JP3833765B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴イメージング(以下「MRI」と略す)方法及びMRI装置に係わり、特に一定の周期をもって変動する対象に対して高S/Nのシネ画像を取得することが可能なMRI方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、心臓等一定の周期をもって変動する対象を撮影するのに好適な方法としてレトロスペクティブゲーティング法が知られている(PC-Based system for Retrospective Cardiac and Respiratory Gating of NMR Data, D.E.Bohning et al., Magnetic Resonance in Medicine, Vol.16, p303-316, 1990)。この方法は、心拍による心電トリガ信号とは無関係にエコー信号計測のためのパルスシーケンスを一定の繰り返し時間で継続すると共に、ほぼ心拍周期に対応する周期で位相エンコード量を変化させながら、所定数のエコー信号を計測し、計測後において各エコー信号をそれぞれ各心時相に対応付けて、心時相毎に画像データを得るものである。
【0003】
この方法による計測の一部を示した図4を用いてこの方法を説明する。図中(a)は、MR計測と平行して行われる心電計測によって心拍と同期して得られる心電トリガ信号101、102のタイミングを示すもので、この心電トリガ信号は後に計測エコー信号と心時相を対応付けて分類するために用いられる。(b)は励起パルス111p〜126p、131p〜138pと、エコー信号(図中「MR信号」と記す。)111s〜126s、131s〜138sの照射及び計測のタイミングを示しており、これらは心電トリガ信号101、102とは無関係に、一定の間隔TRで繰り返される。この繰り返し間隔TRは、予め心電計測を行い平均心拍周期を求め、任意の心時相数で除したものである。この例では16心時相に分割する場合を示しており、16個の励起信号パルスと16個のエコー信号が1平均心拍周期の中に含まれる。
【0004】
このレトロスペクティブゲーティング法では、位相エンコードは1平均心拍周期に若干の余裕時間を加えた略平均周期ごとに変化させる。図4の例では、(d)に示すように、簡単のため余裕時間を省略し、1平均心拍周期(16心時相)毎に位相エンコード数を1づつインクリメントしている。また図では平均心拍周期とリアルタイムでの心拍周期とが一致している規則的な場合を示しているので、心電トリガ信号101と心電トリガ信号102との間は第1位相エンコードが付与され、心電トリガ信号102から次の心電トリガ信号までの間は第2位相エンコードが付与されているが、実際には一致しているとは限らない。このように位相エンコード数を変化させながら1枚の画像を得るために必要な位相エンコード数、例えば256回繰り返される。この結果この例では16心時相分の画像を構成するためのエコー信号が計測される。
【0005】
全てのエコー信号を計測した後、これらのエコー信号を各心時相に対応させて分類する。心時相は、図4の(c)に示すように、心電トリガ信号間を任意に定めた心時相数(ここでは16)で分割した領域に対応し、この領域で計測されたエコー信号を対応する心時相のデータとする。即ち、図示する例では分割された領域141〜領域156はそれぞれ第1心時相〜第16心時相に対応し、領域161〜領域168(後半の8領域は省略されている)はそれぞれ第1心時相〜第8心時相に対応する。また、一周期分を例にとれば、領域141で計測されたエコー信号111sは第1心時相に、領域142で計測されたエコー信号112sは第2心時相に分類され、以下同様にして領域156に計測されたエコー信号126sは第16心時相に分類される。以下に繰り返される周期についても同様である。
【0006】
このレトロスペクティブゲーティング法では、第1心時相に分類された全ての位相エンコードにおけるエコー信号、即ち第1位相エンコードのエコー信号111s、第2位相エンコードのエコー信号131s等の計測データを位相エンコードに従い選択、収集し、画像構成用のデータとしてk空間に配列し、2次元フーリエ変換することにより第1心時相に相当する画像を得る。同様にして、第2心時相から第16心時相までの画像が得られ、このようにしてシネ画像が得られる。
【0007】
また、この方法の応用として、一心周期内で得られるエコー信号の数よりも多い分割数(心時相数)のシネ画像を得る方法も提案されている。この方法では、欠落したデータを補間したうえ、画像を再構成する。例えば上記計測から2倍の32心時相分の画像も取得できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記レトロスペクティブゲーティング法は、時系列的に連続した一連の画像群を撮像するシネ撮影に適しているものの、撮影された個々の画像についてはS/Nが問題となることがある。例えば、診断等の必要上、高S/N画質の画像が特に要求される場合もあるが、従来のレトロスペクティブゲーティング法ではこのような要求を十分に満たすためには、信号加算平均を実施する必要があり、その結果撮像時間が延長する問題があった。
