JPH11229379A - 盛土用発泡樹脂ブロックおよびそれを用いた盛土用ユニット、および盛土用ユニットからなる構築体ならびに盛土構築方法 - Google Patents

盛土用発泡樹脂ブロックおよびそれを用いた盛土用ユニット、および盛土用ユニットからなる構築体ならびに盛土構築方法

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JPH11229379A
JPH11229379A JP10028649A JP2864998A JPH11229379A JP H11229379 A JPH11229379 A JP H11229379A JP 10028649 A JP10028649 A JP 10028649A JP 2864998 A JP2864998 A JP 2864998A JP H11229379 A JPH11229379 A JP H11229379A
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foamed resin
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Yukio Fukazawa
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】例えば水位が上昇し易い箇所で使用する場合に
も、浮き上がってしまう虞れがなく、ひいては、水が退
いた場合の排水能力も優れた盛土用発泡樹脂ブロックお
よびそれを用いた盛土用ユニット、および盛土用ユニッ
トからなる構築体ならびに盛土構築方法を提供する。 【解決手段】発泡樹脂ブロック本体1aに、複数の水溜
部2を略格子状に形成するとともに、各水溜部の少なく
とも対向する二側壁に縦溝3を形成し、さらにこれら格
子状の水溜部2の一方面を一体的に覆う天井板5を配設
し、この天井板5の外表面に排水溝を設けるとともに、
この排水溝の底部から前記各水溜部2内に貫通する小孔
8を複数個形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に水位の上昇す
る虞れのある箇所に使用して好適な、盛土用発泡樹脂ブ
ロックおよびそれを用いた盛土用ユニット、および盛土
用ユニットからなる構築体ならびに盛土構築方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、軟弱地盤、急傾斜地盛土、構造物
の裏込め、直立壁などで荷重軽減および土圧低減を図る
場合は、土に代えて発泡合成樹脂からなるブロックを積
み重ねていく工法が広く採用されている。
【0003】このような工法は、一般にEPS工法と称
されているが、このような工法には、例えば、以下のよ
うな利点がある。すなわち、 (1)発泡樹脂ブロックの単位体積重量は土砂の約1/
100であり、軟弱地盤上の盛土として適用する場合、
盛土荷重を大幅に低減できるとともに、取扱いが容易で
あることから作業性が良好である。
【0004】(2)土と違って塑性領域に入っても一軸
方向の圧縮力が卓越しており、明確なせん断領域が発生
しないなど、耐圧縮性に優れている。 (3)自立性が良く、直立に積み上げた場合にも自立面
が形成され、その上に荷重が作用した場合でも、側方へ
の変形が極めて小さい。したがって、橋台や擁壁などの
裏込材として利用した場合に、背面の土圧を大幅に低減
することができる。
【0005】(4)独立気泡を内蔵した合成樹脂の発泡
体であるため、通常の施工状態では、吸水による材料特
性の変化がなく、耐水性に優れている。 (5)積み重ねには、大型建設機械が必要でなく、人力
での施工が可能であるため、施工速度が早いとともに、
傾斜地など大型機械の使用が難しい所での施工が容易で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
盛土用発泡樹脂ブロックであっても、軽量であるが故
に、軟弱地盤などで用いると、水位の上昇、季節的な降
雨、洪水などが生じた場合に、発泡樹脂体ブロックその
ものが冠水してしまう虞れがあり、その場合、発泡スチ
ロールのブロックに、非常に大きな浮力が作用してしま
うという問題がある。
