JP2004321791A - Mri装置及びmrイメージング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】PI法やPE−AFI法を実施する場合に、造影剤を投与すること無く、血流のインフロー効果を確実に強調して血流と実質部とのコントラストを向上させたMRA像を提供する。
【解決手段】このMRI装置では、被検体の1心周期のうちの所望時相で収集するエコーデータがk空間の位相エンコード方向の零エンコード位置を含む中心部に配置されるように設定したデータ収集順を規定するパルスシーケンスが用いられる。心電同期法の下で被検体の所望領域に対してイメージング用スキャンが実行されるとともに、そのスキャンの実行により発生したエコー信号が収集される。このエコー信号がエコーデータに生成されてk空間に配置される。このk空間のエコーデータから実空間の画像が再構成される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、被検体の血流を非造影でイメージングするMRI装置及びMRイメージング方法に係り、とくに、心電同期法を用いて血流のインフローに拠る効果(すなわち、フレッシュな血流の撮像領域への流入に伴ってMR信号値が上がる効果:インフロー効果)を強調したMRA(MAアンギオグラフィ)を行うことができ、PI(パラレルイメージング)法やPE−AFI(位相エンコード方向における非対称フーリエイメージング:Asymmetric Fourier Imaging)法に特に有効なMRI装置及びMRイメージングに関する。
磁気共鳴イメージングは、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをそのラーモア周波数の高周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するMR信号(エコー信号など)から画像を再構成する撮像法である。
この磁気共鳴イメージングをフーリエ変換法で行う場合、収集したエコー信号が受信処理されてエコーデータが生成され、このエコーデータが一度、k空間(周波数空間又はフーリエ空間とも呼ばれる)に配置される。このk空間を埋めたエコーデータの組がフーリエ変換されて実空間の画像に再構成される。
この一連の処理において、従来、収集したエコーデータはリニア・オーダ(linear order)又はセントリック・オーダ(centric order)と呼ばれる順序でk空間に配置されることが多かった。リニア・オーダはk空間の位相エンコード方向の端(高周波側)からその中心部に向かってエコーデータを順に配置する手法である。これに対し、セントリック・オーダはk空間の中心部(低周波域)からエコーデータの配置を開始する手法である。
しかしながら、上述したリニア・オーダや、セントリック・オーダに基づくデータ配置順は必ずしも、近年のイメージング法やパルスシーケンスの多様化及び複雑化に十分に対応できていない。例えば、リニア・オーダについては、心電信号を同期信号として用いる心電同期法に拠るMRイメージングを行う場合、心電信号に含まれるR波に応答したトリガ信号からk空間の位相エンコード方向の中心位置(つまり、零エンコード位置)に配置するデータ収集までの時間が長くなり、動脈の描出能が低下することが指摘されていた。この問題は、位相エンコード方向にAFI法を実施するPE−AFI法のときに特に顕著であった。
また、セントリック・オーダに関しては、エコー信号が定常状態になる前にk空間の零エンコード位置(中心位置)に配置するエコーデータが収集されるため、再構成された画像上にエンコードゴーストが発生し易く、このため、画質が劣化するという問題があった。
このセントリック・オーダに基づくデータ収集順を更に発展させた手法として、特許文献1に記載の手法も知られている。この文献には、心電同期法に拠るイメージングスキャンに用いられ且つ高信号値を呈する高信号時相域に対応した最適同期タイミングを準備用スキャンとしてのECG−prepスキャンの実行を通して事前に設定し、この最適遅延時間に同期したイメージングスキャンを実行してエコー信号を収集し、このエコー信号をk空間に配置すると共に当該配置信号に再構成処理を施して画像を生成することが記載されている。かかるイメージングスキャンにより実行されるパルスシーケンスは、高信号時相域で収集したエコー信号がk空間の中心部の所望の低周波領域に優先的に配置されるようになっている。
特開2001−178701号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載のエコーデータの収集順は、2次元又は3次元のセグメンテッドFFE(seg.FFE)法に拠るパルスシーケンスにより血流のインフロー効果を強調する場合に好適なものであって、前述したように、PI法により高速イメージングを行う場合や、PI法とPE−AFI法とを組み合わせて高速イメージングを行う場合には、かかるインフロー効果を十分に強調できてはいなかった。その理由は、主に、PI法による実収集エンコード数の減少及びPE−AFI法によるk空間のPE方向への非対称性を考慮に入れて、1心周期のうちの所望時相で収集するエコーデータがk空間の位相エンコード方向の零エンコード位置を含む中心部に配置されるように設定してはいなかった、ということに因る。このため、PI法を使用したり、PI法とPE−AFI法とを併用したりする場合であっても、PI法の高速性を損なわずに、血流と実質部との間の十分なコントラストを確保し、画質を高めて欲しいとする要求があった。
本発明は、このような従来技術の現状を打破するためになされたもので、その目的は、PI法やPE−AFI法などの高速イメージングを実行する場合に、造影剤を投与すること無く血流を撮像でき、流れの状態が変化する血流であっても、血流のインフロー効果を最大限に強調して、その血流と実質部とのコントラストを向上させた高画質のMRA像を提供する、ことである。
