JP3666109B2 - 記録媒体再生装置および記録媒体再生方法並びに光ディスク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体再生装置および記録媒体再生方法並びに光ディスクに関し、特に、光ディスクのプリカッティング部と記録部とで、異なる変調方式が用いられて蓄積されているデータを再生できるようにした記録媒体再生装置および記録媒体再生方法並びに光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
CD(Compact Disk)に代表される光ディスクに、データを記録する場合、ピット長(マーク長)とピット間隔(マーク間隔)には、所定の許容範囲が存在する。
【0003】
具体的には、再生装置の有する対物レンズの開口数をNAとし、光ビームの波長をλとすると、カットオフの空間周波数2NA/λを超える微細なパターンは読み出すことができないため、許容されるピット長には下限がある。また、空間周波数が小さい程(ピット長が長い程)、MTF(Modulation Transfer Function)で表される振幅利得が大きいため、ピット長は長い程、再生信号のパワーを大きくすることができる。
【0004】
一方、再生装置は、記録媒体に記録されたデータの間隔より、データを抽出するタイミングを決めるためのクロックを生成するため、ピット間隔とピット長は短いほど正確なクロックを生成することができる。
【0005】
そこで、光ディスクにおいては、誤り訂正等が施された符号化データに、所定の変調を施し、ピット長とピット間隔が許容範囲の値となるようにしている。
【0006】
ここで、CDに使用されているEFM(Eight to Fourteen Modulation)変調と光ディスク(光磁気ディスクあるいは相変化による光ディスク)に使用されているRLL(Run Length Limited)(2,7)変調について、図10を参照して説明する。
【0007】
図10は、0100111011110010の系列Xが、RLL(2,7)変調(図10(d))またはEFM変調(図10(c))された状態を示している。
【0008】
系列XのNRZ(Non Return to Zero)(図10(a))またはNRZI(Non Return to Zero Inverted)を用いて記録媒体にデータを記録する場合、系列Xを構成するビット数と、NRZまたはNRZIを構成するビット数との比が1であるため、冗長成分を含まない変換を行うことができるが、データにより、ピット長またはピット間隔が長くなることがある。そのような場合、正確なクロックが生成できないことになる。
【0009】
そこで、CDに対して用いられているEFM変調では、256(=2^8)種類の変換パターンから構成される変換テーブルを用いて、8ビットのデータを1と1の間に0が2つ以上存在し、かつ、1と1の間に入る0の数が10個以下となる14ビットのデータに変換する。つまり、14ビットで表される16348(=2^14)種類のデータのうち、1と1の間に0が2つ以上存在し、かつ、1と1の間に入る0の数が10個以下となるものを256種類選択して、8ビットで表されるデータのそれぞれを、256種類の14ビットデータに対応させた変換テーブルを用いて変換する。また、このようにして変換された14ビットデータと、これに隣接する14ビットデータとの境界には、NRZまたはNRZIなどで表される信号の、例えば低レベルを−1に、高レベルを+1に、それぞれ割り当てた場合に、その値を加算して得られるDSV(Digital Sum Value)の絶対値を小さく(低域成分を少なく)する3ビットデータ(接続ビット)が付与される。
【0010】
例えば、系列XをEFM変調する場合、最初の8ビットデータ01001110は、14ビットデータ01000001001000に変換され、このときのDSVは+6(=-1+6-3+4)である。次の8ビットデータ11110010は、14ビットデータ00000010001001に変換される。従って、接続ビットとしては、2つの8ビットデータを接続したとき、1と1の間に0が2つ以上存在し、かつ、1と1の間に入る0の数が10個以下である条件の下、最もDSVの絶対値を小さくする3ビット(100)を付与する。この接続ビット(100)により、系列XのDSVは−1(=-1+6-3+4-9+4-3+1)となり、その絶対値は小さくなるので、低域成分が減少される。また、この変調の場合、ピット長とピット間隔が許容範囲の値となる。
【0011】
