JP4282152B2 - Mri装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体の磁気共鳴現象に基づいてその内部を画像化する磁気共鳴イメージングに関し、とくに、組織や血流の走行方向と位相エンコード方向との関係を考慮してMR画像を得るMRI(磁気共鳴イメージング)装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴イメージングは、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをそのラーモア周波数の高周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するMR信号から画像を再構成する撮像法である。
【0003】
この磁気共鳴イメージングの分野において、被検体に造影剤を投与しなくても肺野や腹部の血流像を得ることができるイメージング法が種々知られている。例えば、タイム・オブ・フライト(time−of−flight:TOF)法や位相コントラスト(phase contrast:PC)法を利用したイメージング法であり、また、サブトラクションMRアンギオグラフィとして知られているイメージング法などである。これらのイメージング法は各種のパルスシーケンスと組み合わせて実施され、それぞれの特質に鑑みて用いられる。
【0004】
これらのイメージング法を実施して血流像を得る場合、画質や分解能を向上させるには、血管からの信号値を上げてS/Nを良くすること、体動によるアーチファクトを低減することなどの要求がある。血管からの信号値を上げるには、その一つの手法としては、アベレージング処理(加算平均処理)が挙げられる。また、体動アーチファクトの発生を抑制するには、撮影時間中、患者に息止めを行ってもらう方法が多用されている。通常は、1回の息止め期間の間にアベレージング法を実施するための複数の画像(このとき、各画像の位相エンコード方向は常に一定の方向に設定されている)を得るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、とくに、高速SE(Fast Spin Echo:FSE)法、FASE(Fast Asymmetric SE)法(すなわち、高速SE法とハーフフーリエ法の組み合わせに基づく方法)等に基づくパルスシーケンスでMRスキャンを実施する場合、上述した息止め法やアベレージング法を併用したとしても、T2時間が短め(T2=100〜200ms)の組織や血流(例えば、肺野の血管や肝臓の門脈或いは脈管)の走行状態の描出能が劣っていた。これは、T2時間が短めの成分から発生するMR信号の半値幅が位相エンコード方向に広がり(伸び)、画像全体が位相エンコード方向にぼけることに起因していた。画像が位相エンコード方向にぼけると、位相エンコード方向が交差する(直交するなど)血流像の画素値は周辺組織のそれと平均化されてしまい、分解能が低下する。このため、画像においても、位相エンコード方向と交差する方向に走行する血管像は周辺組織と区別し難くなる。
【0006】
アベレージング処理を実施した場合、位相エンコード方向に走行している血流の分解能は向上するが、ほかの方向に走行している血流像はぼけたままであるので、ぼけた画素同士を加算しても分解能は向上しない。したがって、アベレージング処理に付したとしても、位相エンコード方向以外の方向に走行する血管像の情報は欠落しがちで、血管全体の描出能は低い。この問題はとくに、T2時間が短めの血流で顕著であった。
【0007】
この問題を解決するため、特願平9−149886号の特許出願において、T2時間が短めの組織や血流はその走行方向が位相エンコード方向と平行になるほど強調されるという性質を積極的に利用したイメージング法が提案されている。つまり、位相エンコード方向を変えた画像を複数枚収集し、これらの画像に最大値投影(MIP)などの重ね合わせ処理を行うことで、複雑に走行する血管系(肺血管)などを均一に描出するイメージング法である。
【0008】
しかし、このイメージング法にあっては、さらに改善すべき課題が多々残されている。
【0009】
第1の未解決の課題は、かかるイメージング法を、特に、3次元(3D)撮影に適用する場合に発生する。撮影時間が比較的長い3D撮影をその位相エンコード方向を変えて複数回実施する場合、全体の撮影時間が非常に長くなる。したがって、実際問題として、臨床現場で常に、このイメージング法を3D撮影に適用できるとは限らず、患者スループットなどを考慮すると、その実施は困難であった。
【0010】
第2の未解決の課題は、アーチファクトの発生部位と診断部位との干渉に関する。腹部コロナル像などを撮影する場合、撮影断面や撮影条件によっては、心臓や大動脈などに起因したアーチファクトやケミカルシフトに起因したアーチファクトが画面上の観察したい部位に発生し、読影の妨げになるという事態が発生することもあった。
【0011】
本発明は、このような従来技術が直面している現状を打破するためになされたもので、その目的は、T2時間が短めの組織や血流はその走行方向が位相エンコード方向と平行になるほど強調されるという性質を積極的に利用したイメージング法を3D撮影に容易に適用できるようにすることである。
【0012】
本発明の別の目的は、2次元の準備用スキャンにより位相エンコード方向を予め最適方向に決めて3Dスキャンを行うことで、T2時間が短めの組織や血流はその走行方向が位相エンコード方向と平行になるほど強調されるという性質を積極的に利用した3D撮影を行うことができ、これにより、組織や血管の走行情報に対する描出能および分解能の優れたMR像を、短い撮影時間で提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、画面上の観察したい部位にアーチファクトが発生し、読影の妨げになるという事態が排除された状態で、T2時間が短めの組織や血流はその走行方向が位相エンコード方向と平行になるほど強調されるという性質を積極的に利用したイメージング法を3D撮影に容易に適用できるようにすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のMRI装置は以下のように構成される。
