JP2008194210A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像時間の延長を避け、撮像スライス位置の選択も可能とする無侵襲の血管撮像方法を提供する。
【解決手段】公知のFSEシーケンスをベースとし、90度RFパルスで血管に直交する面を励起しラベリングする。その後、180度RFパルス照射で血管を含む血管に並行な面を励起し、同面内の血管内のラベリングされた血液のみパルスを反転させる。そして、そこからのエコー信号を収集し、画像を再構成することにより、血管を画像化する。また、180度RFパルスの周波数または同時に印加する傾斜磁場の軸を変化させることにより、マルチスライス計測を実現する。
【選択図】図3

Description

本発明は、核磁気共鳴(以下「NMR」と略記する)現象を利用して被検体の所望部位の画像を得る磁気共鳴イメージング(以下「MRI」と略記する)装置に関し、特に、計測部位の上流側の血液を予め励起(ラベリング)し、ラベリングされた血液が撮像領域内に流入したところを画像化するASL(Arterial Spin Labelling)技術に関する。
NMR現象を利用して被検体中の所望の検査部位における原子核スピン(以下単に「スピン」と略記する。)の密度分布、緩和時間分布等を計測し、計測データから被検体の任意の断面を画像化して表示するMRI装置を用いて、無侵襲で血管を描出する血管撮像法がある。例えば、内在する血液の流入効果を利用したタイムオブフライト法、血液の流速による位相分散を利用したフェーズコントラスト法、そして、ASLを利用したASL法などである。
これらのうち、ASL法は、上流側で反転パルスにて励起させてラベリングした血液が撮像領域内に流入した際に撮像した血流画像と、血液をラベリングしない状態で撮像した血流画像との差分をとることにより背景部分を除去し、ラベリングされた血液のみを画像化して血管を描出する(例えば、非特許文献1参照。)
非特許文献1に記載されているように、ASL法のシーケンスダイアグラムは、主に、2つのパート、即ち、血管抽出処理のためのプリパレーション処理部と、本撮像部とを有する。また、プリパレーション処理部では、上記の差分の処理を行うため、プリパレーションパルス(ラベリングパルス)有りと無しとの2パターンのシーケンスを実行する。このように、ASL法では多数のシーケンスの実行する必要があるため、撮像時間が長くなる。
この課題を克服するものとして、定常状態型のシーケンスを用いる方法が提案されている(たとえば、非特許文献2参照。)。本方法では、定常状態の核磁化から信号取得を繰り返すSteady State Free Precessionシーケンス(以下、SSFPシーケンス)において、本撮像の高周波パルス照射時のスライス選択傾斜磁場を、エコー信号取得時の読み取り傾斜磁場と同一の方向に印加する。撮影領域はスライス選択傾斜磁場で選択されたスライスに直交する面となり、ここに流入する本撮像の高周波パルスでラベリングされた血液からのエコー信号を受信し、血管を描出する。
Dwight G. Nishimura他:MR Angiography Selective Inversion Recovery. MRM 4,193-202(1987) W. G. Rehwald 他:GCFP-A New Non-Invasive Non-Contrast Cine Angiography TechniqueUsing Selective Excitation and Global Coherent Free Precession, InternationalSociety for Magnetic Resonance in Medicine, 12th Scientific Meeting p4(2004)
非特許文献2の方法によれば、本撮像の高周波パルスで、撮影領域に流入する血液のみがラベリングされるため、背景除去の処理も含めて、プリパレーション処理自体が不要となる。しかし、本撮像の高周波パルス照射時のスライス選択傾斜磁場がエコー信号時の読み取り傾斜磁場と同一の方向に限定されているため、撮像領域のスライス位置を選択することができない。すなわち、1枚のプロジェクション画像しか得られない。
ところが、一般に血管の形態評価は、撮像スライスを様々に変えて撮像した結果を用いて行うため、血管の撮像において撮像スライス位置の選択は必須である。従って、非特許文献2の方法は、血管の形態評価に用いるには適していない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、撮像時間の延長は避け、かつ、撮像スライス位置の選択も可能とした無侵襲の血管撮像技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のMRI装置は、スピンエコーシーケンスによる本撮像において最初の90度パルス照射時に計測領域の上流側の体軸に直交する面の血液を励起させてラベリングし、180度照射時にスライスを選択する。