上述した目的を達成するために、本発明の1つの態様に係るMRI装置によれば、被検体の心時相を表す情報に同期してMR(磁気共鳴)イメージングを当該被検体の所望領域に実行する。このMRI装置は、前記被検体の心時相を表す情報を検出する心時相検出手段と、前記心時相検出手段により検出された心時相を表す情報に同期した同期撮像法の下で、前記被検体の1心周期のうちの所望の心時相で収集するエコーデータがk空間の位相エンコード方向の零エンコード位置を含む中心部に配置されるように設定したデータ収集順を規定するパルスシーケンスを用いて、前記被検体の所望領域にイメージング用スキャンを実行するとともに当該イメージング用スキャンの実行により発生したエコー信号を収集するスキャン手段と、このスキャン手段により収集されたエコー信号を前記エコーデータに生成して前記k空間に配置するデータ配置手段と、このデータ配置手段により配置されたk空間のエコーデータから実空間の画像を再構成する画像再構成手段と、を備えたことを特徴とする。
一例として、前記心時相検出手段は、前記被検体の脈波の情報を検出する手段と、この情報から前記同期撮像法に供する同期信号を生成する手段とを備え、前記スキャン手段は、前記同期信号に順次現われるトリガ信号それぞれに同期して前記パルスシーケンスに基づくイメージング用スキャンを実行させる手段を含んでいてもよい。
また、本発明の別の態様に係るMRI装置によれば、被検体の心時相を表す情報に同期してMR(磁気共鳴)イメージングを当該被検体の所望領域に実行するようにしたMRI装置において、前記被検体の心時相を表すトリガ信号を検出する心時相検出手段と、この心時相検出手段により検出されるトリガ信号それぞれに順次、同期して所定のパルスシーケンスによるスキャンを前記被検体の所望領域に順次実行するとともに当該スキャンの実行により発生したエコー信号を収集するスキャン手段と、このスキャン手段により収集されたエコー信号から前記所望部位の血管像を作成する画像作成手段とを、を備えたことを特徴とする。
さらに、本発明に係るMRイメージング方法は、被検体の所望領域に心電同期法に拠るMR(磁気共鳴)イメージングを行うもので、前記被検体の1心周期のうちの所望時相で収集するエコーデータがk空間の位相エンコード方向の零エンコード位置を含む中心部に配置されるように設定したデータ収集順を規定するパルスシーケンスを準備し、このパルスシーケンスを用いて前記心電同期法の下で前記被検体の所望領域に対してイメージング用スキャンを実行して収集されたエコー信号を前記エコーデータに生成して前記k空間に配置し、この配置されたk空間のエコーデータから実空間の画像を再構成する、ことを特徴とする。
本発明によれば、とくに、所望のパルスシーケンスにPI法やPE−AFI法などの高速イメージングを併用して実行する場合に、造影剤を投与すること無く撮影できる一方で、流れが拍動する血流であっても、血流のインフロー効果を最大限に強調して、その血流と実質部とのコントラストを向上させた高画質のMRA像を提供することができる。
以下、本発明に係る実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態を、図1〜図6を参照して説明する。
この実施形態にかかるMRI(磁気共鳴イメージング)装置の概略構成を図1に示す。
このMRI装置は、被検体Pを載せる寝台部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、高周波信号を送受信する送受信部と、システム全体のコントロール及び画像再構成を担う制御・演算部と、被検体Pの心時相を表す信号としてのECG信号を計測する心電計測部とを備えている。
静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場Hを発生させる。なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられている。このシムコイル14には、後述するホスト計算機の制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のための電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイルユニット3は、互いに直交するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の傾斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコイル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はまた、x,y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケンサ5の制御のもとで、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、物理軸である3軸(X軸,Y軸,Z軸)方向の傾斜磁場を合成して、互いに直交するスライス方向傾斜磁場G、位相エンコード方向傾斜磁場G、および読出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場Gから成る論理軸方向を任意に設定・変更することができる。スライス方向、位相エンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は静磁場Hに重畳される。
送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。この送信器8T及び受信器8Rは、後述するシーケンサ5の制御のもとで動作する。この動作により、送信器8Tは、核磁気共鳴(NMR)を励起させるためのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に供給する。受信器8Rは、RFコイル7が受信したMR信号(高周波信号)を受信し、これに前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリングなどの各種の信号処理を施した後、A/D変換してMR信号のデジタル量のエコーデータ(生データとも呼ばれる)を生成する。
