JPH11238572A - 温度制御装置およびその製造方法 - Google Patents

温度制御装置およびその製造方法

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JPH11238572A
JPH11238572A JP10040765A JP4076598A JPH11238572A JP H11238572 A JPH11238572 A JP H11238572A JP 10040765 A JP10040765 A JP 10040765A JP 4076598 A JP4076598 A JP 4076598A JP H11238572 A JPH11238572 A JP H11238572A
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JP
Japan
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base
linear body
control device
temperature control
heating
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Application number
JP10040765A
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English (en)
Inventor
Tomoya Kuriyama
知也 栗山
Tetsuo Onishi
哲雄 大西
Masaki Nobuhara
正樹 信原
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱・冷却を繰り返し行った場合にも、被温
度制御対象物のの温度制御を正確に行うことのできる温
度制御装置およびその製造方法を提供することを解決課
題とする。 【解決手段】 本発明では、冷却プレート(10)の表
面に単一の層状に敷設した発熱抵抗線状体(31)と、
この発熱抵抗線状体(31)を前記冷却プレート(1
0)の表面に圧接させる態様で該冷却プレート(10)
に固着させた蓋部材(33)と、前記冷却プレート(1
0)の表面と前記発熱抵抗線状体(31)との間および
前記蓋部材(33)と前記発熱抵抗線状体(31)との
間にそれぞれ介在させた低摩擦性絶縁シート(34)と
を備えるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基台の表面におい
てLCD基板や半導体ウェハ等の被温度制御対象物の温
度制御を行う温度制御装置およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、LCD(液晶表示ディスプレ
イ)装置の製造工程では、例えば、ITO(Indium Tin
Oxide)の薄膜や電極パターンをLCD基板(ガラス基
板)の上面に形成する際に、半導体製造工程で用いられ
るフォトリソグラフィ技術と同様の技術を適用してお
り、回路パターンを縮小してフォトレジストに転写し、
これを現像処理するようにしている。
【0003】すなわち、被処理基板である矩形状のLC
D基板が洗浄装置にて洗浄された後、アドヒージョン装
置にて該LCD基板に疎水化処理が施され、さらに冷却
処理装置にて冷却を施された後、レジスト塗布装置にて
当該LCD基板にフォトレジスト膜、つまり感光膜が塗
布形成される。
【0004】次いで、熱処理装置にてLCD基板のフォ
トレジスト膜が加熱され(ベーキング処理)、その後、
露光装置にて所定のパターンが露光される。
【0005】さらに、現像装置にてLCD基板に現像液
を塗布して現像し、その後リンス液で現像液を洗い流し
て現像処理が完了する。
【0006】上述した処理においては、LCD基板を加
熱する温度制御装置として、内部に発熱抵抗線状体を埋
設したホットプレートと称されるプレートが適用されて
おり、このプレートにおいて現像処理を完了したLCD
基板が室温レベルまで冷却されることになる。
【0007】一方、半導体の製造工程においては、塗布
したレジスト膜に残存する溶剤を取り除くために基板を
加熱するベーク等の加熱工程や、加熱した基板を室温レ
ベルまで冷却するクーリング等の冷却工程が含まれてい
る。
【0008】この半導体の製造工程で用いられる温度制
御装置としては、例えば、高熱伝導性材料によって成形
した中空のプレートと、このプレートの上面に設けた薄
膜ヒータと、プレートの中空部に対して冷却流体を循環
供給する流体循環供給系とを備え、該プレートの上面に
基板を載置させた状態で、薄膜ヒータおよび流体循環供
給系を択一的に作動させることにより、当該基板の加熱
・冷却を行うものが適用されている。
【0009】ここで、上述した薄膜ヒータとしては、一
般に、単一の層状に敷設した発熱抵抗線状体の表裏両面
をポリイミド等の絶縁性樹脂で被覆し、これを溶着シー
ト等の接着手段によってプレートの上面に接着したもの
(以下、単に接着式薄膜ヒータと称する)、あるいは溶
射や電着によってプレートの上面に直接形成したもの
(以下、単に溶射式薄膜ヒータと称する)が用いられて
いる。
【0010】以上説明したプレートを具備する温度制御
装置によれば、同一位置において被温度制御対象物の加
熱工程と冷却工程とを実行することができるため、省ス
ペース化および作業効率の著しい向上を図ることが可能
となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の温
度制御装置では、同一の位置で被温度制御対象物の加熱
・冷却が繰り返し交互に行われるため、プレートおよび
発熱抵抗線状体の両者に熱変形が発生する。
【0012】これらプレートおよび発熱抵抗線状体に発
生する熱変形は、それぞれ面方向に沿った伸縮変形が主
なものであるものの、これらプレートおよび発熱抵抗線
状体が、互いに熱膨張率が相違し、しかも埋設、あるい
は接着や溶射によって相互に一体となっているため、そ
れぞれを面外方向に向けて変形させる事態を招来するこ
とになる。
【0013】ここで、接着式薄膜ヒータを適用する温度
制御装置においては、発熱抵抗線状体がポリイミド等の
樹脂によって被覆されているため、プレートおよび薄膜
ヒータが面外方向に向けて変形した場合にも、当該樹脂
