JPH11230165A - モータの軸受構造 - Google Patents

モータの軸受構造

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JPH11230165A
JPH11230165A JP10048639A JP4863998A JPH11230165A JP H11230165 A JPH11230165 A JP H11230165A JP 10048639 A JP10048639 A JP 10048639A JP 4863998 A JP4863998 A JP 4863998A JP H11230165 A JPH11230165 A JP H11230165A
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closing plate
inner diameter
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receiving member
shaft
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Masanobu Chuda
昌信 忠田
Hiroyuki Ichizaki
博之 市崎
Yoshihiko Mukoyama
慶彦 向山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不快音等の発生することのないモータの軸受
構造を提供することにある。 【解決手段】 滑り軸受32を保持する保持部材26の
開口部27に対して、閉塞板30とスラスト受け部材2
8とを別々に当接するように設けた段部27b,27c
にそれぞれ配置する。閉塞板30に対して保持部材26
の加締め又は固定具等の固定作業をする際の押圧力がス
ラスト受け部材28に達しないので、スラスト受け部材
28が変形したり傾いたりすることなく正確に配置され
る。故に、スラスト受け部材28とシャフト36との接
触状態は正常となり、スラスト受け部材28の変動によ
って発生する不快音が発生することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータのシャフト
を支持する軸受構造に関し、より詳細には、モータ回転
時に、シャフトの軸線方向のガタ付き等により騒音が発
生することを有効に防止するモータの軸受構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】これまで図8に示すような、例えば記録
媒体等のデイスクDを回転するモータ1の軸受構造は知
られている。即ち、図8に示すモータ1においては、シ
ャーシ等の固定部材2に開口3が形成されている。この
開口3には、ほぼ円筒形状をなす保持部材4の下端部外
周面が嵌着されている。該保持部材4は、実質的に一定
の内径を有する円筒内径部4aと、該円筒内径部4aの
下端部に当該円筒内径部4aの内径よりも大きな内径を
有する内面拡径部4bと、からなる開口部を有し、更に
該円筒内径部4aと内面拡径部4bとの間には段部4c
が形成されている。この保持部材4の内面拡径部4bに
は、前記段部4cに接するように閉塞板5が配置されて
いる。該保持部材4の内面拡径部4bの下端部4dが前
記固定部材2の開口3から突き出しており、この突き出
た部分が該閉塞板5の下面側に加締められ、こうして、
該保持部材4の開口部は閉塞板5によって閉塞されてい
る。該閉塞板5の上面であって、保持部材4の円筒内径
部4a内側には、樹脂材料で形成されているスラスト受
け部材6が配置されている。更にこの保持部材4の円筒
内径部4a内側であって、スラスト受け部材6の上方に
は滑り軸受7が嵌着されている。一方、保持部材4の外
側にはステータ8が配置されている。ステータ8は、保
持部材4の外側に嵌着されているコア8aと、このコア
8aに対して巻装されている巻線8bと、により構成さ
れている。また前記滑り軸受7にはシャフト9が嵌入さ
れ、該シャフト9の下端部が前記スラスト受け部材6に