【0017】
本発明に係るMRI装置の1つの側面によれば、MR撮影用のプランROIを使って被検体の本撮影をプラニングするようにしたMRI装置において、前記プランROIの前記本撮影の対象となる撮影断面の方向ベクトル、サイズ、ROI中心の少なくともいずれかを変化させた前記被検体の複数の参照画像を準備する準備手段と、この複数の参照画像から前記プランROIの前記方向ベクトル、サイズ、ROI中心の少なくともいずれかの最適状態を決める最適プランROI決定手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
この場合、前記プランROIは、MR撮影用の位相エンコード方向の情報を含む。また好適には、前記準備手段は、前記被検体の撮影領域を2次元準備用スキャンで撮像してプラン用断面の画像を得る手段を有する。この準備手段は、さらに、前記プラン用断面の画像上で前記プランROIの中心位置を通る中心軸の周りに当該プランROIを所定角度ずつ複数回回転させる手段を有することが好ましい。さらに好適には、前記最適プランROI決定手段は、前記準備手段により準備された前記複数の参照画像を当該各参照画像に写り込んでいる被写体の方向および位置を揃えて表示する表示手段を含む。
【0019】
また、前記最適プランROI決定手段は、前記準備手段により準備された前記複数の参照画像それぞれに設定された同一の評価用ROI内の画素値に基づき所定の評価演算を行う評価演算手段と、この評価演算手段の評価結果に基づき前記プランROIの最適状態を自動判別する判別手段とを有していてもよい。例えば、前記評価演算手段は、前記評価用ROI内の画素値の平均値または標準偏差を演算する手段である。
【0020】
さらに、前記最適プランROI決定手段により前記プランROIの最適状態が決定されるたときに、その最適状態を示す情報を自動的に前記本撮影の撮影条件として取り込む自動取り込み手段を備えることが好ましい。
【0021】
また、上述した構成において、前記本撮影として前記設定または決定したプランROIに応じて3次元スキャンを実行するイメージングスキャン手段が備えられる。一例として、イメージングスキャンは、前記3次元スキャンを1回実行する手段である。また、例えば、前記3次元スキャンは、高速SE法に基づくパルスシーケンス、又は高速SE法とハーフフーリエ法とを組み合わせた方法に基づくパルスシーケンスにしたがう3次元スキャンである。
【0022】
さらに、本発明に係るMRI装置の別の側面によれば、MR撮影用のプランROIを使って被検体の本撮影をプラニングし実行するようにしたMRI装置において、前記プランROIを変化させた複数の参照画像を準備する準備手段と、この準備手段により準備された前記複数の参照画像から複数の参照画像を任意に選択する選択手段と、この選択手段により選択された複数の参照画像それぞれのプランROIにしたがって前記本撮影としての3次元スキャンをプランROI毎に各別に実行するイメージングスキャン手段と、この複数回の3次元スキャンによって収集された複数組の3次元画像データを画素毎に重ね合わせて1組の3次元画像データを生成する重ね合わせ処理手段とを有することを特徴とする。
【0023】
この構成のMRI装置の場合、例えば、前記準備手段は、前記被検体の撮影領域を2次元準備用スキャンで撮像してプラン用断面の画像を得る手段と、このプラン用断面の画像上で前記プランROIの中心位置を通る中心軸の周りに当該プランROIを所定角度ずつ複数回、回転させる手段を有する。また前記重ね合わせ処理手段は、好適には、前記選択された複数の参照画像が互いに重複する領域の画素値のみを相互に重ね合わせるように構成される。この重ね合わせ処理手段は、前記選択された複数の参照画像が互いに重複する領域の重複画像枚数に応じて加算平均するように構成してもよい。例えば、前記3次元スキャンは、高速SE法に基づくパルスシーケンス、高速SE法とハーフフーリエ法とを組み合わせた方法に基づくパルスシーケンス、又はEPI(エコープラナーイメージング)法に基づくパルスシーケンスにしたがう3次元スキャンである。さらに、前記選択手段は、前記複数の参照画像から複数の参照画像を手動操作で任意に選択する構成であってもよい。
【0025】
以上により、本発明では、一例として、撮影時間の掛かる3次元本撮影において描出したい部位が最も良く描出できる位相エンコード方向が撮影時間の短い2次元の準備撮影で決定される。つまり、同じ断面上で位相エンコード方向を変化(プラン断面を少しずつ面内回転させるなど)させた複数枚の参照画像が収集され、この参照画像を自動的に又は目視で評価・比較検討することで所望の参照画像、すなわち所望の位相エンコード方向が決まる。本撮影はこの位相エンコード方向にしたがって3次元スキャンにより行われるから、本撮影により得られるMR画像の描出したい部位の描出能は高くなる。3次元撮影は例えば1回で済むから、全体の撮影時間も抑えられる。
【0026】
また、描出したい部位の構造(血管の走行状態など)が複雑な場合、複数枚の参照画像を目視観測しても、一意に参照画像を決められないことがある。そのような場合には、複数の参照画像に基づく複数の撮影条件にて3次元撮影を各別に実施し、3次元画像データ同士を重ね合わせる(合成する)処理を行って、最終的な3次元画像を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を説明する。
【0028】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態を図1〜図7を参照して説明する。
【0029】
この実施形態にかかるMRI(磁気共鳴イメージング)装置の概略構成を図1に示す。
【0030】
このMRI装置は、被検体Pを載せる寝台部、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場発生部、高周波信号を送受信する送受信部、システム全体のコントロール及び画像再構成を担う制御・演算部、および被検体Pの心時相を表す信号としてのECG信号を計測する心電計測部を備えている。
【0031】
