JPH11237331A - アルミニウム材料の耐食性試験方法 - Google Patents
アルミニウム材料の耐食性試験方法Info
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Abstract
ム材料について、短期間で実機の耐久性と相関性の高い
試験結果が得られる耐食性試験方法を目的とする。 【解決手段】 腐食液噴霧ステップ、乾燥ステップ、湿
潤ステップより構成されるサイクル試験であって、サイ
クル試験に先だって試験体表面に腐食促進物質を付着さ
せることにより、あるいは腐食液として腐食性の高い、
腐食促進物質添加塩水または酸性塩水を使用して、腐食
が促進される環境でサイクル試験を行う。
Description
料の腐食を促進して短時間で耐食性を試験する耐食性試
験方法に関し、特に熱交換器等の自動車用アルミニウム
製品の耐食性試験に適した耐食性試験方法に関する。
は、アルミニウムまたはその合金が多く使用されてい
る。また、熱交換器は、その使用環境において、排ガス
等の汚染空気に曝されるとともに、降雨や日照により湿
潤と乾燥と繰返し、長期使用の間には腐食は免れない。
そのため、的確な製品の耐久性予測や製品開発を行う上
で、製品または材料金属の耐食性試験は不可欠である。
験を行うために試験体を腐食促進環境下において行う。
一般的な耐食性試験法として、例えば、連続的に塩水を
噴霧する塩水噴霧試験方法(JIS Z2371),酸
性水を噴霧するキャス試験(JIS H8681)、A
STM G85−85,Method G43 SWA
AT等が知られており、熱交換器の耐食性試験としても
これらの試験法が広く採用されている。また、特に自動
車用部品の耐食性試験法として、(財)自動車技術会制
定の自動車規格JASO M609−91 自動車用材
料腐食試験方法、M610−92 自動車部品外観腐食
試験法があり、一定サイクルで塩水噴霧、乾燥、湿潤を
繰返すこの試験方法も採用されている。
一般的な耐食性試験法のうち、塩水噴霧試験方法は塩水
の噴霧時間が長いために、孔食を主とする実機とは異な
る形態で腐食が発生進行し、市場における耐久性を的確
に予測することが困難である。さらに、腐食の促進性が
低いために、短期間で試験を実施することができない。
また、酸性液を用いるキャス試験やSWAATでは腐食
の促進性はあるが、やはり実機の腐食形態とは異なるた
めに、市場における耐久性を的確に予測することができ
ない。
0−92は、市場の腐食環境に近い腐食試験方法である
が、裸鋼板、塗装板、ステンレス、めっき品、アルミニ
ウム材料など、あらゆる金属材料を対象にした試験方法
であり、個々の材料すべてに対して短期間で腐食を発生
させる最適な耐食性試験方法とは言い難い。
ては、アルミニウム材料およびその製品、特に熱交換器
等の自動車用アルミニウム製品を対象として、市場相関
がありかつ腐食を短時間で発生させる最適条件が確立さ
れていない。
孔食を主体とする腐食形態を示すアルミニウム材料につ
いて、短期間で実機の耐久性と相関性の高い試験結果が
得られるアルミニウム材料の耐食性試験方法の提供を目
的とする。
ニウム材料の耐食性試験方法は、前記目的を達成するた
めに、試験体の表面に腐食促進物質を付着させたのち、
試験体に腐食液を噴霧する腐食液噴霧ステップ、試験体
を乾燥環境に保持する乾燥ステップ、試験体を湿潤環境
に保持する湿潤ステップにより構成されるサイクル試験
を行う試験方法であって、前記腐食促進物質は、塩化ナ
トリウム、鉄化合物、銅化合物のうちのいずれか1種以
上であり、これらの化合物の10〜40℃、0.1〜2
0%溶液に試験体を5秒間〜2分間浸漬後、乾燥させて
前記腐食促進物質を析出付着させることを特徴とする。
また、第2のアルミニウム材料の耐食性試験方法は、試
験体に腐食液を噴霧する腐食液噴霧ステップ、試験体を
乾燥環境に保持する乾燥ステップ、試験体を湿潤環境に
