前記被検体の撮像対象を含む
    領域に対して準備用MRスキャンを複数回、実行してM
    R信号をそれぞれ収集する準備用スキャン手段と、この
    MR信号から前記複数の相異なる同期時刻に応じた複数
    枚の準備用画像を生成する準備用画像生成手段と、前記
    複数枚の準備用画像の情報に基づいて心電同期法のため
    の所望の同期時刻を特定する同期時刻特定手段と、この
    特定された同期時刻に同期して前記被検体の前記領域に
    対するイメージング用MRスキャンを実行するイメージ
    ング用スキャン手段とを備えたことを特徴とするMRI
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の発明において、 前記信号収集手段は、前記心時相を表す信号として前記
    被検体のECG信号を収集する手段であるMRI装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の発明において、 前記準備用スキャン手段は、前記ECG信号に含まれる
    参照波としてのR波からの遅延時間を複数通りの時間値
    に変更する変更手段と、変更された前記遅延時間それぞ
    れの経過時を前記同期時刻として前記準備用MRスキャ
    ンを開始させるスキャン開始手段とを備えるMRI装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の発明において、 前記準備用スキャン手段がスキャン対象とする前記被検
    体の撮像対象は、原子核スピンの横緩和時間が短めの組
    織または血流であるMRI装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の発明において、 前記準備用MRスキャンおよび前記イメージング用MR
    スキャンは共に同一種類のパルスシーケンスを用いるM
    RスキャンであるMRI装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の発明において、 前記パルスシーケンスは高速SE法のパルスシーケンス
    またはこの高速SE法を用いたパルスシーケンスである
    MRI装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の発明において、 前記パルスシーケンスは1回のRF励起当たりのスキャ
    ン時間は約200msec以上であるMRI装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の発明において、 前記パルスシーケンスは、前記MR信号を周波数空間に
    配置してフーリエ変換することで実空間画像を再構成す
    るフーリエ変換法に依存するシーケンスであって、前記
    周波数空間をその位相エンコード方向の所定量毎に分割
    して前記MR信号を配置するシーケンスであるMRI装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項8記載の発明において、 前記パルスシーケンスはセグメンテッド高速FE法のパ
    ルスシーケンスであるMRI装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の発明において、 前記セグメンテッド高速FE法のパルスシーケンスは、
    前記R波間において複数の相異なる時刻の各々毎に複数
    個のエコー信号を収集し、前記被検体の前記領域を通る
    シングルスライスに対応する複数の2次元k空間それぞ
    れに同一時刻の前記エコー信号を配置するパルス列を有
    するMRI装置。
  14. 【請求項14】 請求項8記載の発明において、 前記パルスシーケンスはEPI法のパルスシーケンスで
    あるMRI装置。
  15. 【請求項15】 請求項8記載の発明において、 前記準備用MRスキャンは2次元スキャンのパルスシー
    ケンスを用い、且つ前記イメージング用MRスキャンは
    3次元スキャンのパルスシーケンスを用いるMRI装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項4記載の発明において、 前記準備用スキャン手段は、前記撮像対象の複数種それ
    ぞれの走行方向に対応させた位相エンコード方向で前記
    準備用MRスキャンを撮像対象別に実行する実行手段を
    有し、 前記準備用画像生成手段は、撮像対象別に、前記準備用
    MRスキャンで収集した前記MR信号から前記複数枚分
    の準備用画像を生成する手段であり、 前記同期時刻特定手段は、撮像対象別に、前記複数枚の
    準備用画像の情報に基づいて前記所望の同期時刻を特定
    する手段であり、 前記イメージング用スキャン手段は、前記撮像対象の複
    数種それぞれの走行方向に対応させた位相エンコード方
    向で且つ前記撮像対象別に特定した前記所望の同期時刻
    に同期して前記イメージング用MRスキャンを撮像対象
    別に実行する実行手段を有する、ことを特徴としたMR
    I装置。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の発明において、 前記複数種の撮像対象は、前記被検体の前記領域内を空
    間的に異なる方向に走行する複数種の血流であるMRI
    装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の発明において、 前記イメージング用スキャン手段は、前記イメージング
    用MRスキャンで収集されたエコー信号を撮像対象別に
    収集する収集手段と、その撮像対象別のエコー信号から
    前記領域の画像データを生成する生成手段とを備えるM
    RI装置。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の発明において、 前記生成手段は、前記エコー信号を撮像対象別に実空間
    画像のデータに再構成する手段と、この撮像対象別の再
    構成データを画素毎に合成する手段とを備えるMRI装
    置。
  20. 【請求項20】 請求項4記載の発明において、 前記同期時刻特定手段は、前記複数枚の準備用画像をオ
    ペレータに提示するとともにオペレータが望む部位の指
    定を受けるインターフェース手段と、前記関心部位の前
    記エコー信号の強度に関するデータから前記所望の同期
    時刻を確定する確定手段とを備えるMRI装置。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の発明において、 前記同期時刻特定手段は、確定された前記所望の同期時
    刻を前記イメージング用MRスキャンのシーケンスに自
    動的に反映させる反映手段をさらに備えるMRI装置。
  22. 【請求項22】 請求項20記載の発明において、 前記インターフェース手段は、前記複数枚の準備用画像
    それぞれに前記相異なる複数の同期時刻それぞれを表す
    情報を各別に重畳させて表示する表示手段を備えたMR
    I装置。
  23. 【請求項23】 請求項20記載の発明において、 前記インターフェース手段は、前記オペレータが望む部
    位をROIで指定を受けるROI指定手段を備える一方
    で、 前記確定手段は、前記ROIの部分の信号強度分布をそ
    の部分に対応する画素値から演算する手段と、その信号
    強度分布から所定のアルゴリズムで前記所望の同期時刻
    を決める手段とを備えたMRI装置。
  24. 【請求項24】 請求項4記載の発明において、 前記準備用スキャン手段は、前記準備用MRスキャンに
    供する位相エンコード方向を前記撮像対象の走行方向に
    合わせて設定する手段を有したことを特徴とするMRI
    装置。
  25. 【請求項25】 請求項4記載の発明において、 前記準備用スキャン手段により前記準備用MRスキャン
    を実行している間は前記被検体に息止めの遂行を指令す
    る息止め指令手段を備えたことを特徴とするMRI装
    置。
  26. 【請求項26】 被検体の心時相を表す信号に含まれる
    参照波の複数個それぞれからの遅延時間を変更しなが
    ら、その変更された前記遅延時間それぞれの経過時に前
    記被検体の撮像対象を含む領域に対して準備用MRスキ
    ャンを実行して準備用画像をそれぞれ生成し、この複数
    枚の準備用画像の情報に基づいて心電同期法のための所
    望の同期時刻を特定し、その同期時刻に同期して前記被
    検体の前記領域に対してイメージング用MRスキャンを
    実行することを特徴とするMR撮像方法。
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