JP4082779B2 - Mri装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体内の原子核スピンの磁気共鳴現象を利用して被検体内部の画像を非侵襲的に得る磁気共鳴(MR)イメージングに係り、とくに、1個の励起パルスに対して複数個のエコー信号を収集して組織/血流コントラスト像を得るときの分解能とエコー収集時間とを最適化させた磁気共鳴イメージングに関する。また、本発明は、そのような被検体内部の画像を生成するためのMR信号の収集を2次元法または3次元法で行うときの患者の息止めに係り、とくに、息止めが容易になるようにセルフ・ナビゲーション(self-navigation )する手法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴イメージング(MRI)は、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するMR信号から画像を再構成する技法である。これにより、人体の解剖学的な断面像を非侵襲的に得ることができるので、今や、医療現場においても、極めて有効な診断機器の1つになっている。とくに、骨に覆われた脳などの中枢神経系の診断機器として、既に広く活用されている。
【0003】
この磁気共鳴イメージングの分野において、臨床的な有効性の高いイメージング法の1つとして、T2緩和(横緩和)現象を強調した画像を得るT2強調イメージング法が使用されている。このイメージング法では原子核スピンを励起する間隔TRを長く設定する必要があるため、撮影時間が10分程度と長くなり、患者の負担も大きい。そこで、単一の励起パルスに対して複数個のエコーデータ収集を行い、スキャン時間の短縮化を図ったEPI法や高速SE法が提案されている。
【0004】
EPI法は、読出し傾斜磁場をスイッチングさせて、フィールドエコーを連続的に生成する手法である。これによりシングルショット撮影が可能になった。
【0005】
高速SE法は、単一の励起パルスの印加後にリフォーカスパルスを連続的に複数個印加してマルチエコーを生成することを特徴とする。これにより、EPI法に比べて、撮影時間は長くなるものの、静磁場の不均一性の影響を受け難い等の利点がある。そこで、ショット数を増やし、実効TEを短縮することで臨床的な有効性を向上させることができ、広く利用されている。
【0006】
一方では、心血管系を描出するためには、ECG信号などに拠る心時相との同期は不可欠であり、さらに、繰り返し時間TRやエコー時間TEを短縮したフィールドエコー系のパルスシーケンスを用いて撮影時間を短縮している。とくに、セグメント化したFFEシーケンスは、時間効率を向上させることができるので、近年広く使用されている。このFFEシーケンスでは、繰り返し時間TRやエコー時間TEを短縮するとコントラストが低下するので、これを補うため、MTCパルスや脂肪抑制パルスが使用されている。3次元(3D)撮影の場合、撮影時間が長くなることから、息止め撮影は事実上、不可能である。そこで、ECG信号に同期した連続的な撮影が行われる。この場合に問題となるのが、呼吸性の心臓の移動である。この問題の解決策の1つとして、ナビゲータエコーによるデータ選択または補正による撮影が行われている。
【0007】
一般に、T1強調像またはPD強調像を高速に撮影したい場合、そのシーケンスとしてはフィールドエコー系のパルスシーケンスが極めて有効である。一方、病巣の検出能に優れたT2強調像を撮影したい場合、1回の核磁気励起に対して複数個のエコー信号を収集するパルスシーケンスが有効であり、データの収集効率を向上させることができる。とくに、EPI法や高速SE法を適用することで、TRやTEを延長したT2強調画像の撮影時間を短縮でき、また画像アーチファクトを低減できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、EPI法や高速SE法を適用した従来のT2強調撮影法はマルチスライス法であるため、撮影部位に流入する血流が既に他のスライス撮影に伴うRF励起に拠って信号飽和されてしまっている。このため、従来のEPI法や高速SE法に基づくT2強調撮影は、血流からのMR信号値が低く、血流の描出には向いていなかった。
【0009】
その一方で、T2強調撮影の3D化により、血流の遅い部位に対しては、血流のT2緩和時間が実質部よりも長いという特性を生かして、脈管系の撮影が可能であるという報告がなされている。しかし、この報告によっても、未だ、血流速度の如何に関わらず、血流と組織との十分なコントラストが得られていない。3D化などにより、単位時間当たりのスライス励起枚数が減少すると、高速SE法に係るMT効果に因る筋肉、肝臓などからの信号低下が起こり難くなる。したがって、MT効果の影響を受け難い血液とのコントラストが低減する。
【0010】
ところで、前述したように、3次元(3D)撮影の場合、撮影時間が長くなることから連続した息止め撮影は、通常、不可能である。従来、腹部の3DMRイメージングやMRアンギオグラフィを行う場合、呼吸に因る位置ずれアーチファクトを減らすために、間欠的な息止め法を併用することがある。この間欠息止め法は、被検者の協力により呼吸のタイミングを合わせる必要がある。このタイミングをとる手法として、呼吸同期を使用することがある。
【0011】
しかし、それらの手法は、呼吸同期からの出力を患者にフィードバックする手段が無いことなどの理由によって、通常の臨床の現場にはなかなか普及しきれていない。このため、オペレータが呼吸の調整タイミングを被験者に現場でその都度指示することが必要であった。これはオペレータの操作上の負担増を招来する。また呼吸タイミングの取り方の失敗を起こし易い可能性が大で、画像の画質を低下させてしまうことがあった。
【0012】
本発明は、このような従来技術が有する現状を打破するためになされたもので、その目的は、非侵襲性の特性を生かして臨床的に有効な非造影のMRA画像を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明のMRI装置は、被検体の心時相を表す基準波に同期したトリガ信号から所定時間遅延させて1スライスエンコード量分のエコーデータを収集する動作を複数心拍毎に繰り返す3次元スキャンを行なうスキャン手段と、前記3次元スキャンにより得られたエコー信号に基づいて、MR造影剤を用いない前記被検体の関心領域の3次元血管画像を生成する画像化手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0018】
本発明のMRI装置の1つの側面によれば、被検体のスピンにMT効果を起こさせるMTパルスを印加する事前シーケンスと、この事前シーケンスの後に実行され且つ励起RF磁場に拠る1回のスピン(核磁気)励起に対して複数個のエコー信号を発生させるSE系のデータ収集シーケンスとを含むパルスシーケンスを実行する手段を備え、前記画像化手段は、前記パルスシーケンスの実行に伴い発生する前記複数個のエコー信号を収集して画像化する手段とを備えるものである。
【0019】
好適には、前記MTパルスはパルス列を成す複数個のMTパルスから成り、この複数個のMTパルスの個数、その各MTパルスに与えるフリップ角、およびその各MTパルスに与えるオフ・レゾナンス周波数のパラメータの内、少なくとも1つのパラメータを変更可能な構成とすることである。
【0020】
さらに好適には、前記事前シーケンスは、前記MTパルスの後に印加され且つ前記被検体の脂肪からのエコー信号の収集を抑制する脂肪抑制パルスを含むことである。
【0021】
また、前記事前シーケンスは、前記脂肪抑制パルスの後に印加され且つスピンの位相をディフェーズする傾斜磁場スポイラを含むようにしてもよい。
【0022】
さらに、前記MTパルスおよび脂肪抑制パルスを形成するRFパルスの少なくとも一方は、スライス選択的またはスライス非選択的に印加されるようにしてもよい。
【0023】
さらには、前記被検体のECG信号に同期して前記パルスシーケンスを開始させるECG同期手段と、前記被検体に前記ECG信号に従う間欠的な息止めを指令する息止め指令手段とを備えることができる。好適には、息止め指令手段は、前記パルスシーケンスに時系列的に組み込まれるとともに傾斜磁場の印加に伴う音を発生させる音発生用パルスを傾斜磁場コイルに与える手段である。
【0024】