一方、光ディスクに対して用いられているRLL(2,7)変調では、RLL(2,7)変調の変換テーブルに従い、系列Xを構成するデータ語が所定の記録符号語に変換される。表1は、RLL(2,7)変調の変換テーブルを示している。
【0012】
表1
データ語 記録符号語
000 000100
10 0100
010 100100
0010 00100100
11 1000
011 001000
0011 00001000
【0013】
従って、系列Xの最初のデータ010は100100に変換される。同様に、データ011は、001000に、データ10は1000に、2つのデータ11は10001000に、データ0010は、00100100に、それぞれ変換される。この変調の場合も、ピット長とピット間隔が許容範囲の値となる。
【0014】
RLL(2,7)変調は、EFM変調と比較すると、記録データの低域成分は大きいが、記録媒体に対し、高密度でデータを記録させることができる。また、例えば、RLL(1,7)変調を用いるようにすると、記録データの低域成分はRLL(2,7)変調の場合より、さらに大きくなるが、記録媒体に対し、さらに高密度にデータを記録させることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光ディスクにおいては、例えばディスクに記録されている情報を管理するデータ、いわゆるTOC(Table of Contes)が、プリピットとして予め記録されているプリカッティング部(再生専用領域)と、データを記録することが可能な記録部(記録可能領域)とが設けられている場合がある。
【0016】
プリカッティング部は、図11に示すように、平面上にピット(プリピット)が形成された状態となっている。これに対して、記録部においては、図12に示すように、物理的な凹凸としてのグループとランドが形成されており、そのいずれか一方が、本来のデータを記録または再生するためのトラックとされる。
【0017】
このように、プリカッティング部と記録部においては、トラックの形状が異なるため、光ディスクからデータを再生する再生装置は、プリカッティング部と記録部において異なる方法でトラッキング制御を行っている。すなわち、プリカッティング部においては、ピットを再生して得られる信号のうちの比較的周波数が低い成分(RF信号のエンベロープ)を抽出し、この信号からトラッキングエラー信号を生成するようにしている。
【0018】
これに対して記録部においては、グループあるいはランドのエッジからトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0019】
光ディスクの記録容量を大きくするには、例えば、より高密度にデータを記録することが可能なRLL(1,7)変調方式で変調したデータを記録するようにすることが好ましい。
【0020】
しかしながら、このRLL(1,7)変調方式は、高密度にデータを記録することが可能である反面、低域スペクトラム成分が多い。その結果、記録部においては、グルーブまたはランドのエッジからトラッキングエラー信号を得ることができるので、低域スペクトラム成分が多くてもトラッキングサーボに与える影響は少ないが、プリカッティング部においては、データ列を再生して得られる信号の低域成分からトラッキングエラー信号を生成するようにしているため、低域スペクトラム成分が大きいと、この成分がトラッキングエラー信号に対して外乱として作用するため、安定したトラッキングサーボを実現することができなくなる。
【0021】
このようなことから、変調方式としては、トラッキングサーボに与える影響が少ない低域スペクトラム成分の小さい変調方式を採用せざるを得なかった。その結果、変調方式としては、RLL(1,7)変調方式を採用することができず(RLL(2,7)変調方式を採用せざるを得ず)、より高密度にデータを記録再生する光ディスクを実現することができない課題があった。
【0022】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、RLL(1,7)変調を用いて、より高密度にデータを記録した光ディスクを、安定したトラッキングサーボで再生することができるようにしたものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の記録媒体再生装置は、再生専用領域に、EFM変調方式で変調されて記録されているデータを再生するとき、EFM変調方式に対応するEFM復調方式を用いてデータを復調するEFM復調手段と、記録可能領域に、EFM変調方式とは異なるRLL(1,7)変調方式で変調されて記録されているデータを再生するとき、RLL(1,7)変調方式に対応するRLL(1,7)復調方式を用いてデータを復調するRLL(1,7)復調手段とを備えることを特徴とする。