当接し、上端部が保持部材4の上方に突出して配設され
ている。シャフト9の上端部にはアルミニウム等の非磁
性材からなるロータハブ10が嵌着され、一方、鉄等の
磁性材からなるヨーク11がロータハブ10に取り付け
られている。
【0003】ヨーク11は、円板状の基部と、この基部
の周縁から下方に垂下している好ましくは一体成形の垂
下部と、により構成されている。また、ヨーク11の基
部中央部には開口が形成され、この開口には保持部材4
が挿通され、この基部開口の周りがロータハブ10の下
端部に取り付けられている。更に駆動用マグネット12
がヨーク11の垂下部の内側に嵌入され、ステータ8に
相対向する位置に配設されている。ロータハブ10の外
側には、ターンテーブル14が嵌着されている。該ター
ンテーブル14の上面には緩衝材15を介してデイスク
Dが載置され、該ロータハブ10の上面にこの上面とほ
ぼ同一レベルの面を形成するようにクランプマグネット
16が埋設されている。このクランプマグネット16に
より図示しない駆動装置側のデイスク押圧手段が磁気吸
引されてデイスクDが所定位置に固定されるようになっ
ている。なお、滑り軸受7はシャフト9に対して径方向
の支持のみで軸線方向の支持は出来ず、軸線方向にシャ
フトを動かせる。そのため、軸線方向には、スラスト受
け部材6を配置して、シャフト9側の自重とステータ8
と駆動用マグネット12との磁気吸引力とによってシャ
フト9の抜け防止を図っている。
【0004】このようなモータ1において、ステータ8
の巻線8bへ対する電流の通流方向が制御されてステー
タ8が回転磁界を発生し、この回転磁界と駆動用マグネ
ット12との静磁界との吸引及び反発の繰り返しによ
り、静止状態のステータ8に対して駆動用マグネット1
2、ヨーク11、ロータハブ10及びシャフト9が回転
し、これによりターンテーブル14及びデイスクDが一
定方向に回転するのである。
【0005】しかしながら、図8に示すような構成を有
するモータ1においては、シャフト9の下端部を支持し
ているスラスト受け部材6が、保持部材4の内径に対し
て余裕のある直径を有しており、滑り軸受7からしみ出
た潤滑油によって閉塞板5に密着しつつシャフト9と閉
塞板5とに挟まれているのであるが、該スラスト受け部
材6は、軽量であるために潤滑油の量やシャフト9の押
圧状態等の変動により容易に所望の位置からずれてしま
い、しばしば保持部材4内周面に引っ掛かり、その結
果、シャフト9の軸線方向の支持が正確に行われず、シ
ャフト9の回転に伴って不快音が発生するという問題点
があった。
【0006】このようなスラスト受け部材6の変動によ
る位置ずれを防止するために、図9に示すように、閉塞
板5の下面側に固定部材2の開口3から突き出して該保
持部材4の内面拡径部4bの下端部4dを加締める前
に、前記スラスト受け部材6がシャフト9の回転により
容易に位置変動を起こさないように、該スラスト受け部
材6を保持部材4の開口部の段部4cと閉塞板5との間
に挟むように配置し、その後に、閉塞板5の下面側に固
定部材2の開口3から突き出して該保持部材4の内面拡
径部4bの下端部4dを加締め、こうして、該保持部材
4の開口部を閉塞板5により閉塞したモータも知られて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に
示すような構成においては、回転時におけるスラスト受
け部材6の位置変動は防止出来たが、閉塞板5に対して
保持部材4の下端部4dを加締め作業する際にその加締
めによる押圧力がスラスト受け部材6にまで達して、ス
ラスト受け部材6が撓んでしまうことが判明した。この
ため、結局、シャフト9とスラスト受け部材6との接触
状態は改善されず、モータ作動時にシャフト9が傾いた
り不快音を発生するという課題が解消出来なかった。本
発明の目的は、不快音等の発生することのないモータの
軸受構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本件発明は、保持部材の
開口部に対して、閉塞板とスラスト受け部材とを別々に
当接する段部を設けることにより、閉塞板に対して保持