保持する湿潤ステップにより構成されるサイクル試験を
行う試験方法であって、前記腐食液は、0.1〜10%
塩化ナトリウム溶液に、0.01〜5%の鉄化合物、
0.01〜5%の銅化合物のうちの1種以上を添加した
ものであることを特徴とするものである。また、第3の
アルミニウム材料の耐食性試験方法は、試験体に腐食液
を噴霧する腐食液噴霧ステップ、試験体を乾燥環境に保
持する乾燥ステップ、試験体を湿潤環境に保持する湿潤
ステップにより構成されるサイクル試験を行う試験方法
であって、前記腐食液は、0.1〜10%塩化ナトリウ
ム溶液に、酢酸、塩酸、硝酸または蓚酸のうちのいずれ
か1種以上の添加によりpH2〜5に調整された酸性溶
液であることを特徴とするものである。
方法は、いずれも塩水等の腐食液の噴霧、乾燥、湿潤よ
り構成されるサイクル試験であるが、サイクル試験に先
だって試験体表面に腐食促進物質を付着させることによ
り、あるいは腐食液として単なる塩水よりも腐食性の高
いものを使用することにより、従来より腐食が促進され
る環境でサイクル試験を行うものである。以下に、各試
験方法について詳述する。
は、試験体の表面に腐食促進物質を付着させた状態でサ
イクル試験を行う。
は、JIS Z2371 塩水噴霧試験方法を始めとし
て広く用いられている一般的な腐食促進物質である。ま
た、鉄化合物や銅化合物も腐食の促進に有効な物質であ
る。鉄化合物として、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第
二鉄、蓚酸第二鉄を例示できる。また、銅化合物として
塩化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅、蓚酸第二銅を例
示できる。これらの腐食促進物質は1種を用いれば腐食
促進の効果が得られ、2種以上を併用することもでき
る。
質の溶液に試験体を浸漬したのち乾燥させることにより
付着させる。付着量は腐食を促進するために1〜2mg
/cm2 が好ましい。そして、前記付着量を確保するた
めに、溶液の濃度は0.1〜20%、溶液の温度は10
〜40℃とし、浸漬時間を5秒間〜2分間の範囲とする
必要がある。腐食促進物質溶液濃度の好ましい下限値は
1%であり、好ましい上限値は10%である。また、温
度の好ましい上限値は30℃である。また、浸漬時間の
好ましい下限値は10秒間であり、好ましい上限値は1
分間である。
ル試験は、孔食を早期に発生させかつ腐食の進行速度を
促進するために、腐食水噴霧条件、乾燥環境条件、湿潤
環境条件、あるいはさらに各ステップの保持時間やサイ
クル頻度等に基づいて、次の3方法のうちのいずれかを
採用することが好ましい。なお、これらのサイクル試験
の条件は、後に詳述するこの発明の第2および第3のア
ルミニウム材料の耐食性試験方法におけるサイクル試験
と、腐食液の組成以外は共通である。
動の異なる2段階で行い孔食を発生かつ進行させる方法
であって、試験体に対し、主として孔食を早期に発生さ
せる孔食発生促進過程を実施した後、続いて主として孔
食の成長を促進する孔食成長促進過程を実施することに
より、該試験体の耐食性を試験する方法である。前記孔
食発生促進過程は、試験体に、腐食液を0.5〜2時間
噴霧する腐食液噴霧ステップ、次いで前記試験体を50
〜70℃で湿度40%RH以下の乾燥環境中に1〜3時
間保持する乾燥ステップ、さらに前記試験体を40〜6
0℃で湿度80〜100%RHの湿潤環境中に1〜5時
間保持する湿潤ステップを1サイクルとするとともに、
前記湿潤ステップ時間が1サイクル中の33〜67%と
なるように設定し、3.4〜8サイクル/日の頻度で1
〜10日間行うものであり、前記孔食成長促進過程は、
前記試験体に、腐食液を0.5〜2時間噴霧する腐食液
噴霧ステップ、次いで前記試験体を50〜70℃で湿度
40%RH以下の乾燥環境中に1〜3時間保持する乾燥