の弾性変形によってこれを吸収することができ、発熱抵
抗線状体に損傷を来す虞れはない。
【0014】しかしながら、プレートおよび薄膜ヒータ
の面外方向への変形が繰り返し発生した場合には、これ
らプレートと薄膜ヒータとの接着部に剥離が招来される
ことになり、被温度制御対象物の温度制御、特に加熱側
の温度制御を正確に行うことが困難となる。
【0015】一方、発熱抵抗線状体を埋設したものおよ
び溶射式薄膜ヒータを適用する温度制御装置では、上述
した接着式のものに比べてプレートとの接合力が強いた
め、これらに繰り返し面外方向への変形が発生した場合
にも、両者に剥離を来す虞れは少ない。
【0016】しかしながら、これらの温度制御装置にあ
っては、面外方向に向けて変形した場合にこれを吸収す
ることができないため、発熱抵抗線状体に直接破断等の
損傷を来し、被温度制御対象物の温度制御を行うことが
困難になる虞れがある。
【0017】本発明は、上記実情に鑑みて、加熱・冷却
を繰り返し行った場合にも、被温度制御対象物の温度制
御を正確に行うことのできる温度制御装置およびその製
造方法を提供することを解決課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段および作用効果】請求項1
に記載の発明では、基台の表面において被温度制御対象
物の温度制御を行う温度制御装置であって、前記基台の
表面に単一の層状に敷設した発熱抵抗線状体と、この発
熱抵抗線状体を前記基台の表面に圧接させる態様で該基
台に固着させた蓋部材と、前記基台の表面と前記発熱抵
抗線状体との間および前記蓋部材と前記発熱抵抗線状体
との間にそれぞれ介在させた絶縁層とを備えるようにし
ている。
【0019】この請求項1に記載の発明によれば、それ
ぞれ絶縁層を介して基台と蓋部材との間に発熱抵抗線状
体を圧接保持させるようにしているため、基台および層
状を成す発熱抵抗線状体が面外方向に向けて変形した場
合に、該発熱抵抗線状体がこれら基台および蓋部材に対
して適宜移動することが可能である。
【0020】したがって、発熱抵抗線状体の損傷を招来
することなくこれを基台に圧接させることができ、加熱
・冷却を繰り返し行った場合にも温度制御を正確に行う
ことができるようになる。
【0021】請求項2に記載の発明では、上述した請求
項1に記載の蓋部材として、基台との間に前記発熱抵抗
線状体の層を収容し、かつ内部が減圧保持される収容室
を構成するものを適用している。
【0022】この請求項2に記載の発明によれば、大気
圧の作用により、蓋部材を介して基台の表面に発熱抵抗
線状体を強固に圧接させることが可能となり、被温度制
御対象物の温度制御がより正確となる。
【0023】請求項3に記載の発明では、上述して請求
項1に記載の絶縁層として、耐熱性および摺動性を有し
たシート材を適用している。
【0024】この請求項3に記載の発明によれば、基台
および層状を成す発熱抵抗線状体が面外方向に向けて変
形した場合に、該発熱抵抗線状体が基台および蓋部材に
対してより容易に移動することができるようになるばか
りか、その製造過程において溶射や電着といった大規模
設備を必要とする工程が不要となり、製造作業の容易化
および製造コストの低減を図ることができるようにな
る。
【0025】請求項4に記載の発明では、上述して請求
項1に記載の蓋部材として、基台と同一の熱膨張率を有
するものを適用している。
【0026】この請求項4に記載の発明によれば、加熱
・冷却を繰り返し行った場合にも、同一の熱膨張率を有
した蓋部材の作用によって基台および層状を成す発熱抵
抗線状体の面外方向への変形そのものを防止することが
できるため、発熱抵抗線状体に損傷を来す事態を確実に
防止することが可能となり、被温度制御対象物の温度制
御をより正確に行うことができるようになる。
【0027】請求項5に記載の発明では、基台の表面に
おいて被温度制御対象物の温度制御を行う温度制御装置
であって、前記基台の表面に設けた発熱要素と、前記基
台と同一の熱膨張率を有し、前記発熱要素を覆う態様で
前記基台に固着させた蓋部材とを備えるようにしてい
る。
【0028】この請求項5に記載の発明によれば、加熱
・冷却を繰り返し行った場合にも、同一の熱膨張率を有
した蓋部材の作用によって基台および発熱要素の面外方
向への変形そのものを防止することができる。
【0029】したがって、発熱要素の損傷を招来するこ
となくこれを確実に基台に圧接させることができ、被温
度制御対象物を正確に温度制御することが可能となる。
【0030】請求項6に記載の発明では、上述した請求
項5に記載の発熱要素として、基台の表面を被覆する第
1の絶縁層と、この第1の絶縁層の表面に単一の層状に
敷設した発熱抵抗線状体と、この発熱抵抗線状体を被覆
する第2の絶縁層とを具備するものを適用している。
【0031】この請求項6に記載の発明においても、基
台および層状を成す発熱抵抗線状体の面外方向への変形
そのものを防止することができるため、発熱抵抗線状体
の損傷を招来することなくこれを確実に基台に圧接させ
ることができ、被温度制御対象物を正確に温度制御する
ことが可能となる。
【0032】請求項7に記載の発明では、基台の表面に
おいて被温度制御対象物の温度制御を行う温度制御装置
であって、絶縁性外皮によって被覆され、前記基台の表
面に単一の層状に敷設した発熱抵抗線状体と、この発熱
抵抗線状体の層表面を覆う態様で各発熱抵抗線状体の相
互間に位置する部位を介して前記基台に固着させた蓋部
材とを備えるようにしている。
【0033】この請求項7に記載の発明によれば、互い
に強固に固着された基台と蓋部材との間に発熱抵抗線状
体が圧接保持されることになるため、基台および層状を
成す発熱抵抗線状体が面外方向に向けて変形した場合で
あっても、該発熱抵抗線状体に損傷を来すことなくこれ
を確実に基台に圧接させることができ、加熱・冷却を繰
り返し行った場合にも、被温度制御対象物の温度制御を
正確に行うことが可能となる。
【0034】請求項8に記載の発明では、上述した請求
項7に記載の蓋部材として、基台と同一の熱膨張率を有
するものを適用している。
【0035】この請求項8に記載の発明によれば、同一
の熱膨張率を有した蓋部材の作用によって基台および層
状を成す発熱抵抗線状体の面外方向への変形そのものを
防止することができるため、発熱抵抗線状体に損傷を来
す事態を確実に防止することが可能となり、被温度制御
