JPH11231447A - ハロゲン化銀写真乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料

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JPH11231447A
JPH11231447A JP10034703A JP3470398A JPH11231447A JP H11231447 A JPH11231447 A JP H11231447A JP 10034703 A JP10034703 A JP 10034703A JP 3470398 A JP3470398 A JP 3470398A JP H11231447 A JPH11231447 A JP H11231447A
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JP
Japan
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silver halide
gelatin
emulsion
halide photographic
compd
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JP10034703A
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English (en)
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Yasuo Taima
恭雄 當間
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Publication date
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    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
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    • GPHYSICS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度−低カブリであり、かつ迅速処理可能
なハロゲン化銀写真感光材料の提供。 【解決手段】 ハロゲン化銀粒子の形成後から化学増感
を終了するまでのいずれかの工程でゼラチンと架橋しう
る化合物を添加して製造したことを特徴とするハロゲン
化銀写真乳剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高感度、低カブリで
耐圧性に優れたハロゲン化銀写真乳剤及びハロゲン化銀
写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀写真感光材料の現像
処理に関しては、処理時間の短縮と処理廃液の低減化が
益々強く望まれてきている。
【0003】例えば、医用分野では定期健康診断、人間
ドックなどの普及と一般診療における診断や検査の増加
等によりX線写真の撮影数量が急激に増加している。そ
のため現像処理の更なる迅速化と、処理廃液の更なる低
減化が益々高まってきているのが現状である。
【0004】ハロゲン化銀写真感光材料の迅速処理化の
ためには現像、定着、水洗及び乾燥等の処理時間の短縮
化が必須となる。迅速処理に伴って、ハロゲン化銀写真
感光材料に対して搬送ローラーによる圧迫や搬送ガイド
部への接触等により受ける圧力が大きくなるため、しか
し例えば単に従来の感光材料を現像時間だけ短くしたと
すると、ハロゲン化銀写真感光材料の圧力耐性の向上が
必要となってきている。
【0005】従来より耐圧性向上技術としてはハロゲン
化銀粒子内部に高ヨウ化銀層や金属イオンのような電子
トラップ性を付与する方法や乳剤層中のバインダーを増
量しハロゲン化銀粒子への圧力を緩和させる方法などが
知られている。しかしながら、高ヨウ化銀層やバインダ
ーの増量は現像処理性の低下につながるものであり、迅
速処理化における耐圧性向上技術としては不十分であっ
た。
【0006】また、増感によるハロゲン化銀粒子の小粒
径化により耐圧性は良化するが、増感技術として用いら
れる還元増感、Se、Te増感等では、増感と共にカブ
リの上昇が伴い、更に検討を要するレベルであることが
現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は高感度
−低カブリであり、かつ迅速処理可能なハロゲン化銀写
真感光材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0009】(1) ハロゲン化銀粒子の形成後から化
学増感を終了するまでのいずれかの工程でゼラチンと架
橋しうる化合物を添加して製造したことを特徴とするハ
ロゲン化銀写真乳剤。
【0010】(2) ゼラチンと架橋しうる化合物が高
分子化合物であることを特徴とする前記1記載のハロゲ
ン化銀写真乳剤。
【0011】(3) ハロゲン化銀粒子の形成後から化
学増感を終了するまでのいずれかの工程でオキサゾリン
系高分子化合物を添加して製造したことを特徴とするハ
ロゲン化銀写真乳剤。
【0012】(4) ハロゲン化銀粒子の形成後から化
学増感を終了するまでのいずれかの工程でゼラチン架橋
性基を有する多糖類化合物を添加して製造したことを特
徴とするハロゲン化銀写真乳剤。
【0013】(5) ハロゲン化銀粒子が還元増感され
ていることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載
のハロゲン化銀写真乳剤。
【0014】(6) 支持体上に少なくとも1層の感光
性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材
料において、該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層に
前記1〜5のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真乳剤
を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料。
【0015】(7) ハロゲン化銀写真感光材料中のゼ
ラチン含有量が片面1m2当たり0.5g以上2.0g
未満であることを特徴とする前記6記載のハロゲン化銀
写真感光材料。
【0016】本発明において用いられるゼラチンと架橋
しうる化合物(以下ゼラチン架橋性化合物)とは、ゼラ
チン分子中に存在するアミノ基、カルボキシル基等と反
応し架橋することが出来るゼラチン架橋性基を少なくと
も1つ有す化合物である。ゼラチン架橋性基の例として
は、例えばアルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、
2,4−ジクロロ−6−オキシ−s−トリアジン基、エ
ピクロロヒドリン基、エピブロモヒドリン基、エピフル
オロヒドリン基、エピイオドヒドリン基、エチルクロロ
ホルメート基、フェニルクロロホルメート基、活性ビニ
ル基、オキサゾリン基等が挙げられるが、好ましくは
2,4−ジクロロ−6−オキシ−s−トリアジン基、オ
キサゾリン基等が挙げられる。上記ゼラチン架橋性化合
物は一分子中に複数のゼラチン架橋性基を有していても
良く、低分子化合物でも高分子化合物でも良く、単量体
でも重合体でも良いが、くり返し単位を有する高分子化
合物であることが好ましく、例えばオキサゾリン系高分
子化合物、ゼラチン架橋性基を有する多糖類化合物が好
ましい。
【0017】本発明でいうオキサゾリン系高分子化合物
とは以下に示すオキサゾリン含有ポリマーラテックス及
びオキサゾリン含有水溶性ポリマーに代表される化合物
である。
【0018】この発明で使用されるオキサゾリン含有ポ
リマーラテックス(以後、ラテックス重合体という)
は、下記一般式(1)で表されるモノマーを繰り返し単
位として有する重合体である。
【0019】
【化1】
【0020】式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ独立
に水素、ハロゲン、アルキル、アラルキル、フェニルま
たは置換フェニルを表し、R5は付加重合性不飽和結合
を持つ非環状有機基を表す。
【0021】具体例としては、 (a)2−ビニル−2−オキサゾリン (b)2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン (c)2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン (d)2−イソプロペニル−2−オキサゾリン (e)2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾ
リン (f)2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾ
リン を挙げることができ、これらの群から選ばれる1種また
は2種以上の混合物を使用することができる。
【0022】一般式(1)のモノマー使用量は特に限定
されるものではないが、ラテックス重合体を得る際に使
用する単量体混合物中、5重量%以上であることが好ま
しい。
【0023】オキサゾリン基を含有するポリマーラテッ
クスは、例えば、上記一般式(1)で表されるモノマー
を単独で重合、あるいは、一般式(1)で表されるモノ
マーと該モノマーと共重合可能なエチレン性不飽和モノ
マーの1種以上と共重合させることによって得ることが
できる。このようなモノマーとしては、例えば、アクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエス
テル類、オレフィン類、ジエン類、アクリルアミド類、
メタクリルアミド類、ビニルエーテル類、他種々のエチ
レン性不飽和モノマーを用いることができ、また、二個
以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーも好ましく
用いることができる。さらに具体的な例を挙げると、ア
クリル酸エステル類としては、例えば、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレ
ート、tert−ブチルアクリレート、アミルアクリレ
ート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、オクチルアクリレート、tert−オクチル
アクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−ブ
ロモエチルアクリレート、4−クロロブチルアクリレー
ト、シアノエチルアクリレート、2−アセトキシエチル
アクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ベ
ンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、
2−クロロシクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒド
ロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、5
−ヒドロキシペンチルアクリレート、2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシ
エチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレー
ト、2−エトキシエチルアクリレート、2−iso−プ
ロポキシアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレー
ト、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリレー
ト、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアクリレー
ト、ω−メトキシポリエチレングリコールアクリレート
(付加モル数n=9)、1−ブロモ−2−メトキシエチ
ルアクリレート、1,1−ジクロロ−2−エトキシエチ
ルアクリレート等が挙げられる。メタクリル酸エステル
類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロ
ピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレー
ト、tert−ブチルメタクリレート、アミルメタクリ
レート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタ
クリレート、ベンジルメタクリレート、クロロベンジル
メタクリレート、オクチルメタクリレート、ステアリル
メタクリレート、N−エチル−N−フェニルアミノエチ
ルメタクリレート、2−(3−フェニルプロピルオキ
シ)エチルメタクリレート、ジメチルアミノフェノキシ
エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テ
トラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタク
リレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒ
ドロキシブチルメタクリレート、トリエチレングリコー
ルモノメタクリレート、ジプロピレングリコールモノメ
タクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、3
−メトキシブチルメタクリレート、2−アセトキシエチ
ルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレー
ト、2−iso−プロポキシエチルメタクリレート、2
−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2−メトキシ
エトキシ)エチルメタクリレート、2−(2−ブトキシ
エトキシ)エチルメタクリレート、アリルメタクリレー
トなどを挙げることができる。ビニルエステル類として
は、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネー
ト、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニル
カプロレート、ビニルクロロアセテート、ビニルメトキ
シアセテート、ビニルフェニルアセテート、安息香酸ビ
ニル、サリチル酸ビニルなどを挙げることができる。共
役ジエンモノマーとしては、例えば、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−
1,3−ブタジエン、2−n−プロピル−1,3−ブタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−
メチル−1,3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3
−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエ
ン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、2−クロ
ロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジ
エン、1−クロロブタジエン、2−フルオロ−1,3−
ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、
1,1,2−トリクロロ−1,3−ブタジエン及び2−
シアノ−1,3−ブタジエンを挙げることができる。ま
た、上記のモノマー以外に、アクリルアミド類、例え
ば、アクリルアミド、エチルアクリルアミド、tert
−ブチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミ
ド、ベンジルアクリルアミド、ヒドロキシメチルアクリ
ルアミド、フェニルアクリルアミド、ジメチルアクリル
アミド、ジエチルアクリルアミド、ジアセトンアクリル
アミドなど;メタクリルアミド類、例えば、メタクリル
アミド、エチルメタクリルアミド、tert−ブチルメ
タクリルアミド、ベンジルメタクリルアミド、ヒドロキ
シメチルメタクリルアミド、フェニルメタクリルアミ
ド、ジメチルメタクリルアミドなど;オレフィン類、例
えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等;スチレン類、例え
ば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、クロ
ルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチ
レン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチ
レン、ビニル安息香酸メチルエステルなど;ビニルエー
テル類、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニル
エーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビ
ニルエーテルなど;その他として、例えば、クロトン酸
ブチル、クロトン酸ヘキシル、イタコン酸ジメチル、マ
レイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエ
チル、フマル酸ジメチル、メチルビニルケトン、フェニ
ルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、N−ビ
ニルピロリドン、アクリロニトリル、メタアクリロニト
リル、メチレンマロンニトリル、塩化ビニリデン、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等
を挙げることができる。また、本発明のラテックスに
は、少なくとも2個の共重合可能なエチレン性不飽和基
を有するモノマーを用いることもできる。このようなモ
ノマーの例としては、ジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチ
レングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタク
リレート、トリビニルシクロヘキサン、トリメチロール
プロパントリアクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールメタクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラメタクリレート、などが挙げられる。以上、列
挙したモノマーは1種のみを用いても良いし2種以上の
モノマーを共重合してもよい。また、重合の行い易さの
点から、上記のモノマー群のうち、好ましく用いられる
のはアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、
ビニルエステル類、共役ジエン類、スチレン類、2個以
上のエチレン性不飽和基を有するモノマーである。
【0024】本発明におけるラテックス重合体は、従来
から公知の重合方法により製造できるが、最も好ましく
は乳化重合法である。
【0025】乳化重合法においては、従来公知の重合触
媒、界面活性剤を用い、いわゆるモノマー滴下法、多段
重合法、プレエマルジョン法などの方法により合成する
ことができる。
【0026】本発明に係わるラテックス重合体の水性樹
脂分散液は、特開平2−99537号の参考例1に記載
されている方法により得ることができる。
【0027】本発明に係る上記オキサゾリン系ポリマー
ラテックスの組成としては、以下に示すものが挙げられ
るが、本発明はこれらの組成のみに限定されるものでは
ない。
【0028】 例示No. オキサゾリン系ポリマー組成 組成比率(Wt%) 1 MA:St:(a) 45:45:10 2 MA:St:(a) 30:60:10 3 MA:St:(d) 45:45:10 4 MA:St:(d) 30:60:10 5 MA:St:(e) 40:55:5 6 MA:St:(e) 30:60:10 7 EA:St:(a) 30:55:15 8 EA:St:(a) 45:45:10 9 EA:St:(b) 45:50:5 10 EA:St:(d) 45:45:10 11 EA:St:(d) 30:60:10 12 EA:St:(d) 50:45:5 13 EA:St:(f) 45:45:10 14 EA:St:(f) 45:50:5 15 EA:St:(f) 30:65:5 16 BA:St:(b) 40:55:5 17 BA:St:(c) 40:55:5 18 BA:St:(d) 20:70:10 19 BA:St:(d) 35:60:5 20 BA:St:(d) 45:45:10 21 BA:St:(d) 50:40:10 22 BA:St:(e) 45:45:10 23 BA:St:(e) 30:60:10 24 MMA:EA:(d) 30:65:5 25 AN:BA:(a) 50:30:20 26 AN:BA:(a) 45:45:10 27 AN:St:(d) 45:50:5 28 AN:St:(d) 30:50:20 MA:アクリル酸メチル、EA:アクリル酸エチル、B