【0024】
請求項3に記載の記録媒体再生方法は、再生専用領域に、EFM変調方式で変調されて記録されているデータを再生するとき、EFM変調方式に対応するEFM復調方式を用いてデータを復調し、記録可能領域に、EFM変調方式とは異なるRLL(1,7)変調方式で変調されて記録されているデータを再生するとき、RLL(1,7)変調方式に対応するRLL(1,7)復調方式を用いてデータを復調することを特徴とする。
【0026】
請求項4に記載の記録媒体再生装置は、記録媒体より再生されたデータを復調する復調手段と、低域制御データが発生するタイミングに対応するタイミング信号を生成する生成手段と、タイミング信号に基づいて、低域制御データからデータを分離する分離手段とを備えることを特徴とする。
【0027】
請求項5に記載の記録媒体再生方法は、記録媒体より再生されたデータを復調する復調手段と、低域制御データが発生するタイミングに対応するタイミング信号を生成し、タイミング信号に基づいて、低域制御データからデータを分離することを特徴とする。
【0029】
請求項1に記載の記録媒体再生装置および請求項3記載の記録媒体再生方法においては、再生専用領域では、EFM復調方式でデータが復調され、記録可能領域では、EFM復調方式とは異なるRLL(1,7)復調方式を用いてデータが復調される。
【0031】
請求項4に記載の記録媒体再生装置および請求項6に記載の記録媒体再生方法においては、低域制御データの周期に対応するタイミング信号に基づいて、低域制御データからデータが分離される。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の光ディスクの第1の実施例の構成を示す図である。
【0034】
光ディスクD1のプリカッティング部D1−1(再生専用領域)には、図11に示すように、プリカッティングによりプリピットとしてTOC(Table Of Contents)データが予め記録されており、その変調方式としては低域スペクトラム成分が少ないEFM変調方式が用いられている。すなわち、この実施例の場合、プリカッティング部D1−1に記録されているデータの変調方式は従来の場合と同様である。
【0035】
一方、図12に示すように、グルーブとランドを有する記録部D1−2(記録可能領域)のグルーブ(またはランド)には、相変化、光磁気などにより、種々のデータを記録することが可能であり、その変調方式としては、低域スペクトラム成分は大きいが、高記録密度が可能なRLL(1,7)変調方式が用いられている。
【0036】
なお、プリカッティング部D1−1は、従来のフォーマットと同様であるので、その説明は省略する。そこで、次に、記録部D1−2のフォーマットについて、図2を参照して説明する。
【0037】
図2に示すように、1つのフレーム(93バイト)は、1.75バイトのフレーム同期信号FS、0.25バイトの低域制御ビットFC(低域制御データ)、および91バイトのデータFDにより構成されている。
【0038】
フレーム同期信号FSは、フレームの先頭を示すための情報ビットであり、各フレームで共通のユニークなパターンが使用される。
【0039】
データFDは、所定のデータ(誤り訂正などが施された符号化データ)に対して、RLL(1,7)変調が施されたものである。データFDは、RLL(1,7)変調により変調されたデータであるため、多くの情報量を含むとともに、低域成分も多く含んでいる。
【0040】
低域制御ビットFCは、データFDの有する低域成分を抑制する情報ビットで構成されている。すなわち、そのフレーム内の低域制御ビットFCとデータFDとによるDSVの絶対値が小さくなるように、低域制御ビットFCが構成されている。この低域制御ビットFCもRLL(1,7)変調されたものである。
【0041】
このように低域制御ビットFCを構成することにより、フレーム全体のDSVの絶対値が小さくなるため、記録部D1−2内の全体としての低域成分を抑制することができる。
【0042】
図3は、本発明の記録媒体再生装置1の一実施例の構成を示すブロック図である。
【0043】
スピンドルモータ21は、回転制御回路22からの指示に従い、ディスクD1を回転させるようになされている。回転制御回路22は、コントロール回路28からの指示に従い、スピンドルモータ21を駆動するようになされている。
【0044】
光ピックアップ23は、ディスクD1の情報記録層に光ビームを集光し、ディスクD1の情報記録層からの反射光を再生信号に変換し、信号処理回路27に出力するようになされている。
【0045】