対象物の温度制御をより正確に行うことができる。
【0036】請求項9に記載の発明では、被温度制御対
象物を載置させる基台の表面に、耐熱性を有した第1の
低摩擦性絶縁シート材を配置する工程と、前記第1の低
摩擦性絶縁シート材の表面に発熱抵抗線状体を単一の層
状に敷設する工程と、耐熱性を有した第2の低摩擦性絶
縁シート材を前記発熱抵抗線状体の層表面に配置する工
程と、前記第1の低摩擦性絶縁シート材、前記発熱抵抗
線状体および前記第2の低摩擦性絶縁シート材をそれぞ
れ前記基台の表面に圧接させる態様で該基台に蓋部材を
固着させる工程とを含むようにしている。
【0037】この請求項9に記載の発明によれば、製造
過程において溶射や電着といった大規模設備を必要とす
る工程が不要となり、製造作業の容易化および製造コス
トの低減を図ることができるようになる。請求項10に
記載の発明では、被温度制御対象物を載置させる基台の
表面に第1の絶縁層を形成する工程と、前記第1の絶縁
層の表面に発熱抵抗線状体を単一の層状に敷設する工程
と、前記発熱抵抗線状体を被覆する態様で第2の絶縁層
を形成する工程と、前記第1の絶縁層、前記発熱抵抗線
状体および前記第2の絶縁層を覆う態様で前記基台と同
一の熱膨張率を有した蓋部材を該基台に固着させる工程
とを含むようにしている。
【0038】この請求項10に記載の発明によれば、基
台の表面により薄い発熱要素を形成することができ、被
温度制御対象物に対して熱応答性のよい温度制御装置を
製造することができる。
【0039】請求項11に記載の発明では、絶縁性外皮
によって被覆され、被温度制御対象物を載置させる基台
の表面に単一の層状に敷設した発熱抵抗線状体と、この
発熱抵抗線状体の層表面を覆う態様で各発熱抵抗線状体
の相互間に位置する部位を介して前記基台に固着させた
蓋部材とを備える温度制御装置の製造方法であって、前
記蓋部材における前記基台の表面に対向する部位に、予
め前記発熱抵抗線状体のそれぞれを収容するための凹部
を形成している。
【0040】この請求項11に記載の発明によれば、蓋
部材に予め凹部を形成しているため、該蓋部材を固着さ
せる際に、発熱抵抗線状体に直接圧力や熱の影響を与え
る虞れがない。
【0041】請求項12に記載の発明では、絶縁性外皮
によって被覆され、被温度制御対象物を載置させる基台
の表面に単一の層状に敷設した発熱抵抗線状体と、この
発熱抵抗線状体の層表面を覆う態様で各発熱抵抗線状体
の相互間に位置する部位を介して前記基台に固着させた
蓋部材とを備える温度制御装置の製造方法であって、前
記発熱抵抗線状体を敷設した基台の表面に、溶射によっ
て前記蓋部材を成形している。
【0042】この請求項12に記載の発明によれば、溶
射によって蓋部材を成形しているため、蓋部材に対して
切削や研削といった工程が不要となり、製造作業が容易
とする。
【0043】請求項13に記載の発明では、絶縁性外皮
によって被覆され、被温度制御対象物を載置させる基台
の表面に単一の層状に敷設した発熱抵抗線状体と、この
発熱抵抗線状体の層表面を覆う態様で各発熱抵抗線状体
の相互間に位置する部位を介して前記基台に固着させた
蓋部材とを備える温度制御装置の製造方法であって、前
記発熱抵抗線状体を敷設した基台の表面に、電着によっ
て前記蓋部材を成形している。
【0044】この請求項13に記載の発明によれば、電
着によって蓋部材を成形しているため、蓋部材に対して
切削や研削といった工程が不要となり、製造作業が容易
とする。
【0045】請求項14に記載の発明では、絶縁性外皮
によって被覆され、被温度制御対象物を載置させる基台
の表面に単一の層状に敷設した発熱抵抗線状体と、この
発熱抵抗線状体の層表面を覆う態様で各発熱抵抗線状体
の相互間に位置する部位を介して前記基台に固着させた
蓋部材とを備える温度制御装置の製造方法であって、前
記発熱抵抗線状体を敷設した基台の表面に、平板を圧接
することによって前記蓋部材を成形している。
【0046】この請求項14に記載の発明によれば、蓋
部材に対して発熱抵抗線状体に応じた切削や研削といっ
た工程が不要となり、製造作業が容易となる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、一実施の形態を示す図面に
基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係
る温度制御装置の第1実施形態を概念的に示したもので
ある。ここで例示する温度制御装置は、LCD基板にレ
ジスト膜を成膜するLCD装置の製造工程において、ベ
ーキング+クーリングを行う場合に用いられるもので、
最初に被温度制御対象物であるLCD基板Wを高温に加
熱し(ベーキング)、その後このLCD基板Wを室温ま
で冷却する(クーリング)というサイクルを繰り返す制
御を行う。すなわち、この温度制御装置は、加熱の際の
目標温度と、冷却の際の目標温度という2つの目標温度
をもっており、加熱・冷却を交互に繰り返す制御を行う
ものである。
【0048】同図1に示すように、この温度制御装置
は、図示していないチャンバの内部に冷却プレート(基
台)10を備えている。冷却プレート10は、アルミニ
ウムやアルミニウム合金、あるいはアルミナ(Al2
3 )等の熱伝導率の高い材質によって中空直方状に成形
したもので、その上面が水平となる状態で設置されてい
る。図には明示していないが、この冷却プレート10の
中空部11には、多孔性のユニフォーム部材を充填し、
あるいは多数のピン状フィンを配置することにより、そ
の表面積の増大が図られている。
【0049】また、この冷却プレート10は、底壁の中
央部に唯一の排出口12を有しているとともに、該底壁
における排出口12の周囲に位置する部位に複数の流入
口13を有しており、上記排出口12が排出通路20を
通じて蓄熱タンク21の返入口22に接続されている一
方、複数の流入口13が供給ポンプ23を備える共通の
供給通路24を通じて上記蓄熱タンク21の吐出口25
に接続されている。蓄熱タンク21は、その内部に温度
流体、具体的には、フッ化炭素液(=フロリナート:登
録商標)、エチレングリコール、オイル、水等の液体や
窒素、空気、ヘリウム等の気体の中から制御すべき目標
温度に応じて適宜選択したものを貯留し、かつチラータ
ンク26との間においてこの温度流体を循環させること
により、当該温度流体を20℃近傍の温度に調整維持す
