JPH11233890A - 窒化ガリウム系化合物半導体素子 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体素子

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JPH11233890A
JPH11233890A JP2944998A JP2944998A JPH11233890A JP H11233890 A JPH11233890 A JP H11233890A JP 2944998 A JP2944998 A JP 2944998A JP 2944998 A JP2944998 A JP 2944998A JP H11233890 A JPH11233890 A JP H11233890A
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JP
Japan
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electrode
type
based compound
compound semiconductor
gallium nitride
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JP2944998A
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English (en)
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Yoshihiro Hara
義博 原
Isao Kidoguchi
勲 木戸口
Masahiro Kume
雅博 粂
Yuzaburo Ban
雄三郎 伴
Yoshiteru Hasegawa
義晃 長谷川
Akihiko Ishibashi
明彦 石橋
Ayumi Tsujimura
歩 辻村
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極とp型窒化ガリウム系化合物半導体間の
コンタクト抵抗を低減し、素子全体の抵抗を低減するこ
とにより、素子の発熱量を抑えて、レーザのしきい値電
流の低減、および、素子の長寿命化を実現する半導体素
子を提供することを目的とする。 【解決手段】 p型の窒化ガリウム系化合物半導体層
と、p型窒化ガリウム系化合物半導体層に接して形成さ
れた電極とを有する窒化ガリウム系化合物半導体素子に
おいて、電極がp型窒化ガリウム系化合物半導体層に接
してマグネシウム(Mg)および金(Au)をこの順序
で積層した構造を有し、かつ、マグネシウムの膜厚が1
0オングストローム以上100オングストローム以下と
することにより、電極−p型半導体間のコンタクト抵抗
を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体発光
素子として用いられる窒化ガリウム系化合物半導体素子
に関するものであり、特にそのp型電極構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年窒化ガリウム系化合物半導体を用い
た素子として、青色光を発する半導体レーザの研究開発
が盛んに行われている。そこで以下では、従来の窒化ガ
リウム系半導体素子について、主にそのp型電極構造に
ついて着目しながら説明する。
【0003】まず、第1の従来例としては、Appli
ed Physics Letter 70,1417
(1997)に記載されているものを挙げることができ
る。ここでは、p型窒化ガリウムに接する電極としてN
iおよびAuをこの順序で積層した構造(以下、Ni/
Auと記述する)のものが記載されている。また第2の
従来例としては、特開平8−64871号公報に記載さ
れているものを挙げることができる。ここでは、上記の
NiおよびAuに代えて、MgおよびAuをこの順序で
積層した構造(以下、Mg/Auと記述する)のものが
記載されている。尚、特開平8−64871号公報で
は、Mgの膜厚として50Åから5000Åが好ましい
とされている。
【0004】図1に、窒化ガリウム系化合物半導体レー
ザーの構造を示す。図1において、101はサファイア
