JPH11232760A - 情報記録再生装置 - Google Patents

情報記録再生装置

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JPH11232760A
JPH11232760A JP3140998A JP3140998A JPH11232760A JP H11232760 A JPH11232760 A JP H11232760A JP 3140998 A JP3140998 A JP 3140998A JP 3140998 A JP3140998 A JP 3140998A JP H11232760 A JPH11232760 A JP H11232760A
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Hiroyuki Ishizaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ディスク上にEFM信号が規格から外れた
状態で記録されるのを防ぐとともに、光ディスク上のE
FM信号をできるだけ多く復調する。 【解決手段】 ADIP−FM復調部41は、記録時に
は、フィルタ特性切替部41g,41h,41i,41
jを、第4LPF(ロー・パス・フィルタ)41dおよ
び第2HPF(ハイ・パス・フィルタ)41fに接続す
る側に切り替える。このようにADIP−FM復調部4
1のフィルタの段数を多くすることにより周波数特性を
急峻にし、キャプチャーレンジ特性およびロックレンジ
特性を狭くする。再生時には、フィルタ特性切替部41
g,41h,41i,41jを、第4LPF41dおよ
び第2HPF41fを切り離す側に切り替える。このよ
うにADIP−FM復調部41のフィルタの段数を少な
くすることにより周波数特性を緩やかにし、キャプチャ
ーレンジ特性およびロックレンジ特性を広くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクに情報
を記録、再生する情報記録再生装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクは、高音質、高画質が
得られる大容量かつ安価な記録メディアとして期待され
ている。その光ディスクの一種にミニディスクがある。
ミニディスクはランダムアクセスが可能であり、また、
リライタブルな記録メディアであるため、再生のみなら
ず記録も可能である。
【0003】ここでは、光ディスクとしてミニディスク
を対象としたミニディスク記録再生装置について、本発
明の説明図である図1、図6、ならびに図7を用いて説
明する。
【0004】図1に示すように、ミニディスクの規格に
おいては、ミニディスク1から各セクタごとに検出され
る記録アドレス信号S1に含まれるADIP同期信号S
2に対して、1セクタ分のEFM信号S9に含まれる各
ヘッダ同期信号S81(図6(b))が、ミニディスク
1上で−10〜+26フレーム以内の位相関係になるよ
うに、記録することが定められている。
【0005】このため、制御部5は、マイコン6からの
記録動作の開始命令を受信すると、起動信号S6を通じ
て、スピンドルモータ2、ブロック化部7、同期信号付
加部8、変調部9、記録部10のそれぞれの処理に伴う
遅延を考慮して、ADIP同期信号S2とミニディスク
1に記録するEFM信号S9に含まれるヘッダ同期信号
S81とが、ミニディスク1上で−10〜+26フレー
ム以内の位相関係を保つように互いに同期をとりなが
ら、スピンドルモータ2、ブロック化部7、同期信号付
加部8、変調部9、記録部10を起動してEFM信号S
9の記録を開始する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、記録途
中では、検出される記録アドレス信号S1と記録される
EFM信号S9とは互いに非同期で発生される。このた
め、EFM信号S9に含まれるヘッダ同期信号S81の
位相は変動しないが、ミニディスク1から記録アドレス
信号検出部4により検出されるADIP同期信号S2の
検出タイミングは、ミニディスク1の回転速度に依存す
るため、回転ジッタ、回転変動などの影響を受けて変動
する。
【0007】また、検出されるADIP同期信号S2
は、記録アドレス信号検出部4のキャプチャー特性およ
びロックレンジ特性に依存する。これらの特性は、第1
ロー・パス・フィルタ(以下、「LPF」と記す。)4
1a、第2LPF41b、第3LPF41c、および第
1ハイ・パス・フィルタ(以下、「HPF」と記す。)
