JPH11238210A - 磁気抵抗効果型ヘッド及び同ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッド及び同ヘッドの製造方法

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JPH11238210A
JPH11238210A JP4212298A JP4212298A JPH11238210A JP H11238210 A JPH11238210 A JP H11238210A JP 4212298 A JP4212298 A JP 4212298A JP 4212298 A JP4212298 A JP 4212298A JP H11238210 A JPH11238210 A JP H11238210A
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JP
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film
pair
head
magnetoresistive
lead
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JP4212298A
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Shigeru Shoji
茂 庄司
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Yamaha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定したバイアス磁界の加わったMR素子に生
じる不感帯の影響を除去して、MR素子の感度低下を防
止する。 【解決手段】MR素子22には、その一軸異方性を維持
するためにリード部19a,19bのバイアス磁石膜1
5a,15bからバイアス磁界が加えられる。バイアス
磁界はMR素子22の両端に磁界の変化に対し抵抗が変
化しない不感帯Wa,Wbを発生させ、MR素子22の
感度を低下させる。そこで、金(Au)等からなる高電
導金属膜(電気良導体)31a,31bにより、不感帯
Wa,WbとMR素子22に検出電流を流すための電気
導電膜16a,16bを被い、検出電流を不感帯中に流
さない構造として素子の感度低下を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク記憶
装置(ハードディスク)等に用いられる磁気抵抗効果型
ヘッドに関わり、特に薄膜の磁気抵抗効果素子にバイア
ス磁石膜によってバイアス磁界を与える磁気抵抗効果型
ヘッド及び同ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の磁気抵抗効果型ヘッドにおいて
は、磁気抵抗効果素子に一軸異方性を保たせておく必要
がある。一軸異方性は、図9に示したように磁気抵抗効
果素子90の両側にバイアス磁石膜(ハードバイアス
膜)91a,91bを配置し、素子90にバイアス磁界
を与えることで保たれている。
【0003】バイアス磁界を与える構造の一つとしてア
バッティングジャンクション型磁気ヘッドが知られてい
る。その製造方法を図10を参照しながら説明すると、
先ず図10(1)に示すように基板101上にCoZr
M(Nb,Mo等)の軟磁性膜であるSAL102、T
i等からなるスペーサ103、及びNiFe等からなる
MR膜104を順次積層してMR素子層105を形成す
る。次に、同図(2)に示すようにリフトオフレジスト
106を形成する。次いで、同図(3)に示すようにイ
オンミリングによりMR素子107を形成する。このと
きMR素子107の端面は傾斜し、MR素子107は台
形状となる。続いて同図(4)に示すようにCoCrP
t等のバイアス磁石膜108とW,Ta,Nb等の電気
導電膜109をスパッタにより積層する。最後にリフト
オフレジストを除去する。
【0004】この製造方法は比較的単純であるが、バイ
アス磁石膜108は基板101、MR素子107、リフ
トオフレジスト106が作る段差部にもスパッタされ
る。段差部へのスパッタは段差部におけるバイアス磁石
膜の結晶の配向を乱すので、バイアス磁石膜の保持力H
cが低下したり、いわゆる角型比が低下する等によりバ
イアス磁石膜の磁気特性が劣化する。加えて、バイアス
磁石膜108の膜厚はMR素子107との接触部におい
て次第に低下するので、バイアス磁石膜108のバイア
ス効果が低下する。これらの要因により、アバッティン