基板、102はGaNバッファ層、103はn型GaN
層、104はn型AlGaNクラッド層、105はIn
GaN活性層(発光層)、106はp型AlGaNクラ
ッド層、107はp型GaN層を示している。そして、
p型GaN層107の上部にはP型電極108が形成さ
れているわけであるが、上記した2つの従来例では、N
i/AuまたはMg/Au(Mgの膜厚は50Å以上5
000Å以下)の材料からなる電極を用いることにな
る、なお、n型GaN層103の上部には、n型電極1
09が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のp型の電極構造では、電極とp型窒化ガ
リウム系化合物半導体間のコンタクト抵抗が高くなるこ
とに起因して、素子動作時の電圧が大きくなり、その結
果、素子の発熱量が大きくなって温度上昇が激しくな
り、レーザーのしきい値電流が上昇したり、素子寿命が
短くなってしまうという問題点を有していた。
【0006】そこで以下では上記した従来のp型電極構
造を有する半導体レーザーの具体的な特性について図面
を参照しながら説明する。
【0007】まず、上記した従来のp型電極構造を有
し、かつ、図1に示した構造を持つ窒化ガリウム系化合
物半導体レーザーにおける電流−電圧特性を図16に示
す。図16において、(a)は、p型電極がNi/Au
(Ni膜厚:100Å、Au膜厚:1000Å)である
もの、また、(b)は、p型電極がMg/Au(Mg膜
厚:500Å、Au膜厚:1000Å)であり、電極蒸
着後、熱処理を施したものの特性を示している。図16
から明らかなように、いずれの場合も電極−p型GaN
間のコンタクト抵抗が高くなることに起因して、素子全
体の抵抗も高くなってしまい、5Vの電圧を加えた時の
電流はいずれも30mA以下に抑えられてしまう。
【0008】上記のようにMg/Auの構造で、コンタ
クト抵抗が高くなる理由を以下に述べる。
【0009】本発明者等は、上記したMg/Auの構造
のp型電極を有する半導体レーザーにおいて、Mg/A
uを蒸着して熱処理を施した後の電極とp型GaN界面
付近のSIMS(2次イオン質量分析法)による各構成
元素濃度の深さ方向プロファイルを測定した。その結果
を図17に示す。図17から明らかなように、熱処理に
よりp型GaN層107との界面付近のMgはp型Ga
N層中に拡散して、p型GaN表面は正孔が高濃度にド
ーピングされるものの、Mgの膜厚が500Åと厚いた
めに、ほとんどのMgはp型GaN表面に残ってしま
う。ここで、Mgのような仕事関数が小さい(3.6e
V)金属は、p型GaN層との間に高いポテンシャル障
壁を形成するため、電流が流れにくくなる。
【0010】このように、従来の半導体レーザーでは、
素子全体の抵抗が高くなり、その結果、素子の発熱量が
大きくなり温度上昇も大きく、レーザー発振のしきい値
電流は180mAと高い値になってしまう。
【0011】また、雰囲気温度50℃で光出力を3mW
で一定にした時のレーザーの動作電流の時間変化を図1
8に示す。動作開始直後の電流は200mA程度である
が、素子の発熱量が大きいために温度上昇が激しく、素
子は急速に劣化し、100時間程度でレーザー発振しな
くなってしまう。
【0012】そこで本発明は以上のような従来の課題を
解決すべく、電極とp型窒化ガリウム系化合物半導体間
のコンタクト抵抗を低減し、素子全体の抵抗を低減する
ことにより、素子の発熱量を抑えて、レーザのしきい値
電流の低減、および、素子の長寿命化を実現する半導体
素子を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の窒化ガリウム系化合物半導体素子は、p型
の窒化ガリウム系化合物半導体層と、前記p型窒化ガリ
ウム系化合物半導体層に接して形成された電極とを有
し、前記電極が前記p型窒化ガリウム系化合物半導体層
に接してマグネシウム(Mg)および金(Au)をこの
順序で積層した構造を有し、前記マグネシウムの膜厚が
10オングストローム以上100オングストローム以下
であることを特徴とする構成となっている。
【0014】この構成によれば、熱処理によりMgがP
型窒化ガリウム系化合物半導体層に十分に拡散し、電極
とp型窒化ガリウム系化合物半導体層との界面に残存す