A:アクリル酸ブチル、MMA:メタクリル酸メチル、
AN:アクリロニトリル、St:スチレン、(a)〜
(f):先に挙げた付加重合性オキサゾリンモノマー さらに、本発明のオキサゾリン含有ポリマーラテックス
の具体例としてはエポクロスK−1010E,K−10
20E,K−1030E,K−2010E,K−202
0E,K−2030E((株)日本触媒)を挙げること
ができる。
【0029】この発明で使用されるオキサゾリン含有水
溶性ポリマー(以後、重合体Aという)は、前記一般式
(1)によって表される付加重合性オキサゾリンモノマ
ー及び必要に応じて少なくとも1種の他の単量体を重合
してなるものである。
【0030】付加重合性オキサゾリンモノマーの使用量
は特に限定されるものではないが、重合体Aを得る際に
使用する単量体混合物中、5重量%以上であることが好
ましい。この発明において他の単量体とは、オキサゾリ
ン基と反応しない、付加重合性オキサゾリンモノマーと
共重合可能な単量体であれば特に制限はなく、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
2−アミノエチルおよびその塩等の(メタ)アクリル酸
エステル類;(メタ)アクリルニトリル等の不飽和ニト
リル類:(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N(2ヒドロキシエチル)(メ
タ)アクリルアミド等の不飽和アミド類:酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類:メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル
類:エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲン
α,β−不飽和単量体類:スチレン、α−メチルスチレ
ン、スチレンスルホン酸ナトリウム等のα,β−不飽和
芳香族単量体類が挙げられ、これらの1種または2種以
上の混合物を使用することができる。
【0031】重合体Aは、付加重合性オキサゾリンモノ
マー及び必要に応じて少なくとも1種の他の単量体を、
従来公知の重合法によって水性媒体中で溶液重合を行う
ことにより製造できる。使用できる水性媒体は、水と混
合可能なものであれば特に制限はないが、例示すれば、
水:または、水とメタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、ターシャリーブタ
ノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコール、アセトン、メチルエチルケ
トン等の混合溶液が挙げられる。
【0032】重合体Aに水溶性を付与するためには、構
成単量体の50重量%以上が親水性単量体であることが
好ましい。親水性単量体の具体例としては、(メタ)ア
クリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
メトキシポリエチレングリコール・(メタ)アクリル酸
−2−アミノエチルおよびその塩、(メタ)アクリルア
ミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−
(2−ヒドロキシエチル)−(メタ)アクリルアミド、
(メタ)アクリルニトリル、スチレンスルホン酸ナトリ
ウム等が挙げられる。
【0033】本発明のオキサゾリン含有水溶性ポリマー
の具体例としてはエポクロスWS−300,WS−50
0(何れも(株)日本触媒製)を挙げることができる。
【0034】本発明において上記オキサゾリン系高分子
化合物は溶液として添加しても分散液として添加しても
良い。
【0035】ゼラチン架橋性基を有する多糖類化合物と
は、ヒドロキシ基の一部をゼラチンと架橋性を有する化
合物で修飾した多糖類化合物であり、多糖類としてはデ
キストラン、デキストリン、環状構造を有するシクロデ
キストリンが好ましく、特にシクロデキストリンが好ま
しい。
【0036】以下にゼラチン架橋性基を有するシクロデ
キストリンの具体例を示す。
【0037】K1 β−シクロデキストリン/2−ヒド
ロキシ−4,6−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム
塩(1分子当たりの平均修飾率2.3) K2 マルトーズが1分子結合したβ−シクロデキスト
リン/2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−s−トリア
ジンナトリウム塩(1分子当たりの平均修飾率2.3) K3 β−シクロデキストリン/エピクロロヒドリン
(1分子当たりの平均修飾率2.4) K4 マルトーズが1分子結合したβ−シクロデキスト
リン/エピクロロヒドリン(1分子当たりの平均修飾率
2.4) K5 β−シクロデキストリン/エチルクロロホルメー
ト(1分子当たりの平均修飾率2.4) これらの化合物は、ドイツ特許公開OLS第2,35
7,252号、特開昭63−83720号、同63−1
68643号に記載の以下のような合成法を参考にして
容易に合成することができる。
【0038】(K1の合成)β−シクロデキストリン3
6.0gを純水500.0gに溶解させ、NaOHでp
Hを8.5に調整した。この液に2−ヒドロキシ−4,
6−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム41.0gを
添加し、NaOHにてpHを8〜9、温度は15℃に保
ちながら5時間攪拌した。得られた反応混合物を精製し
た後、スプレードライ法により粉体として得た。
【0039】本発明において上記ゼラチン架橋性化合物
はハロゲン化銀粒子の形成後から化学増感を終了するま
での間であればいずれの工程において添加されても良
く、1回の添加でも複数回に分けて添加しても良いが、
脱塩処理後から化学増感剤の添加までの間に添加するこ
とが好ましい。
【0040】ゼラチン架橋性化合物の添加量はゼラチン
1g当たり0.01ミリモルから1.0ミリモルが好ま
しく、より好ましくは0.05〜0.5ミリモルであ
る。
【0041】本発明のハロゲン化銀粒子はハロゲン化銀
として臭化銀、沃臭化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、塩化
銀、臭塩化銀、沃塩化銀等を用いることができる。これ
らの内、臭化銀、沃臭化銀がより好ましい。本発明のハ
ロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子は90モル
%以上の臭化銀を含有することが好ましく、95モル%
以上含有することがより好ましく、99モル%以上含有
することが更に好ましい。沃臭化銀の場合、沃化銀の含
有量は、ハロゲン化銀粒子全体での平均沃化銀含有率と
して0.01モル%以上1.0モル%以下であることが
好ましく、0.01モル%以上0.5モル%以下が更に
好ましい。
【0042】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形
状は如何なるものでもよい。例えば、立方体、八面体、
十四面体、球、平板状、じゃがいも状等の形状であって
よい。特に好ましいのは平板状粒子である。
【0043】以下、本発明で好ましく用いられるハロゲ
ン化銀粒子の典型的例として平板状粒子について説明す
る。
【0044】本発明において、個々のハロゲン化銀粒子
の沃化銀含有率及び平均沃化銀含有率はEPMA法(E
lectron Probe Micro Analy
zer法)を用いることにより求めることができる。こ
の方法は乳剤粒子を互いに接触しないようによく分散し
たサンプルを作製し、電子ビームを照射し、電子線励起
によるX線分析を行うもので極微小な部分の元素分析を
行える。この方法により、各粒子から放射される銀及び
沃度の特性X線強度を求めることにより、個々の粒子の
ハロゲン化銀組成を決定できる。少なくとも50個の粒
子についてEPMA法により沃化銀含有率を求めれば、
それらの平均から平均沃化銀含有率が求められる。
【0045】本発明のハロゲン化銀乳剤に含まれる平板
状ハロゲン化銀粒子は粒子間の沃度含有量がより均一に
なっていることが好ましい。EPMA法により粒子間の
沃度含有量の分布を測定したとき、相対標準偏差が35
%以下、更に20%以下であることが好ましい。
【0046】本発明において平板状ハロゲン化銀粒子は
粒子内部に沃化銀を含有しても良い。この場合、内部の
組成は沃化銀を0.01モル%以上3モル%以下含有す
ることが好ましい。ここで、ハロゲン化銀粒子内部のハ
ロゲン組成分布は粒子を超薄切片に前処理した後、冷却
しながら透過型電子顕微鏡で観察、分析を行うことによ
り求められる。具体的には乳剤からハロゲン化銀粒子を
取り出した後、樹脂中に包埋し、これをダイヤモンドナ
イフで切削することにより厚さ60nmの切片を作製す
る。この切片を液体窒素で冷却しながら、エネルギー分
散型X線分析装置を装着した透過型電子顕微鏡により観
察と点分析を行い、定量計算することにより求められる
(井上、長澤:写真学会昭和62年年次大会講演要旨集
p62)。
【0047】また沃化銀を最表面に存在させることも好
ましい。この場合、最表面の沃化銀含有率は0.1モル
%以上5モル%以下であることが好ましい。ここで、平
板状ハロゲン化銀粒子の最表面の沃化銀含有率とは、X
PS法(X−ray Photoelectron S
pectroscopy:X線光電子分光法)によって
分析される深さ50Åまでの部分の沃化銀含有率を言
い、以下のようにして求めることができる。
【0048】試料を1×10-8torr以下の超高真空
中で−110℃以下まで冷却し、プローブ用X線として
MgKαをX線源電圧15kV、X線源電流40mAで
照射し、Ag3d5/2、Br3d、I3d3/2電子
について測定する。測定されたピークの積分強度を感度
因子(Sensitivity Factor)で補正
し、これらの強度比から最表面のハライド組成を求め
る。
【0049】試料を冷却するのは、室温でのX線照射に
よる試料の破壊(ハロゲン化銀の分解とハライド(特に
沃素)の拡散)で生じる測定誤差をなくし、測定精度を
