JP4434386B2 - Mri装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴現象に基づいて被検体内部の画像を得るMRI(磁気共鳴イメージング)装置に係り、とくに、MRフルオロスコピーと呼ばれる、信号雑音比や空間分解能をある程度犠牲にしても時間分解能を重視する撮像法を実施可能なMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MRイメージングは、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをそのラーモア周波数の高周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するエコー信号などのMR信号から画像を再構成する撮像法である。このMRイメージングは、人体の解剖学的な断面図を非侵襲的に得る手法として極めて有効である。とくに、骨に覆われた脳などの中枢神経系の診断装置として広く活用されている。
【0003】
その一方で、このMRイメージングは、X線透視像などに比べて、時間分解能に劣るという問題を有していた。この問題を克服するための1つとして、MRフルオロスコピーと呼ばれる撮像法が提案されている(MRフルオロスコピーは、リアルタイム撮像、連続撮像などとも呼ばれることがある)。
【0004】
MRフルオロスコピーは、例えば米国特許第4,830,012号に示す如く、パルスシーケンスの条件変更と再構成をMRデータ収集から独立して非同期で実行することを特徴とし、これにより、k空間のデータ全体が更新されなくても、それまでの撮像対象の時間変化を反映した画像化が可能になっている。
【0005】
ただし、このMRフルオロスコピーでは、パルスシーケンスの条件変更などに因り信号が大きく変化したり、傾斜磁場の変更に因って渦電流が発生したり、さらには撮像断面の変更に因るT1緩和の定常状態が乱されると、画像上に大きなアーチファクトが発生し、これにより画像の連続性が劣化する。また、時間分解能を優先する反面、どうしても空間分解能を犠牲にせざるを得ない。一方、臨床的な有効性の高いT2強調イメージングは励起間隔を長く設定する必要があるので、このT2強調イメージングをMRフルオロスコピーと組み合わせて実施することが困難であった。
【0006】
そこで、この状況を打破すべく特開平7−255701号記載の撮像法が提案されている。この提案によれば、複数の撮影モードを有するMRI装置において、少なくとも、2つの撮影モード(撮影断面決定用の高速撮影モード(フルオロスコピーモードに相当)及び診断用の高画質撮影モード)間で、撮影モードを撮影条件の変更の有無に応じて切り換え可能にしている。具体的には、ユーザからの入力信号の途切れた状態を検出し、この検出時に、高速撮影モードに拠るフルオロスコピー画像と高画質撮影モードに拠る高空間分解能画像とを切り換えるものである。したがって、空間分解能の低いフルオロスコピー画像と診断用の高空間分解能画像とを併用することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平7−255701号記載の撮像法にあっては、フルオロスコピー画像から診断用の高空間分解能画像に切り換えるときに、ある時点から急激に、高空間分解能画像に代わってしまい、オペレータには言わば、別画像が提示されたかの如くの違和感を与えてしまう。つまり、オペレータからの入力の途切れ時に、フルオロスコピー画像で得た時間分解能の良さが一瞬にして失われ、高空間分解能画像に取って変わられてしまうことから、ユーザに与える違和感は無視できないものがあった。
【0008】
また、オペレータからの入力が一時的には途切れた場合であっても、オペレータは未だ撮像断面の位置決め等について考慮している最中のこともある。このような場合、フルオロスコピー画像でせっかく得ていた時間分解能の高い画像が瞬時に無くなることから、かかる高い時間分解能を活かしきれないまま位置決め作業が途切れてしまうので、位置決め等の作業効率が低下することもあるという事態を招いていた。
【0009】
さらに、この画像切換に因って、画像コントラストも変わってしまうという問題もあった。
【0010】
本発明は、このような従来技術が有する問題を改善するためになされたもので、フルオロスコピー画像を用いるときに、撮像パラメータの切換に因る画像アーチファクトを減らし、オペレータに与える画像切換時の違和感を排除し、且つ、位置決め等のフルオロスコピー画像を使用する作業の効率低下を防止することを、その目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るMRI装置は、MRフルオロスコピーを実施可能な装置であり、オペレータからの操作情報入力が途切れた状態若しくはその操作情報の変化の少ない状態(以下、これを「準定常状態」と呼ぶ)を判断、この準定常状態においては、現在のフルオロスコピーモードの撮像パラメータを別のフルオロスコピーモードのそれに向けて徐々に自動変更していく。同時に、このようにフルオロスコピーモードを切り換えるときの画像コントラストは殆ど同じに維持される。
【0012】
フルオロスコピーモードには、相対的に高時間分解能で且つ低空間分解能のフルオロスコピー画像を得る第1のフルオロスコピーモードと、相対的に高空間分解能又は高S/Nで且つ低時間分解能のフルオロスコピー画像を得る第2のフルオロスコピーモードとが含まれる。なお、このフルオロスコピーモードにおいて、時間分解能及び空間分解能を説明する「高、低」は、相対的大小関係を示すものであって、絶対的な値を意味するものではない。
【0013】