【0009】
本発明は、レトロスペクティブゲーティング法を用いた撮像において撮像時間を延長することなく高S/N画質のシネ画像を取得することが可能なMRI方法及びMRI装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のMRI方法は、上記目的を達成するためレトロスペクティブゲーティング法を改良したものであり、即ち、被検体の周期的な動きの略平均周期ごとに印加する傾斜磁場の位相エンコード量を変化させるとともに、一定の繰り返し時間で間断なく、前記被検体の組織内の原子核スピンを励起する高周波パルスを照射して、それにより発生するエコー信号を計測するパルスシーケンスを起動し、前記周期的な動きの各時相において収集された位相エンコードの異なる所定数のエコー信号を用いて各時相における組織の断層画像を得る磁気共鳴イメージング方法において、一位相エンコードのデータとして、時系列的に隣接して得られた複数のエコー信号を加算平均したものを用いて、1画像を構成するための画像データを作成し、周期的な動きにおける時相の断層画像を取得する。この際、加算平均後のデータの計測タイミング情報として、複数のエコー信号を発生させた複数の高周波パルスの各印加タイミングを加算平均した平均値を用いる。
【0011】
本発明の方法では、時系列的に隣接して得られた複数のエコー信号を加算平均したものを1位相エンコードのデータとして用いることにより、従来のレトロスペクティブゲーティング法による画像よりもS/Nが良好な画像を得ることができる。この場合、各位相エンコードのデータを周期的な動きの各時相に分類する際に、複数のエコーを発生させた複数の高周波パルスの各印加タイミングを加算平均したものを計測タイミング情報として用いることにより、各時相の状態を反映した画像を得ることができる。
【0012】
また、本発明のMRI装置は、通常のレトロスペクティブゲーティング法を用いたイメージング法と、上述した本発明によるイメージング方法を選択的に実現するためのものである。即ち、本発明のMRI装置は、被検体の周期的な動きの略平均周期ごとに印加する傾斜磁場の位相エンコード量を変化させるとともに、一定の繰り返し時間で間断なく、被検体の組織内の原子核スピンを励起する高周波パルスを照射して、それにより発生するエコー信号を計測するパルスシーケンスを起動するシーケンス手段と、周期的な動きの所望の時相において収集された位相エンコードの異なる所定数のエコー信号を用いて当該時相における組織の断層画像を得る画像再構成手段と、各時相について得られた画像をシネ表示する表示手段とを備え、画像再構成手段は、一位相エンコードのデータとして一つのエコー信号を用いて画像データを作成する第1の機能と、一位相エンコードのデータとして時系列的に隣接して得られた複数のエコー信号を加算平均したものを用いて画像データを作成する第2の機能とを有し、これら第1及び第2の機能を選択する選択手段を備えたものである。
【0013】
本発明のMRI装置は、このような選択手段を備えたことにより、信号計測後診断時において画像再構成手段の機能の任意のものを選択して、画像再構成し、診断目的に応じた複数種の画像を切換えて表示させることができる。これにより、通常のレトロスペクティブゲーティング法によるシネ画像を取得できると同時に、本発明のMRI方法による高S/N画質のシネ画像を得ることができる。これらを診断等の必要に応じて、選択手段により切換えることにより、画像計測終了後に各時相の画像のS/Nを調整し、診断に有効な画像情報を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のMRI方法を実施するために好適な本発明のMRI装置の一実施例について図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示すもので、このMRI装置は、被検体1の置かれる空間に静磁場を与える静磁場発生磁気回路2と、該空間に傾斜磁場を与える傾斜磁場発生系3と、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加するシーケンサ7と、このシーケンサ7からの高周波パルスにより被検体1の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場を照射する送信系4と、上記の核磁気共鳴により放出されるエコー信号を検出する受信系5と、この受信系5で検出したエコー信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理系6と、これら送信系4、受信系5、信号処理系6を制御する中央処理装置(以下、CPUと称す)8とを備え、更に空間内の位置情報を得るための3軸方向の傾斜磁場を形成する3軸の傾斜磁場コイル9を備えている。これらの傾斜磁場コイル9は、シーケンサ7からの信号で動作する傾斜磁場電源10から電流を供給され、傾斜磁場を発生するものである。
