JP4253411B2 - Mri装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体内のスピン(原子核スピン)の磁気共鳴現象に基づいてその内部を画像化するMRI(磁気共鳴イメージング)装置に係り、造影剤を用いることなく、動静脈相画像を得るMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴イメージングは、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをそのラーモア周波数の高周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するMR信号から画像を再構成する撮像法である。
【0003】
この磁気共鳴イメージングの分野において、肺野や腹部の血流像を得る場合、臨床的には、被検体に造影剤を投与して血管造影を行うMRアンギオグラフィが行われ始めている。しかし、この造影MRアンギオグラフィ法は、造影剤を投与することから侵襲的な処置が必要で、何よりもまず、患者の精神的、体力的な負担が大きい。また、検査コストも高い。さらに、患者の体質などによっては造影剤を投与できない場合もある。
【0004】
造影剤を投与できない又は投与しない場合、それに代わる手法として、タイム・オブ・フライト(time−of−flight:TOF)法、位相コントラスト(phase contrast:PC)法などが知られている。
【0005】
この内、タイム・オブ・フライト法及び位相コントラスト法は、血流などの流れの効果を利用する手法である。流れの効果は移動するスピンが有する2つの性質のいずれかによって起こる。1つは、スピンが単純に位置を移動させることで、2つ目は、傾斜磁場の中をスピンが移動することによって生じる横磁化の位相シフトに依る。この内、前者の位置移動に基づく手法がTOF法であり、後者の位相シフトに基づく手法が位相コントラスト法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したTOF法や位相コントラスト法にしても、肺野や腹部のMRA像を得る場合であって、大動脈などの大血管の上下方向(superior−inferior direction)の流れを描出しようとすると、血流方向と垂直なスライスを撮像する必要がある。つまり、スライス方向をその上下方向に合わせてアキシャル像を撮影する必要がある。このため、2次元スライス像の場合、血流の流れに沿った画像にはならない。このため、3次元画像を得ようとすると、スライス枚数が多くなって、撮像全体の時間が長くなるという問題がある。
【0007】
そこで、この問題を打破すべく、FBI(Fresh Blood Imaging)法と呼ばれる撮像法が特願平11−112548号公報によって提案されている。FBI法は、予め最適に設定した遅延時間でECG同期を掛けて、R波の出現毎に心臓から拍出されるフレッシュで安定した速い流速の血流を捕捉するとともに、繰返し時間TRの短めの設定(静止実質部の縦緩和時間が不充分な状態に設定される)、IR(反転)パルスや脂肪抑制パルスの印加(脂肪信号の抑制)などを含む撮像条件の設定により実質部からの信号値を抑制するという状態で3次元スキャンを行い、これにより血流を描出する手法である。この結果、造影剤を使用しなくても、比較的短時間の内に血流像を得ることができる。
【0008】
このFBI法を用いて動静脈を分離した血流像を得ようとすると、適宜に設定したECG同期の異なる時相で3次元スキャンを2回行い、この2回の3次元スキャンによって収集された3次元エコーデータで又はその3次元エコーデータを再構成した3次元画像データで画素同士の重付け差分を演算し、これにより動静脈を分離した画像を得なければらない。
【0009】
つまり、FBI法の場合にも、2回の3次元スキャンを行う必要があるため、全体のスキャン時間が長くなること、2回のスキャン相互間において患者の位置が変化したことに因るミスレジストレーションが生じて、差分されて得られる血流画像の画質が劣化し易いこと等、解決しなければならない問題があった。
【0010】
本発明は、このような従来技術の現状を打破するためになされたもので、造影剤を投与することなく、短いスキャン時間で、且つ、高画質の血流画像を得るMRイメージングを提供することを、その第1の目的とする。
【0011】
また、本発明は、上述した第1の目的に加え、同一撮像で収集されたエコーデータから異なるタイプの血流画像を容易に得ることができ、これにより、提供する血流情報の豊富化を図ることができるMRイメージングを提供することを、その第2の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した第1及び第2の目的を達成するため、本発明のMRI装置は、被検体の1心拍内に複数の異なる時相を設定する時相設定手段と、この時相設定手段により設定された2つの異なる時相にてそれぞれ第1のk空間の位相エンコード方向における低周波領域を成す中心領域にエコーデータを配置するためのエコー信号を発生させるパルスシーケンスに拠るMR撮像用のハーフフーリエ法に基づく第1のスキャンおよび第2のk空間の位相エンコード方向における低周波領域を成す中心領域と高周波領域を成す両端部の内の一方とにエコーデータを配置するためのエコー信号を発生させるパルスシーケンスに拠るMR撮像用のハーフフーリエ法に基づく第2のスキャンを順次開始して複数組のエコーデータを収集するスキャン手段と、前記第1のスキャンによりエコーデータが収集される第1のk空間及び前記第2のスキャンによりエコーデータが収集される第2のk空間それぞれにて前記ハーフフーリエ法に応じてエコーデータを演算により生成し配置する演算手段と、前記第1のk空間上で残っている未収集領域に前記第2のk空間の対応する領域のエコーデータを複写する複写手段とを有し、前記スキャン手段により収集された複数組のエコーデータから血流の画像を生成する血流像生成手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
好適には、前記2つの異なる時相は、前記被検体の心周期の収縮期と拡張期とに属する2時相である。さらに好適には、前記スキャン手段は、前記1心拍中の収縮期内の前記時相で開始する第1のスキャンと、前記1心拍中の拡張期内の前記時相で開始する第2のスキャンとを同一スライス又は同一スライスエンコードに対して別々のパルスシーケンスで実行する手段である。