【0007】本発明は、このような問題に鑑み、例えば
水位が上昇し易い箇所で使用する場合にも、浮き上がっ
てしまう虞れがなく、ひいては、水が退いた場合の排水
能力も優れた盛土用発泡樹脂ブロックおよびそれを用い
た盛土用ユニット、および盛土用ユニットからなる構築
体ならびに盛土構築方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る盛土用発泡樹脂ブロックは、発泡樹脂ブ
ロック本体に、複数の水溜部を略格子状に形成するとと
もに、各水溜部の少なくとも二側壁に縦溝を形成し、さ
らにこれら格子状の水溜部の一方面を一体的に覆う天井
板を配設し、この天井板の外表面に排水溝を設けるとと
もに、この排水溝の底部から前記各水溜部内に貫通する
小孔を複数個形成したことを特徴としている。
【0009】また、本発明に係る盛土用発泡樹脂ブロッ
クは、前記縦溝の一端は、前記天井板が配置されていな
い開口面側に開口しているとともに、前記縦溝の他端は
前記天井板から所定距離離反して形成されていることを
特徴としている。
【0010】また、本発明に係る盛土用発泡樹脂ブロッ
クは、前記発泡樹脂ブロック本体の最外側壁には、上下
方向に延びる凹陥部が複数個形成されていることを特徴
としている。
【0011】また、本発明に係る盛土用ユニットは、上
記いずれかの2つの盛土用樹脂発泡体ブロックの開口面
同士を合致させたことを特徴としている。このような盛
土用発泡樹脂ブロックおよびそれを用いた盛土用ユニッ
トによれば、上面、及び/又は下面から小孔、縦溝ある
いは水溜部を介して水が浸入して水位が上昇した場合で
あっても、発泡樹脂ブロックの浮力が小さいので、発泡
樹脂ブロック自体が浮き上がってしまうことが防止さ
れ、構造物への影響は少ない。また、水位が下がった場
合には、水溜部内の水は、それらの小孔および縦溝を介
して外方に排出されることになる。
【0012】また、本発明に係る盛土用ブロックを用い
た構築体は、上記盛土用ブロックを同一向きに積載して
なることを特徴としている。また、本発明に係る盛土用
発泡樹脂ブロックを用いた構築体は、上記盛土用ユニッ
トを複数個用意し、これらの盛土用ユニットを多段に重
ね合わせてなることを特徴としている。
【0013】このような構築体によれば、軟弱地盤等に
土の代わりの盛土として、安定した状態で積載すること
ができる。また、水溜部内への水の取り入れおよび排出
を容易に行うことができる。また、盛土用ユニットの突
き合わせ部に排出された水を、上記凹陥部を介して下方
に案内することができる。
【0014】また、本発明に係る盛土構築方法は、上記
の盛土用発泡樹脂ブロックからなる構築体を水位が上昇
する箇所に土の代わりに配置し、水位が高まった場合
に、小孔あるいは縦溝を介して樹脂発泡体ブロックの水
溜部内に水を取り込むとともに、水位が下がった場合
に、小孔あるいは縦溝を介して水を外方に排出するよう
にしたことを特徴としている。
【0015】このような盛土構築方法によれば、土に代
えて、軟弱地盤上の盛土、急傾斜地盛土、構造物の裏込
め、直立壁などに適用した場合に、安定した状態で積載
することができるとともに、水が上昇してきても、浮き
上がったりしてしまうことがなく、また、排水が容易で
あり、土に代わる盛土として好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施例について説明する。図1ないし図4は、本発明
の一実施例による盛土用発泡樹脂ブロックを示したもの
で、図1は一部破断斜視図、図2は平面図、図3は底面
図、図4は側断面図である。なお、この盛土用発泡樹脂
ブロックは2つ一組にして用いるため、上下の区別はな
いが、便宜上、図1は裏返して見た時の斜視図とする。
【0017】この盛土用発泡樹脂ブロック1は、具体的
には発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン、発泡ポリ塩
化ビニルおよび発泡ポリオレフィンのように、合成樹脂
を発泡することにより、一体的に成形される樹脂発泡体
である。単位体積重量は、例えば、0.030〜0.1
00t/m3 であり、実施例では、0.050t/m 3
程度のものが使用されている。このような盛土用発泡樹
