JP2011010901A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】特別な知識や技能を要することなく、より簡易に適切な心拍時相を決定して血流像用のデータを収集することが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することである。
【解決手段】磁気共鳴イメージング装置は、予め被検体から取得した心拍情報HRまたは脈波情報に基づいて拍動に同期したイメージングにおけるデータ収集タイミングの時相を表す基準波Rからの遅延時間DTcor_sys, DTcor_diasを基準波R-R間隔の乱れの影響を低減するための補正を伴って設定し、設定した遅延時間DTcor_sys, DTcor_diasを伴って拍動に同期したイメージングスキャンを実行することによって磁気共鳴信号を収集するデータ収集手段と、前記磁気共鳴信号に基づいて血流像を生成する画像生成手段とを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波(RF: radio frequency)信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生する核磁気共鳴(NMR:nuclear magnetic resonance)信号から画像を再構成する磁気共鳴イメージング(MRI: Magnetic Resonance Imaging)装置に係り、特に、血流像を得るMRA (Magnetic Resonance Angiography)を実施することが可能な磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴イメージングは、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数のRF信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するMR信号から画像を再構成する撮像法である。
この磁気共鳴イメージングの分野において、血流像を得る手法としてMRAが知られている。MRAのうち、造影剤を使用しないものは非造影MRAと呼ばれる。非造影MRAでは、ECG (electro cardiogram)同期を行って心臓から拍出された速い流速の血流を捕捉することにより良好に血管を描出するFBI (Fresh Blood Imaging)法が考案されている(例えば特許文献1参照)。
このFBI法に併用される技術として、適切な心電同期の遅延時間を測定するためのECG-prepという技術が考案されている(例えば特許文献1参照)。ECG-prepは、イメージング用のFBIスキャンに先立って、適切な心電同期の遅延時間を決定するための準備スキャンであるECG-prepスキャンを行い、ECG-prepスキャンによって決定したECG遅延時間でFBIスキャンを実行するものである。ECG-prepスキャンは、ECG信号のR波からの遅延時間を徐々に変化させでデータ収集を行うことにより互いに時相が異なる複数のシングルショット画像を得るスキャンである。このECG-prepスキャンによって得られた複数の画像から適切に血管が描出された画像を選択することにより、FBIスキャンにおけるECG遅延時間を決定することができる。これにより、流速の速い血流を、より流速が遅い時相において描出することが可能となる。
また、ECG-prepスキャンによって収集された複数のECG-prep画像から最適なECG-prep画像を選択するための技術としてFBI-NAVIという技術も考案されている(例えば特許文献2参照)。
特開平11−239571号公報 特開2008−23317号公報
しかしながら、従来の心電同期における遅延時間、つまり撮像タイミングとなる時相の決定は、熟練した技師がECG-prep画像を参照しなければ困難であるという問題がある。
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、特別な知識や技能を要することなく、より簡易に適切な時相を決定して血流像用のデータを収集することが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、上述の目的を達成するために、予め被検体から取得した心拍情報または脈波情報に基づいて拍動に同期したイメージングにおけるデータ収集タイミングの時相を表す基準波からの遅延時間を基準波間隔の乱れの影響を低減するための補正を伴って設定し、設定した遅延時間を伴って拍動に同期したイメージングスキャンを実行することによって磁気共鳴信号を収集するデータ収集手段と、前記磁気共鳴信号に基づいて血流像を生成する画像生成手段とを有するものである。
また、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、上述の目的を達成するために、拍動に同期したイメージングにおけるデータ収集タイミングの時相を表す基準波からの複数の遅延時間であって、心拍情報または脈波情報と関連付けられた複数の遅延時間を記憶する記憶手段と、予め撮像対象となる被検体から取得した心拍情報または脈波情報に対応する遅延時間を前記記憶手段から取得することによって撮像条件として前記取得した遅延時間を設定し、設定した遅延時間を伴って拍動に同期したイメージングスキャンを実行することによって磁気共鳴信号を収集するデータ収集手段と、前記磁気共鳴信号に基づいて血流像を生成する画像生成手段とを有するものである。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置においては、特別な知識や技能を要することなく、より簡易に適切な時相を決定して血流像用のデータを収集することができる。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態を示す構成図。 図1に示すコンピュータの機能ブロック図。 図2に示す遅延時間決定部における遅延時間の決定方法を説明する図。 図2に示す遅延時間決定部において設定された補正前におけるける遅延時間DTを過去に使用した遅延時間DT_measuredとを比較した図。 図4に示す比較図に従って補正された遅延時間DT_corの例を示す図。 図2に示す遅延時間テーブルに保存される遅延時間の一例を示す図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置により被検体Pの血流像を撮像する際の手順を示すフローチャート。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