さらに、制御・演算部は、シーケンサ(シーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器12、入力器13、及び音声発生器16を備える。この内、ホスト計算機6は、予め記憶したソフトウエア手順(図示せず)により、シーケンサ5にパルスシーケンス情報を指令するとともに、装置全体の動作を統括する機能を有する。
このMRI装置は、図示しないメインプログラムを実行する中で、図2に示す手順のように、最初に準備用スキャン(以下、ECG−prepスキャンという)を行ない、次いでイメージング用スキャン(以下、イメージングスキャンという)を行なうという2段階のスキャン方式を採る。
ECG−prepスキャンでは、ECG信号に同期させて準備用パルスシーケンスが実行され、その後のイメージングスキャンにおいて必要な、k空間の位相エンコード方向の中心位置、即ち零エンコード位置に配置するエコーデータを収集すべき心時相が最適に定められる。このECG−prepスキャンは、例えば特開2001−149341号公報で知られている。
ただし、このECG−prepスキャンは必ずしも実行する必要はない。このスキャンを実行して設定する最適時相に代えて、オペレータがその都度、所望の時相情報を入力器13を介してホスト計算機6に与えてもよい。この場合、イメージング対象の部位の血流速度などに応じて、例えば既知の時相情報や経験的に得ている時相情報を自在に設定できる。さらに、入力器13とホスト計算機6のソフトウエアにより機能的にインターフェースを構成し、このインターフェースに予め内蔵させてある記憶テーブルから、かかる時相情報を選択・設定するように構成してもよい。
イメージングスキャンに際して、ECG−prepスキャンを通して設定された最適時相、又は、例えば手動で設定された最適時相に応じてショット(RF励起)毎のデータ収集開始タイミングが指定される。このデータ開始タイミングに応じて、ECG信号に現れるR波に呼応したトリガ信号からの遅延時間がショット毎に決まる。この遅延時間の後にショット毎のイメージングスキャンが開始されてエコー信号が収集される。
図1に戻って説明する。シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシーケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電源4、送信器8T、受信器8Rの動作を制御するとともに、受信器8Rが出力したMR信号のデジタルデータを一旦入力し、これを演算ユニット10に転送するように構成されている。ここで、パルスシーケンス情報とは、一連のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信器8Tおよび受信器8Rを動作させるために必要な全ての情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関する情報を含む。
このパルスシーケンスは、2次元(2D)スキャンまたは3次元スキャン(3D)で実施可能であり、そのパルス列の形態としては、特に、FE(フィールドエコー)法、FFE(高速フィールドエコー)法、EPI(エコープラナーイメージング)法などに好適であるが、イメージング対象の流体としての血流のインフロー効果を強調できるものであれば、ほかのパルス列、例えばSE(スピンエコー)系のパルスシーケンスであってもよい。
このパルスシーケンスは、PE−AFI(位相エンコード方向の非対称フーリエイメージング:ハーフフーリエ法とも呼ばれる)法の下に実施することが好適である。このAFI法の概念を図3に示す。同図左側の2次元k空間はAFI法を適用しない状態でのデータ配置の状態を模式的に示す。この場合には、k空間全体にわたってデータ配置が行われる。一方、同図右側のそれはAFI法を適用したときのデータ配置の状態(斜線部)を模式的に示す。一部に、データ収集を行わない非対称なデータマッピングとなる(空白部)。この空白部には、零が配置されてFOVが確保されるとともに、再構成演算時には収集済みのデータを使って演算により空白部を埋めるデータが求められる。このAFI法を適用した場合、収集エンコード数を減らし、撮影時間を短縮させることができる。
上述した各種のパルスシーケンスのうちの所望のパルスシーケンスに、AFI法と共同して、又は、単独で、特に近年脚光を浴びている、高速イメージングの一種であるPI(パラレルイメージング)法を適用してもよい。
ここで、前述したPI法について簡単に説明しておく。このPI法は、基本的に、複数のRFコイル(要素コイル)から成る、いわゆる、マルチコイルを用いて各コイル同時にエコー信号を受信し、それらの受信したエコー信号から独立に画像データを生成する手法である。このように複数のRFコイルで同時に受信するという条件の下で、各RFコイルに対応したエンコード数を、画像再構成に必要な所定エンコード数の「1/RFコイル数」に減らすことができる。これにより、RFコイル毎に生成した画像のFOV(Field of View)は小さくなるが、スキャン時間は短縮され、高速化される。一方、画像端に生じる折返し(folding)現象は、複数のRFコイルの感度が相互に異なるという事実を利用して、各RFコイルに対応して得られた複数の画像それぞれに後処理としてのアンフォールディング(unfolding)が施されて除去又は抑制される。この処理には、各RFコイルの空間的な感度マップが用いられる。アンフォールディングされた複数枚の画像は、最終のフルFOVの画像に合成され、例えば腹部全体の広い視野の最終画像が得られる。
