JPH11234706A

JPH11234706A - テレビカメラ映像調整装置

Info

Publication number: JPH11234706A
Application number: JP5140698A
Authority: JP
Inventors: Makoto Yamamoto; 山本　　誠
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1998-02-16
Filing date: 1998-02-16
Publication date: 1999-08-27

Abstract

(57)【要約】【課題】テレビカメラの映像調整を行なうとき、テス
トチャートの変換、位置合わせ、色相その他の調整を自
動的に行なう。【解決手段】テストチャートのテストパターンはテス
トパターンメモリ部２２に記憶され、テストパターン補
正値はテストパターン補正値メモリ部２３に記憶され、
ずれ限度はずれ限度メモリ部２４に記憶されている。テ
ストパターンメモリ部２２からの映像情報は透過型液晶
表示部１３に映出され、テレビカメラ３０で撮像され、
映像解析部１９で解析され、制御部２０で演算され、映
像調整部１７を介して映像信号処理部３４を調整する。
カメラのずれは、ずれ限度メモリ部２４のデータと比較
して判定される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テレビカメラの生
産において、テレビカメラで撮影した映像の色ずれ、フ
ォーカス等を調整するために用いる映像調整装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】テレビカメラの生産工程で映像調整を行
なう場合、日本電子機械工業会制定のＥＩＡＪテストチ
ャート、あるいはカメラ生産メーカのオリジナルなテス
トチャートを使用する。テストチャートは、色ガラスの
組合せによる透過型チャート、あるいは紙に彩色を行な
った反射型チャートを用いる。調整検査各項目において
テストチャートを交換する。

【０００３】図１１は、透過型チャートを使用した一例
のブロック図である。透過型チャート５１は、その背面
の照度可変均一照明装置５２により照明され、調整対象
のテレビカメラ３０により撮像される。透過型チャート
５１の照明は、照度がたとえば２４００ルクスになるよ
うに、また照明装置の内部のランプの発光が、たとえば
色温度３１００度で均一に照明するように、照度可変均
一照明装置５２を調整する。

【０００４】調整対象のテレビカメラ３０は、光学レン
ズ３１により集光された映像を撮像する映像撮像部３
２、映像撮像部３２からの信号をディジタルに変換する
Ａ／Ｄ変換部３３、Ａ／Ｄ変換部３３からの映像信号に
必要な補正を行なう映像信号処理部３４、映像信号処理
部３４からの信号をＤ／Ａ変換するＤ／Ａ変換部３５お
よびディジタル信号を出力するディジタル信号出力部３
６等によって構成されている。ディジタル信号出力部３
６から出力されたディジタル信号は、映像調整装置の映
像解析部４１に送られる。テレビカメラからの信号がＤ
／Ａ変換部３５からのアナログ信号である場合は、Ａ／
Ｄ変換部４２によりディジタル信号に変換した後映像解
析部４１に送られ、解析された信号は制御部４３に送ら
れる。制御部４３では必要な演算を行ない映像調整部４
０を経由して映像信号処理部３４に補正値をフィードバ
ックする。また、制御部４３からの信号は映像モニタ部
４４に送られ、ここで映像を監視することができる。

【０００５】制御部４３からの信号は駆動装置５０に送
られる。駆動装置５０は画角調整のためで、図４に示さ
れるような、中心位置で交差する垂直線と水平線が描か
れたチャートを撮像し、テレビカメラの位置を目視また
は、画像の演算処理により判定し、黒十字線交差点がテ
レビカメラの中心位置にくるように、テレビカメラの位
置を作業者の手動、または、モータにより駆動装置で補
正して画角を調整していた。

【０００６】図１２は、テストチャートとして反射型チ
ャート５４を使用した例のブロック図である。照明ラン
プ５３，５３は所望の色温度で発光するように、そし
て、これらにより照明される反射型チャート５４の表面
が所望の照度になるように調整される。その他の部分は
図１１の場合と同様であり、同一の部分は同一の符号で
表わされる。