【0015】
更に好適には、前記血流生成手段は、前記第1のk空間のエコーデータ又はその画像データと前記第2のk空間のエコーデータ又はその画像データとの間で差分演算を行って動脈相画像に関するエコーデータ又はその画像データを得る動脈相画像生成手段を備える。例えば、その差分演算は重付け差分演算として行われる。
【0016】
また、前記血流生成手段は、前記動脈相画像生成手段から得られた動脈相画像に関するエコーデータ又はその画像データと前記第2のk空間のエコーデータ又はその画像データとの間で差分演算を行って静脈相画像に関するエコーデータ又はその画像データを得る静脈相画像生成手段を備えていてもよい。
【0017】
上述した各構成において、例えば、前記MR撮像用の第1および第2のスキャンは3次元スキャンである。また、一例として、前記スキャン手段は、前記MR撮像用の第1および第2のスキャンをEPI(エコープラナーイメージング)法、又はFSE(高速SE)法に拠るパルスシーケンスで実行する手段である。
【0018】
さらに、前記時相設定手段は、一例としては、前記被検体の心時相を表す信号を検出する検出手段と、この検出手段により検出される信号中に現れる周期的な心拍参照波からの異なる時刻にて前記被検体の撮像部位に準備用MRシーケンスを複数回実行して複数枚のMR画像を得る準備手段と、この準備手段により得られた複数枚のMR画像から前記2つの時相を決める手段とを備える。例えば、前記心時相を表す信号は前記被検体のECG信号であり、前記心拍参照波はそのECG信号のR波である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態を、図1〜図14を参照して説明する。
【0022】
この実施形態にかかるMRI(磁気共鳴イメージング)装置の概略構成を図1に示す。
【0023】
(1)装置の構成
このMRI装置は、被検体Pを載せる寝台部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、高周波信号を送受信する送受信部と、システム全体のコントロール及び画像再構成を担う制御・演算部と、被検体Pの心時相を表す信号としてのECG信号を計測する心電計測部とを備えている。
【0024】
静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場Hを発生させる。なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられている。このシムコイル14には、後述するホスト計算機の制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のための電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
【0025】
傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイルユニット3は、互いに直交するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の傾斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコイル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はまた、x,y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケンサ5の制御のもとで、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
【0026】
傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、物理軸である3軸(X軸,Y軸,Z軸)方向の傾斜磁場を合成して、互いに直交するスライス方向傾斜磁場G、位相エンコード方向傾斜磁場G、および読出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場Gから成る論理軸方向を任意に設定・変更することができる。スライス方向、位相エンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は静磁場Hに重畳される。
【0027】
送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。この送信器8T及び受信器8Rは後述するシーケンサ5の制御のもとで動作する。送信器8Tは、核磁気共鳴(NMR)を励起させるためのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に供給する。受信器8Rは、RFコイル7が受信したMR信号(高周波信号)を取り込み、これに前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリングなどの各種の信号処理を施した後、A/D変換してMR信号のデジタルデータ(原データ)を生成する。
【0028】
さらに、制御・演算部は、シーケンサ(シーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器12、入力器13、及び音声発生器16を備える。この内、ホスト計算機6は、記憶したソフトウエア手順(図示せず)により、シーケンサ5にパルスシーケンス情報を指令するとともに、装置全体の動作を統括する機能を有する。
【0029】
このMRI装置は、予め設定した2つの同期タイミング(心時相)に基づく心電同期法に拠るスキャンを実行可能なことを特徴の1つとしている。この2つの同期タイミングの内、一方は拡張期における最適時相を、もう一方は収縮期における最適時相に設定される。
【0030】
ホスト計算機6は、図2に示すように、この2時相の同期タイミング(R波からの遅延時間)を決めるための準備用パルスシーケンスを実行する準備用スキャン(以下、ECG−prepスキャンという)、及び、それらの同期タイミングに基づいて行う心電同期法に拠るイメージング用スキャン(以下、イメージングスキャンという)を、図示しないメインプログラムを実行する中で行う。イメージングスキャンは、この2時相に対するスキャンを1つの繰返し時間TRとする撮像で行う(すなわち、2次元スキャンの場合、この繰返し時間TRの間に2時相に対する2画像分のエコーデータが収集され、3次元スキャンの場合、その繰返し時間TRの間に1スライスエンコード量に基づいて2時相に対する2フレーム分のエコーデータが収集される)。