これらの構成に基づくシングルショット化によって、位相エンコード方向のモーションアーチファクトを有効に低減でき、且つ、スライスエンコード方向のアーチファクトを間欠的な息止めとECG同期との組み合わせにより抑制できる。したがって、高い分解能の3D画像を撮影することがきる。また、T2強調による高い組織コントラストに、MTパルスによる心筋などからの信号抑制や脂肪抑制を組み合わせることで、血流信号と心筋、心壁との組織コントラストを大幅に改善し、有効な心臓イメージングが可能になる。
【0025】
また、本発明に係るMRI装置の別の側面によれば、前記スキャン手段の3次元スキャンは、前記被検体の脂肪からのエコー信号を抑制する脂肪抑制パルスの後に実行されるように構成したものである
【0026】
好適には、前記スキャン手段の3次元スキャンは、スピン位相分散用の傾斜磁場スポイラを含むパルスシーケンスである
【0027】
さらに好適には、前記スキャン手段の3次元スキャンは、遅延時間に対してk空間の中心付近から撮影開始を行なうように構成したものである
【0028】
また、前記スキャン手段は、ECG同期に対する遅延時間を任意の値に設定するものである
【0029】
さらに、前記画像化手段は、位相エンコード方向を変えて収集したエコーデータの複数枚の画像から合成画像を得るように構成したものである
またさらに、前記画像化手段は、前記3次元画像のデータから最大値投影処理を実施する構成としたものである
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0031】
第1の実施形態
第1の実施形態を図1〜図4を参照して説明する。この実施形態にかかるMRI(磁気共鳴イメージング)装置の概略構成を図1に示す。
【0032】
このMRI装置は、被検体Pを載せる寝台部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、高周波信号を送受信する送受信部と、システム全体のコントロール及び画像再構成を担う制御・演算部と、被検体Pの心電信号を計測する心電計測部とを備えている。
【0033】
静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場H0 を発生させる。なお、この磁石部にはシムコイル1Sが設けられている。このシムコイル1Sには、後述するホスト計算機の制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のための電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
【0034】
傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイルユニット3は、互いに直交するX、Y、Z軸方向の傾斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコイル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はさらに、x,y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケンサ5の制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
【0035】
傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、物理軸としての3軸であるX,Y,Z方向の傾斜磁場を合成して、論理軸としてのスライス方向傾斜磁場GS 、位相エンコード方向傾斜磁場GE 、および読出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場GR の各方向を任意に設定・変更することができる。スライス方向、位相エンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は静磁場H0 に重畳される。
【0036】
送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。この送信器8Tは、後述するシーケンサ5の制御のもとで、磁気共鳴(MR)現象を誘起させるためのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に供給する一方、受信器8Rは、RFコイル7が受信した高周波のMR信号を受信し、各種の信号処理を施して、対応するデジタル信号を形成するようになっている。
【0037】
さらに、制御・演算部は、シーケンサ5(システムコントローラともいう)、ホスト計算機6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器12、入力器13、および音声発生器16を備える。この内、ホスト計算機6は予め記憶されたソフトウエア手順により、シーケンサ5にスキャンシーケンス情報を指令するとともに、シーケンサ5を含む装置全体の動作を統括する機能を有する。
【0038】
本発明に係るMRI装置の基本的な特徴は、ECG(心電)同期法に従い、さらに個数およびフリップ角を可変できるMTパルスを付加した、3D法または2D厚切り法に拠る、シングルショット(励起)の高速SE法を基礎とするパルスシーケンスを用いることである。MTパルスは、撮影目的に応じたMT効果に基づくMTコントラストを画像に付けることを目的として印加され、組織と血液との有効な組織コントラストを与える手段として機能する。このパルスシーケンスが最も好適な撮影部位は心臓の血管系の描出である。例えば心臓などの腹部臓器が撮影され、T2強調コントラスト像が得られる。この画像によれば、心筋と血液との組織コントラストが従来のFE系パルスシーケンスで得られる組織コントラストと同等に保持され、かつ、高い空間分解能が得られる。
【0039】
これを実現するため、第1の実施形態のMRI装置の場合、ホスト計算機6およびシーケンサ5は共働して、図2および図3に示す、心臓血管系の描出に適したパルスシーケンスに基づくスキャンを実施する。このパルスシーケンスは、最初に実行する事前シーケンスSQpre と、この後に実行するイメージング用のデータ収集シーケンスSQacq とで構成される。この処理は、ホスト計算機6が図示しない所定のメインプログラムを実行していく中でコンピュータ制御により実施される。このスキャンにより収集されたMR信号は、演算ユニット10により所定の再構成ルーチンに基づき処理され、さらに血管系を強調するためのMIP(最大値投影)像が作成される。パルスシーケンスについては後述する。
【0040】
シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシーケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電源4、送信器8T、受信器8Rの一連の動作を制御する。ここで、パルスシーケンス情報とは、一連のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信器8Rおよび受信器8Tを動作させるために必要な全ての情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関する情報を含む。また、シーケンサ5は必要に応じて、上述したタイミング制御をECG信号のR波に同期したトリガパルスに応じて実施し、心電同期を行えるようになっている。
【0041】
このパルスシーケンスの一部を成すデータ収集シーケンスSQacq (図2、3参照)としては、例えば、フーリエ変換法を適用した2次元(2D)厚切り法または3次元(3D)法を採用できる。また、そのパルス列の形態としては、基本的に、1回のスピン励起に対して複数個のエコー信号を収集可能なSE系のものを採用できる。例えば、高速SE法(2D法または3D法)、1回または複数回の励起で1スライス分または1スライスエンコード分のデータ収集をする、ハーフフーリエ法を併用したFast SE法(Fast ASE(Asymmtric Spin Echo )法とも呼ばれる)(2D法または3D法)、SE系のEPI(Echo Planar Ima- ging) 法、ハイブリッドEPI法など、各種のパルス列を採用できる。
【0042】
また、演算ユニット10は、受信器8RからのMR信号のデジタルデータをシーケンサ5を介して受けてフーリエ空間(k空間または周波数空間とも呼ばれる)への原データ(生データとも呼ばれる)の配置、および、原データを実空間画像に再構成するための2次元または3次元のフーリエ変換処理を行うようになっている。また、演算ユニット10は、3次元画像データから2次元画像を生成するためにMIP(最大値投影)処理をも実施できるようになっている。