高めるためである。−110℃まで冷却すれば、試料破
壊は測定上支障のないレベルに抑えることができる。
【0050】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子の平均アスペクト比は2以上10以下が好ましく、更
に好ましくは7以下であり、最も好ましくは5以下であ
る。
【0051】本発明は乳剤中に含まれるハロゲン化銀粒
子の全投影面積の50%以上が平板状ハロゲン化銀粒子
からなることが好ましいが、好ましくは70%以上、更
に好ましくは90%以上が(111)面を主平面とする
平板状ハロゲン化銀粒子からなる場合である。主平面が
(111)面であることはX線回折法等により確認する
ことができる。
【0052】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子の平均粒径は0.15〜5.0μmであることが好ま
しく、0.4〜3.0μmであることが更に好ましく、
最も好ましくは0.4〜2.0μmである。
【0053】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子の平均厚さは0.01〜1.0μmであることが好ま
しく、より好ましくは0.02〜0.40μm、更に好
ましくは0.02〜0.30μmである。
【0054】粒径及び厚さは、感度、その他写真特性を
最良にするように最適化することができる。感度、その
他写真特性に影響する感光材料を構成する他の因子(親
水性コロイド層の厚さ、硬膜度、化学熟成条件、感光材
料の設定感度、銀付量等)によって最適粒径、最適厚さ
は異なる。
【0055】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子は粒径分布の狭い単分散粒子である。具体的には (粒径の標準偏差/平均粒径)×100=粒径分布の広
さ(%) によって分布の広さを定義したとき、20%以下のもの
であるが、好ましくは18%以下、更に好ましくは15
%以下のものである。
【0056】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子は厚さの分布が狭いことが好ましい。具体的には、 (厚さの標準偏差/平均厚さ)×100=厚さ分布の広
さ(%) によって分布の広さを定義したとき25%以下のものが
好ましく、更に好ましくは20%以下のものであり、特
に好ましくは15%以下である。
【0057】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子は転位を有していてもよい。転位は例えばJ.F.H
amilton,Phot.Sci.Eng,57(1
967)や、T.Shiozawa,J.Soc.Ph
ot.Sci.Japan,35,213(1972)
に記載の低温での透過型電子顕微鏡を用いた直接的な方
法により観察することができる。即ち、乳剤から粒子に
転位が発生する程の圧力をかけないよう注意して取りだ
したハロゲン化銀粒子を電子顕微鏡観察用のメッシュに
載せ、電子線による損傷(プリントアウト等)を防ぐよ
うに試料を冷却した状態で透過法により観察を行う。こ
のとき、粒子の厚みが厚いほど電子線が透過しにくくな
るので、高圧型(0.25μmの厚さの粒子に対して2
00kV以上)の電子顕微鏡を用いた方がより鮮明に観
察することができる。
【0058】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子は、粒子を形成する過程及び/または成長させる過程
で、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジ
ウム塩(錯塩を含む)、ロジウム塩(錯塩を含む)、鉄
塩(錯塩を含む)等の金属イオンを添加し、粒子内部及
び/または粒子表面にこれらの金属元素を含有させるこ
とができる。
【0059】本発明において、化学増感の工程の条件、
例えばpAg、温度、時間等については、当業界で一般
に行われている条件で行うことができる。化学増感のた
めに銀イオンと反応しうる硫黄を含む化合物や活性ゼラ
チンを用いる硫黄増感法、セレン化合物を用いるセレン
増感法、テルル化合物を用いるテルル増感法、還元性物
質を用いる還元増感法、金その他、貴金属を用いる貴金
属増感法等を単独または組み合わせて用いることができ
るが、なかでも、セレン増感法、テルル増感法、還元増
感法が好ましく用いられる。
【0060】本発明の化学増感に用いられるセレン増感
剤は広範な種類のセレン化合物を含む。例えば、これに
関しては、米国特許1,574,944号、同1,60
2,592号、同1,623,499号、特開昭60−
150046号、特開平4−25832号、同4−10
9240号、同4−147250号等に記載されてい
る。有用なセレン増感剤としては、コロイドセレン金
属、イソセレノシアネート類(例えば、アリルイソセレ
ノシアネート等)、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジ
メチルセレノ尿素、N,N,N′−トリエチルセレノ尿
素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロ
セレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタ
フルオロプロピルカルボニルセレノ尿素、N,N,N′
−トリメチル−N′−4−ニトロフェニルカルボニルセ
レノ尿素等)、セレノケトン類(例えば、セレノアセト
ン、セレノアセトフェノン等)、セレノアミド類(例え
ば、セレノアセトアミド、N,N−ジメチルセレノベン
ズアミド等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル
類(例えば、2−セレノプロピオン酸、メチル−3−セ
レノブチレート等)、セレノフォスフェート類(例え
ば、トリ−p−トリセレノフォスフェート等)、セレナ
イド類(ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド
等)が挙げられる。特に、好ましいセレン増感剤は、セ
レノ尿素類、セレノアミド類、及びセレンケトン類であ
る。しかし本発明においては、有機溶媒の溶液として添
加する場合よりも、セレン増感剤を固体微粒子状の分散
物として添加することにより効果が増大する。
【0061】テルル増感剤及び増感法に関しては、米国
特許第1,623,499号、同3,320,069
号、同3,772,031号、同3,531,289
号、同3,655,394号、英国特許第1,295,
462号、同1,396,696号、カナダ特許第80
0,958号、特開平4−204640号、同平4−3
33043号等に開示されている。有用なテルル増感剤
の例としては、テルロ尿素類(例えば、N,N−ジメチ
ルテルロ尿素、テトラメチルテルロ尿素、N−カルボキ
シエチル−N,N′−ジメチルテルロ尿素、N,N′−
ジメチル−N′フェニルテルロ尿素)、ホスフィンテル
リド類(例えば、トリブチルホスフィンテルリド、トリ
シクロヘキシルホスフィンテルリド、トリイソプロピル
ホスフィンテルリド、ブチル−ジイソプロピルホスフィ
ンテルリド、ジブチルフェニルホスフィンテルリド)、
テルロアミド類(例えば、テルロアセトアミド、N,N
−ジメチルテルロベンズアミド)、テルロケトン類、テ
ルロエステル類、イソテルロシアナート類などが挙げら
れる。テルル増感剤の使用技術は、セレン増感剤の使用
技術に準じる。
【0062】金増感剤としては、塩化金酸、チオ硫酸
金、チオシアン酸金等の他に、チオ尿素類、ローダニン
類、その他各種化合物の金錯体を挙げることができる。
【0063】硫黄増感剤及び金増感剤の使用量は、ハロ
ゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件
などによって一様ではないが、通常は、ハロゲン化銀1
モル当たり、1×10-4モル〜1×10-9モルであるこ
とが好ましい。更に、好ましくは1×10-5モル〜1×
10-8モルである。
【0064】本発明のハロゲン化銀乳剤は分光増感色素
により分光増感されても良い。分光増感色素はハロゲン
化銀粒子に吸着し、増感に寄与するものを指し、本発明
で用いられる分光増感色素は分光増感機能を有するもの
なら任意であるが、分光増感色素をハロゲン化銀乳剤粒
子に吸着させ、反射スペクトルを測定したときに、J凝
集帯の最大吸収波長が555nm以下であることがこの
ましい。尚、緑色光を発する蛍光体を利用するX線医療
用感光材料への適用においては、分光増感色素をハロゲ
ン化銀乳剤粒子に吸着させ、その反射スペクトルを測定
したときに蛍光体からの緑色光と同じ波長域にJ−バン
ドが形成されるようにすることが好ましい。即ち、最大
吸収波長は好ましくは520nm〜555nmの領域に
於いて吸収が最大となるJ−バンドが形成されるように
分光増感色素を選択し組み合わせることが好ましい。更
に好ましくは530〜553nmで、最も好ましくは5
40〜550nmである。
【0065】本発明に係る分光増感色素の添加時期は化
学熟成工程時、特に好ましくは化学熟成開始時に行うこ
ともでき、また、本発明に係るハロゲン化銀乳剤のハロ
ゲン化銀突起部形成工程時から脱塩工程終了までに添加
することによって、分光増感効率の優れた高感度ハロゲ
ン化銀乳剤が得られるが、更に脱塩工程終了後から化学
熟成工程を経て塗布工程直前までのいずれかの時期に前
記の工程(ハロゲン化銀突起部形成工程時から脱塩工程
終了まで)に添加した色素と同一もしくは別種の本発明
に係る分光増感色素を追加して添加しても良い。
【0066】本発明に係る感光材料に用いることのでき
る支持体としては、例えばリサーチ・ディスクロージャ
ー(RDと略す)RD−17643の28頁及びRD−
308119の1009頁に記載されているものが挙げ
られる。
【0067】適当な支持体としてはプラスチックフィル
ムなどで、これら支持体の表面は塗布層の接着をよくす
るために、下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射
などを施してもよい。また下塗層にコロイド酸化スズゾ
ルなどの帯電防止改良剤を含有することが好ましい。
【0068】本発明の写真感光材料は支持体の両面にハ
ロゲン化銀乳剤層及びクロスオーバーカット層を設ける
と、高感度、高鮮鋭性で、かつ処理性の優れる感光材料
を得られる。ハロゲン化銀乳剤層、表面保護層、その他
の層のゼラチン量は、支持体の片側の合計で0.5〜
3.5g/m2の範囲であることが好ましく、特に1.