【0031】
ECG−prepスキャンの実行ルーチンの一例を図3に、心電同期法に拠るイメージングスキャンの実行ルーチンの一例を図6、7にそれぞれに示す。
【0032】
このようにECG−prepスキャンによって心電同期の最適な同期タイミングを決め、この心電同期タイミングでその後のエコーデータ収集のスキャンを行うことで、血流を確実に捕捉でき、かつ、心臓から吐出されたフレッシュな血液を常にスキャンすることができる。
【0033】
シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシーケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電源4、送信器8T、受信器8Rの動作を制御するとともに、受信器8Rが出力したMR信号のデジタルデータを一旦入力し、これを演算ユニット10に転送するように構成されている。ここで、パルスシーケンス情報とは、一連のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信器8Tおよび受信器8Rを動作させるために必要な全ての情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関する情報を含む。
【0034】
このパルスシーケンスとしては、フーリエ変換法を適用したものであれば、2次元(2D)スキャンまたは3次元スキャン(3D)のものであってもよいが、とくに、スキャン時間短縮の効果は3次元スキャン時の方が大きい。また、このようなスキャンに使用するパルス列の形態としては、高速SE法、EPI(Echo Planar Imaging;エコープラナーイメージング)法、FASE(Fast Asymmetric SE)法(すなわち、高速SE法にハーフフーリエ法を組み合わせたイメージング法)など、各種の形態のものを採用できる。
【0035】
また、演算ユニット10は、受信器8Rが出力したデジタルデータ(原データ又は生データとも呼ばれる)を、シーケンサ5を通して入力し、その内部メモリによるk空間(フーリエ空間または周波数空間とも呼ばれる)にそのデジタルデータを配置し、このデータを1組毎に2次元または3次元のフーリエ変換に付して実空間の画像データに再構成する。また演算ユニットは、必要に応じて、画像に関するデータの合成処理や差分演算処理(重付け差分処理も含む)も実行可能になっている。この合成処理には、画素毎に加算する処理、最大値投影(MIP)処理などが含まれる。また、上記合成処理の別の例として、フーリエ空間上で複数フレームの軸の整合をとって原データのまま1フレームの原データに合成するようにしてもよい。なお、加算処理には、単純加算処理、加算平均処理、重み付け加算処理などが含まれる。
【0036】
記憶ユニット11は、再構成された画像データのみならず、上述の合成処理や差分処理が施された画像データを保管することができる。表示器12は画像を表示する。また入力器13を介して、術者が希望する同期タイミング選択用のパラメータ情報、スキャン条件、パルスシーケンス、画像合成や差分の演算に関する情報をホスト計算機6に入力できる。
【0037】
音声発生器16は、ホスト計算機6から指令があったときに、息止め開始および息止め終了のメッセージを音声として発することができる。
【0038】
さらに、心電計測部は、被検体の体表に付着させてECG信号を電気信号として検出するECGセンサ17と、このセンサ信号にデジタル化処理を含む各種の処理を施してホスト計算機6およびシーケンサ5に出力するECGユニット18とを備える。この心電計測部による計測信号は、ECG−prepスキャンと心電同期のイメージングスキャンとのそれぞれを実行するときにシーケンサ5に必要に応じて用いることができる。これにより、心電同期法の同期タイミングを適切に設定でき、この同期タイミングに基づく心電同期のイメージングスキャンを行ってデータ収集できるようになっている。
【0039】
(2)ECG−prepスキャン
次に、ECG−prepスキャンによる最適な同期タイミングの決定処理を図3〜図5に基づき説明する。
【0040】
ホスト計算機6は、図示しない所定のメインプログラムを実行している中で、入力器13からの指令に応答して、図3に示すECG−prepスキャンを実行開始する。
【0041】
最初に、ホスト計算機6は、ECG−prepスキャンを実行するスキャン条件およびパラメータ情報を入力器13から読み込む(同図ステップS1)。スキャン条件には、スキャンの種類、パルスシーケンス、位相エンコード方向などが含まれる。パラメータ情報には、心電同期の同期タイミング(時相)を決めるための初期時間T(ここでは、ECG信号中のR波のピーク値からの経過時間)、時間増分に刻み幅Δt、回数カウンタCNTの上限値などが含まれ、これらのパラメータは操作者に任意に設定できる。
【0042】
なお、本実施形態では、初期時間T、刻み幅Δt、及び回数カウンタCNTの上限値を1R−R期間の内の拡張期(動脈相及び静脈相が共に描出されている時相)から収縮期(静脈相のみが描出されている時相)までを比較的、万遍無く網羅できる値に設定されている。たとえば、初期時間T=0に設定してもよい。
【0043】
次いで、ホスト計算機6は、シーケンスの実行回数をカウントする回数カウンタCNTおよび同期タイミングを決めるための時間の増分パラメータTincをクリヤする(CNT=0,Tinc=0:ステップS2)。この後、ホスト計算機6は音声発生器16にメッセージデータを送出して、例えば「息を止めて下さい」といった息止め指令を被検体(患者)に対して行わせる(ステップS3)。この息止めは、ECG−prepスキャン実行中の被検体の体動を抑制する上で実施する方が好ましいが、場合によっては、息止めを実施しない状態でECG−prepスキャンを実行するようにしてもよい。
【0044】
このように準備が整うと、ホスト計算機6はステップS4以降の処理を順次実行する。これにより、心電同期の同期タイミングを変更しながらのスキャン実行に移行する。
【0045】