静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場H0を発生させる。なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられている。このシムコイル14には、後述するホスト計算機の制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のための電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
【0032】
傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイルユニット3は、互いに直交するX、Y及びZ軸方向の傾斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコイル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はまた、x,y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケンサ5の制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
【0033】
傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、物理軸である3軸X,Y,Z方向の傾斜磁場を合成して、互いに直交するスライス方向傾斜磁場Gs、位相エンコード方向傾斜磁場Ge、および読出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場Grの各論理軸方向を任意に設定・変更することができる。スライス方向、位相エンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は、静磁場H0に重畳される。
【0034】
送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。この送信器8T及び受信器8Rは、後述するシーケンサ5の制御のもとで動作する。送信器8Tは、核磁気共鳴(NMR)を励起させるためのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に供給する。受信器8Rは、RFコイル7が受信したMR信号(高周波信号)を取り込み、これに前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリングなどの各種の信号処理を施した後、A/D変換してMR信号のデジタルデータ(原データ)を生成する。
【0035】
さらに、制御・演算部は、シーケンサ(シーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器12、入力器13、および音声発生器16を備える。この内、ホスト計算機6は、記憶したソフトウエア手順(図示せず)により、シーケンサ5にパルスシーケンス情報を指令するとともに、装置全体の動作を統括する機能を有する。
【0036】
このMRI装置は、目的部位の本撮影を空間分解能などを考慮して1回の3次元スキャンで行い、その本撮影のプランROI(位相エンコード方向など)の最適条件を準備撮影で予め決めておくことを特徴の1つとする。しかも、その準備撮影は、撮影時間の短い2次元の準備用スキャン(Encode−prepスキャン)を使って、同一断面上でプランROIの方向ベクトルを様々な方向に変えて行う。これに関わる一連のスキャンは、図2に示すように、位置決めスキャン、初期断面用スキャン、および準備用スキャン(以下、Encode−prepスキャンという)から成る準備シーケンスを事前に行い、その後で、イメージング用パルスシーケンスを実行する本撮影イメージングスキャンを行う。少なくともEncode−prepスキャンおよび本撮影イメージングスキャンは息止め法および/またはECG同期法を併用することが望ましい。そこで、ホスト計算機6は、図3の処理を行って、上述した一連のスキャンの流れを制御するようになっている。
【0037】
シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシーケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電源4、送信器8T、受信器8Rの動作を制御するとともに、受信器8Rが出力したMR信号のデジタルデータを一旦入力し、これを演算ユニット10に転送するように構成されている。
【0038】
ここで、パルスシーケンス情報とは、一連のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信器8Tおよび受信器8Rを動作させるために必要な全ての情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関する情報を含む。
【0039】
このパルスシーケンスとしては、フーリエ変換法を適用したものであれば、2次元(2D)スキャンであっても3次元(3D)スキャンであってもよく、またそのパルス列の形態としては、高速SE法、FASE(Fast Asymmetric SE)法(すなわち、高速SE法にハーフフーリエ法を組み合わせたイメージング法)などが好適である。
【0040】
また、演算ユニット10は、受信器8Rが出力したデジタル量の原データ(生データとも呼ばれる)をシーケンサ5を通して入力し、その内部メモリ上のフーリエ空間(k空間または周波数空間とも呼ばれる)に原データを配置し、この原データを1組毎に2次元または3次元のフーリエ変換に付して実空間の画像データに再構成する。
【0041】
演算ユニット10は、さらに、画像に関するデータ(画像データまたは原データ)の合成処理や差分演算処理をも行うようになっている。この合成処理には、複数フレームの画像データを対応画素毎に加算する処理、複数フレームの画像データ間で対応ピクセル毎に最大値を選択する最大値投影(MIP)処理などが含まれる。また、この合成処理の別の例として、フーリエ空間上で複数フレームの軸の整合をとって原データのまま1フレームの原データに合成するようにしてもよい。なお、加算処理には、単純加算処理、加算平均処理、重み付け加算処理などが含まれる。