るMgの量を少なくすることができる。
【0015】また、上記の構成においては、電極とp型
窒化ガリウム系化合物半導体層とのコンタクト抵抗をよ
り小さくするためには、マグネシウムの膜厚が25オン
グストローム以上65オングストローム以下であること
が望ましい。
【0016】さらに、コンタクト抵抗の低減とともに、
残存する電極とp型窒化ガリウム系化合物半導体層との
界面のMgをできるだけ少なくするためには、マグネシ
ウムの膜厚が25オングストローム以上45オングスト
ローム以下であることが、より望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る窒化ガリウム系化合物半導体素子(具体的には半導体
レーザーを例に挙げて)ついて図面を参照しながら説明
する。
【0018】本発明者等は、窒化ガリウム系化合物半導
体層に接するp型の電極として、Mg/Auを積層した
ものを用いる場合において、Mgの膜厚を適正な値に設
定してやれば半導体素子の寿命などを著しく向上させる
ことができるということを見いだし本発明に至ったわけ
である。
【0019】なお、上記の電極に接するp型の窒化ガリ
ウム系化合物半導体層の具体的な材料としては、Alx
GayInzN(0≦x,y,z≦1;x+y+z=1)
で示されるものを用いた。
【0020】(実施の形態1)本発明の実施の形態1に
おける窒化ガリウム系化合物半導体素子として、サファ
イア基板上の窒化ガリウム系化合物半導体レーザーのp
型電極構造を例に挙げて説明する。本実施の形態におけ
る半導体レーザーの構造は、p型電極の構造を除いて
は、上述した図1に示す従来例のものと同じである。す
なわち、基板101および半導体層102〜107、お
よび、n型電極109は、従来例のものと同じであるの
で、ここでは説明を省略する。
【0021】そしてp型電極は、本実施の形態では、M
gを10Å、Auを1000Å、この順序でp型GaN
層107に接して蒸着し、蒸着後700℃で30分の熱
処理を行ったものとなっている。
【0022】図2に、以上のようにして作成した窒化ガ
リウム系化合物半導体レーザーの電流−電圧特性を示
す。図2から明らかなように、p型電極108のMgの
膜厚が500Åと厚い従来例(図16(b))と比較し
て、電流−電圧特性が向上し、例えば5Vの電圧を加え
た時に100mA程度の電流を流すことができる。
【0023】本発明者等は上記した良好な特性が得られ
た理由を確認するために、Mg/Auを蒸着して熱処理
を施した後の、電極とp型GaN界面付近のSIMSに
よる各構成元素濃度の深さ方向プロファイルを測定し
た。その結果を図3に示す。図3から明らかなように、
熱処理によりp型GaN層107との界面付近のMgは
p型GaN中に拡散してp型GaN表面は正孔が高濃度
にドーピングされる。この時、本実施の形態によれば、
Mgの膜厚が10Åと薄いために、ほとんどすべてのM
gがp型GaN中に拡散してしまい、界面付近にはMg
は残らずに、Auが存在していた。
【0024】AuはMgに比べて仕事関数が大きい
(5.3eV)ため、Mgに比べて電極−p型GaN界
面のポテンシャル障壁を低く抑えることができる。した
がって、上記したように界面にMgが多量に存在する従
来例よりも多くの電流を流すことができたわけである。
【0025】すなわち、本実施の形態によれば、電極−
p型GaN間のコンタクト抵抗を小さくする事ができ
る。このようにして、素子全体の抵抗も小さくなり、素
子の発熱量も抑えられ、レーザー発振のしきい値電流も
100mA程度に低減することができる。
【0026】また、雰囲気温度50℃で光出力を3mW
で一定にした時のレーザーの動作電流の時間変化を図4
に示す。動作開始直後の動作電流は120mA程度であ
り、素子の発熱量が小さいために温度上昇が抑制され、
素子の劣化を抑えることができ、素子の寿命は1500
時間以上に達し、図18で示した従来例に比較して寿命
を大きく延ばすことができる。
【0027】(実施の形態2)本実施の形態における窒
化ガリウム系化合物半導体素子は、Mgの膜厚が45Å
で、それ以外の構造は上記の実施の形態1と全く同様で
あり、電極蒸着後の熱処理も、実施の形態1と同様に、
700℃で30分とした。
【0028】図5に、本実施の形態により作成した窒化