【０００７】なお、ビデオカメラの映像調整とは関係な
いが、液晶プロジェクタにおけるコンバージェンス調整
に際し、自動的なずれ検出を行なうものとして特開平６
−１６０７９号がある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】前述のような目視によ
るテレビカメラの画角調整では、調整の誤差が大きく、
作業者の違いにより調整の精度にばらつきが発生する。
また、テレビカメラの位置を演算処理により自動的に色
を補正する場合も、駆動部分の耐久性および精度の維持
の問題が発生する。さらに、いずれの場合も調整検査項
目に応じたチャートの交換、位置合わせによる調整時間
のロスが発生していた。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明のテレビカメラ映
像調整装置は、調整検査に必要なテストチャートのパタ
ーンを含むデータをメモリに記憶させて、調整，検査を
自動的に行なうようにした。

【００１０】請求項１記載の発明は、テレビカメラの映
像調整の基準となるテストチャートを数値情報として記
憶するテストパターンメモリ部分と、テストパターンメ
モリ部に記憶されている映像情報に基づき映像信号を作
成する映像信号発生部と、映像信号発生部で作成したテ
ストパターン映像を表示する透過型液晶表示部と、透過
型液晶表示部の背面で定められた輝度で発光することに
よりテストパターン映像を映出する均一照明部と、この
映像を撮像する映像調整対象であるテレビカメラと、撮
像された画像の輝度および色情報を分析する映像解析部
と、映像解析部の情報に基づきテレビカメラの映像信号
処理部での映像信号処理方法を変更する映像調整部と、
映像解析部の輝度情報分布から透過型液晶表示部とテレ
ビカメラとの上下左右の相対位置情報を検出する位置検
出部と、テレビカメラのずれの許容限界を記憶するずれ
限度メモリ部と、相対位置情報とずれ限度メモリ部に記
憶されているずれ限度情報とを比較し、比較した結果、
許容範囲内であるか否かを判断する位置情報比較部とを
設け、その撮像したテレビカメラのテストパターン映像
の映像解析情報とテストパターンメモリ部の数値情報が
一致するよう、調整すべきテレビカメラの映像処理方法
を映像調整部で算出し、テレビカメラの映像処理部に補
正指示することで、その映像信号処理方法を変更し映像
調整動作を行なう手段を有するものである。

【００１１】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明における相対位置情報が、テレビカメラの光軸方向に
対する透過型液晶表示部の中心と光軸に対する上下方向
と左右方向の位置情報であり、ずれ限度情報は、テスト
パターンを映出する際に透過型液晶表示部の中心部から
テストパターンの中心部を上下方向と左右方向に位置補
正させる限界のずらし量としたものである。

【００１２】請求項３記載の発明は、請求項１記載の発
明において、テレビカメラの映像調整作業の各ステップ
において使用するテストチャートの変更が生じた際、制
御部の調整シーケンスに基づきテストパターンメモリ部
より、変更するテストパターンの数値情報を選択し映像
信号発生部に伝達することにより、映像信号発生部は透
過型液晶パネルを表示駆動し、映像調整対象のテレビカ
メラに対し、別のテストパターンを映出する手段を有す
るものである。

【００１３】請求項４記載の発明は、映像解析部の輝度
情報分布から透過型液晶表示部とテレビカメラとの上下
左右の相対位置情報を位置検出部で検出し、その相対位
置情報とずれ限度メモリに記憶するずれ限度情報とを比
較し、比較した結果、ずれ操作許容範囲内であれば、映
像信号発生部でテストパターン映像をずれ相当量だけ補
正して作成することで、透過型液晶表示部とテレビカメ
ラとの上下左右の相対位置ずれの補正動作を行なう手段
を有するものである。

【００１４】請求項５記載の発明は、映像調整が調整基
準値の中心に設定された状態で保管されている基準とな
るテレビカメラで、図３のカラーチャートテストパター
ンを撮像した際の赤および青パターン部の映像出力の色
位相情報を、調整基準値と比較することで算出される補
正値に基づき、映像信号発生部で作成されるテストパタ
ーンの赤および青パターン部の色相を変化させる手段を
有するものである。

