JP4181237B2 - モータの軸受構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータのシャフトを支持する軸受構造に関し、より詳細には、モータ回転時に、シャフトの軸線方向のガタ付き等により騒音が発生することを有効に防止するモータの軸受構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで図8に示すような、例えば記録媒体等のデイスクDを回転するモータ1の軸受構造は知られている。即ち、図8に示すモータ1においては、シャーシ等の固定部材2に開口3が形成されている。この開口3には、ほぼ円筒形状をなす保持部材4の下端部外周面が嵌着されている。該保持部材4は、実質的に一定の内径を有する円筒内径部4aと、該円筒内径部4aの下端部に当該円筒内径部4aの内径よりも大きな内径を有する内面拡径部4bと、からなる開口部を有し、更に該円筒内径部4aと内面拡径部4bとの間には段部4cが形成されている。この保持部材4の内面拡径部4bには、前記段部4cに接するように閉塞板5が配置されている。該保持部材4の内面拡径部4bの下端部4dが前記固定部材2の開口3から突き出しており、この突き出た部分が該閉塞板5の下面側に加締められ、こうして、該保持部材4の開口部は閉塞板5によって閉塞されている。該閉塞板5の上面であって、保持部材4の円筒内径部4a内側には、樹脂材料で形成されているスラスト受け部材6が配置されている。更にこの保持部材4の円筒内径部4a内側であって、スラスト受け部材6の上方には滑り軸受7が嵌着されている。一方、保持部材4の外側にはステータ8が配置されている。ステータ8は、保持部材4の外側に嵌着されているコア8aと、このコア8aに対して巻装されている巻線8bと、により構成されている。また前記滑り軸受7にはシャフト9が嵌入され、該シャフト9の下端部が前記スラスト受け部材6に当接し、上端部が保持部材4の上方に突出して配設されている。シャフト9の上端部にはアルミニウム等の非磁性材からなるロータハブ10が嵌着され、一方、鉄等の磁性材からなるヨーク11がロータハブ10に取り付けられている。
【0003】
ヨーク11は、円板状の基部と、この基部の周縁から下方に垂下している好ましくは一体成形の垂下部と、により構成されている。また、ヨーク11の基部中央部には開口が形成され、この開口には保持部材4が挿通され、この基部開口の周りがロータハブ10の下端部に取り付けられている。更に駆動用マグネット12がヨーク11の垂下部の内側に嵌入され、ステータ8に相対向する位置に配設されている。ロータハブ10の外側には、ターンテーブル14が嵌着されている。該ターンテーブル14の上面には緩衝材15を介してデイスクDが載置され、該ロータハブ10の上面にこの上面とほぼ同一レベルの面を形成するようにクランプマグネット16が埋設されている。このクランプマグネット16により図示しない駆動装置側のデイスク押圧手段が磁気吸引されてデイスクDが所定位置に固定されるようになっている。なお、滑り軸受7はシャフト9に対して径方向の支持のみで軸線方向の支持は出来ず、軸線方向にシャフトを動かせる。そのため、軸線方向には、スラスト受け部材6を配置して、シャフト9側の自重とステータ8と駆動用マグネット12との磁気吸引力とによってシャフト9の抜け防止を図っている。
【0004】
このようなモータ1において、ステータ8の巻線8bへ対する電流の通流方向が制御されてステータ8が回転磁界を発生し、この回転磁界と駆動用マグネット12との静磁界との吸引及び反発の繰り返しにより、静止状態のステータ8に対して駆動用マグネット12、ヨーク11、ロータハブ10及びシャフト9が回転し、これによりターンテーブル14及びデイスクDが一定方向に回転するのである。
【0005】