【0016】
この装置では、被検体1は0.02〜2テスラ程度の静磁場を発生させる静磁場発生磁気回路2の中に被検体1が置かれ、所定のパルスシーケンスにより送信系4内の高周波コイル14aによって計測しようとする原子核のラーモア周波数に等しい周波数の高周波磁場(電磁波)を照射される。高周波磁場は、シンセサイザ11からの基本周波数信号を、CPU8により制御されるシーケンサ7が送り出す信号で変調器12により変調後、高周波磁場コイル用増幅器13によって増幅したものを高周波コイル14aに送ることで得られる。この際、被検体1の断層面を決めるためのスライス方向傾斜磁場Gs、及び磁気共鳴により生ずるエコー信号に位置情報を付与する位相エンコード方向傾斜磁場Gp及び周波数エンコード方向傾斜磁場Gfが印加される。
【0017】
本発明のMRI装置では、シーケンサ7は後述するようなレトロスペクティブゲーティング法によるパルスシーケンスを実行する。
【0018】
高周波磁場の照射により被検体から発生するエコー信号(電磁波)を受信系5内の高周波コイル14bで受信し、増幅器15で増幅、波形整形した後、直交位相検波器16で位相検波し、A/D変換器17でデジタル化して受信系6のCPU8に送る。CPU8では、このデータを基に画像を再構成演算し、被検体1の断層画像をディスプレイ20に表示する。MRI装置の撮像条件や画像処理条件等は操作卓21によりCPU8に入力され、演算により得られたデータは必要に応じて磁気ティスク18或いは光ディスク19等の記憶手段に格納される。
【0019】
本発明においてはレトロスペクティブゲーティング法によるパルスシーケンスにおいて計測されたエコー信号に基づき、信号処理系6(CPU8)においてエコー信号と被検体の周期的変動の各時相を対応付けて各心時相毎の画像データが作成される。ここで、信号処理系6は、通常のレトロスペクティブゲーティング法によるシネ画像を作成する機能と、通常よりS/Nの良好な画質のシネ画像を作成する機能とを選択的に切り換え可能な選択手段を備えている。この選択手段は、MRI装置の撮像条件等を入力するための操作卓21からの指令によってCPU8おいて実行され、エコー信号計測後、診断の際に診断目的に合った画質の画像を選択して表示させることができる。このような処理を可能にするために、信号処理系6は、計測されたエコー信号のデータを、磁気ディスク18等の記憶手段に記録しておき、操作卓21からの指示に従って記録されたエコー信号のデータに画像再構成の処理を実行する。
【0020】
CPU8は計測されたエコー信号のデータを実測された周期運動の各時相に対応付けるに当り、操作卓2の選択に基づき、異なる処理を実行する。例えば高S/N比の画質が選択された場合には、後述する本発明によるレトロスペクティブゲーティング法により時系列的に隣接する複数のエコー信号の加算平均を行った上で2次元フーリエ変換法等により画像再構成を行う。これにより高S/Nな画質のシネ画像が得られる。一方、通常の画質が選択された場合には、通常のレトロスペクティブゲーティング法による画像再構成が実行され、通常の画質のシネ画像が得られる。
【0021】
操作卓21では、直接加算データ数を入力してもよく、また高S/N比の画質か通常の画質かを選択するようにしてもよい。また画質を選択する場合、画質の種類は2種類のみならず加算データ数に応じて複数とすることができる。
【0022】
次にこのようなMRI装置で実行される高S/N比の画質を得るためのレトロスペクティブゲーティング法について説明する。
【0023】
本発明によるレトロスペクティブゲーティング法は、計測後のエコー信号の処理に関わるものであり、エコー信号の計測は従来のレトロスペクティブゲーティング法のパルスシーケンスと全く同様である。即ち、心拍動とは関係なく一定の繰り返し時間で繰り返し照射される高周波パルスと、これら高周波パルスによって発生するエコー信号を計測するステップとエコー信号に位相エンコードするための位相エンコード傾斜磁場とを印加するステップを含んでいる。このエコー信号を発生するための基本シーケンスとしては、1回の高周波パルスで少なくとも1のエコー信号を計測する勾配エコー(GE)法或いはスピンエコー法(SE法)を基本とするものであればよく、この場合、図では省略されているが所定のスライスを励起するためのスライス傾斜磁場及びエコー信号に周波数エンコードするための周波数エンコード傾斜磁場を印加するステップを含む。
