JP2007082753A - 磁気共鳴イメージング装置、磁気共鳴イメージング装置制御方法及び磁気共鳴イメージング装置作動プログラム - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置、磁気共鳴イメージング装置制御方法及び磁気共鳴イメージング装置作動プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 患者の心拍(R-R)が変化した場合であっても、好適に冠動脈の描出することができる磁気共鳴イメージング装置等を提供すること。
【解決手段】 時刻Tにおいて発生したR波をトリガとし、同一のエンコードパターンによるスキャンを少なくとも一回繰り返しデータを収集するスキャン動作を、全エンコードパターンについて実行する。得られたデータと、データ収集時刻情報及びR波の時刻を元に、トリガとされたR波(時刻T)の次段のR波発生時刻(時刻T)から時間的に遡って収集したMRデータから画像再構成に必要なデータ数を切り出して並べ替え、トリガとされたR波発生後の拡張末期に関する心臓の動きを撮影するためのデータセットを生成し、画像再構成を行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は磁気共鳴映像措置の撮像技術に関し、特に冠動脈の撮像に使用されるものに関する。
本発明は磁気共鳴映像措置の撮像技術に関し、特に冠動脈の撮像に使用されるものに関する。
磁気共鳴イメージング装置は、固有の磁気モーメントを持つ核の集団が一様な静磁場中に置かれたときに、特定の周波数で回転する高周波磁場のエネルギーを共鳴的に吸収する現象を利用して、物質の化学的及び物理的な微視的情報を映像化し、あるいは化学シフトスペクトラムを観測する装置である。
近年、この磁気共鳴イメージング装置を使用した画像診断において、定常状態を利用する撮像法(TrueSSFP/FISP/Balanced FFE法など)を用いた磁気共鳴冠動脈撮像法(MRCA)が、多用される様になってきた。この撮像法では、造影剤を使用しなくても冠動脈の描出が可能である。また、拡張末期の冠動脈がほぼ止まっている時期に撮像を行うことで、冠動脈の動きによる画質の変化を少なくすることができる。この様な方法により、冠動脈が造影で描出されるため、冠動脈のスクリーニング等に使用できる方法として期待されている。
図13は、従来の冠動脈撮影法(MRCA)のスキャン系列を説明するための図である。従来のMRCAでは、図13に示す様にECG波形のR波を検出し、それをトリガとして一定のディレイ時間後にスキャンを開始して撮像を行う方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−229571号公報
しかしながら、従来のMRCAでは、撮像開始時に最適な(次のR波までのぎりぎりの時間に撮像できるような)ディレイ時間に設定していても、患者の心拍(R-R)が変化するため、実際のデータ収集では最適な条件からはずれ、冠動脈の描出能が低下するという問題がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、患者の心拍(R-R)が変化した場合であっても、好適に冠動脈の描出することができる磁気共鳴イメージング装置及びその制御方法、磁気共鳴イメージング装置作動方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
本発明の第1の視点は、同一の位相エンコードパターンのデータ収集パルス系列を少なくとも二回以上繰り返し発生するパルス系列発生ユニットと、前記データ収集パルス系列に基づいて傾斜磁場を発生し被検体に印加する磁場発生ユニットと、前記データ収集パルス系列に基づいて高周波磁場を発生し前記被検体に印加する磁場発生ユニットと、前記被検体において発生する磁気共鳴信号に基づいて磁気共鳴データを収集するデータ収集ユニットと、前記被検体の心拍情報を収集する心拍情報収集ユニットと、前記収集された心拍情報に基づいて、前記磁気共鳴データから一部の磁気共鳴データを抽出する抽出ユニットと、前記抽出された一部の磁気共鳴データを用いて画像を再構成する再構成ユニットと、を具備する磁気共鳴イメージング装置である。
本発明の第2の視点は、磁気共鳴イメージング装置に、同一の位相エンコードパターンのデータ収集パルス系列を少なくとも二回以上繰り返し発生させ、前記データ収集パルス系列に基づいて傾斜磁場を発生し被検体に印加させ、前記データ収集パルス系列に基づいて高周波磁場を発生し前記被検体に印加させ、前記被検体において発生する磁気共鳴信号に基づいて磁気共鳴データを収集させ、前記被検体の心拍情報を収集させ、前記収集された心拍情報に基づいて、前記磁気共鳴データから一部の磁気共鳴データを抽出させ、前記抽出された一部の磁気共鳴データを用いて画像を再構成させる磁気共鳴イメージング装置制御方法である。
本発明の第3の視点は、コンピュータに、同一の位相エンコードパターンのデータ収集パルス系列を少なくとも二回以上繰り返し発生させるパルス系列発生機能と、前記データ収集パルス系列に基づいて傾斜磁場を発生し被検体に印加させる傾斜磁場印加機能と、前記データ収集パルス系列に基づいて高周波磁場を発生し前記被検体に印加させる高周波磁場印加機能と、前記被検体において発生する磁気共鳴信号に基づいて磁気共鳴データを収集させるデータ収集機能と、前記被検体の心拍情報を収集させる心拍情報収集機能と、前記収集された心拍情報に基づいて、前記磁気共鳴データから一部の磁気共鳴データを抽出させる抽出機能と、前記抽出された一部の磁気共鳴データを用いて画像を再構成させる再構成機能と、を実現させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置作動プログラムである。