グジャンクション型の磁気抵抗効果型ヘッドにおいて
は、十分なバイアス磁界がMR素子107に与えられ
ず、素子の一軸異方性が安定しない。
【0005】そこで、本出願人は図6〜図8に示した工
程(1)〜(9)を順番に実行するバイアス効果の優れ
た磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法を開発した。即ち、 (1)図6(1)に示すように、基板11上に絶縁膜1
2を成膜し、この絶縁膜12の上に下シールド(軟磁性
膜)13を堆積した後、再生下ギャップ14をなす絶縁
膜をスパッタ等で堆積させて素子の基板を形成する。こ
の素子の基板上に、バイアス磁石膜15と電気導電膜1
6をスパッタ等により積層する。
【0006】(2)図6(2)に示すように、電気導電
膜16の上面に一対のレジスト17a,17bを形成す
る。尚、一対のレジスト17a,17b間の空間を溝部
18と称する。 (3)図6(3)に示すように、一対のレジスト17
a,17bの対向面(溝部18との境界面、即ちレジス
ト膜が除去された部分(溝部)に面する一対のレジスト
膜の端面)上部の角部を溶融(レジストフロー)により
なだらかな形状にする。これにより、レジスト17a,
17bの対向面は電気導電膜16の上面に対して傾斜す
る。従って、レジスト17a,17bの端部の膜厚は溝
部18の中央に向うにつれて次第に薄くなるように形成
される。
【0007】(4)図7(4)に示すように、全面(上
面)にイオンミリングを行う。 (5)図7(5)に示すように、イオンミリングにより
一対のリード部19a,19bが形成される。尚、イオ
ンミリング工程では、レジスト17a,17b、電気導
電膜16及びバイアス磁石膜15を一括してエッチング
するため、溝部18が逆台形形状となる。 (6)図7(6)に示すように、CoZrNbからなる
SAL、Ti等からなるスペーサ、及びNiFeからな
るMR膜を全面に対して積層してMR素子層20を形成
する。
【0008】(7)図8(7)に示すように、MR素子
層20上にレジスト21を塗布する。このとき、レジス
ト21の形状を、形成すべきMR素子のパターンに合致
させておく。即ち、形成すべきMR素子の直上位置にの
みレジスト21を塗布する。この結果、レジスト21は
溝部18内であって略正方形状をなし、対向する一組の
辺の端部が溝部18の傾斜面途中に位置するように塗布
される。 (8)図8(8)に示すように、イオンミリングにより
MR素子層20の不要部分を除去して、MR素子22を
矩形の平面形状にカットする。これにより、MR素子2
2の左右両端部はリード部19a,19bの傾斜面(溝
部18の傾斜面)の途中でカットされる。 (9)図8(9)に示すように、アルミナ等からなる絶
縁膜を堆積させて再生上ギャップ23を形成する。この
後は、下地メッキ層、上シールド兼下コア(いずれもパ
ーマロイ等の軟磁性膜)等を成膜する。
【0009】この製造方法によれば、バイアス磁石膜1
5は平面上(再生下ギャップ14上)に成膜されるの
で、その磁気特性は安定する。また、バイアス磁石膜1
5の磁気特性は、その後のミリング工程等を経ても変化
しない。従って、リード部19a,19bの傾斜面に位
置するバイアス磁石膜15の磁気特性が安定し、強い磁
界をMR素子22に加えることが可能となる。これによ
り、MR素子22の一軸異方性が安定して保たれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
に示したようにバイアス磁石膜(長手バイアス磁石層)
15a,15bによって強い磁界がMR素子22に加わ
ると、MR素子22のバイアス磁石膜15a,15bの
近傍(MR素子22の図示左右方向両端部)に、外部磁
界が変化しても磁気抵抗の変化しない不感帯Wa,Wb
が発生する。不感帯幅は10分の数マイクロメートル
(0.数μm)である。このため、図11(A)に示す
ように、光学的(見かけ上の)トラック幅W0が数μm
の場合には不感帯幅は相対的に小さく、不感帯はさほど
問題とはならない(実効トラック幅WE/光学的トラッ
ク幅W0≒1)。
【0011】ところが、同図(B)に示すように光学的
トラック幅W0が1〜2μmと狭くなると、不感帯幅は
光学的トラック幅の20〜60%にも達する(0.8>
実効トラック幅WE/光学的トラック幅W0>0.4)。
抵抗値の観点から見ると不感帯Wa,WbはMR素子に
直列接続された抵抗であるので、MR素子の出力感度を
低下させる。即ち、MR素子の磁気抵抗効果による磁気
抵抗変化分を△R、素子の固定抵抗分をR0、不感帯の