【0024】
高周波パルスは、被検体の心電計測を行うことにより予め求められた平均心拍周期を任意の心時相数で除して得た一定間隔TRで繰り返され、繰り返し毎に1つのエコー信号が計測される。位相エンコード傾斜磁場は、位相エンコード量を一平均心周期に若干の余裕時間を加えた略平均周期ごとに変化させて、最終的に各心時相について全ての位相エンコード数(例えば256)のエコー信号が計測されるまで位相エンコードを変化させながらパルスシーケンスを繰り返す。
【0025】
一方、このようなMRI装置による撮像と平行して、心電計測を行い、心拍と同期して得られる心電トリガ信号を得る。これら心電トリガ信号はエコー信号計測後、画像データを作成する際に心時相とエコー信号データを対応付けるために使用される。
【0026】
図2はこのようなMR計測後の(a)心電トリガ信号及び(b)励起パルス、エコー信号(MR信号)のタインミングを示すもので、この実施例では時系列的に隣接した2つのエコー信号を加算平均して画像データを作成する場合を示している。また図示する例では、説明を簡単にするために余裕時間を省略し、位相エンコードを変化させるための1平均心拍周期とリアルタイムでの心拍周期とが一致している規則的な場合を示しているが、実際の計測では必ずしも心電トリガ信号の発生と位相エンコードの変化とは一致していない。
【0027】
次にこのようなパルスシーケンスの繰り返しにより得られたエコー信号を用いて各心時相の画像データを作成する方法を説明する。
【0028】
このためまず同図(c)に示すように、実際の1心周期を心時相毎に分割する。この例では心電トリガ信号201と202との間(1心拍周期)が16の領域241〜256に分割され、これらは16心時相に対応している。また2番目の心電トリガ信号202から第3のトリガ信号(図示せず)までの心拍周期も16の領域261〜領域268(後半の8個の領域は図示省略されている)に分割され、それぞれ16心時相に対応する。以後、全ての心拍周期について同様に各心時相に対応する時間領域に分割される。
【0029】
第1心拍周期における16の心時相では、それぞれ16個の励起パルス211p〜226pにより発生する16個のエコー信号211s〜226sが計測されている。通常のレトロスペクティブゲーティング法ではこれら各エコー信号211s〜226sを対応する心時相の画像を再構成するための画像データとして用いるのであるが、この実施例では隣接する2つのエコー信号を用いて1つの心時相の画像を再構成するためのデータとして用いる。
【0030】
例えば、エコー信号211sとエコー信号212sとを加算平均してデータ211s"が得られ、エコー信号212sとエコー信号213sとを加算平均してデータ212s"が得られ、同様に順次隣接するエコー信号の加算平均を行い、一心拍周期の最後にはエコー信号225sとエコー信号226sとを加算平均してデータ225s"が得られる。そして以降の周期についても上記同様に繰り返し、第1位相エンコードから最終位相エンコード(例えば第256位相エンコード)までの加算平均データを得る。
【0031】
次にこのように加算平均して得られたデータ211s"〜225s"・・・等を心時相に対応する各領域241〜256に対応付ける。この際、加算平均されたデータの計測タイミング情報として、図2(b’)に示すように各励起パルスの照射タイミングを加算平均した値を求める。各エコー信号が持つタイミング情報はそれを発生させた励起パルスの印加タイミングに対応する。従って加算平均されたデータについては、各エコー信号を発生させた励起パルスの印加タイミングの加算平均値をそのタイミング情報と見做すことができる。
【0032】
従って、エコー信号211sを発生させた励起パルス211pの印加タイミングと、エコー信号212sを発生させた励起パルス212pの印加タイミングとを加算平均して計測タイミング211p"を求め、これをデータ211s"を心時相と対応付けるためのタイミング情報として扱う。同様に、データ212s"については励起パルス212pと励起パルス213pの各印加タイミングを加算平均した計測タイミング212p"をタイミング情報とし、同様に各加算平均データについて順次タイミング情報を求め、この周期の最後に当たるデータ225s"については励起パルス225pと励起パルス226pの各印加タイミングを加算平均した値を計測タイミング226p"とする。
【0033】
このようにして得た計測タイミングが属する時間領域が、各加算平均したデータの対応する心時相に相当する。具体的に説明すると、計測タイミング211p"は時間領域241に属するので、これに対応する加算平均データ211s"は第1心時相に分類される。同様にデータ212s"は第2心時相に、この周期の最後のデータ225s"は第15心時相に分類され、次の周期のデータ231s"は第1心時相に分類される。
【0034】