るものである。なお、図中の符号27は、供給通路24
に介在させた開閉バルブである。
【0050】一方、冷却プレート10は、その上部に加
熱手段30を備えている。加熱手段30は、図3に示す
ように、相互に重なることなく、冷却プレート10の上
面に単一の層状に敷設した発熱抵抗線状体31と、この
発熱抵抗線状体31を冷却プレート10の上面に圧接さ
せた状態でこれを収容するための収容室32を構成する
蓋部材33と、発熱抵抗線状体31および冷却プレート
10の上面の間、並びに発熱抵抗線状体31および蓋部
材33の間にそれぞれ介在させた低摩擦性絶縁シート3
4と、冷却プレート10を通じて上記収容室32を外部
に連通させる吸気管35とを備えており、上記発熱抵抗
線状体31に所定の加熱電力を供給した場合に、蓋部材
33を介してLCD基板Wの加熱を行うものである。
【0051】発熱抵抗線状体31は、ニッケルクロム合
金や鉄クロム合金等のように、単位長さあたりの電気抵
抗が高い金属、あるいは合金によって構成したもので、
その全領域が等発熱密度となる形状に敷設している。
【0052】蓋部材33は、冷却プレート10と同一の
材質によって成形したもので、冷却プレート10の外周
縁部に立設した矩形枠状体33aと、冷却プレート10
の上面と同一の大きさを有した矩形薄板体33bとを備
えており、互いの間および冷却プレート10の上面との
間にそれぞれ電子ビーム溶接、あるいはレーザビーム溶
接等の溶接を施すことによって当該冷却プレート10の
上面に強固に固着させている。
【0053】低摩擦性絶縁シート34は、耐熱性および
絶縁性を有し、かつ摩擦係数の低い樹脂、例えばポリテ
トラフルオルエチレン(=テフロン:商品名)樹脂によ
って矩形の薄膜状に成形したもので、発熱抵抗線状体3
1と冷却プレート10の上面との間、並びに発熱抵抗線
状体31と蓋部材33との間にそれぞれ挟装保持されて
いる。
【0054】吸気管35は、図2に示すように、冷却プ
レート10を貫通する態様で該冷却プレート10に保持
させたもので、その上端部が冷却プレート10の上面に
合致する位置において開口している一方、図1に示すよ
うに、その下端部を真空ポンプ36に接続させている。
【0055】なお、図中の符号37は、冷却プレート1
0および蓋部材33を貫通する貫挿パイプ38によって
構成したサセプタピン貫挿孔である。
【0056】この加熱手段30は、例えば、図2に示す
ような手順で製造する。
【0057】すなわち、図2(a)に示すように、ま
ず、電子ビーム溶接、あるいはレーザビーム溶接等の溶
接を施すことによって冷却プレート10に吸気管35お
よび貫挿パイプ38を保持させ、この状態から図2
(b)に示すように、冷却プレート10の上面に低摩擦
性絶縁シート34を配置させた後、図2(c)に示すよ
うに、この低摩擦性絶縁シート34の上面に発熱抵抗線
状体31を所望の形状となるように敷設する。
【0058】この際、発熱抵抗線状体31としては、ニ
クロム線や鉄クロム線のように予め線状に構成されたも
のばかりではなく、平板から所望の形状に打ち抜いたも
のを適用してもよいし、マスキングを施した低摩擦性絶
縁シート34の上面に溶射、もしくは電着を施した後、
当該マスキングを除去することによって所望の形状に構
成したものを適用しても構わない。
【0059】次いで、図2(d)に示すように、敷設し
た発熱抵抗線状体31の層の表面に低摩擦性絶縁シート
34を配置させ、最後に、図2(e)に示すように、矩
形薄板体33bの裏面が、2枚の低摩擦性絶縁シート3
4を介して発熱抵抗線状体31を冷却プレート10の上
面に圧接させる態様で蓋部材33を冷却プレート10に
固着させればよい。このとき、貫挿パイプ38の上端部
と蓋部材33との間にも電子ビーム溶接、あるいはレー
ザビーム溶接等の溶接を施し、冷却プレート10と蓋部
材33とによって構成される収容室32を密閉しておく
ことが重要である。
【0060】以下、上記のように構成した温度制御装置
において、LCD基板Wの温度を高温状態と室温状態と
に交互に温度制御する場合の動作、すなわち、LCD基
板Wの温度を高温にして行うベーキングと、その後LC
D基板Wの温度を室温レベルまで冷却するクーリングと
を交互に実行する場合の動作について説明する。
【0061】まず、この温度制御装置では、起動待機状
態にある場合、供給ポンプ23を作動させた状態で開閉
バルブ27をOFFし、蓄熱タンク21に貯留した温度
流体を自己循環系28およびチラータンク26との間に
おいてそれぞれ循環させておく一方、吸気管35に接続
した真空ポンプ36を作動させ、加熱手段30に設けた
収容室32を減圧した状態に保持しておく。
【0062】この起動待機状態においては、蓄熱タンク
21に貯留されている温度流体が自己循環系28によっ
て循環されているため、当該蓄熱タンク21の内部にお
いて温度分布にばらつきが発生する虞れがない。また、
収容室32の内部が減圧保持されているため、蓋部材3
3における矩形薄板体33bの表面に作用する大気圧に
より、発熱抵抗線状体31が冷却プレート10の上面に
強固に圧接されることになる。
【0063】上述した起動待機状態から、レジストを塗
布したLCD基板Wが搬入され、サセプタピン貫挿孔3
7を介して適宜作動する図示していないサセプタピンに
よって当該LCD基板Wが加熱手段30の上面に載置さ
れると、発熱抵抗線状体31に所定の加熱電力が供給さ
れ、当該発熱抵抗線状体31が発熱状態となる。
【0064】この状態においては、発熱抵抗線状体31
から発生した熱が、蓋部材33の矩形薄板体33bを介
してLCD基板Wに伝達され、該LCD基板Wが直ちに
高温状態に加熱維持されることになり、当該LCD基板
Wに対するベーキングを良好に行うことが可能となる。
【0065】上述したベーキングが終了すると、今度
は、上述した加熱電力の供給が停止されるとともに、開
閉バルブ27がONされ、蓄熱タンク21に貯留された
20℃近傍の温度流体が供給通路24および排出通路2
0を通じて冷却プレート10の中空部11に循環供給さ
れる。
【0066】この状態においては、蓋部材33、発熱抵
抗線状体31および冷却プレート10を介してLCD基
板Wの熱が温度流体に放熱され、該LCD基板Wが直ち
に室温レベルに冷却維持されることになり、当該LCD
基板Wに対するクーリングを良好に行うことが可能とな
る。
【0067】以上のようにして、クーリングが終了する