抵抗分をRfとすれば、出力変化は最大で△R/(R0
+△R+Rf)と表すことができるから、Rfが大きい
程(不感帯幅が大きい程)MR素子の出力感度が低下す
ることになる。
【0012】本発明は、上記した問題点に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、磁気抵抗効果素子の一軸
異方性を安定して保つために強磁界を加えた場合であっ
ても、磁気抵抗効果素子の出力感度が良好である磁気抵
抗効果型ヘッド及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0013】
【発明の概要】本発明は、バイアス磁界により生ずる磁
気抵抗効果素子の不感帯が磁気抵抗効果素子のバイアス
磁石膜近傍の端部に生じることに着目し、素子の不感帯
と素子に検出電流を流入/流出するリード部の電気導電
膜とを電気良導体で被うことにより、不感帯には実質的
に検出電流を流さないようにすることで上記目的を達成
する。
【0014】即ち、本発明の第1の特徴は、薄膜の磁気
抵抗効果素子と、素子にバイアス磁界を加えるバイアス
磁石膜及び素子に検出電流を流すための電気導電膜が積
層してなる一対のリード部とを備え、一対のリード部間
に素子を配置した磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、素子
のリード部側の端部から所定距離内に位置する素子の薄
膜面とリード部の電気導電膜とを電気良導体で被い、検
出電流が電気良導体を介して素子に流れるように構成し
たことにある。
【0015】この第1の特徴によれば、素子のリード部
側の端部から所定距離内に位置する素子の薄膜面とリー
ド部の電気導電膜とを電気良導体で被う。従って、素子
の抵抗変化を検出するための検出電流は、少なくとも電
気良導体で被われた部分については素子内を流れない。
一方、不感帯は素子のリード部側の端部から素子の中央
に向って所定の幅をもって生じる。従って、不感帯が電
気良導体によって実質的に除去されたことになる。以上
により、素子の検出感度の低下が抑制される。
【0016】本発明の第2の特徴は、基板上にバイアス
磁石膜と電気導電膜を積層してリード層を形成した後に
リード層を分割して一対のリード部を形成し、一対のリ
ード部間に薄膜の磁気抵抗効果素子を形成してリード部
間を素子により繋いでなる磁気抵抗効果型ヘッドにおい
て、素子の前記リード部側の端部から所定距離内に位置
する素子の薄膜面とリード部の電気導電膜とを電気良導
体で被うことにより、素子の抵抗変化を検出するための
検出電流が電気良導体を介して素子に流れるように構成
したことにある。
【0017】第2の特徴を有する磁気ヘッドにおいて
は、バイアス磁石膜が基板平面上に形成されるので、ア
バッティングジャンクション型のようにバイアス磁石膜
の磁気特性劣化がない。従って、素子に安定したバイア
ス磁界が加えられ、素子の一軸異方性が安定して保たれ
る。このことは素子に不感帯を発生させることとなる
が、第1の特徴と同様に素子のリード部側の端部から所
定距離内に位置する素子の薄膜面とリード部の電気導電
膜とを電気良導体で被うので、電気良導体で被われた不
感帯を検出電流が流れることがなく、素子の検出感度の
低下が抑制される。
【0018】本発明の第3の特徴は、第1の特徴又は第
2の特徴を有する磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、電気
良導体で被われる素子部(所定距離)が、不感帯の大き
さに応じて決定されていることを特徴としている。これ
により、素子の不感帯部分には検出電流が流れることが
なくなるので、素子の検出感度がより良好となる。
【0019】本発明の第4の特徴は、上記目的を達成す
る磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法に係る。即ち、基板
平面上にバイアス磁石膜及び電気導電膜を連続して成膜
することにより多層膜を形成する工程と、多層膜をイオ
ンミリング加工により分割して一対のリード部を形成す
る工程と、薄膜の磁気抵抗効果素子を一対のリード部間
を繋ぐように形成する工程と、素子の前記リード部側の
端部から所定距離内に位置する素子の薄膜面とリード部
の電気導電膜とを電気良導体で被う工程とからなる磁気
抵抗効果型ヘッドの製造方法である。
【0020】この製造方法によれば、バイアス磁石膜が
基板平面上に形成されるので、バイアス磁石膜の磁気特
性が劣化しない。従って、素子に安定したバイアス磁界