【0042】
記憶ユニット11は、再構成された画像データのみならず、上述の合成処理や差分処理が施された画像データを保管することができる。表示器12は画像を表示する。また入力器13を介して、術者が希望する同期タイミング選択用のパラメータ情報、スキャン条件、パルスシーケンス、画像合成や差分の演算に関する情報をホスト計算機6に入力できる。
【0043】
音声発生器16は、ホスト計算機6から指令があったときに、息止め開始および息止め終了のメッセージを音声として発することができる。
【0044】
さらに、心電計測部は、被検体の体表に付着させてECG信号を電気信号として検出するECGセンサ17と、このセンサ信号にデジタル化処理を含む各種の処理を施してホスト計算機6およびシーケンサ5に出力するECGユニット18とを備える。この心電計測部による計測信号は、Encode−prepスキャンと心電同期による本撮影イメージングスキャンとのそれぞれを実行するときにシーケンサ5により用いられる。これにより、心電同期法の同期タイミングを適切に設定でき、この設定した同期タイミングに基づく本撮影イメージングスキャンを行ってデータ収集できるようになっている。
【0045】
次に、このMRI装置で実施されるEncode−prepスキャンを中心に、その動作を図3〜図7に基づき説明する。
【0046】
ホスト計算機6は、図示しない所定のメインプログラムを実行している中で、入力器13からの指令に応答し、図3に示す処理を行う。
【0047】
最初に、ホスト計算機6は、図3のステップS1において、位置決め用のロケータを起動させる。このロケータは、位置決めスキャンを指令するアプリケーション・プログラムとしてホスト計算機6のメモリに予め格納されている。このロケータが起動すると、位置決め用の基本断面像として、被検体の例えば胸腹部のアキシャル像AX,コロナル像CO,およびサジタル像SGが例えば図4(a)に示す如く表示器12の画面上に表示される。
【0048】
そこで、オペレータは、この3つの基本断面像AX,CO,SGから初期断面を指定するので、ホスト計算機6はその指定情報を読み込む(ステップS2)。この読込みの試行はオペレータからの指定が実際にあるまで定期的に実行される。例えば、オペレータがアキシャル像AXおよびコロナル像COに拠る2断面プランを採用した場合、それらの2断面に基づく任意位置の断面が初期断面として指定される。
【0049】
この初期断面の位置指定に応答して、ホスト計算機6はシーケンサ5を起動して2次元スキャンを実行させる。この2次元スキャンは例えば高速SE法などの適宜なパルスシーケンスを使って短時間の内にエコーデータが収集される(ステップS3)。このエコーデータはフーリエ変換により初期断面の実空間画像に再構成され、表示される(ステップS4、図4(b)参照)。
【0050】
次いで、ホスト計算機6は、この初期断面上の初期位置にデフォルト設定により「プランROI(PLAN−ROI)」を重畳表示する(ステップS5、図4(c)参照)。プランROIは、3Dスキャンなどに拠る本撮影のスキャン条件を検討する目的で撮影する、位相エンコード方向を意識した準備画像の撮影断面であり、イメージングスキャンの対象となる撮影断面の方向ベクトル(位相エンコードPE方向、読み出しRO方向など)、サイズ、ROI中心などの情報を有し、磁気共鳴イメージングでのプラン(PLAN)断面を特定するための撮影パラメータを有する。
【0051】
この状態で、オペレータは初期断面像を見ながら、プランROIを変化させ(例えば回転移動させる(=撮影断面の方向ベクトルを変える)、Encode−prepスキャンを実行させるためのパラメータを設定する(ステップS6、図4(d)参照)。
【0052】
一例として、ホスト計算機6は、オペレータから入力器13を経由して入力する情報に基づき、初期断面上でプランROI中心:ROIcnt を中心軸としてプランROIをα度ずつN回、反時計回りに回転させるための、回転角増分αおよび撮影画像数Nを指定する。具体例として、α=10°かつN=10である。つまり、初期画面と同一の断面上にて、初期位置から撮影断面を10°置きに回転させて10枚の2次元撮影を行うための設定がなされる。
【0053】
このステップS6における処理は、ホスト計算機6とオペレータとの間で対話的に実行され、血管の走行状態が最も良く描出さえる位相エンコード方向を設定するためになされる。例えば図5(a)に示す如く、心臓の動きに因る起因するアーチファクトが診断上の影響が大きい腹部の中心寄り領域に発生することが予想されるときは、同図(b)に示す如く、このアーチファクト発生領域がなるべく画像上の端に来るように位相エンコード方向を変更することが望ましい。このため、回転角増分αおよび撮影画像数Nには、かかる望ましい撮影断面(プランROI)の指定を含むように設定される。
【0054】
そこで、このステップS6の対話処理において、ホスト計算機6は、オペレータが指定する回転角増分αおよび撮影画像数Nに基づき、撮影断面(プランROI)を試行的に回転させて表示させる表示モードを用意している。これにより、オペレータは自分が設定したパラメータα、Nが妥当なものかどうかを判断することができる。つまり、図5(b)に示す如く、目的とする血管が最も良く描出される条件をチェックできる。必要であればパラメータα、Nを再入力して最終的に満足のいく値α,Nを設定できる。
【0055】
次いで、ホスト計算機6は、オペレータから入力器13を介して与えられる信号に応じて1個または複数個の評価用ROI:ROIeva を初期プラン断面上に設定する(ステップS7、図4(e)参照)。この評価用ROI:ROIevaは、Encode−prepスキャンにより得られた複数枚の2次元参照像から最適の撮影断面(すなわち最適の方向ベクトル条件のプランROI)を自動評価して見つけるために設定される。なお、この評価をオペレータの目視評価により手動で行う場合、評価用ROIは設定しなくてもよい。また、この評価用ROIはEncode−prepスキャンで得られた複数枚の参照像上で直接指定するようにしてもよい。
【0056】