以上本発明によれば、患者の心拍(R-R)が変化した場合であっても、好適に冠動脈の描出することができる磁気共鳴イメージング装置及びその制御方法、磁気共鳴イメージング装置作動方プログラムを実現することができる。
以下、本発明の第1及び第2の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置10のブロック構成図を示している。まず、本磁気共鳴イメージング装置10の構成を、図1を参照しながら説明する。
本磁気共鳴イメージング装置10は、静磁場磁石11、傾斜磁場コイル13、全身用高周波(RF)コイル14、高周波受信コイル15、傾斜磁場コイル駆動装置17、全身用RFコイル駆動装置18、RF受信部19、コントローラ20、演算装置21、表示部23、入力部24、記憶部25、ECG装置30内に格納されたECG波形収集装置31、R波時刻検出・記憶装置32を具備している。
静磁場磁石11は、静磁場を発生する磁石であり、一様な静磁場を発生する。この静磁場磁石11には、例えば永久磁石、超伝導磁石等が使用され、図示していない冷却系によって冷却される。
傾斜磁場コイル13は、静磁場磁石11よりも短軸な磁場コイルであり、静磁場磁石11の内側に設けられる。傾斜磁場コイル13は、傾斜磁場コイル駆動装置17から供給されるパルス電流に基づいて、互いに直交するX,Y,Zの三方向に線形傾斜磁場分布を持つ傾斜磁場を形成する。この傾斜磁場コイル13が発生する傾斜磁場によって、信号発生部位(位置)が特定される。
なお、Z軸方向は、本実施形態では静磁場の方向と同方向(被検体の体軸方向)にとるものとする。また、本実施形態において、傾斜磁場コイル13及び静磁場磁石11は円筒形をしているものとする。また、傾斜磁場コイル13は、所定の支持機構によって真空中に配置されていてもよい。これは、静音化の観点から、パルス電流の印加によって発生する傾斜磁場コイル13の振動を、音波として外部に伝播させないためである。
全身用RFコイル14は、被検体の撮像領域に対して、磁気共鳴信号を発生させるための高周波パルスを印加するコイルである。また、例えば腹部等を撮影する場合には、受信コイルとしても使用される。
高周波受信コイル(RF受信コイル)15は、部位別に専用の形状を有した移動可能なサーフェスコイルである。
全身用RFコイル駆動装置18は、発振部、位相選択部、周波数変換部、振幅変調部、高周波電力増幅部(それぞれ図示せず)を有しており、ラーモア周波数に対応する高周波パルスを全身用RFコイル14に送信する。当該送信によって全身用RFコイル14から発生した高周波によって、被検体の所定原子核の磁化は、励起状態となる。
RF受信部19は、増幅部、中間周波数変換部、位相検波部、フィルタ、A/D変換器(それぞれ図示せず)を有し、各レシーバから受信した各磁気共鳴信号(高周波信号)に対して、個別に所定の信号処理を施す。すなわち、受信部19は、核の磁化が励起状態から基底状態に緩和するとき放出する磁気共鳴信号に対して、増幅処理、発信周波数を利用した中間周波数変換処理、位相検波処理、フィルタ処理、A/D変換処理を施す。
コントローラ20は、図示していないCPU、メモリ等を有しており、システム全体の制御中枢として、本磁気共鳴イメージング装置を静的又は動的に制御する。特に、コントローラ20は、パラレルイメージングを行う場合には、感度分布の異なる複数のRF受信コイルにより、並列的に磁気共鳴信号を受信・処理するための制御を行う。
また、コントローラ20は、所定の制御プログラムに従って、後述するレトロスペクティブ撮影のためのパルス系列を発生するように、傾斜磁場コイル駆動装置17、全身用RFコイル駆動装置18を制御する。
演算装置21は、RF受信部19によってサンプリングされたディジタル信号を収集し、後処理すなわちフーリエ変換等の再構成等を実行し、被検体内の所望核スピンのスペクトラムデータあるいは画像データを求める。また、演算装置21は、コントローラ20の制御のもと、後述するレトロスペクティブ機能に関する処理を実行する。さらに、演算装置21は、パラレルイメージングによる画像生成を実行する。ここで、パラレルイメージングとは、感度分布の異なる複数のRF受信コイルを用いて、位相エンコードを間引いたシーケンスを実行し、行列演算によって折り返しアーチファクトを除去する展開処理を行うことにより撮影時間を短縮化する技術である。パラレルイメージングを行った場合には、各コイルからの磁気共鳴信号からそれぞれ画像を再構成し、その後、各コイルの感度分布を使って、得られた複数枚の画像の後処理として展開処理を行い1枚の画像を生成する。
表示部23は、コントローラ20を介して演算装置22から入力したスペクトラムデータあるいは画像データ等を表示する出力装置である。また、表示部23は、マイクロコイル15aにより収集された診断部位に関する局部画像と広域コイル15bに収集された広域画像とを、互いの位置関係を対応させ合成(重畳)して又は並べて同時に表示することもできる。
入力部24は、オペレータからの各種指示・命令・情報をとりこむため入力装置(マウスやトラックボール、モード切替スイッチ、キーボード等)を有している。
記憶部25は、受信部19を介して得られた再構成前の磁気共鳴信号データ、演算装置21を介して得られた再構成後の磁気共鳴画像データ等を患者毎に記憶する。
ECG波形収集装置31は、被検体Pの心臓の電気現象の時間変化を表すECG波形を収集する。