しかしながら、図8に示すような構成を有するモータ1においては、シャフト9の下端部を支持しているスラスト受け部材6が、保持部材4の内径に対して余裕のある直径を有しており、滑り軸受7からしみ出た潤滑油によって閉塞板5に密着しつつシャフト9と閉塞板5とに挟まれているのであるが、該スラスト受け部材6は、軽量であるために潤滑油の量やシャフト9の押圧状態等の変動により容易に所望の位置からずれてしまい、しばしば保持部材4内周面に引っ掛かり、その結果、シャフト9の軸線方向の支持が正確に行われず、シャフト9の回転に伴って不快音が発生するという問題点があった。
【0006】
このようなスラスト受け部材6の変動による位置ずれを防止するために、図9に示すように、閉塞板5の下面側に固定部材2の開口3から突き出して該保持部材4の内面拡径部4bの下端部4dを加締める前に、前記スラスト受け部材6がシャフト9の回転により容易に位置変動を起こさないように、該スラスト受け部材6を保持部材4の開口部の段部4cと閉塞板5との間に挟むように配置し、その後に、閉塞板5の下面側に固定部材2の開口3から突き出して該保持部材4の内面拡径部4bの下端部4dを加締め、こうして、該保持部材4の開口部を閉塞板5により閉塞したモータも知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9に示すような構成においては、回転時におけるスラスト受け部材6の位置変動は防止出来たが、閉塞板5に対して保持部材4の下端部4dを加締め作業する際にその加締めによる押圧力がスラスト受け部材6にまで達して、スラスト受け部材6が撓んでしまうことが判明した。このため、結局、シャフト9とスラスト受け部材6との接触状態は改善されず、モータ作動時にシャフト9が傾いたり不快音を発生するという課題が解消出来なかった。
本発明の目的は、不快音等の発生することのないモータの軸受構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本件発明は、保持部材の開口部に対して、閉塞板とスラスト受け部材とを別々に当接する段部を設けることにより、閉塞板に対して保持部材の加締め又は固定具等の固定作業をする際の押圧力がスラスト受け部材に達しないので、スラスト受け部材を傾けることなく正確に配置される。その閉塞板とスラスト受け板とを別々に当接する段部は、保持部材、滑り軸受、又はそれらに併設することでなされる。これによりシャフトを正確な位置へ確実に保持することが出来、スラスト受け部材とシャフトとの接触状態は正常となる。即ち、スラスト受け部材の変動によって発生する不快音が発生しない。また、参考発明は、閉塞板にスラスト受け部材を固着し、このスラスト受け部材の直径の外方に閉塞板と同心の溝を有するものを保持部材の開口部に配置する。これにより、前述と同様に閉塞板の固着作業の際の押圧力が溝により閉塞板全体、特にスラスト受け部材にまで達しないので、スラスト受け部材は不快音が発生しない新規なモータの軸受構造が実現される。更に、別の参考発明は、保持部材の開口部に対して閉塞板とスラスト受け部材とを一緒に保持する段部を設け、スラスト受け部材と閉塞板との径をかえて空間部を設けるようにする。この空間部により、閉塞板の固着の際の押圧力がスラスト受け部材に達せず、スラスト受け部材は不快音が発生しない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本件発明の実施例について述べる。以下において述べる実施例において、図1〜図4は、図8において使用されているような公知の形態を有するスラスト受け部材を固定するための新規な構成について、また図5〜図7はこれまでとは異なる新規な構成を有するスラスト受け部材の構成について開示している。しかしながら、図5〜図7に示す新規な構成のスラスト受け部材を図1〜図4に示すような構成によって固定することも出来ることは、当業者に容易に理解されるであろう。
【0010】