(構成および機能)
図1は本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態を示す構成図である。
磁気共鳴イメージング装置20は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石21、この静磁場用磁石21の内部に設けられたシムコイル22、傾斜磁場コイル23およびRFコイル24を備えている。
また、磁気共鳴イメージング装置20には、制御系25が備えられる。制御系25は、静磁場電源26、傾斜磁場電源27、シムコイル電源28、送信器29、受信器30、シーケンスコントローラ31およびコンピュータ32を具備している。制御系25の傾斜磁場電源27は、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zで構成される。また、コンピュータ32には、入力装置33、表示装置34、演算装置35および記憶装置36が備えられる。
静磁場用磁石21は静磁場電源26と接続され、静磁場電源26から供給された電流により撮像領域に静磁場を形成させる機能を有する。尚、静磁場用磁石21は超伝導コイルで構成される場合が多く、励磁の際に静磁場電源26と接続されて電流が供給されるが、一旦励磁された後は非接続状態とされるのが一般的である。また、静磁場用磁石21を永久磁石で構成し、静磁場電源26が設けられない場合もある。
また、静磁場用磁石21の内側には、同軸上に筒状のシムコイル22が設けられる。シムコイル22はシムコイル電源28と接続され、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて静磁場が均一化されるように構成される。
傾斜磁場コイル23は、X軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zで構成され、静磁場用磁石21の内部において筒状に形成される。傾斜磁場コイル23の内側には寝台37が設けられて撮像領域とされ、寝台37には被検体Pがセットされる。RFコイル24にはガントリに内蔵されたRF信号の送受信用の全身用コイル(WBC: whole body coil)や寝台37や被検体P近傍に設けられるRF信号の受信用の局所コイルなどがある。
また、傾斜磁場コイル23は、傾斜磁場電源27と接続される。傾斜磁場コイル23のX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zはそれぞれ、傾斜磁場電源27のX軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zと接続される。
そして、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zからそれぞれX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zに供給された電流により、撮像領域にそれぞれX軸方向の傾斜磁場Gx、Y軸方向の傾斜磁場Gy、Z軸方向の傾斜磁場Gzを形成することができるように構成される。
RFコイル24は、送信器29および/または受信器30と接続される。送信用のRFコイル24は、送信器29からRF信号を受けて被検体Pに送信する機能を有し、受信用のRFコイル24は、被検体P内部の原子核スピンのRF信号による励起に伴って発生したNMR信号を受信して受信器30に与える機能を有する。
一方、制御系25のシーケンスコントローラ31は、傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30と接続される。シーケンスコントローラ31は傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させるために必要な制御情報、例えば傾斜磁場電源27に印加すべきパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したシーケンス情報を記憶する機能と、記憶した所定のシーケンスに従って傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させることによりX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場GzおよびRF信号を発生させる機能を有する。
また、シーケンスコントローラ31は、受信器30におけるNMR信号の検波およびA/D (analog to digital)変換により得られた複素データである生データ(raw data)を受けてコンピュータ32に与えるように構成される。
このため、送信器29には、シーケンスコントローラ31から受けた制御情報に基づいてRF信号をRFコイル24に与える機能が備えられる一方、受信器30には、RFコイル24から受けたNMR信号を検波して所要の信号処理を実行するとともにA/D変換することにより、デジタル化された複素データである生データを生成する機能と生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える機能とが備えられる。
さらに、磁気共鳴イメージング装置20には、被検体PのECG (electro cardiogram)信号を取得するECGユニット38が備えられる。ECGユニット38により取得されたECG信号はシーケンスコントローラ31を介してコンピュータ32に出力されるように構成される。
尚、拍動を心拍情報として表すECG信号の代わりに拍動を脈波情報として表す脈波同期(PPG: peripheral pulse gating)信号を取得することもできる。PPG信号は、例えば指先の脈波を光信号として検出した信号である。PPG信号を取得する場合には、PPG信号検出ユニットが設けられる。以下、ECG信号を取得する場合について述べる。
また、コンピュータ32の記憶装置36に保存されたプログラムを演算装置35で実行することにより、コンピュータ32には各種機能が備えられる。ただし、プログラムによらず、各種機能を有する特定の回路を磁気共鳴イメージング装置20に設けてもよい。