具体的には、静磁場を発生させる静磁場発生手段と、スライス方向と位相エンコード方向と周波数エンコード方向の傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場パルスを照射する高周波磁場送信手段と、核磁気共鳴により放出されるエコー信号を検出するエコー信号受信手段と、前記エコー信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理手段と、前記傾斜磁場発生手段と前記高周波磁場送信手段と前記エコー信号受信手段と前記信号処理手段との動作を制御する制御手段とを備える磁気共鳴イメージング装置において、前記制御手段は、第一の高周波磁場パルス照射時に被検体中を流れる流体の流れの方向(流れ方向)に第一のスライス傾斜磁場を印加し、前記第一の高周波磁場パルス照射後の第二の高周波磁場パルス照射時に、前記流れ方向に直交する方向に前記第一のスライス傾斜磁場と方向が異なる第二のスライス傾斜磁場を印加し、前記第二のスライス傾斜磁場により定まるスライス面内の直交する2方向のうちいずれか一方向を位相エンコード方向とし、他の方向を周波数エンコード方向として、それぞれ位相エンコード傾斜磁場および読み取り傾斜磁場を印加し、エコー信号を収集するよう前記傾斜磁場発生手段、前記高周波磁場送信手段および前記エコー信号受信手段の動作を制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置を提供する。
本発明によれば、撮像時間の延長を避け、かつ、撮像スライス位置の選択も可能とした無侵襲の血管撮像技術を提供できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、全図に渡り、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1は本実施形態のMRI装置の全体構成を示すブロック図である。本実施形態のMRI装置は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図1に示すように、静磁場発生系2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8とを備える。
静磁場発生系2は、被検体1の周りの空間にその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させるもので、被検体1の周りに配置された、例えば、永久磁石方式または常電導方式あるいは超電導方式の磁場発生手段により実現される。
傾斜磁場発生系3は、エコー信号に位置情報を付与するための傾斜磁場を発生させるもので、MRI装置の座標系(静止座標系)を規定するx、y、zの3軸方向に磁場強度を傾斜させる傾斜磁場Gx,Gy,Gzをそれぞれ発生する傾斜磁場コイル9と、それらを駆動する傾斜磁場電源10とを備える。なお、本明細書では、x軸方向に磁場強度を傾斜させる傾斜磁場Gxをx軸方向の傾斜磁場Gxと呼ぶ。y軸方向、z軸方向も同様である。傾斜磁場電源10は、後述するシーケンサ4からの命令に従って、傾斜磁場コイル9を駆動し、所定方向の傾斜磁場を発生させる。各傾斜磁場Gx、Gy、Gzは、それぞれ、単独または組み合わせて、スライス面(撮影断面)の選択、位相エンコードおよび周波数エンコード(読み取り)に用いられ、NMR信号に位置情報を与える。なお、以降、本明細書では、スライス面を選択する傾斜磁場をスライス選択傾斜磁場Gs、位相エンコードを付与する傾斜磁場を位相エンコード傾斜磁場Gp、周波数エンコードを付与する傾斜磁場を読み取り傾斜磁場Grと呼ぶ。
送信系5は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場パルス(以下、RFパルスと呼ぶ。)を照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル14aとを備える。高周波発振器11から出力された高周波パルスは、後述するシーケンサ4からの指令によるタイミングで変調器12により振幅変調され、高周波増幅器13で増幅され、高周波コイル14aから、被検体1に照射される。
受信系6は、被検体1の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル14bと増幅器15と直交位相検波器16とA/D変換器17とを備える。送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波によって誘起される被検体1からのNMR信号は、高周波コイル14bで検出され、増幅器15で増幅され、後述するシーケンサ4からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割され、それぞれA/D変換器17でディジタル量に変換され、信号処理系7に送られる。
シーケンサ4は、CPU8から受け取るパルスシーケンス情報に従って送信系5と受信系6と傾斜磁場発生系3とを制御する。すなわち、RFパルスの照射、傾斜磁場の印加、エコー信号の収集などを行うため、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令をこれらの各系に送る。本実施形態では、パルスシーケンスは主としてスピンエコー法に基くパルスシーケンスが実行され、その際、照射、印加、収集のタイミング制御だけでなく、照射するRFパルスの周波数の制御、印加する各軸方向の傾斜磁場の強度の制御なども行う。これにより、スライス面の制御が実行される。