R波時刻検出・記憶装置32は、ECG波形収集装置31によって収集される各ECG波形のR波発生時刻を検出し、記憶する。
なお、ECG波形収集装置31及びR波時刻検出・記憶装置32は、ともにECG装置30内に設けたが、構成はこれに限定されず、例えばR波時刻検出・記憶装置32を磁気共鳴イメージング装置10の本体側に設ける構成であってもよい。
(パーシャルレトロスペクティブ撮影機能)
次に、本磁気共鳴イメージング装置10が有するレトロスペクティブ撮影機能について説明する。この機能は、スキャン段階のものと後処理(特に、画像再構成)段階のものとに分けることができる。まずスキャン段階においては、一心拍における特定の時相(今の場合、ECG波形でのR波発生時相)をトリガとして同一のエンコードパターンに従うスキャンを複数回実行する。後処理段階においては、スキャン実行よりも後段に発生する一心拍における同特定の時相を基準とし、ここから遡って上記スキャンにより得られたデータのうち画像再構成に必要なデータ(例えば、一枚分の画像データ)を用いて画像再構成を行うものである。
図2は、本磁気共鳴イメージング装置が有するレトロスペクティブ撮影機能を説明するための図であり、ECG波形でのR波発生時刻とスキャンタイミングとの関係を示した図である。図中の各スキャン期間での開始時刻と終了時刻とを結ぶ斜線は、所定のエンコードパターンに従う一スキャンを象徴的に示したものである。また、この斜線が段階的に上昇しているのは(例えば、スキャンB、スキャンBの斜線は、スキャンA、スキャンAの斜線よりも一段高い。)、エンコードパターンを1ステップ進めていることを表現したものである。
ここで、一スキャンとは、特定の断層面(スライス)選択のための傾斜磁場印加、特定の位相及び周波数エンコードパターンに従って実行される傾斜磁場印加、これらの磁場印加に従って読み出される磁気共鳴信号の受信までの一連の動作を意味するものとする。
図2に示すように、まず、時刻Tにおいて発生するR波をトリガとし、当該時刻Tから一定のECGディレイ時間後にスキャンAを実施する。このスキャンAに続いて、当該Aと同一のエンコードパターンによるスキャンを少なくとも一回繰り返しデータを収集する。なお、図2の例においては、説明を簡単にするために、Aと同一のエンコードパターンによるスキャン(スキャンA)を一回繰り返した例を示している。
次に、時刻Tにおいて発生するR波の次のR波(すなわち、時刻Tにおいて発生するR波)をトリガとし、スキャンB、及び当該スキャンB1と同じエンコードパターンによるスキャンBを、一定のディレイ時間後に実行させる。このスキャンB及びスキャンBは、エンコードパターンをスキャンA及びAから所定ステップ進めたスキャンである。
これらのスキャンシーケンスは、全体を所定回数繰り返すことで冠動脈撮像に必要な3次元データのすべてを収集できるまで実行される。こうして得られるMRデータは、対応する各R波、及びデータ収集時刻情報と関連付けて記憶部25に随時記憶される。なお、この時点でのデータ収集時刻情報との関連付けは必須ではなく、例えば本スキャンでのTR、TE、サンプリング時間に基づいて、事後的にデータ収集時刻情報を計算する構成であってもよい。
次に、データ収集時刻情報及びR波の時刻を元に、トリガとされたR波の次段のR波発生時刻から調整期間Tajを挟んで時間的に遡り、収集したMRデータから画像再構成に必要なデータ数(画像一枚分のデータ数)を切り出して、トリガとされたR波発生後の拡張末期に関する心臓の動きを撮影するためのデータセットを生成し、画像再構成を行う。
すなわち、例えば時刻Tにおいて発生するR波をトリガとして収集されたスキャンデータ(スキャンA及びAに対応するデータ)に対し、次のR波の時刻Tでのエンコードステップを検出する。図2においては、スキャンAのデータの途中で次のR波(時刻TのR波)が来ている。従って、まず、この時刻Tから調整期間Tajを挟んで時間的に遡り、スキャンAの最初のエンコードパターンまでのデータを切り出す。
しかし、このままでは完全なエンコードパターンのデータが揃わない。そのため、不足しているエンコードパターンに相当するデータを、図2に示すようにスキャンAから切り出す。なお、同一のエンコードパターンによるスキャンが3回以上実行されている場合には、不足分のエンコードパターンに相当するデータは、いずれのスキャンに対応するものであってもかまわない。しかしながら、患者の体動等を原因とするアーチファクトを低減させる観点から、なるべく時刻Tに近いデータを用いることが好ましい。
次に、切り出されたスキャンAに対応するデータと、スキャンAに対応するデータとに基づいて、完全なエンコードパターンに対応するデータセットを生成する。すなわち、切り出されたスキャンAに対応するデータとスキャンAに対応するデータとは、エンコードパターンが連続するように並び替えられ、一組のデータセットとされる(図2の例では、スキャンAからスキャンAの順に並び替えられ、データセットが生成される)。
この様な、トリガとされたR波の次のR波発生時刻を基準として遡るデータの切り出し、及びその並び替えは、次のR波に対するデータ(スキャンB及びB)並びに、その後に連続する全ステップのエンコードに対応するデータについて適用され、所定のR波発生後の拡張末期に関する心臓の動きを撮影するための全データセットが生成される。
なお、図2中の調整期間Tajは、任意の値(時間)に設定可能である。例えば、トリガとしたR波の次段のR波から遡って必要なデータ量を切り出す際、厳密に次段のR波の発生時刻ちょうどから実行したい場合には、入力部24に設けられた所定のスイッチ等を操作することで、Taj=0と設定すればよい。