41eが直列に接続されているADIP−FM復調部4
1(図7)によって決まる。
【0008】このため、上記従来の構造では、記録開始
当初は、ヘッダ同期信号S81とADIP同期信号S2
との位相関係が規格値の範囲内にあっても、記録途中で
ヘッダ同期信号S81とADIP同期信号S2との位相
関係が次第にずれてきて、あらかじめ設定されたミニデ
ィスクの規格値から外れることがある。また、ショック
等の外乱により、瞬間的に位相関係がずれて、ミニディ
スクの規格値から外れることがある。
【0009】そして、このようにヘッダ同期信号S81
とADIP同期信号S2との位相関係が規格値から外れ
た状態で記録されたミニディスクを再生すると、ミニデ
ィスク上に記録されたEFM信号を良好に再生すること
ができず、音飛び等の不具合が発生する。
【0010】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、光ディスク上にEFM信
号が規格から外れた状態で記録されるのを防ぐととも
に、光ディスク上のEFM信号をできるだけ多く復調す
ることができる情報記録再生装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の情報記録再生
装置は、上記の課題を解決するために、光ディスクから
読み取られる信号の内から、データ信号の該光ディスク
上の記録位置を指定するための記録アドレス信号を検出
する記録アドレス信号検出手段を備えた情報記録再生装
置において、上記記録アドレス信号検出手段は、上記記
録アドレス信号に対するキャプチャーレンジ特性および
ロックレンジ特性を切り替えるフィルタ特性切替手段を
備えてなることを特徴としている。
【0012】上記の構成により、上記記録アドレス信号
検出手段の上記記録アドレス信号に対するキャプチャー
レンジ特性およびロックレンジ特性を、フィルタ特性切
替手段によって適宜切り替えることができる。
【0013】したがって、より最適なキャプチャーレン
ジ特性およびロックレンジ特性を有する情報記録再生装
置によって、データ信号の録音および再生を行うことが
できる。
【0014】請求項2の情報記録再生装置は、上記の課
題を解決するために、請求項1の構成に加えて、上記フ
ィルタ特性切替手段は、上記データ信号の記録時に、上
記記録アドレス信号に対するキャプチャーレンジ特性お
よびロックレンジ特性を狭く切り替えることを特徴とし
ている。
【0015】上記の構成により、請求項1の構成による
作用に加えて、上記データ信号の記録時に、上記フィル
タ特性切替手段によって、上記記録アドレス信号検出手
段の上記記録アドレス信号に対するキャプチャーレンジ
特性およびロックレンジ特性を狭く切り替えることがで
きる。
【0016】よって、データ信号の記録中に回転ジッ
タ、回転変動などにより光ディスクの線速度が変動した
場合にも、規格外の状態で光ディスク上にデータ信号が
記録されるのを未然に防ぐことができる。
【0017】請求項3の情報記録再生装置は、上記の課
題を解決するために、請求項1または2の構成に加え
て、上記フィルタ特性切替手段は、上記データ信号の再
生時に、上記記録アドレス信号に対するキャプチャーレ
ンジ特性およびロックレンジ特性を広く切り替えること
を特徴としている。
【0018】上記の構成により、請求項1または2の構
成による作用に加えて、上記データ信号の記録時に、上
記フィルタ特性切替手段によって、上記記録アドレス信
号検出手段の上記記録アドレス信号に対するキャプチャ
ーレンジ特性およびロックレンジ特性を広く切り替える
ことができる。
【0019】よって、データ信号の再生中に回転ジッ
タ、回転変動などにより光ディスクの線速度が変動した
場合にも、音飛びなどを防ぐことができる。
【0020】請求項4の情報記録再生装置は、上記の課
題を解決するために、請求項1から3の何れかの構成に
加えて、上記フィルタ特性切替手段は、ロー・パス・フ
ィルタおよびハイ・パス・フィルタの段数を切り替える
ことを特徴としている。
【0021】上記の構成により、請求項1から3の何れ
かの構成による作用に加えて、上記フィルタ特性切替手
段によって、上記記録アドレス信号検出手段に設けられ
ているディジタル・フィルタをなすロー・パス・フィル
タおよびハイ・パス・フィルタの段数を切り替えること
ができる。
【0022】よって、フィルタの段数を多くすることに
より、周波数特性が急峻となり、記録アドレス信号検出
手段の記録アドレス信号に対するキャプチャーレンジ特
性およびロックレンジ特性を狭くすることができる。ま
た、フィルタの段数を少なくすることにより、周波数特