部材の加締め又は固定具等の固定作業をする際の押圧力
がスラスト受け部材に達しないので、スラスト受け部材
を傾けることなく正確に配置される。その閉塞板とスラ
スト受け板とを別々に当接する段部は、保持部材、滑り
軸受、又はそれらに併設することでなされる。これによ
りシャフトを正確な位置へ確実に保持することが出来、
スラスト受け部材とシャフトとの接触状態は正常とな
る。即ち、スラスト受け部材の変動によって発生する不
快音が発生しない。また、別の本件発明は、閉塞板にス
ラスト受け部材を固着し、このスラスト受け部材の直径
の外方に閉塞板と同心の溝を有するものを保持部材の開
口部に配置する。これにより、前述と同様に閉塞板の固
着作業の際の押圧力が溝により閉塞板全体、特にスラス
ト受け部材にまで達しないので、スラスト受け部材は不
快音が発生しない新規なモータの軸受構造が実現され
る。更に、別の本件発明は、保持部材の開口部に対して
閉塞板とスラスト受け部材とを一緒に保持する段部を設
け、スラスト受け部材と閉塞板との径をかえて空間部を
設けるようにする。この空間部により、閉塞板の固着の
際の押圧力がスラスト受け部材に達せず、スラスト受け
部材は不快音が発生しない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本件発明の実施例について
述べる。以下において述べる実施例において、図1〜図
4は、図8において使用されているような公知の形態を
有するスラスト受け部材を固定するための新規な構成に
ついて、また図5〜図7はこれまでとは異なる新規な構
成を有するスラスト受け部材の構成について開示してい
る。しかしながら、図5〜図7に示す新規な構成のスラ
スト受け部材を図1〜図4に示すような構成によって固
定することも出来ることは、当業者に容易に理解される
であろう。
【0010】図1に示す本件発明にかかるモータ20
は、概略的には、図8に示すモータ1の構造に類似して
いるので、以下に、本件発明にかかるモータ20が特に
図8に示す公知のモータと異なる点について詳細に述べ
る。図1に示すモータ20において、シャーシ等の固定
部材22には開口24が形成され、この開口24に、ほ
ぼ円筒形状をなす保持部材26の下端部外周面が嵌着さ
れている。該保持部材26は、図1及び図2に示すよう
に、内部に軸線方向に伸長している開口部27を有して
いる。この開口部27は、実質的に一定の内径を有する
第1円筒内径部26aと、該第1円筒内径部26aの下
端部にあり当該第1円筒内径部26aの内径よりも幾分
小さい内径を有する第2円筒内径部26bと、該第2円
筒内径部26bの下端部にあり当該第2円筒内径部26
bの内径よりも幾分大きい内径を有する第3円筒内径部
26cと、該第3円筒内径部26cの下端部から当該保
持部材26の末端部まで続いている当該第3円筒内径部
26cの内径よりも幾分大きい内径を有する第4円筒内
径部26dと、からなる内径部と、更に第1円筒内径部
26aと第2円筒内径部26bとの間にある第1段部2
7aと、第2円筒内径部26bと第3円筒内径部26c
との間にある第2段部27bと、第3円筒内径部26c
と第4円筒内径部26dとの間にある第3段部27c
と、からなる段部と、を有している。ここで、各円筒内
径部26a〜26dの寸法から、図において、第1段部
27aは上向きの段部であり、第2段部27b及び第3
段部27cは下向きの段部を形成している。ここで第3
円筒内径部26c及び第4円筒内径部26dの直径は、
それぞれ後述のスラスト受け部材28及び閉塞板30の
直径にほぼ等しくなっており、更に第3円筒内径部26
cの軸線方向長d1は、スラスト受け部材28の厚みd
2より僅かに大きくなるように形成されている。
【0011】ここで、図2に詳細に示すように、保持部
材26の第3円筒内径部26cには、前記第2段部27
bに接するようにスラスト受け部材28が配置されてい
る。更に、該保持部材26の第3円筒内径部26dに
は、前記第3段部27cに接するように閉塞板30が配
置されている。前記固定部材22の開口24から突き出
している、該保持部材26の第4円筒内径部26dの下