図1に示す本件発明にかかるモータ20は、概略的には、図8に示すモータ1の構造に類似しているので、以下に、本件発明にかかるモータ20が特に図8に示す公知のモータと異なる点について詳細に述べる。図1に示すモータ20において、シャーシ等の固定部材22には開口24が形成され、この開口24に、ほぼ円筒形状をなす保持部材26の下端部外周面が嵌着されている。該保持部材26は、図1及び図2に示すように、内部に軸線方向に伸長している開口部27を有している。この開口部27は、実質的に一定の内径を有する第1円筒内径部26aと、該第1円筒内径部26aの下端部にあり当該第1円筒内径部26aの内径よりも幾分小さい内径を有する第2円筒内径部26bと、該第2円筒内径部26bの下端部にあり当該第2円筒内径部26bの内径よりも幾分大きい内径を有する第3円筒内径部26cと、該第3円筒内径部26cの下端部から当該保持部材26の末端部まで続いている当該第3円筒内径部26cの内径よりも幾分大きい内径を有する第4円筒内径部26dと、からなる内径部と、更に第1円筒内径部26aと第2円筒内径部26bとの間にある第1段部27aと、第2円筒内径部26bと第3円筒内径部26cとの間にある第2段部27bと、第3円筒内径部26cと第4円筒内径部26dとの間にある第3段部27cと、からなる段部と、を有している。ここで、各円筒内径部26a〜26dの寸法から、図において、第1段部27aは上向きの段部であり、第2段部27b及び第3段部27cは下向きの段部を形成している。ここで第3円筒内径部26c及び第4円筒内径部26dの直径は、それぞれ後述のスラスト受け部材28及び閉塞板30の直径にほぼ等しくなっており、更に第3円筒内径部26cの軸線方向長d1は、スラスト受け部材28の厚みd2より僅かに大きくなるように形成されている。
【0011】
ここで、図2に詳細に示すように、保持部材26の第3円筒内径部26cには、前記第2段部27bに接するようにスラスト受け部材28が配置されている。更に、該保持部材26の第3円筒内径部26dには、前記第3段部27cに接するように閉塞板30が配置されている。前記固定部材22の開口24から突き出している、該保持部材26の第4円筒内径部26dの下端部は該閉塞板30の下面側に加締められ、こうして、該保持部材26の開口部27はスラスト受け部材28及び閉塞板30によって閉塞されている。
【0012】
更にこの保持部材26の第1円筒内径部26aには、図8に示すモータ1と同様に、滑り軸受32が嵌着され、保持部材26の外側にはステータ34が配置され、更にステータ34は、保持部材26の外側に嵌着されているコアと、このコアに対して巻装されている巻線と、により構成され、滑り軸受32にはシャフト36が嵌入され、シャフト36の下端部が前記スラスト受け部材28に当接し、上端部が保持部材26の上方に突出している。シャフト36の上端部にはアルミニウム等の非磁性材からなるロータハブ38が嵌着され、ロータハブ38には、鉄等の磁性材からなるヨーク40が取り付けられている。また、ヨーク40は、円板状の基部と、この基部の周縁から下方に垂下している好ましくは一体成形の垂下部と、により構成され、ヨーク40の基部中央部には開口が形成され、この開口には保持部材26が挿通され、この基部開口の周りがロータハブ38の下端部に取り付けられている。
【0013】
ヨーク40の垂下部内側の、ステータ34に相対向する位置には、駆動用マグネット42が配設されている。ロータハブ38の外側には、ターンテーブル44が嵌着され、ターンテーブル44には緩衝材46を介してデイスクDが載置され、該ロータハブ38の上面に、この上面とほぼ同一レベルの面を形成するようにクランプマグネット48が埋設され、このクランプマグネット48により図示しない駆動装置側のデイスク押圧手段が磁気吸引されてデイスクDが所定位置に固定される。なお、滑り軸受32はシャフト36に対して径方向の支持のみで軸線方向の支持は不十分で、軸線方向にシャフトを動かせる。そのため、軸線方向において、スラスト受け部材28を配置して、シャフト36側の自重とステータ34と駆動用マグネット42との磁気吸引力とによってシャフト36の抜け防止を図っている。これらの構成は、図8及び図9に関して述べたモータ1の構成とほぼ同一である。
【0014】
しかして、ステータ34の巻線へ対する電流の通流方向が制御されてステータ34が回転磁界を発生し、この回転磁界と駆動用マグネット42との静磁界との吸引及び反発の繰り返しによって、静止状態のステータ34に対して駆動用マグネット42、ヨーク40、ロータハブ38及びシャフト36が回転し、これによりターンテーブル44及びデイスクDが一定方向に回転する。これらの作動も、図8及び図9に関して述べたモータ1の作動と実質的に同一である。