5〜3.0g/m2の範囲が好ましい。
【0069】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を製造
する際、本発明の乳剤の調製時に用いられる保護コロイ
ドとして、及びその他の親水性コロイド層のバインダー
としては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以
外の親水性コロイドも用いることができる。例えば、ゼ
ラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリ
マー、アルブミン、カゼインのような蛋白質;ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セ
ルロース硫酸エステル類の如きセルロース誘導体、アル
ギン酸ソーダ、澱粉誘導体のような糖誘導体;ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタール、
ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメ
タクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾ
ール、ポリビニルビラゾールのような単一あるいは共重
合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用いることが
できる。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸
処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.Phot
o.Japan.No.16.P30(1966)に記
載されたような酵素処理ゼラチンを用いてもよく、ま
た、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることが
できる。
【0070】本発明の乳剤は脱塩のために水洗し、新し
く用意した保護コロイド分散にすることが好ましい。水
洗の温度は目的に応じて選べるが、5℃〜50℃の範囲
で選ぶことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じて選
べるが2〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに好ま
しくは3〜8の範囲である。水洗時のpAgも目的に応
じて選べるが5〜10の間で選ぶことが好ましい。水洗
の方法としてヌードル水洗法、半透膜を用いた透析法、
遠心分離法、凝析沈降法、イオン交換法のなかから選ん
で用いることができる。凝析沈降法の場合には硫酸塩を
用いる方法、有機溶剤を用いる方法、水溶性ポリマーを
用いる方法、ゼラチン誘導体を用いる方法などから選ぶ
ことができる。米国特許第3,772,031号に記載
されているようなカルコゲナイド化合物を乳剤調製中に
添加する方法も有用な場合がある。S、Se、Te以外
にもシアン塩、チオシアン塩、セレノシアン酸、炭酸
塩、リン酸塩、酢酸塩を存在させてもよい。
【0071】本発明のハロゲン化銀写真乳剤を含有する
層ないし該乳剤層以外の構成層のいずれか任意の少なく
とも1層に現像処理中に脱色又は/及び流出可能な染料
を含有させると、高感度、高鮮鋭度で、かつ色素ステイ
ンの少ない感光材料が得られる。感光材料に用いられる
染料としては、感光材料に応じて、所望の波長を吸収し
て該波長の影響を除くことにより、鮮鋭性を向上させ得
るような染料から適宜に選択して使用することが出来
る。該染料は感光材料の現像処理中に脱色若しくは流出
し、画像完成時には着色が視認出来ない状態となってい
ることが好ましい。
【0072】本発明の感光材料に用いられる染料は、p
H7以下で実質的に水に不溶性でpH8以上で、且つ実
質的に水溶性なものである。添加量は鮮鋭性の目標に応
じて、変えることができる。好ましくは0.2mg/m
2〜20mg/m2、より好ましくは0.8mg/m2
15mg/m2である。
【0073】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
は、各種の写真用添加剤を用いることができる。公知の
添加剤としては例えばRD17643(1978年12
月)、同No.18716(1979年11月)及び同
No.308119(1989年12月)に記載された
化合物が挙げられる。これら三つのRDに示されている
化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。
【0074】 添加剤 RD−17643 RD−18716 RD−308119 頁 分類 頁 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 III 減感色素 23 IV 998 B 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXII 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 界面活性剤 26〜27 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1009〜4 XXII 支持体 28 XVII 1009 XVII 尚、本発明のハロゲン化銀写真乳剤は、乳剤層またはそ
の他の層のある層に現像薬、例えばアミノフェノール、
アスコルビン酸、ピロカテコール、ハイドロキノン、フ
ェニレンジアミンまたは3−ピラゾリドン等を添加する
ことができる。
【0075】本発明において、ラテックスを使用するこ
とができるが、使用するラテックスは、ハロゲン化銀写
真要素中に用いても次の点での悪影響がないか極めて少
ないものが好ましい。即ち、ラテックス表面が写真的に
不活性であり、各種の写真添加剤との相互作用が極めて
少ない。その一例として、染料や色素を吸着して写真要
素を色汚染しにくい。また現像の速度に影響のある現像
促進剤、現像抑制剤などを吸着しにくく、感度やカブリ
に影響を与えにくいものである。
【0076】また、ラテックスを分散させた写真液は、
pH依存性が少ないこと、イオン強度に左右されにくい
ことのため凝集沈殿しにくいものが好ましい。ラテック
スにはガラス転移点と言われる指標がしばしば用いられ
る。この転移点が高いほど硬く緩衝剤としての役目が果
たせなくなるが、逆に低いと一般に写真性能と相互作用
し易く悪影響が出てくる。このため写真特性を考えると
組成の選択とその使用量は単純ではない。スチレン、ブ
タジエン、ビニリデンなどのモノマーを用いたラテック
スはよく知られている。また、ラテックスの合成のとき
アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等のカルボン酸基
を有するモノマーを導入すると写真特性に影響が少なく
なると言われ、このような合成もしばしば試みられてい
る。またこのような組み合わせで得られたラテックスに
対してメタクリレート単位を含ませることによりガラス
転移点を感材に応じて適切に設定したものでもよい。
【0077】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は固体
処理剤を用いて処理することができる。本発明でいう固
体処理剤とは、粉末処理剤や錠剤、丸薬、顆粒の如き固
体処理剤などであり、必要に応じ防湿加工を施したもの
である。
【0078】本発明でいう粉末とは、微粒結晶の集合体
のことをいう。本発明でいう顆粒とは、粉末に造粒工程
を加えたもので、粒径50〜5000μmの粒状物のこ
とをいう。本発明でいう錠剤とは、粉末又は顆粒を一定
の形状に圧縮成型したもののことを言う。本発明のハロ
ゲン化銀写真感光材料は固体処理剤を連続処理しながら
供給することができる。
【0079】処理剤を固体化するには、濃厚液または微
粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成型化
するか、仮成型した処理剤の表面に水溶性結着剤を噴霧
したりすることで被覆層を形成するなど任意の手段が採
用できる。
【0080】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
体処理剤を造粒した後、打錠工程を行い形成する方法で
ある。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成
された固体処理剤より溶解性や保存性が改良され結果と
して写真性能も安定になるという利点がある。錠剤形成
のための造粒方法は転動造粒、押し出し造粒、圧縮造
粒、解砕造粒、撹拌造粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒等
公知の方法を用いることが出来る。錠剤形成のためには
得られた造粒物の平均粒径は造粒物を混合し、加圧圧縮
する際、成分の不均一化、いわゆる偏析が起こりにくい
という点で、100〜800μmのものを用いることが
好ましく、より好ましくは200〜750μmである。
さらに粒度分布は造粒物粒子の60%以上が±100〜
150μmの偏差内にあるものが好ましい。次に得られ
た造粒物を加圧圧縮する際には公知の圧縮機、例えば油
圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、プリ
ケッテングマシンを用いることが出来る。加圧圧縮され
て得られる固形処理剤は任意の形状を取ることが可能で
あるが生産性、取扱い性の観点から又はユーザーサイド
で使用する場合の粉塵の問題からは円筒型、いわゆる錠
剤が好ましい。
【0081】好ましくは造粒時、各成分毎例えばアルカ
リ剤、還元剤、保恒剤等を分別造粒することによって更
に上記効果が顕著になる。
【0082】錠剤処理剤の製造方法は例えば、特開昭5
1−61837号、同54−155038号、同52−
88025号、英国特許1,213,808号等に記載
される一般的な方法で製造でき、更に顆粒処理剤は例え
ば、特開平2−109042号、同2−109043
号、同3−39735号及び同3−39739号等に記