が加えられ、素子の一軸異方性が安定して保たれた磁気
抵抗効果型ヘッドが得られる。一方、磁気特性の良好な
バイアス磁石膜が素子に不感帯を発生させることとなる
が、素子のリード部側の端部から所定距離内に位置する
素子の薄膜面とリード部の電気導電膜とを電気良導体で
被う工程を含むので、第1の特徴と同様の理由により検
出感度が良好な磁気抵抗効果型ヘッドが得られる。
【0021】本発明の第5の特徴は、第4の特徴におけ
る一対のリード部を形成する工程が、多層膜上にレジス
ト膜を塗布する工程と、レジスト膜の所定部分を除去し
て一対のレジスト膜を形成する工程と、レジスト膜が除
去された部分に面する一対のレジスト膜の端面が多層膜
の表面に対して傾斜するようにレジスト膜を溶融する工
程と、多層膜とレジスト膜とを一括してイオンミリング
加工する工程とからなる点にある。本発明の第4の特徴
をより具体的に実施するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】図1に分解斜視図として示された
本発明の実施形態に係るMR素子22は3つの層からな
っている。即ち、MR素子22は、CoZrM(Nb,
Mo等)の軟磁性膜(SAL)24上に、Ti等からな
る薄膜のスペーサ25及びNiFe等からなるMR膜2
6が重ね合わされて構成される。尚、図1において手前
側に磁気記録媒体が配置される。磁気抵抗効果型ヘッド
(再生ヘッド)は、磁気記録媒体の移動に伴う磁界の変
化をMR素子22の抵抗変化による電圧降下として検出
する。
【0023】MR素子22は、磁石膜である一対の長手
バイアス磁石層15a,15b上に電気導電膜であるリ
ード層16a,16bをそれぞれ積層した一対のリード
部19a,19bを繋ぐように配置される。即ち、MR
素子22は、MR素子22の各層が重なり合った平面
(重合面)方向の両端において一対のリード部19a,
19bにより挟まれるよう構成される。リード部19
a,19bのMR素子22に接する端面は、MR素子2
2の各層の重合面(薄膜面)に対し傾斜した傾斜面19
a1,19b1を形成している。MR素子22の各層2
4〜26は、その両端部近傍において傾斜面19a1,
19b1に沿う形状(折曲げられた形状)となってい
て、傾斜面19a1,19b1の途中で切断されてい
る。
【0024】MR素子22を含む磁気抵抗効果型ヘッド
の正面図が図2に、図2におけるI―I断面(縦断面側
面)が図3に示されている。MR素子22及びリード部
19a,19bは、アルチック等からなる基板11、ア
ルミナ等からなる非磁性絶縁膜12、パーマロイ等の軟
磁性膜である下シールド13、及びアルミナ等の絶縁膜
である再生下ギャップ14が順次積層されてなる素子の
基板上に形成される。
【0025】図4(A)に詳細に示されるように、リー
ド部19a,19bの近傍に位置するMR素子22の両
端部には、外部磁界の変化が加わっても抵抗値が変化し
ない部分、即ち不感帯Wa,Wbが生じる。不感帯W
a,Wbはバイアス磁石膜15a,15bからのバイア
ス磁界により発生するものであり、MR素子22の端か
ら所定距離L1,L2までの領域に発生する。そこで本
実施形態においては、図4(B)にも示すようにMR素
子22の両端部から所定距離L1,L2内のMR素子膜
26面(薄膜面)とMR素子22の各端部が接するリー
ド部19a,19bの電気導電膜16a,16bとを、
金(Au)等からなる電気良導体(高電導金属膜)31
a,31bで被う。これにより、電気導電膜16a,1
6bと電気良導体31a,31bはそれぞれ電気的に接
続される。
【0026】再び、図2及び図3を参照すると、MR素
子22の電気良導体31a,31bで被われない部分と
電気良導体31a,31bの上面には再生上ギャップ2
3をなすアルミナ層が成膜される。再生上ギャップ23
の上には、上シールド兼下コア27、高飽和磁束密度層
28、絶縁層からなる書込みギャップ29、上コア30
が順に形成される。尚、下シールド13から上シールド
兼下コア27までが再生用ヘッド20を形成し、上シー
ルド兼下コア27から上コア30までが記録用ヘッドを
形成する。また、図3に示されるように、これら各層の
端面は記録媒体と対向する記録媒体対向面32の一部を
なしている。
【0027】次に、この磁気抵抗効果型ヘッド(再生用
ヘッド)の製造工程について説明する。製造工程は図6
から図8に示された(1)から(9)までの工程を順次
実行する工程と、(8)及び(9)の工程の間に実施さ
れる電気良導体31a,31bを形成するための図5に
示された(8―1)から(8―3)の工程を順次行う工