端部は該閉塞板30の下面側に加締められ、こうして、
該保持部材26の開口部27はスラスト受け部材28及
び閉塞板30によって閉塞されている。
【0012】更にこの保持部材26の第1円筒内径部2
6aには、図8に示すモータ1と同様に、滑り軸受32
が嵌着され、保持部材26の外側にはステータ34が配
置され、更にステータ34は、保持部材26の外側に嵌
着されているコアと、このコアに対して巻装されている
巻線と、により構成され、滑り軸受32にはシャフト3
6が嵌入され、シャフト36の下端部が前記スラスト受
け部材28に当接し、上端部が保持部材26の上方に突
出している。シャフト36の上端部にはアルミニウム等
の非磁性材からなるロータハブ38が嵌着され、ロータ
ハブ38には、鉄等の磁性材からなるヨーク40が取り
付けられている。また、ヨーク40は、円板状の基部
と、この基部の周縁から下方に垂下している好ましくは
一体成形の垂下部と、により構成され、ヨーク40の基
部中央部には開口が形成され、この開口には保持部材2
6が挿通され、この基部開口の周りがロータハブ38の
下端部に取り付けられている。
【0013】ヨーク40の垂下部内側の、ステータ34
に相対向する位置には、駆動用マグネット42が配設さ
れている。ロータハブ38の外側には、ターンテーブル
44が嵌着され、ターンテーブル44には緩衝材46を
介してデイスクDが載置され、該ロータハブ38の上面
に、この上面とほぼ同一レベルの面を形成するようにク
ランプマグネット48が埋設され、このクランプマグネ
ット48により図示しない駆動装置側のデイスク押圧手
段が磁気吸引されてデイスクDが所定位置に固定され
る。なお、滑り軸受32はシャフト36に対して径方向
の支持のみで軸線方向の支持は不十分で、軸線方向にシ
ャフトを動かせる。そのため、軸線方向において、スラ
スト受け部材28を配置して、シャフト36側の自重と
ステータ34と駆動用マグネット42との磁気吸引力と
によってシャフト36の抜け防止を図っている。これら
の構成は、図8及び図9に関して述べたモータ1の構成
とほぼ同一である。
【0014】しかして、ステータ34の巻線へ対する電
流の通流方向が制御されてステータ34が回転磁界を発
生し、この回転磁界と駆動用マグネット42との静磁界
との吸引及び反発の繰り返しによって、静止状態のステ
ータ34に対して駆動用マグネット42、ヨーク40、
ロータハブ38及びシャフト36が回転し、これにより
ターンテーブル44及びデイスクDが一定方向に回転す
る。これらの作動も、図8及び図9に関して述べたモー
タ1の作動と実質的に同一である。
【0015】本件発明の構成によれば、保持部材26の
第4円筒内径部26dに保持されている閉塞板30が、
保持部材26の下端部の加締め加工のために、その閉塞
板30の外周部より押圧されたとき、該閉塞板30を保
持している第3段部27cが、拡径の第4円筒内径部2
6dの弾性力と肉厚の第3段部27cの剛性力とによ
り、該外力即ち押圧力を完全に受け止める。そのため、
該押圧力がスラスト受け部材28に対して変形をもたら
すことが完全に防止され、該スラスト受け部材28の変
形が防止される。其の上、スラスト受け部材28が第2
段部27bと閉塞板30との間に挟まれているので、シ
ャフト36の回転により、当該スラスト受け部材28が
軸線方向に浮上するような運動が完全に防止される。こ
うして、スラスト受け部材28は所望の位置へ常に正確
に配置されるのである。
【0016】なお、スラスト受け部材28は、通常、樹
脂材料で成形されており、一般に、部品精度が低い。そ
のため、図2において、保持部材26の第3円筒内径部
26cの長手方向寸法d1に対してスラスト受け部材2
8の厚みd2が大きくならないようにする必要がある。
もし第3円筒内径部26cの長手方向寸法d1よりもス
ラスト受け部材28の厚みd2が大きくなると、スラス
ト受け部材28が第3円筒内径部26cから突出し、閉
塞板30からの押圧力を受けて、図9に示すと同様の問
題を発生する危険があるからである。本件発明の実施例
において、最も好ましくは、閉塞板30の肉厚が約0.