ステップ、さらに前記試験体を40〜60℃で湿度80
〜100%RHの湿潤環境中に6〜45時間保持する湿
潤ステップを1サイクルとするとともに、前記湿潤ステ
ップ時間が1サイクル中の50〜95%となるように設
定し、0.5〜2サイクル/日の頻度で1サイクル以上
行うものである。これらの過程は、いずれも腐食液噴霧
ステップ、乾燥ステップ、湿潤ステップを1サイクルと
してこれを反復して行うものであるが、1サイクル中の
湿潤ステップ時間の割合を、孔食発生促進過程で短く、
孔食成長促進過程で長く設定している点で異なってい
る。
長促進過程は、腐食挙動が異なるといってもいずれも腐
食形態は孔食でありかつ腐食を促進するものであるか
ら、単独で実施した場合でも、腐食の進行速度が若干低
下するものの、市場の腐食形態を再現するサイクル試験
とすることができる。上述の第1のサイクル試験が2つ
の異なる過程を組合せたものであるのに対し、第2のサ
イクル試験は第1のサイクル試験の孔食発生促進過程を
単独で行うものであり、第3のサイクル試験は孔食成長
促進過程を単独で行うものである。これらの単一過程に
よるサイクル試験では、試験に要する期間が若干長くな
るものの、同一サイクルの反復実施であるからサイクル
管理が簡単であるという利点がある。
る。なお、孔食発生促進過程および孔食成長促進過程に
おける各ステップの条件は、保持時間およびサイクル頻
度を除いて共通である。
プは、試験体に腐食液を噴霧して試験体表面に腐食促進
物質を付着させるとともに、試験体表面が常時濡れてい
る状態を保持する。腐食液として、第1のサイクル試験
ではpH6〜8に調整された2〜6%塩化ナトリウム水
溶液を用いる。塩化ナトリウムは腐食促進成分であり、
塩化ナトリウム濃度が2%未満では腐食の進行が遅く試
験に長時間を要し、6%を超えても腐食進行が飽和す
る。塩化ナトリウム濃度の好ましい下限値は3%であ
り、好ましい上限値は5%である。また、塩化ナトリウ
ム水溶液をpH6〜8の中性とすることにより市場の腐
食形態を再現することができる。塩化ナトリウム水溶液
のpHの好ましい下限値は6.5であり、好ましい上限
値は7.5である。また、前記腐食液の噴霧雰囲気は、
適度な腐食速度を確保するために40〜60℃の範囲と
している。40℃未満では腐食の発生が遅れ、60℃を
超えると水和酸化膜が成長し、カソードの還元反応は抑
制されてしまい腐食速度は遅くなるためである。腐食液
噴霧雰囲気温度の好ましい下限値は45℃であり、好ま
しい上限値は55℃である。
を50〜70℃、湿度40%RH以下の乾燥環境中で保
持して、試験体表面から水分を除去するとともに腐食を
促進する。乾燥環境における温度は、50℃未満では腐
食の促進が不十分で試験に長時間を要し、一方70℃を
超えると試験装置の耐熱性を確保するために、装置の構
成材料に制限がある。好ましい乾燥環境温度の下限値は
55℃であり、好ましい上限値は65℃である。また、
湿度は、40%RHを超えると付着水分が蒸発しにくく
なり乾燥しにくくなる。湿度の好ましい上限値は30%
RHである。
を湿度40〜60℃、湿度80〜100%RHの湿潤環
境中に1〜5時間保持することにより、乾燥した試験体
表面に再び水分を与えて腐食を促す。湿潤環境における
温度は、40℃未満では腐食の促進が不十分で試験に長
時間を要し、一方60℃を超えると水和酸化膜が成長
し、カソードの還元反応は抑制されてしまい腐食速度は
遅くなる。好ましい湿潤環境温度の下限値は45℃であ
り、好ましい上限値は55℃である。また、相対湿度
は、80%RH未満では試験体表面に十分な水分を与え
ることができない。湿度の好ましい下限値は90%RH
であり、好ましい上限値は98%RHである。
進過程における各ステップの保持時間およびサイクル頻
度について、表1を参照しつつ説明する。
の保持時間は0.5〜2時間とする。0.5時間未満で
は腐食を促進する効果に乏しく、2時間を超えると腐食