程からなる。先ず、(1)から(8)までの工程を説明
する。
【0028】(1)図6(1)に示すように、後にスラ
イダとなる基板(アルチック(Al23―TiC)等)
11上に絶縁膜(アルミナAl23等)12を成膜し、
この絶縁膜12の上に下シールド(パーマロイ等の軟磁
性膜)13を堆積した後、再生下ギャップ14をなす絶
縁膜(アルミナ等)をスパッタ等で堆積させて素子の平
面基板を形成する。この平面基板上に、CoCrPt等
のバイアス磁石膜15とW,Ta,Nb等の電気導電膜
16をスパッタ、蒸着あるいは電気メッキにより積層す
る。
【0029】(2)図6(2)に示すように、電気導電
膜16の上面にレジストを塗布する。レジストは、後に
MR素子が形成される部分の上方に位置する部分が除去
(レジストカット)され、一対のレジスト17a,17
bを形成する。尚、一対のレジスト17a,17b間の
空間を溝部18と称する。 (3)図6(3)に示すように、一対のレジスト17
a,17bの対向面(溝部18との境界面)上部の角部
を溶融(レジストフロー)によりなだらかな形状とす
る。これにより、レジスト17a,17bの対向面は電
気導電膜16の上面に対して傾斜する。即ち、レジスト
17a,17bの端部の膜厚は溝部18の中央に向うに
つれて次第に薄くなるように形成される。
【0030】(4)図7(4)に示すように、全面(上
面)にイオンミリングを行う。具体的には、プラズマ化
したアルゴンイオンを照射する。 (5)図7(5)に示すように、イオンミリングにより
一対のリード部19a,19bが形成される。尚、イオ
ンミリング工程では、レジスト17a,17b、電気導
電膜16及びバイアス磁石膜15を一括してエッチング
するため、溝部18が逆台形形状となる。 (6)図7(6)に示すように、CoZrM(Nb,M
o)等の軟磁性膜であるSAL、Ti等からなるスペー
サ、及びNiFe等からなるMR膜を全面に対して積層
してMR素子層20を形成する。
【0031】(7)図8(7)に示すように、MR素子
層20上にレジスト21を塗布する。このとき、レジス
ト21の形状を、形成すべきMR素子のパターンに合致
させておく。即ち、形成すべきMR素子の直上位置にの
みレジスト21を塗布する。この結果、レジスト21は
溝部18内であって略正方形状をなし、対向する一組の
辺の端部が溝部18の傾斜面途中に位置するように塗布
される。 (8)図8(8)に示すように、イオンミリングにより
MR素子層20の不要部分を除去して、MR素子22
(MR element)を矩形の平面形状にカットす
る。これにより、MR素子22はその左右両端部がリー
ド部19a,19bの傾斜面の途中でカットされた状態
に形成される。この状態が図5の(8)に示されてい
て、この後は図5に示された(8―1)の工程に進む。
【0032】(8―1)図5の(8―1)に示されるよ
うに、リフトオフレジスト40を形成する。リフトオフ
レジスト40は断面が凸形状のレジストである。また、
リフトオフレジスト40は、その凸部40aの頂面がM
R素子22上に位置し、同頂部の中心線が対向するリー
ド部19a,19bの端部の中心線と一致するように形
成する。リフトオフレジスト40は、MR素子22の両
端部から所定距離L1,L2内の薄膜面とリード部19
a,19bの電気導電膜16a,16bとを、次の工程
において薄膜の電気良導体31a,31bで被うために
適切な大きさとされる。 (8―2)図5の(8―2)に示されるように、全面に
対してAu等の高電導金属をスパッタして電気良導体3
1a,31bの薄膜を形成する。 (8―3)図5の(8―3)に示されるように、リフト
オフレジストを除去する。この状態は、先に説明した図
4(B)の状態である。この後、図8の工程(9)を実
施する。
【0033】(9)図8(9)に示すように、アルミナ
等からなる絶縁膜を堆積させて再生上ギャップ23を形
成する。この後は、下地メッキ層、上シールド兼下コア
(いずれもパーマロイ等の軟磁性膜)等を成膜し、更に
記録用ヘッドを製作する。
【0034】以上説明した本発明の磁気抵抗効果型ヘッ
ドの製造方法の一実施形態によれば、バイアス磁石膜1
5は平面上(再生下ギャップ14上)に成膜されるの
で、その磁気特性は安定する。また、バイアス磁石膜1
5の磁気特性は、その後のミリング工程等を経ても変化
しない。従って、リード部19a,19b(溝部18)
の傾斜面に位置するバイアス磁石膜15の磁気特性が安
定し、強い磁界をMR素子22に加えることが可能とな
る。これにより、MR素子22の一軸異方性が安定して
保たれる。