次いで、オペレータは入力器13を使って、後で実行する3次元本撮影(イメージングスキャン)時に必要な撮影条件を入力する(ステップS8)。ホスト計算機6はそれらの撮影条件を取り込んで記憶する。この撮影条件には、パルスシーケンス(好適には、高速SE法またはFASE法によるパルスシーケンス)、繰り返し時間TR、エコー時間TE、ECGゲート条件、事前飽和パルスの条件などが含まれるが、この後で実行するEncode−prepスキャンで決まる撮影断面の方向ベクトル(位相エンコード方向、読み出し方向など)はここには未だ含まれていない。3次元撮影時のプランROIのサイズは、既に設定した値に自動的に設定される。
【0057】
この後、ホスト計算機6は、この3次元撮影の撮影条件の入力値の中から選択して2次元撮影のEncode−prepスキャンに必要な撮影条件を設定する。(ステップS9)。この結果、2次元の準備撮影で用いるパルスシーケンス(エンコード数は異なる)、エコー時間TE、プランROIのサイズ、ECGゲート条件、事前飽和パルス条件などは、3次元の本撮影時のものと同じに設定される。なお、2次元の準備撮影と3次元の本撮影の間で撮影条件を別の値に設定することも可能ではあるが、この実施形態のように同一にできる条件は同一にする方が望ましい。また、3次元のスラブに関する条件(スラブ厚など)は、2次元のスライスに関する条件(スライス厚など)に相当させるが、必ずしもそうでなくてもよい。
【0058】
このように準備撮影に必要な撮影条件が揃うと、ホスト計算機6はシーケンサ5に2次元のEncode−prepスキャンのシーケンス情報を送って、その実行を指令する(ステップS10)。これにより、図6に示す如く、例えば2次元のFASE法によるパルスシーケンスが実行されて、短時間(例えば数秒)の間に、複数の指定位相エンコード方向(プランROI方向)に対応した複数フレーム分のエコーデータがRFコイル7および受信器8Rを介して収集される。このデータ収集の際、患者に息どめをしてもらうこと、またECG信号中のR波からの適宜な遅延時間TDLによるECGゲートを掛けることが望ましい。収集エコーデータは演算ユニット10にて直ちに各別に2次元像に再構成される。この結果、指定したN枚の2次元参照像の画像データが生成される。
【0059】
この再構成したままの画像は、それぞれの位相エンコード方向を違えて設定していたため、そのまま画像の向きを揃えて表示した場合、各画像上での被検体の向きが変化している。これは、図4(g)に示す如く、非常に読影または相互に比較対象し難い画像群となる。これは特に、目視による観察を行うときに顕著になる。
【0060】
そこで、ホスト計算機6は、前述した回転角増分αと撮影画像数Nのデータを読み出し、初期プラン断面以外のプラン断面の再構成画像を初期プラン断面の位置関係に合わせるため、その2枚目以降の画像をその位相エンコード方向の回転角度[N・α(N=0,1,2…)に応じた分だけ回転演算処理し、表示器12に表示する(ステップS11,S12)。この結果、図4(f)に示す如く、撮影した複数枚の2次元の参照画像R1,R2,…はその画像の向きおよび被検体の向きが初期プラン断面に揃ったものになる。この参照画像それぞれには、前述したステップS7の処理で指定した評価用ROI(ROIeva )がその指定位置に重畳している。
【0061】
次いで、ホスト計算機6は、参照画像R1,R2,…上に重畳設定されている評価用ROI(ROIeva )内の画素値に基づいて、本撮影時に最適なプランROI(位相エンコード方向など)を呈している画像を自動的に評価して決定する(ステップS13)。なお、この評価決定の処理は、オペレータの目視観察に任せてもよい。その場合には、オペレータは表示された参照画像R1,R2,…を読影し、相互に比較検討して、描出したい部位が最も良く描出されている画像を選択する。
【0062】
この実施形態のように、この評価決定の処理を自動的に行う場合、ホスト計算機6は参照画像R1,R2,…それぞれの評価用ROI内の画素値を使って以下のような演算を択一的に行えばよい。
【0063】
i)1つの方法として、評価用ROI内の画素値の平均値を各参照画像毎に計算して、その平均値が最も高くなる参照画像を最適なプランROIを供する画像として決定する。ii)別の方法として、評価用ROI内の画素値の中の最大値を各参照画像毎に計算して、その最大値が最も高い参照画像を最適なプランROIを供する画像として決定する。iii)さらに別の方法として、評価用ROI内の画素値の標準偏差を各参照画像毎に計算して、その標準偏差が最も大きな参照画像を最適なプランROIを供する画像として決定する。
【0064】
この他に、1つの参照画像に評価用ROIを複数個設定する場合、各ROIの画素値平均を画像毎に平均した値が最大になる参照画像を最適プランROIを供する画像として決定したり、各ROIの画素値平均を画像毎に差分した値が最小になる参照画像を最適プランROIを供する画像として決定したり、さらには、それらの方法を組み合わせるため評価関数の結果値を基に最適プランROIを供する画像として決定するようにしてもよい。また、参照画像それぞれの評価用ROIに関する画素値を2次関数などで複数枚の参照画像全体に渡って近似し、最適な撮影断面(プランROI)の条件を補間により推定することもできる。
【0065】
このように自動的に最適な撮影断面(プランROI)の方向ベクトル条件が決まると、ホスト計算機6は次いで、その最適な方向ベクトル条件(位相エンコード方向など)を3次元本撮影時の撮影条件のデータ群に加えるためのコピーを行う(ステップS14)。これにより、それまで未決定であった撮影断面の方向ベクトル条件が埋まって、3次元本撮影のプラニングが完了する。
【0066】
この後、ホスト計算機6は、オペレータからの指示を待って、完了したプラニングにしたがった3次元本撮影を、例えば3次元FASE法のパルスシーケンスにてシーケンサ5に指令する(ステップS15,S16)。これにより、シーケンサ5からのシーケンス情報に応じて、例えば肝臓内門脈、門脈本管などが3次元スキャンされ、そのエコーデータが適宜な処理を経て表示される(ステップS17、S18)。このスキャン時にも、息止め法やECGゲート法を併用することが望ましい。