脂ブロック1は、発泡体であるため、全体的に軽量で取
扱い易く、また、その浮力を生かすことで軟弱地盤上で
あっても沈み込みが起こることはない。
【0018】盛土用発泡樹脂ブロック1のサイズは、特
に制限はないが、例えば1000×1000×250m
mというようなサイズの大きい樹脂発泡体が作業能率上
好ましい。
【0019】盛土用発泡樹脂ブロック1は、一方面が開
口した発泡樹脂ブロック本体1aを有し、他方面は、平
板状の天井板5により覆われている。また、発泡樹脂ブ
ロック本体1aには、全体に格子状の仕切壁4を設ける
ことにより、荷重に対する強度を弱めることなく、しか
もこれらの間に、水を貯留することが可能な複数の水溜
部2を画成している。なお、実施例のように16分割さ
れた水溜部2を設けた場合の仕切壁4の厚さは、約60
mm程度であり、また仕切壁4は、開口端から基端側に
向かうほどその厚さは厚くなっている。これらの厚さ
は、荷重に耐えられるように水溜部2の大きさ等によ
り、適宜な値に設定される。さらに、水溜部2の四側壁
には、厚さ方向に縦溝3が形成されている。このような
水溜部2に形成する縦溝3は、水の流れを考慮すると、
四側壁全てに形成されることが好ましいが、二側壁であ
っても良い。また、二側壁に縦溝3を形成する場合、互
いに対向する二側壁であることが好ましい。なお、この
縦溝3は、一つの仕切壁4に2つ以上形成されていても
良い。また、縦溝3の長さは、実施例では発泡樹脂ブロ
ック本体1aの高さの約半分程の長さであるが、水を周
囲に流通することができれば、その長さに限定はなく、
例えば10mm程度のものであっても良く、要は、その
一端3aが、発泡樹脂ブロック本体1aの開口面に開口
しており、他端3bが、天井板5から離反していれば良
い。
【0020】このように、水溜部2および縦溝3を設け
た発泡樹脂ブロック本体1aであっても、仕切壁4の基
端側は、全てつながっており一体構造であるため、この
上に大荷重が掛かった場合にも変形が少なく充分な耐力
が発揮される。したがって、上部に土砂が埋め戻されれ
ば、その上を車が通ることができる。
【0021】一方、天井板5の外表面には、図2に示さ
れるように、例えば、くの字を放射状に拡開したような
排水溝7が全面に形成されている。さらに、この排水溝
7には、その底面から水溜部2に向かって延びる小孔8
が貫通して形成されている。
【0022】なお、本実施例では、1つの水溜部2内に
4つの小孔8が開口するように構成されているが、この
小孔8の数も実施例に限定されない。なお、小孔8の大
きさは、実施例では10mmの大きさを有している。
【0023】また、発泡樹脂ブロック本体1aの最外壁
には、縦溝3の周囲に凹陥部11が上下方向に形成され
ている。この凹陥部11を設けることにより、2つの発
泡樹脂ブロック本体1aを横方向に突き合わせた場合
に、隣接するブロック本体間に間隙が形成されるように
なっている。
【0024】本実施例に係る盛土用発泡樹脂ブロック1
は、上記のように形成されているが、以下にその使用例
について説明する。この盛土用発泡樹脂ブロック1は、
湖沼跡などの軟弱地盤を始めとし、水の多い箇所での盛
土材として好適に使用することができる。更に、通常の
道路盛土、地滑り地の盛土、拡幅盛土、急傾斜地拡幅盛
土、水路基礎、仮説道路、埋設管基礎・保護など、種々
の現場において、土に代えて使用することができる。そ
の場合、図5に示したように、盛土用発泡樹脂ブロック
1の開口面同士を互いに合致させて、1つのユニットと
して使用することができる。
【0025】このように、2つの盛土用発泡樹脂ブロッ
ク1を互いの開口面同士を合致させることにより、内部
に中空部を有する盛土用ユニット20が構成される。こ
のような盛土用ユニット20では、一対の盛土用発泡樹
脂ブロック1間における互いの受面積が大きく、しか
も、基部側は全て一体的につながっているため、荷重が
加わっても変形が生じ難くなっている。
【0026】このような盛土用ユニット20を一つの単
位として、高さ方向および幅方向に重ね合わせていくこ
とにより、所定の範囲に発泡樹脂ブロックを土の代わり
に敷設することができる。このように並べると、各ユニ
ット20内には、所定間隔置きに格子状の仕切壁4が突