図2は、図1に示すコンピュータ32の機能ブロック図である。
コンピュータ32は、プログラムにより撮像条件設定部40、シーケンスコントローラ制御部41、k空間データベース42、画像再構成部43、画像データベース44および血流像作成部45として機能する。撮像条件設定部40は、心拍取得部46、遅延時間決定部47および遅延時間テーブル48を備えている。
撮像条件設定部40は、入力装置33からの指示情報に基づいてパルスシーケンスを含む撮像条件を設定し、設定した撮像条件をシーケンスコントローラ制御部41に与える機能を有する。特に、撮像条件設定部40は、ECG信号やPPG信号等の心拍情報を利用したECG同期やPPG同期等の心拍同期を伴って血流像を取得するためのパルスシーケンスを設定する機能を備えている。
血流像を収集する手法には、造影剤を用いない非造影MAR法および造影剤を用いたMRAである造影MRA法が挙げられる。非造影MAR法としては、FBI法、TOF (time of flight)法、スピンの定常状態を作り出す定常自由歳差運動(SSFP: steady state free precession)法、FLOW PREP法が挙げられる。従って、これらのMRA手法のうち任意の手法に従ったパルスシーケンスを撮像条件として設定することができる。
FBI法は、SSFPシーケンスやハーフフーリエ法を利用したFASE (fast asymmetric spin echoまたはfast advanced spin echo)シーケンス等のSE (spin echo)系のシーケンスを用いてR波等の被検体Pの心時相を表す基準波に同期したトリガ信号から所定の遅延時間だけ遅延させて複数心拍毎にエコーデータを繰り返して収集する非造影MRAである。FBI法によれば、複数心拍の経過によって血液の横緩和(T2)成分の磁化が回復し、血液のT2磁化成分を強調した水(血液)強調画像を血管画像として得ることができる。また、FBI法では所定スライスエンコード量分のエコーデータ(ボリュームデータ)を収集する3次元スキャンが実行される。
TOF法は、血液の撮影断面へのinflow効果を利用する血管画像の取得法である。すなわち、TOF法は、サチュレーションパルスの印加後に撮像断面に流入する血液信号を画像化するものである。TOF法では、FE (field echo)系シーケンスを用いてより早いデータ収集タイミングでスキャンが行われ、縦緩和(T1)強調画像が血管画像として取得される。
Flow Prep法は、目的とする血管内を流れる血流の最高血流速度に合わせてRFパルスを印加してラベリングを行い、心筋の拡張期に撮像することで、動脈を選択的に描出する方法である。
撮像条件設定部40の心拍取得部46は、ECGユニット38または図示しないPPGユニットから被検体Pの心拍情報を取得して、被検体Pの心拍数(HR: heart rate)を遅延時間決定部47に与える機能を有する。心拍情報としては、ECG信号やPPG信号の他、HR自体やECG信号やPPG信号上において隣接する基準波間における期間が挙げられる。ECGユニット38やPPGユニットにHRを計算する機能がある場合には、心拍取得部46はECGユニット38やPPGユニットから直接HRを取得するように構成される。また、ECGユニット38やPPGユニットからECG信号、PPG信号またはこれらの信号上の隣接する基準波間における期間を取得して心拍取得部46がECG信号やPPG信号に基づいてHRを算出するように構成してもよい。例えば、ECG信号上のR波間R-Rから式(1)によりHRを計算することができる。
R-R=60000ms/HR (1)
尚、心拍取得部46において複数のHRを計算または取得し、精度向上のために複数のHRの平均値を遅延時間決定部47に与えるように構成してもよい。例えば、10回程度HRを取得し、10個のHRの平均値を遅延時間決定部47に与えるHRとすることができる。実用的な精度でHRを求めるためには、4回から20回HRを取得して平均値を求めればよいと考えられる。
遅延時間決定部47は、心拍取得部46から取得したHRに基づいて心拍同期イメージングにおける基準波から適切な遅延時間を撮像条件として設定する機能を有する。遅延時間の設定方法としては、HRと遅延時間との関係を表す計算式を用いてHRから遅延時間を算出する方法と、予めHRと遅延時間との関係を関連付けたテーブルを準備しておき、テーブル参照して被検体PのHRに対応する遅延時間を取得する方法とがある。
例えば、心筋の収縮期をSDとすると、収縮期SDとHRとの間には、式(2)が近似的に成立するという報告がある。ただし、式(2)における数値550は、正確には性別や年齢による個体差があるため異なる値となる場合もある。従って2次式や3次以上の高次式で収縮期SDとHRとの関係を表してもよい。
SD = 550-2HR (2)
従って、データ収集タイミングを拡張期に設定したい場合には、式(2)から収縮期SDを推定し、データ収集タイミングが拡張期となるように遅延時間を設定することができる。具体例として、HRが60のときには、式(1)および式(2)からR-R=1000, SD=330となるため、遅延時間は、R波から少なくとも330ms以降の670msの期間に設定すればよいこととなる。つまり、式(2)が成立するように関数fを用いて遅延時間DTとHRとの関係を示す式(3)を決定することができる。
DT = f(HR) (3)
ただし、不整脈があるとR-Rが極端に短くなり、HRが大きくなることがある。このような場合に、大きいHRをそのまま用いて収縮期SDを計算すると、収縮期SDが次の心拍に跨る恐れがある。換言すれば、データ収集タイミングがR波の直前となる可能性がある。そこで、遅延時間決定部47には、R-Rが乱れても適切な遅延時間DTが撮像条件として設定されるように式(3)により計算される遅延時間DTを補正する機能が備えられる。遅延時間DTの補正は、予め経験的に決定した係数を乗じることにより行うこともできる。ただし、経験的には、式(4)に示すように、補正係数kを加算すれば実用的な値として補正後の遅延時間DTcorを求めることができると考えられる。補正係数kは、後述するように予め経験的に求めておくことができる。
DTcor = DT+k = f(HR)+k (4)