【0067】
この実施形態のイメージングにあっては、上述した2次元のEncode−prepスキャンによって、位相エンコード方向が例えば血管の走行方向に沿った方向に確実に、迅速に、かつ自動的に設定される。これにより、位相エンコード方向をそれ以外の方向に設定した場合に比べて、血管の走行方向(方向性)を欠落または落とさずに、より明瞭に撮影することができ、その描出能に優れている。この理由は以下の通りである。
【0068】
一般に、肺血管や肝臓の血管(門脈)に代表される血流はT2時間が若干短い(T2=100〜200ms)ことが知られている。このT2時間の短めの血流は、T2時間が長いCSFや関節液(T2>2000ms)に比べて、信号の半値幅が広がることが分かっている。このことは、例えば、文献「R. ToddConstable and John C. Gore, ″The loss of small objects in Variable TE imaging: Implications for FSE, RARE, and EPI″, Magnetic Resonance in Medi− cine 28, 9−24, 1992 」に示されている。同文献によると、T2時間の異なる物質に対する信号値の広がりは、図7に示すように、“point spread function "によって表される。同図のグラフは、静磁場=1.5T、TEeff =240ms、エコー間隔(ETS)=12msのときのもので、横軸が位相エンコード方向の画像上の画素数を表し、縦軸が任意単位の信号強度である。これによると、T2=2000msのCSFや関節液に比べて、T2=200msの血液(動脈)はその半値幅が広がっている。これは、T2=200msの血液(動脈)はCSFや関節液よりも、見掛け上、1画素当たりの位相エンコード方向の幅が伸びているのと等価であると言える。したがって、T2=200msの血液(動脈)は、CSFや関節液に比べて、画像全体が位相エンコード方向に余計にぼけることを示している。
【0069】
そこで、位相エンコード方向を血流方向に設定することで、T2時間が短い血液の位相エンコード方向の信号値のピクセル上の広がり(ぼけ)の度合いが、T2時間が長いものよりも大きいことを積極的に利用でき、血流方向が強調されるのである。
【0070】
したがって、肝臓内門脈や門脈本管を撮影するとき、血管の走行方向に沿って3次元本撮影の位相エンコード方向が自動設定されるから、血管の描出能が向上する。同時に、本撮影が3次元スキャンであるから、画像の空間分解能にも優れている。
【0071】
何にも増して重要な効果は、3次元スキャンの撮影時間が長いという不都合を改善したことにある。従来、3次元スキャンを1回の検査に対して複数回実行することは、日常の臨床の場では困難である。つまり、位相エンコード方向を変えて3次元スキャンを複数回実行し、各スキャンの3次元画像データを加算などにより合成し、位相エンコード方向の各設定方向に対する優れた描出能を享受することは時間的制約とデータ処理量の増加とにより非常に難しかった。したがって、従来では、T2時間が短めの組織や血流はその走行方向が位相エンコード方向と平行になるほど強調されるという性質を積極的に利用したイメージング法を3D撮影に容易に適用することはできないという現状があった。
【0072】
これに対して、本実施形態にあっては、撮影時間の速い(数秒〜数十秒)2次元準備スキャン(Encode−prepスキャン)を使って位相エンコード方向を予め最適方向に決め、撮影時間の掛かる3次元イメージングスキャンを1回だけで済ますようにした。このため、3次元撮影においても、全体の撮影時間をそれほど長期化させず、実際的な範囲に止めることができ、同時に、上述した位相エンコード方向に対する画素の強調効果を積極的に利用することができ、組織や血管の走行情報に対する描出能および分解能の優れたMR像を提供することができる。
【0073】
これに加えて、本実施形態の別の効果として、図5に示した如く、画面上の観察したい部位とアーチファクトの発生予想部位との位置関係を考慮してプランROIを設定できるので、画像上のアーチファクトが読影の妨げになるという事態も殆ど確実に排除される。この効果は、本撮影をEPI(Echo Planar Imaging)法に基づく3次元スキャンで行う場合にも享受することができる。このEPI法のパルスシーケンス情報は、ホスト計算機6からシーケンサ5に渡されて、シーケンサ5から各要素にEPI法に基づく指令が出される。
【0074】
なお、この実施形態のEncode−prepスキャンにおいて、折り返し防止用の事前飽和パルスの印加条件を、その事前飽和スライスがプランROIの回転により変わる撮影断面と常に同じ位置関係を保持するように変化させてもよい。
【0075】
また、上述した本撮影の3Dスキャンは必ずしも1回だけ行う場合に限られず、撮影時間などの撮影条件に余裕がある場合、本撮影の3Dスキャンを複数回実行し、それによって得られる複数組の3次元画像データを画素毎に合成(加算、加算平均)して、最終的な1組の3次元画像データを生成するように構成してもよい。
【0076】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施形態に係るMRI装置を、図8〜9を参照して説明する。なお、このMRI装置において、第1の実施形態におけるのと同一または同等の構成要素には同一符号を用い、その説明を省略または簡略化する。
【0077】
本実施形態のMRI装置のハード的構成は第1の実施形態と同一であるが、最適なプランROIを事前に決めるため、ホスト計算機6は図8に示す処理を行うようになっている。ただし、この処理は、参照画像の評価をオペレータの目視観察(手動操作)に任せていることを特徴とする。
【0078】
図8において、ステップS21〜S26の処理は前述した図3のステップS1〜S6の処理と同一であり、またステップS27〜S31の処理は図3のステップS8〜S12のそれと同一である。つまり、この図8の処理の場合、評価用ROIは格別設定しないようになっている。
【0079】