【0043】
記憶ユニット11は、原データおよび再構成画像データのみならず、演算処理が施された画像データなどを保管することができる。表示器12は画像を表示する。また、術者は入力器13を介して所望のスキャン条件、スキャンシーケンス、画像処理法などの必要情報をホスト計算機6に入力できるようになっている。
【0044】
音声発生器14は、必要に応じて、シーケンサ5またはホスト計算機6から指令があったときに、撮像中の息止め開始および/または息止め終了のメッセージを音声、音響などにより発することができる。なお、この音声発生器に代えて、光発生器を備え、例えば光の点滅信号により息止めを指令するようにしてもよい。またなお、本発明に係る他の実施形態では、この息止めを告知するための他の手段として、制御された傾斜磁場パルスの印加に伴ってガントリから発せられる音を使用する方法を採用している。
【0045】
さらに、心電計測部は、被検体の体表に付着させてECG信号を電気信号として検出するECGセンサ17と、ECG信号中のR波のピーク値に同期したトリガーパルスを心電同期信号としてシーケンサ5に出力するECGユニット18とを備える。この心電計測部によるトリガーパルスは、パルスシーケンスの実行開始タイミングを所定時間、遅延させる信号として利用される。これにより、心電同期タイミングを血流の安定した時期に適切に設定でき、この設定同期タイミングに拠る心電同期スキャンを行ってMR原(生)データを収集できるようになっている。
【0046】
続いて、本実施形態で実行されるパルスシーケンスを図2、3に基づき説明する。
【0047】
図2に示すように、パルスシーケンスは、ECG信号中のR波(基準波)に同期したトリガ信号から所定時間遅延させてMR信号収集用の本スキャンとしてのデータ収集シーケンスを開始する心電同期法に基づくパルス列である。具体的には、本スキャンの前に実行される事前シーケンスSQpre と、この後に実行されるMR信号収集用のデータ収集シーケンスSQacq (本スキャン)とから成る。データ収集シーケンスSQacq の開始タイミングがR波から所定時間遅延させて、1心拍中の最適期間でデータ収集が行われる。
【0048】
事前シーケンスSQpre は、MT(magnetization transfer)効果を起こさせるMTパルス列PTmtと、脂肪からのMR信号の収集を抑制(脂肪抑制)するCHESS(chemical shift selective)パルスPchess と、位相分散用の傾斜磁場スポイラSPs,SPr,SPeとを含む。
【0049】
MTパルス列PTmtは、図3にその詳細を示す如く、複数個のMTパルスMT1 〜MTn と、このパルスMT1 〜MTn と並行して印加される複数個のスライス選択的用の傾斜磁場パルスGS とを備える。この複数個のMTパルスMT1 〜MTn は、多重MTパルス(muliple MT pulse) を実現するパルス列であり、ここでは各パルスが間断無く連続して印加されるようになっているが、各パルス間に微小時間Δtの待機時間を設定してもよい。
【0050】
このMTパルスMT1 〜MTn と並行して、各傾斜磁場パルスGS も間断無く連続的にオン、オフして印加されるようになっている。この複数個の傾斜磁場パルスGS は連続的に印加する、すなわち途中でオン、オフしない1個のパルスとして印加してもよい。この傾斜磁場パルスGS は、一例として、図4に示すように、撮影ボリューム領域Rima に流入する、撮影目的の血流Bとは反対側の励起領域Rexがオフ・レゾナンス(off resonance )で励起されるように、その極性が設定されている。これは、撮影ボリューム領域Rima に流入する撮影目的の血流Bを事前に励起させること無く、フレッシュな血流Bの流入を期待するためである。
【0051】
各MTパルスは、例えば、所望の周波数オフセット値を有するRF信号をsinc関数で変調して形成される励起RFパルスである。RFパルスの印加数、つまりMTパルスの印加数は複数n個(例えば10個)であり、各MTパルスに与えられたフリップ角度は従来のMTパルスで用いられる大きな値(500°〜1000°)よりも小さい分割値(例えば90°〜100°程度)に設定される。MTパルス列のRFパルス数並びにその各パルスのフリップ角及びオフ・レゾナンス周波数は、コンピュータ等による自動計算や手計算によって、任意に変更・設定できるようになっている。
【0052】
このRFパルスおよびスライス用傾斜磁場GS のn組を順次印加した後で、脂肪抑制用のCHESSパルスPchess が印加される。CHESSパルスPchess は、τ長を水のプロトンスピンと脂肪のプロトンスピンの化学シフト分に相当するように設定したsinc関数を所定RF信号で変調したRFパルスである。
【0053】
CHESSパルスPchess を印加した後、最後にまとめて、スライス方向、位相エンコード方向、および読出し方向においてスピン位相分散(ディフェーズ)用の傾斜磁場スポイラSPs,SPp,SPrが同時に印加される。
【0054】
この実施形態で撮影対象としている部位は、胸部の血管系である。この部位を撮影するには、ECG同期法と繰り返し時間TR=1000msec以上を確保する必要があるT2強調撮影とを併用し、その心電同期を最低でも2心拍以上行う必要がある。このため、撮影が長くなるのを防止して撮影の時間効率を上げるために、画像データ収集シーケンスSQacq は、3次元法または2次元厚切り法に基づく、ハーフフーリエ法を併用したシングルショット高速SE法で形成してある。2次元厚切り法とは、スライス厚が30〜60mm程度で、マルチスライス=1〜3(すなわち、スライス枚数が少なく、MT効果が1枚スライス程度に帰着できる場合)を言う。
【0055】
しかも、このシングルショットの高速SE法において、隣り合うリフォーカスRFパルスの時間間隔、すなわちエコー信号の時間間隔ETS(Echo Train Space)を、ETS=5ms程度に短縮して設定してある。
【0056】
続いて、本実施形態の動作を説明する。
【0057】
このMRI装置が起動すると、ホスト計算機6およびシーケンサ5は図示しない所定メインプログラムを実行する中で、図2に示すスキャンシーケンスを実行する。このシーケンスの実行に拠るパルス印加は、シーケンサ5の制御の元、x,y,zコイル3x〜3z及びRFコイル7を介して実施される。
【0058】
ホスト計算機6およびシーケンサ5は、ECG同期のトリガーパルスの入力を監視している。トリガーパルスが入力すると、シーケンサ5は、本スキャンとしてのデータ収集シーケンスSQacq が所定時間TD (例えば300〜500msec)遅延できるように合わせた適宜な時間だけ待機する。上記遅延時間TD は、心臓から吐出される血流が拡張中期になって、その流れが比較的安定した状態でイメージングに入れるように適宜な値に設定される。
【0059】
上記の適宜な待機時間が経過すると、シーケンサ5は、図2および図3に示すパルスシーケンスの実行を指令する。なお、ホスト計算機6は、このパルスシーケンスの実行時間範囲をカバーするに十分な範囲で、トリガーパルスに応答して息止めを音声発生器14を介して患者に指令する。
【0060】
パルスシーケンスが開始されると、最初に、MTパルス列PTmtを成す複数個のMTパルスMT1 〜MTn が所定強度および極性のスライス用傾斜磁場パルスGS と共に、励起領域Rexにスライス選択的に順次印加される。各MTパルスの周波数帯域は撮影部位に対して所定値の周波数オフセット値を有する。つまり、この複数個に分割されたMTパルスMT1 〜MTn は撮影ボリューム領域Rima に対してはオフ・レゾナンス(off resonance )の励起となる。これにより、撮影ボリューム領域Rima の実質部および血液のスピンは、小刻みに分けられたMT効果を受けることになる。
【0061】
このMT効果は、撮影ボリューム領域Rima で静止している実質部にとっては、個々のMTパルスの和として効くので、全体のMT効果は1個の大きなフリップ角(例えば1000°)を印加したときと殆ど変わらない。つまり、MT効果は大きく、後に収集されるエコー信号の強度が著しく低下する。これに対し、撮影ボリューム領域Rima を流れている血液(血流)にとっては、MTパルスを分割化することで、全体のMT効果が大幅に緩和される。このため、流れている血液からのエコー信号強度はそれほど低下しないことになる。また、MTパルスをスライス選択的に印加する励起領域Rexとは反対側から流入する血流B(図4参照)は、殆どMT効果を受けていないフレッシュな血流である。