信号処理系7は、各種データ処理と処理結果の表示および保存等を行うもので、光ディスク19、磁気ディスク18等の外部記憶装置と、CRT等のディスプレイ20とを備える。信号処理系7は、受信系6から受け取ったデータをCPU8の制御に従って処理して画像を再構成し、ディスプレイ20に表示させるとともに外部記憶装置の磁気ディスク18等に記録する。
なお、図1において、送信側及び受信側の高周波コイル14a、14bと傾斜磁場コイル9は、被検体1が挿入される静磁場発生系2の静磁場空間内に被検体1に対向して設置される。また、MRI装置の撮像対象核種として臨床で普及しているものは、被検体1の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。MRI装置は、プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
次に、上記MRI装置を用いた、本実施形態の血管撮像手順を説明する。以下、本実施形態では、ファストスピンエコー(FSE)法のパルスシーケンスをベースとする場合を例にあげて説明する。
本実施形態の血管撮像手順を説明するに先立ち、まず、通常の撮像手順におけるFSE法のパルスシーケンスを説明する。図2は、通常のFSE法のパルスシーケンスである。本図において、RF、echoは、それぞれ、RFパルス、エコー信号を表す。なお、上述のように、RFパルスの照射タイミング、フリップ角、周波数、および、各傾斜磁場の印加タイミング、強度は、予め定められたパルスシーケンスに従って、シーケンサ4により制御される。
次に、本実施形態のパルスシーケンスを図3および図4を用いて説明する。ここでも、基礎となるパルスシーケンスはFSE法によるものを例にあげて説とする。図3は、本実施形態のパルスシーケンス図である。図4は、中心線がz軸方向(通常の人体では体軸方向に相当)に平行な血管40内を、Head4hからFeet4f方向あるいはその逆方向に血液が流れている場合の血管モデルであり、本実施形態の撮像原理を説明するための図である。本実施形態では、90度パルスを照射する際、血液が流れる方向に傾斜磁場を印加し、血管の断面を含む領域を励起する。その後、180度パルス照射時に90度パルスにより励起させた面と直交し且つ血管40を含む面(スライス面)が選択されるようスライス選択傾斜磁場Gsを印加し、エコー信号を収集する。これにより、スライス面内で、90度パルス照射時に励起された血液のみからエコー信号を収集することができる。そして、上述したスライス面からのエコー信号の計測を、選択するスライス面を変化させて実行し、各スライス面から血管40内の血液のみからエコー信号を収集する。
以下、具体的な傾斜磁場の印加について説明する。本実施形態では、スライス面内の2方向について、いずれを位相エンコード方向、いずれを周波数エンコード方向(読み取り傾斜磁場印加方向)にしてもよい。
図3(a)は、スライス面内で血液が流れる方向を読み出し傾斜磁場方向とする場合の例である。したがって、位相エンコード方向は、スライス面内で血液が流れる方向に直交する方向である。本図に示すように、本実施形態のパルスシーケンスは、基本的に図2に示す従来のパルスシーケンスと同様である。ただし、図3(a)の例では、最初の90度RFパルス311照射時に印加する傾斜磁場321は、図4のz軸方向に印加される。これは、血液が流れる方向である。90度RFパルス311と傾斜磁場321とにより、図4(a)の励起領域(スライス面)41が励起され、ラベリングされる(横磁化を発生させる)。
次に、90度RFパルス311照射のTE/2時間内(ここで、TEは、エコー時間)、すなわち、180度RFパルス(反転RFパルス)312の照射前に、所定の位相エンコード量の位相エンコード傾斜磁場341を印加する。ここでは、図4のx軸方向に傾斜磁場を印加する。
そして、90度RFパルス311照射のTE/2時間後に180度RFパルス312を照射し、その際、スライス面を決定するためのスライス傾斜磁場331を印加する。ここでは、血管40の一部を含む面を選択してy軸方向に傾斜磁場331を印加する。従って、図4(b)の励起領域(スライス面)42内の組織が励起され横磁化が再収束する。
そして、90度RFパルス311照射のTE時間後を中心に、z軸方向の傾斜磁場323を読み取り傾斜磁場として印加しながら、エコー信号351を収集する。なお、傾斜磁場322は、読み取り傾斜磁場323に対し、極性が反転した傾斜磁場を与えておくためのものである。
その後、位相エンコード量を変えながら180度RFパルスの照射およびエコー信号の収集を繰り返し、収集したエコー信号から画像を再構成する。ここで、通常のFSEのパルスシーケンスによれば、図4(b)の励起領域42内全体のパルスからのエコー信号を収集することになる。しかし、本実施形態の手順によれば、90度RFパルス311によりラベリングされ、180度RFパルス312により再収束されるのは、90度RFパルス311照射時に励起領域41と励起領域42とが交差する領域43に存在し、180度RFパルス312照射までの間に拡散して励起領域42に流入した流体(血液)である。
