JPH0716217A - 磁気共鳴イメージング方法及びその装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング方法及びその装置

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JPH0716217A
JPH0716217A JP5150309A JP15030993A JPH0716217A JP H0716217 A JPH0716217 A JP H0716217A JP 5150309 A JP5150309 A JP 5150309A JP 15030993 A JP15030993 A JP 15030993A JP H0716217 A JPH0716217 A JP H0716217A
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JP5150309A
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Kazuo Higuchi
和夫 樋口
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の高速SE法と同じ撮影時間のまま、良好
なS/N比を確保し、且つ、シングルエコースキャン法
と同じマルチスライス枚数を確保する。 【構成】1つの90°パルスを印加して所望のスライス
を励起した後、複数個の180°パルスを順次印加し、
複数個のスピンエコー信号を、フーリエ空間を位相エン
コード位置に応じてリード方向の所定数の領域に分割し
たときの各分割領域内の位相エンコード位置毎に位相エ
ンコーディングを施して収集する。このとき、フーリエ
空間の零エンコード位置を含む分割領域に配置するスピ
ンエコー信号を収集するまで信号収集を継続し、フーリ
エ空間の信号未収集の分割領域に配置するデータを、信
号収集済みの分割領域に配置されたデータから複素共役
性を利用して推定演算し、この推定データを信号未収集
の分割領域に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、核磁気共鳴現象を利
用した磁気共鳴イメージング(MRI)方法及びその装
置に係り、とくに、高速でスキャン可能なマルチエコー
スキャン法を用いたイメージング方法及びその装置の改
善に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージングにおける画像デー
タの収集シーケンスには、現在、各種のものが使用され
ている。その一つに、90°パルス(励起パルス)及び
180°パルス(反転パルス)を使ったスピンエコー法
(SE法)がある。
【0003】このスピンエコー法の一つとして、図4に
示すシングルエコースキャン法が知られている。このス
キャン法は、90°パルスを印加した後、TE /2(T
E :所定のエコー時間)時間経過した時点で1個の18
0°パルスを印加し、この180°パルス印加に伴う1
個のスピンエコー信号を収集するとともに、この収集を
必要マトリクス数だけ繰り返すものである。なお、エコ
ー時間TE は、撮影部位及び静磁場強度などによって異
なる値で、例えば、0.5Tの静磁場の場合、TE =8
0〜120msecに設定される。
【0004】スピンエコー法にはさらに、撮影時間の短
縮を図るマルチエコースキャン法(以下、「高速SE
法」と言う)も知られている。この高速SE法は、1つ
の90度パルスと複数個の180°パルスを印加し、フ
ーリエ空間上の分割領域に対応した異なる位相エンコー
ディングを施した複数のスピンエコー信号を発生させ、
フーリエ空間上に配置するものである。例えば、図5に
示すように、最初の90°パルスの印加後、第1〜第3の
180°パルスを順次印加して、第1〜第3のスピンエ
コー信号を得る。このとき、第1〜第3のスピンエコー
信号には、フーリエ空間(k空間)上を位相エンコード
方向に3分割した3つの領域の個々の配置位置に対応し
た位相エンコーディングが施されており、この第1〜第
3のスピンエコー信号が個々の分割領域に配置される。
以下、このシーケンスを必要回数繰り返して、フーリエ
空間全体にデータを配置した後、2次元フーリエ変換を