【0062】
このMTパルス列PTmtの印加が終わると、シーケンサ5はCHESSパルスPchess の印加を指令する。これにより、撮影ボリューム領域Rima を含む領域に脂肪抑制のためのCHESS(chemical shift selective)パルスが印加される。このCHESSパルスにより脂肪のプロトンのみが共鳴する。
【0063】
この後、引き続き、スライス方向、読出し方向、および位相エンコード方向の3方向において傾斜磁場スポイラSPs , SPr, SPe がエンドスポイラとして印加される。このため、複数個の分割化MTパルスおよびCHESSパルスの励起によって横磁化に残っているスピンは、その後に印加されるスポイラSPs ,SPr ,およびSPe によって各方向において十分に分散されることで飽和する。これにより、脂肪プロトンからの信号を実効的にゼロにした状態にできる。このため、その後のデータ収集シーケンスとの間でスピン位相の干渉を排除でき、疑似エコーの発生を防止することができる。なお、このスポイラは任意の1方向または2方向のみに印加するようにしてもよい。
【0064】
この事前シーケンスSQpre が終わる時刻で、前述した所定遅延時間TD が経過するので、シーケンサ5は直ちにデータ収集シーケンスSQacq の実行を開始する。前述したように、このシーケンスSQacq は、ハーフフーリエ法を併用したシングルショットの高速SE法が3次元(3D)法で実施される。この高速SE法によって、スライス用傾斜磁場GS の変更に拠る各スライスエンコード量GE2に対し、複数個のリフォーカスRFパルスに応答した複数のエコー信号が収集される。つまり、1ショットで1スライスエンコード量に対応したエコー信号が収集される。
【0065】
なお、ここで言う「3Dのシングルショット」とは、1回の励起で3D画像を構成するのに必要な全データを収集するという意味だけではなく、1スライスエンコード量に対応する全データ(ここではハーフフーリエ法を併用しているので、1スライスエンコード量に対応する全位相エンコードデータではない)を1回の励起で収集するという意味でも用いている。
【0066】
この1スライスエンコード分のエコー信号は各エコー毎に順次、高周波コイル7を介して受信器8Rに送られる。このエコー信号は、受信器8Rでデジタルデータに処理され、演算ユニット10に順次格納される。
【0067】
この1スライスエンコード量に対応した全エコー信号の収集は、300〜500msec程度で完了する。この1スライスエンコード分のパルスシーケンスは図2に示すように1心拍内で完了するように設定することが望ましい。
【0068】
この後、シーケンサ5は、複数心拍の間、シーケンスを実行せずに待機する。そして、再び例えば3心拍目のR波に伴うトリガーパルスが入力すると、シーケンサ5は上述したと同じパルスシーケンスを実行させるとともに、ホスト計算機6は息止めを平行して指令する。これにより、繰り返し時間TRは3R−R分となり、通常、TR=3000msec程度は確保できるので、T2強調撮影が可能になる。
【0069】
この一連のECG同期撮影を例えば3R−R毎のR波に順次呼応して複数回行うことで、撮影ボリューム領域Rima の3次元画像データが得られ、このデータが演算ユニット10のメモリに設定された3次元フーリエ空間に配置される。このデータ収集が完了した時点で、演算ユニット10はホスト計算機6から画像再構成が指令される。これに応答して、演算ユニット10は3次元フーリエ変換を実施し、3次元フーリエ空間上に配置されたエコーデータを実空間の画像データに再構成する。さらに、演算ユニット10は、画像化の一つとして、この実空間の3次元画像データをMIP処理に付し、2次元のMR像を作成する。これらの3次元画像データおよび2次元MR像データは、必要に応じて、記憶ユニット11に格納されるとともに、表示器12に表示される。
【0070】
この本実施形態のMRI装置で撮影される、例えば胸部(血管系)のMR像は以下の種々の有利さおよび特徴を有する。
【0071】
(1) まず、ハーフフーリエ法を併用した高速SE法に基づくパルスシーケンスをECG同期で実施し、かつ、繰り返し時間(励起間隔)TRを1000msec 以上確保したので、臨床的に有効なT2強調コントラスト像を確実に得ることができる。
【0072】
(2) このT2強調コントラスト像を得るにあたって、1ショット化することで、十分な長さの繰り返し時間TRを確保しつつも、撮影時間の長時間化を回避することができる。
【0073】
(3) また、このT2強調像のデータ収集では、ECG同期の時間間隔が比較的長くなるので、繰り返し時間TRにおけるデータ収集シーケンスの期間が有意に短縮されている。これに伴って、間欠的な息止めを適宜な手段で知らせることができるから、ECG同期法に息止め法を併用でき、呼吸性の心臓の位置移動に伴うアーチファクトの発生を的確に回避できる。
【0074】
(4) さらに、3D法の1ショット化(1スライスエンコードに対応するデータ収集を1ショットで行うという意味での1ショット化)と共にエコー間隔を短縮し、励起スラブを厚くすることで、血流信号の低下を抑制し、かつ、モーションアーチファクトを低減できる。
【0075】
(5) さらに、複数個に分割された短いMTパルスに拠って、流れている又はタンブリング(tumbling)している血流へのMT効果の効き方が低減する一方で、実質部(静止部)には複数の分割MTパルスの和として働いた分の信号値低減効果があるので、実質部と血液との十分なコントラストを確保できる。
【0076】
(6) さらに、3D法(スライス枚数の少ない、或いはシングルスライスの2D法を含む)を採用しているため、マルチスライス撮影を実施しなくても済み、したがって、TR毎の励起回数を減らすことができ、マルチスライス撮影を高速SE法で実施するときに特有のMT効果に因る心筋組織、肝臓などの実質部の信号の極端な低下を回避できる。心臓の組織コントラストを向上させて血流を描出するには、MT効果を付けることが有効であることは周知である。本実施形態では、複数個に分割したMTパルスを小刻みに印加するので、MT効果のトータルの量を制御でき、従って、適宜且つ有効な組織コントラストに制御できる。
【0077】
(7) また、FE系のパルスシーケンスを用いる撮影では、総データ収集時間を短縮するためには繰り返し時間TRの短縮が必須であり、ECG同期法によるゲート毎にセグメント化する手法が用いられていたが、本実施形態に基づく高速SE法に拠るT2強調撮影ではスキャン時間を極端に延長することなしに、繰り返し時間TRを長く設定することができる。このため、R波に応答したトリガパルスから心臓の画像化に適した拡張期までの待機時間(300〜600ms)を有効に利用して息止め指令を行ったり、MTパルスやCHESSパルスを印加できる。つまり、これらの事前シーケンスSQpre の実行に何等、時間的制約を受けなくて済む。このため、SAR(RF被爆)の最大値やRFパルスの最大振幅を上げる必要が無く、MTパルス数、そのフリップ角、およびその個数をそれぞれ独立に設定して画像コントラストを高い自由度で改善できる。所望のMT効果を最小限のSARで得ることができる。
【0078】
(8) 傾斜磁場スポイラはMTパルス列およびCHESSパルスの最後にまとめて1回だけ印加するようにしているため、事前シーケンス全体の時間短縮を図ることができる。これにより、パルス長を短縮させた(分割した)MTパルスによっても確実なMT効果を発揮させることもできる。
【0079】
(9) MTパルスを印加する際、スライス用傾斜磁場パルスの極性を制御し、流入する血流とは反対側の励起領域Rexをオフ・レゾナンスで励起する。これにより、MTパルスによって撮影ボリューム領域Rima 内のスピンが励起されず、MT効果を起こすのみである。これにより、目的とした血流はそのスピンが励起されていないフレッシュな状態で撮影ボリューム領域Rima に流入するから、その血流からの信号値が高く、実質部/血流のコントラストを向上させることができる。
【0080】
(10) さらに、リフォーカスRFパルスの時間間隔を短縮しているので、従来の高速SE法で問題となっていた血流信号の抜けやモーメントアーチファクトを著しく低減させることができる。このリフォーカスRFパルスの時間間隔短縮に伴って、