【００１５】請求項６記載の発明は、映像調整が調整基
準値の中心に設定された状態で保管されている基準とな
るテレビカメラで、図３のカラーチャートテストパター
ンを撮像した際の白透明パターン部の映像出力の輝度情
報を、予め定められた調整基準値と比較することで算出
される補正値に基づき、照度調整部の均一照明部内の蛍
光管への発生電圧を変化させることで、液晶パネル部の
表面照度を調整する手段を有するものである。

【００１６】したがって、本発明では、テレビカメラ映
像装置において、最適位置となる上下左右位置を演算に
よって求め、メモリに記憶されたテストチャートを映出
し、これによって補正を加えるので、画角設定の位置精
度向上、およびテレビカメラ映像調整項目に応じたテス
トチャートの交換作業が自動で行なわれるため、調整時
間の短縮が図れるとともに、テレビカメラ映像調整装置
の経年劣化による誤差をも補正することができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明のテレビカメラ映像
調整装置の実施の形態について、図面に基づいて詳細に
説明する。

【００１８】図１は本発明の映像調整装置の実施の形態
の構成の概要を示すブロック図である。

【００１９】図１において、調整対象となるテレビカメ
ラは図１１に示される従来例と同様である。映像調整装
置１０は、テレビカメラの映像調整の基準となる複数の
テストチャートのテストパターンの映像を数値情報とし
て記憶するテストパターンメモリ部２２と、テストパタ
ーンメモリ部２２に記憶されている映像情報に基づき映
像信号を作成する映像信号発生部１４と、作成したテス
トパターン映像を表示する透過型液晶表示部１３と、そ
の透過型液晶表示部１３の表面で、たとえば、２４００
ルクスの照度になるようランプへの印加電圧を変化させ
る照度調整部１２と、内蔵ランプにより発光する、たと
えば、色温度３１００度の均一照明部１１と、透過型液
晶パネル１３より映出された映像を撮像する映像調整対
象であるテレビカメラ３０と、撮像された画像の輝度お
よび色情報を分析する映像解析部１８と、その映像解析
部１８の情報に基づき、後述の位置検出部１７および制
御部２０を経由して、テレビカメラ３０の映像信号処理
部３４での映像信号処理方法を変更する映像調整部１７
と、映像解析部１８の輝度情報分布から透過型液晶表示
部１３とテレビカメラ３０との上下左右の相対位置情報
を検出する位置検出部１７と、その相対位置情報と後述
のずれ限度メモリ部２４に記憶するずれ限度情報とを比
較し、比較した結果、許容範囲内であるか否かを判断す
る位置情報比較部１５とを備えている。位置情報比較部
１５からのデータは映像信号発生部１４に送られる。こ
れらの各部は制御部２０により制御される。そして制御
部２０は、調整作業の各ステップに応じて、テストパタ
ーンメモリ部２２の内容を選択することで発生するテス
トパターンの種類の変更制御およびその他の制御を行な
う。

【００２０】制御部２０には、次のようなメモリも接続
されている。映像調整が調整基準値の中心に設定された
状態で保管されている基準となるテレビカメラで、図３
のカラーチャートテストパターンを撮像することにより
算出する、映像調整装置の個体差あるいは経時劣化によ
る赤および青の色位相のずれおよび輝度レベルのずれ量
を映像信号発生部１４で補正するために記憶するテスト
パターン補正値メモリ部２３と、前述のように位置検出
部１７で検出した透過型液晶表示部１３とテレビカメラ
３０との上下左右の相対ずれ量が位置ずれ許容内かどう
かを判断するための基準値を記憶するずれ限度メモリ部
２４とである。

【００２１】透過型液晶表示部１３に表示された映像が
調整対象のテレビカメラ３０でどのように撮像され調整
動作が行なわれているかを作業者が視認するために、映
像モニタ部２１が制御部２０に接続されている。