具体的には、R波のピーク到達時間からの遅延時間TDLが、TDL=T+Tincにより演算される(ステップS4)。次いで、ECGユニット18で信号処理されたECG信号が読み込まれ、その信号中のR波のピーク値が出現したか否かが判断される(ステップS5)。この判断処理はR波出現まで繰り返される。R波が出現すると(ステップS5,YES)、ステップS4で演算したその時点の遅延時間TDLがR波ピーク時間から経過したかどうかが続いて判断される(ステップS6)。この判断処理も遅延時間TDLが経過するまで続けられる。
【0046】
R波のピーク時刻から遅延時間TDLが経過すると(ステップS6,YES)、各回のパルスシーケンスの開始をシーケンサ5に指令する(ステップS7:図4参照)。このパルスシーケンスは、好ましくは、後述するイメージング用パルスシーケンスと同一タイプに設定され、例えば、高速SE法にハーフフーリエ法を組み合わせた2D−FASE(Fast Asymmetric SE)法である。勿論、このシーケンスには高速SE法、EPI法など、各種のものを採用できる。この指令に応答し、シーケンサ5は操作者から指令された種類のパルスシーケンスの実行を開始するので、被検体の所望部位の領域がスキャンされる。このECG−prepスキャンは、例えば、画像データ収集用のイメージングスキャン(本スキャン)が3次元(3D)法の場合、2次元(2D)スキャンで行ってもよいし、イメージングスキャンの領域に合わせた3次元スキャンで行ってもよい。本実施形態では、イメージングスキャンは3次元スキャンとして実行するが、ECG−prepスキャンはスキャン時間短縮の観点から2次元スキャンとして実行する。ECG−prepスキャンの使命に鑑みると、2次元スキャンでも十分である。
【0047】
上記シーケンス実行開始の指令後、回数カウンタCNT=CNT+1の演算が行われ(ステップS8)、さらに、時間の増分パラメータTinc=ΔT・CNTの演算が行われる(ステップS9)。これにより、パルスシーケンスの実行を指令した各回毎に回数カウンタCNTのカウント値が1ずつ増加し、また同期タイミングを調整する増分パラメータTincがそのカウント値に比例して増加する。
【0048】
次いで、各回のパルスシーケンスの実行に必要な予め定めた所定期間(例えば500〜1000msec程度)が経過するまでそのまま待機する(ステップS10)。さらに、回数カウンタCNTが予め定めた上限値になったか否かを判断する(ステップS11)。同期タイミングを最適化させるために、遅延時間TDLを各種の時間値に変更しながら、例えば5枚の2次元像を撮影する場合、回数カウンタCNT=5に設定される。回数カウンタCNT=上限値に到達していない場合(ステップS11,NO)、ステップS5の処理に戻って上述した処理が繰り返される。反対に、回数カウンタCNT=上限値に到達した場合(ステップS11,YES)、息止め解除の指令が音声発生器16に出され(ステップS12)、その後の処理はメインプログラムに戻される。息止めの音声メッセージは例えば「息をして結構です」である。
【0049】
上述の処理を順次実行すると、一例として、図4に示すタイミングで準備用のパルスシーケンスが実行されたことになる。例えば、初期時間T=300msec,時間刻みΔT=100msecを指令していたとすると、第1回目のシーケンスに対する遅延時間TDL=300msec、第2回目のそれに対する遅延時間TDL=400msec、第3回目のそれに対する遅延時間TDL=500msec、…といった具合に同期タイミングを決する遅延時間TDLが調整される。
【0050】
このため、息止め指令後の最初のR波がピーク値に達すると、その到達時刻から遅延時間TDL(=T)後に、例えば2次元FASE法に基づく第1回目のスキャンIMGprep1が所定時間(500〜1000msec)継続し、エコー信号が収集される。このシーケンス継続中に次のR波が出現した場合でも、図3のステップS10の待機処理があるので、このR波出現には何等関与されずに、シーケンスは続けられる。つまり、ある心拍に同期して開始されたシーケンスの実行処理は次の心拍にまたがって続けられ、エコー信号が収集される。
【0051】
そして、回数カウンタCNTが所定値に到達していない場合、ステップS5〜ステップS11の処理が再び実行される。このため、図4の例では、3番目のR波が出現してピーク値に達すると、この到達時点から遅延時間TDL=T+Tinc=400msecが経過した時点で、第2回目のスキャンIMGprep2が所定時間継続し、同様にエコー信号が収集される。このスキャンが終わって次のR波が出現すると、遅延時間TDL=T+2・Tinc=500msecが経過すると、第3回目のスキャンIMGprep3が所定時間継続し、同様にエコー信号が収集される。さらに、このスキャンが終わって次のR波が出現すると、遅延時間TDL=T+3・Tinc=600msecが経過すると、第4回目のスキャンIMGprep3が所定時間継続し、同様にエコー信号が収集される。このスキャンが所望回数、例えば5回続き、合計5フレーム(枚)の同一断面のエコーデータが収集される。
【0052】
エコーデータは順次、受信器8Rおよびシーケンサ5を経由して演算ユニット10に送られる。演算ユニット10はk空間(周波数空間)のエコーデータを2次元フーリエ変換法により実空間の画像データに再構成する。この画像データは血流像データとして記憶ユニット11に記憶される。ホスト計算機6は、例えば入力器13からの操作信号に応答して、この血流像を順次、シネ(CINE)表示する。
【0053】
つまり、図5に模式的に示す如く、例えば腹部の時相が相互に異なる2次元コロナル像が表示される。このコロナル像には、体内をほぼ上下方向に流れる動脈AR及び静脈VEが位置する。但し、撮像したタイミング、すなわちR波からの「遅延時間TDL=初期時間T+Tinc・Δt」が画像毎に異なる。術者はこれらの画像を目視観察して、動脈AR及び静脈VEが最も高信号に現れている画像及び静脈のみが最も高信号に現れている画像を選択する。この内、静脈VEのみが相対的に高信号に現れている画像に相当する遅延時間TDL1により、収縮期の同期タイミングTDL=TDL1が決められる。また、動脈AR及び静脈VEが相対的に高信号に現れている画像に相当する遅延時間TDL2により、拡張期の同期タイミングTDL=TDL2が決められる。
【0054】
したがって、術者は、このように遅延時間TDLをダイナミックに変えて撮像した複数枚の血流像から、収縮期及び拡張期夫々における最適な遅延時間TDLを目視判定で決し、この遅延時間TDLを引き続き行うイメージングスキャンに反映させる処理を例えば手動で行う。
【0055】