第1心時相に分類された全ての位相エンコードにおける加算平均データ、即ち第1位相エンコードのデータ211s”、第2位相エンコードのデータ231s”等のデータを位相エンコードに従い選択、収集し、画像構成用のデータとしてk空間に配列し、2次元フーリエ変換することにより第1心時相に相当する画像を得る。同様にして、第2心時相から第15心時相までの画像が得られ、このようにして1心拍周期内における組織の動態を表わしたシネ画像が得られる。
【0035】
このように加算平均をしたデータを用いることにより得られる画像のS/Nは、通常のレトロスペクティブゲーティング法により得られる画像の約1.4倍(約√2倍)となり、良好な画質のシネ画像が得られる。一方、本来2心時相分のデータを平均化することから、動きのある対象を捉えるには時間分解能が低下し、また生のエコー信号を用いたときより1心時相分の画像データが欠けることになるが、これは一周期を分割する心時相数を大きくして間隔TRを短くすることにより解消でき、実用上何ら支障なく実施できる。
【0036】
尚、図2に示す実施例では心時相数の生のエコー信号を計測して加算する場合を説明したが、レトロスペクティブゲーティング法の応用例として知られている心時相数より多い分割数のシネ画像を形成する方法にも適用できる。即ち、所定の心時相数でエコー信号を全て計測した後、この心時相数より多い数に領域分割し、欠落したデータを補間し、分割領域数と同数のデータを作成し、これらデータの時系列的に隣接するもの同士を更に加算平均してもよい。
【0037】
また上記実施例は、時系列的に隣接する2つのエコー信号を加算平均した場合を説明したが、加算平均するエコー信号の個数はこれに限定されるものではなく任意の複数個でよく、例えば3個を加算平均した場合を図3に示す。
【0038】
この実施例では、図2に示す実施例と同様にして全てのエコー信号を計測した後、時系列的に隣接した3つのエコー信号を加算平均する。即ち、エコー信号311s〜313sを加算平均することによりデータ311s'が得られ、エコー信号312s〜314sを加算平均することによりデータ312s'が得られ、同様に繰り返して、エコー信号324s〜326sを加算平均することにより、この周期の最後のデータ324s'が得られる。
【0039】
これらのデータの計測タイミングに関する時間情報も、上記実施例と同様に行い、データ311s'には励起パルス311p〜313pの印加タイミングを加算平均して得られる計測タイミング311p'が、データ312s'には励起パルス312p〜314pの印加タイミングを加算平均して得られる計測タイミング312p'が、この周期の最後のデータ324s'には励起パルス324p〜326pの印加タイミング加算平均して得られる計測タイミング324p'が計測タイミングとして用いられる。
【0040】
この実施例では、データ311s'の計測タイミング311p'は第2心時相に相当する時間領域342内にあり、データ312s'の計測タイミング312p'は第3心時相に相当する時間領域343にあり、同様にして、この周期の最後にあたる計測タイミング324p'は第15心時相に相当する時間領域355にあるので、データ311s'は第2心時相に、データ312s'は第3心時相に分類され、この周期の最後のデータ324s'は第15心時相に分類される。
【0041】
このように各心時相ごとに分類された加算平均されたデータを各位相エンコードについてk空間に配列し、2次元フーリエ変換等による画像再構成を行う。これにより、第2心時相から第15心時相までの14のシネ画像が得られる。
【0042】
隣接する3つのエコー信号を加算平均するこの実施例では、2つの加算平均に比べて更に画像のS/Nを向上させることができる。一方、第1心時相に当たる画像と第16心時相に当たる画像とが欠如し、また時間分解能が幾分低下するが、繰り返し間隔TRを短くすることにより前述の実施例同様、実用上問題はない。
【0043】
尚、上記の実施例はいずれも本発明を心臓の撮影に適用した場合について説明したが、心臓に限らず、例えば呼吸動、脳脊髄液の拍動などのように周期的動きを有する部分を撮影する場合にも同様に適用することができ、同様の効果が得られる。
【0044】
また上記の実施例ではいずれも計測後2次元フーリエ変換等による画像再構成を施す前のデータを用いて加算平均等の処理を実施しているが、当業者には容易に類推できるように、最終的な画像内容の大幅な変更をもたらすものでなければ画像再構成の処理手順を任意に変更することができ、例えば計測データに1次元フーリエ変換を施した後のデータを用いて加算平均等の処理を実施することができ、この場合にも同様の効果を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のMRI方法によれば、レトロスペクティブゲーティング法を用いて、取得された複数のエコー信号を位相エンコードに従い選択、収集、分類し、被検体の周期的動きを表わすシネ画像を得る際に、時系列的に隣接する複数個のエコー信号データを加算平均して画像を再構成するためのデータとすることにより、S/Nの良好なシネ画像が得られる。