このPI法は、例えば論文“Carlson J.W. and Minemura T., Image Time Reduction Through Multiple Receiver Coil Data Acquisition and Image Reconstruction, MRM 29:681-688, 1993”や論文“Sodikson D.K. and Manning W.J., Simultaneous Acquisition of Spatial Harmonics (SMASH): Fast Imaging with Radiofrequency Coil Arrays, MRM 38:591-603, 1997”などで知られている。
さらに、上述した各種のパルスシーケンスをECG(心電図)信号などの被検体の心周期を表す信号に同期させて実行する心電同期法(ECGゲーティングなど)が望ましい。このため、パルスシーケンスとしては、k空間を複数の領域に分割し、その分割数に応じてセグメンティド(segmented)化されたパルス列に形成することが望ましい。なお、セグメントとは、1スライス分又は1ボリュームのエコーデータ(生データ)を収集するのに、何回に分けて収集するのかということを表す数値である。
このセグメントの概念を図4に模式的に示す。同図の場合、セグメント数=8の場合のデータ収集を示しており、1R−R間内にk空間の各分割領域の1ライン(1エンコード)分のデータの組が収集・配置され、複数の心周期にわたって、このデータ収集・配置が繰り返される。本発明は、このデータ収集の順序の設定を特徴としており、この特徴は後述される。
図1に戻って説明を続ける。演算ユニット10は、受信器8Rが出力したデジタルデータ(原データ又は生データとも呼ばれる)を、シーケンサ5を通して入力し、その内部メモリによるk空間(フーリエ空間または周波数空間とも呼ばれる)にそのデジタルデータを配置し、このデータを1組毎に2次元または3次元のフーリエ変換に付して実空間の画像データに再構成する。また演算ユニット10は、必要に応じて、画像に関するデータの合成処理や差分演算処理も実行可能になっている。この合成処理には、画素毎に加算する処理、最大値投影(MIP)処理などが含まれる。また、上記合成処理の別の例として、フーリエ空間上で複数フレームの軸の整合をとって原データのまま1フレームの原データに合成するようにしてもよい。なお、加算処理には、単純加算処理、加算平均処理、重み付け加算処理などが含まれる。
記憶ユニット11は、再構成された画像データのみならず、上述の合成処理や差分処理が施された画像データを保管することができる。表示器12は例えば再構成画像を表示するのに使用される。また入力器13を介して、術者が希望するパラメータ情報、スキャン条件、パルスシーケンス、画像合成や差分の演算に関する情報などをホスト計算機6に入力できる。
音声発生器16は、ホスト計算機6から指令があったときに、息止め開始および息止め終了のメッセージを音声として発することができる。
さらに、心電計測部は、被検体の体表に付着させてECG(心電図)信号を電気信号として検出するECGセンサ17と、このセンサ信号にデジタル化処理を含む各種の処理を施してホスト計算機6およびシーケンサ5に出力するECGユニット18とを備える。このECG計測信号は、例えば、ECG−prepスキャンやイメージングスキャンを実行するときにシーケンサ5において用いられる。これにより、心電同期法によるデータ収集が可能になっている。このECGセンサ17及びECGユニット18は、心時相を表す情報を検出する手段として機能する。
続いて、本実施形態に係る全体動作を説明する。
最初に、k空間の位相エンコード方向の零エンコード位置に配置するデータの収集時相について、再度、従来の問題点と比較しながら、説明する。本実施形態では、撮影部位は下肢であり、撮像するターゲットは動脈であるとする。
PI法及びPE−AFI法を採用しない、通常の撮影で用いられる撮影条件の典型例を示すと、
Figure 2004321791
となる。
いま、ターゲットは下肢の動脈であるから、この血管を安定して描出するには、R波から100〜500msの間にk空間の位相エンコード方向の零エンコード位置の配置するエコーデータを収集する必要がある。
上述した撮影条件(1)、(2)で決定的に違う要素は、零エンコード位置に対するデータ収集時相である。零エンコード位置に配置するデータの、ECGトリガ信号からの収集時相(零エンコード時間:0EncodeTimeと記す)は下記式で表される。
Figure 2004321791
ここで、DelayTimeはECGトリガ信号からデータ収集開始まで遅延時間である。
このように撮影条件の違いに応じて、データ収集時相を表すことができるので、#AFIファクタは0.6、DelayTime=0として、その値を算出すると、
Figure 2004321791
となる。これによると、通常撮影に対する零エンコード時間((1)″の値)は、下肢の動脈をターゲットとしたときの零エンコード時間の許容範囲(100〜500ms)に収まるが、PI法及びPE−AFI法の併用撮影に零エンコード時間((2)″の値)は、その許容範囲に収まらない。つまり、後者の撮影の場合、かかる高速撮影時に、いわゆる血管抜けによりエコー信号が低くなるなど、画像を安定して得ることができない。
このためには、PI法及びPE−AFI法の併用撮影においても、零エンコード収集時相を、ECGトリガ信号から100〜500msの範囲に収めてやればよい。しかしながら、かかる零エンコード収集時相をECGトリガ信号の直後に設定することは、前述したと同様に、定常状態(即ち、信号強度の安定した状態)には無いので、エンコードゴーストが発生するなど、再構成したMRA画像の画質が劣化する原因になる。
そこで、本実施形態では、図2に示すように、ECGprep−スキャン及び心電同期イメージングスキャンの順に撮像が、好適には被検体Pの息止めを併用して行われる。最初に、ECGprep−スキャンが行われる。これにより、ECG信号のR波(トリガ信号に対応)から例えば100,200,300,400,500msといった複数の遅延時間を置いて、被検体の下肢の所望撮像部位に対して例えば2次元スキャンが実行される。このスキャンに使用するパルスシーケンスは、後で実行するイメージングスキャンと同種類のものが好適である。