載される一般的な方法で製造できる。更に粉末処理剤は
例えば、特開昭54−133332号、英国特許72
5,892号、同729,862号及びドイツ特許3,
733,861号等の明細書に記載されるが如き一般的
な方法で製造できる。
【0083】上記の固体処理剤の嵩密度はその溶解性の
観点と、効果の点から錠剤である場合1.0g/cm3
〜2.5g/cm3が好ましく1.0g/cm3より大き
いと得られる固形物の強度の点で、2.5g/cm3
り小さいと得られる固形物の溶解性の点でより好まし
い。固体処理剤が顆粒又は粉末である場合嵩密度は0.
40〜0.95g/cm3のものが好ましい。
【0084】本発明に用いられる固体処理剤は現像剤、
定着剤、リンス剤等写真用処理剤に用いられるが、本発
明の効果とりわけ写真性能を安定化させる効果が大きい
のは現像剤である。
【0085】本発明に用いられる固体処理剤はある処理
剤の1部の成分のみ固体化することも本発明の範囲に入
るが、好ましくは該処理剤の全成分が固体化されている
ことである。各成分は別々の固体処理剤として成型さ
れ、同一個装されていることが望ましい。又別々の成分
が定期的に包装でくり返し投入される順番に包装されて
いることも望ましい。
【0086】処理量情報に応じて各処理槽に補充する処
理剤全てを固体処理剤として投入することが好ましい。
補充水が必要な場合には、処理量情報又は別の補充水制
御情報にもとづき補充水が補充される。この場合処理槽
に補充する液体は補充水のみとすることが出来る。つま
り、補充が必要な処理槽が2種類以上の複数であった場
合に、補充水を共有することによって補充用液体を貯留
するタンクは1つで済み、自動現像機のコンパクト化が
図れる。補充水タンクは外部に外置きでも、自動現像機
に内蔵してもよく、内蔵するのは省スペース等の点から
も好ましい。
【0087】現像剤を固体化する場合、アルカリ剤、還
元剤全てを固体処理剤化し、かつ錠剤の場合には少なく
とも3剤以内最も好ましくは1剤にすることが、本発明
に用いられる固体処理剤の好ましい実施態様である。又
2剤以上に分けて固体処理剤化した場合は、これら複数
の錠剤や顆粒が同一包装されていることが好ましい。
【0088】本発明において固体処理剤を処理槽に供給
する供給手段としては、例えば固体処理剤が錠剤である
場合、実開昭63−137783号公報、同63−97
522号公報、実開平1−85732号公報等公知の方
法があるが要は錠剤を処理槽に供給せしめる機能が最低
限付与されていればいかなる方法でも良い。又固体処理
剤が顆粒又は粉末である場合には実開昭62−8196
4号、同63−84151号、特開平1−292375
号、記載の重力落下方式や実開昭63−105159
号、同63−195345号等記載のスクリュー又はネ
ジによる方式が公知の方法としてあるがこれらに限定さ
れるものではない。
【0089】しかしながら好ましい方法は、固体処理剤
を処理槽に供給する供給手段としては、例えば予め秤量
し分割包装された所定量の固体処理剤を感光材料の処理
量に応じて包装体を開封、取出す方法が考えられる。具
体的には固体処理剤が所定量ずつ好ましくは一回分の補
充量ずつ、少なくとも二つの包装材料から構成される包
装体に挟持収納されており、包装体を2方向に分離もし
くは包装体の一部を開封することにより取出し可能状態
にする。取出し可能状態の固体処理剤は自然落下により
容易に濾過手段を有する処理槽に供給することができ
る。所定量の固体処理剤は外気及び隣の固体処理剤との
通気性が遮断されるよう各々が分割密封された包装体に
収納されているため開封しなければ防湿が保証されてい
る。
【0090】実施態様として、固体処理剤を挟むように
少なくとも二つの包装材料から成る包装体が固体処理剤
の周囲を分離可能なようにお互いの接面で密着もしくは
接着されている構成が考えられる。固体処理剤を挟んだ
各々の包装材料を異った方向に引っ張ることにより密着
もしくは接着された接面が分離し、固体処理剤が取出し
可能状態となる。
【0091】別の実施様態として、固体処理剤を挟むよ
うに少なくとも二つの包装材料から成る包装体の少なく
とも一方が外力により開封可能となる構成が考えられ
る。ここでいう開封とは包装材料の一部を残した切り込
みもしくは破断である。開封方法としては、開封しない
側の包装体から固体処理剤を介して開封可能な包装体の
方向へ圧縮力を加えることにより強制的に固体処理剤を
押し出す、又は開封可能な側の包装体に鋭利な部材で切
り込みを入れることにより固体処理剤を取出し可能状態
にすることが考えられる。
【0092】供給開始信号は処理量の情報を検出するこ
とにより得る。又供給停止信号は所定量の供給が完了し
た情報を検出することにより得る。また処理剤が分包さ
れていて開封が必要な場合には得た供給開始信号に基づ
き分離又は開封するための駆動手段が動作し、供給停止
信号に基づき分離又は開封するための駆動手段が停止す
るよう制御できる。
【0093】上記固体処理剤の供給手段は感光材料の処
理量情報に応じて一定量の固体処理剤を投入する制御手
段を有していてもよい。即ち、自動現像機においては各
処理槽の成分濃度を一定に保ち、写真性能を安定化させ
る為に必要である。
【0094】写真感光材料の処理量情報とは処理液で処
理されるハロゲン化銀写真感光材料の処理量あるいは、
処理されたハロゲン化銀写真感光材料の処理量あるいは
処理中のハロゲン化銀写真感光材料の処理量に比例した
値であり、処理液中の処理剤の減少量を間接的あるいは
直接的に示す。感光材料が処理液中に搬入される前、
後、あるいは処理液に浸漬中いずれのタイミングで検出
されても良い。さらに、処理液中の組成の濃度あるいは
濃度変化やpHや比重などの物理的パラメーターであっ
てもよい。又処理液の乾燥後外部に出た量でも良い。
【0095】本発明の固体処理剤を投入する場所は処理
槽中であればよいが、好ましいのは、感光材料を処理す
る処理部と連通し、該処理部との間を処理液が流通して
いる場所であり、更に処理部との間に一定の処理液循環
量があり溶解した成分が処理部に移動する構造が好まし
い。固体処理剤は温調されている処理液中に投入される
ことが好ましい。
【0096】本発明の処理方法における現像液には、保
恒剤として亜硫酸塩の他、有機還元剤を保恒剤として用
いることができる。その他にキレート剤や硬膜剤の重亜
硫酸塩付加物を用いることができる。また銀スラッジ防
止剤を添加することも好ましい。シクロデキストリン化
合物の添加も好ましく、特開平1−124853号記載
の化合物が特に好ましい。
【0097】現像液の処理温度は、好ましくは25〜5
0℃で、より好ましくは30〜40℃である。現像時間
は3〜15秒であり、より好ましくは3〜10秒であ
る。本発明に於ける全処理時間はDry to Dry
で30秒以下であり、好ましくは25秒以下である。こ
こで言う全処理時間とは感光材料を現像、定着、水洗及
び乾燥工程を含む全処理時間を指す。
【0098】処理剤の補充は、処理剤疲労と酸化疲労相
当分を補充する。補充法としては特開昭55−1262
43号に記載の幅、送り速度による補充、特開昭60−
104946号記載の面積補充、特開平1−14915
6号記載の連続処理枚数によりコントロールされた面積
補充でもよく、好ましい(現像)補充量は14ml/4
切り以下である。より好ましくは7ml/4切り以下で
ある。
【0099】定着温度及び時間は20℃〜50℃で2秒
〜8秒がより好ましい。好ましい定着液としては当業界
で一般に用いられている定着素材を含み、沃度含有量は
0.3g/リットル以下が好ましく、より好ましくは
0.1g/リットル以下である。定着液のpHは3.8
以上、好ましくは4.2〜5.5である。好ましい定着
液の補充量は14ml/4切り以下であり、より好まし
くは7ml/4切り以下である。定着液は酸性硬膜を行
うものであってもよい。この場合硬膜剤としてはアルミ
ニウムイオンが好ましく用いられる。例えば硫酸アルミ
ニウム、塩化アルミニウム、カリ明礬などの形態で添加
するのが好ましい。
【0100】定着液には所望により亜硫酸塩、重亜硫酸
塩等の保恒剤、酢酸、硼酸等のpH緩衝剤、鉱酸(硫
酸、硝酸)や有機酸(クエン酸、蓚酸、リンゴ酸な
ど)、塩酸などの各種酸や金属水酸化物(水酸化カリウ
ム、ナトリウム)等のpH調整剤や硬水軟化能を有する
キレート剤を含むことができる。
【0101】定着促進剤としては例えば特公昭45−3
5754号、同58−122535号、同58−122
536号記載のチオ尿素誘導体、米国特許4,126,
459号記載のチオエーテルなどが挙げられる。
【0102】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0103】実施例1 (種乳剤の調製)下記のようにして種乳剤1を調製し
た。
【0104】 A1 オセインゼラチン 24.2g 水 9657ml ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ−ジサクシネートナトリウム塩 (10%エタノール水溶液) 6.78ml 臭化カリウム 10.8g 10%硝酸 111ml B1 2.5N 硝酸銀水溶液 2825ml C1 臭化カリウム 841g 水で 2825ml D1 1.75N 臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 42℃で特公昭58−58288号、同58−5828
9号に示される混合攪拌機を用いて溶液A1に溶液B1
及び溶液C1の各々464.3mlを同時混合法により
1.5分を要して添加し、核形成を行った。
【0105】溶液B1及び溶液C1の添加を停止した
後、60分の時間を要して溶液A1の温度を60℃に上
昇させ、3%KOHでpHを5.0に合わせた後、再び
溶液B1と溶液C1を同時混合法により、各々55.4
ml/minの流量で42分間添加した。この42℃か
ら60℃への昇温及び溶液B1、C1による再同時混合
の間の銀電位(飽和銀−塩化銀電極を比較電極として銀
イオン選択電極で測定)を溶液D1を用いてそれぞれ+
8mV及び+16mVになるよう制御した。
【0106】添加終了後3%KOHによってpHを6.