この様な調整時間Tajの積極的な調整は、患者毎に拍動及び心血流動態のばらつきが存在する場合に、特に実益がある。これにより、より冠動脈描出に適したデータ切り出しを実現することができる。
また、本実施形態では、調整期間Tajは図2、図3に示すように各スキャンにおいて一律(一定値)とした。しかし、撮影時の息止め等によって1心拍の周期が変化する場合もあることから、例えばスキャン毎に積極的に調整する構成であってもよい。
(撮影動作)
次に、上記レトロスペクティブ撮影機能を用いた冠動脈の撮影動作について説明する。
図4は、本磁気共鳴イメージング装置10が冠動脈の撮影において実施する各処理の流れを示したフローチャートである。
まず、心臓を含む所定領域について、RF受信コイル15から磁気共鳴信号を受信しながら、位置決め用撮影(パイロットスキャン)を行う(ステップS1)。当該パイロットスキャンによって得られた各磁気共鳴信号は、演算装置21においてそれぞれ再構成され、展開処理が施されて1枚の画像が表示部23に位置決め画像として表示されると共に、記憶部25に記憶される。
次に、表示された位置決め画像を参照しながら診断対象となる冠動脈の位置を把握し、RF受信コイル15を適切な位置に合わせ、撮影断面の位置を決定する(ステップS2)。
次に、当該撮影断面についてのスキャンを実行する(ステップS3)。このとき、各R波の発生タイミングに対応して実行されるスキャンは、図2(又は図3)に示した様に、同一エンコードパターンにより少なくとも二回以上実行される。
次に、実行したパルス系列と時間的に関連付けて記憶しておいたR波の時刻を元に、時間的に遡って、収集したデータから画像再構成に必要なデータ数を切り出し、並べ替えて当該R波に対応する完全なエンコードパターンに相当するデータを生成する(ステップS4)。
次に、得られた3次元データセットを用いて、画像再構成を実行し(ステップS5)、得られたMR画像を表示部23に表示する(ステップS6)。
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本磁気共鳴イメージング装置によれば、トリガとされたR波よりも後段のいずれかのR波発生時刻を基準とし、当該時刻から遡って時間的に最も新しいスキャンによって得られたデータを採用し、また、当該データに足りないデータについては、当該スキャンと同一のエンコードパターンによって得られたできる限り時間的に新しいスキャンによって得られたデータを利用して、完全な三次元データを生成する。従って、患者のR-R間隔が変化しても、常に心フェーズにおける拡張末期でのデータ収集が可能となり、良好な冠動脈像を安定して得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態の様にECGディレイを採用せず、連続的なスキャンを実行して上記レトロスペクティブ機能による撮影を行うものである。
図5は、第2の実施形態に係るフルレトロスペクティブ撮影機能を説明するための図であり、R波発生時刻とスキャンタイミングとの関係を示した図である。
まず、患者の(凡その)平均的なR-R時間を求め、それよりも所定時間長い期間を基準期間に設定する。次に、この基準期間内において、図5に示すように、同じエンコードパターンのスキャンを繰り返し連続的に実行してデータ収集を行う。こうして収集された各位相エンコードパターンに対応するMRデータは、対応する各R波、及びデータ収集時刻情報と関連付けて記憶部25に随時記憶される。
データ収集後は、データ収集時刻情報及び各R波の発生時刻を元に、第1の実施形態と同様の手順にて、トリガとされたR波よりも後段のいずれかのR波発生時刻を基準とし、当該時刻から時間的に遡って収集したMRデータから画像再構成に必要なデータ数を切り出し並び替えることにより、所定のR波発生後の拡張末期に関する心臓の動きを撮影するためのデータセットを生成し、画像再構成を行う。
なお、図5中の調整期間Tajは、任意の値(時間)に設定可能である点は、第1の実施形態と同様である。例えば、Taj=0に設定することで、図6に示すように、次段のR波の発生時刻ちょうどを基準とし、ここから遡って再構成に必要なデータの切り出しを行うことができる。
(撮影動作)
本実施形態に係る装置による冠動脈の撮影は、図3のステップS3においてECGディレイを採用しない連続的なスキャンを実行し、ステップS4において上記レトロスペクティブ機能を用いたデータ切り出し・並び替えを実行することで、実行される。
以上述べた構成によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、RFパルスが中断することがないため、スピン系の定常状態が保たれ、冠動脈の描出能がより改善されると期待される。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、第1及び第2の実施形態において述べた調整期間Tajを、ユーザの要求に応じて積極的に制御するものである。
調整期間Tajの決定手法は、再構成のために切り出すデータの範囲を決定する。そのため、調整期間Tajの値は、画像診断において必要とされる心時相を含むように決定する必要がある。一般に、人間の一心拍において心臓動作が停止する時相には、収縮期と拡張末期とがある。従って、例えば、画像診断において拡張末期に興味がある場合には、切り出すデータに当該拡張末期時相に関するデータが含まれるようにR波からのECGディレイ及び調整期間Tajの値を決定する必要がある。