5mmで、スラスト受け部材28の肉厚が0.2mm
で、d1からd2を引いた寸法(d1−d2)が0.0
2〜0.13mmである。
【0017】図1に示す実施例においては、スラスト受
け部材28を上方より押圧する第2段部27bを提供す
るため、保持部材26に第2円筒内径部26bが必要で
あり、この第2円筒内径部26bを収容するため、図1
の実施例では、滑り軸受32の下端部外周部に縮径部を
形成している。しかしながら、該第2円筒内径部26b
の軸線方向長さを短くしたり、滑り軸受32の長さを短
くしたりすることにより、前記滑り軸受32の特殊な加
工を不要とすることも可能である。
【0018】図3は本件発明の別の実施例について開示
している。この実施例が図1及び図2に示す先の実施例
と異なる点は、スラスト受け部材を上方より閉塞板に対
して押圧する手段として、保持部材(より詳細には、該
保持部材の第2段部)の替わりに、滑り軸受を使用して
いることである。その他の点では実質的な相違点は存在
しない。よって以下においては、図1及び図2に記載の
実施例と特に異なる点についてのみ記載する。図3に示
す実施例においては、保持部材52は、図8に示す保持
部材4と同様の形態を有している。即ち、図3に示す保
持部材52は、内部に、軸線方向に伸長する開口部54
を有している。この開口部54は、滑り軸受56を受け
入れ保持している第1円筒内径部54aと、閉塞板58
を受け入れている第2円筒内径部54bと、前記閉塞板
58が衝接する段部54cと、を有している。
【0019】また、スラスト受け部材60は、前記保持
部材52の第1円筒内径部54a内にて、前記滑り軸受
56によって支持されているシャフト62の下端部と、
閉塞板58の上面部分と、の間に配置されている。
【0020】保持部材52の第1円筒内径部54aへ受
け入れられている滑り軸受56は、その下端部がスラス
ト受け部材60に接するまで垂下している。これにより
滑り軸受56の下端部が、スラスト受け部材60を上方
から押圧保持し、該スラスト受け部材60の移動を制限
している。なお、前述と同様に、スラスト受け部材60
の部品精度を考慮して、好ましくは、滑り軸受56の下
端部と閉塞板58との間の寸法をd1とし、当該スラス
ト受け部材60の厚み寸法をd2としたとき、d1から
d2を引いた寸法が0.02〜0.13mmである。
【0021】かかる構成を有する場合において、固定部
材64から下方へ突き出している保持部材52の下端部
を閉塞板58の下面側に対して加締めたときに、スラス
ト受け部材60は、滑り軸受56によって保持されてい
るので、その加締め力により変形することが完全に防止
されている。
【0022】図4は、さらに別の実施例を示す。上記2
つの実施例では、閉塞板を加締め加工によって保持部材
へ固定するものであるが、この実施例では、加締め加工
の代わりに、Cリングを使用するものである。このた
め、図4に示す実施例では、図1に示すモータに使用し
ている保持部材とほぼ同一の保持部材を使用しており、
図1に示す実施例と異なる点は、閉塞板を保持部材へ固
着するためにCリングを使用すること、このCリングを
取り付けるための溝が新たに保持部材の開口部に設けて
あること、である。よって、以下においては、図1及び
図2に記載の実施例と特に異なる点についてのみ記載す
る。
【0023】図4に示す実施例においては、保持部材7
0は、図1に示す保持部材4と同様に、内部に軸線方向
に伸長している開口部72を有している。この開口部7
2は、実質的に一定の内径を有する第1円筒内径部70
aと、該第1円筒内径部70aの下端部にあり当該第1
円筒内径部70aの内径よりも幾分小さい内径を有する
第2円筒内径部70bと、該第2円筒内径部70bの下
端部にあり当該第2円筒内径部70bの内径よりも幾分
大きい内径を有する第3円筒内径部70cと、該第3円
筒内径部70cの下端部にあり当該第3円筒内径部70
cの内径よりも幾分大きい内径を有する第4円筒内径部
70dと、該第4円筒内径部70dの下端部にあり当該
第4円筒内径部70dの内径よりも幾分大きい内径を有
する第5円筒内径部70eと、該第5円筒内径部70e
の下端部にありそこから当該保持部材70の末端部まで
続いている当該第5円筒内径部70eの内径よりも幾分
小さく概ね第4円筒内径部70dの内径と同じ内径を有
する第6円筒内径部70fと、からなる内径部と、更に
第1円筒内径部70aと第2円筒内径部70bとの間に
ある第1段部73aと、第2円筒内径部70bと第3円
筒内径部70cとの間にある第2段部73bと、第3円
筒内径部70cと第4円筒内径部70dとの間にある第
3段部73cと、第4円筒内径部70dと第5円筒内径