ガリウム系化合物半導体レーザーの電流−電圧特性を示
す。図5から明らかなように、実施の形態1と比べて、
さらに電流−電圧特性が向上し、5Vの電圧を加えたと
きに200mA程度の電流を流すことができる。
【0029】本発明者等は上記した良好な特性が得られ
た理由を確認するために、Mg/Auを蒸着して熱処理
を施した後の、電極とp型GaN界面付近のSIMSに
よる各構成元素濃度の深さ方向プロファイルを測定し
た。その結果を図6に示す。図6から明らかなように、
実施の形態1と同様、電極蒸着後の熱処理によって、蒸
着したMgがp型GaN層107中に拡散してドーピン
グされるが、Mgの膜厚が実施の形態1と比べて厚いた
めに、実施の形態1以上に十分にドーピングが行われて
いた。
【0030】従って、本実施の形態によれば、実施の形
態1と比較してより多くの量子力学的トンネル電流が電
極とp型GaN界面を流れることになる。また、Mgの
膜厚が45Å程度では、実施の形態1と同様に、p型G
aN層表面にはMgがほとんど残らずに、仕事関数が大
きいAu(5.3eV)がp型GaN層107に接して
存在することになり、界面でのポテンシャル障壁を小さ
く抑えることができる。
【0031】このようにして、本実施の形態によれば、
電極とp型GaN間のコンタクト抵抗をさらに低減する
ことができ、素子全体の抵抗も小さくなる。また、素子
の発熱量もさらに抑えられ、レーザー発振のしきい値電
流も50mA程度に低減することができる。
【0032】また、雰囲気温度50℃で光出力を3mW
で一定にした時のレーザーの動作電流の時間変化を図7
に示す。動作開始直後の電流は60mA程度であり、素
子の発熱量が小さいために温度上昇がさらに抑制され、
素子の劣化を抑えることができ、素子の寿命は5000
時間以上に達し、図18で示した従来例に比較して飛躍
的に寿命を延ばすことができる。
【0033】(実施の形態3)本実施の形態における窒
化ガリウム系化合物半導体素子は、p型電極蒸着後の熱
処理が700℃で5分であること以外は、実施の形態2
と全く同様である。
【0034】図8に、本実施の形態における半導体レー
ザーの電流−電圧特性を示す。図8から明らかなよう
に、実施の形態2と比較すると、5Vの電圧を加えた時
の電流は120mA減少するものの、従来と比較すると
十分に大きな電流値を得ることができた。
【0035】本発明者等は上記した良好な特性が得られ
た理由を確認するために、Mg/Auを蒸着して熱処理
を施した後の、電極とp型GaN界面付近のSIMSに
よる各構成元素濃度の深さ方向プロファイルを測定し
た。その結果を図9に示す。図6から明らかなように、
実施の形態2と同様、電極蒸着後の熱処理によって、蒸
着したMgがp型GaN層107中に拡散するが、実施
の形態2よりも熱処理の時間が短いために、拡散がやや
不十分となり、p型GaNへのドーピングが実施の形態
2の時ほど十分には行われない。
【0036】従って本実施の形態によれば、電極とp型
GaN界面のトンネル電流が実施の形態2よりも減少
し、コンタクト抵抗は実施の形態2よりも増加すること
になり、レーザー発振のしきい値電流は80mA程度に
なるものの、良好な特性が得られた。
【0037】また、雰囲気温度50℃で光出力を3mW
で一定にした時のレーザーの動作電流の時間変化を図1
0に示す。動作開始直後の電流は100mA程度であ
り、素子の寿命は2000時間程度となり、従来例と比
較して寿命を延ばすことができる。
【0038】図11に、本実施の形態で述べたレーザー
構造および電極構造(Mg:45Å、Au:1000
Å)を有する半導体レーザーにおいて、電流が100m
Aの時の素子電圧の熱処理時間依存性を示す。熱処理温
度は700℃である。このように、熱処理時間を長くす
るにつれて、p型GaN層107へのMgのドーピング
が高濃度に行われ、それに伴い素子電圧、したがって、
コンタクト抵抗が減少する。
【0039】なお、図11から明らかなように700℃
の温度においては、10分以上の熱処理を行うと急激に
特性が良好になる(すなわち十分なMgの拡散が行われ
ていることになる)。従って、本発明において、より好
ましくは、700以上の温度で10分以上の熱処理を行
うことが好ましい。
【0040】(実施の形態4)本実施の形態における窒