形態が面状腐食になりやすい。腐食液噴霧ステップの保
持時間の好ましい下限値は1時間であり、好ましい上限
値は1.5時間である。
る。1時間未満または3時間を超える場合は、腐食の進
行速度が低下する。乾燥ステップの保持時間の好ましい
下限値は1時間であり、好ましい上限値は2時間であ
る。
し、後述の孔食成長促進過程よりも短く設定する。1時
間未満では腐食を促進する効果に乏しく、5時間を超え
て湿潤状態を持続すると孔食を発生させる効果が低下す
る。湿潤ステップの保持時間の好ましい下限値は2時間
であり、好ましい上限値は4時間である。
テップ時間を上述の範囲とし、さらに、特に孔食の早期
発生に深く関与する1サイクル中の湿潤ステップ時間の
割合を33〜67%となるように、各ステップ保持時間
を設定する。湿潤ステップ時間の割合が前記範囲内にあ
るときに、孔食を早期に発生させかつ腐食の進行を促進
する効果が大きい。1サイクル中の湿潤ステップ時間の
割合の好ましい下限値は40%であり、好ましい上限値
は60%である。
プ、湿潤ステップを1サイクルとするサイクル頻度は
3.4〜8サイクル/日の範囲とする。換言すれば、相
対的に湿潤ステップ時間を短くしてサイクル頻度を多く
することにより、孔食を早期に発生させかつ腐食の進行
を促進する効果が大きい。サイクル頻度の好ましい下限
値は4サイクル/日であり、好ましい上限値は6サイク
ル/日である。
および乾燥ステップの保持時間は、上述の孔食発生促進
過程におけるそれぞれの保持時間と同一である。
し、上述の孔食発生促進過程よりも長く設定する。6時
間未満であっても45時間を超えても孔食の成長を促進
する効果が低下する。湿潤ステップの保持時間の好まし
い下限値は12時間であり、好ましい上限値は36時間
である。
時間を上述の範囲とし、さらに、特に孔食の成長に深く
関与する1サイクル中の湿潤ステップ時間の割合を50
〜95%となるように、各ステップ保持時間を設定す
る。湿潤ステップ時間の割合が前記範囲内にあるとき
に、孔食を早期に発生させかつ腐食の進行を促進する効
果が大きい。1サイクル中の湿潤ステップ時間の割合の
好ましい下限値は67%であり、好ましい上限値は92
%である。
/日の範囲とする。換言すれば、湿潤ステップ時間を長
く設定してサイクル頻度を少なくすることにより、孔食
を成長させる効果が大きい。サイクル頻度の好ましい下
限値は0.62サイクル/日であり、好ましい上限値は
1.6サイクル/日である。
過程1〜10日間実施して、早期に孔食を発生させた
後、続いて前記孔食成長促進過程を実施して孔食を成長
させるものである。前記孔食発生促進過程の実施期間
は、3〜5日間が好ましい。また、前記孔食成長促進過
程は1サイクル以上任意の期間実施し、特に期間は限定
しない。
促進過程のみを実施するものであり、第3のサイクル試
験は前記孔食成長促進過程のみを実施するものであっ
て、いずれも1サイクル以上任意の期間実施する。
は、腐食液として塩化ナトリウムに他の腐食促進物質を
添加して腐食促進性を高めたものを使用して、上述のサ
イクル試験を行うものである。
ム濃度は0.1〜10%とする。塩化ナトリウム濃度が
0.1%未満では腐食の進行が遅く試験に長時間を要
し、10%を超えると腐食進行が飽和するためである。
塩化ナトリウム濃度の好ましい下限値は1%であり、好
ましい上限値は5%である。また、添加する腐食促進物
質は第1の耐食性試験方法において付着物として用いた
と同じ鉄化合物または銅化合物であり、これらを1種以
上用いる。鉄化合物または銅化合物の濃度は0.01〜
5%とする。0.01%未満では、腐食の進行が遅く、
5%を超えると腐食進行は飽和するためである。鉄化合
物または銅化合物の濃度の好ましい下限値はそれぞれ
0.1%であり、好ましい上限値はそれぞれ1%であ
る。
は、腐食液として酸の添加により酸性に調整した塩化ナ
トリウム溶液を用いる。塩化ナトリウム濃度は第2の耐