これにより、遅延時間が異なる複数枚の断層像が得られるので、この画像を例えば目視観察し、所望の血管が最も良好に描出され、血管と他の組織とのコントラストが最も明瞭になっている時相を零エンコード時相tzero(例えばR波に応答したECGトリガ信号からの遅延時間:図5参照)として設定する。この零エンコード時相tzeroを表すデータは入力器13を介してホストコンピュータ6に送られ、その後の心電同期イメージングスキャンの撮影条件の一つとして記憶される。
なお、前述したように、ECGprep−スキャンを実行しない態様も可能である。その場合には、オペレータが既に知見して所望の零エンコード時相tzeroのデータを手入力で入力器13を介してホストコンピュータ6に渡せばよい。
このように零エンコード時相tzeroが設定されると、心電同期法に基づくイメージングスキャンが、例えば、2次元セグメンティドFE法がPI&PE−AFI法の元で実行される。
図5に、PE−AFI法の下でセグメント化されて実行される、エコーデータの収集順及びそのデータのk空間への配置位置の関係を模式的に示す。k空間は一例として、PE−AFI法を使用するため、6個の分割領域DV1〜DV6と零詰め処理を行う残りの領域VCとに分かれている。パルスシーケンスも、ECG信号のR波に出現に伴うトリガ信号(図示せず)に応答して、6個のエコー信号を収集するパルス列が1つのセグメントSeg.1(〜6)として置かれ、このセグメントSeg.1(〜6)が6個の分割領域DV1〜DV6のデータ配置を賄う分だけ複数の心周期に渡ってR波毎に設定されている。ただし、全体のスキャン時間は、被験者の一回の息止め可能な期間内に収められている。
このパルスシーケンスのより詳細な波形例を図6に示す。同図に示すように、ECG信号のR波が出現し、そのピーク値に応答してECGユニット18からECGトリガ信号がシーケンサ5に送られる。このため、シーケンサ5には、そのECGトリガ信号から零エンコード時相tzeroの経過時に、k空間の零エンコード位置に配置する所定番目のエコー信号(図6の場合には、3番目のエコー信号)の中心時間を合わせるための遅延時間tdが予めホスト計算機6から撮影条件の1つとして渡されている。つまり、この遅延時間tdは各セグメント化されたパルス列seg.1(〜6)の開始時相を規定している。
このため、上述したECGトリガ信号を受けたシーケンサ5は、所定の遅延時間tdの経過を待って、各セグメント化されたパルス列seg.1(〜6)を開始させる。この各パルス列seg.1(〜6)が開始されると、その冒頭部分で、MTパルスPmt、化学選択パルスPchess、及びスポイラーパルスが印加される。その後、FE法による所望スライスのエコー信号が収集される。
このエコー信号の収集に際し、位相エンコード方向傾斜磁場Gが収集毎にそのパルス面積(例えば波高値)が変更されて、発生するエコー信号に位相エンコーディングを行う。
この位相エンコーディングの中で、k空間の零エンコード位置に配置する所定番目のエコー信号(図6の場合には、1番目のセグメント化されたパルス列seg.1の3番目のエコー信号)には、位相エンコード方向傾斜磁場Gが付与されないように設定されている(位相エンコード量=0)。その他のセグメント化されたパルス列seg.2〜6の3番目のエコー信号には、零エンコード量を含む中心部の1つの分割領域DV5における位相エンコード量に対応して、位相エンコード方向傾斜磁場Gが付与される。
また、この中心部の分割領域DV5に配置するエコー信号の時間軸方向前後で収集するエコー信号には、図5に示すように零エンコード位置を越えた一方の極性側の所定位相エンコード量から位相エンコーディングがスタートし、零エンコード位置を越えて反対側の極性側の位相エンコーディングまで順に進み、分割領域DV6の端まで達すると、反対の極性側に折り返し、元のエンコード位置まで戻るという、データ配置位置のスクロールが行われるように、位相エンコード方向傾斜磁場Gが与えられる。この収集順は、PI法の撮影倍率などの撮影ファクタ、PE−AFI法における実収集データ数の変化分、及びPE−AFI法におけるデータ収集の零エンコード位置に対する非対象性のほか、1心周期内の血流の動態や信号強度の変化を考慮して設定される。
なお、このスクロール順は一例であっても、零エンコード時相の収集以外の収集順は、任意の順番でスクロールさせることができる。
このため、零エンコード時相tzeroで収集されたデータは、k空間の位相エンコード方向の零エンコード位置を含む分割領域DV5に必ず配置されつつ、ASI法に従う全部の分割領域DV1〜DV6までエコーデータで充足される。残りの領域VCには零を表すデータ充足され、ASI法に拠り画像再構成が行われる。これにより、被検体Pの例えば下肢の動脈を描出するMRA像が造影剤をしないで得ることができる。
このようにして、k空間の零エンコード位置を含む中心部の分割領域に配置するデータの収集時相を、1心周期内の、ターゲットにとって最も描出能の高い時相範囲(例えば、下肢の動脈の場合、R波から100〜500msの範囲)に確実に収めることができる。このため、ターゲットである血流のインフロー効果を最も効率良く強調でき、血流と組織とのコントラストを高めた、高描出能で、アーチファクトの少ない高画質のMRA像を提供することができる。
また、k空間の各分割領域DV1〜DV6それぞれに対するデータ収集順は、上述したインフロー効果の強調効果の確保に加えて、PI法における撮影倍率や、PE−ASI法を併用した場合の実収集データ数と実際に再構成されるときのk空間中心位置との差を考慮して決められている。このため、昨今富に注目されているPI法やAFI法を併用する場合でも、それらの高速撮像の性能を維持しつつ、血管輝度と組織とのコントラスト比が十分に確保された高画質のMRA像を提供することができ、それらの高速撮像法の特性を一層強固なものにすることができる。