行って画像2を得る。このスキャン方法は、一度の90
°励起によって、複数のスピンエコー信号を得ることが
できるため、撮影時間を大幅に短縮できる有利さを持っ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図5の高速SE法にあっては、所定のエコー時間TE
(ここでは、図示の如く、「90パルスから、フーリエ
空間のエンコード方向の零(0)エンコード位置を含む
2番目の分割領域のデータを得るための第2の180°
パルスまでの時間」を言う)の後においても第3のスピ
ンエコー信号を発生させるので、シーケンスの時間長が
増大し、図4に示すシングルエコースキャン法に比べ
て、マルチスライス枚数が減ってしまうという問題があ
った。
【0006】一方、マルチスライス枚数を減少させない
ようにするには、所定のエコー時間TE に相当するスピ
ンエコー信号が最終エコーになるようにする(例えば、
図4においてエコー時間TE を第3のスピンエコー信号
までとする)ことも想定される。しかし、この場合、各
エコー信号の信号収集時間を非常に短くせざるを得ない
ため、S/N比の劣化が著しく、一般に実用には供しな
い。
【0007】この発明は、上述した従来技術の問題に鑑
みてなされたもので、従来の高速SE法と比べて撮影時
間を延ばすことなく、良好なS/N比を確保し、且つ、
シングルエコースキャン法と同等のマルチスライス枚数
を得ることができる磁気共鳴イメージング方法及びその
装置を提供することを、目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、この発明に係る磁気共鳴イメージング方法では、静
磁場中に置かれた被検体に、1つの励起パルスを印加し
て所望のスライスを励起した後、複数個の反転パルスを
順次印加し、この複数個の反転パルスによって生じる複
数個のスピンエコー信号を、フーリエ空間を位相エンコ
ード位置に応じてリード方向の所定数の領域に分割した
ときの各分割領域内の位相エンコード位置毎に位相エン
コーディングを施して収集し、この複数の収集データを
各分割領域に配置するとともに、このデータ配置を必要
回数繰り返してフーリエ空間にデータを並べ、この並べ
たデータから画像を再構成する。前記複数個のスピンエ
コー信号の内、前記フーリエ空間の零エンコード位置を
含む分割領域に配置するスピンエコー信号を収集するま
で信号収集を継続し、前記フーリエ空間の信号未収集の
分割領域に配置するデータを、信号収集済みの分割領域
に配置されたデータから推定し、この推定データを当該
信号未収集の分割領域に配置する。
【0009】とくに、前記信号未収集の分割領域に配置
するデータを、信号収集済みの分割領域に配置されたデ
ータを使って前記フーリエ空間の複素共役性を用いて推
定演算する。
【0010】また、前記1つの励起パルスに拠る複数の
スピンエコー信号の収集終了から次の励起パルス印加ま
での間に、前記スライスとは異なるスライスについて、
上述した磁気共鳴イメージング方法を繰り返すこともで
きる。
【0011】また、この発明に係る磁気共鳴イメージン
グ装置は、静磁場中に置かれた被検体に、1つの励起パ
ルスを印加して所望のスライスを励起した後、複数個の
反転パルスを順次印加し、この複数個の反転パルスによ
って生じる複数個のスピンエコー信号を、フーリエ空間
を位相エンコード位置に応じてリード方向の所定数の領
域に分割したときの各分割領域内の位相エンコード位置
毎に位相エンコーディングを施して収集し、この複数の
収集データを各分割領域に配置するとともに、このデー
タ配置を必要回数繰り返してフーリエ空間にデータを並
べ、この並べたデータから画像を再構成する。そして、
前記複数個のスピンエコー信号の内、前記フーリエ空間
の零エンコード位置を含む分割領域に配置するスピンエ
コー信号を収集するまで信号収集を継続する手段と、前
記フーリエ空間の信号未収集の分割領域に配置するデー
タを、信号収集済みの分割領域に配置されたデータから
推定し且つこの推定データを当該信号未収集の分割領域
に配置する手段とを備える。
【0012】
【作用】この発明では、被検体のスライス面に1つの励
起パルスが印加されて、原子核スピンがy′軸へ90°
回転される。この後、複数個の反転パルスが順次、y′