食性試験方法と同じく0.1〜10%とする。また、腐
食液のpHは、2未満ではアルミニウムが全面溶解し、
局部腐食が得られないという不都合が生じ、また5を超
えると不十分な腐食の促進性が得られないため、pH2
〜5とする。腐食液の好ましいpHの上限値はpH4.
5である。また、pH調整に用いる酸は、酢酸、塩酸、
硫酸、硝酸、蓚酸といった腐食性の強い酸を用い、これ
らの1種以上で調整する。
性試験方法は、試験体の表面に腐食促進物質を付着させ
た上で、腐食液噴霧、乾燥環境保持、湿潤環境保持のサ
イクル試験を行うことにより、アルミニウム材料に短期
間で孔食を発生させかつ進行させることができる。その
ため、孔食を起こすような状況で使用されるアルミニウ
ム材料やアルミニウム製品の耐食性について短期間で的
確に評価することができる。
の耐食性試験方法は、腐食性を高めた腐食液を用いて、
腐食液噴霧、乾燥環境保持、湿潤環境保持のサイクル試
験を行うことにより、アルミニウム材料に短期間で孔食
を発生させかつ進行させることができる。そのため、孔
食を起こすような状況で使用されるアルミニウム材料や
アルミニウム製品の耐食性について短期間で的確に評価
することができる。
試験方法の具体的実施例について説明する。
IS A1050からなる肉厚0.4mmの多穴管押出チ
ューブと、JIS A3003+2%Znからなる芯材
の両面にJIS A4343+2%Znからなるろう材
を10%でクラッドしたブレージングシートで製作した
コルゲートフィンとを組合せ、これらを弗化物系フラッ
クスを用いて窒素雰囲気中で600℃、5分間の加熱し
てろう付した熱交換器のミニサンプルを使用した。
ナトリウム溶液に中に30秒間浸漬した後、60℃乾燥
炉内で2時間乾燥させ、試験体表面に塩化ナトリウムを
析出付着さた。次いで、腐食液噴霧ステップ、乾燥ステ
ップ、湿潤ステップを1サイクルとするサイクル試験
を、次に示す条件で実施した。
℃、pH6.5、濃度5%の塩化ナトリウム溶液を1時
間噴霧した。
の乾燥環境中で2時間保持した。
の湿潤環境中で3時間保持した。
ステップ時間の割合は50%ととなり、サイクル頻度は
4サイクル/日となる。
第二鉄溶液に中に1分間浸漬した後、60℃乾燥炉内で
2時間乾燥させ、試験体表面に塩化第二鉄を析出付着さ
た。次いで、腐食液噴霧ステップ、乾燥ステップ、湿潤
ステップを1サイクルとするサイクル試験を、次に示す
条件で実施した。
℃、pH6.5、濃度5%の塩化ナトリウム溶液を1時
間噴霧した。
の乾燥環境中で2時間保持した。
の湿潤環境中で6時間保持した。
ステップ時間の割合は67%となり、サイクル頻度は
2.67サイクル/日となる。
ナトリウム+1%硫酸第二銅の混合溶液に中に1分間浸
漬した後、60℃乾燥炉内で2時間乾燥させ、試験体表
面に塩化ナトリウムおよび硫酸第二銅を析出付着さた。
次いで、実施例1と同じサイクル試験を3日間実施した
後、続いて実施例2と同じサイクル試験を実施する、2
段階のサイクル試験を行った。
溶液に代えて5%塩化ナトリウム+1%塩化第二銅溶液
を用いた以外は、実施例3と同じ2段階のサイクル試験
を行った。
ム溶液に代えて酢酸の添加によりpH3に調整した5%
塩化ナトリウム溶液を用いた以外は、実施例3と同じ2
段階のサイクル試験を行った。
霧試験方法に準拠し、pH6.5、濃度5%の塩化ナト
リウム水溶液を50℃で連続噴霧した。
試験方法に準拠し、酸性塩水を49℃で連続噴霧した。
ethod G43 SWAATに準拠し、ASTM人
工海水と酢酸により調整した酸性腐食液を0.5時間噴
霧、1.5時間湿潤環境保持を1サイクルとするサイク
ル試験を実施した。
動車部品外観腐食試験法(CCT)に準拠し、35℃で
2時間の塩水噴霧、60℃で4時間の乾燥環境保持、5
0℃、95%RHで2時間の湿潤環境保持を1サイクル
とするサイクル試験を実施した。