上記「準定常状態」が実現されたときには、例えば、撮像したい断面の位置決め等の作業が完了したと認識しても大方の場合、問題はないので、時間分解能はそれほど重要視しなくても済む。そこで、準定常状態になると、撮像の時間分解能を徐々に低下させ、それとは反対に、それまで若干犠牲になっていた空間分解能及びSN比(信号雑音比)を徐々に向上させることにしたものである。
【0014】
この結果、準定常状態が得られたときの撮像パラメータの急変は確実に回避されるので、画像アーチファクトの発生が最小限に止められる。同時に、撮像パラメータが徐々に変更されつつ、現在のフルオロスコピーモードの画像(例えば高時間分解能画像)から別のフルオロスコピーモードの画像(例えば高空間分解能画像)へと画像状態が徐々に切り換えられ、その切換途中では、時間分解能と空間分解能とが適宜にバランスしつつ且つそのバランス割合が経時的に変化して、目的とする別のフルオロスコピーモードの画像に到達することから、この切換画像に対して、別画像を提示されているといった違和感をオペレータが抱くという事態も確実に排除される。
【0015】
また、フルオロスコピー画像を使用した位置決め等の作業の効率低下を防止することができる。つまり、準定常状態が判断されて、現在撮像中である、第1のフルオロスコピーモードによる高時間分解能のフルオロスコピー画像から第2のフルオロスコピーモードによる高空間分解能のフルオロスコピー画像に自動的に切り換えられるときに、高時間分解能画像は暫くの間、徐々にその成分は薄らいでいくものの、残るので、その切換最中も高時間分解能な特質を有効に活用して位置決め等のために画像観察を行うことができる。
【0016】
その一方で、撮像状況に応じて、それまで若干犠牲にされていたSN比及び空間分解能が徐々に改善されるので、その改善途中で得られる画像情報も診断情報として活用できる。
【0017】
これにより、MRI装置の潜在的な性能を大幅に引き出すことができる。したがって、パルスシーケンスを切り替えることなく、例えば、ほぼ連続的に空間分解能を向上させ、MRI装置の臨床的な有効性を一層高めるものとなる。
【0018】
本発明のMRI装置では、第1のフルオロスコピーモードから第2のフルオロスコピーモードへの移行及びその逆の移行のみならず、第2のフルオロスコピーモードから、それらのモードとは異なる画像コントラストや空間分解能を持った別の臨床目的の撮像モード(例えば造影剤を用いた撮像のモード)に移行することもある。
【0019】
本発明の具体的な構成は以下のように提供される。
【0020】
本発明のMRI装置は、静磁場中に置かれた被検体に高周波磁場パルス及び傾斜磁場パルスをパルスシーケンスに沿って印加して当該被検体内で発生するMRデータを収集する収集手段と、この収集データを画像に再構成する再構成手段と、前記データ収集及び前記再構成を相互に非同期で行ってMRフルオロスコピー画像を得るためのフルオロスコピーモードを含む撮像モードに拠り前記収集手段及び再構成手段の動作を制御する撮像制御手段とを備え、前記画像のパラメータをオペレータが変更可能な装置であり、前記オペレータの操作状態が準定常状態であるか否かを判断する判断手段と、この判断手段の判断結果に応じて前記フルオロスコピーモードの撮像パラメータを徐々に変更するパラメータ変更手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
例えば、前記判断手段は、前記画像の少なくとも一部の領域中の信号量の変化に基づき前記準定常状態か否かを判断する手段である。
【0022】
また例えば、前記フルオロスコピーモードは、相対的に高時間分解能で且つ低空間分解能のフルオロスコピー画像を得る第1のフルオロスコピーモードと、相対的に高空間分解能又は高S/Nで且つ低時間分解能のフルオロスコピー画像を得る第2のフルオロスコピーモードとを含む。
【0023】
この場合、前記パラメータ変更手段は、前記判断手段により前記準定常状態であると判断されたとき、前記第1のフルオロスコピーモードで得られる画像コントラストを保持した状態で当該第1のフルオロスコピーモードの撮像パラメータを徐々に変更して前記第2のフルオロスコピーモードの状態を創生する手段であってもよい。また、前記パラメータ変更手段は、前記判断手段により前記準定常状態ではないと判断されたとき、前記第2のフルオロスコピーモードで得られる画像コントラストを保持した状態で当該第2のフルオロスコピーモードの撮像パラメータを前記第1のフルオロスコピーモードに向けて徐々に変更する手段であってもよい。さらに、前記パラメータ変更手段は、前記判断手段により前記準定常状態ではないと判断されたとき、少なくとも画像コントラスト及び空間分解能が前記第1、第2のフルオロスコピーモードとは異なる別の臨床目的の撮像モードに前記第2のフルオロスコピーモードの撮像パラメータを変更する手段であってもよい。
【0024】
さらに、好適には、前記オペレータが前記第1及び第2のフルオロスコピーモードにおける複数種の異なる画像パラメータを入力する入力手段を備えることができる。
【0025】
また、前記パラメータ変更手段により前記第1のフルオロスコピーモードの撮像パラメータが徐々に変更されて前記第2のフルオロスコピーモードが創生される場合、前記収集手段は、前記第1のフルオロスコピーモードにおけるデータ収集パターンの少なくとも1/2以上の割合を含んだパターンで前記エコーデータをk空間に配置するデータ配置手段を有していてもよい。
【0026】
また好適には、前記準定常状態への移行又はこの準定常状態からの脱出を判断するための信号変化の判断基準を前記判断手段に与える判断基準付与手段を備えることである。例えば、前記判断基準付与手段は、前記信号変化の判断基準として前記画像全体又は指定された関心領域における信号量の時間変化の単位時間当たりの積分量又は微分値を演算する演算手段を備える。
【0027】