性が緩やかとなり、記録アドレス信号検出手段の記録ア
ドレス信号に対するキャプチャーレンジ特性およびロッ
クレンジ特性を広くすることができる。
【0023】以上のように、ロー・パス・フィルタおよ
びハイ・パス・フィルタの段数を切り替えるという簡単
な機能の追加により、記録アドレス信号検出手段の記録
アドレス信号に対するキャプチャーレンジ特性およびロ
ックレンジ特性を切り替えることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
1から図6に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。なお、本実施の形態にかかる情報記録再生装置は、
ミニディスクを記録メディアとするミニディスク記録再
生装置を例として説明する。
【0025】ミニディスクにおいては、オーディオデー
タや画像データなどのデータ信号の記録位置を指定する
必要があるため、ミニディスク上の記録アドレスを示す
ための記録アドレス信号S1(図1)が、データ信号を
記録する場所とは別の場所にあらかじめ記録されてい
る。
【0026】図6(a)に示すように、上記記録アドレ
ス信号S1は、4ビットのADIP(adress in pregro
ove )同期信号S2、24ビットのADIPアドレス信
号S3、14ビットのCRC(cyclic redundancy chec
k )S4の計42ビットで構成されている。
【0027】上記記録アドレス信号S1は、バイフェー
ズマーク方式でディジタル変調後、22.05KHzで
FM変調された後にミニディスクに記録されたものであ
り、1周期が13.3msである。
【0028】上記ADIP同期信号S2は、バイフェー
ズマーク方式の変調規則を故意に違反させて変調して得
られる信号である。
【0029】上記ADIPアドレス信号S3は、クラス
タアドレスS31とセクタアドレスS32とから構成さ
れる。そして、上記クラスタアドレスS31は、ミニデ
ィスクの内周のリードインエリアから始まり、外周のリ
ードアウトエリアに向けて増加していく。また、上記セ
クタアドレスS32は、各クラスタ内のアドレスであ
り、36セクタで循環するようになっている。
【0030】図1に示すように、本実施の形態にかかる
情報記録再生装置であるミニディスク記録再生装置20
は、ミニディスク1の記録および再生を行うために、ス
ピンドルモータ2、信号読取部3、記録アドレス信号検
出部4、制御部5、マイコン6、ブロック化部7、同期
信号付加部8、変調部9、記録部10を備えて構成され
ている。
【0031】上記スピンドルモータ2は、制御部5から
の制御によって、ミニディスク1を回転駆動する。
【0032】上記信号読取部3は、光ピックアップなど
から構成されており、ミニディスク1から信号を読み取
る。
【0033】上記記録アドレス信号検出部4は、上記信
号読取部3によってミニディスク1から検出される信号
の内の記録アドレス信号S1を検出するとともに、この
記録アドレス信号S1に含まれるADIP同期信号S2
およびADIPアドレス信号S3を取り出す。
【0034】上記制御部5は、上記記録アドレス信号検
出部4で検出されるADIP同期信号S2の検出タイミ
ングに従って、上記のブロック化部7、同期信号付加部
8、変調部9および記録部10の各動作を制御する。
【0035】上記マイコン6は、動作指示を発するな
ど、ミニディスク記録再生装置20全体の制御を行う。
【0036】上記ブロック化部7は、オーディオデータ
や画像データなどの入力信号S5を所定の周期でブロッ
ク化する。
【0037】上記同期信号付加部8は、上記ブロック化
部7によってブロック化された各入力信号S5にヘッダ
同期信号S81を付加する。
【0038】上記変調部9は、図5に示すように、パリ
ティ付加部91と、EFM変調部92とを備えて構成さ
れている。上記パリティ付加部91は、上記同期信号付
加部8によってヘッダ同期信号S81が付加されたセク
タデータS8から、フレームデータS91を生成する。
上記EFM変調部92は、フレームデータS91からE
FM信号S9を生成する。
【0039】上記記録部10は、磁気ヘッドなどから構
成されており、ミニディスク1にEFM信号S9を記録
する。
【0040】そして、図2に示すように、上記記録アド
レス信号検出部4は、ADIP−FM復調部41、バイ
フェーズ復調部42、同期信号検出部43、クロック生
成部44、速度検出部45、位相検出部46、ADIP
カウント部47、CRCチェック部48を備えて構成さ
れている。
【0041】上記ADIP−FM復調部41は、22.