目、60日目および90日目に、チューブの腐食状態を
肉眼で観察するとともに、孔食の深さを測定し、腐食形
態と腐食促進度について評価した。表2に、試験方法の
概要を示すとともに評価結果を示す。
ば、市場の実機の腐食形態である孔食が再現できるとと
もに、短期間で腐食を進行させることができることを確
認できた。そして、この試験方法によりアルミニウム材
料の耐久性を短期間で評価することができる。
ニウム材料の耐食性試験方法は、試験体の表面に腐食促
進物質を付着させたのち、試験体に腐食液を噴霧する腐
食液噴霧ステップ、試験体を乾燥環境に保持する乾燥ス
テップ、試験体を湿潤環境に保持する湿潤ステップによ
り構成されるサイクル試験を行う試験方法であって、前
記腐食促進物質は、塩化ナトリウム、鉄化合物、銅化合
物のうちのいずれか1種以上であり、これらの化合物の
10〜40℃、0.1〜20%溶液に試験体を5秒間〜
2分間浸漬後、乾燥させて前記腐食促進物質を析出付着
させるから、サイクル試験のみからなる従来の試験方法
よりも、アルミニウム材料に短期間で孔食を起こさせか
つ進行させることができる。そのため、孔食を生じる状
況で使用されるアルミニウム材料やアルミニウム製品の
耐食性について、実機の耐久性と相関性の高い試験結果
が得られ、その試験結果に基づき、市場における製品の
耐久性を的確に予測することができるとともに、用途に
応じた耐食性材料や製品の開発も的確に行うことができ
る。孔食を起こすようなアルミニウム材料ないし製品と
して、自動車用熱交換器、特にコンデンサ、海洋雰囲気
や融雪剤散布地区等の塩害地域で使用される各種アルミ
ニウム製品を例示でき、これらの耐久性の評価と品質保
証を的確に行え、また耐久性の改善にも寄与することが
できる。
験方法は、試験体に腐食液を噴霧する腐食液噴霧ステッ
プ、試験体を乾燥環境に保持する乾燥ステップ、試験体
を湿潤環境に保持する湿潤ステップにより構成されるサ
イクル試験を行う試験方法であって、前記腐食液は、
0.1〜10%塩化ナトリウム溶液に、0.01〜5%
の鉄化合物、0.01〜5%の銅化合物のうちの1種以
上を添加したものであるから、単なる塩水を噴霧する従
来のサイクル試験方法よりもアルミニウム材料に短期間
で孔食を起こさせかつ進行させることができ、第1の耐
食性試験方法と同様の効果が得られる。
験方法は、試験体に腐食液を噴霧する腐食液噴霧ステッ
プ、試験体を乾燥環境に保持する乾燥ステップ、試験体
を湿潤環境に保持する湿潤ステップにより構成されるサ
イクル試験を行う試験方法であって、前記腐食液は、
0.1〜10%塩化ナトリウム溶液に、酢酸、塩酸、硝
酸または蓚酸のうちのいずれか1種以上の添加によりp
H2〜5に調整された酸性溶液であるから、単なる塩水
を噴霧する従来のサイクル試験方法よりもアルミニウム
材料に短期間で孔食を起こさせかつ進行させることがで
き、第1の耐食性試験方法と同様の効果が得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 試験体の表面に腐食促進物質を付着させ
たのち、試験体に腐食液を噴霧する腐食液噴霧ステッ
プ、試験体を乾燥環境に保持する乾燥ステップ、試験体
を湿潤環境に保持する湿潤ステップにより構成されるサ
イクル試験を行う試験方法であって、 前記腐食促進物質は、塩化ナトリウム、鉄化合物、銅化
合物のうちのいずれか1種以上であり、これらの化合物
の10〜40℃、0.1〜20%溶液に試験体を5秒間
〜2分間浸漬後、乾燥させて前記腐食促進物質を析出付
着させることを特徴とするアルミニウム材料の耐食性試
験方法。 - 【請求項2】 試験体に腐食液を噴霧する腐食液噴霧ス
テップ、試験体を乾燥環境に保持する乾燥ステップ、試
験体を湿潤環境に保持する湿潤ステップにより構成され
るサイクル試験を行う試験方法であって、 前記腐食液は、0.1〜10%塩化ナトリウム溶液に、
0.01〜5%の鉄化合物、0.01〜5%の銅化合物