軸に印加されて、スピンが180°、y′軸の回りに各
々回転される。これにより、スピンエコー信号が順次生
成される。このとき、フーリエ空間を位相エンコード位
置に応じて分割した各領域内の位置毎に、位相エンコー
ディングが施されており、フーリエ空間の各領域に配置
される。しかし、零エンコード位置を含むエンコード分
割領域に配置するスピンエコー信号に対応した反転パル
ス(エコー時間TE に相当)が印加された後、それ以降
の反転パルスは印加されず、信号収集も行われない。そ
して、フーリエ空間の信号未収集領域のデータは、それ
まで実測した収集済みの分割領域のデータから複素共役
性を用いて演算により推定され、この推定データがその
未収集領域に配置される。そして、フーリエ空間を2次
元フーリエ変換することにより、スライス面の画像が得
られる。
【0013】この結果、所定値のエコー時間TE までの
シーケンスによるスピンエコー信号に対する収集時間は
十分に確保される。また、エコー時間TE が経過した後
においては、実際には、信号収集が行われていないた
め、シーケンスの時間長が増大することもない。
【0014】また、1つの励起パルスに拠る複数のスピ
ンエコー信号の収集終了から次の励起パルス印加までの
間に、その励起に係るスライスとは異なるスライスにつ
いて、上述した磁気共鳴イメージング方法を繰り返すこ
とで、マルチスライス撮影にも適用できる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の一実施例を、図1〜図3を
参照して説明する。
【0016】この実施例に係る磁気共鳴イメージング装
置の概略構成を図1に示す。この磁気共鳴イメージング
装置は、静磁場発生用の磁石部と、静磁場に位置情報を
付加するための傾斜磁場部と、選択励起用及びMR信号
受信用の送受信部と、システムコントロール及び画像再
構成を担う制御・演算部とを備えている。
【0017】磁石部は、例えば超電導方式の磁石1と、
この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、被
検体Pが挿入される円筒状の診断空間のZ軸方向に静磁
場H0 を発生させる。
【0018】傾斜磁場部は、磁石1に組み込まれたX,
Y,Z軸方向の3組の傾斜磁場コイル3x〜3zと、こ
の傾斜磁場コイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場
電源4と、この電源4を制御する傾斜磁場シーケンサ5
とを備える。このシーケンサ5はコンピュータを備え、
装置全体のコントローラ6(コンピュータを搭載)から
高速SE法に係る収集シーケンスを指令する信号を受け
る。これにより、傾斜磁場シーケンサ5は、指令された
シーケンスにしたがってX,Y,Z軸方向の各傾斜磁場
の印加及びその強度を制御し、それらの傾斜磁場が静磁
場H0 に重畳可能になっている。この実施例では、互い
に直交する3軸の内のZ軸方向の傾斜磁場をスライス用
傾斜磁場GS とし、X軸方向のそれを読出し用傾斜磁場
R とし、さらにY軸方向のそれを位相エンコード用傾
斜磁場GE とする。
【0019】送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検
体Pの近傍に配設される高周波コイル7と、このコイル
7に接続された送信機8T及び受信機8Rと、この送信
機8T及び受信機8Rの動作タイミングを制御するRF
シーケンサ9(コンピュータを搭載)とを備える。この
送信機8T及び受信機8Rは、RFシーケンサ9の制御
のもと、核磁気共鳴(NMR)を励起させるためのラー
モア周波数のRF電流パルスを高周波コイル7に供給す
る一方、高周波コイル7が受信したMR信号(高周波信
号)に各種の信号処理を施してデジタル信号を形成する
ようになっている。
【0020】さらに、制御・演算部は、上述したコント
ローラ6のほか、受信機8Rで形成されたMR信号のデ
ジタルデータを入力し、後述する図3の処理を行って画
像データを演算する演算ユニット10と、演算した画像
データを保管する記憶ユニット11と、画像を表示する
表示器12と、入力器13とを備えている。演算ユニッ
ト10は、具体的には、メモリ空間である2次元フーリ
エ空間(図2参照)への実測データの配置、実測しない