【００２２】ここで、均一照明部１１の色温度は、内蔵
するランプを交換することにより３１００度および５１
００度に変更することが可能である。

【００２３】また、調整対象のテレビカメラ３０は、透
過型液晶表示部１３の表示画像を集光する光学レンズ部
３１と、電気情報に変換する映像撮像部３２と、ディジ
タル信号処理を行なうためにサンプリング，量子化を行
なう１０ビットのＡ／Ｄ変換部３３と、映像信号の色相
および輝度レベルを調整してホワイトバランスの制御動
作を行なう映像信号処理部３４と、パラレルあるいはシ
リアルディジタル信号列としてテレビカメラ外部と接続
するディジタル信号出力部３６と、ディジタル信号列を
アナログ信号に変換しＮＴＳＣコンポジット信号とし
て、テレビカメラ外部と接続するＤ／Ａ変換部３５とを
備えている。

【００２４】なお、映像調整装置１０は、調整対象のテ
レビカメラ３０がディジタル信号出力部３６を備えてい
るときは、直接映像解析部１８に映像信号が伝達される
が、ディジタル信号出力部３６を備えておらず、Ｄ／Ａ
変換部３５のみの場合は、Ｄ／Ａ変換部３５を通じてＡ
／Ｄ変換部１９に映像信号が伝達され、ディジタル信号
列に変換された後に映像解析部１８に映像信号が伝達さ
れる。

【００２５】図２は、本発明のテレビカメラ映像調整装
置の実施の形態の一例を示す外観図である。

【００２６】図２において、カメラレンズ部３は、図１
に示される調整対象のテレビカメラ３０の光学レンズ部
３１、映像撮像部３２が内蔵されており、カメラレンズ
部３とケーブルで接続分離されているカメラ本体４は、
図１のＡ／Ｄ変換部３３，映像信号処理部３４，ディジ
タル信号出力部３６が内蔵されている。カメラレンズ部
３はレンズ固定台５で位置決めされて、カメラ本体とと
もにカメラ固定台６に取付けられている。

【００２７】また、検査対象のカメラレンズ部３の画角
に合わせて、３０ｃｍ離れた距離に直立している照明装
置一体型液晶表示装置（以下、液晶表示装置という）２
は、図１に示されるような均一照明部１１と、照度調整
部１２と、たとえば、１４インチの透過型液晶表示部１
３で構成されている。

【００２８】そして、汎用コンピュータ装置１は、演算
処理装置とメモリ領域と外部とのインターフェイス回路
と図１の映像モニタ部２１を兼ねるディスプレイ装置で
構成されており、メモリ領域に記憶されている制御アル
ゴリズムに基づき、演算処理装置で演算処理を行なうこ
とで、図１の映像調整部１６と位置検出部１７と映像解
析部１８と制御部２０と映像信号発生部１４と位置情報
比較部１５の機能を実現し、そのメモリ領域にテストパ
ターンメモリ部２２と、テストパターン補正値メモリ部
２３と、ずれ限度メモリ部２４の情報が記憶されてい
る。

【００２９】さらに、液晶表示装置２およびカメラ本体
４は汎用コンピュータ装置１とケーブルで接続されてお
り、カメラ本体４からは、汎用コンピュータ装置１の内
部の映像解析部１８に撮像した映像情報が送られ、汎用
コンピュータ装置１からは、テレビカメラの映像信号処
理部３４での処理方法の制御パラメータが映像調整部１
６を通じて、制御情報の通信が行なわれる。

【００３０】次に、前述のようなテレビカメラ映像調整
装置の動作について、図１０に示す状態遷移図を参照し
て説明する。

【００３１】映像調整装置を生産に使用する際、電源を
３０分以上供給し、照明装置の輝度が安定した状態で、
まず基準カメラによる補正処理を行なう（Ｓ１）。

【００３２】基準カメラによる補正処理は、基準カメラ
を使用するが、基準カメラは画角の位置ずれ調整が必要
ないように、カメラレンズ部の映像撮像素子であるＣＣ
Ｄの中心光軸が、液晶表示装置２の表示画面の中央と一
致するように組立てられており、輝度および色の映像調
整状態も調整基準値の中心に設定された状態で保管され
ている。

【００３３】基準カメラをカメラ固定台に取付けた状態
で、図３に示すテストチャートパターンのＸ軸Ｙ軸の各
画素の輝度および色のＲＧＢ数値情報を、図１のテスト
パターンメモリ部２２より読出し、液晶表示装置２へデ
ィジタルデータとして伝送することにより液晶表示装置
より映出する。