のうちの1種以上を添加したものであることを特徴とす
るアルミニウム材料の耐食性試験方法。 - 【請求項3】 試験体に腐食液を噴霧する腐食液噴霧ス
テップ、試験体を乾燥環境に保持する乾燥ステップ、試
験体を湿潤環境に保持する湿潤ステップにより構成され
るサイクル試験を行う試験方法であって、 前記腐食液は、0.1〜10%塩化ナトリウム溶液に、
酢酸、塩酸、硝酸または蓚酸のうちのいずれか1種以上
の添加によりpH2〜5に調整された酸性溶液であるこ
とを特徴とするアルミニウム材料の耐食性試験方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03824698A JP3646001B2 (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | アルミニウム材料の耐食性試験方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03824698A JP3646001B2 (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | アルミニウム材料の耐食性試験方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11237331A true JPH11237331A (ja) | 1999-08-31 |
JP3646001B2 JP3646001B2 (ja) | 2005-05-11 |
Family
ID=12519963
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03824698A Expired - Fee Related JP3646001B2 (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | アルミニウム材料の耐食性試験方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3646001B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6974615B2 (en) | 2001-03-30 | 2005-12-13 | J.S.T. Mfg. Co., Ltd. | Binding member for coaxial cable and an electric connector for coaxial cable both using resin solder, and a method of connecting the binding member to coaxial cable or the electric connector |
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1998
- 1998-02-20 JP JP03824698A patent/JP3646001B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US6974615B2 (en) | 2001-03-30 | 2005-12-13 | J.S.T. Mfg. Co., Ltd. | Binding member for coaxial cable and an electric connector for coaxial cable both using resin solder, and a method of connecting the binding member to coaxial cable or the electric connector |
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