空間領域のデータ推定、画像再構成のためのフーリエ変
換などの処理を行う。コントローラ6は傾斜磁場シーケ
ンサ5及びRFシーケンサ9の同期をとりながら、両者
の動作内容及び動作タイミングを制御する。
【0021】上記フーリエ空間(k空間:マトリクス数
はここでは「256×256」)は、図2に示すよう
に、そのエンコード方向のマトリクス数を3分割して
(端数は中心の零(0)エンコード位置付近でソフトウ
エアで処理する)、リード方向に延びる3つの分割領域
1 ,E2 ,E3 が予め設定されている。零エンコード
位置は、真ん中の分割領域E2 内に位置する。
【0022】これらの分割領域E1 〜E3 の内、図2の
上段及び真ん中の領域E1 ,E2 に配置される生データ
は、高速SE法によって生じる第1及び第2のスピンエ
コー信号S1 ,S2 を位相エンコーディングすることで
配置される。また、同図下段の領域E3 の生データは、
上段に配置された実測データからフーリエ空間の複素共
役性を利用した演算で推定され、配置される。
【0023】続いて、この実施例の動作を説明する。
【0024】まず、傾斜磁場シーケンサ5及びRFシー
ケンサ9は、コントローラ6から本発明に係る高速SE
法の収集シーケンスが指令されると、図2に示すよう
に、そのシーケンスに沿って被検体Pへの傾斜磁場の印
加及び高周波信号の送受信を制御する。
【0025】最初に、スライス用傾斜磁場GS が傾斜磁
場電源4から傾斜磁場コイル3z,3zを介して印加さ
れ、この傾斜磁場GS が一定値まで立上がった時点で送
信機8T及び高周波コイル7を介して90°パルス(励
起パルス)が1回だけ印加される。これにより、被検体
のマルチスライス面の中の一つを形成する所定スライス
幅の領域が選択励起されるとともに、その面内の原子核
スピンがy′軸(回転座標)までフリップする。
【0026】次いで、エンコード毎に強度が調整され
る、分割領域E1 の各エンコード位置に対応した位相エ
ンコード用傾斜磁場GE が傾斜磁場電源4から傾斜磁場
コイル3y,3yを介して被検体Pに印加される。これ
により、スライス面内の原子核スピンはエンコード方向
の位置に応じた位相だけ回転する。
【0027】次いで、上述と同様に、スライス用傾斜磁
場GS とともに第1の180°パルスP1 (反転パル
ス)が印加される。これにより、原子核スピンが 180
度、y′軸の回りに回転し、その後、第1のスピンエコ
ー信号S1 が生成される。このとき、読出し用傾斜磁場
R が傾斜磁場コイル3x,3xを介して印加されてお
り、第1のスピンエコー信号S1 は、その傾斜磁場GR
の立上がり期間中に高周波コイル7を介して収集され
る。
【0028】この後、上述と同様に、第2の180°パ
ルスP2 (反転パルス)がスライス用傾斜磁場パルスG
S と共に印加され、第2のスピンエコー信号S2 が生成
される。この第2のスピンエコー信号S2 は読出し用傾
斜磁場GR の印加と共に、高周波コイル7を介して収集
される。
【0029】この後、本実施例の傾斜磁場シーケンサ5
及びRFシーケンサ9は180°パルスの印加を中止す
る。つまり、スピンエコー信号の受信も図2に示す如
く、所定のエコー時間TE に相当する第2のスピンエコ
ー信号S2 の受信までで止められる。
【0030】以上のシーケンスは、「エンコード方向の
マトリクス数/3」回(例えば「256/3」回)繰り
返される(端数は、ソフトウエア的に処理される)。
【0031】この一連のシーケンスにより受信された第
1、第2のスピンエコー信号S1 、S2 は順次受信機8
Rに送られ、そこで増幅、中間周波変換、位相検波、低
周波増幅の処理を受けた後、デジタル信号に変換され
て、演算ユニット10に出力される。
【0032】演算ユニット10は、画像の再構成に関し
て、図3の処理を行う。つまり、同図ステップS1のよ
うに、コントローラ6からの再構成の指令を待ってお
り、その指令があると、ステップS2〜S6の処理を順
次行う。
【0033】ステップS2では、収集データがメモリ上
のフーリエ空間(k空間)に配置される。つまり、第1
のスピンエコー信号S1 の生データは、図2に示すフー
リエ空間の上段の分割領域E1 に、第2のスピンエコー
信号S2 のそれは中段の分割領域E2 に、各々、図中上
から順にエンコード毎に配置されていく(図2の矢印