05KHzでFM変調された記録アドレス信号S1(A
DIP信号)からキャリア成分(周波数22.05KH
z)を取り除き、さらにバイフェーズ変調されたバイフ
ェーズ信号からキャリア成分(周波数6.3KHz)を
取り除き、バイフェーズ信号S11だけを検出するた
め、ディジタル・フィルタで構成されている。
【0042】図3に示すように、上記ディジタル・フィ
ルタは、ある周波数帯域以下の信号を通過させるロー・
パス・フィルタ(以下、「LPF」と記す。)と、ある
周波数帯域以上の信号を通過させるハイ・パス・フィル
タ(以下、「HPF」と記す。)とが縦続されたフィル
タ群である。さらに、本実施の形態では、上記のLPF
およびHPFの段数を、記録時と再生時とで切り替える
フィルタ特性切替部41g,41h,41i,41jを
設けた。
【0043】ここで、図3および図4を用いて、フィル
タ特性切替部41g,41h,41i,41jについて
詳細に説明する。
【0044】上記ADIP−FM復調部41は、第1L
PF41a、第2LPF41b、第3LPF41c、第
4LPF41dと、第1HPF41e、第2HPF41
fと、フィルタ特性切替部41g,41h,41i,4
1jとを備えて構成されている。
【0045】上記のLPF41a,41b,41c,4
1d、およびHPF41e,41fは縦続されたフィル
タ群を構成している。そして、第4LPF41dの入力
端と出力端には、それぞれフィルタ特性切替部41g,
41hが配設されており、フィルタ特性切替部41g,
41hがバイパス41d’側に切り替わることにより、
第4LPF41dをフィルタ群から完全に切り離すこと
ができる。同様に、第2HPF41fの入力端と出力端
には、それぞれフィルタ特性切替部41i,41jが配
設されており、フィルタ特性切替部41i,41jがバ
イパス41f’側に切り替わることにより、第2HPF
41fをフィルタ群から完全に切り離すことができる。
【0046】図4(a)に示すように、上記のフィルタ
特性切替部41g,41iは一つの入力端子と二つの出
力端子を有する入力側の切替部である。そして、フィル
タ制御信号S51により、出力端子を切り替えることが
できる。図4(b)に示すように、上記のフィルタ特性
切替部41g,41iは、フィルタ制御信号S51がロ
ー(L)のときには、入力信号INを出力信号OUT1
としてのみ出力するように接続を切り替える(図4
(a)中では、上側)。これに対して、フィルタ制御信
号S51がハイ(H)のときには、入力信号INを出力
信号OUT2としてのみ出力するように接続を切り替え
る(図4(a)中では、下側)。
【0047】また、図4(c)に示すように、上記のフ
ィルタ特性切替部41h,41jは二つの入力端子と一
つの出力端子を有する出力側の切替部である。そして、
フィルタ制御信号S51により、入力端子を切り替える
ことができる。図4(d)に示すように、上記のフィル
タ特性切替部41h,41jは、フィルタ制御信号S5
1がロー(L)のときには、入力信号IN1のみを出力
信号OUTとして出力するように接続を切り替える(図
4(c)中では、上側)。これに対して、フィルタ制御
信号S51がハイ(H)のときには、入力信号IN2の
みを出力信号OUTとして出力するように接続を切り替
える(図4(c)中では、下側)。
【0048】これにより、上記のフィルタ特性切替部4
1g,41h,41i,41jは、マイコン6および制
御部5によるフィルタ制御信号S51によって、すべて
同じ側に同時に切り替えることができる。すなわち、記
録アドレス信号S1が通過するフィルタ群の構成を、第
4LPF41dおよび第2HPF41fを通過する構成
と、これらをバイパスする構成との間で選択することが
できる。
【0049】したがって、LPFおよびHPFの段数を
切り替えることにより、記録アドレス信号検出部4の記
録アドレス信号S1に対するキャプチャーレンジ特性お
よびロックレンジ特性を切り替えることができる。
【0050】つづいて、ミニディスク記録再生装置20
において、ミニディスク1上に入力信号S5を記録する
時の動作について説明する。