なお、目視観察で決めた画像を指定すると、その指定画像に与えられている遅延時間TDLを最適同期タイミングとして自動的に記憶し、このタイミングをTDLをイメージングスキャン時に自動的に読み出すようにソフトウエアを構築してもよい。これにより、ECG同期タイミングの自動指定処理が可能になる。
【0056】
さらに、上述したECG−prepスキャンにおいて、位相エンコード方向を大動脈等の血流方向に沿った方向(体軸方向)に意図的に設定している。これにより、位相エンコード方向をそれ以外の方向に設定した場合に比べて、血流方向(方向性)の情報を欠落させずに、より明瞭に撮像することができ、その描出能は優れたものになる。
【0057】
(3)イメージングスキャン
次に、この実施形態の心電同期法に拠るイメージングスキャンの動作を図6〜図14を参照して説明する。
【0058】
ホスト計算機6は、図示しない所定のメインプログラムを実行している中で、その一環として、入力器13からの操作情報に応答して図6及び7に示す処理を実行する。
【0059】
これを詳述すると、ホスト計算機6は、最初に、前述したECG−prepスキャンを通して操作者が決めた最適な2つの遅延時間TDL(つまり、収縮期の最適遅延時間TDL1及び拡張期の最適遅延時間TDL2(>TDL1))を例えば入力器13を介して入力する(ステップS20)。この最適遅延時間TDL1及びTDL2の情報は予め例えば記憶ユニット11内に記憶させておいてもよい。
【0060】
次いで、ホスト計算機6は操作者が入力器13から指定したスキャン条件(位相エンコードの方向、画像サイズ、スキャン回数、スキャン間の待機時間、スキャン部位に応じたパルスシーケンスなど)および画像処理法の情報(差分処理法及びその重付け係数、加算処理、最大値投影(MIP)処理など。加算処理の場合には、単純加算、加算平均処理、重み付け加算処理のいずれかなど)を入力し、遅延時間TDL1及びTDL2のを含むそれらの情報を制御データに処理し、その制御データをシーケンサ5および演算ユニット10に必要に応じて出力する(ステップS21)。
【0061】
次いで、スキャン前の準備完了の通知があったと判断できると(ステップS22)、ステップS23で息止め開始の指令を音声発生器14に出力する(ステップS23)。これにより、音声発生器14は、ECG−prepスキャン時と同様に「息を止めて下さい」といった内容の音声メッセージを発するから、これを聞いた患者は息を止めることになる(図8参照)。
【0062】
この後、ホスト計算機6はシーケンサ5にイメージングスキャン開始を指令する(ステップS24)。
【0063】
シーケンサ5は、イメージングスキャン開始の指令を受けると(図7:ステップS24−1)、ECG信号の読み込みを開始し(ステップS24−2)、ECG信号におけるR波(参照波形)のピーク値の所定n回目の出現を、そのピーク値に同期させたECGトリガ信号から判断する(ステップS24−3)。ここで、R波の出現をn回(例えば2回)待つのは、確実に息止めに移行した時期を見計らうためである。
【0064】
所定n回目のR波が出現すると、最初に、収縮期の特定時相用に設定した遅延時間TDL1だけ待機する処理を行う(ステップS24−4)。この遅延時間TDL1は、前述したように、ECG−prepスキャンにより対象とする収縮期の静脈流を撮像する上で最もエコー信号の強度が高くなり、そのエンティティの描出能に優れた値に最適化されている。
【0065】
この最適な遅延時間TDL1が経過した時点が最適な心電同期タイミングであるとして、シーケンサ5は収縮期に対するイメージングスキャンを実行する(ステップS24−5)。具体的には、既に記憶していたパルスシーケンス情報に応じて送信器8Tおよび傾斜磁場電源4を駆動し、例えば3次元FASE法のパルスシーケンスに基づく1回目のスライスエンコード量SE1の元でスキャン(第1のスキャン)SNsys1が図8に示す如く心電同期法により実行される(同図において位相エンコード方向傾斜磁場の図示は省略されている)。このとき、位相エンコード方向PEは指定されている方向、例えば図10に示すように、血流(動脈AR,静脈VE)の流れる方向にほぼ一致させるとよい。また、このパルスシーケンスにおけるエコー間隔は5msec程度に短縮される。
【0066】
なお、この収縮期におけるスキャンSNsysnに使用するパルスシーケンスは、図8に示す如く、エコー数が短く設定され、スキャン開始から1心拍内の僅かな時間で終わるようになっている。エコー数は、図9に模式的に示す如く、k空間の位相エンコードke方向の中心部(低周波領域)のみに配置するエコーデータをスライスエンコード量毎に収集するに足りるように設定されている。このため、その次の拡張期におけるスキャン(第2のスキャン)SNdianは、図8,9に示す如く、収縮期に対するスキャンSNsysnと同一の心拍において開始できるようになっている。また、収縮期用k空間(第1のk空間)Ksysにおいて不足するエコーデータは、後述する拡張用k空間(第2のk空間)Kdiaからのコピー及びハーフフーリエ法に拠る演算によって求められる(図9参照)。
【0067】
これにより、最初のスライスエンコード量SE1の元、約数百msec程度の短いスキャン時間で、例えば図10に示す如く下腹部に設定した3次元撮像領域Rimaからエコー信号が収集される。
【0068】
次いで、シーケンサ5は、拡張期におけるスキャン制御に移行する。具体的には、拡張期の特定時相用に設定した遅延時間TDL2だけ待機する処理を行う(ステップS24−6)。この遅延時間TDL2は、前述したように、ECG−prepスキャンにより対象とする拡張期の動静脈流を撮像する上で最もエコー信号の強度が高くなり、そのエンティティの描出能に優れた値に最適化されている。
【0069】
この最適な遅延時間TDL2が経過した時点が最適な心電同期タイミングであるとして、シーケンサ5は拡張期に対するイメージングスキャンを実行する(ステップS24−7)。具体的には、既に記憶していたパルスシーケンス情報に応じて送信器8Tおよび傾斜磁場電源4を駆動し、例えば3次元FASE法のパルスシーケンスに基づく1回目のスライスエンコード量SE1の元でスキャンSNsys2が図8に示す如く心電同期法により実行される(同図において位相エンコード方向傾斜磁場の図示は省略されている)。このパルスシーケンスにおけるエコー間隔は5msec程度に設定されている。
【0070】