スレッドモータ24は、光ピックアップ23をディスクD1の情報記録層の目標とするトラック位置へ移動させるようになされている。スレッドモータ制御回路25は、コントロール回路28からの指示に対応して、スレッドモータ24を駆動するようになされている。
【0046】
ピックアップ制御回路26は、コントロール回路28からの指示信号に対応して、光ピックアップ23内のフォーカシングアクチュエータとトラッキングアクチュエータの制御を行うようになされている。
【0047】
信号処理回路27は、光ピックアップ23からの再生信号に復調処理、エラー処理等を施す。
【0048】
コントロール回路28は、外部インタフェース29を介して入力される指示信号に対応して、上記の各種回路に対し、指示命令を出力するようになされている。また、コントロール回路28は、信号処理回路27より入力される再生信号を外部インタフェース29を介して、外部装置に出力するようになされている。
【0049】
図4は、信号処理回路27の第1の実施例の構成を示すブロック図である。この信号処理回路は、図2に示す記録フォーマットを有するディスクD1に対して、再生処理を行うことができるように構成されている。
【0050】
ディスクD1に記録されているデータは、光ピックアップ23により、再生(RF)信号としてEFM復調回路31とRLL(1,7)復調回路32に供給されるようになされている。また、このときのサーボ信号がプリカッティング部・記録部判定回路33に供給されるようにもなされている。
【0051】
EFM復調回路31とRLL(1,7)復調回路32は、このRF信号に対し、それぞれ、EFM復調またはRLL(1,7)復調を施した後、選択回路34に出力するようになされている。
【0052】
プリカッティング部・記録部判定回路33は、光ピックアップ23から供給されるサーボ信号を基に、再生データがプリカッティング部D1−1に記録されたデータのものであるのか、記録部D1−2に記録されたデータのものであるのかを判定する。すなわち、光ピックアップ23がディスクD1から受ける反射光のレベルは、例えばディスクD1が光磁気ディスクである場合、プリカッティング部における場合の方が、記録部における場合より大きくなる。そこで、その反射レベルを所定の基準値と比較することで、領域を判定することができる。その判定結果は選択回路34に出力されるようになされている。
【0053】
選択回路34は、プリカッティング部・記録部判定回路33から供給された判定結果を基に、EFM復調回路31またはRLL(1,7)復調回路32より入力された復調データのうち、いずれか1つの復調データを選択し、誤り訂正回路35に出力するようになされている。つまり、選択回路34は、RF信号がプリカッティング部D1−1からのものであるとの判定結果の入力を受けた場合、EFM復調回路31より供給された復調データを選択し、RF信号が記録部D1−2からのものであるとの判定結果の入力を受けた場合、RLL(1,7)復調回路32より供給された復調データを選択し、誤り訂正回路34に出力するようになされている。
【0054】
誤り訂正回路35は、選択回路34より入力された復調データに対し、誤り訂正の処理を施した後、コントロール回路28に出力するようになされている。
【0055】
次に、図5のフローチャートを参照して、信号処理装置27の処理動作について、説明する。
【0056】
図5のステップS1で、EFM復調回路31とRLL(1,7)復調回路32は、光ピックアップ23より供給された再生信号に対し、それぞれ、EFM復調またはRLL(1,7)復調を行い、選択回路34に出力する。このとき、RLL(1,7)復調回路32は、フレーム同期信号FSに続く0.25バイト(2ビット)の低域制御ビットFCを除去し、その次の91バイトのデータFDのみを復調する。また、プリカッティング部・記録部判定回路33は、光ピックアップ23より供給されたサーボ信号を基に、再生中のデータが、プリカッティング部D1−1に記録されているデータであるのか、記録部D1−2に記録されているデータであるのかを判定し、判定結果を選択回路34に供給する。
【0057】
続く、ステップS2で、選択回路34は、プリカッティング部・記録部判定回路33より入力された判定結果により、再生信号がプリカッティング部D1−1に記録されているデータによるものであるのか否かを判断する。
【0058】
再生信号がプリカッティング部D1−1に記録されているデータによるものであると判断された場合、ステップS3で、選択回路34は、EFM復調回路31から入力された復調データを誤り訂正回路35に出力する。
【0059】
後続のステップS4で、誤り訂正回路35は、誤り訂正のための所定の処理を行いコントロール回路28に出力する。
【0060】