【0051】まず、ミニディスク1上に入力信号S5を
記録する前に、マイコン6は制御部5に対して、記録ア
ドレス信号検出命令を出す。これに応じて、制御部5は
信号読取部3に対して記録アドレス信号S1の検出の命
令を出す。
【0052】信号読取部3は、この命令に従ってミニデ
ィスク1の回転を記録アドレス信号S1が検出できるよ
うに回転速度および回転位相を制御して記録アドレス信
号S1を検出し、記録アドレス信号検出部4へ出力す
る。
【0053】記録アドレス信号検出部4は、入力された
記録アドレス信号S1を、まず、ADIP−FM復調部
41においてFM復調してバイフェーズ信号S1lに変
換する。ついで、このバイフェーズ信号S1lがバイフ
ェーズ復調部42、同期信号検出部43およびクロック
生成部44にそれぞれ入力される。
【0054】上記同期信号検出部43は、バイフェーズ
信号S11内のバイフェーズマークの変調規則の違反を
検出することにより、ADIP同期信号S2を検出す
る。
【0055】上記バイフェーズ復調部42は、上記同期
信号検出部43によって検出されたADIP同期信号S
2を基準にバイフェーズ信号S11を復調して、ADI
Pアドレス信号S3を生成する。
【0056】ADIPカウント部47は、上記ADIP
アドレス信号S3をもとに、クラスタアドレスS31お
よびセクタアドレスS32を算出する。ついで、CRC
チェック部48は、CRCチェックを行い、CRCチェ
ック結果を算出する。そして、クラスタアドレスS3
1、セクタアドレスS32、およびCRCチェック結果
の信号は、マイコン6へ出力される。
【0057】上記CRCチェック結果は、値が‘1’で
あれば、ADIPアドレス信号S3(クラスタアドレス
S31、セクタアドレスS32)が正しく検出できてい
ると判断できる。これに対して、記録途中において、回
転ジッタ、回転変動などの影響を受けて、ミニディスク
1の線速度が変動した場合、最終的にADIPアドレス
信号S3のCRCチェック結果の値が‘0’となり、A
DIPアドレス信号S3が正しく検出できていないと判
断できる。
【0058】一方、上記クロック生成部44は、バイフ
ェーズ信号S11に基づいて、所定の方法で速度検出信
号S44aおよび位相検出信号S44bが生成され、速
度検出部45および位相検出部46に出力される。上記
速度検出部45は、速度検出信号S44aに基づいて、
所定の方法で速度誤差信号S45を生成し、制御部5へ
出力する。また、上記位相検出部46は、位相検出信号
S44bに基づいて、所定の方法で位相誤差信号S46
を生成し、制御部5へ出力する。
【0059】マイコン6は、受信したADIPアドレス
信号S3が記録開始アドレスと一致すれば、制御部5に
対して記録動作の開始命令を出す。
【0060】制御部5は、この記録動作の開始命令に応
じて、ブロック化部7、同期信号付加部8、変調部9、
および記録部10をそれぞれ起動する起動信号S6を出
力する。そして、上記の速度検出部45で生成した速度
誤差信号S45、および位相検出部46で生成した位相
誤差信号S46を元に、所定の方法によりスピンドルモ
ータ2を回転制御する。
【0061】上記ブロック化部7は、図6(b)に示す
ように、制御部5からの起動信号S6を受けると、圧縮
されたオーディオデータや画像データなどの入力信号S
5を2336バイトごとに取り込んでデータS71と
し、マイコン6から設定された4バイトの記録アドレス
S72を付加してデータスクランブルを行い、これらを
データS7として同期信号付加部8へ出力する。
【0062】上記同期信号付加部8は、データスクラン
ブルした2340バイトのデータS7ごとに、12バイ
トのヘッダ同期信号S81を付加して2352バイトの
セクタデータS8を順次生成する。これらの各セクタデ
ータS8は、記録アドレス信号S1と同様に、1周期が
13.3msである。
【0063】変調部9において、図5に示したように、
パリティ付加部91は、2352バイトのセクタデータ
S8を先頭から順に24バイトごとのフレームに区切
り、1フレームあたりC2パリティを4バイト、C1パ