なお、この拡張期におけるスキャンSNdianに使用するパルスシーケンスは、図8に示す如く、収縮期よりは多いが、ハーフフーリエ法を併用する分、k空間全部に充填するエコー数よりも少ないエコー数を収集するように設定されている。エコー数は、図9に模式的に示す如く、k空間の位相エンコードke方向の中心部(低周波領域)及びその一方の端部(高周波)のみに配置するエコーデータをスライスエンコード量毎に収集するに足りるように設定されている。拡張期用k空間Kdiaにおいて、不足するエコーデータは後述するようにハーフフーリエ法に拠って演算により求められる。この拡張期におけるスキャンSNdia1は、図8,9に示す如く、通常、次の心拍まで跨ってスキャンされる。
【0071】
これにより、最初のスライスエンコード量SE1の元、約600msec程度のスキャン時間で、例えば図10に示す如く下腹部に設定した3次元撮像領域Rimaからエコー信号が収集される。
【0072】
これらの1回目のイメージングスキャンが終了すると、シーケンサ5は、最終のイメージングスキャンが完了したかどうかを判断し(ステップS24−8)、この判断がNO(最終スキャンが済んでいない)の場合、ECG信号を監視しながら、例えばイメージングスキャンに使用したR波から例えば2心拍(2R−R)と、短めに設定した期間が経過するまで待機し、静止している実質部のスピンの縦磁化の回復を積極的に抑制する(ステップS24−9)。
【0073】
このように例えば2R−R分に相当する期間待って、例えばスキャン開始から3個目のR波が出現すると(ステップS2497,YES)、シーケンサ5は前述したステップS24−4にその処理を戻す。
【0074】
これにより、その3個目のR波ピーク値から遅延時間TDL1が経過した時点で次のスライスエンコード量SE2に応じて2回目の収縮期に対するスキャンSNsys2が前述と同様に実行され、3次元撮像領域Rimaからエコー信号が収集される(ステップS24−4,5)。さらに、3個目のR波ピーク値から遅延時間TDL2が経過した時点でスライスエンコード量SE2に応じて2回目の拡張期に対するスキャンSNdia2が前述と同様に実行され、3次元撮像領域Rimaからエコー信号が収集される(ステップS24−6,7)。
【0075】
以下同様に、最終のスライスエンコード量SEn(例えばn=8)までエコー信号が収縮期及び拡張期それぞれに対して収集される。
【0076】
スライスエンコード量SEnでの最終回のスキャンSNsysn,SNdianが終わると、ステップS24−8における判断がYESとなり、シーケンサ5からホスト計算機6にイメージングスキャンの完了通知が出力される(ステップS24−10)。これにより、処理がホスト計算機6に戻される。
【0077】
ホスト計算機6は、シーケンサ5からのスキャン完了通知を受けると(図6:ステップS25)、息止め解除の指令を音声発生器16に出力する(ステップS26)。そこで、音声発生器16は、例えば「息をして結構です」といった音声メッセージを患者に向けて発し、息止め期間が終わる(図8参照)。
【0078】
したがって、図8に模式的に示す如く、例えば2R−R毎に、収縮期及び拡張期に対する心電同期スキャンが例えば3D−FASE法によりn回(例えば8回)実行される。
【0079】
患者Pから発生したエコ信号は、各回のスキャン毎に、RFコイル7で受信され、受信器8Rに送られる。受信器8Rはエコー信号に各種の前処理を施し、デジタル量に変換する。このデジタル量のエコーデータはシーケンサ5を通して演算ユニット10に送られ、メモリで形成される収縮期及び拡張期用の3次元k空間Ksys及びKdia夫々に位相エンコード量及びスライスエンコード量に応じて配置される。
【0080】
(4)データ処理及び画像表示
このようにエコーデータ収集が終わると、ホスト計算機6は演算ユニット10に、図11に示す処理を実行するように指令する。
【0081】
図11に示す如く、演算ユニット6はホスト計算機6からの指令に応答して、収縮期用k空間Ksys及び拡張期用k空間Kdiaにおける全データ配置を完成させる(ステップS31,S32)。具体的には、ステップS31で、図9に示す如く、拡張期用k空間Kdiaにおける位相エンコード方向の一方の高周波領域のエコーデータ(図9では、番号h〜nまでのエコー)が収縮期用k空間Ksysの対応位置にコピーされる。このエコーデータは、収縮期用スキャンによっては収集されていなかった領域のデータである。次いで、ステップS32に移行して、収縮期用k空間Ksys及び拡張期用k空間Kdiaの両方にハーフフーリエ法を個別に適用して、エコーデータを収集していなかった残りの領域のデータを複素共役関係により演算し、これを配置する。したがって、ステップS31,S32の処理を通して、両方のk空間Ksys及びKdiaが全てデータで埋まる。
【0082】
この後、演算ユニット10は、収縮期用k空間Ksys及び拡張期用k空間Kdiaに夫々、3次元フーリエ変換による画像再構成を行う(ステップS33,S34)。この結果、図12(a),(b)に示す如く、収縮期における遅延時間TDL1の画像(収縮期画像)IMsys及び拡張期における遅延時間TDL2の画像(拡張期画像)IMdiaの3次元データが得られる。この画像データによれば、収縮期画像IMsysには静脈のみが映り込んでおり、動脈ARは殆ど映っていない状態にある。一方、拡張期画像IMdiaには動脈AR及び静脈VEが程度の差はあれ、共に映り込んでいる。
【0083】
そこで、演算ユニット10は、動脈相画像IMARを得るため、差分演算「IMdia−β・IMsys」を画素毎に行う(ステップS35)。ここで、βは重付け係数である。これにより、図12に示す如く、重付け係数βを適宜に設定することにより、静脈VEの画像データが殆ど零になり、動脈ARのみが映った動脈相画像IMARの3次元画像データが得られる。
【0084】
さらに、静脈相画像IMVEを得るため、差分演算「IMdia−β・IMAR」を画素毎に行う(ステップS36)。画像データIMARは上述の重付け差分により演算された画像データである。これにより、図13に示す如く、動脈ARの画像データが殆ど零になり、静脈VEのみが映った静脈相画像IMVEの3次元画像データが得られる。なお、この差分演算も重付け差分によって行ってもよい。
【0085】
このように差分演算が終わると、演算ユニット10は、両方の動脈相画像IMAR及び静脈相画像IMVE夫々について、MIP(最大値投影)処理を行って、所望方向からそれらの血管を観測したときの2次元画像(例えばコロナル像)のデータを作成する(ステップS37)。この動脈相及び静脈相の2次元画像は図14に示す如く、表示器12に表示されるとともに、それらの画像データは記憶ユニット11に格納される(ステップS38)。