化ガリウム系化合物半導体素子は、Mgの膜厚が100
Åで、それ以外の構造は実施の形態1と全く同様であ
り、電極蒸着後の熱処理も、実施の形態1と同様に、7
00℃で30分とした。
【0041】図12に、本実施の形態により作成した窒
化ガリウム系化合物半導体レーザーの電流−電圧特性を
示す。図12から明らかなように、5Vの電圧を加えた
ときの電流は100mA程度であり、実施の形態2と比
較すると、5Vの電圧を加えた時の電流は減少するもの
の、従来と比較すると十分に大きな電流値を得ることが
できた。
【0042】本発明者等は上記した良好な特性が得られ
た理由を確認するために、Mg/Auを蒸着して熱処理
を施した後の、電極とp型GaN界面付近のSIMSに
よる各構成元素濃度の深さ方向プロファイルを測定し
た。その結果を図13に示す。図13から明らかなよう
に、実施の形態2と同様、電極蒸着後の熱処理によっ
て、蒸着したMgがp型GaN層中に拡散してドーピン
グされるが、Mgの膜厚が実施の形態2と比べて厚いた
めに、拡散せずに残った仕事関数の小さいMgがp型G
aN層表面に若干残ることになり、実施の形態2に比べ
ると若干コンタクト抵抗は増大する。但し、残るMgは
わずかであるため、多くのMgが界面付近に残る従来例
に比べればはるかに多くの電流を流すことができる。こ
のようにして、レーザー発振のしきい値電流は100m
A程度となる。
【0043】また、雰囲気温度50℃で光出力を3mW
で一定にした時のレーザーの動作電流の時間変化を図1
4に示す。動作開始直後の電流は120mA程度であ
り、素子の寿命は1500時間程度となり、従来例に比
較して大幅に寿命を延ばすことができる。
【0044】以上本発明の実施の形態における窒化ガリ
ウム系化合物半導体素子について説明を行ったが、以下
では、p型の電極構造をMg/Auとした場合のMgの
膜厚の変化に基づく素子特性の変化について、より詳細
に説明する。
【0045】図15に、本実施の形態で述べたレーザー
構造および電極構造で、Mgの膜厚だけを変化させた時
の、電流が100mA時の半導体レーザーの電圧の変化
を示す。熱処理条件は700℃30分で一定とする。図
15から明らかなように、Mgの膜厚には最適値が存在
し、45Å程度で素子電圧およびコンタクト抵抗が最小
になることがわかる。Mgの膜厚が25Åから65Åの
範囲であれば、電流が100mA時の電圧が4V以下と
なり、素子寿命も3000時間程度以上を実現すること
ができる。
【0046】ここで、電流が100mAの時の電圧を3
Vと4Vの間になるようにしようとすると、Mgの膜厚
が45Åよりも大きい場合と小さい場合の2通りの膜厚
が考えられるが本発明者等によれば、小さい場合を選択
することが、より望ましいことが判明した。
【0047】すなわち、Mgの膜厚が45Åよりも厚い
場合は、拡散せずに残った過剰のMgが電極−p型Ga
N間に残り、長時間にわたる動作の間に、この単体Mg
が熱により酸化してコンタクト抵抗が増大してしまう可
能性があり、また、それに伴い電極も剥離しやすくな
る。また、長時間動作の間に、この過剰Mgが活性層に
まで移動してp−n接合の位置がずれることにより発光
効率が悪くなることも考えられる。したがって、過剰な
Mgは電極−p型GaN間に残さないことが望ましく、
本発明において、Mgの膜厚は25Åから45Åである
ことが最も望ましい。
【0048】なお、上述した実施の形態では、Auの膜
厚を1000Åとしたが、Auの膜厚は特に問うもので
はない。また、熱処理の温度も700℃に限定されるも
のではない。さらに、本実施の形態ではサファイア基板
上の窒化ガリウム系化合物半導体による半導体レーザー
を例として説明したが、本発明の効果は無論これに限ら
れるものではなく、p型窒化ガリウム系化合物半導体を
有する電気デバイス等、他の半導体素子にも適用できる
ことは明らかである。
【0049】
【発明の効果】以上のように、p型窒化ガリウム系半導
体に対する電極として、Mg(膜厚:10Å以上100
Å以下)およびAuをこの順序で蒸着し、その後熱処理
を加えることにより、電極−p型窒化ガリウム系半導体
間のコンタクト抵抗、したがって、素子全体の抵抗を低
減することができ、また、素子の発熱を抑えて素子を長
寿命化することができ、大変有益なものである。この素