0に合わせ直ちに脱塩、水洗を行った。この種乳剤はハ
ロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺
比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板
粒子の平均厚さは0.064μm、平均粒径(円直径換
算)は0.595μmであることを電子顕微鏡にて確認
した。又、厚さの変動係数は40%、双晶面間距離の変
動係数は42%であった。
【0107】(Em−1の調製)種乳剤1と以下に示す
4種の溶液を用い、平板状ハロゲン化銀乳剤Em−1を
調製した。
【0108】 A2 オセインゼラチン 34.03g ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ−ジサクシネートナトリウム塩 (10%エタノール水溶液) 2.25ml 種乳剤1 1.722モル相当 水で 3150mlに仕上げる B2 臭化カリウム 1734g 水で 3644mlに仕上げる C2 硝酸銀 2478g 水で 4165mlに仕上げる D2 3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μ)から成る 微粒子乳剤(*) 0.080モル相当 *0.06モルの沃化カリウムを含む5.0重量%のゼ
ラチン水溶液6.64リットルに、7.06モルの硝酸
銀と、7.06モルの沃化カリウムを含む水溶液それぞ
れ2リットルを、10分間かけて添加した。微粒子形成
中のpHは硝酸を用いて2.0に、温度は40℃に制御
した。粒子形成後に、炭酸ナトリウム水溶液を用いてp
Hを6.0調整した。
【0109】反応容器内で溶液A2を60℃に保ちなが
ら激しく攪拌し、そこに溶液B2の一部と溶液C2の一
部及び溶液D2の半分量を5分かけて同時混合法にて添
加し、その後引き続き溶液B2と溶液C2の残量の半分
量を37分かけて添加し、また引き続き溶液B2の一部
と溶液C2の一部及び溶液D2の残り全量を15分かけ
て添加し、最後に溶液B2とC2の残り全量を33分か
けて添加した。この間、pHは5.8に、pAgは、
8.8に終始保った。ここで、溶液B2と溶液C2の添
加速度は臨界成長速度に見合ったように時間に対して関
数様に変化させた。
【0110】添加終了後この乳剤を40℃に冷却し、公
知の方法で限外濾過脱塩を行った後、10%ゼラチン溶
液をハロゲン化銀1モル当たりのゼラチン量が13gに
なるように加え50℃で30分間攪拌し、再分散した。
再分散後40℃にてpHを5.80、pAgを8.06
に調整した。
【0111】得られたハロゲン化銀乳剤を電子顕微鏡観
察したところ、平均粒径(円直径換算)0.82μm、
平均厚さ0.18μm、平均アスペクト比約4.5、粒
径分布の広さ18.1%の平板状ハロゲン化銀粒子であ
った。また、双晶面間距離の平均は0.020μmであ
り、双晶面間距離と厚さの比が5以上の粒子が全平板状
ハロゲン化銀粒子の97%(個数)、10以上の粒子が
49%、15以上の粒子が17%を占めていた。
【0112】(Em−2の調製)Em−1の調製におい
て限外濾過脱塩を行う直前に本発明の化合物WS−30
0(日本触媒(株)社製)をゼラチン1g当たり0.3
ミリモル加えた以外はEm−1と同様の方法でEm−2
を調製した。ハロゲン化銀粒子の形状はEm−1と同様
であった。
【0113】(Em−3の調製)Em−1の調製におい
て10%ゼラチン溶液と同時に本発明の化合物WS−3
00(日本触媒(株)社製)をゼラチン1g当たり0.
3ミリモル加えた以外はEm−1と同様の方法でEm−
3を調製した。ハロゲン化銀粒子の形状はEm−1と同
様であった。
【0114】 (Em−4の調製) A3 オセインゼラチン 75.5g ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ−ジサクシネートナトリウム塩 (10%エタノール水溶液) 6.78ml 臭化カリウム 64.7g 水で 10800mlに仕上げる B3 0.7N 硝酸銀水溶液 470ml C3 2.0N 硝酸銀水溶液 1500ml D3 1.3N 臭化カリウム水溶液 410ml E3 2.0N 臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 F3 オセインゼラチン 125g 水 4000ml G3 エチルチオスルホン酸ナトリウム水溶液(0.01N) 8ml H3 3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μ)から成る 微粒子乳剤 0.007モル相当 55℃で特公昭58−58288号、同58−5828
9号に示される混合攪拌機を用いて溶液A3に溶液B3
を400ml及び溶液D3全量を同時混合法により4
0″を要して添加し、核形成を行った。
【0115】溶液B3及び溶液D3の添加終了後、溶液
F3を添加し、70℃まで昇温し熟成を行う。さらに溶
液B3の残量を25分かけて添加した後、28%アンモ
ニア水溶液を用いて10分間熟成を行い、酢酸にてpH
を6.0にした。pAg=7.8に調整し完成ハロゲン
化銀粒子の銀1モル当たり3.6×10-5モルの二酸化
チオ尿素を3分間で添加し、70℃で30分間撹拌した
後酢酸にてpHを4.2にした。その後溶液C3とE3
をpAg=7.8に保ちながら臨界成長速度に見合った
速度で同時添加混合し、C3の1250cc添加した時
点で溶液G3を添加し、さらに溶液H3をC3の添加終
了と同時に添加終了する速度で溶液C3、E3と同時に
添加した。添加終了後この乳剤を40℃に冷却し、公知
の方法で限外濾過脱塩を行った後、10%ゼラチン溶液
をハロゲン化銀1モル当たりのゼラチン量が13gにな
るように加え50℃で30分間攪拌し、再分散した。再
分散後40℃にてpHを5.80、pAgを8.06に
調整した。この乳剤はハロゲン化銀粒子の全投影面積の
90%以上が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板
粒子よりなり、六角平板粒子の平均厚さは0.20μ
m、平均粒径(円直径換算)は0.80μmであること
を電子顕微鏡にて確認した。又、円相当径の分布は15
%であった。
【0116】(化学増感)得られたEm−1、Em−
2、Em−3、Em−4を47℃にした後に、分光増感
色素を固体微粒子状の分散物として添加し10分後にア
デニン、チオシアン酸アンモニウム、塩化金酸及びチオ
硫酸ナトリウムの混合水溶液及びトリフェニルホスフィ
ンセレナイドの分散液を同時に加え、30分後に沃化銀
微粒子乳剤を添加し、総計2時間の熟成を施した。熟成
終了時に安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデン(TAI)の適量
を添加した。なお、上記化学増感工程において本発明の
ゼラチン架橋性化合物を表1に示す種類、量、位置でそ
れぞれ添加して化学増感を行った。
【0117】分光増感色素及びその他の添加剤と、それ
らの添加量(AgX1モル当たり)を下記に示す。
【0118】 分光増感色素(A) 5,5′−ジクロロ−9−エチル−3,3′−ジ−(3−スルホプロピル) オキサカルボシアニンナトリウム塩の無水物 390mg 分光増感色素(B) 5,5′−ジ−(ブトキシカルボニル)−1,1′−ジーエチル−3,3′ −ジ−(4−スルホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニンナトリウム の無水物 4mg アデニン 10mg チオ硫酸ナトリウム 3.3mg チオシアン酸アンモニウム 50mg 塩化金酸 2.0mg 沃化銀微粒子 5mmol分 セレン増感剤の分散液 4.0mg 安定剤(TAI) 1000mg ここでいう沃化銀微粒子とは3重量%のゼラチンと、沃
化銀粒子(平均粒径0.05μ)から成る微粒子乳剤の
ことである。
【0119】分光増感色素の固体微粒子状分散物は特開
平5−297496号に記載の方法に準じた方法によっ
て調製した。
【0120】即ち分光増感色素の所定量を予め27℃に
調温した水に加え高速攪拌機(ディゾルバー)で3.5
00rpmにて30〜120分間にわたって攪拌するこ
とによって得た。
【0121】上記のセレン増感剤の分散液は次のように
調製した。即ち、トリフェニルフォスフィンセレナイド
120gを50℃の酢酸エチル30kg中に添加、攪拌
し、完全に溶解した。他方で写真用ゼラチン3.8kg
を純水38kgに溶解し、これにドデシルベンゼンスル
フォン酸ナトリウム25wt%水溶液93gを添加し
た。次いでこれらの2液を混合して直径10cmのディ
ゾルバーを有する高速攪拌型分散機により50℃下にお
いて分散翼周速40m/秒で30分間分散を行った。そ
の後速やかに減圧下で、酢酸エチルの残留濃度が0.3
wt%以下になるまで攪拌を行いつつ、酢酸エチルを除
去した。その後、この分散液を純水で希釈して80kg
に仕上げた。このようにして得られた分散液の一部を分
取して実験に使用した。
【0122】
【表1】
【0123】得られた乳剤に後記した添加剤を加え乳剤
層塗布液とした。また同時に後記の保護層塗布液も調製
した。両塗布液を用いて、塗布量が片面当たり銀量が
1.6g/m2、ゼラチン付き量が表2の記載量となる
ように2台のスライドホッパー型コーターを用い毎分8
0mのスピードで支持体上に両面同時塗布を行い、2分
20秒で乾燥し試料を得た。支持体としてはグリシジル
メタクリレート50wt%、メチルアクリレート10w
t%、ブチルメタクリレート40wt%の3種モノマー
からなる共重合体の濃度が10wt%になるように希釈
して得た共重合体水性分散液を下引き液とした175μ
mのX線フィルム用の濃度0.13に青色着色したポリ
エチレンテレフタレートフィルムベースを用いた。なお
添加量はハロゲン化銀感光材料の片側面1m2当たりの
量で示した。
【0124】 第1層(横断光遮光層) 固体微粒子分散体染料(AH) 180mg/m2 ゼラチン 0.2g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(I) 5mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μ) 10mg/m2 第2層(乳剤層) 上記で得た各々の乳剤に下記の各種添加剤を加えた。