励起領域42内であっても、励起領域41または血管40と交わらない領域45内の組織は、先に90度RFパルス311により励起されていないため、180度RFパルス321が照射されてもエコー信号を生成しない。すなわち、励起領域42の中の血管40内の血液が発したエコー信号のみが収集され、2次元フーリエ変換により画像として再構成される。したがって、血管40の画像を得ることができる。
ここで、90度RFパルス311の励起周波数fl1は、180度RFパルス312で励起する励起領域(スライス面)42の面の外または辺縁の励起領域41を励起する周波数とし、180度RFパルス312の励起周波数fl2は、撮像するスライス位置を選択可能な周波数とする。
すなわち、本実施形態の方法によれば、FSPシーケンスにおける90度RFパルス照射時と180度RFパルス照射時のスライス選択条件を制御(例えば、180度RFパルスの励起周波数fl2を制御)することによって、単一のパルスシーケンスの実行により、血管の所望のスライス面の撮像を行うことができる。このため、撮像スライスを様々に変えて撮像した結果を用いて行う血管の形態評価を容易に実現できる。
次に、上述したSFPシーケンスを基本として、撮像スライスを変えて行う場合(マルチスライス計測)を説明する。マルチスライス計測のパルスシーケンスの一例を図5に、このとき得られるスライス面の選択の様子を図6に示す。図6(a)は、図4(a)をz軸方向から見た図である。この場合、通常のマルチスライス撮像同様、スライス面の位置が平行にシフトするよう180度RFパルスの周波数を変化させながら励起させ、上述の90度RFパルスの照射以降のシーケンスを繰り返し、必要なスライス分計測を行う。
また、本実施形態の手順によるマルチスライス計測は上記例に限られない。例えば、対象とする血管を中心に放射状に180度RFパルスを回転させながら励起し、多角度の投影血管撮像も可能である。この場合のパルスシーケンスの一例を図7に示す。また、図6(b)はこのとき得られるスライス面を説明するための図である。図6(b)は、図4(a)をz軸方向から見た図である。
この場合は、スライス面の選択を、180度RFパルスの周波数ではなく、180度RFパルス印加時に与える傾斜磁場の軸を変化させることにより実現する。本実施形態の図4、図6、図7の例、すなわち、90度RFパルス照射時にz軸方向の傾斜磁場を与える例の場合、x軸方向の傾斜磁場Gxとy軸方向の傾斜磁場Gyとを同時に印加する。スライス面は、それらの傾斜磁場の大きさの組み合わせを変化させることにより選択する。その他の手順は通常の図5のパルスシーケンスと同様に行い、本実施形態では、多角度の投影血管撮像を実現する。
なお、図3(b)は、図3(a)に対して読み出し傾斜磁場方向と位相エンコード傾斜磁場方向とを逆にした場合の例であり、その他は図3(a)と同様であるため、ここでは詳細に説明しない。
次に、本実施形態の血管撮像手順を、心電・脈波同期撮像と併用する例を説明する。ここで、心電・脈波同期撮像とは、心電・脈波のR波をトリガとして撮像を行う方法である。図8は、本実施形態を心電・脈波同期撮像と併用する場合の撮像手順を説明するための図である。なお、以下の処理は、CPU8が、心電・脈波計等からR派発生を示す信号を受け取り、シーケンサ4を制御し、行われる。
図8(a)では、図4と同様に、血管61および62は中心線がz軸方向に並行な血管とする。本図は、これらの血管61、62内を、それぞれ、z軸方向にHead6hからFeet6fに向う方向、および、その逆方向に血液が流れている場合のモデルである。
本実施形態がベースとしているFSEシーケンスは、血液の流れが速い状態で撮像を行うと、信号が減衰しやすい。そこで、血液の流れの遅い拡張期に撮像を行うようタイミングを計る。
拡張期は、R波の発生から400〜800ms程度後の期間で、動脈は一般的にHead側からFeet側へ流れるので、動脈を撮影する場合、撮影したい範囲の上流側、すなわち、図8(a)の領域65を90度RFパルスで励起させる。静脈を撮影したい場合は、逆に撮影したい範囲の下流側、すなわち、図8(a)の領域66を励起させる。
ここで、静脈系の撮像については、上述のように拡張期に撮像してもよいが、静脈系は、本来、動脈に比べて、流速が遅いため、収縮期に撮像してもよい。すなわち、拡張期に動脈を、収縮期に静脈を撮像し、効率化を図る。
図8(b)は、拡張期に動脈を、収縮期に静脈を撮像する場合の、心電・脈波におけるR波と、R波からのディレイに応じた撮像タイミングを説明するための図である。まず、R派発生からdelay1後の収縮期63において、90度RFパルスにより領域66を励起し、上記手順で静脈を撮像する(撮像1)。そして、R派発生からdelay2後の拡張期64において、90度RFパルスにより領域65を励起し、上記手順で動脈を撮像する(撮像2)。このように、計測タイミングの制御をすることで、効率的に動脈と静脈の両方の血管をそれぞれ独立に撮像することができる。
本発明によれば、公知のFSEシーケンスをベースにし、最初の90度パルス照射時に、ASL法のプリパレーションパルスに相当する効果を付与することができる。従って、従来のプリパレーション処理分の時間が不要となるため、その分撮像全体にかかる延長を低減することができる。また、続く180度パルスの周波数、または、180度パルス照射時の傾斜磁場の与え方を制御することによって、所望のスライス厚を有する所望のスライスを選択して励起された血液が流入した血管を撮像することができる。さらに、180度RFパルスでは、90度RFパルスにより励起された血液のみが再収束される。従って、血液のみからのエコー信号が収集されるため、従来の一般的なASL法で必要であったプリパレーションパルス有無による最低2回の計測及び差分処理が不要となり、その分さらに撮像短縮を短縮できる。