さらに、前記収集手段は、前記パルスシーケンスとして1回のRF励起により複数のエコー信号を生成するパルスシーケンスを用いてデータ収集を行って、これら複数のエコー信号をk空間上の分担領域に夫々配置する手段であって、前記第1のフルオロスコピーモードでの前記データ収集をシングルショット撮像で行うとともに、前記第2のフルオロスコピーモードでの前記データ収集をマルチショット撮像で行う撮像手段を含んでいてもよい。
【0028】
さらに、前記収集手段は、前記パルスシーケンスとして1回のRF励起により複数のエコー信号を生成するパルスシーケンスを用いてデータ収集を行って、これら複数のエコー信号をk空間上の分担領域に夫々配置する手段であって、前記第1のフルオロスコピーモードでの前記データ収集を一定の位相エンコード方向のシングルショット撮像で行うとともに、前記第2のフルオロスコピーモードでの前記データ収集を複数の位相エンコード方向のシングルショット撮像で行う撮像手段を含んでいてもよい。
【0029】
さらに例えば、前記パルスシーケンスは、2次元スキャンに拠るFE(グラジェントエコー)法、FFE(高速FE)法、SE(スピンエコー)法、FSE(高速SE)法、FASE(高速Asymmetric SE)法、EPI(エコープラナーイメージング)法を含むシーケンスの中の一つである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る1つの実施の形態を、図1〜図5参照して説明する。
【0031】
この実施形態に係るMRI(磁気共鳴イメージング)装置の概略構成を図1
に示す。
【0032】
このMRI装置は、被検体としての患者Pを載せる寝台部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、高周波信号を送受信する送受信部と、システム全体のコントロール及び画像再構成を担う制御・演算部と、被検体Pの心時相を表す信号としてのECG信号を計測する心電計測部と、患者Pに息止めを指令するための息止め指令部とを備えている。
【0033】
静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場H0 を発生させる。この磁石部にはシムコイル14が設けられている。このシムコイル14には、後述するホスト計算機の制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のための電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
【0034】
傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイルユニット3は、互いに直交するX、Y及びZ軸方向の傾斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコイル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はまた、x,y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケンサ5の制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
【0035】
傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、物理軸である3軸X,Y,Z方向の傾斜磁場を合成して、互いに直交するスライス方向傾斜磁場GS、位相エンコード方向傾斜磁場GE、および読出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場GRの各論理軸方向を任意に設定・変更することができる。スライス方向、位相エンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は、静磁場H0に重畳される。
【0036】
送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。この送信器8T及び受信器8Rは、後述するシーケンサ5の制御のもとで動作する。送信器8Tは、核磁気共鳴(NMR)を起こさせるためのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に供給する。受信器8Rは、RFコイル7が受信したエコー信号などのMR信号(高周波信号)を取り込み、これに前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリングなどの各種の信号処理を施した後、A/D変換してMR信号に応じたデジタル量のエコーデータ(原データ)を生成する。
【0037】
さらに、制御・演算部は、シーケンサ(シーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器12、入力器13、および音声発生器16を備える。
【0038】
この内、ホスト計算機6は、記憶したソフトウエア手順により、装置全体の動作を統括する一方、シーケンサ5にパルスシーケンス情報を指令してスキャンを実行させ、且つ演算ユニット10に画像再構成のためのタイミングなどの必要情報を指令する。これにより、パルスシーケンスの条件変更と画像再構成のタイミングがデータ収集から独立した非同期撮像であるMRフルオロスコピーと、それらを同期させた通常撮像とを、選択的に実行できるようになっている。
【0039】
パルスシーケンスとしては、2次元スキャンに拠る、FE(グラジェントエコー)法、FFE(高速FE)法、SE(スピンエコー)法、FSE(高速SE)法、FASE(高速Asymmetric SE:すなわち、高速SE法にハーフフーリエ法を組み合わせたイメージング法))法、EPI(エコープラナーイメージング)法などに拠るパルス列が用いられる。