【0125】 化合物(G) 0.5mg/m2 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ−1,3,5 −トリアジン 5mg/m2 t−ブチル−カテコール 130mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg/m2 スチレン−無水マレイン酸共重合体 80mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 トリメチロールプロパン 350mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニル-トリフェニル-ホスホニウムクロリト゛ 20mg/m2 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 500mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(H) 0.5mg/m2 n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 350mg/m2 化合物(M) 5mg/m2 化合物(N) 5mg/m2 コロイダルシリカ 0.5g/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 デキストリン(平均分子量1000) 0.2g/m2 デキストラン(平均分子量4万) 0.2g/m2 ゼラチン 適当量 第3層(保護層) ゼラチン 0.8g/m2 ポリメチルメタクリレートからなるマット剤(面積平均粒径7.0μ) 50mg/m2 ホルムアルデヒド 20mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 10mg/m2 ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 36mg/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 0.1g/m2 ポリアクリル酸ナトリウム 30mg/m2 化合物(SI) 20mg/m2 化合物(I) 12mg/m2 化合物(J) 2mg/m 化合物(S−1) 7mg/m2 化合物(K) 15mg/m2 化合物(O) 50mg/m2 化合物(S−2) 5mg/m2919−O−(CH2CH2O)11−H 3mg/m2817SO2N−(C37)(CH2CH2O)15−H 2mg/m2817SO2N−(C37)(CH2CH2O)4−(CH24SO3Na 1mg/m
【0126】
【化2】
【0127】
【化3】
【0128】
【化4】
【0129】次に得られた塗布試料を用いて写真特性を
評価した。まず試料を2枚の蛍光増感紙XG−S(コニ
カ(株)製)で挟み、アルミウエッジを介して管電圧8
0kVp、管電流100mA、0.05秒間のX線を照
射し露光し、下記現像処理を行った。
【0130】(現像処理)自動現像機(コニカ〔株〕製
SRX−701)を用い下記処方の現像液、定着液で処
理を行った。尚、以下の操作(A〜D)に従って錠剤を
作製した。
【0131】操作(A) 現像主薬のハイドロキノン3000gを市販のバンタム
ミル中で平均粒径10μmになるまで粉砕する。この微
粉に、亜硫酸ナトリウム3000g、亜硫酸カリウム2
000g、ジメゾンS1000gを加えミル中で30分
間混合して市販の攪拌造粒機中で室温にて約10分間、
30mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物
を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水
分をほぼ完全に除去する。このようにして調整した造粒
物にポリエチレングリコール6000を100gを25
℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて
10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作
所(株)製タフプレストコレクト1527HUを改造し
た打錠機により1錠当たりの充填量を3.84gにして
圧縮打錠を行い、現像補充用錠剤A剤を作製した。
【0132】操作(B) DTPA100g、炭酸カリウム4000g、5−メチ
ルベンゾトリアゾール10g、1−フェニル−5−メル
カプトテトラゾール7g、2−メルカプトヒポキサンチ
ン5g、KOH200g、N−アセチル−D,L−ペニ
シラミンを操作(A)と同様に粉砕、造粒する。水の添
加量は30.0mlとし、造粒後、50℃で30分間乾
燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このように
して得られた混合物を上記と同様の打錠機により1錠当
たりの充填量を1.73gにして圧縮打錠を行い、現像
補充用錠剤B剤を作製した。
【0133】次に以下の操作で定着用補充用錠剤を作製
した。
【0134】操作(C) チオ硫酸アンモニウム/チオ硫酸ナトリウム(70/3
0重量比)14000g、亜硫酸ナトリウム1500g
を(A)と同様粉砕した後、市販の混合機で均一に混合
する。次に(A)と同様にして、水の添加量を500m
lにして造粒を行う。造粒後、造粒物を60℃で30分
間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このよ
うにして、調整した造粒物にN−ラウロイルアラニンナ
トリウム4gを添加し25℃、40%RH以下に調湿さ
れた部屋で混合機を用いて3分間混合する。次に得られ
た混合物を上記と同様の打錠機により1錠当たりの充填
量を6.202gにして圧縮打錠を行い、定着補充用錠
剤C剤を作製した。
【0135】操作(D) ほう酸1000g、硫酸アルミニウム・18水塩150
0g、酢酸水素ナトリウム(氷酢酸と酢酸ナトリウムを
等モル混ぜ乾燥させたもの)3000g、酒石酸200
gを操作(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添加量は
100mlとし造粒後、50℃で30分間乾燥して造粒
物の水分をほぼ完全に除去する。このようにして、調整
したものにN−ラウロイルアラニンナトリウム4gを添
加し、3分間混合した後、得られた混合物を上記と同様
の打錠機により1錠当たりの充填量を4.562gにし
て圧縮打錠を行い、定着補充用錠剤D剤を作製した。
【0136】 現像液 スターター 氷酢酸 2.98g KBr 4.0g 水を加えて1リットルとした。
【0137】現像液の処理開始(ランニング開始)時に
は現像用錠剤を希釈水で希釈調製した現像液16.5l
に対してスターター330mlを添加した液をスタート
液として現像槽を満たして処理を開始した。尚、スター
ターを添加した現像液のpHは10.45であった。
【0138】先に調製した感光材料に現像処理後の光学
濃度が1.0となるように露光を施し、ランニングを行
った。ランニングには自動現像機SRX−701(コニ
カ〔株〕製)に固体処理剤の投入部材をつけ、処理速度
が15秒で処理できるように改造したものを用いた。ラ
ンニング中は現像液には感光材料0.62m当たり上
記A、B剤が各2個と水を76mlを添加して行った。
A、B各を38mlの水に溶解したときのpHは10.
70であった。定着液には感光材料0.62m2当たり
上記C剤を2個とD剤を1個及び水を74ml添加し
た。各処理剤1個に対して水の添加速度は処理剤の添加
とほぼ同時に開始し処理剤の溶解速度におよそ比例して
10分間等速で添加した。
【0139】 (すり傷の評価)作製した試料を80%RH、23℃の
雰囲気下に3ヶ月放置した後、未露光の試料を市販のナ
イロンたわしを用いて100g/cm2の荷重をかけて
擦った後、現像処理したフィルムについて目視評価し
た。
【0140】評価基準は次の通りである。
【0141】 4:ほとんどすり傷がない 3:実用上問題ないレベルであるが、すり傷が若干ある 2:すり傷が目立つ程度に発生し、実用上問題である 1:すり傷が非常に多く、濃度も濃い。
【0142】(圧力カブリ(ローラーマーク)の評価)
作製した試料を各試料が濃度1.2になるように露光
後、現像ラック、現像から定着への渡りラックを故意に
疲労させた自動現像機SRX−701(コニカ製)によ
り30秒処理し、目視評価した。各ラックのローラーは
疲労のため約10μm程度の凹凸が全面に出来ており、
耐圧性の悪い試料にはこの凹凸に起因する細かい斑点状
の黒化部分が多数発生した。
【0143】評価基準は次の通りである。
【0144】 3:斑点の発生無し 2:斑点が少量発生している 1:斑点が多数発生している。
【0145】(保存性の評価)40%RH、55℃の雰
囲気下で3日間保存した試料と40%RH、23℃の雰
囲気下で3日間保存した試料を、それぞれ未露光で自動
現像機SRX−701(コニカ製)により30秒処理し
て55℃保存試料のカブリと23℃保存試料のカブリの
濃度差を求めた。濃度差が小さいほど保存性に優れてい
ることを示す。これらの結果をまとめて表2に示した。
【0146】
【表2】
【0147】表2から、本発明の試料は、感度低下もな
く、すり傷、ローラーマークもなく、かつ保存によるカ
ブリの増加もないことがわかる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀粒子の形成後から化学増感
    を終了するまでのいずれかの工程でゼラチンと架橋しう
    る化合物を添加して製造したことを特徴とするハロゲン
    化銀写真乳剤。
  2. 【請求項2】 ゼラチンと架橋しうる化合物が高分子化
    合物であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化
    銀写真乳剤。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀粒子の形成後から化学増感
    を終了するまでのいずれかの工程でオキサゾリン系高分
    子化合物を添加して製造したことを特徴とするハロゲン
    化銀写真乳剤。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化銀粒子の形成後から化学増感
    を終了するまでのいずれかの工程でゼラチン架橋性基を
    有する多糖類化合物を添加して製造したことを特徴とす
    るハロゲン化銀写真乳剤。
  5. 【請求項5】 ハロゲン化銀粒子が還元増感されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のハ
    ロゲン化銀写真乳剤。
  6. 【請求項6】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
    いて、該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層に請求項
    1〜5のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真乳剤を含
    有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  7. 【請求項7】 ハロゲン化銀写真感光材料中のゼラチン
    含有量が片面1m2当たり0.5g以上2.0g未満で
    あることを特徴とする請求項6記載のハロゲン化銀写真
    感光材料。
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