【0015】
本件発明の構成によれば、保持部材26の第4円筒内径部26dに保持されている閉塞板30が、保持部材26の下端部の加締め加工のために、その閉塞板30の外周部より押圧されたとき、該閉塞板30を保持している第3段部27cが、拡径の第4円筒内径部26dの弾性力と肉厚の第3段部27cの剛性力とにより、該外力即ち押圧力を完全に受け止める。そのため、該押圧力がスラスト受け部材28に対して変形をもたらすことが完全に防止され、該スラスト受け部材28の変形が防止される。其の上、スラスト受け部材28が第2段部27bと閉塞板30との間に挟まれているので、シャフト36の回転により、当該スラスト受け部材28が軸線方向に浮上するような運動が完全に防止される。こうして、スラスト受け部材28は所望の位置へ常に正確に配置されるのである。
【0016】
なお、スラスト受け部材28は、通常、樹脂材料で成形されており、一般に、部品精度が低い。そのため、図2において、保持部材26の第3円筒内径部26cの長手方向寸法d1に対してスラスト受け部材28の厚みd2が大きくならないようにする必要がある。もし第3円筒内径部26cの長手方向寸法d1よりもスラスト受け部材28の厚みd2が大きくなると、スラスト受け部材28が第3円筒内径部26cから突出し、閉塞板30からの押圧力を受けて、図9に示すと同様の問題を発生する危険があるからである。本件発明の実施例において、最も好ましくは、閉塞板30の肉厚が約0.5mmで、スラスト受け部材28の肉厚が0.2mmで、d1からd2を引いた寸法(d1−d2)が0.02〜0.13mmである。
【0017】
図1に示す実施例においては、スラスト受け部材28を上方より押圧する第2段部27bを提供するため、保持部材26に第2円筒内径部26bが必要であり、この第2円筒内径部26bを収容するため、図1の実施例では、滑り軸受32の下端部外周部に縮径部を形成している。しかしながら、該第2円筒内径部26bの軸線方向長さを短くしたり、滑り軸受32の長さを短くしたりすることにより、前記滑り軸受32の特殊な加工を不要とすることも可能である。
【0018】
図3は参考例について開示している。この参考例が図1及び図2に示す実施例と異なる点は、スラスト受け部材を上方より閉塞板に対して押圧する手段として、保持部材(より詳細には、該保持部材の第2段部)の替わりに、滑り軸受を使用していることである。その他の点では実質的な相違点は存在しない。よって以下においては、図1及び図2に記載の実施例と特に異なる点についてのみ記載する。図3に示す参考例においては、保持部材52は、図8に示す保持部材4と同様の形態を有している。即ち、図3に示す保持部材52は、内部に、軸線方向に伸長する開口部54を有している。この開口部54は、滑り軸受56を受け入れ保持している第1円筒内径部54aと、閉塞板58を受け入れている第2円筒内径部54bと、前記閉塞板58が衝接する段部54cと、を有している。
【0019】
また、スラスト受け部材60は、前記保持部材52の第1円筒内径部54a内にて、前記滑り軸受56によって支持されているシャフト62の下端部と、閉塞板58の上面部分と、の間に配置されている。
【0020】
保持部材52の第1円筒内径部54aへ受け入れられている滑り軸受56は、その下端部がスラスト受け部材60に接するまで垂下している。これにより滑り軸受56の下端部が、スラスト受け部材60を上方から押圧保持し、該スラスト受け部材60の移動を制限している。なお、前述と同様に、スラスト受け部材60の部品精度を考慮して、好ましくは、滑り軸受56の下端部と閉塞板58との間の寸法をd1とし、当該スラスト受け部材60の厚み寸法をd2としたとき、d1からd2を引いた寸法が0.02〜0.13mmである。
【0021】