【0040】
シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシーケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電源4、送信器8T、受信器8Rの動作を制御するとともに、受信器8Rが出力したMR信号のエコーデータ(デジタル量)を一旦入力し、これを演算ユニット10に転送するように構成されている。ここで、パルスシーケンス情報とは、一連のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信器8Tおよび受信器8Rを動作させるために必要な全ての情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関する情報を含む。
【0041】
また、演算ユニット10は、受信器8Rが出力したエコーデータ(原データ又は生データとも呼ばれる)を、シーケンサ5を通して入力し、その内部メモリ上の2次元のk空間(フーリエ空間または周波数空間とも呼ばれる)にエコーデータを配置し、このエコーデータをその各組毎に2次元フーリエ変換に付して実空間の画像データに再構成する。演算ユニット10はまた、必要に応じて、画像に関するデータの合成処理、差分演算処理などを行うことができる。
【0042】
記憶ユニット11は、再構成された画像データのみならず、上述の合成処理や差分処理が施された画像データを保管することができる。
【0043】
表示器12は、MRフルオロスコピーのみならず通常の撮像において再構成された画像を表示する。また入力器13を介して、オペレータが希望する撮像条件(撮像パラメータ)、パルスシーケンス、画像合成や差分演算に関する情報をホスト計算機6に入力できる。このため、入力器13及び表示器12によりユーザーインタフェースUIが形成されている。
【0044】
とくに、本実施形態において、このユーザーインタフェースUIに与えられた機能は、MRフルオロスコピーに対する撮像パラメータ、すなわち繰返し時間TR、エコー時間TE、フリップ角、FOV(視野領域)、撮像部位などの情報を入力する機能、フルオロスコピー動画上にROI(関心領域)を設定し、これを画面上で自在に移動させる機能、逐次加算処理を行うための加算回数入力の機能、高時間分解能である第1のフルオロスコピーモードにおける空間分解能(FOV及びマトリクス)を指定する機能、及び準定常状態での空間分解能(FOV及びマトリクス)を指定する機能が含まれる。
【0045】
また、本実施形態において、撮像パラメータを詳細に指定する機能がユーザーインタフェースUIに与えられている。この指定機能には、準定常状態におけるSN比/空間分解能の優先選択、準定常状態への移行を判断するためのオペレータ入力信号に対する判断条件、準定常状態からの脱出を判断するためのオペレータ入力信号に対する判断条件、かかる判断条件の指定法(信号変化の微分、2次微分、又は指定時間での積分)、複雑な撮像条件を設定するときのデフォルト設定、すなわち上記詳細な指定パラメータをデフォルト条件に戻すための指定、及び、準定常状態から脱出するときの脱出先の撮像法の選択(復帰を指定したとき、準定常状態に移行する前に指定していた、ユーザ指定の撮影キューの先頭を使用するか、フルオロスコピー撮像に戻るかの選択)が含まれる。
【0046】
一方、本実施形態では、息止め法のスキャンが必要なときの息止め指令部の一要素として音声発生器16を備える。この音声発生器16は、ホスト計算機6から指令があったときに、息止め開始および息止め終了のメッセージを音声として発することができる。
【0047】
さらに、心電計測部は、被検体の体表に付着させてECG信号を電気信号として検出するECGセンサ17と、このセンサ信号にデジタル化処理を含む各種の処理を施してホスト計算機6およびシーケンサ5に出力するECGユニット18とを備える。この心電計測部による計測信号は、心電同期法によるスキャンを実行するときにシーケンサ5又はホスト計算機6により用いられる。これにより、心電同期法に拠る同期タイミングを適切に設定できる。
【0048】
次に、図2〜5を参照して、本実施形態のMRI装置による撮像動作を説明する。
【0049】
ホスト計算機6は、所定のメインプログラム(図示せず)を実行するに伴って、その過程において必要なタイミングで呼び出した図2〜3に示す処理を実行する。
【0050】
図2は、ホスト計算機6が微小な一定時間毎に実行するタイマ割込みルーチンを示し、準定常状態か否かを判断する。「準定常状態」とは、本実施形態では、オペレータからの入力が途切れた又はこれに近い操作状態であって、撮像位置や撮像パラメータ等が変化又は殆ど変化せず、同一スライスをスキャンしている状態を言う。この準定常状態にあっては、通常、時間分解能はそれほど要求されない。従来の場合、この準定常状態においても、SN比や空間分解能は何ら変わらず、比較的低い状態に留め置かれていた。後述するが、本実施形態のフルオロスコピー撮像によれば、この準定常状態になると、時間分解能を相当程度維持しながらも、SN比や空間分解能も重視して徐々に上げるようにする。
【0051】
ホスト計算機6は、一定タイミング毎に図2に処理ルーチンに入ると、最初に、準定常状態の判断開始が指令されているか否かを操作情報に基づき判断する(ステップS1)。この判断でNOの場合は、そのままメインプログラムに戻る。しかし、YESの場合は、ステップS2に移行する。このステップでは、オペレータが画面上に指定したROI内又は画像全体の信号量が時間積分され、この積分値が微分されてその時間変化量を求められ、この時間変化量が所定のしきい値に参照されて(例えば、時間変化量がしきい値以下のとき)、準定常状態であると判断される。すなわち、オペレータが入力器13を介して操作するときの入力信号に基づき、準定常状態か否かが判断される(ステップS2,S3)。