ステップS31の処理を実行することで、表示器12に複数枚の準備用参照画像R1,R2,…が表示されると、次いで、ホスト計算機6は、オペレータがその複数枚の参照画像を目視で評価し、その結果を指令してくるのを待つ。オペレータは、診断対象とする例えば血管の描出能が最も優れている参照画像を目視で評価し、選択した参照画像(つまり、最適な位相エンコード方向など)を入力器13を介して指定する。ホスト計算機6はその指定信号を読み込む(ステップS32,S33)。
【0080】
次いで、ホスト計算機6は、読み込んだ指定信号から、指定された参照画像の数が複数枚か1枚かを判断する(ステップS34)。つまり、オペレータが目視評価するものの、描出したい部位(血管の走行など)の構造が複雑な場合、血流速などに因って所望の参照画像(つまり、最適な位相エンコード方向など)を一意に決められない場合がある。そのようなときには、複数枚の所望の参照画像を指定できるようにしてある。
【0081】
このステップS34においてNO、すなわち手動で指定参照画像の枚数は1枚であると判断された場合、その参照画像のプランROI情報に対応する撮影断面の方向ベクトルを最適情報として求める(ステップS35)。次いで、ホスト計算機6は、ステップS36〜S40の処理を順次実行する。これらのステップは、図3で説明したステップS14〜S18と同じ処理内容に設定されている。これにより、第1の実施形態のときと同様に3次元の本撮影が1回行われ、3次元画像が得られる。
【0082】
一方、ステップS34でYES、すなわち手動にて複数枚の参照が画像が指定された場合、この指定された複数枚の参照画像それぞれのプランROI情報に対応する撮影断面の方向ベクトルを指定(特定)する(ステップS41)。次いで、この複数個の撮影方向ベクトルの情報を3次元本撮影の撮影条件に加えるためのコピーを行う(ステップS42)。
【0083】
次いで、ホスト計算機6は、3D本撮影を行うか否かをオペレータからの指令情報により判断し(ステップS43)、本撮影指令がなされたときには、複数の撮影方向ベクトル(位相エンコード方向など)それぞれに対して各別に3D本撮影の実施を指令する(ステップS44)。
【0084】
次いで、ホスト計算機6は、撮影した3次元画像データ同士の重ね合わせ(合成)処理に自動的に移行する(ステップS45〜S47)。
【0085】
最初に、指定された参照画像の中心位置座標を合わせ、かつ、MRIの絶対座標系に対する参照画像の方向が同じなるように位置合わせを行う(ステップS45)。
【0086】
次いで、オペレータからの指令情報に基づき、オペレータが望む重ね合わせ処理法を選択する(ステップS46)。ここでは、
(1)重ね合わせを行う参照画像が互いに重複する領域のみの画素値をMIP(最大強度投影)処理またはアベレージング処理する(図9(a)参照)、
(2)重ね合わせを行う参照画像相互間の重複度に応じてアベレージング処理を行う(図9(b)参照;同図において、2枚の参照画像が互いに重複している領域は2アベレージング処理を、その一方の参照画像の残りの領域は1アベレージング処理をそれぞれ行う)、
(3)重ね合わせを行う参照画像の指定した領域についてのみMIP処理を行う、
等の手法が予め用意されている。
【0087】
この重ね合わせ処理法の指定が終わると、引き続いて、ホスト計算機6は、その指定にしたがって重ね合わせ(合成)処理を画素毎に実施する(ステップS47)。
【0088】
このように重ね合わせにより作成された3次元画像データは適宜な態様で表示される(ステップS48)。
【0089】
このように、第2の実施形態は、Encode−prepスキャンの結果画像や撮影時間に余裕があるときに特に好適に実施でき、プランROI(位相エンコード方向など)を変えて3次元スキャンを複数回実行し、これにより収集される複数組の3次元画像データを合成して最終画像を得ることができる。
【0090】
つまり、観察したい部位が最も良く描出されている参照画像(興味ある参照画像)が複数枚在る場合、3次元本撮影に供する最適な撮影断面の方向ベクトル情報を事前に複数個、手動で選択することができる。そして、複数回の3次元本撮影およびその後の画像データ重ね合わせ処理によって、最終的に生成される3次元画像データには、それらの複数枚の興味ある参照画像による撮影方向ベクトルの情報を全て採り込むことができる。したがって、観察したい部位を確実に且つ良好に描出することができる。
【0091】
また、オペレータの勘や経験を生かした手動操作で撮影方向ベクトルを選択することができる。
【0092】
加えて、この第2の実施形態においては、オペレータが手動で指定できる参照画像を最初から1枚に限定する簡素化した処理の装置を提供することもできる。
【0093】
なお、本発明は必ずしも上述した実施形態に記載の構成に限定されるものではなく、当業者であれば、特許請求の範囲に記載の要旨を逸脱しない範囲で適宜、変更して実施することができ、それらの構成も本発明の範囲に属することは勿論である。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のMRI装置によれば、3次元の本撮影に最適な位相エンコード方向を予め、撮影時間の短い2次元スキャンによって撮影した複数枚の参照画像から決めているので、T2時間が短めの組織や血流はその走行方向が位相エンコード方向と平行になるほど強調されるという性質を積極的に利用したイメージング法を3D撮影に容易に適用することができ、組織や血管の走行方向の描出能が高く且つ分解能の高いMR画像を、短い撮影時間で提供することができる。
【0095】
また、本発明によれば、2次元の準備用スキャンにより位相エンコード方向を予め最適方向に決めているので、本撮影としての3Dスキャンは1回(又は、できるだけ少ない回数)行うだけでよく、これにより、撮影時間の長期化を抑えることができ、または、3Dスキャンを多数回繰り返す場合に比べて撮影時間を節約することができ、患者スループットの向上のみならず、患者の息止めの負担も軽減できるなどの利点がある。
【0096】
さらに、本発明によれば、画面上の観察したい部位にアーチファクトが発生し、読影の妨げになるという事態を確実に排除できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るMRI装置の構成の一例を示す機能ブロック図。