と、LCD基板Wが新たなLCD基板Wと交換され、こ
の新たなLCD基板Wに対して同様にベーキングおよび
クーリングが行われる。
【0068】ところで、上述した動作の間においては、
冷却プレート10および発熱抵抗線状体31の温度が高
温状態から室温レベルまで変化するため、これら互いに
熱膨張率の異なり、かつ相互に一体的となった冷却プレ
ート10および発熱抵抗線状体31のそれぞれに熱変形
が発生することになる。
【0069】しかしながら、上記温度制御装置によれ
ば、発熱抵抗線状体31の表面側に冷却プレート10と
同一材質から成る蓋部材33を配置するようにしている
ため、つまり、発熱抵抗線状体31の表裏両面にそれぞ
れ同一熱膨張率の部材を配置しているため、発熱抵抗線
状体31の表面側の熱変形量と、裏面側の熱変形量とが
同一となり、冷却プレート10および層状を成す発熱抵
抗線状体31が面外方向に変形する事態を防止すること
ができる。
【0070】したがって、冷却プレート10および層状
を成す発熱抵抗線状体31の面外方向への変形に起因し
た発熱抵抗線状体31の損傷が発生する虞れもなく、L
CD基板Wを正確に温度制御し、ベーキングおよびクー
リングが良好に行われる。
【0071】しかも、上記温度制御装置によれば、発熱
抵抗線状体31と冷却プレート10の上面および蓋部材
33における矩形薄板体33bの裏面との各間に低摩擦
性絶縁シート34を介在させているため、互いに圧接さ
れた状態においても、これら低摩擦性絶縁シート34の
作用により、冷却プレート10の上面および蓋部材33
における矩形薄板体33bの裏面に対して発熱抵抗線状
体31が適宜移動できる。
【0072】したがって、仮に冷却プレート10および
層状を成す発熱抵抗線状体31に面外方向に向けて変形
が発生した場合であっても、発熱抵抗線状体31が適宜
移動することによってこれを吸収することが可能とな
り、当該発熱抵抗線状体31に損傷を来す虞れがない。
【0073】なお、上述した第1実施の形態では、発熱
抵抗線状体31と冷却プレート10の上面および蓋部材
33における矩形薄板体33bの裏面との各間に低摩擦
性絶縁シート34を介在させるようにしているため、製
造過程において溶射や電着といった大規模設備を必要と
する工程が不要となり、製造作業の容易化および製造コ
ストの低減を図ることができるものの、必ずしもシート
である必要はなく、これら冷却プレート10の上面およ
び蓋部材33における矩形薄板体33bの裏面にそれぞ
れ溶射や電着によって低摩擦性絶縁膜を形成しても構わ
ない。
【0074】また、上述した第1実施の形態では、蓋部
材33として冷却プレート10と同一の材質から成るも
のを適用しているが、冷却プレート10と同一の熱膨張
率を有した他の材質から成るものを適用してもよいし、
あるいは冷却プレート10とは熱膨張率の異なる材質か
ら成るものを適用しても構わない。
【0075】さらに、上述した第1実施の形態では、冷
却プレート10と蓋部材33とによって画成した収容室
32を減圧保持させるようにしているが、蓋部材33に
よって発熱抵抗線状体31を冷却プレート10に十分圧
接させることができれば、必ずしも減圧保持させる必要
はない。なお、収容室32を減圧保持する場合に上述し
た第1実施の形態では、使用中において常に真空ポンプ
36を作動させておく必要があるが、例えば収容室32
を減圧保持した状態で吸気管35を閉塞すれば、その後
真空ポンプ36を不要とすることができる。
【0076】図4は、本発明に係る温度制御装置の第2
実施形態を概念的に示したものである。ここで例示する
温度制御装置は、(1)ウェハ洗浄、(2)レジストコ
ーティング、(3)プリベーキング(110〜130
℃)+クーリング(20℃)、(4)露光、(5)現
像、(6)リンス、(7)ポストベーキング(120〜
150℃)+クーリング(20℃)、(8)エッチング
というプロセスを経てレジスト膜を成膜する半導体製造
工程において、上述したプリベーキング+クーリング、
またはポストベーキング+クーリングの際に用いられる
もので、最初に被温度制御対象物であるウェハWを高温
に加熱し(ベーキング)、その後このウェハWを室温ま
で冷却する(クーリング)というサイクルをウェハ単位
に数十秒間隔で繰り返す制御を行う。すなわち、この温
度制御装置は、加熱の際の目標温度と、冷却の際の目標
温度という2つの目標温度をもっており、加熱・冷却を
交互に繰り返す制御を行うものである。なお、この第2
実施形態で示す温度制御装置は、冷却プレートおよびこ
の冷却プレートの中空部に温度流体を供給するための手
段がそれぞれ第1実施形態で示した温度制御装置と同様
の構成であるため、つまり冷却プレートが直方状である
か円筒状であるかの点でのみ相違するものであるため、
これら同様の構成要素に関しては同一の符号を付してそ
れぞれの詳細説明を省略する。
【0077】同図4に示すように、この温度制御装置で
は、アルミニウムやアルミニウム合金、あるいはアルミ
ナ等の熱伝導率の高い材質によって中空円筒状に成形し
た冷却プレート10の上部に加熱手段40を構成してい
る。加熱手段40は、相互に重なることなく、冷却プレ
ート10の上面に単一の層状に敷設した発熱抵抗線状体
41と、この発熱抵抗線状体41の表裏両面を被覆する
絶縁膜42と、該絶縁膜42を冷却プレート10の上面
に圧接させた状態でこれを収容保持するための蓋部材4
3とを備えており、上記発熱抵抗線状体41に所定の加
熱電力を供給した場合に、蓋部材43を介してウェハW
の加熱を行うものである。
【0078】発熱抵抗線状体41は、ニッケルクロム合
金や鉄クロム合金等のように、単位長さあたりの電気抵
抗が高い金属、あるいは合金によって構成したもので、
図には明示していないが、その全領域が等発熱密度とな
る形状に敷設している。
【0079】絶縁膜42は、後述するように、第1の絶
縁層42aおよび第2の絶縁層42bを備えた上下2層
から成るもので、それぞれアルミナ、マグネシア(Mg
O)、低融点ガラス等の絶縁物によって成膜されてい
る。
【0080】蓋部材43は、冷却プレート10と同一の
材質によって成形したもので、冷却プレート10の外周
縁部に立設した円環状体43aと、冷却プレート10の
上面と同一の大きさを有した円形薄板体43bとを備え
ており、互いの間および冷却プレート10の上面との間
にそれぞれ電子ビーム溶接、あるいはレーザビーム溶接