【0052】
この判断がNO、すなわち準定常状態とは見なすことができず、未だオペレータが盛んに操作をしている場合、フラグF=0を維持して、時間分解能を重視した(高時間分解能且つ低空間分解能)第1のフルオロスコピーモードを指令する(ステップS4)。反対に、オペレータ入力が途切れ又はほぼ途切れており、準定常状態であると見なすことができる操作状態の場合、YESの判断となって、フラグF=1にセットし、時間分解能を若干下げてもSN比や空間分解能を少しずつ良くする(低時間分解能且つ高空間分解能)第2のフルオロスコピーモードを指令する(ステップS5)。
【0053】
なお、このステップS2,S3における準定常状態の判断は、信号量の時間積分値の微分値(1次部分:速度項)で行う場合に限らず、その2次微分値(加速度項)、積分値そのもの、又は固定値を用いて行ってもよい。また、これらの演算値を弁別するしきい値必ずしも1個である必要は無く、第1及び第2のフルオロスコピーモード夫々に対して別々の値を設定してもよい。例えば、第1のフルオロスコピーモードの状態において信号量の時間積分値の微分値が所定のしきい値d1以下になったときに第2にフルオロスコピーモードであると認識する一方、第2のフルオロスコピーモードの状態において信号量の時間積分値の微分値が所定のしきい値d2(>d1)以上になったときに第2にフルオロスコピーモードであると認識する。かかる微分値がしきい値d1、d2の間の値であるときは、それまでのモードを維持させる。
【0054】
以上のステップS1〜S5の処理は一定時間毎に常時繰り返されているので、その時点の操作状態を反映した第1又は第2のフルオロスコピーモードが自動的に更新設定される。
【0055】
図3及び4は、ホスト計算機6が実行する、MRフルオロスコピーによる撮像処理を示す。
【0056】
この撮像処理に入ると、ホスト計算機6は入力器13からの操作情報に基づき、第1のフルオロスコピーモード(高時間分解能モード)の撮像条件(パルスシーケンス、繰返し時間TR、フリップ角FAなど)を設定し(ステップS11)、次いで、第2のフルオロスコピーモード(高空間分解能モード)の撮像条件(パルスシーケンス、繰返し時間TR、フリップ角FAなど)を設定する(ステップS12)。なお、この第2のフルオロスコピーモードになると、時間が経過するにつれてSN比や空間分解能が徐々に(連続的に)上げられるので、ステップS12の設定処理では、そのSN比及び/又は空間分解能の最大値を呈するパラメータを含む撮像条件が設定される。
【0057】
次いで、ホスト計算機6は入力器13からの操作情報に基づき、例えばMR造影剤を患者に投与して行うスキャンに好適な3次元高分解能高コントラスト撮像の撮像条件を同様に設定する(ステップS13)。そして、この3次元高分解能高コントラスト撮像のプリスキャンを実行して、これにより得た画像を記憶ユニット11に格納しておく(ステップS14)。なお、このステップS13及びS14の処理は省略することもできる。
【0058】
次いで、ホスト計算機6は、シーケンサ5に第1、第2のフルオロスコピーモードのプリスキャンを夫々、同一コントラストで実行させ、このスキャン結果からその両方のフルオロスコピーモードの撮像条件(TR、FAなど)を最適化させる(ステップS15,S16)。
【0059】
この後、第2のフルオロスコピーモード下で実行する収集パターンの変更態様をSN比及び空間分解能について設定する(ステップS17)。以下、これを詳細に説明する。
【0060】
(1) 加算平均処理は経時的に旧いデータを捨てて逐次加算平均を演算する処理である。ここでは、第2のフルオロスコピーモードにおいて徐々に増加させる加算平均の加算回数又は新しいデータほど重み付けを高くする重み付け係数が設定される(ステップS17α)。
【0061】
例えば、加算回数は最大8回とし、その最大回数まで画像再構成毎に徐々に上げられる。
【0062】
また、加算時にSN比を極大にする重み付けとして、
【数1】
128マトリクス:256マトリクス=2:1
にする重み付け加算が可能である。これは、簡単には、128マトリクスに対するノイズをδ、256マトリクスに対するノイズをζとし、それぞれの重み付けをα、1−αとすると、加算画像のノイズは、
【数2】
と例示できる。
【0063】
(2) また、オペレータが指定(又は自動的に演算した)空間分解能を満たすまで、時間が経過するにつれて徐々に(又はほぼ連続的に)、与えられたパルスシーケンスの必要なパラメータを変更するパターンが設定される(ステップS17β)。この変更速度は、CPMG(Carr−Purcell−Meiboom−Gill)、SSFP(Seady State Free Precession)、渦電流定常性などを満たす速度である。
【0064】
(2.1) このパラメータとして、読出し傾斜磁場の強度がある。この磁場強度はデータ収集時間には直接的に影響しないため、画像のSN比が既に十分確保されているときには、必ずしも、読出し傾斜磁場強度を逓増させる必要はない。反対に、SN比を幾分とも向上させんがために、読出し傾斜磁場強度を小さくすることはあり得る。
【0065】
読出し傾斜磁場強度を徐々に変更するパターンは以下のように例示できる。例えば空間分解能が2倍まで上がる128から256まで読出し傾斜磁場強度を変更する場合、
【数3】
と逓増させる。この磁場強度の逓増の割合は、128=100%として、+12.5%、+25%、+50%、+75%、+100%となる。
【0066】
また、この読出し傾斜磁場強度を
【数4】
のパターンで逓増させてもよい。このときの逓増割合は、128=100%として、+6.25%、+12.5%、+18.75%、+25%、+34.4%、+50%、+75%、+100%となる。