かかる構成を有する場合において、固定部材64から下方へ突き出している保持部材52の下端部を閉塞板58の下面側に対して加締めたときに、スラスト受け部材60は、滑り軸受56によって保持されているので、その加締め力により変形することが完全に防止されている。
【0022】
図4は、さらに別の参考例を示す。上記2つの実施例及び参考例では、閉塞板を加締め加工によって保持部材へ固定するものであるが、この参考例では、加締め加工の代わりに、Cリングを使用するものである。このため、図4に示す参考例では、図1に示すモータに使用している保持部材とほぼ同一の保持部材を使用しており、図1に示す実施例と異なる点は、閉塞板を保持部材へ固着するためにCリングを使用すること、このCリングを取り付けるための溝が新たに保持部材の開口部に設けてあること、である。よって、以下においては、図1及び図2に記載の実施例と特に異なる点についてのみ記載する。
【0023】
図4に示す参考例においては、保持部材70は、図1に示す保持部材4と同様に、内部に軸線方向に伸長している開口部72を有している。この開口部72は、実質的に一定の内径を有する第1円筒内径部70aと、該第1円筒内径部70aの下端部にあり当該第1円筒内径部70aの内径よりも幾分小さい内径を有する第2円筒内径部70bと、該第2円筒内径部70bの下端部にあり当該第2円筒内径部70bの内径よりも幾分大きい内径を有する第3円筒内径部70cと、該第3円筒内径部70cの下端部にあり当該第3円筒内径部70cの内径よりも幾分大きい内径を有する第4円筒内径部70dと、該第4円筒内径部70dの下端部にあり当該第4円筒内径部70dの内径よりも幾分大きい内径を有する第5円筒内径部70eと、該第5円筒内径部70eの下端部にありそこから当該保持部材70の末端部まで続いている当該第5円筒内径部70eの内径よりも幾分小さく概ね第4円筒内径部70dの内径と同じ内径を有する第6円筒内径部70fと、からなる内径部と、更に第1円筒内径部70aと第2円筒内径部70bとの間にある第1段部73aと、第2円筒内径部70bと第3円筒内径部70cとの間にある第2段部73bと、第3円筒内径部70cと第4円筒内径部70dとの間にある第3段部73cと、第4円筒内径部70dと第5円筒内径部70eとの間にある第4段部73dと、第5円筒内径部70eと第6円筒内径部70fとの間にある第5段部73eと、からなる段部と、を有している。ここで、各円筒内径部70a〜70fの寸法から、図において、第1段部73a及び第5段部73eは上向きの段部であり、第2段部73b〜第4段部73dは下向きの段部を形成している。ここで第3円筒内径部70c及び第4円筒内径部70dの直径は、それぞれスラスト受け部材74及び閉塞板76の直径にほぼ等しくなっており、第5円筒内径部70eの直径は、掛け止め時のCリング78の直径にほぼ等しくなっている。更に第3円筒内径部70cの軸線方向長は、上述の理由によりスラスト受け部材74の厚みより僅かに大きくなるように形成されている。また第5円筒内径部70eの軸線方向長は、Cリング78の厚み寸法より僅かに少ない寸法となっている。
【0024】
図から明らかなように、保持部材70の第1円筒内径部70aには、滑り軸受80が嵌着され、該滑り軸受80にはシャフト82が支持されている。さらに、第3円筒内径部70cには、前記第2段部73bに接するようにスラスト受け部材74が配置されている。更に、保持部材70の第4円筒内径部70dには、前記第3段部73cに接するように閉塞板76が配置されている。また第5円筒内径部70eには、前記第4段部73d及び第5段部73eに接するようにCリング78が配置されている。
【0025】
この参考例においては、保持部材70の開口部72へスラスト受け部材74及び閉塞板76を組み付けた後、Cリング78によってこれらを固着するものである。この実施例においては、加締め加工を施さないので加締めによる押圧力の影響はなく、またスラスト受け部材74が第2段部73bによって保持されているので、Cリング78からの押圧力の影響も完全に防止されており、該スラスト受け部材74の移動もほぼ完全に阻止されている。
【0026】