さらに、画質劣化(エンコードゴースト)の発生を防止するため、k空間の中心位置を収集するまでのほかのエンコードデータの収集数を考慮して、かかるデータ収集順が決定されている。これを、図5を用いて説明すると、k空間の零エンコード位置に配置するデータを収集する前に、撮像スライスを他のデータ収集のRFパルスによりある程度励起している。このため、零エンコード位置に配置するデータ収集時には、エコー信号が確実に定常状態に近づいているので、零エンコード位置に対して、より安定したデータを収集することができる。
このため、MR造影剤を用いないで血流を画像化できることは勿論、拍動する血流であっても、再構成画像における実質部と血流のコントラストは非常に高く且つ安定したものとなる。とくに、PI法やPE−AFI法に対しても、このような血流のインフロー効果を最大限に利用してエコーデータの収集及びk空間配置を行うことができ、血流の描出能に優れた画像生成法を提供することができる。
第1の実施形態の説明は以上の通りであるが、本発明は実施形態記載の構成に限定されるものではなく、当業者においては、特許請求の範囲に記載の要旨を逸脱しない範囲で適宜に変更、変形可能なものであり、それらの構成も本発明に含まれる。例えば、上述した実施形態において、所望のパルスシーケンスにPI法のみを組み合わせて実施してもよいし、所望のパルスシーケンスにPE−AFI法のみを組み合わせて実施してもよいし、所望のパルスシーケンスにPI法及びPE−AFI法の両方を併用してもよい。
(第2の実施の形態)
次いで、図7〜9を参照して、本発明に係る第2の実施形態を説明する。
この第2の実施形態は、上述の第1の実施形態で説明したMRI装置及びMRイメージング方法により実行される同期撮影法の元でのデータ収集期間の相互間の間隔設定に関する。
この第2の実施形態では、被検体の下肢領域のMRA(血管)像がPPG(Peri Pherical Gating:脈波同期)法の元で撮像される例を挙げる。なお、下肢にて測定される脈波は心時相を表す情報に相当し、PPG法は心時相の情報に基づく同期撮像法の一形態を成す。
一般に、下肢領域の所望撮像部位のMRA像をPPG法で撮像する場合、血流のインフロー効果を得るため、2R−Rに跨るスキャン計画が立てられる。このため、スキャン時には、図7に示すように、そのスキャン計画に沿って2R−Rの間隔でデータ収集が行われる。
具体的には、脈波計測部が検出した脈波信号には、心電図信号のR波に応答して生成される脈波同期信号(同期用パルス信号:PPG-trigger)が含まれる。このため、ある脈波同期信号PG1から所定の遅延時間tdの後、データ収集ACQ1を行ってデータ収集を行う。このデータ収集ACQ1は、通常、スキャン計画に沿って次の脈波同期信号PG2を跨ぐ時間まで継続される。このため、インフロー効果を得るために、シーケンサは更に次の脈波同期信号PG3の出現までスキャンをせずに待機する。そして、脈波同期信号PG3が出現すると、所定時間tdの遅延を掛けて次のデータ収集ACQ2を実行する。これにより、2R−Rの間隔でデータ収集が実行される。
上述のように、下肢血流のインフロー効果を得るためには2R−Rの周期でデータを収集する必要があるが、その反面、次のトリガ信号(脈波同期信号)が到来するまでの期間を待たなければならない。このため、かかる待機の分だけ撮像部位の実質部の信号値が回復するので、インフロー効果を得た血管であっても、その血管と実質部との信号値の差が少なくなってしまう。つまり、2R−Rの間隔設定によって得たインフロー効果を実質部の信号値の回復分が減殺することとなり、結果として、血管のコントラストが思ったほどは高くならないことが多い。また、待機の期間が多くなるので、全体としてのスキャン時間も長くなる。
そこで、この第2の実施形態にあっては、前述した第1の実施形態に係るデータ収集順の手法を実施する一方で、上述したデータ収集期間の相互間の間隔設定に因る問題を解決して、コントラストのより優れたMRA像(血管像)を、より短いスキャン時間で得るようにする。
本実施形態で採用するMRI装置は、図8に示すように、ECGユニット(図1参照)に代えて、PPG(脈波同期)ユニット21が設置されており、そのセンサ部22が被検体Pの例えば下肢に付けられる。このセンサ22は、例えば指先の血流に基づく光の透過(反射率)の変化を検出して、その変化情報をPPGユニット21に送る。PPGユニット21は、心時相を反映した脈波同期信号を生成し、この脈波同期信号をシーケンサ5に送る。シーケンサ5は、かかる脈波同期信号を用いてパルスシーケンスを制御し、被検体の下肢領域の所望の撮像部位をPPG法(脈波同期法)の元で同期撮像するようになっている。
このMRI装置のその他の構成要素は、第1の実施形態で説明したものと同一又は同等であるので、その説明を省略する。
シーケンサ5は、ホスト計算機6からパルスシーケンス情報を受け取る。このパルスシーケンス情報は、第1の実施形態のものと同様に、例えば、2次元セグメンティドFE法に基づくパルス列をPE−AFI法に従って、PPG法の元でパラレルイメージング(PI)を実行するためのパルスシーケンス情報である。
このパルスシーケンス情報には、ECGprep−スキャンを実行して設定した、又は、オペレータがマニュアルで指定した所望の零エンコード時相tzeroのデータが含まれる。また、位相エンコード方向傾斜磁場Gについても、第1の実施形態と同様に、データ配置位置が所望のスクロール順になるように設定されており、この傾斜磁場情報がパルスシーケンス情報に含まれる。
さらに、このパルスシーケンス情報には、本第2の実施形態に特有の情報として、PPGユニット21から連続的に送出される脈波同期信号それぞれに同期すべく設定された遅延時間tdを含む。つまり、本第2の実施形態では、PPGユニット21からトリガーパルスとしての脈波同期信号(PPG-trigger)が入力する度に、データ収集が実行されることを一つの特徴とする。