A,B参照)。下段の分割領域E3 に対応する生データ
は送られてこないため、この段階で、その分割領域E3
にデータが配置されることはない。
【0034】この生データの配置は、データ収集が完了
したことをコントローラ6から知らされ、ステップS3
でYESと判断されるまで続けられる。
【0035】この分割領域E1 及びE2 に対するデータ
収集が完了すると、ステップS4に移行して、残された
下段の分割領域E3 、すなわち未収集の領域にデータを
配置するため、共役データの推定演算を行う。2次元フ
ーリエ変換(2DFT)法において、収集したMRエコ
ーデータをE(ξ,η)、推定するデータをD(ξ,
η)とすれば、フーリエ空間上のデータの複素共役性か
ら、
【数1】 が成り立つ(式中のラインは複素共役を示す)。そこ
で、上段の分割領域E1 の配置データ(つまり実測デー
タ)を用い、上記共役性の式により、下段の分割領域E
3 のデータを数学的に推定演算し、領域E3 に配置す
る。
【0036】次いでステップS5に移行し、フーリエ空
間のデータに2次元フーリエ変換を施し、画像を再構成
する。再構成された画像のデータは、ステップS6にて
記憶ユニット11に保管される。
【0037】この後、次のスライス面に対して同様の処
理が繰り返される。
【0038】以上の如く処理することにより、全体の撮
影時間は図5記載のもの(すなわち、所定のエコー時間
E に相当するエコー信号の後でも、他のエコー信号を
収集する)と同じ場合でも、第1、第2のスピンエコー
信号S1 、S2 を得るためのシーケンス時間長を同図記
載のものと同一に設定できる。このため、エコー信号の
収集時間を、同図記載のものと同様に十分に確保できる
ので、S/N比を低下させることはない。すなわち、良
好なS/N比が確保される。さらに、実質的に画像の高
周波成分の信号強度が上がるため、画像の分解能も向上
する。
【0039】以上説明した手法を用いてマルチスライス
撮影を行うには、あるスライスについて第2のスピンエ
コー信号S2 の収集が終了してから次の90°パルスを
印加するまでの間に、他のスライスについて同様のシー
ケンスを繰り返せばよい。
【0040】ここで、信号収集は実際には所定のエコー
時間TE までに止められているため、各エンコード毎の
シーケンスの最終時間は第2のスピンエコー信号S2
でとなる。この結果、シーケンスの時間長が図5記載の
改善前の高速SE法のように増大することはなく、エコ
ー信号の収集が終了してから次の90°パルスを印加す
るまでに十分な時間を採ることができるので、同図記載
の手法で見られたマルチスライス枚数の減少という事態
を回避でき、図4記載のシングルエコースキャン法と同
一の多数のマルチスライス枚数を確保できる。
【0041】なお、この発明における分割領域の数は、
上述した3つに限定されるものではなく、例えば5個或
いは7個であってもよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、複数
個のスピンエコー信号の内、フーリエ空間の零エンコー
ド位置を含む分割領域に配置するスピンエコー信号を収
集するまで信号収集を行い、信号未収集の分割領域に配
置するデータを、信号収集済みの分割領域に配置された
データから複素共役性に基づいて推定演算し、この推定
データを信号未収集の分割領域に配置する、いわゆるハ
ーフフーリエ変換法を採用した。このため、従来の高速
SE法に比べて、撮影時間が同じでも、良好なS/N比
及び分解能、解像度を確保できるとともに、シングルエ
コースキャン法と同等の多数のマルチスライス枚数を確
保できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の磁気共鳴イメージング装置を示すブ
ロック図。
【図2】この発明の改善された高速SE法のシーケンス
及び画像再構成手順を模式的に説明する説明図。
【図3】演算ユニットの画像再構成手順を示す概略フロ
ーチャート。
【図4】シングルエコースキャン法を示す概略シーケン
ス図。
【図5】改善前のマルチエコースキャン法(高速SE
法)を示す概略シーケンス図。
【符号の説明】