等の溶接を施すことによって当該冷却プレート10の上
面に強固に固着させている。
【0081】この加熱手段40は、例えば、図5に示す
ような手順で製造する。
【0082】すなわち、図5(a)に示すように、ま
ず、電子ビーム溶接、あるいはレーザビーム溶接等の溶
接を施すことによって冷却プレート10に貫挿パイプ3
8を保持させ、この状態から図5(b)に示すように、
冷却プレート10の上面に上述した絶縁膜42の材料を
溶射、もしくは電着することによって該冷却プレート1
0の上面を第1の絶縁層42aによって被覆し、さらに
図5(c)に示すように、この第1の絶縁層42aの上
面に発熱抵抗線状体41を所望の形状となるように敷設
する。
【0083】この際、発熱抵抗線状体41としては、ニ
クロム線や鉄クロム線のように予め線状に構成されたも
のばかりではなく、平板から所望の形状に打ち抜いたも
のを適用してもよいし、マスキングを施した低摩擦性絶
縁シートの上面に溶射、もしくは電着を施した後、当該
マスキングを除去することによって所望の形状に構成し
たものを適用しても構わない。
【0084】次いで、図5(d)に示すように、敷設し
た発熱抵抗線状体41に上述した絶縁膜42の材料を溶
射、もしくは電着することによって該発熱抵抗線状体4
1を第2の絶縁層42bによって被覆し、最後に、図5
(e)に示すように、円形薄板体43bの裏面が第2の
絶縁層42bおよび第1の絶縁層42aを介して発熱抵
抗線状体41を冷却プレート10の上面に圧接させる態
様で蓋部材43を冷却プレート10に固着させればよ
い。
【0085】上記のように構成した第2実施形態の温度
制御装置においても、加熱手段40の上面にレジストを
塗布したウェハWを載置した状態で発熱抵抗線状体41
に所定の加熱電力を供給すると、当該発熱抵抗線状体4
1が発熱し、この発熱抵抗線状体41から発生した熱が
蓋部材43の円形薄板体43bを介してウェハWに伝達
されることになり、該ウェハWが直ちに150℃の温度
に加熱維持され、当該ウェハWに対するベーキングを良
好に行うことが可能となる。
【0086】一方、上述した加熱電力の供給を停止する
とともに、開閉バルブ27をONし、蓄熱タンク21に
貯留された20℃近傍の温度流体を、供給通路24およ
び排出通路20を通じて冷却プレート10の中空部11
に循環供給させれば、蓋部材43、発熱抵抗線状体41
および冷却プレート10を介してウェハWの熱が温度流
体に放熱されることになり、該ウェハWが直ちに20℃
の温度に冷却維持され、当該ウェハWに対するクーリン
グを良好に行うことが可能となる。
【0087】しかも、上記温度制御装置によれば、発熱
抵抗線状体41の表面側に冷却プレート10と同一材質
から成る蓋部材43を配置するようにしているため、つ
まり、発熱抵抗線状体41の表裏両面にそれぞれ同一熱
膨張率の部材を配置しているため、発熱抵抗線状体41
の表面側の熱変形量と、裏面側の熱変形量とが同一とな
り、冷却プレート10および層状を成す発熱抵抗線状体
41が面外方向に変形する事態を防止することができ
る。
【0088】したがって、冷却プレート10および層状
を成す発熱抵抗線状体41の面外方向への変形に起因し
た発熱抵抗線状体41の損傷が発生する虞れもなく、ウ
ェハWを正確に温度制御し、ベーキングおよびクーリン
グが良好に行われる。
【0089】なお、上述した第2実施の形態では、第1
の絶縁層42aと第2の絶縁層42bとをそれぞれ溶
射、もしくは電着によって成形するようにしているた
め、溶着シート等の接着手段を適用した場合に比べて、
一般に、冷却プレート10の上面および発熱抵抗線状体
41との接合力が強い傾向にある。
【0090】したがって、この接合力を十分に確保でき
る条件下においては、図5(d)に示すように、蓋部材
43を適用しないもの、つまり冷却プレート10および
発熱抵抗線状体41が熱の影響によってそれぞれ面外方
向に向けて変形した場合であっても、冷却プレート10
との剥離、および発熱抵抗線状体41の損傷をいずれも
防止することが可能となる。
【0091】図6は、本発明に係る温度制御装置の第3
実施形態を概念的に示したものである。ここで例示する
温度制御装置は、先に示した第2実施形態と同様に、半
導体製造工程において、プリベーキング+クーリング、
またはポストベーキング+クーリングの際に用いられ、
最初に被温度制御対象物であるウェハWを高温に加熱し
(ベーキング)、その後このウェハWを室温まで冷却す
る(クーリング)というサイクルをウェハ単位に数十秒
間隔で繰り返す制御を行うものである。なお、この第3
実施形態で示す温度制御装置は、冷却プレート10およ
びこの冷却プレート10の中空部11に温度流体を供給
するための手段がそれぞれ第2実施形態で示した温度制
御装置と同一の構成を有したものであるため、これら同
一の構成要素に関しては同一の符号を付してそれぞれの
詳細説明を省略する。
【0092】同図6に示すように、この温度制御装置で
は、アルミニウムやアルミニウム合金、あるいはアルミ
ナ等の熱伝導率の高い材質によって中空円筒状に成形し
た冷却プレート10の上部に加熱手段50を構成してい
る。加熱手段50は、相互に重なることなく、冷却プレ
ート10の上面に単一の層状に敷設した発熱抵抗線状体
51と、この発熱抵抗線状体51を冷却プレート10の
上面に圧接させた状態でこれを収容保持するための蓋部
材52とを備えており、上記発熱抵抗線状体51に所定
の加熱電力を供給した場合に、蓋部材52を介してウェ
ハWの加熱を行うものである。
【0093】発熱抵抗線状体51は、ニッケルクロム合
金や鉄クロム合金等のように、単位長さあたりの電気抵
抗が高い金属、あるいは合金によって構成したもので、
その外周囲が絶縁性外皮53によって被覆されており、
図には明示していないが、その全領域が等発熱密度とな
る形状に敷設している。
【0094】蓋部材52は、冷却プレート10の外周縁
部、並びに発熱抵抗線状体51の相互間に位置する部位
を介して当該冷却プレート10の上面に固着させてい
る。
【0095】この加熱手段50は、例えば、図7に示す
ような手順で製造する。
【0096】すなわち、図7(a)に示すように、ま
ず、電子ビーム溶接、あるいはレーザビーム溶接等の溶
接を施すことによって冷却プレート10に貫挿パイプ3
8を保持させ、この状態から図7(b)に示すように、