また、同様に、HRと拡張期との関係式を試験等の任意の手法で予め求めておき、HRと拡張期との関係式に基づいて拡張期を推定するようにしてもよい。また、データ収集タイミングの基準波からの遅延時間が収縮期に設定されるように遅延時間DTとHRとの関係を示す計算式を決定することもできる。
ところで、血流像の撮像領域も任意に設定することができる。従って、下肢の血流像イメージングや冠動脈撮像を行うための撮像条件を設定することもできる。ただし、撮像部位ごとに血流の速度が異なり、適切なデータ収集タイミングの基準波からの遅延時間も撮像部位ごとに異なる値として、より高精度で設定することが望ましい場合がある。そこで、撮像部位ごとにHRと遅延時間との関係を表す計算式を定めておくこともできる。例えば、下肢等の末端部分では、血流速が心臓付近に比べて遅いため末端部分の遅延時間を心臓付近の遅延時間よりも長く設定することができる。この場合、心臓から撮像部位までの距離のみならず、ECG信号と手の指等の末端部分から取得したPPG信号との間における時間差や平均血流速の差に応じて遅延時間を決定することもできる。
さらに、血流の流速を表す指標として、足首と上腕の血圧の比(ABI: ankle brachial index)がある。そこで、ABIの値ごとにHRと遅延時間との関係を表す計算式を定めておくこともできる。また、血管狭窄等の病変部位の程度によっても血流の流速が変化する。このため、病変部位の進行度を示す指標の値ごとにHRと遅延時間との関係を表す計算式を定めておくこともできる。
換言すれば、HRと遅延時間との関係を表す計算式とともに、撮像部位、ABIの値および/または病変部位の進行度を示す指標の値ごとの遅延時間の補正係数を定めておき、HRと遅延時間との関係を表す計算式に基づいて算出された遅延時間に撮像部位、ABIの値および/または病変部位の進行度を示す指標の値ごとの補正係数を加算または乗算することにより遅延時間を補正することができる。
また、R波等の心時相を示す基準波から最初のRFパルスや傾斜磁場パルスの印加時刻までの期間を遅延時間として設定する撮影条件の設定方法により遅延時間を設定する場合には、パルスシーケンスによっては遅延時間をシフトさせることが望ましい場合がある。例えば、シーケンスの開始タイミングではなく、k空間中心付近におけるデータ収集タイミングが拡張期または収縮期の所望のタイミングとなるように遅延時間を設定することが望ましい場合がある。さらに、STIR (short TI inversion recovery)法やCHESS(chemical shift selective)法等の脂肪抑制法による撮像を行う場合には、STIRパルスやCHESSパルス等の脂肪抑制パルスから90°励起パルスまでの遅延時間を考慮する必要がある。例えば、STIR法による撮像を行う場合には、180°IRプリパルスから90°励起パルスまでの反転時間(TI: inversion time)を考慮する必要がある。
そこで、遅延時間決定部47には、一旦、R-Rの乱れの影響を回避するために補正した遅延時間DTcorをTI等の脂肪抑制パルスの遅延時間DTFや実行エコー時間(effective TE: effective echo time)に基づいて補正する機能が備えられる。つまり、以上の機能を備えるため遅延時間決定部47は、撮像部位をLOCATION、実行TEをTEeff、病変部位の進行度を示す指標の値をINDEXとすると、式(5)により、遅延時間DTcorを設定するように構成することができる。TEeffは、セントリックデータ収集、シーケンシャルデータ収集等のデータ収集法により異なる値となる。また、遅延時間の決定に必要なパラメータは、入力装置33から遅延時間決定部47に入力することができる。
DTcor = f(HR, LOCATION, ABI, DTF, TEeff, INDEX)+k (5)
尚、R波等の心時相を示す基準波からk空間中心付近におけるデータ収集タイミングまでの期間を直接、遅延時間として設定する撮影条件の設定方法により遅延時間を設定する場合には、TI等の脂肪抑制パルスの遅延時間やTEeffを考慮する必要はない。
図3は、図2に示す遅延時間決定部47における遅延時間の決定方法を説明する図である。
図3において、横軸は心時相を示す。図3に示すように、式(1)および式(2)を用いると、HRからECG信号のR-R、収縮期SD、拡張期DDを推定することができる。そして、推定されたR-R、収縮期SD、拡張期DDと矛盾が生じないように、R-Rの乱れの影響が回避されるようなデータ収集の遅延時間DTcorを設定することができる。
例えば、FBI法による撮像の場合には、SSFPシーケンスやFASEシーケンスにより複数心拍ごとに収縮期と拡張期においてそれぞれデータを収集し、拡張期に対応するデータと収縮期に対応するデータとの間における差分処理を行うことにより静動脈を分離した良好なコントラストの血流像データを作成することができる。
そこで、収縮期SDにおいてデータを収集するためのFASEシーケンス(FASEsys)と拡張期DDにおいてデータを収集するためのFASEシーケンス(FASEdias)が複数心拍ごとに設定される。このため、収縮期SDのデータ収集用のFASEシーケンス(FASEsys)のR波からの遅延時間DTcor_sysと、拡張期DDのデータ収集用のFASEシーケンス(FASEdias)のR波からの遅延時間DTcor_diasとが設定される。すなわち、収縮期SD中および拡張期DD中の所望のタイミングにおいてそれぞれk空間中心付近におけるデータが収集されるように、R-Rの乱れの影響を回避するための補正係数k、TI等の脂肪抑制パルスの遅延時間およびTEeffだけ時間的にシフトさせたタイミングで各遅延時間DTcor_sys, DTcor_diasを設定することができる。
図3は、式(6-1)および式(6-2)によりそれぞれ収縮期SDにおいてデータを収集するための遅延時間DTcor_sysおよび拡張期DDにおいてデータを収集するための遅延時間DTcor_diasを設定した例を示している。
DTcor_sys = SD/2+k-(TI+TEeff) (6-1)
DTcor_dias = SD+DD/2+k-(TI+TEeff) (6-2)
尚、収縮期SDのデータ収集用のFASEシーケンス(FASEsys)と拡張期DDのデータ収集用のFASEシーケンス(FASEdias)とが互に異なる心拍期間において実行される場合もある。