【0035】強い磁界によって生じるMR素子の不感帯
は素子の検出感度を低下させるが、本実施形態はこれを
電気良導体31a,31bにより補償する。具体的に
は、磁気記録媒体がもたらす磁界変化によるMR素子2
2の抵抗変化分は、MR素子22に検査電流を流したと
きの電圧降下分として検出される。本実施形態の磁気抵
抗効果型ヘッドにおいては、この検出電流はリード部1
9a,19bの電気導電膜16a,16bと電気良導体
31a,31b介して素子22に流入出し、不感帯W
a,Wb中を流れることがない。従って、光学的トラッ
ク幅W0に対する実効トラック幅WEを「1」に極めて近
い値とすることができる(既説した図11参照)。これ
は、磁気抵抗変化分を△R、素子の固定抵抗分をR0、
不感帯の抵抗分をRfとしたときの最大出力変化分=△
R/(R0+△R+Rf)において、Rfを「0」近傍
の値にすることができるからである。
【0036】図12は、本実施形態に係る磁気抵抗効果
型ヘッド、及び本発明を用いていない磁気抵抗効果型ヘ
ッドの実効トラック幅に対する感度変化(△R/R)を
示している。尚、RはMR素子の有する変化しない抵抗
分(R0+Rf)、△Rは磁気抵抗変化である。尚、本
図はRを一定とするようにMR素子の大きさ、厚さを変
更した結果を示す。同図中、実線Aが本実施形態、破線
Bが本発明を用いていない磁気抵抗効果型ヘッドの感度
変化を示す。同図から明らかなように、本発明を用いな
い磁気抵抗効果型ヘッドにおいてはトラック幅の減少に
伴い見かけ上の感度(△R/R)が大きく低下する。こ
れに対し、本実施形態に係る磁気抵抗効果型ヘッドはト
ラック幅が狭くなっても感度の低下が殆ど見られない。
【0037】磁気抵抗効果型ヘッドの不感帯は、バイア
ス磁石膜15の保持力Hcを103,450(A/
m)、磁束密度Msを1(T)、バイアス磁石膜の膜厚
を100(nm)、リード部の傾斜面角度を20°とし
たときに、約0.3(μm)の幅だけ生じる。不感帯は
MR素子の両側で生じるため、不感帯の幅は素子全体で
0.6(μm)となる。今、光学トラック幅W0が2
(μm)であるとすると、実効トラック幅WEは1.4
(μm)である。ここで、MR素子の膜厚を20(n
m)、素子の奥行き長さを1.5(μm)としたとき、
MR素子の抵抗は27(Ω)となった。この27(Ω)
分は、素子の感応部の呈する固定抵抗(R0+Rf)と
みなすことができる。これに対し、本実施形態の磁気抵
抗効果型ヘッド、即ち不感帯を電気良導体で被ったMR
素子においては、MR素子の抵抗は20(Ω)となっ
た。従って、MR素子の感度は1.35倍(=27/2
0)になる。即ち、本実施形態はMR素子の感度を大幅
に向上することが可能である。
【0038】以上、本発明の実施形態について説明して
きたが、種々の変形が可能である。例えば、本発明はM
R素子に限らずGMR(巨大磁気抵抗効果素子)にも適
用可能である。この場合、磁気抵抗効果型ヘッドの構造
自体は本実施形態と同一であり、MR素子22をGMR
素子に置換すればよい。GMRにあっても、図1におけ
る素子1は基本的には3つの層からなる。即ち、素子2
2は外部磁界に応じて磁化の向きが変化する自由層24
と、所定の固定した向きに磁化されている固着層26
と、その間に挟まれたスペーサ層25とが重ね合わされ
て構成される。GMR素子は、自由層24の磁化の向き
に応じてスペーサ層25が呈する電気抵抗の大きさが変
化し、抵抗の大きさは、GMR素子にセンス電流(検出
電流)ISを流すことにより、その間の電圧降下で検出
される。センス電流ISは、リード部19a,19bの
電気伝導膜16a,16bから電気良導体31a,31
bを流れ、電気良導体31a,31bの各先端部におい
てGMR素子の厚さ方向に固着層26を横断して、良導
電体のスペーサ層25の中を流れる。
【0039】また、本実施形態で示した製造方法以外の
製造方法であっても、その製造方法により製造された素
子の感度がバイアス磁界に基づいて発生する不感帯によ
って低下する場合には、本発明を適用することができ
る。尚、上記図4(A)の説明においては、不感帯が生
じる領域を所定距離L1,L2で定義したが、同図に示
すようにMR素子膜22のリード部19a,19bの傾
斜面19a1,19b1の立上がり部分から距離m1,
m2と定義することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果型ヘッ
ド(MR素子部)の斜視図である。
【図2】 図1に示した磁気抵抗効果型ヘッド(再生用
ヘッド)の記録媒体対向面から見た正面図である。