ステップS2において再生信号がプリカッティング部D1−1に記録されているデータによるものではないと判断された場合、ステップS5に分岐し、このステップで、選択回路34は、RLL(1,7)復調回路32から入力された復調データを誤り訂正回路35に出力する。続いて、ステップS4の処理が行われる。
【0061】
このようにして、プリカッティング部D1−1に記録されたデータの再生時と、記録部D1−2に記録されたデータの再生時とで、適宜、適切な復調回路(EFM復調回路31またはRLL(1,7)復調回路32)からの出力データを選択することができる。
【0062】
図6は本発明の光ディスクの第2の実施例の構成を示す図である。
【0063】
この光ディスクD2においては、そのプリカッティング部D2−1の変調方式として、RLL(1,7)変調方式が用いられている。また、記録部D2−2の変調方式としても、プリカッティング部D2−1と同様に、RLL(1,7)変調方式が用いられている。
【0064】
ここで、光ディスクD2のプリカッティング部D2−1のフォーマットについて、図7を参照して説明する。なお、記録部D2−2の記録フォーマットは、図2に示した記録部D1−2と同様のものであるため、その説明は省略する。
【0065】
図7に示すように、プリカッティング部D2−1には、各フレームの最初に1.75バイトのフレーム同期信号FSが記録されている。また、その次には、0.25バイトの低域制御ビットFCが記録されている。そして、それ以後には、1バイト毎に、データFDと低域制御ビットFCが交互に記録されている。
【0066】
このように、低域成分を多く含むデータFDを小さな単位(実施例の場合、1バイト単位)に分割し、このデータFDの単位と、低域成分を抑制するようなデータを有する低域情報ビットFCとを交互に記録することで、プリカッティング部D2−1の全体が有する低域成分を抑制することができる。
【0067】
図8は、このように記録された光ディスクD2を図3に示す装置で再生する場合における信号処理回路27の実施例の構成を示すブロック図である。RLL(1,7)復調回路32は、光ピックアップ23から供給されるRF信号に対し、RLL(1,7)復調を施した後、デマルチプレクサ43に出力するようになされている。
【0068】
プリカッティング部・記録部判定回路33は、光ピックアップ23から供給されるサーボ信号を基に、再生データがプリカッティング部D2−1に記録されたデータのものであるのか、記録部D2−2に記録されたデータのものであるのかを判定し、その判定結果をデマルチプレクサ43に出力するようになされている。
【0069】
クリア信号生成回路41は、光ピックアップ23から供給されるRF信号中のフレーム同期信号FSを検出すると、フレーム同期信号FSの終了時に、カウンタ42にクリア信号を出力するようになされている。
【0070】
カウンタ42には、クリア信号の他、図示せぬ回路(例えば、PLL(Phase Locked Loop)回路など)が生成するクロックCKが供給されるようになされている。
【0071】
カウンタ42は、クロックCKをカウントアップし、そのカウント値をデマルチプレクサ43に出力するようになされている。また、カウンタ42は、クリア信号の入力を受けると、カウント値をゼロにクリアするようになされている。
【0072】
デマルチプレクサ43は、再生信号がプリカッティング部D2−1に記録されているデータのものであるとの判定結果がプリカッティング・記録部判定回路33より入力された場合、カウンタ42より供給されるカウント値が0.25バイトの低域制御ビットFCの後の偶数番目(順番の番号は、0からスタートする)のバイトに対応する値であるときのみ、RLL(1,7)復調回路32より入力される復調データを誤り訂正回路35に出力するようになされている。また、デマルチプレクサ43は、再生信号が記録部D2−2に記録されているデータによるものであるとの判定結果がプリカッティング・記録部判定回路33より入力された場合、0.25バイトの低域制御ビットより後に、RLL(1,7)復調回路31より入力される全てのデータFDを、そのまま、誤り訂正回路35に出力するようになされている。
【0073】
次に、図9のフローチャートを参照して、図8に示す信号処理装置27の処理動作について説明する。
【0074】
図9のステップS11で、RLL(1,7)復調回路32は、光ピックアップ23より供給される再生信号に対し、RLL(1,7)復調を行い、デマルチプレクサ43に出力する。このとき、プリカッティング部・記録部判定回路33は、光ピックアップ23より供給されるサーボ信号を基に、再生中のデータが、プリカッティング部D2−1から再生されたデータであるのか、記録部D2−2から再生されたるデータであるのかを判定し、判定結果をデマルチプレクサ43に供給する。