なお、図1〜図2の実施例と、図3〜図4の参考例において、スラスト受け部材の上方でシャフトの下端部周辺には空間sを設けることが好ましい。これはシャフトと滑り軸受との間に若干の隙間が存在しており、回転時にシャフトがその隙間分だけ半径方向に変動することが予想される。このような場合にシャフト下端部(曲面部分)が滑り軸受に異常接触するのを回避するための逃がし空間としての機能を提供させるためである。
【0027】
上において開示した実施例及び参考例は公知の形態を有するスラスト受け部材を固定するための新規な構成について述べたが、以下の図5〜図7においては閉塞板を加締め加工しても、変形等をしない新規な構成を有するスラスト受け部材の構成について開示する。
【0028】
図5に示す参考例は、特に図3又は図8に示すように、スラスト受け部材を保持するための特別の手段を備えていない保持部材と共に使用する場合に特に有効な閉塞板及びスラスト受け部材である。図5に示す閉塞板82は、図1に示す閉塞板30と概ね同一厚み及び同一材質を有する閉塞板である。この閉塞板82の表面には例えば2本の同心円をなす浅い溝84、86が形成されている。さらにその中心部分には適当な手段によってスラスト受け部材88が固定されている。このスラスト受け部材88は、図1に示すスラスト受け部材28と概ね同一厚み及び同一材質を有しているが、その直径が図1に示すスラスト受け部材28に比較して小さいスラスト受け部材である。このスラスト受け部材88は、シャフトの下端部を受けるのに十分な直径を有しているものである。
【0029】
このように閉塞板82に対してスラスト受け部材88を予め一体化した構造に形成した閉塞板82を図8に示すような従来の加締め手法によって保持部材に対して固着する。この溝付き閉塞板82においては、加締めによる押圧力が閉塞板82の周辺に作用しても、その力は溝84、86等によって完全に弾性吸収されので、その加締めによる押圧力の影響を受けることはほとんど無い。また、スラスト受け部材88が閉塞板82の外周縁から最も遠い位置にあるため、その加締めによる押圧力の影響を受けることはほとんど無い。これにより、容易に所望の目的を達成することが出来るのである。
【0030】
図6及び図7に示す参考例は、特に図9に示すように、スラスト受け部材を保持するための手段を備えている保持部材と共に使用する場合に特に有効なスラスト受け部材である。図6に示すスラスト受け部材90は、図9に示すスラスト受け部材6と概ね同一厚み及び同一材質を有する。このスラスト受け部材90の直径D1は閉塞板92の直径D2よりはいくぶん小さいが、該スラスト受け部材90を保持するための段部93の直径D3よりは大きい。また、該スラスト受け部材90の外周縁の厚みがいくぶん薄くなっている。このため、スラスト受け部材90を組み付けたとき、閉塞板92と段部93との間に、該スラスト受け部材90の外周縁を取
り囲む環状空間gが発生する。
【0031】
このような構成を有するスラスト受け部材90においては、閉塞板92へ対する加締めによる押圧力が該閉塞板92の周辺に作用しても、その力は環状空間gによって完全に吸収されので、スラスト受け部材90がその加締めによる押圧力の影響を受けることはほとんど無い。これにより、容易に所望の目的を達成することが出来るのである。
【0032】
図7は図6のスラスト受け部材の変形例を示している。図6においては、スラスト受け部材の外周縁を薄く加工し、段部をその薄くなっている外周縁に位置付けることが必要であり、組付けがいくぶん困難である。そこで図7においては、図9に示すと同様の、閉塞板94と同一の直径を有する公知のスラスト受け部材96を用意し、その外周縁に例えば3個の等間隔に配置する突起部95を残すようにして、当該外周縁を切り取り、全体として前記閉塞板94の直径よりも小さい直径を有するスラスト受け部材96を形成する。図から明らかなように、スラスト受け部材96の直径D4は、閉塞板94の直径D5よりは小さいが、該スラスト受け部材96を保持する段部97の直径D6よりは大きい。このため、スラスト受け部材96を組み付けるときには、突起部95が適切な位置決め手段として機能するので容易に組付けが出来、また組付け後には、閉塞板94と段部97との間に、該スラスト受け部材96の外周縁を取り囲むような概ね連続した環状空間hが形成される。