き合わされるので、これらの仕切壁4がリブのような柱
となって、荷重に対する圧縮強度を大きく維持すること
ができる。
【0027】なお、上下方向に積載された各盛土用ユニ
ット20間では、いずれかの排水溝7は互いに連通して
いるが、小孔8同士は直線状に連通しているとは限らな
い。このような盛土用ユニット20を上下左右方向に積
載すると、雨などが降って上方から水が接近してきた場
合には、例えば、外表面の排水溝7を介して水が流れる
とともに、さらに小孔8を介して、あるいは周囲の縦溝
3を介して水溜部2内に、それらの水を取り込むことが
できる。これにより、この発泡樹脂ブロック1の比重を
高めることができ、浮力に対するカウンターとなって、
水で冠水したときの浮力を極力抑えることができる。ま
た、幾段にも重ねた場合に、上位の盛土用ユニット20
側から下方の盛土用ユニット20側に水が流下するが、
その場合も、2つのユニット間の排水溝7、7は、何れ
かの箇所で互いに連通しているので、これらの排水溝7
を流れて、下方のユニット20内の水溜部2内に取り込
むことができる。また、縦溝3も天井板5に連通してい
ないため、1つの盛土用ユニット20に溜まった水分が
そのまま外方に流れてしまうようなこともなく、天井板
5の周囲に保持することができる。
【0028】また、横方向に並べられた発泡樹脂ブロッ
ク1、1間には、凹陥部11が所定間隔置きに形成され
ているので、隣接するブロックの突き合わせ部に流れて
くる水を、速やかに下方に流すことができる。したがっ
て、横方向の突き合わせ部に水が滞留してしまうことも
ない。
【0029】したがって、本発明によれば、仮に盛土用
発泡樹脂ブロック1が冠水したとしても、内部に取り込
まれた水により、浮き上がりを防止することができる。
また、水位が下がった場合には、水溜部2内に貯留され
た水を、縦溝3および小孔8あるいは凹陥部11を介し
て上下方向あるいは横方向に速やかに排出することがで
きる。
【0030】一方、上方からの水に代え、下方から地下
水などが上昇してきた場合にも、盛土用ユニット20を
構成する下位の盛土用発泡樹脂ブロック1の小孔8ある
いは周囲の縦溝3を介して、内部に水を取り込むことが
できる。その場合に、盛土用ユニット20を構成する上
位の発泡樹脂ブロック1の小孔8は空気孔として機能す
るので、水溜部2内部の空気を速やかに外方に逃がすこ
とができる。これにより、水の侵入を速やかに行うこと
ができる。
【0031】このように、本発明に係る盛土用発泡樹脂
ブロックによれば、下方から水が上昇してくる軟弱地盤
等に使用した場合にも、これらを簡単に積み重ねていく
ことができるとともに、浮力対策を行うことができる。
【0032】また、この盛土用発泡樹脂ブロックを使用
した構築体として、様々な分野で使用することができる
が、例えば、地滑り地の盛土、公園盛土、拡幅盛土、急
傾斜地拡幅盛土、水路基礎、埋設管基礎、U字溝周辺の
盛土、仮設道路、堤防背面の盛り上げ盛土など、様々な
構築体に適用することができる。
【0033】このような本発明によれば、隣接する水溜
部2同士を縦溝3で相互に連通するとともに、天井板5
に排水溝7を設け、この排水溝7に小孔8を形成してい
るので、上方、下方あるいは側方のいずれの方向から水
が近寄ってきて、水位が高さ26の位置にあるとして
も、図7に示したように、これらの水を速やかに内部に
取り込むことができる。また、これとともに、周囲から
水が退いた場合には、内部の水を上下方向あるいは横方
向に速やかに排出することができる。
【0034】したがって、冠水した場合にも、発泡樹脂
ブロック内に荷重がかかったままになることはない。ま
た、本実施例による盛土用ユニット20では、上下の開
口面がそれぞれ天井板5で閉塞されているので、敷設作
業中に、この内部に工具などを落としてしまうこともな
く、作業性は良好である。
【0035】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されない。例えば、図5
のAで示すように、発泡樹脂ブロック本体1aの開口端
面には、2個の発泡樹脂ブロック本体で一対となるよう
に組付けた際に、互いに嵌合することのできる凹凸嵌合
部を形成しておば、両者の位置決めが容易となり好まし