また、このパルスシーケンス情報には、データ収集を実行しない、空いている時間帯(すなわち、隣り合うデータ収集期間同士の間の時間帯)に空打ち用の励起パルスの印加情報も含まれる。
そこで、シーケンサ5は、上述のパルスシーケンス情報に基づいて傾斜磁場電源4、送信器8T、及び受信器8Rを制御して、例えば図9に示す如く、PPG法の元で、2次元セグメンティドFE法をPE−AFI法に基づいて実行し、パラレルイメージング(PI)法のためのスキャンを行う。
このスキャンにあっては、シーケンサ5により、トリガーパルスである脈波同期信号(PPG-trigger)が入力する度に、この脈波同期信号から遅延時間tdの経過が計測され、この遅延時間tdの経過後に一定時間のデータ収集が実行される。このデータ収集の具体的なパルス列は、一例として、第1の実施形態のものと同一のパルス列が採用される。
具体的には、シーケンサ5は、脈波同期信号PG1が入力すると、これに応答して所定の遅延時間tdの計測を行う。そして、シーケンサ5は、この遅延時間tdが経過すると、データ収集ACQ1を実行させてデータ収集を行う。このデータ収集ACQ1は、通常、スキャン計画の基づいて次の脈波同期信号PG2を跨ぐ時間まで継続される。シーケンサ5は、このデータ収集ACQ1を行っている間に、次の脈波同期信号PG2が入力すると、この入力にも応答して時間計測を開始する。この時間計測を行なっている間に、最初のデータ収集ACQ1が終わる。これは、各回のデータ収集ACQと遅延時間tdとの時間長の関係が相互に干渉しないように予め設定されていることによる。
最初のデータ収集ACQ1が終わるってから所定時間後に、それまで時間計測していた所定遅延時間tdがタイプアップするので、この時点で第2回目のデータ収集ACQ2が開始される。このデータ収集ACQ2は、通常、スキャン計画の基づいて次の脈波同期信号PG3を跨ぐ時間まで継続される。このデータ収集ACQ2の間に次の脈波同期信号PG3が入力するので、これに応答して再度、所定遅延時間tdの計測が開始される。
以下、同様の繰返しの元に、毎回入力する脈波同期信号に応答してデータ収集が実行される。なお、互いに隣接するデータ収集の期間相互の間の空き時間には、図示しないが、空打ち用の励起パルスが所定間隔で励起される。このため、データ収集を行っていない期間であっても、実質部の磁化スピンを飽和状態又はこれに近い状態にして、実質部からの信号を抑制することができる。
このように、本第2の実施形態によれば、2R−R間隔では無く、常に1R−R間隔で造影剤不要のデータ収集を行うことができる。つまり、トリガーパルスとしての脈波同期信号PGが出現する度にデータ収集を行うもので、トリガーパルスを1つ飛ばす(2R−R間隔)ことはしない。これにより、血流のインフロー効果が小さくはなるが、実質部(静止部)から発生する信号の強度を最小限の値に抑制できることから、この抑制の効果の寄与がより大きく、したがって、下肢の所望撮像部位のMRA(血管)像をより安定して且つ高いコントラストで得ることができる。
とくに、データ収集をしていない空き時間に励起パルスを空打ちするので、実質部からの信号を確実に抑制でき、血流のインフロー効果をより際立たせることができる。このため、得られるMRA像の血管部位のコントラストがより一層高くなり、描出能に優れた画像を提供することができる。
また、常に1R−R間隔でデータ収集を行うことで、2R−R間隔のデータ収集に比べて、スキャン時間(撮影時間)が約半分になる。このため、撮影に要する時間が短縮され、撮影能率が上がるとともに、患者にとっても、スキャン中の息止め時間が短くなるなど、診断を受け易くなる。
なお、上述した第2の実施形態では、本第2の実施形態に特有の1R−R間隔の元でのデータ収集の手法と前述した第1の実施形態に係るデータ収集順の手法とを一緒に実施するとしたが、これは必ずしも必須の事項では無い。例えば、従来周知の一般の下肢部領域に対するPPG法に拠る同期撮像(つまり、本第2の実施形態に特有の1R−R間隔の元でのデータ収集の手法を実施しない撮像)を、本第2の実施形態に特有の1R−R間隔の元でのデータ収集を行うようにしてもよい。これによっても、実質部の信号を抑制し、血流のインフロー効果を活かしたコントラストの良いMRA像を造影剤の注入無しの状態で得ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態及びその変形例に限定されるものでは無く、当業者であれば、本願の特許請求の範囲に記載の発明の範囲内で、更に様々な態様の実施形態を提案することができるものであって、それらも当然に本発明に含まれるものである。
本発明の第1の実施形態係るMRI装置の構成例を示す機能ブロック図。 第1の実施形態におけるECG−prepスキャン及びイメージングスキャンの時間的前後関係を説明する図。 AFI法の概念を説明する図。 セグメントの概念を説明する図。 第1の実施形態で使用する心電同期イメージングスキャンの概要を説明する図。 心電同期イメージングスキャンのセグメント化された1つのパルス列を示すタイミング図。 本発明の第2の実施形態の背景を説明するための、PPG法に拠る下肢MRA撮像において実行されるデータ収集間隔の設定法を説明するタイミングチャート。 本発明の第2の実施形態係るMRI装置の構成例を示す機能ブロック図。 第2の実施形態に係る、PPG法に拠る下肢MRA撮像において実行されるデータ収集間隔の設定法を説明するタイミングチャート。
符号の説明
1 磁石
2 静磁場電源
3 傾斜磁場コイルユニット
4 傾斜磁場電源
5 シーケンサ
6 ホスト計算機
7 RFコイル
8T 送信器
8R 受信器
10 演算ユニット
11 記憶ユニット
12 表示器
13 入力器
17 ECGセンサ
18 ECGユニット
21 PPGユニット
22 PPGセンサ

Claims (16)

  1. 被検体の心時相を表す情報に同期してMR(磁気共鳴)イメージングを当該被検体の所望領域に実行するようにしたMRI装置において、