部70eとの間にある第4段部73dと、第5円筒内径
部70eと第6円筒内径部70fとの間にある第5段部
73eと、からなる段部と、を有している。ここで、各
円筒内径部70a〜70fの寸法から、図において、第
1段部73a及び第5段部73eは上向きの段部であ
り、第2段部73b〜第4段部73dは下向きの段部を
形成している。ここで第3円筒内径部70c及び第4円
筒内径部70dの直径は、それぞれスラスト受け部材7
4及び閉塞板76の直径にほぼ等しくなっており、第5
円筒内径部70eの直径は、掛け止め時のCリング78
の直径にほぼ等しくなっている。更に第3円筒内径部7
0cの軸線方向長は、上述の理由によりスラスト受け部
材74の厚みより僅かに大きくなるように形成されてい
る。また第5円筒内径部70eの軸線方向長は、Cリン
グ78の厚み寸法より僅かに少ない寸法となっている。
【0024】図から明らかなように、保持部材70の第
1円筒内径部70aには、滑り軸受80が嵌着され、該
滑り軸受80にはシャフト82が支持されている。さら
に、第3円筒内径部70cには、前記第2段部73bに
接するようにスラスト受け部材74が配置されている。
更に、保持部材70の第4円筒内径部70dには、前記
第3段部73cに接するように閉塞板76が配置されて
いる。また第5円筒内径部70eには、前記第4段部7
3d及び第5段部73eに接するようにCリング78が
配置されている。
【0025】この実施例においては、保持部材70の開
口部72へスラスト受け部材74及び閉塞板76を組み
付けた後、Cリング78によってこれらを固着するもの
である。この実施例においては、加締め加工を施さない
ので加締めによる押圧力の影響はなく、またスラスト受
け部材74が第2段部73bによって保持されているの
で、Cリング78からの押圧力の影響も完全に防止され
ており、該スラスト受け部材74の移動もほぼ完全に阻
止されている。
【0026】なお、図1〜図4の実施例において、スラ
スト受け部材の上方でシャフトの下端部周辺には空間s
を設けることが好ましい。これはシャフトと滑り軸受と
の間に若干の隙間が存在しており、回転時にシャフトが
その隙間分だけ半径方向に変動することが予想される。
このような場合にシャフト下端部(曲面部分)が滑り軸
受に異常接触するのを回避するための逃がし空間として
の機能を提供させるためである。
【0027】上において開示した実施例は公知の形態を
有するスラスト受け部材を固定するための新規な構成に
ついて述べたが、以下の図5〜図7においては閉塞板を
加締め加工しても、変形等をしない新規な構成を有する
スラスト受け部材の構成について開示する。
【0028】図5に示す実施例は、特に図3又は図8に
示すように、スラスト受け部材を保持するための特別の
手段を備えていない保持部材と共に使用する場合に特に
有効な閉塞板及びスラスト受け部材である。図5に示す
閉塞板82は、図1に示す閉塞板30と概ね同一厚み及
び同一材質を有する閉塞板である。この閉塞板82の表
面には例えば2本の同心円をなす浅い溝84、86が形
成されている。さらにその中心部分には適当な手段によ
ってスラスト受け部材88が固定されている。このスラ
スト受け部材88は、図1に示すスラスト受け部材28
と概ね同一厚み及び同一材質を有しているが、その直径
が図1に示すスラスト受け部材28に比較して小さいス
ラスト受け部材である。このスラスト受け部材88は、
シャフトの下端部を受けるのに十分な直径を有している
ものである。
【0029】このように閉塞板82に対してスラスト受
け部材88を予め一体化した構造に形成した閉塞板82
を図8に示すような従来の加締め手法によって保持部材
に対して固着する。この溝付き閉塞板82においては、
加締めによる押圧力が閉塞板82の周辺に作用しても、
その力は溝84、86等によって完全に弾性吸収されの
で、その加締めによる押圧力の影響を受けることはほと
んど無い。また、スラスト受け部材88が閉塞板82の
外周縁から最も遠い位置にあるため、その加締めによる
押圧力の影響を受けることはほとんど無い。これによ
り、容易に所望の目的を達成することが出来るのであ
る。
【0030】図6及び図7に示す実施例は、特に図9に
示すように、スラスト受け部材を保持するための手段を
備えている保持部材と共に使用する場合に特に有効なス
ラスト受け部材である。図6に示すスラスト受け部材9
0は、図9に示すスラスト受け部材6と概ね同一厚み及
び同一材質を有する。このスラスト受け部材90の直径
D1は閉塞板92の直径D2よりはいくぶん小さいが、
該スラスト受け部材90を保持するための段部93の直
径D3よりは大きい。また、該スラスト受け部材90の