い。
【0036】このような凹凸嵌合部を開口端面の適宜箇
所に適宜数設ければ、2つの発泡樹脂ブロックを組付け
て盛土用ユニット20を構成した場合に、位置決めが容
易となり、組付けた状態で左右方向にずれたりすること
がない。また、このような凹凸嵌合部は、どのような形
状の嵌合であっても良い。
【0037】さらに、上記実施例における排水溝7の全
体的な形状は、実施例に限定されない。排水溝7は外表
面に集まった水を水溜部2内に導くことが可能であれ
ば、他の形状であっても何ら構わない。さらに、上記の
ような発泡樹脂ブロックを盛土として使用する場合に、
図6に示したように、冠水し易い下層部のみにこのよう
な盛土用ユニット20を配置し、冠水の虞れのない表層
部においては、空間部のない密に構成された通常の発泡
樹脂ブロック31を敷並べることもできる。
【0038】このように2種類の発泡樹脂ブロックを上
層と下層とに区分して敷き並べるとともに、周囲を土2
2で埋設し、さらにその上部を採石23やアスファルト
24で仕上げることができる。
【0039】このようにして、盛土用ユニット20を何
段か積載すれば、図7に示したように、上方から水分が
押し寄せてきた場合であったも、また下方から水分が上
昇してきた場合であっても、小孔8あるいは縦溝3を介
して水溜部2内に周囲の水を速やかに取り入れることが
でき、また排水性も良好である。
【0040】また、以上の実施例では、樹脂発泡体ブロ
ック1を開口面同士合致させて盛土用ユニット20を構
築しているが、これに代え、図8に示したように、例え
ば、軟弱な地盤14の上にポリエチレンシート15など
を敷設し、その上部に複数の発泡樹脂ブロック1を同一
の向きに多段に重ね合わせていくこともできる。このよ
うな構築体40であっても、内部の水溜部2内に水を溜
めることができ、また、その排水性も良好である。
【0041】また、上記実施例では、各水溜部2の四側
壁にそれぞれ縦溝3を形成したが、図9に示したよう
に、例えば8分割された水溜部2を有する盛土用発泡樹
脂ブロック50などの場合は、全ての側壁に縦溝3を形
成しないで二側壁に縦溝3を形成すればよい。このよう
に、水溜部2に形成する縦溝3の数は上記実施例に限定
されず、少なくとも二側壁に形成されていれば良い。ま
た、二側壁に限定する場合は、互いに対向する二側壁で
あることが好ましい。
【0042】このような縦溝3であっても、水溜部2内
に、水を導入することができる。
【0043】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係る盛
土用発泡樹脂ブロックおよびそれを用いた盛土用ユニッ
トによれば、上方向あるいは下方向からの水のより冠水
した場合であっても、それらの水を発泡樹脂ブロック本
体の内部に画成された水溜部内に、縦溝、排水溝および
小孔を介して速やかに取り入れることができるので、浮
力を極力小さくすることができる。一方、水の水位が下
がった場合に、その水を上下左右方向に速やかに排出す
ることができるので、盛土用ユニットが重くなることも
ない。また、天井板に形成された孔は、水を溜めたい場
合に空気孔としても機能させることができる。
【0044】また、発泡樹脂ブロック本体の最外側壁
に、凹陥部が形成されているので、横方向に隣接する発
泡樹脂ブロック間に滞留する水を、速やかに下方に流す
ことができる。
【0045】さらに、本発明に係る盛土用ユニットによ
れば、水溜部を構成する格子状の側壁は、基部側が全て
つながっており一体構造であるため、荷重に対する強度
を充分保持することができる。
【0046】また、本発明に係る構築体によれば、荷重
をかけたくない箇所などに、土の代わりに壁面等を構築
することができ、軽量で、作業性が良好であるととも
に、水が冠水したとしても、その浮力を極力抑えること
ができる。また、水が退いた場合に縦溝、小孔、排水
溝、凹陥部を介して速やかに排水することができる。ま
た、格子状に拡がる水溜部の側壁は、基部側がつながっ
た一体構造であるので、充分な圧縮強度を有しており、
したがってその構築体の上に車などを通らせることもで
きる。
【0047】また、本発明に係る盛土構築方法によれ
ば、仕切壁が格子状に存在するので、荷重に対する圧縮