子抵抗の低減は、Mgの膜厚が25Å以上45Å以下の
時に特に顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態および従来例における半導
体レーザーの素子構造を示す断面図
【図2】本発明の実施の形態1における半導体レーザー
の電流−電圧特性を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における半導体レーザー
の電極−p型半導体のSIMSによる分析結果を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における半導体レーザー
の一定の光出力での動作電流の変化を示す図
【図5】本発明の実施の形態2における半導体レーザー
の電流−電圧特性を示す図
【図6】本発明の実施の形態2における半導体レーザー
の電極−p型半導体のSIMSによる分析結果を示す図
【図7】本発明の実施の形態2における半導体レーザー
の一定の光出力での動作電流の変化を示す図
【図8】本発明の実施の形態3における半導体レーザー
の電流−電圧特性を示す図
【図9】本発明の実施の形態3における半導体レーザー
の電極−p型半導体のSIMSによる分析結果を示す図
【図10】本発明の実施の形態3における半導体レーザ
ーの一定の光出力での動作電流の変化を示す図
【図11】Mg/Auよりなるp型コンタクトを有する
半導体レーザーの動作電圧の熱処理時間依存性を示す図
【図12】本発明の実施の形態4における半導体レーザ
ーの電流−電圧特性を示す図
【図13】本発明の実施の形態4における半導体レーザ
ーの電極−p型半導体のSIMSによる分析結果を示す
【図14】本発明の実施の形態4における半導体レーザ
ーの一定の光出力での動作電流の変化を示す図
【図15】Mg/Auよりなるp型コンタクトを有する
半導体レーザーの動作電圧のMg膜厚依存性を示す図
【図16】従来の半導体レーザーの電流−電圧特性を示
す図
【図17】従来の半導体レーザーの電極−p型半導体の
SIMSによる分析結果を示す図
【図18】従来の半導体レーザーの一定の光出力での動
作電流の変化を示す図
【符号の説明】
101 絶縁性基板 102 バッファ層 103 n型GaN層 104 n型AlGaN層 105 InGaN活性層 106 p型AlGaN層 107 p型GaN層 108 p型電極 109 n型電極
フロントページの続き (72)発明者 伴 雄三郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 長谷川 義晃 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 石橋 明彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 辻村 歩 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】p型の窒化ガリウム系化合物半導体層と、
    前記p型窒化ガリウム系化合物半導体層に接して形成さ
    れた電極とを有する窒化ガリウム系化合物半導体素子で
    あって、前記電極が前記p型窒化ガリウム系化合物半導
    体層に接してマグネシウム(Mg)および金(Au)を
    この順序で積層した構造を有し、前記マグネシウムの膜
    厚が10オングストローム以上100オングストローム
    以下であることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導
    体素子。
  2. 【請求項2】マグネシウムの膜厚が25オングストロー
    ム以上65オングストローム以下であることを特徴とす
    る請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体素子。
  3. 【請求項3】マグネシウム(Mg)の膜厚が25オング
    ストローム以上45オングストローム以下であることを
    特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導
    体素子。
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