【0033】
このような構成を有するスラスト受け部材96においては、閉塞板94へ対する加締めによる押圧力が該閉塞板94の周辺に作用しても、その力は環状空間hによって完全に吸収されので、スラスト受け部材96がその加締めによる押圧力の影響を受けることはほとんど無い。これにより、容易に所望の目的を達成することが出来るのである。
【0034】
【発明の効果】
本件発明においては、閉塞板に対して保持部材の下端部を加締め作業する際にその加締めによる押圧力がほとんどスラスト受け部材に達することがなくなり、該押圧力の影響によりスラスト受け部材が撓んでしまうことがなくなり、モータ回転時におけるスラスト受け部材の位置変動が完全に防止出来る。このため、シャフトを正確な位置へ確実に保持することが出来、モータ作動時にシャフトが傾くことにより不快音を発生するという課題が解消出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件発明の第1の実施例を示す側面図である。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】参考発明の第1の参考例の要部を示す側面図である。
【図4】参考発明の第2の参考例の要部を示す側面図である。
【図5】参考発明の第3の参考例である、閉塞板とスラスト受け部材との関係を示す、中心位置を含む直線部分で切断した断面斜視図である。
【図6】参考発明の第4の参考例の要部を示す側面図である。
【図7】参考発明の第5の参考例の要部を示す側面図である。
【図8】公知のモータの軸受構造の例を示す図1と同様の図である。
【図9】公知のモータの軸受構造の別の例を示す要部概略図である。
【符号の説明】
20 モータ
22 固定部材
26 保持部材
26a 第1円筒内径部
26b 第2円筒内径部
26c 第3円筒内径部
26d 第4円筒内径部
27 開口部
27a 第1段部
27b 第2段部
27c 第3段部
28 スラスト受け部材
30 閉塞板
32 滑り軸受
36 シャフト

Claims (2)

  1. シャフトと、
    該シャフトを支持している滑り軸受と、
    該滑り軸受を保持している保持部材と、
    該シャフトに取り付けてありかつ記録媒体を保持するロータハブと、
    磁気回転力を発生するステータ及び駆動用マグネットと、を有しているモータの、当該シャフトを支持する軸受構造であって、
    内部に前記滑り軸受を収容する開口部を有している概ね円筒形状を有している前記保持部材と、
    該保持部材の開口部下端部を閉塞している閉塞板と、
    該開口部内において、前記滑り軸受によって支持された前記シャフトの下端部と該閉塞板との間に該閉塞板に接して配置されているスラスト受け部材と、を備えており、
    前記保持部材は、
    前記閉塞板の側面と径方向に対向する面を有する下円筒内径部と、
    該下円筒内径部の軸方向上方に形成され、前記スラスト受け部材の側面と径方向に対向する面を有する中円筒内径部と、
    該中円筒内径部の軸方向上方に形成される上円筒内径部と、
    を備えており、
    該中円筒内径部は該下円筒内径部の直径より小さい直径を有し、
    該上円筒内径部は該中円筒内径部の直径より小さい直径を有しており、
    該保持部材の開口部下端部に対して該閉塞板を固着する際の固着力により該スラスト受け部材が何ら変形を受けないように、該中円筒内径部と該上円筒内径部を繋ぐ面は、該スラスト受け部材の軸方向上側の面と軸方向に空隙を介して対向していること
    を特徴とするモータの軸受構造。
  2. 請求項1において、
    該中円筒内径部の軸方向長さと、
    該スラスト受け部材の軸方向の厚みの長さを引いた該空隙の軸方向寸法が、0.02mm以上0.13mm以下とすることを特徴とするモータの軸受構造。
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