【００３４】基準カメラで撮像された液晶表示装置より
映出された映像は、ＲＧＢの数値情報として、汎用コン
ピュータ１に取込まれるが、ここで、赤および青パター
ン部位置座標の映像出力の色位相情報および輝度情報
を、液晶表示装置２へ送り出した基準値と比較すること
で差を算出し、その結果たとえば、白レベル補正値９
８．７ＩＲＥ、赤レベル補正値９７．０ＩＲＥ、赤位相
補正値２．０度、青レベル補正値９８．２ＩＲＥ、青位
相補正値７．０度が得られると、これらの値を補正値と
して図１のテストパターン補正値メモリ部２３に記憶さ
せる。この補正値により、その後の調整されるテレビカ
メラの調整を行なう。

【００３５】この補正値をメモリ部に記憶させるのは下
記の理由による。すなわち、基準カメラで撮像した場
合、本来誤差は発生しないはずであるが、生産工程にお
いて複数の映像調整装置を使用し、基準カメラを設定し
た映像調整装置と別の映像調整装置を使う場合や、基準
カメラを設定した同一の映像調整装置においても、液晶
パネル内の色フィルタの特性ばらつきおよび経年劣化に
よる退色、透過型液晶パネルの背面に設置している均一
照明装置内の蛍光管の経年劣化による輝度低下、透過型
液晶パネルの透過率のばらつき等により発生する液晶パ
ネル表面照度の影響に起因する誤差が発生するので、誤
差の補正が必要になる。

【００３６】基準カメラによる補正処理が終了すると、
映像調整装置は検査待機状態ステップＳ２に移行する。

【００３７】検査待機状態において、カメラ固定台に調
整対象のテレビカメラが取付けられると、調整対象のカ
メラの機種ごとに規格値等が異なる制御プログラムに従
い、図１０に示す各調整ステップを順次実行する。

【００３８】まず、検査対象のカメラの画角は正常かど
うか、図４に示す中心で水平垂直の黒十字線が直交し周
囲を黒で縁取られたテストチャートの画像情報を、前記
テストパターンメモリ部２０により取出し、液晶表示装
置２に表示する。表示されたテストパターンは、調整対
象テレビカメラで撮像され、ＲＧＢの数値情報として汎
用コンピュータに取込まれる。

【００３９】ここで、基準カメラのようにカメラレンズ
部の映像撮像素子であるＣＣＤの中心光軸が液晶表示装
置の表示画面の中央と一致していれば、汎用コンピュー
タに取込まれたテストチャートの映像は、液晶表示装置
に表示されている図４と同様になるが、レンズ組立の生
産ばらつきにより、多少なりとも、図８に示すような、
たとえば、右上方へのずれが発生する。

【００４０】図８の場合、輝度分布情報よりＸ軸方向に
ΔＸ、Ｙ軸方向にΔＹずれていることが認識できる。

【００４１】ここで、ずれ限度メモリに記憶されている
ずれ限度値と、ずれ量ΔＸとΔＹとを比較し、位置ずれ
許容範囲内に入るかどうかを判定（Ｓ３）し、ずれ限度
値を超えている場合は、レンズ不良あるいは映像撮像部
のＣＣＤ素子の組立不良による光軸異常品として、映像
調整異常終了状態Ｓ１３に移行し、位置ずれ許容内に入
っている場合は、画角調整処理ステップＳ４に移行す
る。

【００４２】画角調整処理ステップＳ４は、図８のずれ
量ΔＸおよびΔＹを、図９に示す対応する補正値Δｘお
よびΔｙだけ黒十字線の交点を左下に動かすように、図
４のテストチャートに補正を加え、図９の画像補正情報
を液晶表示装置に表示するもので、調整対象テレビカメ
ラで撮像したテストチャート映像は図４のように補正さ
れた状態となり、画角調整処理ステップＳ４は終了し、
映像調整処理ステップＳ５に移行する。これ以降の処理
ステップにおいて表示するテストチャート画像には、前
の段階で導き出した補正値ΔｘおよびΔｙが適用され
る。