1 磁石 2 静磁場電源 3x〜3y 傾斜磁場コイル 4 傾斜磁場電源 5 傾斜磁場シーケンサ 6 コントローラ 7 高周波コイル 8T 送信機 8R 受信機 9 RFシーケンサ 10 演算ユニット 11 記憶ユニット 12 表示器 13 入力器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静磁場中に置かれた被検体に、1つの励
    起パルスを印加して所望のスライスを励起した後、複数
    個の反転パルスを順次印加し、この複数個の反転パルス
    によって生じる複数個のスピンエコー信号を、フーリエ
    空間を位相エンコード位置に応じてリード方向の所定数
    の領域に分割したときの各分割領域内の位相エンコード
    位置毎に位相エンコーディングを施して収集し、この複
    数の収集データを各分割領域に配置するとともに、この
    データ配置を必要回数繰り返してフーリエ空間にデータ
    を並べ、この並べたデータから画像を再構成する磁気共
    鳴イメージング方法において、前記複数個のスピンエコ
    ー信号の内、前記フーリエ空間の零エンコード位置を含
    む分割領域に配置するスピンエコー信号を収集するまで
    信号収集を継続し、前記フーリエ空間の信号未収集の分
    割領域に配置するデータを、信号収集済みの分割領域に
    配置されたデータから推定し、この推定データを当該信
    号未収集の分割領域に配置することを特徴とした磁気共
    鳴イメージング方法。
  2. 【請求項2】 前記信号未収集の分割領域に配置するデ
    ータを、信号収集済みの分割領域に配置されたデータを
    使って前記フーリエ空間の複素共役性を用いて推定演算
    する請求項1記載の磁気共鳴イメージング方法。
  3. 【請求項3】 前記1つの励起パルスに拠る複数のスピ
    ンエコー信号の収集終了から次の励起パルス印加までの
    間に、前記スライスとは異なるスライスについて、前記
    請求項1記載の磁気共鳴イメージング方法を繰り返すこ
    とを特徴とした磁気共鳴イメージング方法。
  4. 【請求項4】 静磁場中に置かれた被検体に、1つの励
    起パルスを印加して所望のスライスを励起した後、複数
    個の反転パルスを順次印加し、この複数個の反転パルス
    によって生じる複数個のスピンエコー信号を、フーリエ
    空間を位相エンコード位置に応じてリード方向の所定数
    の領域に分割したときの各分割領域内の位相エンコード
    位置毎に位相エンコーディングを施して収集し、この複
    数の収集データを各分割領域に配置するとともに、この
    データ配置を必要回数繰り返してフーリエ空間にデータ
    を並べ、この並べたデータから画像を再構成する磁気共
    鳴イメージング装置において、 前記複数個のスピンエコー信号の内、前記フーリエ空間
    の零エンコード位置を含む分割領域に配置するスピンエ
    コー信号を収集するまで信号収集を継続する手段と、前
    記フーリエ空間の信号未収集の分割領域に配置するデー
    タを、信号収集済みの分割領域に配置されたデータから
    推定し且つこの推定データを当該信号未収集の分割領域
    に配置する手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イ
    メージング装置。
JP5150309A 1993-06-22 1993-06-22 磁気共鳴イメージング方法及びその装置 Pending JPH0716217A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11299753A (ja) * 1998-04-17 1999-11-02 Toshiba Corp Mri装置およびmr撮像方法
US8131338B2 (en) 1998-04-17 2012-03-06 Kabushiki Kaisha Toshiba MR imaging providing tissue/blood contrast image

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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