リティを4バイトの計8バイトのパリティフラグを付加
して、1フレームあたり32バイトのフレームデータS
91を生成する。
【0064】さらに、EFM変調部92は、1フレーム
あたり32バイトのデータに1バイトのサブコードバイ
トを付加してそれらを8ビットから14ビットヘの変換
を行う。その後、14ビット長の各ワードに対して3ビ
ットのマージンビットを付加し、これに24ビットのフ
レーム同期信号、3ビットのマージンビットを付加して
1フレームあたり588ビットのEFM信号S9を出力
する。
【0065】最後に、記録部10は、このEFM信号S
9を磁気変調してミニディスク1に記録する。
【0066】ここで、ミニディスク記録再生装置20に
おいて、ミニディスク1上に入力信号S5を記録する時
のADIP−FM復調部41の動作について説明する。
【0067】ADIP−FM復調部41は、データ信号
の記録時には、制御部5からのフィルタ制御信号S51
に基づいて、フィルタ特性切替部41g,41h,41
i,41jを、第4LPF41dおよび第2HPF41
fに接続する側(図3中では、下側)に切り替えて、記
録アドレス信号S1にすべてのLPFおよびHPFを通
過させる。このようにLPFおよびHPFの段数を多く
することにより、ADIP−FM復調部41のバンド・
パス・フィルタ(以下、「BPF」と記す。)としての
周波数特性が急峻となる。
【0068】これにより、速度検出部45、位相検出部
46によりそれぞれ生成される速度誤差信号S45、位
相誤差信号S46の変動成分が小さくなり、記録アドレ
ス信号検出部4のキャプチャーレンジ特性およびロック
レンジ特性が狭くなる。その結果、記録中に回転ジッ
タ、回転変動などによりミニディスク1の線速度が変動
した場合にも、記録するEFM信号S9に含まれるヘッ
ダ同期信号S81と、記録アドレス信号S1に含まれる
ADIP同期信号S2との位相関係ができるだけ規格値
に収まるようにして、規格外の状態でミニディスク上に
EFM信号S9が記録されるのを未然に防ぐことができ
る。
【0069】つぎに、ミニディスク記録再生装置20に
おいて、ミニディスク1上に記録されているデータを再
生する時の動作について説明する。
【0070】信号読取部3では、図示されないレーザ光
源よりレーザ光を照射すると、ミニディスク1は磁気の
帯び方により、反射の向きが変わることを利用し、これ
を図示しないフォトダイオードにより検出し、増幅し、
記録アドレス信号検出部4にデータ信号および記録アド
レス信号S1を出力する。
【0071】つづいて、ミニディスク記録再生装置20
において、ミニディスク1上に記録されているデータを
再生する時のADIP−FM復調部41の動作について
説明する。
【0072】ADIP−FM復調部41は、データ信号
の再生時には、制御部5からのフィルタ制御信号S51
に基づいて、フィルタ特性切替部41g,41h,41
i,41jを、バイパス41d’,41f’に接続する
側(図3中では、上側)に切り替えて、すなわち第4L
PF41dおよび第2HPF41fをバイパスさせて、
記録アドレス信号S1を通過させる。このようにLPF
およびHPFの段数を少なくすることにより、ADIP
−FM復調部41のBPFとしての周波数特性が緩やか
になる。
【0073】これにより、速度検出部45、位相検出部
46によりそれぞれ生成される速度誤差信号S45、位
相誤差信号S46の変動成分が大きくなり、記録アドレ
ス信号検出部4のキャプチャーレンジ特性およびロック
レンジ特性が広くなる。その結果、再生中に回転ジッ
タ、回転変動などによりミニディスク1の線速度が変動
して、EFM信号S9に含まれるヘッダ同期信号S81
と、記録アドレス信号S1に含まれるADIP同期信号
S2との位相関係が規格値より広く変動しても、信号が
再生でき、音飛びなどを防ぐことができる。
【0074】以上のように、本実施の形態にかかるミニ
ディスク記録再生装置20では、記録アドレス信号検出
部4の中のADIP−FM復調部41の中に、フィルタ
特性切替部41g,41h,41i,41jを設けて、
LPFおよびHPFの段数を切り替えて、BPFとして