    前記被検体の心時相を表す情報を検出する心時相検出手段と、
    前記心時相検出手段により検出された心時相を表す情報に同期した同期撮像法の下で、前記被検体の1心周期のうちの所望の心時相で収集するエコーデータがk空間の位相エンコード方向の零エンコード位置を含む中心部に配置されるように設定したデータ収集順を規定するパルスシーケンスを用いて、前記被検体の所望領域にイメージング用スキャンを実行するとともに当該イメージング用スキャンの実行により発生したエコー信号を収集するスキャン手段と、
    このスキャン手段により収集されたエコー信号を前記エコーデータに生成して前記k空間に配置するデータ配置手段と、
    このデータ配置手段により配置されたk空間のエコーデータから実空間の画像を再構成する画像再構成手段と、を備えたことを特徴とするMRI装置。
  2. 前記心時相検出手段は、前記被検体の心電図情報又は脈波の情報を検出する手段と、この情報から前記同期撮像法に供する同期信号を生成する手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のMRI装置。
  3. 前記心時相検出手段は、前記被検体の脈波の情報を検出する手段と、この情報から前記同期撮像法に供する同期信号を生成する手段とを備え、
    前記スキャン手段は、前記同期信号に順次現われるトリガ信号それぞれに同期して前記パルスシーケンスに基づくイメージング用スキャンを実行させる手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のMRI装置。
  4. 前記スキャン手段は、前記イメージング用スキャンを実行するときに、前記エコー信号の収集を行わない空き時間に励起用パルスを空打ちするように構成したことを特徴とする請求項2に記載のMRI装置。
  5. 前記パルスシーケンスは、PI(パラレルイメージング:parallel imaging)法に基づくパルス列で構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のMRI装置。
  6. 前記パルスシーケンスは、前記PI法とPE−AFI(位相エンコード方向の非対称フーリエイメージング(Asymmetric Fourier Imaging))法とを併用したパルス列で構成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のMRI装置。
  7. 前記パルスシーケンスにより規定される前記データ収集順は、前記PI法の撮影ファクタを考慮して設定されていることを特徴とする請求項5に記載のMRI装置。
  8. 前記パルスシーケンスにより規定される前記データ収集順は、前記PE−AFI法によるスキャンの実収集データ数の変化分を考慮して設定されていることを特徴とする請求項6に記載のMRI装置。
  9. 前記パルスシーケンスにより規定される前記データ収集順は、
    前記PE−AFI法によるエコーデータの収集の零エンコード位置に対する非対称性を考慮して設定されていることを特徴とする請求項6〜8の何れか一項に記載のMRI装置。
  10. 前記k空間は前記位相エンコード方向にて複数の領域に分割された空間として形成され、前記パルスシーケンスは前記複数の領域に対応して心周期毎にセグメント化された複数の心周期に渡るパルス列で形成されたことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のMRI装置。
  11. 前記パルスシーケンスは2次元スキャンに基づくパルス列から成ることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載のMRI装置。
  12. 前記被検体の1心周期のうちの前記所望時相を探索するための準備用スキャンを当該被検体に対して実行する準備スキャンを備えたことを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載のMRI装置。
  13. 被検体の心時相を表す情報に同期してMR(磁気共鳴)イメージングを当該被検体の所望領域に実行するようにしたMRI装置において、
    前記被検体の心時相を表すトリガ信号を検出する心時相検出手段と、
    この心時相検出手段により検出されるトリガ信号それぞれに順次、同期して所定のパルスシーケンスによるスキャンを前記被検体の所望領域に順次実行するとともに当該スキャンの実行により発生したエコー信号を収集するスキャン手段と、
    このスキャン手段により収集されたエコー信号から前記所望部位の血管像を作成する画像作成手段とを、を備えたことを特徴とするMRI装置。
  14. 前記心時相検出手段は、前記被検体の脈波の情報を検出する手段と、この情報から前記トリガ信号を生成する手段とを備えたことを特徴とする請求項13に記載のMRI装置。
  15. 前記スキャン手段は、前記スキャンを実行するときに、前記エコー信号の収集を行わない空き時間に励起用パルスを空打ちするように構成したことを特徴とする請求項14に記載のMRI装置。
  16. 被検体の所望領域に心電同期法に拠るMR(磁気共鳴)イメージングを行うMRイメージング方法において、
    前記被検体の1心周期のうちの所望時相で収集するエコーデータがk空間の位相エンコード方向の零エンコード位置を含む中心部に配置されるように設定したデータ収集順を規定するパルスシーケンスを準備し、
    このパルスシーケンスを用いて前記心電同期法の下で前記被検体の所望領域に対してイメージング用スキャンを実行して収集されたエコー信号を前記エコーデータに生成して前記k空間に配置し、
    この配置されたk空間のエコーデータから実空間の画像を再構成する、ことを特徴とするMRイメージング方法。
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