【0086】
(5)効果
以上説明したように、本実施形態のMRI装置によれば、1心周期内の収縮期及び拡張期夫々に最適なスキャン開始タイミング(R波からの遅延時間)が設定され、それらのタイミング夫々にて1スライスエンコードに対する(即ち、1つの繰返し時間TR内で)収縮期及び拡張期の2ショットのスキャンが個別に順次実行される。しかも、1心周期内の最初に行う収縮期用スキャンは、後続の拡張期用スキャンに時間的に掛からないようにデータ収集時間(エコー数)を短くし、そこで収集したエコーデータは収縮期用k空間内のコントラスト向上の観点で最も重要な低周波領域に配置する。収縮期用k空間の不足するデータは、比較的長めにエコー収集を行うことができる後続の拡張期用スキャンで得たデータをコピーして補う。また、収縮期用及び拡張期用夫々のスキャンはハーフフーリエ法を採用し、スキャン時間を極力短く設定している。
【0087】
このため、通常、1スライスエンコードに対する(即ち、1つの繰返し時間TR)収縮期用及び拡張期用の2ショットのスキャンは2心拍程度内に収まるので、これらのスキャンを順次交互に繰り返すことで、1回の息止め継続可能期間内に収縮期及び拡張期の血流のエコーデータを3次元スキャンにより各別に且つ最適タイミングで収集することができる。つまり、収縮期及び拡張期の血流の3次元データが1回の撮像で各別に且つ最適タイミングで収集される。この収集データは前述した如く再構成及び差分処理に付されて動脈相画像及び静脈相画像が提供される。
【0088】
したがって、本実施形態によれば、収縮期及び拡張期について個別にイメージングスキャンを行う(つまり合計2回の撮像を行う)必要が無く、1回の撮像で済む。それゆえ、撮像時間が大幅に少なくて済み、患者スループットが上がる。とくに、かかる撮像時間の短縮効果は3次元撮像のときに顕著になる。また、患者の体動等に因るミスレジストレーションを大幅に減らすことができるので、提示される画像の画質も良くなる。さらに、1回の撮像で収集された2時相のエコーデータから動脈相及び静脈相を分離した血流像(MRA像)を得ることができるので、撮像効率が良く、また、提供される血流情報も豊富になる。
【0089】
また、ECG−prepスキャンによって収縮期及び拡張期に対する最適なECG同期タイミングを予め設定しているので、収縮期及び拡張期の各時相において狙った血流を確実に捕捉することができる。これにより、エコー信号強度が高く、S/Nのより優れた、そして血流コントラストの良い血流像が得られる。また一方では、心電同期タイミングの事前の最適設定により、撮像のやり直しを行う必要も殆ど無くなり、操作者の操作上の負担や患者の体力的、精神的負担も軽減される。
【0090】
また、繰返し時間TRおよびエコー間隔を短く設定するとともに、位相エンコード方向を血管走行方向にほぼ一致させ、かつ、スライス方向を患者の前後方向にとることができるので、TOF法などのような血流と垂直に撮影する手法と比較して、全体のスキャン時間が短くて済む。さらに、スライス方向の撮像範囲を短縮できる分、スライスエンコードの印加回数が少なくて済み、撮像全体の時間が従来のTOF法や位相エンコード法に比べて大幅に短縮される。これにより、患者の負担も少なく、患者スループットも上がる。
【0091】
さらに、造影剤を投与しなくても済むので、非侵襲に撮像でき、この点からも患者の精神的、体力的な負担が著しく軽くなる。同時に、造影効果のタイミングを計る必要があるなど、造影法固有の煩わしさからも解放されるとともに、造影法と違って、必要に応じて繰返し撮像が可能になる。
【0092】
さらに、位相エンコード方向を血管の走行方向と一致又は略一致させているので、ピクセルのぼけ(blurring)を積極的に利用でき、これにより、血管の走行方向の描出能にも優れている。撮像部位の血管走行方向応じて位相エンコード方向を変えることで、多様な部位に容易に対処できる。
【0093】
また、高速SE系のパルスシーケンスを使用しているので、サスセプタビリティや形態の歪みの点での優位性も当然に享受することができる。
【0094】
(6)変形例
なお、本発明は、上述した実施形態記載の構成に限定されるものではなく、さらに各種の変形構成や応用が可能である。
【0095】
例えば、上述した実施形態では、動脈相画像及び静脈相画像の両方を提示するようにしたが、これについては、動脈相画像のみを差分演算し、表示するようにしてもよい。すなわち、図11のステップS36における静脈相画像に対する差分演算を省くことができる。反対に、動脈相及び静脈相の画像の差分演算を共に行うものの、表示する画像は動脈動画像のみであってもよい。
【0096】
また、前述した実施形態にあっては、収縮期用及び拡張期用のスキャン夫々に対して、ハーフフーリエ法を適用したスキャン法を採用したが、このハーフフーリエ法は必ず採用しなくてもよい。その場合、拡張期用スキャンによりk空間をフルにデータ収集し、そのスライスエンコード方向両端の高周波領域のエコーデータを収縮期用k空間の対応領域に夫々コピーするとよい。
【0097】
さらに、前述した実施形態は3次元スキャンで行う場合を説明したが、これは2次元スキャンの撮像であっても同様に適用できる。採用するパルスシーケンスも、FASE法に限らず、FSE法やEPI法を採用してもよい。
【0098】
さらに、前述した実施形態のエコーデータの後処理は、エコーデータを一度、実空間の画像データに変換し、この後で差分演算を行って動脈相及び静脈相の画像を得るように構成しているが、かかる差分演算を、マトリクスサイズが同じk空間Ksys,Kdia上のエコーデータのままで行い、その差分結果であるエコーデータを再構成して血流画像を得るようにしてもよい。
【0099】
また、動脈相及び/又は静脈相の画像を得るには、本発明のように異なる2時相で収集したデータ間で差分する手法に限らず、異なるエコー間隔の画像間で差分する手法や、異なる実効TE時間の画像間で差分する手法を採用してもよい。エコー間隔が異なると、血流速に対する検出感度が変わり、動静脈間で血流速の違いを反映したエコーデータをそれぞれ収集でき、したがって、前述と同様の差分によってそれぞれの血流を画像化できる。また、実効TE時間が異なると、異なるT2値を持つ動静脈を差別化した状態でエコーデータをそれぞれ収集でき、したがって、前述と同様の差分によってそれぞれの血流を画像化できる。
【0100】