外周縁の厚みがいくぶん薄くなっている。このため、ス
ラスト受け部材90を組み付けたとき、閉塞板92と段
部93との間に、該スラスト受け部材90の外周縁を取
り囲む環状空間gが発生する。
【0031】このような構成を有するスラスト受け部材
90においては、閉塞板92へ対する加締めによる押圧
力が該閉塞板92の周辺に作用しても、その力は環状空
間gによって完全に吸収されので、スラスト受け部材9
0がその加締めによる押圧力の影響を受けることはほと
んど無い。これにより、容易に所望の目的を達成するこ
とが出来るのである。
【0032】図7は図6のスラスト受け部材の変形例を
示している。図6においては、スラスト受け部材の外周
縁を薄く加工し、段部をその薄くなっている外周縁に位
置付けることが必要であり、組付けがいくぶん困難であ
る。そこで図7においては、図9に示すと同様の、閉塞
板94と同一の直径を有する公知のスラスト受け部材9
6を用意し、その外周縁に例えば3個の等間隔に配置す
る突起部95を残すようにして、当該外周縁を切り取
り、全体として前記閉塞板94の直径よりも小さい直径
を有するスラスト受け部材96を形成する。図から明ら
かなように、スラスト受け部材96の直径D4は、閉塞
板94の直径D5よりは小さいが、該スラスト受け部材
96を保持する段部97の直径D6よりは大きい。この
ため、スラスト受け部材96を組み付けるときには、突
起部95が適切な位置決め手段として機能するので容易
に組付けが出来、また組付け後には、閉塞板94と段部
97との間に、該スラスト受け部材96の外周縁を取り
囲むような概ね連続した環状空間hが形成される。
【0033】このような構成を有するスラスト受け部材
96においては、閉塞板94へ対する加締めによる押圧
力が該閉塞板94の周辺に作用しても、その力は環状空
間hによって完全に吸収されので、スラスト受け部材9
6がその加締めによる押圧力の影響を受けることはほと
んど無い。これにより、容易に所望の目的を達成するこ
とが出来るのである。
【0034】
【発明の効果】本件発明においては、閉塞板に対して保
持部材の下端部を加締め作業する際にその加締めによる
押圧力がほとんどスラスト受け部材に達することがなく
なり、該押圧力の影響によりスラスト受け部材が撓んで
しまうことがなくなり、モータ回転時におけるスラスト
受け部材の位置変動が完全に防止出来る。このため、シ
ャフトを正確な位置へ確実に保持することが出来、モー
タ作動時にシャフトが傾くことにより不快音を発生する
という課題が解消出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件発明の第1の実施例を示す側面図である。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】本件発明の第2の実施例の要部を示す側面図で
ある。
【図4】本件発明の第3の実施例の要部を示す側面図で
ある。
【図5】本件発明の第4の実施例である、閉塞板とスラ
スト受け部材との関係を示す、中心位置を含む直線部分
で切断した断面斜視図である。
【図6】本件発明の第5の実施例の要部を示す側面図で
ある。
【図7】本件発明の第6の実施例の要部を示す側面図で
ある。
【図8】公知のモータの軸受構造の例を示す図1と同様
の図である。
【図9】公知のモータの軸受構造の別の例を示す要部概
略図である。
【符号の説明】
20 モータ 22 固定部材 26 保持部材 26a 第1円筒内径部 26b 第2円筒内径部 26c 第3円筒内径部 26d 第4円筒内径部 27 開口部 27a 第1段部 27b 第2段部 27c 第3段部 28 スラスト受け部材 30 閉塞板 32 滑り軸受 36 シャフト

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトと、該シャフトを支持している
    滑り軸受と、該滑り軸受を保持している保持部材と、該
    シャフトに取り付けてありかつ記録媒体を保持するロー
    タハブと、磁気回転力を発生するステータ及び駆動用マ
    グネットと、を有しているモータの、当該シャフトを支
    持する軸受構造であって、 内部に前記滑り軸受を収容する開口部を有している概ね
    円筒形状を有している前記保持部材と、 該保持部材の開口部下端部を閉塞している閉塞板と、 該開口部内において、前記滑り軸受によって支持された
    前記シャフトの下端部と該閉塞板との間に配置されてい
    るスラスト受け部材と、を備えており、 該保持部材の開口部下端部に対して該閉塞板を固着する
    際の固着力により該スラスト受け部材が何ら変形を受け