a)データ収集ウインドウを短縮することで臓器の動きや体動の影響を低減し、アーチファクトを低減する、
b)隣り合うリフォーカスRFパルスの間に流出する血液量を低減でき、血液からの信号が上がる、
c)T2緩和による画像のボケを改善でき、画像の分解能が向上する、
d)コントラストを決定するk空間の位相エンコード方向の中心付近におけるエコー時間TEの変化量を抑えことで、同一のTEのSE法による画像コントラストと同等またはこれに近い画像コントラストになる、
などの別の効果も得られる。
【0081】
(11) さらに、本実施形態のMRI装置は、3D法におけるエコー間隔ETSの適正値を提供できる。2D法においてもリフォーカスRFパルス相互間の時間間隔を短縮して血管系の描出能を向上させることが知られてはいた。本発明者が行った実験などから得た知見によれば、3D法の場合、2D法で用いられていたエコー間隔をそのまま適用したのでは血管系を描出することは殆ど困難であった。3D法では、エコー間隔の長短は、胸部(血管系)の描出能に非常に敏感に反映することが分かった。
とくに、従来の高速SE法で用いていたエコー間隔10〜15msを心臓などに適用しても、動きに因る画像のぶれが大きく、これを8ms程度まで短くすることで、使用に耐える得る胸部の画像化が可能になった。詳しくは、エコー間隔を5ms程度まで短縮すると、画像の安定性も向上した。この理由として考えられることは、上述した種々の議論に加えて、エコー間隔を短縮することで、総データ収集時間が心拍の間の心静止期に収まることが考えられる。
一方、ETSを長めにとればデータ収集ウインドウを長くとることができ、したがって狭帯域のデータ収集が可能となるので、撮影対象に応じてエコー間隔を調整することで適切な撮影を実現することもできる。例えば、胸部から離れた撮影領域ではエコー間隔を10〜15ms程度あるいはそれ以上に設定することで高診断能のMR画像を得ることができる。
【0082】
(12) また、位相エンコードPE方向のマトリクスサイズを増やした場合でも、ハーフフーリエ法の適用によりデータ収集は、目的とする遅延時間TD に対してk空間の中心付近から撮影開始することで、画像のぶれを最小限に止めることができる。
【0083】
(13) また特に、3D法若しくは2D厚切りスライス法に適用することで、データ収集効率はそれほど期待できないものの、マルチスライス撮影における隣接スライスに対する励起パルスに因る血流信号の飽和現象を回避することができる。
【0084】
(14) また、ECG同期に関する遅延時間TD の設定値を任意に変更・制御でき、この変更・制御を正確に反映したMR像を生成できる。このため、患者個々の磁気的特性の固体差に応じて適宜な遅延時間TD を設定できる。
【0085】
(15) さらに、この実施形態のMR像はMR造影剤を使用するものでないから、通常のMRイメージングの非侵襲性の特性を生かしたものとなる。このため、造影剤を使用したMRA像の撮影に比べて、患者の精神的、体力的負担が著しく少なくて済む。
【0086】
なお、上記実施形態において、CHESSパルスの印加は省略し、事前シーケンスとしては、複数個のMTパルスから成るMTパルス列のみを印加するようにしてもよい。
【0087】
さらに、MTパルス列を、スライス用傾斜磁場を伴わずに、スライス非選択的に印加し、また脂肪抑制用のCHESSパルスを、スライス用傾斜磁場と共にスライス選択的に印加するようにしてもよい。
【0088】
さらに、MTパルス列のMTパルスまたはCHESSパルスを成すRFパルスに、画像化範囲を考慮したスライス用傾斜磁場を加えるようにしてもよい。
【0089】
また、音声による息止め期間の指令の代わりに、光の点滅信号を使用してもよい。
【0090】
また、なお、データ収集シーケンスSQacg の最適時間帯化を図るための遅延時間の設定は、事前シーケンスSQpre までの遅延時間を設定することで対処してもよい。
【0091】
第2の実施の形態
本発明の第2の実施形態を図5に基づき説明する。この実施形態の係るMRI装置はとくに、息止めのタイミングを患者に知らせる画期的な手法に関する。
【0092】
なお、本実施形態以降の実施形態において、第1の実施形態におけるMRI装置と同一または同等の構成要素には同一の符号を用いて、その説明を省略または簡略化する。
【0093】
ECG同期撮影において特に問題となることの1つに、ECGとは非同期に患者の呼吸性の体動が画質を低下させることである。従来知られている「Segmen- ted FFE法」の場合、体動を検出する別の手段を用いて画質改善を図っている。本発明では、そのような体動検出手段に代えて、息止め法を採用して、呼吸性の体動の影響を抑える。
【0094】
本発明において、T2強調の画像コントラストを確保するには、繰り返し時間TRを2000ms以上の値まで伸ばすことが前提となる。そこで、TR=4000〜10000msと長めにとり、約4心拍から10心拍毎にECG同期が掛かるようにし、この同期の度に息止めを患者に実施してもらう。つまり、間欠的な息止め法を実施する。
【0095】
これには1回毎の息止めのタイミングとその息止め期間が問題となる。息止めのタイミングをいかに的確に患者に告知するか、さらに、1回毎の息止め期間を最小限に止めることが求められる。最小限の息止め期間の一例として、エコー間隔が5msの場合、TE(実効TE)=80ms、位相エンコードPE方向のマトリクスサイズ=160とした場合、シングルショットのデータ収集時間は約 「80+5×80=480ms」となる。
【0096】
ECG信号のR波に同期したトリガーパルスから心臓画像化に適した拡張期まで待機している時間(前述した遅延時間)が300〜600msと長いため、この間に、前述したMTパルスやCHESSパルスの印加のほか、本実施形態では以下のように傾斜磁場の印加に伴う音響信号を積極的に使用した間欠息止め法を実施する。
【0097】
また、本実施形態のMRI装置の別の側面によれば、被検体の間欠的な息止めに必要なタイミングを傾斜磁場の印加に伴う音によって知らせる息止め指令手段を備えたことを特徴とする。
好適には、前記パルスシーケンスは、前記MRデータを収集するためのデータ収集シーケンスと、前記音を発生させるための傾斜磁場のパルス列とを含む。また、好適には、前記パルス列は、被検体の自由呼吸期間を知らせる時間帯に印加するようにできる。
このように、被検者に間欠息止めのタイミングを傾斜磁場の印加に伴う音で知らせるようにすることで、スピーカなどの格別な告知機構を新たに装備することなく、撮影用の一連のパルスシーケンスを実行する中で、オペレータの介添え無くして、被検者に息止めのタイミングを知らせることができる。傾斜磁場印加に伴う音の大きさ、数、およびその間隔を調整可能とし、とくに、撮影前に調べた被検者の自然状態での呼吸テンポに合わせて調整可能にすることが望ましい。オペレータの操作上の労力が少なくなることは勿論のこと、被検者は確実に間欠的な息止めタイミングを知ることができる。これにより、呼吸性の動きに起因したアーチファクトを大幅に減少可能になる。
本実施形態のMRI装置のホスト計算機6およびシーケンサ5は、図5に示すパルスシーケンス(間欠息止めシーケンスを含む)を実施する。同図に示すように、シーケンサ5はR波に同期したトリガーパルス(図示せず)が入力すると、これに応答して所定の待機時間の間に息止めを催促するパルス列BHstartの印加を指令する。このパルス列BHstartは、例えばB1〜B4の4個のパルスから成る。各パルスB1(〜B4)は、所定デューティ比Tdutyの矩形パルスをNcycle繰り返すパルス波形を有し、このパルスがB1〜B4がxコイル3x、yコイル3y、またはzコイル3zからX軸方向、Y軸方向、またはZ軸方向の傾斜磁場パルスGx,Gy,Gzとして印加される。
【0098】
この傾斜磁場パルスの印加により、xコイル3x、yコイル3y、zコイル3zを保持しているガントリの構造体にパルス状の電磁力に拠る応力が加わる。この力は音響となって発生する。例えば、ガントリ内の患者には例えば「プ、プ、プ、プ」といった4個の間欠音が聞こえる。この音響の音量は傾斜磁場強度の調節で、音色はデューティ比Tdutyの調節で自在に制御できる。
【0099】
この息止め催促音「プ、プ、プ、プ」の後には、直ちに、第1の実施形態と同一に設定されたパルスシーケンスSQpre およびSQima が実行され、1心拍が終了する。
【0100】