また、TOF法によるECG同期イメージングを行う場合には、データ収集用の遅延時間が拡張期SDまたは収縮期DDのいずれかのみに設定される。Flow Prep法によるECG同期イメージングを行う場合には、複数の血流のラベリングパルスがプリパレーションパルスとして励起パルスに先立って印加される。このため、ラベリングパルスの印加タイミングから励データ収集タイミングまでのエコー時間(TE: echo time)だけデータ収集の遅延時間がシフトされる。Flow Prep法の場合、データ収集タイミングは、収縮期SDおよび拡張期DDのいずれかのみの場合と、収縮期SDおよび拡張期DDの双方となる場合がある。
次に、R-Rの乱れの影響を回避するための補正係数kの決定方法について説明する。
図4は、図2に示す遅延時間決定部47において設定された補正前におけるける遅延時間DTを過去に使用した遅延時間DT_measuredとを比較した図であり、図5は、図4に示す比較図に従って補正された遅延時間DT_corの例を示す図である。
図4および図5において横軸はHRを示し、縦軸は、遅延時間(ms)を示す。式(6-1)および式(6-2)においてkをゼロとして補正前における収縮期SDおよび拡張期DDの遅延時間DTsys, DTdiasをHRごとにプロットすると図4の菱形印および四角印で示すようなデータが得られる。一方、予め複数の被検体についてECG信号のR波等の基準波からの遅延時間を変えながら血流像データの収集を行うECG-prepスキャンを実行することによって決定された過去の適切な収縮期SDおよび拡張期DDの遅延時間DTsys_measured, DTdias_measuredをプロットすると図4の三角印および×印で示すようなデータが得られる。
そこで、補正前における収縮期SDの遅延時間DTsysのプロットデータと過去の適切な収縮期SDの遅延時間DTsys_measuredのプロットデータとの間における乖離量が小さくなるように補正係数kの値を決定することができる。この場合、最小2乗法等のフィッティングを利用することができる。また、同様に、拡張期DDの遅延時間DTdiasのプロットデータと過去の適切な拡張期DDの遅延時間DTdias_measuredのプロットデータとの間における乖離量が小さくなるように補正係数kの値を決定することもできる。従って、補正係数kは、処理の簡易化の観点から収縮期SDと拡張期DDとの間で共通にしても良いし、精度向上の観点から収縮期SDと拡張期DDとの間で異なる値に設定してもよい。
そして、計算によって求めた収縮期SDおよび拡張期DDの遅延時間DTsys, DTdiasを補正係数kを用いて補正すると図5に示すように補正後の遅延時間DTcor_sys, DTcor_diasをそれぞれ過去の適切な遅延時間DTsys_measured, DTdias_measuredにより近い値に設定することができる。尚、図5では、過去の遅延時間DTsys_measured, DTdias_measured自体を補正係数kを用いて平行移動することによって評価しているが、計算によって求めた遅延時間DTsys, DTdiasを補正係数kを用いて補正した場合と同様な評価結果となる。
一方、ここまでは、計算式を用いてHRから遅延時間を設定する場合について説明したが、上述したように、HRと遅延時間とを関連付けたテーブルに基づいて遅延時間を設定することもできる。
遅延時間テーブル48には、HRの値の範囲ごとの遅延時間がテーブルとして予め保存されている。例えば、HR<50, 50<HR<70, 70<HRのように、HRの値の範囲を3つの範囲に分けて、HRの範囲ごとに異なる適切な遅延時間を決定して遅延時間テーブル48に記憶させることができる。さらに、計算式を用いて遅延時間を設定する場合と同様に、ABIの値、病変部位の進行度を示す指標の値および/または撮像部位ごとに異なる適切な遅延時間を関連付けて遅延時間テーブル48に保存することができる。また、遅延時間テーブル48に保存する遅延時間は、補正係数kを用いて補正した後の遅延時間とすることができる。
そして、テーブルに基づいて遅延時間を設定する場合には、入力装置33から入力されたABIや撮像部位等の情報に基づいて遅延時間決定部47が対応する遅延時間を遅延時間テーブル48を取得するように構成される。
図6は、図2に示す遅延時間テーブル48に保存される遅延時間の一例を示す図である。
図6に示すように撮像部位ごとに収縮期(SYS)および拡張期(DIAS)に対応するHRの値に応じた遅延時間が遅延時間テーブル48に保存される。尚、図6は、TI=150msおよびTEeff=80msの場合の例を示している。また、70%の血管狭窄がある場合には、それぞれ40msだけ加算して遅延時間が設定されるようにテーブルが作成されている。
次に、コンピュータ32の他の機能について説明する。
シーケンスコントローラ制御部41は、入力装置33からのスキャン開始指示情報を受けた場合に、撮影条件設定部40からパルスシーケンスを含む撮影条件を取得してシーケンスコントローラ31に与えることにより駆動制御させる機能を有する。また、シーケンスコントローラ制御部41は、シーケンスコントローラ31から生データを受けてk空間データベース42に形成されたk空間に配置する機能を有する。このため、k空間データベース42には、受信器30において生成された各生データがk空間データとして保存される。
画像再構成部43は、k空間データベース42からk空間データを取り込んでフーリエ変換(FT: Fourier transform)を含む画像再構成処理を施すことにより画像データを再構成する機能と、再構成して得られた画像データを画像データベース44に書き込む機能を有する。このため、画像データベース44には、画像再構成部43において再構成された画像データが保存される。
血流像作成部45は、画像データベース44から必要な画像データを読み込んで、差分処理等の画像処理や最大値投影(MIP: Maximum Intensity Projection)処理等の表示処理を行うことによって表示用の血流像データを生成する機能と、生成した血流像データを表示装置34に与えることによって表示装置34に血流像を表示させる機能とを有する。例えば、拡張期において収集されたk空間データから得られる画像データと収縮期において収集されたk空間データから得られる画像データとの差分処理によって静動脈分離を行って動脈の血流像データを抽出することができる。