    ないように、該閉塞板に接して配置する該スラスト受け
    部材を、該保持部材が該閉塞板を固着する部位とは異な
    る部位において、保持していることを特徴とするモータ
    の軸受構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該スラスト受け部材
    が、該閉塞板を固着している該保持部材の開口部に形成
    した円筒内径部よりなる部位よりも僅かに上方に形成し
    た別の円筒内径部であって、該閉塞板を固着している該
    円筒内径部よりも縮径の円筒内径部よりなる部位によっ
    て該閉塞板に対して押圧保持されていることを特徴とす
    るモータの軸受構造。
  3. 【請求項3】 請求項1において、該閉塞板が該保持部
    材の開口部に形成した円筒内径部よりなる部位により固
    着保持され、一方、該スラスト受け部材が該滑り軸受よ
    りなる部位により該閉塞板に対して固着保持されている
    ことを特徴とするモータの軸受構造。
  4. 【請求項4】 請求項1において、該閉塞板が該保持部
    材の開口部に形成した円筒内径部よりなる部位へ固定具
    により固着保持され、一方、該スラスト受け部材が該閉
    塞板を固着している該保持部材の開口部に形成した円筒
    内径部よりなる部位よりも僅かに上方に形成した別の円
    筒内径部であって、該閉塞板を固着している円筒内径部
    よりも縮径の円筒内径部よりなる部位によって該閉塞板
    に対して押圧保持されていることを特徴とするモータの
    軸受構造。
  5. 【請求項5】 シャフトと、該シャフトを支持している
    滑り軸受と、該滑り軸受を保持している保持部材と、該
    シャフトに取り付けてありかつ記録媒体を保持するロー
    タハブと、磁気回転力を発生するステータ及び駆動用マ
    グネットと、を有しているモータの、当該シャフトを支
    持する軸受構造であって、 内部に前記滑り軸受を収容する開口部を有している概ね
    円筒形状を有している前記保持部材と、 該保持部材の開口部下端部を閉塞している閉塞板と、 該開口部内において、前記滑り軸受によって支持された
    前記シャフトの下端部と該閉塞板との間に配置されてい
    るスラスト受け部材と、を備えており、 該閉塞板にはその中心部付近に概ね該シャフトの直径に
    近似した直径を有する該スラスト受け部材が固着されて
    おり、更に該閉塞板の少なくとも片面に、前記スラスト
    受け部材の直径の外方に相当する位置に該閉塞板と同心
    をなす溝を有していることを特徴とするモータの軸受構
    造。
  6. 【請求項6】 シャフトと、該シャフトを支持している
    滑り軸受と、該滑り軸受を保持している保持部材と、該
    シャフトに取り付けてありかつ回転媒体を保持するロー
    タハブと、磁気回転力を発生するステータ及び駆動用マ
    グネットと、を有しているモータの、当該シャフトを支
    持する軸受構造であって、 内部に前記滑り軸受を収容する開口部を有している概ね
    円筒形状を有している前記保持部材と、 該保持部材の開口部下端部を閉塞している閉塞板と、 該開口部内において、前記滑り軸受によって支持された
    前記シャフトの下端部と該閉塞板との間に配置されてい
    るスラスト受け部材と、を備えており、 前記滑り軸受の開口部が、該滑り軸受を収容する円筒内
    径部と、該閉塞板を収容する別の円筒内径部と、これら
    の円筒内径部の間に前記別の円筒内径部よりも小さい直
    径を有する段部と、を有しており、 該閉塞板上へ配置される該スラスト受け部材が前記段部
    によって該閉塞板と一緒に保持されており、かつ該スラ
    スト受け部材が該閉塞板の直径よりは小さいが該段部の
    直径よりは大きい直径を有していることを特徴とするモ
    ータの軸受構造。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記スラスト受け部
    材の外周縁であって、前記段部の直径よりも大きい縁部
    分の厚みが減少していることを特徴とするモータの軸受
    構造。
  8. 【請求項8】 請求項6において、前記スラスト受け部
    材がその外周縁から外方に向かって突出する複数の突起
    部を有しており、該突起部の先端部までの直径が前記閉
    塞板の直径とほぼ同一となることを特徴とするモータの
    軸受構造。
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