【0046】
また、本発明のMRI装置は、信号処理系に異なる信号処理の機能をもたせるとともにこれら機能を選択する選択手段を設けたことにより、取得する画像の画質を選択的に切り換えることができ、これにより、1回の計測で得られたエコー信号を用いて、通常のレトロスペクティブゲーティング法により得られる画質のシネ画像を得ることができると共に、これよりS/Nの良好な画質の画像を計測終了後の後処理により得ることができる。従って、診断の必要性に応じて、画質を切換えながら表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のMRI装置のブロック図。
【図2】本発明のMRI方法の一実施例を示す図。
【図3】本発明のMRI方法の他の実施例を示す図
【図4】従来のMRI方法(レトロスペクティブゲーティング法)。
【符号の説明】
3・・・・・・傾斜磁場発生系
6・・・・・・信号処理系(画像再構成手段)
7・・・・・・シーケンサ(シーケンス手段)
8・・・・・・CPU(画像再構成手段)
20・・・・・・ディスプレイ(表示手段)
211p〜226p、231p〜238p・・・・・・励起パルス(高周波パルス)
211s〜226s、231s〜238s・・・・・・エコー信号
201、202・・・・・・心電トリガ信号(周期的な動き)
211p"〜225p"、231p"〜238p"・・・・・・計測タイミング
211s"〜225s"、231s"〜238s"・・・・・・画像構成用データ
241〜256、261〜268・・・・・・時間領域

Claims (5)

  1. 被検体の周期的な動きの略平均周期ごとに印加する傾斜磁場の位相エンコード量を変化させるとともに、一定の繰り返し時間で前記被検体の組織内の原子核スピンを励起する高周波パルスを照射して、それにより発生するエコー信号を計測するパルスシーケンスを制御するシーケンス手段と、前記周期的な動きの各時相において収集された位相エンコードの異なる所定数のエコー信号を用いて各時相における組織の断層画像を得る画像再構成手段とを有する磁気共鳴イメージング装置において、
    前記画像再構成手段は、一位相エンコードのデータとして、時系列的に隣接して得られた複数のエコー信号を加算平均したデータを用いて、1画像を構成するための画像データを作成し、前記周期的な動きにおける各時相の断層画像を取得することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記画像再構成手段は、前記加算平均したデータの計測タイミング情報として、複数のエコー信号を発生させた複数の高周波パルスの各印加タイミングを加算平均した平均値を用いることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 被検体の周期的な動きの略平均周期ごとに印加する傾斜磁場の位相エンコード量を変化させるとともに、一定の繰り返し時間で前記被検体の組織内の原子核スピンを励起する高周波パルスを照射して、それにより発生するエコー信号を計測するパルスシーケンスを制御するシーケンス手段と、前記周期的な動きの所望の時相において収集された位相エンコードの異なる所定数のエコー信号を用いて当該時相における組織の断層画像を得る画像再構成手段と、各時相について得られた画像をシネ表示する表示手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記画像再構成手段は、一位相エンコードのデータとして、一つのエコー信号のデータを用いて画像データを作成する第1の機能と、一位相エンコードのデータとして時系列的に隣接して得られた複数のエコー信号を加算平均したデータを用いて画像データを作成する第2の機能とを有し、これら第1及び第2の機能を選択する選択手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記シーケンス手段は、位相エンコードを前記周期な動きの平均周期以上の期間毎に変化させることを特徴とする請求項1又は請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記画像再構成手段は、エコー信号計測と平行して、前記周期な動きの時相情報を取得し、当該時相情報を用いて、事後的に計測したエコー信号の時相を決定することを特徴とする請求項1又は請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置。
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