そこで、約束事として、患者には「プ、プ、プ、プ」の音色の音が聞こえたら、直ちに息を1秒位(少しの間)止めて下さい。そして、音がしなくなったら息をして下さい。」と依頼しておく。特に、3D法の撮影には息止めタイミングがずれないようにすることが重要であるから、撮影前の適宜なときに、図5に示す間欠息止めシーケンスを含むパルスシーケンスで、この息止めを練習しておくことが望ましい。
【0101】
これにより、患者は遅くとも「プ、プ、プ、プ」と続く複数個の催促音の間に息止めを開始でき、その息止めの状態を少し保つ。上手にできる患者または上手にできるときは、最初の催促音「プ」または前半の数個の催促音で息止めを開始できる。遅くとも、全部の催促音「プ、プ、プ、プ」の間に息止めを開始できる。そして、「少しの間の息止め」が実施される。この間に、事前シーケンスSQpre およびデータ収集シーケンスSQima が自動的に且つ迅速に実行される。この2つの連続するシーケンスSQpre 、SQima の期間中も、催促音「プ、プ、プ、プ」とは音色の異なる音響が聞こえる。患者はこの一連の音が聞こえなくなったら、息をする。実際には、催促音「プ、プ、プ、プ」の間に1秒位息止めをすれば用が足りることになる。息をしながら数拍経過すると、再び、催促音「プ、プ、プ、プ」が聞こえるから、上述した息止めを繰り返す。
【0102】
これにより、数心拍置きのECG同期に殆ど完全にマッチした間欠的な息止めを実施できる。間欠的であるため、データ収集期間が多少長くても、楽に息止めできる。従って、呼吸性の体動に因るアーチファクトを防止できる。この間欠息止めに際し、特別に付加するハードウエアは必要無く、既存のもので足りるから実施が容易である。また、制御用コンピュータの指令に基づく音声出力による息止め指令などと異なり、撮影のパルスシーケンスとの同期を格別に意識した処理をする必要が無く、ソフトウエア処理の面でも容易に実施できる。このように、3D法のECG同期撮影に好適な、従来には無い画期的な間欠息止め法を実施する機能を備えたMRI装置を提供することができる。当然に、第1の実施形態において得られた高速SE法に基づく様々な効果も併せて得ることができる。
【0103】
第3の実施の形態
本発明の第3の実施形態を図6に基づき説明する。この実施形態の係るMRI装置は、上述した間欠息止め法の別の構成に関する。
【0104】
本実施形態のMRI装置のホスト計算機6およびシーケンサ5は、図6に示すパルスシーケンス(間欠息止めシーケンスを含む)を実施する。同図に示すように、シーケンサ5はR波に同期したトリガーパルス(図示せず)が入力すると、その所定時間Tx後に、自由呼吸期間を知らせ、且つ、息止めを準備させるためのパルス列BHtempo の印加を指令する。このパルス列BHtempo は、例えばC1 〜C7 の7個のパルスから成り、TR時間内のデータ収集をしない空いている数心拍期間に渡り印加される。各パルスC1 (〜C7 )は、所定デューティ比Tdutyの矩形パルスをNcycle 繰り返すパルス波形を有し、このパルスがC1 〜C7 がxコイル3x、yコイル3y、および/またはzコイル3zからX軸方向、Y軸方向、および/またはZ軸方向の傾斜磁場パルスGx,Gy,Gzとして印加される。
【0105】
この傾斜磁場パルスの印加により、前述と同様に、ガントリから音響が発生する。例えば、ガントリ内の患者には例えば「プ、プ、プ、…、プ」といった7個の間欠音が息止め準備音として聞こえる。この音響の音量は傾斜磁場強度の調節で、音色はデューティ比Tdutyの調節で自在に制御できる。
【0106】
この息止め準備音「プ、プ、プ、…、プ」の後には、所定期間Tstart だけ待機した後、第1の実施形態と同一に設定されたパルスシーケンスSQpre およびSQima が実行される。所定期間Tstart は、撮影のためのR波からの所定の待機時間Twと若干の余裕時間Tαとで形成される。
【0107】
そこで、約束事として、患者には「プ、プ、プ、…、プ」の音色の音が聞こえなくなったら、直ちに息を2秒位(少しの間)止め、何の音もしなくなったら息をして下さい。」と依頼しておく。この場合も第2の実施形態のときと同様に、撮影前に、図6に示す間欠息止めシーケンスを含むパルスシーケンスで、この息止めを練習しておくことが望ましい。
【0108】
これにより、患者は「プ、プ、プ、…、プ」の息止め準備音と共に呼吸を整えることができ、この一連の準備音が終わった後の所定期間Tstart の間に息どめを2秒位保持することできる。撮影パルスシーケンスSQpre 、SQima が終わると音が止むから、患者は再び息をすることができる。以下、「プ、プ、プ、…、プ」の息止め準備音の度に同様の息止めを繰り返す。
【0109】
したがって、本実施形態のMRI装置によっても、第2の実施形態と同一または同様の作用効果を得ることができる。加えて、間欠息止めの手法のバリエーションを広げることができ、患者が第2または第3のいずれの間欠息止めが適しているか(やり易いか)を練習などを通して見極めることで、さらに3D法のECG同期撮影における息止めの確実化を図ることができる。
【0110】
前述した第2、3の実施形態では、MTパルス列やCHESSパルスを印加する事前シーケンスを伴うパルスシーケンスに間欠息止め法を適用することを特徴としたが、これらの実施形態で実施する間欠息止め法は、3D撮影の他のパルスシーケンスに適用することも勿論可能である。
【0111】
第4の実施形態
続いて、本発明に係る間欠息止め法の1つの実施形態を図7〜8に基づき説明する。
【0112】
この実施形態では、3次元(3D)のSPEED(Swap Phase Encode Extended Data)法と呼ばれる撮影を実施し、このSPEED法に本発明の間欠息止め法を適用する。
例えば、3D撮影におけるスライスエンコード毎の繰り返し時間TRの周期内にて、MR信号収集後の期間を自由に呼吸をする自由呼時間帯とし、この時間帯は上記音を発生させる。この音のパターンを予め被検者に知らせておくことが望ましい。最後の音を目安として、次の息止めを行ってもらうようにする。またダイナミック撮影において造影前と造影後で数回撮影するような場合には、自由呼吸の時間帯を傾斜磁場印加に伴う音で知らせる。これにより、被検者は音という分かり易い指示媒体を通して、また、一定間隔で鳴る音のリズムに乗って(呼吸を合わせて)次の息止めを準備できるため、間欠息止めを確実に実行可能になる。さらに、自動音声を併用することもでき、その場合にもかかる音の数が役に立つので、被検者の間欠息止めが容易になる。
【0113】
このSPEED法は、例えば論文「JMRI, Miyazaki.m.et al., 98 March/April 」で報告されているように、位相方向を変えてデータ収集する2Dや3Dの撮像法である。3DのSPEED法による撮像のときには、スライスエンコード方向は固定した状態で、位相エンコード方向を変えて複数回、画像データを収集することを特徴とする。そして、画像データを処理する段階で、位相エンコード方向の組毎に3次元原データを画像再構成し、複数組の3次元画像データを相互に、画素毎に合成して最終的な1組の3次元画像データに生成する。
【0114】
ここでは、スライス方向を不変とした状態で、位相エンコード方向と読出し方向をスキャン毎に交換しながら複数回のスキャンが実行される。図7に、ホスト計算機6およびシーケンサ5によって指令されるスキャンの概要を示す。
【0115】
このスキャンでは、位相エンコード方向を変えるSPEED法に加えて、心電同期法および間欠息止め法が採用されている。心電同期の同期タイミングを決める遅延時間TD は、データ収集期間が最適な時間帯となるように事前に適宜に設定されている。
【0116】
例えば、図8(a),(b)に示す如く、腹部を3次元撮像する場合のボリューム領域のデータ収集は、RLse1 ,HFse1 ,RLse2 ,HFse2 ,…,RLsen ,HFsen の順序で各回のスキャンが2n回(nは2以上の整数)、例えば「Fast Asymmetric SE」法で実施される。スキャンRLseまたはHFseは、ボリューム領域の3次元生データを提供するスライスエンコード傾斜磁場の各スライスエンコード量に対する心電同期のシングルスキャンを表す。しかし、スキャンRLseとスキャンHFseでは位相エンコード方向が異なる。スキャンRLseの場合、図8(b)の実線矢印X1で示すように、位相エンコード方向が患者の体の左右方向に設定される。これに対し、スキャンHFseの場合、同図の点線矢印X2で示すように、位相エンコード方向は患者の上下(頭部/脚部)方向に設定され、左右方向とは90度異なる。添字se1…senは、各スキャンに対するスライスエンコードの傾斜磁場量を表す。この例示シーケンスでは、同一のスライスエンコード量se1(…sen)について第1、第2の心電同期スキャンが実施され、この2回のスキャンがスライスエンコード量を変えながら順次繰り返される。