【図3】 図2に示した磁気抵抗効果型ヘッドのI―I
断面図(縦断面側面図)である。
【図4】 図2に示した磁気抵抗効果型ヘッド素子部の
拡大斜視図である。
【図5】 本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果型ヘッ
ド(再生ヘッド)の製造工程を示す図である。
【図6】 本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果型ヘッ
ド(再生ヘッド)の製造工程を示す図である。
【図7】 本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果型ヘッ
ド(再生ヘッド)の製造工程を示す図である。
【図8】 本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果型ヘッ
ド(再生ヘッド)の製造工程を示す図である。
【図9】 MR素子とバイアス磁石膜の配置を示す斜視
図である。
【図10】 従来のアバッティングジャンクション型磁
気ヘッドの製造工程を示す図である。
【図11】 MR素子に生ずる不感帯を説明するための
MR素子の斜視図である。
【図12】 本発明の実施形態に係るMR素子の感度変
化を示す図である。
【符号の説明】
15a,15b…バイアス磁石膜(長手バイアス磁石
層)、16a,16b…電気導電膜、19a,19b…
リード部、22…MR素子、31a,31b…高電導金
属膜(電気良導体)、Wa,Wb…不感帯

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄膜の磁気抵抗効果素子と、 前記素子にバイアス磁界を加えるバイアス磁石膜及び前
    記素子に検出電流を流すための電気導電膜が積層してな
    る一対のリード部とを備え、 前記一対のリード部間に前記素子を配置した磁気抵抗効
    果型ヘッドにおいて、 前記素子の前記リード部側の端部から所定距離内に位置
    する前記素子の薄膜面と前記リード部の電気導電膜とを
    電気良導体で被い、 前記検出電流が前記電気良導体を介して前記素子に流れ
    るように構成したことを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】基板平面上にバイアス磁石膜と電気導電膜
    を積層してリード層を形成した後に、同リード層を分割
    して一対のリード部を形成し、同一対のリード部間に薄
    膜の磁気抵抗効果素子を形成して前記リード部間を同素
    子により繋いでなる磁気抵抗効果型ヘッドにおいて、 前記素子の前記リード部側の端部から所定距離内に位置
    する前記素子の薄膜面と前記リード部の電気導電膜とを
    電気良導体で被うことにより、前記素子の抵抗変化を検
    出するための検出電流が前記電気良導体を介して前記素
    子に流れるように構成した磁気抵抗効果型ヘッド。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の磁気抵抗効
    果型ヘッドにおいて、 前記所定距離が、前記バイアス磁石膜により前記素子の
    端部に発生する磁気抵抗効果を呈さない不感帯の大きさ
    に応じて決定されていることを特徴とする磁気抵抗効果
    型ヘッド。
  4. 【請求項4】基板上にバイアス磁石膜及び電気導電膜を
    連続して成膜することにより多層膜を形成する工程と、 前記多層膜をイオンミリング加工により分割して一対の
    リード部を形成する工程と、 薄膜の磁気抵抗効果素子を前記一対のリード部間を繋ぐ
    ように形成する工程と、 前記素子の前記リード部側の端部から所定距離内に位置
    する前記素子の薄膜面と前記リード部の電気導電膜とを
    電気良導体で被う工程とからなる磁気抵抗効果型ヘッド
    の製造方法。
  5. 【請求項5】前記一対のリード部を形成する工程が、 前記多層膜上にレジスト膜を塗布する工程と、 前記レジスト膜の所定部分を除去して一対のレジスト膜
    を形成する工程と、 前記レジスト膜が除去された部分に面する前記一対のレ
    ジスト膜の端面が前記多層膜の表面に対して傾斜するよ
    うに前記レジスト膜を溶融する工程と、 前記多層膜と前記レジスト膜とを一括してイオンミリン
    グ加工する工程とからなる請求項4に記載の磁気抵抗効
    果型ヘッドの製造方法。
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