以上説明したように、本発明の血管撮像方法によれば、予め血液を励起するプリパレーションパルスの部分を本撮像内に取り込み撮影時間を短縮し、かつ、撮像スライス位置の選択も可能とした、従来のASL法の問題点を改善した無侵襲の血管撮像方法を提供できる。
なお、上記実施形態では、公知のFSEシーケンスをベースにする場合を例にあげて説明したが、ベースにするシーケンスはこれに限られない。例えば、公知のスピンエコーシーケンス等でもよい。
本発明の実施形態のMRI装置の全体構成を示すブロック図である。 公知のFSE法のパルスシーケンスダイアグラムである。 本発明の実施形態のパルスシーケンスダイアグラムである。 本発明の実施形態の撮像原理を説明するための図である。 本発明の実施形態のマルチスライス計測時のパルスシーケンス例である。 本発明の実施形態のマルチスライス計測時のスライス面選択を説明するための図である。 本発明の実施形態のマルチスライス計測時のパルスシーケンス例である。 本実施形態の心電・脈波同期撮像併用時の撮像手順を説明するための図である。
符号の説明
1…被検体、2…磁場発生系、3…磁場勾配発生系、4…シーケンサ、5…送信系、6…受信系、7…信号処理系、8…CPU、9…傾斜磁場コイル、10…傾斜磁場電源、11…高周波発振器、12…変調器、13高周波増幅器、14a…送信側の高周波コイル、14b…受信側の高周波コイル、15…増幅器、16…直交位相検波器、17…A/D変換器、18…磁気ディスク、19…光ディスク、20…ディスプレイ

Claims (6)

  1. 静磁場を発生させる静磁場発生手段と、スライス方向と位相エンコード方向と周波数エンコード方向の傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場パルスを照射する高周波磁場送信手段と、核磁気共鳴により放出されるエコー信号を検出するエコー信号受信手段と、前記エコー信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理手段と、前記傾斜磁場発生手段と前記高周波磁場送信手段と前記エコー信号受信手段と前記信号処理手段との動作を制御する制御手段とを備える磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、
    第一の高周波磁場パルス照射時に被検体中を流れる流体の流れの方向(流れ方向)に第一のスライス傾斜磁場を印加し、
    前記第一の高周波磁場パルス照射後の第二の高周波磁場パルス照射時に、前記流れ方向に直交する方向に前記第一のスライス傾斜磁場と方向が異なる第二のスライス傾斜磁場を印加し、
    前記第二のスライス傾斜磁場により定まるスライス面内の直交する2方向のうちいずれか一方向を位相エンコード方向とし、他の方向を周波数エンコード方向として、それぞれ位相エンコード傾斜磁場および読み取り傾斜磁場を印加し、エコー信号を収集するよう前記傾斜磁場発生手段、前記高周波磁場送信手段および前記エコー信号受信手段の動作を制御すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第一の高周波磁場パルスは、90度高周波磁場パルスであり、前記第二の高周波磁場パルスは、180度高周波磁場パルスであること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1または2記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記制御手段は、複数のスライス面でエコー信号を収集すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記複数のスライス面は、前記流れ方向に平行であって且つ互いに平行であること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記複数のスライス面は、前記流れ方向に平行であって且つ互いに角度を有すること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項1または2記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記流体が流れる被検体の生体信号を検出する生体信号検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記生体信号検出手段で検出された信号に同期させて、前記傾斜磁場発生手段と前記高周波磁場送信手段と前記エコー信号受信手段と前記信号処理手段とを動作させること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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