【００４３】映像調整処理ステップＳ５では、調整対象
のテレビカメラの映像信号処理部で行なわれているオー
トホワイトバランス処理を停止した状態で、液晶表示装
置の表示画像を、図３のテストパターンに変更する。こ
の状態で、調整対象テレビカメラで撮像された液晶表示
装置より映出された映像を、ＲＧＢの数値情報として汎
用コンピュータに取込むことで、赤および青パターン部
位置座標の映像出力の色位相が設定規格値になるよう
に、テレビカメラの映像信号処理部の色ゲインの調整を
行なう。映像出力の色位相が設定規格値に到達した時点
で、映像調整処理ステップは終了し（Ｓ６）、再びテレ
ビカメラの映像信号処理部でのオートホワイトバランス
処理制御を実行し、彩度異常判断処理ステップＳ７に移
行する。

【００４４】また、液晶表示パネルの黒表示で背面照明
が完全に遮光できない場合は、映像調整の基準となる黒
レベルが確定できないため調整に誤差が生じる。その場
合は、予め図７のような左端を部分的に黒く塗られた透
明シートを液晶表示パネル全面に貼ることで、図３のテ
ストパターンとの合成パターンをカメラで撮像すること
になるため、容易に黒基準レベル部を撮像することが可
能となる。

【００４５】通常生産されるカメラの調整動作時に、精
度の高い調整制御を行なうためには、テストパターン補
正値メモリ部に記憶されている補正値に基づき映像信号
発生部で作成されるテストパターンの赤および青パター
ン部の色および輝度設定値を変化させる必要があり、ま
た、照度調整部の均一照明部内の蛍光管への発生電圧を
変化させることで、液晶パネル部の表面照度を調整し、
白パターン部のレベルを補正する。

【００４６】彩度異常判断処理ステップＳ７では、調整
対象のテレビカメラの映像信号処理部で一時的に赤およ
び青の色ゲインを最大にした状態で、液晶表示装置の表
示画像を図６の無彩色のグレースケールテストパターン
に変更する。この状態で、調整対象テレビカメラで撮像
された液晶表示装置より映出された映像を、ＲＧＢの数
値情報として汎用コンピュータに取込むことで、各位置
座標の映像出力の色彩度が把握できる。この状態で彩度
異常かどうかを判断する（Ｓ８）。このとき、テストパ
ターンは本来無彩色なので、色彩度が最大１２８階調に
対し、設定規格値である３レベル以上であれば映像撮像
部のＣＣＤ素子の色フィルタ、素子感度分布のばらつき
による色むら不良なので、映像調整異常終了ステップＳ
１３に移行する。色彩度レベルおよびホワイトバランス
が、設定規格内であれば彩度異常判断ステップＳ８は終
了し、設定規格内に入らないときは映像調整異常終了Ｓ
１３となる。設定規格値内であれば、再びテレビカメラ
の映像信号処理部での赤および青の色ゲインを映像調整
処理ステップＳ５で設定した調整値に戻し、ゴミ検査処
理ステップＳ９に移行する。

【００４７】ゴミ検査処理ステップＳ９では、液晶表示
装置に何も表示しない状態に変更する。この状態で、調
整対象テレビカメラで撮像された液晶表示装置より映出
された映像を、ＲＧＢの数値情報として汎用コンピュー
タに取込むことで、各位置座標の映像出力の輝度分布が
把握でき、ゴミ検査正常かどうかを判断する（Ｓ１
０）。本来何も表示していないので、色位相および輝度
分布は一定のはずであるが、画面全体の輝度レベルの平
均値に対し、最大２５６階調に対し、設定規格値である
５０レベル以上差があれば、光学レンズ５および映像撮
像部のＣＣＤ素子の光路に、ゴミ，傷，汚れ等の付着に
より部分的に暗く撮像される不良なので、映像調整異常
終了ステップＳ１３に移行する。設定規格値内であれ
ば、ゴミ検査正常Ｓ１０であり、ゴミ検査処理ステップ
は終了し、フォーカス調整処理ステップＳ１１に移行す
る。