【0067】
このように読出し傾斜磁場の強度を徐々に変化させることで、渦電流などに起因した画像アーチファクトの発生を最小限に止めることができる。
【0068】
(2.2) さらに、上記パラメータとして、位相エンコード方向又はスライスエンコード方向の空間分解能を向上させるデータ収集パターンがある。
【0069】
これについては、位相エンコード方向又はスライスエンコードのステップ毎に信号の状態がリセットされるFE法、FFE法、SE法などのパルスシーケンスと、1回のRF励起に対して複数のエコー信号を収拾できるFSE法、マルチショットEPI法などのマルチショット系の高速スキャンとでは区別して扱う。
【0070】
(2.2.1) SE法などのパルスシーケンスに拠るスキャンの場合、位相エンコード方向には基本的に等質のデータ収集が行われる。この場合、位相エンコード方向のデータ収集順は、k空間の中心からその両サイドに対称に徐々に増やしていくデータ収集パターンを採る。FOVを変化させないため、ステップは固定で、ステップ数を位相エンコード方向両外側に増やしていく。
【0071】
例えば、最低空間分解能を128ステップに、最高空間分解能を256ステップに設定されている場合、位相エンコードステップに関するデータ収集パターンは、図4のようになる。このときの再構成の位相エンコード方向マトリクスサイズは、
【数5】
の順に時間とともに逓増していく。これにより、k空間の位相エンコード方向の中心に位置する128ステップのエンコードデータは時間頻度が高い状態で収集される。したがって、信号量の全体的な変化を逐次反映した画像となる。
【0072】
(2.2.2) FSE法などに拠るスキャンの場合、k空間上でのデータ収集順が櫛状になるため、位相エンコード方向収集順として、SE法などに適用する収集パターンは使用できない。このため、位相エンコード方向の空間分解能を向上させるには、シングルショットスキャンの高速性を用いる。つまり、高速モード、すなわち第1のフルオロスコピーモードにあっては、FSE法、EPI法などのパルスシーケンスをシングルショットで動作させる。
【0073】
一方、FSE法やEPI法に拠るシングルショット撮像の場合、位相エンコードの画像アーチファクトや空間分解能などに問題がある。例えばFSE法の場合、マトリクスサイズによっては1回のRF励起に対するデータ収集時間が極めて長くなるため、CSFなどの水信号を除き、位相エンコード方向の画像分解能の低下を無視できない。つまり、準定常状態、すなわち第2のフルオロスコピーモードにおいて空間分解能を向上させるには実効性がない。そこで、第2のフルオロスコピーモードでは、同一の実効TE時間のパルスシーケンスを用い、ショット数を2,4,8,…と増加させ、データ収集時間を短縮させて空間分解能を徐々に上げる。
【0074】
EPI法の場合も同様に、シングルショットスキャンにおけるデータ収集時間が延長されると、磁場不均一性の影響に因る画像歪みが観測される。このため、ショット数を増やす。これにより、1回の励起パルスに対するデータ収集時間が短縮され、画像歪みが低減される。
【0075】
一方、ショット間の時間差が大きくなると、血流や動きに因る影響も大きくなる。この点ではシングルショットスキャンが優れているため、例えばSPEED(Swap Phase Encoding Extended Data:例えば特願平10−144883号(特開平11−047115号)参照)法の如く、位相エンコード方向を順次変化させながら複数回収集したシングルショットでスキャンし、それらの再構成画像(原データではない)を互いに加算することで、画像全体の画質を向上させることができる。
【0076】
(2.3) このようにステップS17で実行される各種収集パターンの変更の優先順位は、デフォルト設定又はオペレータからの選択により指定できる。例えば、図5に示す如く、最初にSN比を向上させるため、例えば8回を限度とした加算平均処理を行い、次いで、その加算平均されたデータをk空間の位相エンコード方向中心部に配置するとともに、これを含むより高空間分解能のデータを前述の如く収集配置する手法(A)と、最初に空間分解能を向上させるべく前述した手法を用いて複数回スキャンし、その次に加算平均を採ってSN比を上げる手法(B)と、本来的には位相エンコード方向の回転であるSPEED法を適用した手法(C)の中から、アプリケーションにより、撮像対象や造影剤の種類に依存する適切な収集パターンの変更態様を選択できるようになっている。
【0077】
なお、加算平均処理の加算回数、空間分解能に関わる収集パターンの変更態様などの情報は、ユーザ入力のプリセット値としてグループで格納し、用途に応じて直ちに呼び出せるようにしておいてもよい。
【0078】
図3に戻って、ホスト計算機6は、このようにステップS17にて、第2のフルオロスコピーモードにおける収集パターンの変更態様を設定した後、表示態様を設定する(ステップS18)。ここでの画像の表示法には、FOVが一定の画像、つまりスタートから例えば512×512のマトリクスサイズをデータ補間により維持して同一サイズの画像として表示する手法と、スタートから空間分解能を一定に保ち、画像サイズそのものを時間経過と伴に徐々に大きくして表示する手法とが用意されており、切換可能になっている。前者の表示法により、例えばGIF(Graphic Interchange Format)画像がデータの読み込み量に応じてその分解能が徐々に向上する状態を表示でき、また、後者の表示法により画像をズームアップできる。
【0079】