冷却プレート10の上面に直接発熱抵抗線状体51を所
望の形状となるように敷設する。
【0097】次いで、図7(d)に示すように、冷却プ
レート10の上面との間に発熱抵抗線状体51を圧接保
持させる態様で蓋部材52を冷却プレート10の上面に
固着させればよい。
【0098】ここで、蓋部材52を冷却プレート10の
上面に固着させる方法としては、図7(c1 )から図7
(c3 )に示す3つの方法を例示する。
【0099】すなわち、図7(c1 )に示す第1実施例
では、冷却プレート10と同一の材質から成る平板に切
削や研削等の塑性加工を施すことにより、予め、発熱抵
抗線状体51を収容するための凹部54を形成した蓋部
材52を用意し、これを冷却プレート10の上面に載置
させた後、該冷却プレート10の上面に当接する部分の
すべてに電子ビーム溶接やレーザビーム溶接等の溶接を
施すことによって蓋部材52を冷却プレート10の上面
に固着させるようにしている。この場合、凹部54とし
ては、発熱抵抗線状体51を冷却プレート10の上面に
圧接させる機能を有していればよいため、例えば、発熱
抵抗線状体51よりも幅を広くしても構わない。また、
蓋部材52として超塑性機能材料から成るものを適用す
れば、溶接を施すことなく、熱間プレス、あるいは熱間
静水圧プレスを適用することで当該蓋部材52を冷却プ
レート10に固着することが可能である。
【0100】また、図7(c2 )に示す第2変形例で
は、冷却プレート10の上面に該冷却プレート10と同
一の材料を溶射、もしくは電着することにより、冷却プ
レート10の上面に固着した蓋部材52を構成するよう
にしている。この場合、発熱抵抗線状体51の絶縁性外
皮53′としては、溶射、もしくは電着の際の損傷を防
止するため、耐熱性や耐薬品性を十分に備えたものを適
用する必要がある。
【0101】さらに、図7(c3 )に示す第3実施例で
は、例えばアルミニウム系の超塑性機能材料から成る平
板52′を発熱抵抗線状体51に載置させ、この状態か
ら熱間プレス、あるいは熱間静水圧プレスを適用するこ
とにより、発熱抵抗線状体51を囲繞させながら当該平
板52′を冷却プレート10の上面に固着させて蓋部材
52を構成している。この場合、発熱抵抗線状体51の
絶縁性外皮53″としては、十分な耐圧性を備えたもの
を適用する必要がある。また、第1実施例と同様に、蓋
部材52において冷却プレート10の上面に当接する部
分のすべてに電子ビーム溶接やレーザビーム溶接等の溶
接をさらに施すようにしてもよい。
【0102】上記のように構成した第3実施形態の温度
制御装置においても、加熱手段50の上面にレジストを
塗布したウェハWを載置した状態で発熱抵抗線状体51
に所定の加熱電力を供給すると、当該発熱抵抗線状体5
1が発熱し、この発熱抵抗線状体51から発生した熱が
蓋部材52を介してウェハWに伝達されることになり、
該ウェハWが直ちに150℃の温度に加熱維持され、当
該ウェハWに対するベーキングを良好に行うことが可能
となる。
【0103】一方、上述した加熱電力の供給を停止する
とともに、開閉バルブ27をONし、蓄熱タンク21に
貯留された20℃近傍の温度流体を、供給通路24およ
び排出通路20を通じて冷却プレート10の中空部11
に循環供給させれば、蓋部材52、発熱抵抗線状体51
および冷却プレート10を介してウェハWの熱が温度流
体に放熱されることになり、該ウェハWが直ちに20℃
の温度に冷却維持され、当該ウェハWに対するクーリン
グを良好に行うことが可能となる。
【0104】しかも、上記温度制御装置によれば、冷却
プレート10と、この冷却プレート10の外周縁部、並
びに発熱抵抗線状体51の相互間に位置する部位を介し
て当該冷却プレート10の上面に極めて強固に固着され
た蓋部材52との間に発熱抵抗線状体51が圧接保持さ
れることになるため、冷却プレート10および発熱抵抗
線状体51が熱の影響によってそれぞれ面外方向に向け
て変形した場合であっても、発熱抵抗線状体51と冷却
プレート10との剥離、および発熱抵抗線状体51の損
傷をいずれも防止することが可能となり、ウェハWを正
確に温度制御し、ベーキングおよびクーリングを良好に
行うことができるようになる。
【0105】さらに、蓋部材52として冷却プレート1
0と同一材質から成るものを適用した場合には、発熱抵
抗線状体51の表裏両面にそれぞれ同一熱膨張率の部材
が配置されることになるため、冷却プレート10および
層状を成す発熱抵抗線状体51が面外方向に変形する事
態を防止することができ、ウェハWの温度制御を一層正
確に行うことが可能となる。
【0106】なお、上述した第1実施形態では、LCD
装置の製造工程においてLCD基板の温度制御を行うも
のを例示し、一方、第2および第3実施形態では、いず
れも半導体製造工程においてウェハの温度制御を行うも
のを例示しているが、本発明ではこれらに限定されず、
その他の被温度制御対象物の温度制御を行う場合に適用
することももちろん可能である。例えば、第1実施形態
の温度制御装置によってウェハの温度制御を行ったり、
第2および第2実施形態の温度制御装置によってLCD
基板の温度制御を行うようにしても構わない。
【0107】また、上述した第1、第2および第3実施
形態では、いずれも基台として、内部に冷却流体が循環
供給される中空部を有し、被温度制御対象物の冷却機能
を有した冷却プレートを適用しているが、本発明の基台
は必ずしも冷却機能を有している必要はなく、単に平板
状を成すプレートを基台として用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温度制御装置の第1実施形態を概
念的に示す図である。
【図2】図1に示した温度制御装置の製造工程を順に示
す図である。
【図3】図1に示した温度制御装置の要部を概念的に示
す断面平面図である。
【図4】本発明に係る温度制御装置の第2実施形態を概
念的に示す図である。
【図5】図4に示した温度制御装置の製造工程を順に示
す図である。
【図6】本発明に係る温度制御装置の第3実施形態を概
念的に示す図である。
【図7】図6に示した温度制御装置の製造工程を順に示
す図である。
【符号の説明】
10…冷却プレート、31,41,51…発熱抵抗線状
体、32…収容室、33,43,52…蓋部材、34…
低摩擦性絶縁シート、42a…第1の絶縁層、42b…
第2の絶縁層、52′…平板、53…絶縁性外皮、54