強度を平均的に維持することができる。また、水の取り
入れおよび排出を、上下方向あるいは横方向のいずれの
方向からも行うことができる。
【0048】このように本発明に係る盛土構築方法によ
れば、浮力対策も充分兼ね備えているとともに、排水性
も良好であるので、土に代わる盛土工法として軟弱地盤
等に好ましく用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る盛土用樹脂発泡
ブロックを一部破断して示す斜視図である。
【図2】図2は同発泡樹脂ブロックの平面図である。
【図3】図3は同発泡樹脂ブロックの底面図である。
【図4】図4は同発泡樹脂ブロックの断面図である。
【図5】図5は同発泡樹脂ブロックを2つ組み合わせた
盛土用ユニットの断面図である。
【図6】図6は本発明に係る盛土構築方法により構築さ
れた盛土道路の破断斜視図である。
【図7】図7は本発明に係る盛土用ユニットの作用を示
す断面図である。
【図8】図8は本発明に係る他の構築体を示した断面図
である。
【図9】図9は本発明に係る他の実施例による盛土用発
泡樹脂ブロックの底面図である。
【符号の説明】
1 盛土用発泡樹脂ブロック 1a 発泡樹脂ブロック本体 2 水溜部 3 縦溝 3a 一端部 3b 他端部 7 排水溝 8 小孔 20 盛土用ユニット 50 盛土用発泡樹脂ブロック

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡樹脂ブロック本体に、複数の水溜部
    を略格子状に形成するとともに、各水溜部の少なくとも
    二側壁に縦溝を形成し、さらにこれら格子状の水溜部の
    一方面を一体的に覆う天井板を配設し、この天井板の外
    表面に排水溝を設けるとともに、この排水溝の底部から
    前記各水溜部内に貫通する小孔を複数個形成したことを
    特徴とする盛土用発泡樹脂ブロック。
  2. 【請求項2】 前記縦溝の一端は、前記天井板が配置さ
    れていない開口面側に開口しているとともに、前記縦溝
    の他端は前記天井板から所定距離離反して形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の盛土用発泡樹脂ブ
    ロック。
  3. 【請求項3】 前記発泡樹脂ブロック本体の最外側壁に
    は、上下方向に延びる凹陥部が複数個形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の盛土用発泡樹脂ブロッ
    ク。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載さ
    れた2つの盛土用樹脂発泡体ブロックの開口面同士を合
    致させてなることを特徴とする盛土用ユニット。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載さ
    れた盛土用ブロックを同一向きに積載してなることを特
    徴とする構築体。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載された盛土用ユニットを
    複数個用意し、これらの盛土用ユニットを多段に重ね合
    わせてなることを特徴とする構築体。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載された盛土用ユニットを
    水位が上昇する高さまで配置し、水位が高まった場合
    に、小孔あるいは縦溝を介して樹脂発泡体ブロックの水
    溜部内に水を取り込むとともに、水位が下がった場合
    に、小孔あるいは縦溝を介して水を外方に排出するよう
    にしたことを特徴とする盛土用発泡樹脂ブロックを使用
    した盛土構築方法。
JP02864998A 1998-02-10 1998-02-10 盛土用発泡樹脂ブロックおよびそれを用いた盛土用ユニット、および盛土用ユニットからなる構築体ならびに盛土構築方法 Expired - Lifetime JP3714653B2 (ja)

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