【0117】
このように胸腹部などを撮影する場合、呼吸性のアーチファクトを防止する観点から息止めは必須である。しかし、3次元撮影では、全体の撮像時間は長くなるので、1回の息止めは困難である。このため息止めは間欠的に実施される。しかも、この間欠息止め法は、息止め期間Tbhと自由呼吸期間Tsp(データ収集期間)の切り分けタイミングを傾斜磁場印加に伴う音で被験者に知らせる、ことを特徴としている。
【0118】
この切り分けのタイミングとして、例えば、図7の場合、スキャンRLse1とHFse1とを1組とし、この1組のスキャンを続ける間を息止め期間Tbhとする。そして、次のデータ収集までの空き期間(例えば、同図の場合、スキャンHFse1とRLse2との間の期間)を自由呼吸期間Tspとして、この呼吸期間Tspを傾斜磁場印加による息止め準備音で被験者に知らせる。この息止め準備音は、前述の実施形態と同様に、X軸、Y軸、および/またはZ軸方向に音発生用の傾斜磁場パルス列Gsd,…,Gsdを印加することで発生させる。このパルス列Gsd,…,Gsdに拠る息止め準備音は、例えば、「ピッ、ピッ、ピッ、…、ピッ」といった一定間隔で断続的に鳴る音である。
【0119】
息止め準備音の大きさや音色は、傾斜磁場パルス列Gsd,…,Gsdの各パルス波形のパラメータを調整することで適宜に制御される。また、息止め準備音の間隔、すなわち自由呼吸期間Tspの間に発生する印加音の数は、被験者の自然体での呼吸間隔(呼吸ペース)を事前にチェックしておいて、その呼吸間隔に合わせることが特に望ましい。
【0120】
画像再構成は、位相エンコード方向が左右方向に設定された3次元生データの1組で、また位相エンコード方向が上下方向に設定された3次元生データの別の1組でそれぞれ個別に実施される。再構成された両方の3次元画像データは画素毎に合成されて1組の3次元画像データに生成される。例えば、各スライスエンコード毎に、位相エンコード方向の異なる2フレームのデータ間のMIP処理がなされ、最終的な3次元のMRAデータに生成される。この合成処理は、画素毎の加算処理や加算平均処理であってもよい。
【0121】
このように本実施形態によれば、心電同期スキャンを行うときの同期タイミング(上述した遅延時間TD )が予め最適化されるので、診断部位を流れる血流などのエンティティが発生するエコー信号が最も高くなる状態でスキャンが実施される。血流速度が相対的に遅くなったり、フローボイド現象に因ってエコー信号の強度が相対的に低下または殆ど零となる状態を確実に回避できる。最適化された同期タイミングで安定した、高描出能のMRA像を提供することができる。また高速SE系のパルスシーケンスを使用すると、サスセプタビリティや形態の歪みの点での優位性も当然に享受することができる。
【0122】
また、本実施形態によれば、位相エンコード方向を変えて収集したエコーデータの複数枚の画像から新規な合成画像を得る。この合成画像は位相エンコード方向の変更に拠って、とくに、T2 時間の短めな血流の描出能に優れている。この理由は、位相エンコード方向の画素値の強調(ぼけ)の効果を積極的に利用し、この強調効果を得た画像を複数枚合成することにある。したがって、縦横無尽に走行している肺血管などの血管に対し、その走行方向情報を殆ど欠落させることがない。血流の方向性の情報確保に優れ、高いS/Nおよび実質部の高いコントラストで描出することができ、診断能の向上に寄与可能になる。
【0123】
さらに、本実施形態の間欠息止め法によれば、傾斜磁場パルスの印加に伴う音により息止め期間/自由呼吸期間を被験者に知らせるので、以下のように種々の利点が得られる。
【0124】
第1に、撮影用に使用するパルスシーケンスに、音発生用の傾斜磁場パルス列Gsd,…,Gsdを付加するだけで済むから、ハード的に格別な装備を必要とせず、また音発生制御の処理も容易である。とくに、撮影用のパルスシーケンスやECG信号との同期を容易にとることができる。
【0125】
第2に、音発生用の傾斜磁場パルス列Gsd,…,Gsdのパラメータを制御して、息止め準備音の音色、強さ、間隔(数)などを容易に調整できる。とくに事前に、被験者の自然呼吸ペースに合わせた間隔音に設定しておくことができ、その場合、呼吸のペースを確保し易く、また、自由呼吸期間の次に来る息止め期間の開始タイミングを把握し易くなる。つまり、自由呼吸期間では「ピッ、ピッ、ピッ、…、ピッ」の息止め準備音に合わせて呼吸をしておいて、予め知らされている最後の数(または、それまでとは異なる音色の音)の音と共に息止めに入ることができる。このように、被験者にとって単純で分かり易い音の指示で息止めを準備できるので、息止め開始の目安が立て易く、息止め期間に確実にかつ容易に入ることができる。
【0126】
この息止めの確実化によって、当然に、呼吸性の体動に拠るアーチファクトを減らすことができる。
【0127】
一方、自動音声を併用する場合でも、息止め準備音の数で自由呼吸期間(すなわち、息止め開始タイミング)を知らせることができるので、被験者にとって間欠息止めが容易になる。
【0128】
第3に、オペレータの息止め指令に関わる労力が著しく軽減し、操作能率や装置の運用能率の向上に寄与するとともに、間欠息止めがうまくいかないことに起因した撮影のやり直しが少なくなり、患者スループットの改善される。
【0129】
第5の実施形態
本発明に係る間欠息止め法の別の実施形態を図9に基づき説明する。
【0130】
この実施形態では、3D−MRCP(MR cholangiopancreatography )のように3次元データを収集する撮影に、本発明の間欠息止め法を組み込んだ手法を提供する。この3次元撮影のときもスキャン時間が長くなるため、間欠的に息止めが必要である。とくに、T2の長いエンティティを描出するには、繰り返し時間を長く設定する必要があるので、1回の息止め期間の間に撮影することは困難である。
【0131】
そこで、図9に示す如く、スライスエンコード量SEを変える度に、息止め期間Tbhと自由呼吸期間Tspとを繰り返させるものである。データ収集のためのパルスシーケンスを印加しているとき(息止め期間Tbh)以外の時間帯を自由呼吸期間Tspとし、この間欠的な期間Tspを、傾斜磁場パルスGsd,…,Gsdの印加に拠る息止め準備音により被験者に知らせる。つまり、スライスエンコードSE1のときのデータ収集期間を息止め期間Tbhにし、次のスライスエンコードSE2までの繰り返し時間TR内の残りの時間帯を自由呼吸期間Tspとし、以下同様に繰り返す。
【0132】
傾斜磁場パルスGsd,…,Gsdの印加に拠る息止め準備音の制御は、第4の実施形態のときと同様である。この制御は、撮影のためのパルスシーケンスと一緒に、ホスト計算機6およびシーケンサ5により実行される。
【0133】
このように間欠的に息止めして得た各スライスエンコード量に対応して収集した原データを1組として、演算ユニット10は、これに3次元フーリエ変換を施して3次元画像データを得る。
【0134】
したがって、この実施形態によっても、前述した第4の実施形態のものと同等の作用効果を得ることができる。
【0135】
ところで、上述した第4、第5の実施形態では、MRアンギオグラフィ(MRA)を目的としていたが、撮像対象は血管のみに限定されず、繊維状に走行する組織等、任意の対象のものであってよい。とくに、T2時間が短めなものであれば、本発明に係る撮影を好適に実施できる。
【0136】
また、本発明に係る間欠息止め法を適用できる撮影法は、これまでの実施形態で説明したものに限定されることはなく、ほかの多くの撮影にも同様に実施できる。例えば、ダイナミック撮影の場合、造影前と造影後で数回撮影することが要求されることが多いが、このときも自由呼吸の期間(つまり、息止め開始のタイミング)を前述した傾斜磁場パルスの印加に伴う準備音で被検者に知らせて間欠息止めを実施できる。また、segmented FFE 法による心臓撮影など、断続的な撮影を行う撮影法に、本発明の間欠息止め法を実施することができる。