本実施形態においては、画像診断において必要とされる心時相を含むように調整期間Tajの値を決定するため、例えば以下の三つの手法を採用する。第1の手法は、被検体の生体情報を取得しこれを基準とするものである。第2の手法は、撮影された三次元画像を基準とするものである。第3の手法は、三次元画像の撮影前に一般的に取得されるシネ画像を基準とするものである。以下、各手法につき、実施例に従って説明する。なお、以下においては、説明を具体的にするため、画像診断において必要とされる心時相は収縮末期であるとする。
(実施例1)
医学的見地によれば、拡張末期時相はR-R期間の75%〜95%の期間に存在すると言われている。本実施例に係る手法ではこの点に着目し、被検体の生体情報(ECG波形)を取得しこれを基準として、収縮末期時相を含むように例えば調整期間Taj=R-R期間の平均値×25%とする。なお、本手法ではR-R期間の平均値を採用するため、調整期間Tajの決定において、R-R期間の変動を間接的に考慮することができる。従って、例えば不整脈や患者の心理状態等によりR-R期間が変動する場合であっても、収縮末期時相を含むように調整期間Tajの値を決定することができる。
図8は、調整期間Tajの決定処理の流れの一例を示したフローチャートである。なお、同図に示す各処理は、図4のステップS4において実行される。
図8において、まず、演算装置21は、ECG装置30から複数のR-R期間を取得し、これらの平均値を計算する(ステップS41A)。次に、計算されたR-R期間の平均値に収縮末期時相を特定するための所定の係数(例えば、0.25)を積算することで、調整期間Tajを決定する(ステップS42A)。演算装置21は、各R-R期間の終期のR波から決定された調整期間Tajだけ遡って再構成に必要なデータを切り出し、これを並べ替えて完全なエンコードパターンに相当するデータを生成する(ステップS43A)。
(実施例2)
本磁気共鳴イメージング装置では、同一エンコードパターンに従うスキャンが複数回連続して実行される。この複数回の連続スキャンにより、拡張末期時相におけるデータは必ず取得されていると考えられる。本実施例に係る手法ではこの点に着目し、調整期間Tajの異なる複数の再構成用データを切り出し、これらに基づいて二次元画像又は三次元画像を生成・表示する。こうして表示される複数の二次元画像又は三次元画像を基準として、装置又はユーザが拡張末期時相を含むいずれかの画像を選択することで、調整期間Tajを決定するものである。なお、この様に調整期間Tajの決定のために生成され表示される二次元画像又は三次元画像を、以下「参照画像」と称する。
図9は、調整期間Tajの決定処理の流れの他の例を示したフローチャートである。同図に示す各処理は、図4のステップS4において実行される。
図9において、まず、演算装置21は、予め設定される複数の調整期間Tajに基づいて、再構成に必要なデータを複数個切り出す(ステップS41B)。なお、本ステップにおいて切り出される各データの範囲は、所定の操作によって任意に変更可能である。また、予め設定される複数の調整期間Tajの決定手法に限定はない。例えば、図10Aに示すようなR-R期間の終期のR波から一定間隔Pずつ遡った複数の期間、又は図10Bに示すような収縮末期において心臓が一旦停止する期間T内(おおよそ、200ms)に存在する期間T1、T2、T3等を指定するように決定される。
次に、演算装置21は、切り出された複数のデータのそれぞれに対応する参照画像を生成する。生成された参照画像は表示部23に自動的に表示される(ステップS42B)。参照画像は個別に表示される他、例えばサムネイル画像等の形態によって表示される構成であってもよい。操作者は、表示された参照画像を観察し、最も好適と思われる参照画像(すなわち、収縮末期時相を含む様に切り出されたデータに基づく参照画像)を選択する。演算装置21は、選択された参照画像に対応する調整期間Tajを切り出し処理のための調整期間Tajと決定し、これを用いて再構成に必要なデータを切り出し、並べ替え等を実行する(ステップS43B)。
(実施例3)
一般に、本磁気共鳴イメージング装置を用いた画像診断では、三次元画像撮影の前段において、シネ画像(二次元画像)撮影が実行される。本実施例に係る手法ではこのシネ画像を参照画像として生成・表示し、これを基準として、装置又はユーザが収縮末期時相を含むいずれかの画像を選択することで、調整期間Tajを決定するものである。
図11は、調整期間Tajの決定処理の流れの他の例を示したフローチャートである。同図に示す各処理は、図4のステップS4において実行される。
図11において、まず、当該レトロスペクティブ機能を用いた三次元画像撮影に先立って実行された複数のシネ画像のうち、複数の心時相に関するシネ画像を抽出する(ステップS41C)。この様に抽出手法には、特に限定はない。例えば、図10Aに示すようなR-R期間の終期のR波から一定間隔遡った複数の心時相、又は図10Bに示すような拡張末期において心臓が一旦停止する期間T内(おおよそ、200ms)に存在する時相t1、t2、t3等を指定するように決定される。抽出されたシネ画像は、参照画像として所定の形態で表示される。
操作者は、表示された参照画像を観察し、最も好適と思われる参照画像(すなわち、拡張末期時相を含む様に切り出されたデータに基づく参照画像)を選択する。演算装置21は、選択された参照画像に対応する心時相を含むように調整期間Tajと決定し(ステップS42C)、これを用いて再構成に必要なデータを切り出し、並べ替え等を実行する(ステップS43C)。