の周波数特性を切り替えることにより、ADIP−FM
復調回路41のキャプチャーレンジ特性およびロックレ
ンジ特性を切り替えることができる。
【0075】そして、記録時に、LPFおよびHPFの
段数を多くすることにより、BPFとしての周波数特性
を急峻にする。これにより、キャプチャーレンジ特性お
よびロックレンジ特性が狭くなり、記録中に回転ジッ
タ、回転変動などによりミニディスク1の線速度が変動
した場合にも、規格外の状態でミニディスク上にEFM
信号S9が記録されるのを未然に防ぐことができる。
【0076】また、再生時に、LPFおよびHPFの段
数を少なくすることにより、BPFとしての周波数特性
を緩やかにする。これにより、キャプチャーレンジ特性
およびロックレンジ特性が広くなり、再生中に回転ジッ
タ、回転変動などによりミニディスク1の線速度が変動
した場合にも、音飛びなどを防ぐことができる。
【0077】なお、本実施の形態は本発明の範囲を限定
するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能
である。例えば、ADIP−FM復調部41で切り替え
られるLPFおよびHPFはそれぞれ1段づつで説明し
たが、この条件のみを対象したものではない。また、フ
ィルタ特性切替部41g,41h,41i,41jおよ
びフィルタ制御信号S51の構成と、動作条件は一例に
すぎず、これに限定するものではない。したがって、本
発明の範囲は、特許請求の範囲に示すものであって、明
細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求
の範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内の
ものである。
【0078】
【発明の効果】請求項1の発明の情報記録再生装置は、
以上のように、光ディスクから読み取られる信号の内か
ら、データ信号の該光ディスク上の記録位置を指定する
ための記録アドレス信号を検出する記録アドレス信号検
出手段を備えた情報記録再生装置において、上記記録ア
ドレス信号検出手段は、上記記録アドレス信号に対する
キャプチャーレンジ特性およびロックレンジ特性を切り
替えるフィルタ特性切替手段を備えてなる構成である。
【0079】それゆえ、より最適なキャプチャーレンジ
特性およびロックレンジ特性を有する情報記録再生装置
によって、データ信号の録音および再生を行うことがで
きるという効果を奏する。
【0080】請求項2の発明の情報記録再生装置は、以
上のように、請求項1の構成に加えて、上記フィルタ特
性切替手段は、上記データ信号の記録時に、上記記録ア
ドレス信号に対するキャプチャーレンジ特性およびロッ
クレンジ特性を狭く切り替える構成である。
【0081】それゆえ、請求項1の構成による効果に加
えて、データ信号の記録中に回転ジッタ、回転変動など
により光ディスクの線速度が変動した場合にも、規格外
の状態で光ディスク上にデータ信号が記録されるのを未
然に防ぐことができるという効果を奏する。
【0082】請求項3の発明の情報記録再生装置は、以
上のように、請求項1または2の構成に加えて、上記フ
ィルタ特性切替手段は、上記データ信号の再生時に、上
記記録アドレス信号に対するキャプチャーレンジ特性お
よびロックレンジ特性を広く切り替える構成である。
【0083】それゆえ、請求項1または2の構成による
効果に加えて、データ信号の再生中に回転ジッタ、回転
変動などにより光ディスクの線速度が変動した場合に
も、音飛びなどを防ぐことができるという効果を奏す
る。
【0084】請求項4の発明の情報記録再生装置は、以
上のように、請求項1から3の何れかの構成に加えて、
上記フィルタ特性切替手段は、ロー・パス・フィルタお
よびハイ・パス・フィルタの段数を切り替える構成であ
る。
【0085】それゆえ、請求項1から3の何れかの構成
による効果に加えて、フィルタの段数を多くすることに
より、周波数特性が急峻となり、記録アドレス信号検出
手段の記録アドレス信号に対するキャプチャーレンジ特