【0075】
続く、ステップS12で、クリア信号生成回路41は、光ピックアップ23からのRF信号中にフレーム同期信号FSを検出すると、クリア信号を生成し、カウンタ42に出力する。カウンタ42は、クリア信号の入力を受けると、カウント値を0にクリアし、その後、供給されるクロックCKをカウントアップしたカウント値をデマルチプレクサ43に供給する。
【0076】
後続のステップS13で、デマルチプレクサ43は、プリカッティング部・記録部判定回路33より入力された判定結果により、再生信号がプリカッティング部D2−1から再生されたデータであるのか否かを判断する。
【0077】
再生信号がプリカッティング部D2−1に記録されているデータであると判断された場合、ステップS14で、デマルチプレクサ43は、カウント値が、0.25バイトの低域制御ビットの後の、偶数番目のバイトに対応する値であるときのみ、RLL(1,7)復調回路32から入力された復調データ、すなわち、データFDのみを選択し、誤り訂正回路35に出力する。
【0078】
続くステップS15で、誤り訂正回路35は、誤り訂正のための所定の処理を行いコントロール回路28に出力する。
【0079】
ステップS13において再生信号がプリカッティング部D1−1から再生されたデータではないと判断された場合、ステップS16に分岐し、このステップで、デマルチプレクサ43は、カウンタ42のカウント値が、0.25バイトの低域制御ビットの後のデータに対応する値であるとき、RLL(1,7)復調回路32から入力された全てのデータを誤り訂正回路35に出力する。続いて、ステップS15の処理が行われる。
【0080】
このようにして、プリカッティング部D1−1に記録されたデータの再生時には、実質的な情報のデータFDのみを選択して復号することができる。
【0081】
以上のようにして、記録媒体再生装置1は、プリカッティング部D1−1にEFM変調を用いてデータを記録し、記録部D1−2にRLL(1,7)変調を用いてデータを記録したディスクD1に対し、安定したトラッキングサーボを実現しつつ再生信号を得ることができる。
【0082】
また、記録部D1−2には、RLL(1,7)変調を用いてデータを記録しているため、従来の光ディスクと比較し、より高記録密度の光ディスク(最大で30%程度の記録密度を向上させた光ディスク)を実現することができる。
【0083】
さらに、記録媒体再生装置1は、プリカッティング部D2−1と記録部D2−2の両方に、RLL(1,7)変調を用いてデータを高密度で記録したディスクD2に対しても、安定したトラッキングサーボを実現することができる。
【0084】
なお、本発明は、ディスク以外の記録媒体にも適用することができる。また、上記実施例においては、記録密度を高める変調方式として、RLL(1,7)変調を用いた場合について説明したが、他の変調方式を適用することも可能である。
【0085】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載の記録媒体再生装置および請求項3に記載の記録媒体再生方法によれば、再生専用領域に蓄積されているデータを再生するとき、EFM復調方式を用いて再生信号を復調し、記録可能領域に蓄積されているデータを再生するとき、EFM復調方式とは異なるRLL(1,7)復調方式を用いて再生信号を復調するようにしたので、記録密度の高い光ディスクに対して、安定したトラッキングサーボを実現することができる。
【0087】
請求項4に記載の記録媒体再生装置および請求項6に記載の記録媒体再生方法によれば、低域制御データが発生するタイミングに対応するタイミング信号を基にして、データを低域制御データから分離するようにしたので、記録密度の高い光ディスクを確実に再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスクの第1の実施例の構成を示す図である。
【図2】図1の実施例の記録部D1−2のフォーマットを示す図である。
【図3】本発明の記録媒体再生装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の信号処理装置27の構成例を示すブロック図である。
【図5】図4の信号処理装置27の処理動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の光ディスクの第2の実施例の構成を示す図である。
【図7】図6のプリカッティング部D2−1のフォーマットを示す図である。
【図8】図3の信号処理装置27の他の構成例を示すブロック図である。