以上述べた構成によれば、切り出されるデータが画像診断において必要とされる心時相に関するデータを含むように、調整期間Tajを決定することができる。従って、より画像診断の目的を達成しうるMRI画像を提供することができる。特に、本実施形態では、例えば被検体の生体情報を取得しこれを基準とする第1の手法、撮影された三次元画像を基準とする第2の手法、三次元画像の撮影前に一般的に取得されるシネ画像を基準とする第3の手法のいずれかを採用して調整期間Tajを決定している。従って、客観的に調整期間Tajを決定することができ、操作者による結果のばらつきをなくすことができる。
(第4の実施形態)
一般に、磁気共鳴イメージング装置を用いたスキャン時間は100ms程度であり、一方、収縮末期において心臓が一旦停止する期間Tはおおよそ200msである。従って、スキャン時間よりも停止期間Tの方が長く、例えば当該停止期間Tにおいてスキャンを図10BのT1〜T3のいずれの期間で実行するかの自由度が存在する。
そこで、本実施形態においては、第3の実施形態において述べた第1の手法又は第3の手法によって収縮末期において心臓が一旦停止する期間Tを特定し、さらに、第3の実施形態において述べた第2の手法により例えば図10BのT1〜T3のいずれの期間で実行するかを選択することで、調整期間Tajを決定する。これにより、被検体の生体情報(ECG波形)を基準とする調整期間Taj決定と参照画像の観察による調整期間Taj決定とを組み合わせることができ、第3の実施形態に比して、さらに信頼性の高い調整期間Taj決定方法を実現することができる。
図12は、本実施形態に係る調整期間Tajの決定処理の流れを示したフローチャートである。同図に示す各処理は、図4のステップS4において実行される。図12において、まず、演算装置21は、期間Tの始期ts又は終期teを第1の手法又は第3の手法により特定する(ステップS41D)。すなわち、演算装置21は、ECG装置30から複数のR-R期間の平均値に拡張末期時相を特定するための所定の係数を積算することで、終期teを特定する。或いは、レトロスペクティブ機能を用いた三次元画像撮影に先立って取得されたシネ画像のいくつかを参照画像として生成・表示する。操作者は、表示された参照画像のうちのいずれかの画像を選択することで、当該画像に対応する心時相が終期teとして特定される。
次に、特定された終期teから遡った期間T内における期間T1〜T3のそれぞれに対応するデータを切り出し、各データに基づく参照画像を生成する(ステップS42D)。生成された参照画像は個別に表示される他、例えばサムネイル画像等の形態によって表示される構成であってもよい。操作者は、表示された参照画像を観察し、最も好適と思われる参照画像を選択する。演算装置21は、選択された参照画像に対応する調整期間Tajを切り出し処理のための調整期間Tajと決定し、これを用いて再構成に必要なデータを切り出し、並べ替え等を実行する(ステップS43D)。
以上述べた構成によれば、心臓が一旦停止する期間Tにおける所望の期間でスキャンが実行さえるように、調整期間Tajを決定することができる。従って、第3の実施形態によって得られる効果に加えて、より画像診断の目的を達成しうるMRI画像を提供することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。具体的には、例えば次のような変形例がある。
(1)上記実施形態では、不足したデータは、直前のデータセットから切り出した。これに対し、同一の位相エンコードによるスキャンを3回以上実行する場合には、直前以外の同一エンコードパターンのデータセットから切り出す、若しくは補間して求める様にしても良い。例えば、R-R間隔が極端に短くなり、R波から遡って必要なデータ数が得られない場合等では、最寄の同一エンコードパターンのデータから切り出して使用したり、隣接するデータから補間して用いる構成であっても良い。
(2)上記実施形態では、再構成に必要なデータの切り出しは、トリガとされたR波の直後のR波発生時刻を基準として実行されている。これは、「スキャントリガ−再構成基準時刻」を「R-R」間隔とし、再構成でのデータ切り出しについての基準時刻を、トリガ直後の心拍における同一時相とするものである。
しかしながら、必ずしも「スキャントリガ−再構成基準時刻」を「R-R」間隔とする必要はなく、例えば「スキャントリガ−再構成基準時刻」を「2R-R」(再構成でのデータ切り出し基準時刻を、トリガから一つおきの心拍における同一時相とするもの)、「3R-R」(再構成でのデータ切り出し基準時刻を、トリガから二つおきの心拍における同一時相とするもの)、さらにそれ以上の間隔とする構成であってもよい。
(3)上記各実施形態においては、心拍に関する情報としてECG波形を利用し、トリガ基準時刻及び後処理のための基準時刻として、R波発生時刻を利用する構成であった。しかしながら、心拍に関する情報として利用するものはECG波形に限定されず、各時刻での心臓の運動(すなわち心拍)を把握することができる情報であれば、どんなものであってもよい。他の具体例としては、脈波形、血流情報、他のモダリティ(例えば、超音波診断装置)によって得られる画像、当該磁気共鳴イメージング装置によって得られるMR信号が挙げられる。
特に、磁気共鳴イメージング装置によって得られるMR信号を利用する場合には、高周波磁場及び傾斜磁場からなるパルス系列の連続印加により、ゼロエンコードでのデータ収集を連続的に行い、そのデータあるいはそれを一次元フーリエ変換したデータの変化をトリガとしてイメージング用のスキャンを実行すればよい。すなわち、当該磁気共鳴イメージング装置によって心臓の運動に由来するMR信号を取り続け、これに基づいて上記レトロスペクティブ機能を実行する構成であってもよい。