性およびロックレンジ特性を狭くすることができるとい
う効果を奏する。また、フィルタの段数を少なくするこ
とにより、周波数特性が緩やかとなり、記録アドレス信
号検出手段の記録アドレス信号に対するキャプチャーレ
ンジ特性およびロックレンジ特性を広くすることができ
るという効果を奏する。
【0086】以上のように、ロー・パス・フィルタおよ
びハイ・パス・フィルタの段数を切り替えるという簡単
な機能の追加により、記録アドレス信号検出手段の記録
アドレス信号に対するキャプチャーレンジ特性およびロ
ックレンジ特性を切り替えることができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる情報記録再生装
置としてのミニディスク記録再生装置の構成の概略を示
すブロック図である。
【図2】図1に示したミニディスク記録再生装置に設け
られた記録アドレス信号検出部の構成の概略を示すブロ
ック図である。
【図3】図2に示したミニディスク記録再生装置の記録
アドレス信号検出部に設けられたADIP−FM復調部
の構成の概略を示すブロック図である。
【図4】図2に示したミニディスク記録再生装置の記録
アドレス信号検出部に設けられたADIP−FM復調部
のフィルタ特性切替部の構成および動作を示す説明図で
あり、同図(a)は入力側の構成の概略、同図(b)は
同図(a)に示した入力側の状態、同図(c)は出力側
の構成の概略、同図(d)は同図(c)に示した出力側
の状態である。
【図5】図1に示したミニディスク記録再生装置に設け
られた変調部の構成の概略を示すブロック図である。
【図6】図1に示したミニディスク記録再生装置に使用
されるデータのフォーマットを示す説明図であり、同図
(a)は記録アドレス信号のフォーマットの概略であ
り、同図(b)はセクタデータのフォーマットの概略で
ある。
【図7】従来の技術にかかるミニディスク記録再生装置
の記録アドレス信号検出部に設けられたADIP−FM
復調部の構成の概略を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 光ディスク(ミニディスク) 4 記録アドレス信号検出部(記録アドレス信号検出
手段) 20 ミニディスク記録再生装置(情報記録再生装
置) 41g フィルタ特性切替部(フィルタ特性切替手段) 41h フィルタ特性切替部(フィルタ特性切替手段) 41i フィルタ特性切替部(フィルタ特性切替手段) 41j フィルタ特性切替部(フィルタ特性切替手段) S1 記録アドレス信号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ディスクから読み取られる信号の内か
    ら、データ信号の該光ディスク上の記録位置を指定する
    ための記録アドレス信号を検出する記録アドレス信号検
    出手段を備えた情報記録再生装置において、 上記記録アドレス信号検出手段は、上記記録アドレス信
    号に対するキャプチャーレンジ特性およびロックレンジ
    特性を切り替えるフィルタ特性切替手段を備えてなるこ
    とを特徴とする情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】上記フィルタ特性切替手段は、上記データ
    信号の記録時に、上記記録アドレス信号に対するキャプ
    チャーレンジ特性およびロックレンジ特性を狭く切り替
    えることを特徴とする請求項1記載の情報記録再生装
    置。
  3. 【請求項3】上記フィルタ特性切替手段は、上記データ
    信号の再生時に、上記記録アドレス信号に対するキャプ
    チャーレンジ特性およびロックレンジ特性を広く切り替
    えることを特徴とする請求項1または2記載の情報記録
    再生装置。
  4. 【請求項4】上記フィルタ特性切替手段は、 ロー・パス・フィルタおよびハイ・パス・フィルタの段
    数を切り替えることを特徴とする請求項1から3の何れ
    かに記載の情報記録再生装置。
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