(動作および作用)
次に磁気共鳴イメージング装置20の動作および作用について説明する。
図7は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20により被検体Pの血流像を撮像する際の手順を示すフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
まず予め寝台37に被検体Pがセットされ、静磁場電源26により励磁された静磁場用磁石21(超伝導磁石)の撮像領域に静磁場が形成される。また、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて撮像領域に形成された静磁場が均一化される。
次に、ステップS1において、心拍情報としてHRが取得される。すなわち、ECGユニット38により被検体PのECG信号が取得される。ECGユニット38では、取得したECG信号からR波を検出することによりHRが求められる。得られたHRはECG信号とともにECGユニット38からシーケンスコントローラ31を介してコンピュータ32に出力される。そして、心拍取得部46によりHRが取得される。
次に、ステップS2において、撮像条件設定部40は、HRに基づく心拍同期用の遅延時間およびパルスシーケンスを含むMRA用の撮像条件を設定する。遅延時間は、遅延時間決定部47において上述したようなHRと遅延時間との関係を表す関係式や遅延時間テーブル48に保存されたHRの値に関連付けられた遅延時間のテーブルを参照することによりHRに基づいて設定することができる。また、遅延時間は、ABI、撮像部位、病変部位の進行度を示す指標の値、TI等の脂肪抑制パルスの遅延時間および/またはTEeffに応じて補正することもできる。さらに、遅延時間は、予め経験的に決定された補正係数kにより適切な値に補正される。この結果、図3に示すようなパルスシーケンスが撮像条件として設定される。
次に、ステップS3において、設定された撮像条件に従ってR波からの遅延時間を伴う心電同期でイメージングスキャンが実行され、データ収集が行われる。
すなわち、入力装置33からシーケンスコントローラ制御部41にスキャン開示指示が与えられると、シーケンスコントローラ制御部41は撮影条件設定部40から心電同期用の遅延時間およびパルスシーケンス含む撮像条件を取得してシーケンスコントローラ31に与える。シーケンスコントローラ31は、シーケンスコントローラ制御部41から受けた撮像条件およびECGユニット38からのECG信号に従って心電同期下で傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させることにより被検体Pがセットされた撮像領域に傾斜磁場を形成させるとともに、RFコイル24からRF信号を発生させる。
このため、被検体Pの内部における核磁気共鳴により生じたNMR信号が、RFコイル24により受信されて受信器30に与えられる。受信器30は、RFコイル24からNMR信号を受けて、所要の信号処理を実行した後、A/D変換することにより生データを生成する。受信器30は、生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える。シーケンスコントローラ31は、生データをシーケンスコントローラ制御部41に与え、シーケンスコントローラ制御部41はk空間データベース42に形成されたk空間に生データをk空間データとして配置する。
ここで、k空間データベース42に保存されるk空間データは、血流像データ生成に適した遅延時間により定まるタイミング、例えば心筋の収縮期および拡張期に収集されたデータとなる。
次にステップS4において、画像再構成部43により画像再構成処理が行われる。すなわち、画像再構成部43は、k空間データベース42からk空間データを取り込んで画像再構成処理を施すことにより画像データを再構成し、再構成して得られた画像データを画像データベース44に書き込む。
次にステップS5において、血流像作成部45により血流像データが生成され、表示装置34には、血流像が表示される。すなわち、血流像作成部45は、画像データベース44から画像データを読み込んで、必要な画像処理を行うことにより表示用の血流像データを生成する。そして、生成された表示用の血流像データが表示装置34に与えられ、血流像が表示装置34に表示される。例えば、拡張期に対応する画像データと収縮期に対応する画像データ間における差分処理によって動脈画像データが生成される。
このためユーザは、表示装置34に表示された、適切なタイミングで収集されたデータに基づく血流像を診断用に利用することができる。
つまり以上のような磁気共鳴イメージング装置20は、心拍同期MRAや脈波同期MRAにおいて必要となる基準波からデータ収集トリガまでの遅延時間をHR等の心拍情報や脈波情報に基づいて自動的に設定できるようにしたものである。
(効果)
このため、磁気共鳴イメージング装置20によれば、ユーザの特別な知識や技能を要することなく、より簡易に適切な時相を決定して血流像用のデータを収集することができる。また、従来は、R波等のトリガからの適切な遅延時間を決定するために、ECG-prepスキャンのような2D マルチ時相シングルスキャンを実行していたが、このようなプレスキャンを実行することなく心拍情報または脈波情報等の心電計や脈波計から取得した患者の情報から直接遅延時間を決定して3Dイメージングスキャンを行うことができる。
さらに、磁気共鳴イメージング装置20によれば、例えば、R-Rの間隔の乱れが存在するような場合であっても、乱れの影響が低減されるような適切な値に遅延時間を補正することができる。このため、被検体の特徴に依らず、より安定的にトリガ信号からデータ収集タイミングまでの遅延時間を適切な値として自動設定することができる。
(変形例)
1.第1の変形例