【0137】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のMRI装置によれば、非侵襲性の特性を生かして非造影のMRA画像を得ることができ、患者への精神的・体力的負担を著しく軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るMRI装置の一例を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態に係るパルスシーケンスの概要を示す図。
【図3】第1の実施形態に係るパルスシーケンスの詳細例を示す部分シーケンス図。
【図4】第1の実施形態の撮影領域を示す模式図。
【図5】第2の実施形態に係るパルスシーケンスの概要を示す図。
【図6】第3の実施形態に係るパルスシーケンスの概要を示す図。
【図7】第4の実施形態に係るパルスシーケンスの概要を画像処理の工程とともに示す図。
【図8】第4の実施形態の撮影領域を示す模式図。
【図9】第5の実施形態に係るパルスシーケンスの概要を示す図。
【符号の説明】
1 磁石
2 静磁場電源
3 傾斜磁場コイルユニット
4 傾斜磁場電源
5 シーケンサ
6 ホスト計算機
7 RFコイル
8T 送信器
8R 受信器
10 演算ユニット
11 記憶ユニット
12 表示器
13 入力器
14 音声発生器
17 ECGセンサ
18 ECGユニット

Claims (29)

  1. 被検体の心時相を表す基準波に同期したトリガ信号から所定時間遅延させて所定スライスエンコード量分のエコーデータを収集する動作を複数心拍毎に繰り返す3次元スキャンを行なうスキャン手段と、
    前記3次元スキャンにより得られたエコー信号に基づいて、MR造影剤を用いない前記被検体の関心領域の3次元血管画像を生成する画像化手段と、
    を備えることを特徴とするMRI装置。
  2. 請求項1記載のMRI装置において、
    前記被検体のスピンにMT効果を起こさせるMTパルスを印加する事前シーケンスと、
    この事前シーケンスの後に実行され且つ励起RF磁場に拠る1回のスピン励起に対して複数個のエコー信号を発生させるSE系のデータ収集シーケンスとを含むパルスシーケンスを実行する手段とを備え、
    前記画像化手段は、前記パルスシーケンスの実行に伴い発生する前記複数個のエコー信号を収集して画像化する手段であるMRI装置。
  3. 請求項2記載の発明において、前記MTパルスはパルス列を成す複数個のMTパルスから成り、この複数個のMTパルスの個数、その各MTパルスに与えるフリップ角、およびその各MTパルスに与えるオフ・レゾナンス周波数のパラメータの内、少なくとも1つのパラメータを変更可能であるMRI装置。
  4. 請求項2記載の発明において、前記事前シーケンスは、前記MTパルスの後に印加され且つ前記被検体の脂肪からのエコー信号の収集を抑制する脂肪抑制パルスを含むMRI装置。
  5. 請求項4記載の発明において、前記事前シーケンスは、前記脂肪抑制パルスの後に印加され且つスピンの位相をディフェーズする傾斜磁場スポイラを含むMRI装置。
  6. 請求項4記載の発明において、前記MTパルスおよび脂肪抑制パルスを形成するRFパルスの少なくとも一方は、スライス選択的またはスライス非選択的に印加されるMRI装置。
  7. 請求項4記載の発明において、前記MTパルスおよび脂肪抑制パルスを形成するRFパルスの少なくとも一方は、画像化範囲を考慮したスライス用傾斜磁場とともに印加するMRI装置。
  8. 請求項2記載の発明において、前記被検体のECG信号に同期して前記パルスシーケンスを開始させるECG同期手段と、前記被検体に前記ECG信号に従う間欠的な息止めを指令する息止め指令手段とを備えるMRI装置。
  9. 請求項8記載の発明において、前記息止め指令手段は、前記パルスシーケンスに時系列的に組み込まれるとともに傾斜磁場の印加に伴う音を発生させる音発生用パルスを傾斜磁場コイルに与える手段であるMRI装置。
  10. 請求項9記載の発明において、前記ECG同期手段は、前記ECG信号内の参照波のタイミングから所定遅延時間の後に前記パルスシーケンスを開始させるように構成した手段であり、前記息止め指令手段は、前記音発生用パルスを前記遅延時間の間に印加するように構成した手段であるMRI装置。
  11. 請求項9記載の発明において、前記ECG同期手段は、前記ECG信号内の参照波から所定遅延時間の後に前記パルスシーケンスを開始させるように構成した手段であり、前記息止め指令手段は、間欠的に実行する2つの前記パルスシーケンスの合間であって前記ECG信号内の参照波のタイミングから算出した時間帯に前記音発生用パルスを印加するように構成した手段であるMRI装置。
  12. 請求項9記載の発明において、前記息止め指令手段は、前記傾斜磁場の印加に伴う音と、コンピュータ合成した音声信号、視覚信号などその他の媒体によるメーセージとを併用して間欠的な息止めを指令するように構成したMRI装置。
  13. 請求項9記載の発明において、前記息止め指令手段は、前記傾斜磁場のパルスのスイッチング周波数、その傾斜磁場の印加強度、その傾斜磁場のスイッチング継続時間、およびその傾斜磁場の印加個数の各パラメータの内、少なくとも1つのパラメータを変更可能な手段であるMRI装置。
  14. 請求項2記載の発明において、前記データ収集シーケンスは、ハーフフーリエ法を用いた高速SE法に従うパルス列で形成されているMRI装置。
  15. 請求項2記載の発明において、前記SE系のデータ収集シーケンスは複数個のリフォーカスRFパルスを含み、このリフォーカスRFパルス間の時間間隔は6ms以下の値に設定されているMRI装置。
  16. 請求項2記載の発明において、前記SE系のデータ収集シーケンスは、RFパルスによるエコー間隔を8ms以下の値に設定されているMRI装置。
  17. 請求項1記載の発明において、
    前記スキャン手段の3次元スキャンは、前記被検体の脂肪からのエコー信号を抑制する脂肪抑制パルスの後に実行されるように構成したMRI装置。
  18. 請求項1記載の発明において、
    前記スキャン手段の3次元スキャンは、スピン位相分散用の傾斜磁場スポイラを含むパルスシーケンスであるMRI装置。
  19. 請求項1記載の発明において、
    前記スキャン手段の3次元スキャンは、遅延時間に対してk空間の中心付近から撮影開始を行なうように構成したMRI装置。
  20. 請求項1記載の発明において、
    前記スキャン手段は、ECG同期に対する遅延時間を任意の値に設定するMRI装置。
  21. 請求項1記載の発明において、
    前記画像化手段は、位相エンコード方向を変えて収集したエコーデータの複数枚の画像から合成画像を得るように構成したMRI装置。
  22. 請求項1記載の発明において、
    前記画像化手段は、前記3次元画像のデータから最大値投影処理を実施する構成としたMRI装置。
  23. 請求項1記載の発明において、
    前記スキャン手段は、前記所定スライスエンコード量分のエコーデータを、励起RF磁場に拠る1回のスピン励起に対して複数個のエコー信号を発生させるSE系のデータ収集シーケンスで収集するように構成したMRI装置。
  24. 請求項1記載の発明において、
    前記スキャン手段は、1回の励起パルスの印加後にリフォーカスパルスを複数個印加して複数個のエコー信号を発生させる動作を、1スライスエンコード量毎に行うように構成したMRI装置。
  25. 請求項23または24記載の発明において、
    前記スキャン手段は、前記所定スライスエンコード量分のエコーデータを、ハーフフーリエ法を用いたSE系のデータ収集シーケンスで収集するように構成したMRI装置。
  26. 請求項23または24記載の発明において、
    前記複数個のエコー信号の間隔は、8ms以下の値に設定されるように構成したMRI装置。
  27. 請求項23または24記載の発明において、
    前記複数個のエコー信号の間隔は、5ms以下の値に設定されるように構成したMRI装置。
  28. 請求項1、23、24および25のいずれか1項に記載の発明において、
    前記スキャン手段は、1スライスエンコード分のエコーデータを1心拍内に収集するように構成したMRI装置。
  29. 請求項1、23、24、25および28のいずれか1項に記載の発明において、
    前記スキャン手段は、各所定スライスエンコードにおいて前記遅延の時間でk空間の中 心付近からデータ収集を開始するように構成したMRI装置。
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