このように準備ができると、ホスト計算機6は、シーケンサ5に第1のフルオロスコピーモード(高時間分解能モード)を指令する(ステップS19)。これにより、従来と同様に、空間分解能よりも時間分解能を重視した高速スキャンが実行され、ほぼリアルタイムにフルオロスコピー画像が得られる。このため、オペレータは、表示器12に表示されるフルオロスコピー画像を見ながら、撮像断面の位置を決めたり、その画像を観察することができる。オペレータがインターラプティブに撮像断面を変えると、その変えた断面位置のフルオロスコピー画像がほぼリアルタイムに収集・表示される。
【0080】
ホスト計算機6は、かかる第1のフルオロスコピーモードを指令した後、前述した図2に処理により別途判断されているフラグFの値を読み込み、F=1か否か、すなわち準定常状態か否かを判断する(ステップS20)。この判断でNO(準定常状態ではない)が続く限り、第1のフルオロスコピーモードが維持される。したがって、オペレータが上述したリアルタイムでインターラプティブな撮像断面の位置決め及びその画像表示の作業に従事している場合、第1のフルオロスコピーモードが継続される。
【0081】
しかし、オペレータが操作を完了若しくは中断させる、又は、殆ど途切れ途切れとなる操作を行うと、ステップS20でYES、すなわち準定常状態であると判断される。この場合、第2のフルオロスコピーモードが指令され、前述したステップS17、S18で設定した高空間分解能及び/又はSN比のフルオロスコピー画像が収集される(ステップS21)。この準定常状態では、前述したように、時間分解能を若干犠牲にしても良く、その分、空間分解能及び/又はSN比を重視してもよい状態である。
【0082】
そこで、この第2のフルオロスコピーモードの指令により得られるフルオスコピー画像の時間分解能は少しずつ低下し(しかし、各時刻で変化するが、相当程度の時間分解能を維持する)、且つ、その分、空間分解能及び/又はSN比は徐々に上がっていく。最終的には、撮像パラメータの指定値で決まる空間分解能及び/又はSN比まで徐々に上がる。
【0083】
これにより、オペレータが入力を中断(完了)又は殆どしない状態になると、フルオロスコピー画像の画質は自動的に徐々に改善される。つまり、フルオロスコピー画像の時間分解能をある程度維持しつつ、且つ高画質になる。このため、時間分解能の維持に起因する精細な動きなどの機能情報、及び、高画質に起因する豊富な形態情報を共に提供でき、従来の単一モードのMRフルオロスコピーに比べて、著しく診断情報を増やすことができ、臨床的有用性も高められるとともに、装置のフルオロスコピーの高機能化を図ることができる。
【0084】
また、準定常状態、すなわち第2のフルオロスコピーモードが指令されると、そのフルオロスコピー画像の空間分解能及び/又はSN比は時間と伴に徐々に改善されていくので、急に画質の異なる画像を見せられるのとは異なり、オペレータが違和感を抱くことも殆ど無い。
【0085】
オペレータがそのまま操作をしない又は殆どしない場合、後述のステップS22の処理によって、かかる第2のフルオロスコピーモード下でのフルオロスコピーは継続される。このとき、画質の改善度は、時間分解能と空間分解能などとの均衡がはかられた一定限度で自動的に止められる。
【0086】
しかし、例えば、オペレータが造影剤を投与して3次元高分解能高コントラストモードの撮像を行うとすると、オペレータ入力は再び頻繁になる。したがって、ステップS22におけるフラグF=0か否かの判断でYES、すなわち準定常状態では無いと判断される。
【0087】
この場合には、操作情報などから造影剤投与に伴う信号変化を観測するか否かを判断し(ステップS23)、観測する場合、既に記憶している3D画像が在るか否かを判断する(ステップS24)。いまの場合、前述したステップS14に係るプリスキャンの3D画像が在るので、この記憶画像に基づいた位置などで造影剤投与に伴う信号変化を見る撮像を行なう(ステップS25)。
【0088】
一方、この信号変化を観測しない場合(ステップS23、S24で夫々NOのとき)、前述と同様に第1のフルオロスコピーモードが指令される(ステップS26)。この第1のフルオロスコピーモードに拠る高時間分解能な撮像に戻る場合もやはり、現在の画像データの所定割合(例えば1/8程度)を次フレームの画像に使用する。これにより、復帰時にも、画像表示の連続性が維持される。
【0089】
このように得られる時間分解能及び空間分解能、SN比共に良好なMRフルオロスコピー画像を使って、1)心臓、膵臓などの個人差の在る複雑な形状を有する臓器に対し、断面設定の追従性を活かしたインターラプティブな断面設定、2)胃などの蠕動運動、嚥下、関節の屈伸などの動態観察、及び3)造影剤などの流入状態を監視し、所定条件を満たす場合に開始させる高時間分解能撮像を実施することができる。とくに、3)項の使用法は、動脈相での造影剤の浸潤速度が10秒程度と短いことと相俟って、造影剤が高価であること、及び、造影剤の人体への副作用を最小限に止めるという観点から重要である。このため、本実施形態においても、かかる撮像開始タイミングが極めて精度良く設定される。
【0090】
なお、本発明は上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に要旨に基づき、さらに種々の形態に変形可能なことは勿論である。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のMRI装置によれば、操作パラメータの入力変化により撮像パラメータが徐々に変更されるので、MRフルオロスコピーにおける時間分解能を殆ど犠牲にせずに、空間分解能及びSN比を向上させたMRフルオロスコピー像を得ることができ、装置の性能を大幅にアップさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るMRI装置の構成の一例を示す概略ブロック図。