上述した実施形態では、遅延時間をR-R、収縮期SD、拡張期DDおよび撮像部位等の撮像条件に応じて決定し、補正係数kを用いて補正する例を示した。しかし、図4に示すように複数の被検体についての過去の適切な遅延時間DTsys_measured, DTdias_measuredのHRごとのプロットデータをECG-prepスキャン等の任意の方法で予め取得し、HRごとに適切な遅延時間を遅延時間テーブル48に保存することができる。遅延時間テーブル48に保存される経験的なHRごとの遅延時間は、遅延時間のプロットデータのカーブフィッティングにより求められる遅延時間の数値をHRの値に関連付けたテーブルまたは遅延時間のプロットデータのカーブフィッティングにより求められるHRごとの遅延時間を示す近似曲線(関数)とすることができる。
そうすると、遅延時間決定部47は、イメージング対象となる被検体のHRさえ心拍取得部46から取得できれば、遅延時間テーブル48を参照してHRに対応する適切な遅延時間を取得して撮像条件として自動的に設定することができる。この場合、遅延時間テーブル48に保存されている遅延時間は、R-Rの乱れに対応して補正された値であり、かつTIやTEeff等のシフトすべき時間だけ補正されている。従って、非常に簡易な処理で遅延時間の設定が可能となる。
例えば、HRが遅延時間決定部47に読み込まれるとFBIシーケンスにおける拡張期および収縮期に対応する各遅延時間がGUI (Graphical User Interface)を利用した撮影条件の設定画面に撮像パラメータとして自動的に表示され、拡張期および収縮期に対応する各データ収集トリガが自動的に作成されるようにすることができる。一方、拡張期および収縮期に対応する各遅延時間を表示装置34に表示させなくても、HRに基づいて自動設定された各遅延時間を撮影条件設定部40において撮影条件情報として保持および利用することができる。
尚、異なる複数の被検体について遅延時間を求めて平均的な遅延時間または被検体の体形等の特徴に応じた遅延時間を遅延時間テーブル48に保存すれば、被検体間の特徴の違いによる遅延時間の設定誤差を低減させることが期待できる。さらに、上述したように、脂肪抑制パルスの遅延時間DTF、TEeff、撮像部位、病変部位の進行度、ABI等の遅延時間に影響を与える因子ごとにHRごとの適切な遅延時間を遅延時間テーブル48に保存すれば、状況に応じてより適切な遅延時間を設定することができる。また、HRの代わりに、R-R等の心拍情報や脈波情報を用いてもよい。
2.第2の変形例
上述したようにPPG信号を用いて同期イメージングを行う場合には、PPG信号検出ユニットのセンサが被検体の適切な部位に装着される。この場合、PPG信号から取得される基準間隔を用いて、PPG信号の基準波からデータ収集トリガまでの遅延時間を自動設定することができる。ただし、ECG信号を別途取得することによってECG信号からHRを取得する一方、PPG信号に基づいて生成したデータ収集トリガを用いて脈波同期イメージングを行うこともできる。この場合、HRに基づいて決定されるECG同期用の遅延時間を脈波同期用の遅延時間に換算することが必要となる。
例えば、ECG信号からHRを取得しつつ脈波センサを被検体の手に装着して下腿の脈波同期イメージングを行うことができる。ここで、PPG信号から得られるトリガは、ECG信号の基準波であるR波に対して一定時間だけシフトしている。従って、脈波同期を行う場合には、式(7)に示すようにHRから求められるECG同期用のR波からの遅延時間DTecg_corにPPG信号のECG信号からの時間差ΔDecg_ppgだけ加算すれば脈波同期用のトリガからの遅延時間DTppg_corを求めることができる。
DTppg_cor=DTecg_cor+ΔTecg_ppg (7)
従って、収縮期において脈波同期イメージングを行う場合には、式(8-1)に示すようにHRから求められるECG同期用の収縮期の遅延時間DTecg_cor_sysにPPG信号とECG信号との間における時間差ΔDecg_ppgだけ加算すれば脈波同期用の収縮期の遅延時間DTppg_cor_sysを求めることができる。同様に、拡張期において脈波同期イメージングを行う場合には、式(8-2)に示すようにHRから求められるECG同期用の拡張期の遅延時間DTecg_cor_diasにPG信号とECG信号との間における時間差ΔDecg_ppgだけ加算すれば脈波同期用の拡張期の遅延時間DTppg_cor_diasを求めることができる。ただし、拡張期においてイメージングを行う場合には、式(8-2)により計算される脈波遅延時間DTecg_cor_diasがPPG信号のトリガ間隔に相当するR波間隔RRよりも長くなる場合がある。その場合には、式(8-3)に示すように拡張期のECG遅延時間DTecg_cor_diasと時間差ΔDecg_ppgとの和からR波間隔RRだけ差し引けば、拡張期の脈波遅延時間DTppg_cor_diasを求めることができる。
DTppg_cor_sys=DTecg_cor_sys+ΔTecg_ppg (8-1)
DTppg_cor_dias=DTecg_cor_dias+ΔTecg_ppg
:(DTecg_cor_dias+ΔTecg_ppg)<RR (8-2)
DTppg_cor_dias=(DTecg_cor_dias+ΔTecg_ppg)-RR
:(DTecg_cor_dias+ΔTecg_ppg)>RR (8-3)
PPG信号とECG信号との間における時間差ΔDecg_ppgは通常220ms程度である。従って、例えば、PPG信号のトリガ間隔に相当するR波間隔RRが600msでHRから求められる拡張期のECG遅延時間DTecg_cor_diasが500msである場合には、拡張期のECG遅延時間DTecg_cor_dias=500msに時間差ΔDecg_ppg=220msを加算した値は720msとなる。この720msは、R波間隔RR=600msよりも大きいため、拡張期の脈波遅延時間DTppg_cor_diasは、720msからR波間隔RR=600msを引いた値、すなわち次の脈波トリガから120msとなる。
このようにHR等の心拍情報から脈波同期イメージング用の遅延時間を設定する場合も、第1の変形例のように、HR等の心拍情報と適切な脈波遅延時間を関連付けたテーブルまたは関数を参照可能に遅延時間テーブル48に保存し、保存した関連付け情報を自動設定用に利用することができる。
20 磁気共鳴イメージング装置
21 静磁場用磁石
22 シムコイル
23 傾斜磁場コイル
24 RFコイル
25 制御系
26 静磁場電源
27 傾斜磁場電源
28 シムコイル電源
29 送信器
30 受信器
31 シーケンスコントローラ
32 コンピュータ
33 入力装置
34 表示装置
35 演算装置
36 記憶装置