(4)上記第2の実施形態においては、一心拍における特定の心時相(例えば、ECG波形でのR波発生時相)をトリガとしてスキャンを開始した。しかしながら、スキャンの開始は、必ずしも一心拍における特定の心時相とする必要はなく、任意の時刻とする構成であってもよい。
(5)第3、第4の実施形態においては、説明を具体的にするため、画像診断において必要とされる心時相は拡張末期であるとした。しかしながら、これに拘泥されることなく、例えば切り出されるデータが収縮末期、拡張中期を含むように調整期間Tajを決定する場合にも、R波からのECGディレイを設定し、第3、第4の実施形態で述べた手法は適用可能である。さらに、一心拍において複数の心時相に関する複数のデータ切り出しが必要である場合には、それぞれの心時相を対象として、第3、第4の実施形態で述べた手法を適用すればよい。
(6)各実施形態に係る各機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することも可能である。
また、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上本発明によれば、患者の心拍(R-R)が変化した場合であっても、好適に冠動脈の描出することができる磁気共鳴イメージング装置及びその制御方法、磁気共鳴イメージング装置作動プログラムすることができる。
図1は、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置10のブロック構成図を示している。 図2は、第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置が有するパーシャルレトロスペクティブ撮影機能を説明するための図である。 図3は、第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置が有するパーシャルレトロスペクティブ撮影機能の変形例を説明するための図である。 図4は、磁気共鳴イメージング装置10が冠動脈の撮影において実施する各処理の流れを示したフローチャートである。 図5は、第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置が有するフルレトロスペクティブ撮影機能を説明するための図である。 図6は、第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置が有するフルレトロスペクティブ撮影機能の変形例を説明するための図である。 図7は、調整期間Tajの決定処理の流れの一例を示したフローチャートである。 図8は、調整期間Tajの決定処理の流れの他の例を示したフローチャートである。 図9は、予め設定される複数の調整期間Tajの決定手法を説明するための図である。 図10は、予め設定される複数の調整期間Tajの決定手法を説明するための図である。 図11は、調整期間Tajの決定処理の流れの他の例を示したフローチャートである。 図12は、第4の実施形態に係る調整期間Tajの決定処理の流れを示したフローチャートである。 図13は、従来の磁気共鳴イメージング装置が実行する冠動脈撮影を説明するための図である。
符号の説明
10…磁気共鳴イメージング装置、11…静磁場磁石、13…傾斜磁場コイル、14…全身用高周波(RF)コイル、15…高周波受信コイル、17…傾斜磁場コイル駆動装置、18…全身用RFコイル駆動装置、19…RF受信部、20…コントローラ、21…演算装置、23…表示部、24…入力部、25…記憶部、30…ECG装置、31…ECG波形収集装置、32…R波時刻検出・記憶装置

Claims (17)

  1. 同一の位相エンコードパターンのデータ収集パルス系列を少なくとも二回以上繰り返し発生するパルス系列発生ユニットと、
    前記データ収集パルス系列に基づいて傾斜磁場を発生し被検体に印加する磁場発生ユニットと、
    前記データ収集パルス系列に基づいて高周波磁場を発生し前記被検体に印加する磁場発生ユニットと、
    前記被検体において発生する磁気共鳴信号に基づいて磁気共鳴データを収集するデータ収集ユニットと、
    前記被検体の心拍情報を収集する心拍情報収集ユニットと、
    前記収集された心拍情報に基づいて、前記磁気共鳴データから一部の磁気共鳴データを抽出する抽出ユニットと、
    前記抽出された一部の磁気共鳴データを用いて画像を再構成する再構成ユニットと、
    を具備することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記再構成ユニットは、前記抽出された一部の磁気共鳴データを用いて三次元画像を再構成することを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記心拍情報収集ユニットは、前記被検体の第1の心拍及び当該第1の心拍よりも後の第2の心拍に関する心拍情報を収集し、
    前記パルス系列発生ユニットは、前記第1の心拍における所定の心時相をトリガとして前記データ収集パルス系列を発生させ、