【図2】ホスト計算機によって実行される、準定常状態を判断するための処理ルーチンの一例を示す概略フローチャート。
【図3】ホスト計算機によって実行される、MRフルオロスコピーのための処理ルーチンの一例を示す概略フローチャート。
【図4】位相エンコード方向の空間分解能を徐々に上げていくデータ収集パターンを説明する模式図。
【図5】デフォルト設定又はユーザ指定による空間分解能及びSN比のアップのための優先処理の選択枝を説明する図。
【符号の説明】
1 磁石
2 静磁場電源
3 傾斜磁場コイルユニット
4 傾斜磁場電源
5 シーケンサ
6 ホスト計算機
7 RFコイル
8T 送信器
8R 受信器
10 演算ユニット
11 記憶ユニット
12 表示器
13 入力器
UI ユーザーインタフェース
Claims (13)
- 静磁場中に置かれた被検体に高周波磁場パルス及び傾斜磁場パルスをパルスシーケンスに沿って印加して当該被検体内で発生するMRデータを収集する収集手段と、この収集データを画像に再構成する再構成手段と、前記データ収集及び前記再構成を相互に非同期で行ってMRフルオロスコピー画像を得るためのフルオロスコピーモードを含む撮像モードに拠り前記収集手段及び再構成手段の動作を制御する撮像制御手段とを備え、前記画像のパラメータをオペレータが変更可能なMRI装置において、
前記オペレータの操作状態が準定常状態であるか否かを判断する判断手段と、この判断手段の判断結果に応じて前記フルオロスコピーモードの撮像パラメータを徐々に変更するパラメータ変更手段とを備えたことを特徴とするMRI装置。 - 請求項1記載のMRI装置において、
前記判断手段は、前記画像の少なくとも一部の領域中の信号量の変化に基づき前記準定常状態か否かを判断する手段であるMRI装置。 - 請求項1記載のMRI装置において、
前記フルオロスコピーモードは、相対的に高時間分解能で且つ低空間分解能のフルオロスコピー画像を得る第1のフルオロスコピーモードと、相対的に高空間分解能又は高S/Nで且つ低時間分解能のフルオロスコピー画像を得る第2のフルオロスコピーモードとを含むMRI装置。 - 請求項3記載のMRI装置において、
前記パラメータ変更手段は、前記判断手段により前記準定常状態であると判断されたとき、前記第1のフルオロスコピーモードで得られる画像コントラストを保持した状態で当該第1のフルオロスコピーモードの撮像パラメータを徐々に変更して前記第2のフルオロスコピーモードの状態を創生する手段であるMRI装置。 - 請求項3記載のMRI装置において、
前記パラメータ変更手段は、前記判断手段により前記準定常状態ではないと判断されたとき、前記第2のフルオロスコピーモードで得られる画像コントラストを保持した状態で当該第2のフルオロスコピーモードの撮像パラメータを前記第1のフルオロスコピーモードに向けて徐々に変更する手段であるMRI装置。 - 請求項3記載のMRI装置において、
前記パラメータ変更手段は、前記判断手段により前記準定常状態ではないと判断されたとき、少なくとも画像コントラスト及び空間分解能が前記第1、第2のフルオロスコピーモードとは異なる別の臨床目的の撮像モードに前記第2のフルオロスコピーモードの撮像パラメータを変更する手段であるMRI装置。 - 請求項3記載のMRI装置において、
前記オペレータが前記第1及び第2のフルオロスコピーモードにおける複数種の異なる画像パラメータを入力する入力手段を備えるMRI装置。 - 請求項4記載のMRI装置において、
前記パラメータ変更手段により前記第1のフルオロスコピーモードの撮像パラメータが徐々に変更されて前記第2のフルオロスコピーモードが創生される場合、前記収集手段は、前記第1のフルオロスコピーモードにおけるデータ収集パターンの少なくとも1/2以上の割合を含んだパターンで前記エコーデータをk空間に配置するデータ配置手段を有するMRI装置。 - 請求項3記載のMRI装置において、
前記準定常状態への移行又はこの準定常状態からの脱出を判断するための信号変化の判断基準を前記判断手段に与える判断基準付与手段を備えるMRI装置。 - 請求項9記載のMRI装置において、
前記判断基準付与手段は、前記信号変化の判断基準として前記画像全体又は指定された関心領域における信号量の時間変化の単位時間当たりの積分量又は微分値を演算する演算手段を備えるMRI装置。 - 請求項3記載のMRI装置において、
前記収集手段は、前記パルスシーケンスとして1回のRF励起により複数のエコー信号を生成するパルスシーケンスを用いてデータ収集を行って、これら複数のエコー信号をk空間上の分担領域に夫々配置する手段であって、前記第1のフルオロスコピーモードでの前記データ収集をシングルショット撮像で行うとともに、前記第2のフルオロスコピーモードでの前記データ収集をマルチショット撮像で行う撮像手段を含むMRI装置。 - 請求項3記載のMRI装置において、
前記収集手段は、前記パルスシーケンスとして1回のRF励起により複数のエコー信号を生成するパルスシーケンスを用いてデータ収集を行って、これら複数のエコー信号をk空間上の分担領域に夫々配置する手段であって、前記第1のフルオロスコピーモードでの前記データ収集を一定の位相エンコード方向のシングルショット撮像で行うとともに、前記第2のフルオロスコピーモードでの前記データ収集を複数の位相エンコード方向のシングルショット撮像で行う撮像手段を含むMRI装置。 - 請求項1乃至12の何れか一項記載のMRI装置において、
前記パルスシーケンスは、2次元スキャンに拠るFE(グラジェントエコー)法、FFE(高速FE)法、SE(スピンエコー)法、FSE(高速SE)法、FASE(高速Asymmetric SE)法、EPI(エコープラナーイメージング)法を含むシーケンスの中の一つであるMRI装置。
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