…凹部、W…被温度制御対象物。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台の表面において被温度制御対象物の
    温度制御を行う温度制御装置であって、 前記基台の表面に単一の層状に敷設した発熱抵抗線状体
    と、 この発熱抵抗線状体を前記基台の表面に圧接させる態様
    で該基台に固着させた蓋部材と、 前記基台の表面と前記発熱抵抗線状体との間および前記
    蓋部材と前記発熱抵抗線状体との間にそれぞれ介在させ
    た絶縁層とを備えたことを特徴とする温度制御装置。
  2. 【請求項2】 前記蓋部材は、前記基台との間に前記発
    熱抵抗線状体の層を収容し、かつ内部が減圧保持される
    収容室を構成するものであることを特徴とする請求項1
    記載の温度制御装置。
  3. 【請求項3】 前記絶縁層は、耐熱性および摺動性を有
    したシート材であることを特徴とする請求項1記載の温
    度制御装置。
  4. 【請求項4】 前記蓋部材は、前記基台と同一の熱膨張
    率を有するものであることを特徴とする請求項1記載の
    温度制御装置。
  5. 【請求項5】 基台の表面において被温度制御対象物の
    温度制御を行う温度制御装置であって、 前記基台の表面に設けた発熱要素と、 前記基台と同一の熱膨張率を有し、前記発熱要素を覆う
    態様で前記基台に固着させた蓋部材とを備えたことを特
    徴とする温度制御装置。
  6. 【請求項6】 前記発熱要素は、 前記基台の表面を被覆する第1の絶縁層と、 この第1の絶縁層の表面に単一の層状に敷設した発熱抵
    抗線状体と、 この発熱抵抗線状体を被覆する第2の絶縁層とを具備す
    るものであることを特徴とする請求項5記載の温度制御
    装置。
  7. 【請求項7】 基台の表面において被温度制御対象物の
    温度制御を行う温度制御装置であって、 絶縁性外皮によって被覆され、前記基台の表面に単一の
    層状に敷設した発熱抵抗線状体と、 この発熱抵抗線状体の層表面を覆う態様で各発熱抵抗線
    状体の相互間に位置する部位を介して前記基台に固着さ
    せた蓋部材とを備えたことを特徴とする温度制御装置。
  8. 【請求項8】 前記蓋部材が、前記基台と同一の熱膨張
    率を有するものであることを特徴とする請求項7記載の
    温度制御装置。
  9. 【請求項9】 被温度制御対象物を載置させる基台の表
    面に、耐熱性を有した第1の低摩擦性絶縁シート材を配
    置する工程と、 前記第1の低摩擦性絶縁シート材の表面に発熱抵抗線状
    体を単一の層状に敷設する工程と、 耐熱性を有した第2の低摩擦性絶縁シート材を前記発熱
    抵抗線状体の層表面に配置する工程と、 前記第1の低摩擦性絶縁シート材、前記発熱抵抗線状体
    および前記第2の低摩擦性絶縁シート材をそれぞれ前記
    基台の表面に圧接させる態様で該基台に蓋部材を固着さ
    せる工程とを含むことを特徴とする温度制御装置の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 被温度制御対象物を載置させる基台の
    表面に第1の絶縁層を形成する工程と、 前記第1の絶縁層の表面に発熱抵抗線状体を単一の層状
    に敷設する工程と、 前記発熱抵抗線状体を被覆する態様で第2の絶縁層を形
    成する工程と、 前記第1の絶縁層、前記発熱抵抗線状体および前記第2
    の絶縁層を覆う態様で前記基台と同一の熱膨張率を有し
    た蓋部材を該基台に固着させる工程とを含むことを特徴
    とする温度制御装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 絶縁性外皮によって被覆され、被温度
    制御対象物を載置させる基台の表面に単一の層状に敷設
    した発熱抵抗線状体と、この発熱抵抗線状体の層表面を
    覆う態様で各発熱抵抗線状体の相互間に位置する部位を
    介して前記基台に固着させた蓋部材とを備える温度制御
    装置の製造方法であって、 前記蓋部材における前記基台の表面に対向する部位に、
    予め前記発熱抵抗線状体のそれぞれを収容するための凹
    部を形成することを特徴とする温度制御装置の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 絶縁性外皮によって被覆され、被温度
    制御対象物を載置させる基台の表面に単一の層状に敷設
    した発熱抵抗線状体と、この発熱抵抗線状体の層表面を
    覆う態様で各発熱抵抗線状体の相互間に位置する部位を
    介して前記基台に固着させた蓋部材とを備える温度制御
    装置の製造方法であって、 前記発熱抵抗線状体を敷設した基台の表面に、溶射によ
    って前記蓋部材を成形することを特徴とする温度制御装
    置の製造方法。
  13. 【請求項13】 絶縁性外皮によって被覆され、被温度
    制御対象物を載置させる基台の表面に単一の層状に敷設
    した発熱抵抗線状体と、この発熱抵抗線状体の層表面を
    覆う態様で各発熱抵抗線状体の相互間に位置する部位を
    介して前記基台に固着させた蓋部材とを備える温度制御
    装置の製造方法であって、 前記発熱抵抗線状体を敷設した基台の表面に、電着によ
    って前記蓋部材を成形することを特徴とする温度制御装
    置の製造方法。
  14. 【請求項14】 絶縁性外皮によって被覆され、被温度
    制御対象物を載置させる基台の表面に単一の層状に敷設
    した発熱抵抗線状体と、この発熱抵抗線状体の層表面を
    覆う態様で各発熱抵抗線状体の相互間に位置する部位を
    介して前記基台に固着させた蓋部材とを備える温度制御
    装置の製造方法であって、 前記発熱抵抗線状体を敷設した基台の表面に、平板を圧
    接することによって前記蓋部材を成形することを特徴と
    する温度制御装置の製造方法。
JP10040765A 1998-02-23 1998-02-23 温度制御装置およびその製造方法 Pending JPH11238572A (ja)

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