    前記抽出ユニットは、前記第2の心拍における所定の心時相を基準として前記一部の磁気共鳴データを抽出することを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記抽出ユニットは、前記磁気共鳴データのうち連続する二つの磁気共鳴データから前記一部の磁気共鳴データを抽出することを特徴とする請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記パルス系列発生ユニットは、前記データ収集パルス系列を連続的に発生することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記抽出ユニットは、基準とする心時相から所定の期間遡った範囲の前記一部の磁気共鳴データを抽出することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記抽出ユニットが所望する心時相を含んで前記磁気共鳴データを抽出するように、前記被検体の生体情報に基づいて前記所定の期間を調整する調整ユニットをさらに具備することを特徴とする請求項6記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 前記生体情報は、心拍時間であることを特徴とする請求項7記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 前記再構成ユニットは、心時相が異なる複数のシネ画像を再構成し、
    前記調整ユニットは、前記複数のシネ画像のうちユーザによって選択されたシネ画像に対応する心時相が含まれるように、前記所定の期間を調整することを特徴とする請求項7又は8記載の磁気共鳴イメージング装置。
  10. 前記抽出ユニットは、前記所定の期間が異なる複数の磁気共鳴データの一部を抽出し、
    前記再構成ユニットは、前記異なる複数の磁気共鳴データの一部を用いて、複数の参照画像を再構成し、
    前記調整ユニットは、前記複数の参照画像のうちユーザによって選択された参照画像に対応する磁気共鳴データが含まれるように、前記所定の期間を調整することを特徴とする請求項7記載の磁気共鳴イメージング装置。
  11. 前記被検体の心拍情報に基づいて、一心拍における心臓停止期間を計算する計算ユニットをさらに具備し、
    前記抽出ユニットは、前記心臓停止期間内において、前記所定の期間が異なる複数の磁気共鳴データの一部を抽出し、
    前記再構成ユニットは、前記異なる複数の磁気共鳴データの一部を用いて、複数の参照画像を再構成し、
    前記調整ユニットは、前記複数の参照画像のうちユーザによって選択された参照画像に対応する磁気共鳴データが含まれるように、前記所定の期間を調整することを特徴とする請求項7記載の磁気共鳴イメージング装置。
  12. 事前に取得されるシネ画像又はユーザからの入力に基づいて、一心拍における心臓停止期間を指定する指定ユニットをさらに具備し、
    前記抽出ユニットは、前記心臓停止期間内において、前記所定の期間が異なる複数の磁気共鳴データの一部を抽出し、
    前記再構成ユニットは、前記異なる複数の磁気共鳴データの一部を用いて、複数の参照画像を再構成し、
    前記調整ユニットは、前記複数の参照画像のうちユーザによって選択された参照画像に対応する磁気共鳴データが含まれるように、前記所定の期間を調整することを特徴とする請求項7記載の磁気共鳴イメージング装置。
  13. 前記抽出ユニットは、所定の心時相に近いデータ収集時刻を優先させて前記磁気共鳴データから一部の磁気共鳴データを抽出することを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか一項記載の磁気共鳴イメージング装置。
  14. 前記パルス系列発生ユニットは、前記同一の位相エンコードパターンによるデータ収集パルス系列の繰り返し発生を、少なくとも当該被検体の平均心拍時間よりも長く実行することを特徴とする請求項1乃至13のうちいずれか一項記載の磁気共鳴イメージング装置。
  15. 前記抽出ユニットは、前記当該基準時刻から遡った期間に収集された前記磁気共鳴データを連続するエンコードパターンに並べ替えることで、前記磁気共鳴データの一部を抽出することを特徴とする請求項1乃至14のうちいずれか一項記載の磁気共鳴イメージング装置。
  16. 磁気共鳴イメージング装置に、
    同一の位相エンコードパターンのデータ収集パルス系列を少なくとも二回以上繰り返し発生させ、
    前記データ収集パルス系列に基づいて傾斜磁場を発生し被検体に印加させ、
    前記データ収集パルス系列に基づいて高周波磁場を発生し前記被検体に印加させ、
    前記被検体において発生する磁気共鳴信号に基づいて磁気共鳴データを収集させ、
    前記被検体の心拍情報を収集させ、
    前記収集された心拍情報に基づいて、前記磁気共鳴データから一部の磁気共鳴データを抽出させ、
    前記抽出された一部の磁気共鳴データを用いて画像を再構成させること、
    を具備する磁気共鳴イメージング装置制御方法。
  17. コンピュータに、
    同一の位相エンコードパターンのデータ収集パルス系列を少なくとも二回以上繰り返し発生させるパルス系列発生機能と、
    前記データ収集パルス系列に基づいて傾斜磁場を発生し被検体に印加させる傾斜磁場印加機能と、
    前記データ収集パルス系列に基づいて高周波磁場を発生し前記被検体に印加させる高周波磁場印加機能と、
    前記被検体において発生する磁気共鳴信号に基づいて磁気共鳴データを収集させるデータ収集機能と、
    前記被検体の心拍情報を収集させる心拍情報収集機能と、
    前記収集された心拍情報に基づいて、前記磁気共鳴データから一部の磁気共鳴データを抽出させる抽出機能と、
    前記抽出された一部の磁気共鳴データを用いて画像を再構成させる再構成機能と、
    を実現させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置作動プログラム。
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