実施形態の説明は以上の通りであるが、本発明は実施形態記載の構成に限定されるものではなく、当業者においては、特許請求の範囲に記載の要旨を逸脱しない範囲で適宜に変更、変形可能なものであり、それらの構成も本発明に含まれる。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のMRI装置によれば造影剤を投与することなく、短いスキャン時間で、且つ、高画質の血流画像を得ることができる。さらに、同一撮像で収集されたエコーデータから、例えば動脈相画像及び静脈相画像など、異なるタイプの血流画像を容易に得ることができ、これにより、1回の撮像で提供できる血流情報の豊富化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るMRI装置の構成例を示す機能ブロック図。
【図2】実施形態におけるECG−prepスキャン及びイメージングスキャンの時系列関係を説明する図。
【図3】ホスト計算機が実行するECG−prepスキャンの手順を例示する概略フローチャート。
【図4】ECG−prepスキャンのECG信号に対する時系列関係を例示するタイミングチャート。
【図5】ECG−prepスキャンにより得られた、遅延時間をダイナミックに変化させたときのMRA像の模式図。
【図6】ホスト計算機が実行するイメージングスキャンの制御例を示す概略フローチャート。
【図7】シーケンサが実行するイメージングスキャンの制御例を示す概略フローチャート。
【図8】実施形態における心電同期法に基づくイメージングスキャンのタイミングを例示するタイミングチャート。
【図9】イメージングスキャンにおける2時相のデータ収集とそのデータを配置するk空間を模式的に説明する図。
【図10】3次元の撮像部位と撮像する血管との位置関係を説明する図。
【図11】演算ユニットにより実行される、エコーデータの演算処理を説明する概略フローチャート。
【図12】動脈相画像を得るための差分演算の概要を説明する模式図。
【図13】静脈相画像を得るための差分演算の概要を説明する模式図。
【図14】動脈相画像及び静脈相画像の同時表示状態を例示する図。
【符号の説明】
1 磁石
2 静磁場電源
3 傾斜磁場コイルユニット
4 傾斜磁場電源
5 シーケンサ
6 ホスト計算機
7 RFコイル
8T 送信器
8R 受信器
10 演算ユニット
11 記憶ユニット
12 表示器
13 入力器
17 ECGセンサ
18 ECGユニット

Claims (10)

  1. 被検体の1心拍内に2つの異なる時相を設定する時相設定手段と、
    この時相設定手段により設定された2つの異なる時相にてそれぞれ第1のk空間の位相エンコード方向における低周波領域を成す中心領域にエコーデータを配置するためのエコー信号を発生させるパルスシーケンスに拠るMR撮像用のハーフフーリエ法に基づく第1のスキャンおよび第2のk空間の位相エンコード方向における低周波領域を成す中心領域と高周波領域を成す両端部の内の一方とにエコーデータを配置するためのエコー信号を発生させるパルスシーケンスに拠るMR撮像用のハーフフーリエ法に基づく第2のスキャンを順次開始して複数組のエコーデータを収集するスキャン手段と、
    前記第1のスキャンによりエコーデータが収集される第1のk空間及び前記第2のスキャンによりエコーデータが収集される第2のk空間それぞれにて前記ハーフフーリエ法に応じてエコーデータを演算により生成し配置する演算手段と、前記第1のk空間上で残っている未収集領域に前記第2のk空間の対応する領域のエコーデータを複写する複写手段とを有し、前記スキャン手段により収集された複数組のエコーデータから血流の画像を生成する血流像生成手段と
    を備えたことを特徴とするMRI装置。
  2. 請求項1記載のMRI装置において、
    前記2つの異なる時相は、前記被検体の心周期の収縮期と拡張期とに属する2時相であることを特徴とするMRI装置。
  3. 請求項2記載のMRI装置において、
    前記スキャン手段は、前記1心拍中の収縮期内の前記時相で開始する第1のスキャンと、前記1心拍中の拡張期内の前記時相で開始する第2のスキャンとを同一スライス又は同一スライスエンコードに対して別々のパルスシーケンスで実行する手段であることを特徴とするMRI装置。
  4. 請求項記載のMRI装置において、
    前記血流生成手段は、前記第1のk空間のエコーデータ又はその画像データと前記第2のk空間のエコーデータ又はその画像データとの間で差分演算を行って動脈相画像に関するエコーデータ又はその画像データを得る動脈相画像生成手段を備えたことを特徴とするMRI装置。
  5. 請求項記載のMRI装置において、
    前記動脈相画像生成手段により実行される差分演算は重付け差分演算であることを特徴とするMRI装置。
  6. 請求項記載のMRI装置において、
    前記血流生成手段は、前記動脈相画像生成手段から得られた動脈相画像に関するエコーデータ又はその画像データと前記第2のk空間のエコーデータ又はその画像データとの間で差分演算を行って静脈相画像に関するエコーデータ又はその画像データを得る静脈相画像生成手段を備えたことを特徴とするMRI装置。
  7. 請求項1乃至の何れか一項に記載のMRI装置において、
    前記MR撮像用の第1および第2のスキャンは3次元スキャンであることを特徴とするMRI装置。
  8. 請求項1乃至の何れか一項に記載のMRI装置において、
    前記スキャン手段は、前記MR撮像用の第1および第2のスキャンをEPI(エコープラナーイメージング)法、又はFSE(高速SE)法に拠るパルスシーケンスで実行する手段であることを特徴とするMRI装置。
  9. 請求項乃至の何れか一項に記載のMRI装置において、
    前記時相設定手段は、前記被検体の心時相を表す信号を検出する検出手段と、この検出手段により検出される信号中に現れる周期的な心拍参照波からの異なる時刻にて前記被検体の撮像部位に準備用MRシーケンスを複数回実行して複数枚のMR画像を得る準備手段と、この準備手段により得られた複数枚のMR画像から前記2つの時相を決める手段とを備えたことを特徴とするMRI装置。
  10. 請求項記載のMRI装置において、
    前記心時相を表す信号は前記被検体のECG信号であり、前記心拍参照波はそのECG信号のR波であることを特徴とするMRI装置。
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