【００４８】フォーカス調整処理ステップＳ１１では、
液晶表示装置の表示画像を図５の解像度テストパターン
に変更する。この状態で、調整対象テレビカメラで撮像
された液晶表示装置により映出された映像を、ＲＧＢの
数値情報として汎用コンピュータに取込むことで、各位
置座標の映像出力の輝度レベル分布が把握できる。図５
の解像度チャートは、線幅の違う４種類５ａから５ｄの
縦線が液晶画面に表示されているが、液晶パネルの表示
能力以上の細かいピッチがカメラの仕様上より要求され
る場合は、図７の細かい縦線５ｅが既に印刷済みの透明
チャートを液晶表面に貼ることで対応できる。

【００４９】解像度チャートの５ａから５ｄまたは５ｅ
まで、順に垂直中心部横１ライン分のカメラの撮像輝度
データの隣接する画素同士の輝度レベル値の差を順次足
し合わせる隣接差分和を演算し、その隣接差分和が最大
値になるように光学レンズ部のフォーカスリングを回す
ことでフォーカス調整を行なう。

【００５０】フォーカス調整処理ステップＳ１１が正常
終了すると、調整対象のテレビカメラは良品と判断し、
映像調整終了状態Ｓ１２となり、テレビカメラへの通電
を遮断し、映像調整装置は次のテレビカメラが取付けら
れるまで、初期状態である検査待機状態Ｓ２に遷移し、
次の調整対象のテレビカメラが取付けられ次第、映像調
整装置が再び位置ずれ許容検査ステップＳ３より順次繰
返し動作を行なう。

【００５１】各ステップの調整作業において３分以上調
整制御を行なっても規定の調整基準に入らない場合は、
調整対象のテレビカメラは製造不良品と判断し、以降の
調整ステップを実行することなく、映像調整異常終了状
態Ｓ１３となり、テレビカメラへの通電を遮断し、映像
調整装置は次のテレビカメラが取付けられるまで初期状
態である検査待機状態Ｓ２に遷移し、次の調整対象のテ
レビカメラが取付けられ次第、映像調整装置を再び位置
ずれ許容検査ステップより順次繰返し動作を行なう。

【００５２】

【発明の効果】本発明のテレビカメラ映像調整装置は、
上記のような構成であるから、基準となるテストチャー
トとそれを撮像したテレビカメラの映像情報が一致する
よう制御動作を行なうテレビカメラの映像調整に際し、
テストチャート情報をテストパターンメモリ部に数値情
報として既に保有しているため、一致制御動作を高精度
に行なうことができる。

【００５３】テレビカメラのレンズ系のずれが一定の範
囲内であれば、自動的に画角の補正を行ない映像の調整
ができる。

【００５４】また、テレビカメラの映像調整作業の各ス
テップにおいて、作業者あるいは機械的手段によるテス
トチャートの交換作業を必要とすることなく、液晶パネ
ルの表示画像の切換操作のみで対応できるため、その都
度位置合わせの必要もなく、チャート交換時間を含めテ
レビカメラの映像調整時間短縮が図れる。

【００５５】そして、テレビカメラの映像調整作業の各
ステップにおいて、テストチャートの交換を行なった際
に必要であったテレビカメラとテストチャートの相対位
置合わせを液晶パネルの表示画像の位置の補正のみで高
精度に対応できるだけでなく、位置合わせの時間の短縮
によりテレビカメラの映像調整時間短縮が図れる。

【００５６】そしてまた、生産工程において複数の映像
調整装置を使用した場合、液晶パネル内の色フィルタの
特性ばらつきおよび経年劣化による退色の影響に起因す
る影響パネルにより映出された映像の色位相の違いが補
正されるため、調整装置の違いによるテレビカメラの映
像調整結果の誤差の発生を防ぐことができる。

【００５７】さらに、透過型液晶パネルの背面に設置し
ている均一照明装置内の蛍光管の経年劣化による輝度低
下、透過型液晶パネルの透過率のばらつきにより発生す
る影響パネル表面照度の変化によるテレビカメラの映像
調整結果の誤差の発生を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のテレビカメラ映像調整装置のブロック
図である。