37 寝台
38 ECGユニット
40 撮像条件設定部
41 シーケンスコントローラ制御部
42 k空間データベース
43 画像再構成部
44 画像データベース
45 血流像作成部
46 心拍取得部
47 遅延時間決定部
48 遅延時間テーブル
P 被検体

Claims (19)

  1. 予め被検体から取得した心拍情報または脈波情報に基づいて拍動に同期したイメージングにおけるデータ収集タイミングの時相を表す基準波からの遅延時間を基準波間隔の乱れの影響を低減するための補正を伴って設定し、設定した遅延時間を伴って拍動に同期したイメージングスキャンを実行することによって磁気共鳴信号を収集するデータ収集手段と、
    前記磁気共鳴信号に基づいて血流像を生成する画像生成手段と、
    を有する磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記データ収集手段は、前記補正として前記遅延時間に補正係数を加算するように構成される請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記データ収集手段は、予め取得された心拍情報または脈波情報と関連付けられた複数の遅延時間に基づいて決定された補正係数を前記遅延時間に加算するように構成される請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 拍動に同期したイメージングにおけるデータ収集タイミングの時相を表す基準波からの複数の遅延時間であって、心拍情報または脈波情報と関連付けられた複数の遅延時間を記憶する記憶手段と、
    予め撮像対象となる被検体から取得した心拍情報または脈波情報に対応する遅延時間を前記記憶手段から取得することによって撮像条件として前記取得した遅延時間を設定し、設定した遅延時間を伴って拍動に同期したイメージングスキャンを実行することによって磁気共鳴信号を収集するデータ収集手段と、
    前記磁気共鳴信号に基づいて血流像を生成する画像生成手段と、
    を有する磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記データ収集手段は、心拍数に基づいて前記遅延時間を設定するように構成される請求項1または4記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記データ収集手段は、ECG信号において隣接するR波間の期間に基づいて前記遅延時間を設定するように構成される請求項1または4記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記データ収集手段は、心電同期イメージングスキャンを実行するように構成される請求項1または4記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 前記データ収集手段は、複数心拍毎に前記磁気共鳴信号を繰り返して収集するように構成される請求項1または4記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 前記データ収集手段は、スピンの定常自由歳差運動を利用して前記磁気共鳴信号を収集するように構成される請求項1または4記載の磁気共鳴イメージング装置。
  10. 前記データ収集手段は、心拍情報と遅延時間との関係を表す計算式を用いて前記心拍情報に基づいて前記遅延時間を設定するように構成される請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  11. 心拍情報の値ごとの遅延時間を記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記データ収集手段は、前記心拍情報に対応する遅延時間を前記記憶手段から取得するように構成される請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  12. 前記データ収集手段は、撮像部位および足首と上腕の血圧の比に応じた遅延時間を設定するように構成される請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  13. 前記データ収集手段は、脂肪抑制パルスから励起パルスまでの遅延時間および実行エコー時間の少なくとも一方に基づいて前記遅延時間をシフトさせるように構成される請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  14. 前記データ収集手段は、複数の心拍数の平均値に基づいて前記遅延時間を設定するように構成される請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  15. 前記データ収集手段は、心拍数または隣接するR波間に基づいて心筋の収縮期または拡張期を推定し、推定した前記収縮期または前記拡張期内となるように前記遅延時間を設定するように構成される請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  16. 前記データ収集手段は、病変部位の進行度を示す指標の値に応じた遅延時間を設定するように構成される請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  17. 前記データ収集手段は、心筋の拡張期と収縮期においてそれぞれスキャンを実行するように構成され、
    前記画像生成手段は、前記拡張期に対応するデータと前記収縮期に対応するデータとの間における差分処理を伴って前記血流像を生成するように構成される請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  18. 前記データ収集手段は、前記心拍情報または前記脈波情報から直接前記遅延時間を設定して3次元スキャンを実行するように構成される請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  19. 前記データ収集手段は、心拍情報に基づいて脈波同期イメージング用の遅延時間を設定するように構成される請求項1または4記載の磁気共鳴イメージング装置。
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