【図2】実施形態におけるEncode−prepスキャンとイメージングスキャンの時間的前後関係を説明する図。
【図3】第1の実施形態においてホスト計算機が実行する、最適な撮影断面の方向ベクトル情報の設定処理を含む処理手順を例示する概略フローチャート。
【図4】第1の実施形態におけるホスト計算機の処理毎の表示画面を説明する図。
【図5】アーチファクトの発生領域の診断への影響を説明する図。
【図6】2次元Encode−prepスキャンに係るパルスシーケンスの一例を示す概略図。
【図7】位相エンコード方向の信号値の広がりを説明する図。
【図8】第2の実施形態においてホスト計算機が実行する、最適な撮影断面の方向ベクトル情報の設定処理を含む処理手順を例示する概略フローチャート。
【図9】プランROIが互いに異なる複数の参照画像を重ね合わせる処理の一部を模式的に説明する図。
【符号の説明】
1 磁石
2 静磁場電源
3 傾斜磁場コイルユニット
4 傾斜磁場電源
5 シーケンサ
6 ホスト計算機
7 RFコイル
8T 送信器
8R 受信器
10 演算ユニット
11 記憶ユニット
12 表示器
13 入力器
16 音声発生器
17 ECGセンサ
18 ECGユニット
Claims (17)
- MR撮影用のプランROIを使って被検体の本撮影をプラニングするようにしたMRI装置において、前記プランROIの前記本撮影の対象となる撮影断面の方向ベクトル、サイズ、ROI中心の少なくともいずれかを変化させた前記被検体の複数の参照画像を準備する準備手段と、この複数の参照画像から前記プランROIの前記方向ベクトル、サイズ、ROI中心の少なくともいずれかの最適状態を決める最適プランROI決定手段とを備えることを特徴としたMRI装置。
- 請求項1に記載の発明において、前記プランROIは、MR撮影用の位相エンコード方向の情報を含むことを特徴としたMRI装置。
- 請求項1に記載の発明において、前記準備手段は、前記被検体の撮影領域を2次元準備用スキャンで撮像してプラン用断面の画像を得る手段を有することを特徴としたMRI装置。
- 請求項3に記載の発明において、前記準備手段は、前記プラン用断面の画像上で前記プランROIの中心位置を通る中心軸の周りに当該プランROIを所定角度ずつ複数回回転させる手段を有することを特徴としたMRI装置。
- 請求項1に記載の発明において、前記最適プランROI決定手段は、前記準備手段により準備された前記複数の参照画像を当該各参照画像に写り込んでいる被写体の方向および位置を揃えて表示する表示手段を含むことを特徴としたMRI装置。
- 請求項1に記載の発明において、前記最適プランROI決定手段は、前記準備手段により準備された前記複数の参照画像それぞれに設定された同一の評価用ROI内の画素値に基づき所定の評価演算を行う評価演算手段と、この評価演算手段の評価結果に基づき前記プランROIの最適状態を自動判別する判別手段とを有することを特徴としたMRI装置。
- 請求項6に記載の発明において、前記評価演算手段は、前記評価用ROI内の画素値の平均値または標準偏差を演算する手段であることを特徴としたMRI装置。
- 請求項1に記載の発明において、前記最適プランROI決定手段により前記プランROIの最適状態が決定されたときに、その最適状態を示す情報を自動的に前記本撮影の撮影条件として取り込む自動取り込み手段を備えたことを特徴とするMRI装置。
- 請求項1に記載の発明において、前記本撮影として前記設定または決定したプランROIに応じて3次元スキャンを実行するイメージングスキャン手段を備えたことを特徴とするMRI装置。
- 請求項9に記載の発明において、前記イメージングスキャンは、前記3次元スキャンを1回実行する手段であることを特徴とするMRI装置。
- 請求項9に記載の発明において、前記3次元スキャンは、高速SE法に基づくパルスシーケンス、又は高速SE法とハーフフーリエ法とを組み合わせた方法に基づくパルスシーケンスにしたがう3次元スキャンであることを特徴としたMRI装置。
- MR撮影用のプランROIを使って被検体の本撮影をプラニングし実行するようにしたMRI装置において、前記プランROIを変化させた複数の参照画像を準備する準備手段と、この準備手段により準備された前記複数の参照画像から複数の参照画像を任意に選択する選択手段と、この選択手段により選択された複数の参照画像それぞれのプランROIにしたがって前記本撮影としての3次元スキャンをプランROI毎に各別に実行するイメージングスキャン手段と、この複数回の3次元スキャンによって収集された複数組の3次元画像データを画素毎に重ね合わせて1組の3次元画像データを生成する重ね合わせ処理手段とを有することを特徴としたMRI装置。
- 請求項12に記載の発明において、前記準備手段は、前記被検体の撮影領域を2次元準備用スキャンで撮像してプラン用断面の画像を得る手段と、このプラン用断面の画像上で前記プランROIの中心位置を通る中心軸の周りに当該プランROIを所定角度ずつ複数回、回転させる手段を有することを特徴としたMRI装置。
- 請求項12記載の発明において、前記重ね合わせ処理手段は、前記選択された複数の参照画像が互いに重複する領域の画素値のみを相互に重ね合わせるように構成したことを特徴とするMRI装置。
- 請求項12記載の発明において、前記重ね合わせ処理手段は、前記選択された複数の参照画像が互いに重複する領域の重複画像枚数に応じて加算平均するように構成した特徴とするMRI装置。
- 請求項12記載の発明において、前記3次元スキャンは、高速SE法に基づくパルスシーケンス、高速SE法とハーフフーリエ法とを組み合わせた方法に基づくパルスシーケンス、又はEPI(エコープラナーイメージング)法に基づくパルスシーケンスにしたがう3次元スキャンであることを特徴としたMRI装置。
- 請求項12から16の何れか一項に記載の発明において、前記選択手段は、前記準備手段により準備された前記複数の参照画像から複数の参照画像を手動操作で任意に選択する構成を有することを特徴としたMRI装置。
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