【図9】図8の信号処理装置27の処理動作を説明するフローチャートである。
【図10】EFM変調とRLL(2,7)変調を説明するタイミングチャートである。
【図11】光ディスクのプリカッティング部の構成を説明する図である。
【図12】光ディスクの記録部の構成を説明する図である。
【符号の説明】
D,D1,D2 光ディスク, 1 記録媒体再生装置, 21 スピンドルモータ, 22 回転制御回路, 23 光ピックアップ, 24 スレッドモータ, 25 スレッドモータ制御回路, 26 ピックアップ制御回路, 27 信号処理回路, 28 コントロール回路, 29 外部インタフェース,31 EFM復調回路, 32 RLL(1,7)復調回路, 33 プリカッティング・記録部判定回路, 34 選択回路, 35 誤り訂正回路, 41 クリア信号生成回路, 42 カウンタ, 43 デマルチプレクサ
Claims (6)
- プリカッティングによりデータが予め記録されている再生専用領域と、データを記録することが可能な記録可能領域とを有する記録媒体を再生する記録媒体再生装置において、
前記再生専用領域にEFM変調方式で変調されて記録されているデータを再生するとき前記EFM変調方式に対応するEFM復調方式を用いて前記データを復調するEFM復調手段と、
前記記録可能領域に前記EFM変調方式とは異なるRLL(1,7)変調方式で変調されて記録されているデータを再生するとき前記RLL(1,7)変調方式に対応するRLL(1,7)復調方式を用いて前記データを復調するRLL(1,7)復調手段と
を備えることを特徴とする記録媒体再生装置。 - プリカッティングによりデータが予め記録されている再生専用領域と、データを記録することが可能な記録可能領域とを有する記録媒体を再生する記録媒体再生装置において、
前記再生専用領域に第1の変調方式で変調されて記録されているデータを再生するとき、前記第1の変調方式に対応する第1の復調方式を用いて前記データを復調する第1の復調手段と、
前記記録可能領域に前記第1の変調方式とは異なる第2の変調方式で変調されて記録されているデータを再生するとき、前記第2の変調方式に対応する第2の復調方式を用いて前記データを復調する第2の復調手段と、
前記記録可能領域に記録されているデータのうち、低域スペクトラム成分を低減させるための低域制御データを除去する除去手段と
を備えることを特徴とする記録媒体再生装置。 - プリカッティングによりデータが予め記録されている再生専用領域と、データを記録することが可能な記録可能領域とを有する記録媒体を再生する記録媒体再生方法において、
前記再生専用領域にEFM変調方式で変調されて記録されているデータを再生するとき、前記EFM変調方式に対応するEFM復調方式を用いて前記データを復調し、
前記記録可能領域に前記EFM変調方式とは異なるRLL(1,7)変調方式で変調されて記録されているデータを再生するとき、前記RLL(1,7)変調方式に対応するRLL(1,7)復調方式を用いて前記データを復調する
ことを特徴とする記録媒体再生方法。 - プリカッティングによりデータが予め記録されている再生専用領域と、データを記録することが可能な記録可能領域とを有し、前記再生専用領域には、低域スペクトラム成分を低減させるための低域制御データが周期的に記録されている記録媒体を再生する記録媒体再生装置において、
前記記録媒体より再生されたデータを復調する復調手段と、
前記低域制御データが発生するタイミングに対応するタイミング信号を生成する生成手段と、
前記タイミング信号に基づいて、前記低域制御データから前記データを分離する分離手段と
を備えることを特徴とする記録媒体再生装置。 - 前記生成手段は、前記記録媒体より再生されたデータに含まれるフレーム同期信号を検出し、前記フレーム同期信号に同期して、前記タイミング信号を生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の記録媒体再生装置。 - プリカッティングによりデータが予め記録されている再生専用領域と、データを記録することが可能な記録可能領域とを有し、前記再生専用領域には、低域スペクトラム成分を低減させるための低域制御データが周期的に記録されている記録媒体を再生する記録媒体再生方法において、
前記記録媒体より再生されたデータを復調し、
前記低域制御データが発生するタイミングに対応するタイミング信号を生成し、
前記タイミング信号に基づいて、前記低域制御データから前記データを分離する
ことを特徴とする記録媒体再生方法。
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