【図２】本発明のテレビカメラ映像調整装置の外観図で
ある。

【図３】テレビカメラの色調整に使用するテストチャー
トである。

【図４】テレビカメラの画角調整に使用するテストチャ
ートである。

【図５】テレビカメラのフォーカス調整に使用するテス
トチャートである。

【図６】テレビカメラの階調調整に使用するテストチャ
ートである。

【図７】テレビカメラの黒レベルおよびフォーカス調整
に使用するテストチャートである。

【図８】上下左右位置調整前のテレビカメラの撮像した
画面の図である。

【図９】上下左右位置調整後に液晶表示部に表示される
テストチャートである。

【図１０】本発明のテレビカメラ映像調整装置の動作の
遷移状態図である。

【図１１】従来のテレビカメラ映像調整装置の一例のブ
ロック図である。

【図１２】従来のテレビカメラ映像調整装置の他の一例
のブロック図である。

【符号の説明】

１汎用コンピュータ装置２照明装置一体型液晶表示装置３カメラレンズ部４カメラ本体５レンズ固定台６カメラ固定台１０映像調整装置１１均一照明部１２照度調整部１３透過型液晶表示部１４映像信号発生部１５位置情報比較部１６映像調整部１７位置検出部１８映像解析部１９Ａ／Ｄ変換部２０制御部２１映像モニタ部２２テストパターンメモリ部２３テストパターン補正値メモリ部２４ずれ限度メモリ部３０テレビカメラ３１光学レンズ部３２映像撮像部３３Ａ／Ｄ変換部３４映像信号処理部３５Ｄ／Ａ変換部３６ディジタル信号出力部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】テストチャートの映像情報を数値情報と
して記憶するテストパターンメモリ部と、テストパター
ンメモリ部に記憶されている映像情報に基づき映像信号
を作成する映像信号発生部と、映像信号発生部で作成さ
れたテストパターンを映出する透過型液晶表示部と、テ
ストパターン映像を均一に照明するための照度調整部を
有する均一照明部と、テストパターンを撮像するテレビ
カメラと、撮像された画像の輝度および色情報を分析す
る映像解析部と、映像解析部の情報に基づきテレビカメ
ラの映像信号処理部での映像信号処理方法を変更する映
像調整部と、映像解析部の輝度情報分布から透過型液晶
表示部とテレビカメラとの上下左右の相対位置情報を検
出する位置検出部と、テレビカメラのずれの許容限界を
記憶するずれ限度メモリ部と、位置検出部からの相対位
置情報とずれ限度メモリ部に記憶されているずれ限度情
報とを比較しその結果が許容範囲内であるか否かを判断
する位置情報比較部と、各部を制御する制御部とを備え
ることを特徴とするテレビカメラ映像調整装置。
【請求項２】相対位置情報は、テレビカメラの光軸方
向に対する透過型液晶表示部の中心の光軸に対する上下
方向と左右方向の位置情報であり、ずれ限度情報は、テ
ストパターンを映出する際に透過型液晶表示部の中心部
から、テストパターンの中心部を上下方向と左右方向に
位置補正させる限界のずらし量であることを特徴とする
請求項１記載のテレビカメラ映像調整装置。
【請求項３】テストパターンメモリ部は複数のテスト
パターンが記憶されており、映像信号発生部で発生する
テストパターンの種類の変更は制御部の指示により行な
うことを特徴とする請求項１記載のテレビカメラ映像調
整装置。
【請求項４】映像信号発生部は、位置情報比較部の情
報に基づきそのテストパターンの映出位置の補正を行な
うことを特徴とする請求項１記載のテレビカメラ映像調
整装置。
【請求項５】制御部にはテストパターン補正値メモリ
部が接続されており、映像解析部の情報に基づき、その
テストパターンの色相の補正を行なうことを特徴とする
請求項１記載のテレビカメラ映像調整装置。
【請求項６】照度調整部は、映像解析部の情報に基づ
き、その均一照明部の照度調整の補正を行なうことを特
徴とする請求項１記載のテレビカメラ映像調整装置。