JPH11229144A - 被覆工具 - Google Patents
被覆工具Info
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- JPH11229144A JPH11229144A JP4863898A JP4863898A JPH11229144A JP H11229144 A JPH11229144 A JP H11229144A JP 4863898 A JP4863898 A JP 4863898A JP 4863898 A JP4863898 A JP 4863898A JP H11229144 A JPH11229144 A JP H11229144A
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- Japan
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- oxide
- hard coating
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- Pending
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
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Abstract
を解決し、硬質被覆層の密着性が著しく改善した被覆工
具を提供する。 【構成】 工具基体表面に多層の硬質被覆層を形成した
被覆工具において、前記硬質被覆層は酸化アルミニウム
等からなる酸化物層、およびその直下のチタンの炭化物
等からなるなる強化層を有し、かつ、前記酸化物層と前
記強化層の界面の凹凸差を0.2μm以上、前記凹凸の
凸部の平均間隔を3μm以下として構成する。
Description
質被覆層を有する被覆工具に関するものである。
具において酸化物層の密着性を向上させる工夫が種々行
われている。例えば特開平8−90311号公報や特開
平8−290307号公報に記載されるAl2O3被覆工
具は内層として(111)面に最大のX線回折ピークが
現れるチタンの炭化物、炭窒化物層を内層として採用し
ている。また、特開平9−174304号公報に記載さ
れるAl2O3被覆切削工具はAl2O3層の下の層である
TiCO層等の内層の、Al2O3層との界面部分を先鋭
化針状結晶構造とすることでAl2O3層の密着性を改善
したものである。
内層として(111)面に最大のX線回折ピークが現れ
るチタンの炭化物、炭窒化物層を採用したものは酸化物
層として鋼の切削に好適とされるκ型Al2O3を主体と
したAl2O3層を想定しており、鋳鉄の切削に好適なα
型Al2O3を主体とする酸化物層に対しては十分な効果
を発揮しない。また、鋭化針状結晶構造のTiCO等を
内層として採用したものはAl2O3との密着性は優れる
ものの、内層自体が脆弱であるので破壊しやすい。さら
にAl2O3層と内層との界面で部分的な剥離が生じた場
合、界面は鋭化針状結晶構造に対応する鋭い切り欠き形
状を有するためAl2O3層が破壊、剥離しやすい。以上
に鑑み本発明はAl2O3層の密着性、靭性における問題
点等を解決し、硬質被覆層の密着性が著しく改善した被
覆工具を提供するものである。
硬質被覆層を形成した被覆工具において、前記硬質被覆
層は酸化アルミニウムを主体とする酸化物層を1層又は
2層以上有し、且つ前記酸化物層の直下にチタンの炭化
物、窒化物、酸化物、及びそれらの混合物又は固溶体か
らなる1層又は2層以上の強化層を有し、かつ、前記酸
化物層と前記強化層の界面の凹凸差を0.2μm以上、
前記凹凸の凸部の平均間隔を4μm以下とすることで構
成する。
触面積が増加し酸化物層の強固な密着が得れ、しかも界
面形状は比較的鈍角の凹凸が連なった形状となるため被
覆層の破壊も起こりにくい、工具に最適な被覆層となる
のである。高低差を0.2μm以上としたのは、この値
より小さい場合には密着力の改善が不十分であるからで
ある。好ましくは0.4〜1.4μmとする。また、凸
部の平均間隔を4μm以下としたのは、間隔が広すぎる
と密着力の改善が不十分となるためである。好ましくは
0.1μm以上とし、更に好ましくは1〜3μmとす
る。
直断面を10μmに渡って走査型電子顕微鏡によって1
5000倍で観察することで確認ができる。図1に示す
強化層−酸化物層界面付近の模式図によって説明する。
図1の強化層1が酸化物層2へ突き出している場所を凸
部、酸化物層が強化層へ突き出している場所を凹部とし
た場合、先ず基体表面3とほぼ平行で、凹部のもっとも
基材表面に近い点を通る線分A4を引く。次に線分Aに
平行で凸部のもっとも基材表面から離れている点を通る
線分B5を引き、線分Aと線分Bの間の距離6をもって
高低差とする。図1では0.67μmである。基体表面
と界面が同一視野になく、線分Aを引くことが著しく困
難な場合、界面を15μm以上の範囲で観察し最も低い
凹部と2番目の凹部を直線で結び線分Aとする。この
時、結ぶ2点は5μm以上離れている必要があり、5μ
m未満の時は別視野を選ぶ。凸部の平均間隔は次のよう
に算出する。線分Aと線分Bの中間に線分C7を引く。
線分Cを越えて酸化物層側へ突き出した凸部8の数で1
0μmを割った値を平均間隔とする。但し、線分Cを越
えた部分が観察範囲10μmの端を跨ぐ凸部は0.5と
数える。図1では該当する凸部が4箇所であるので10
μmを4で割り2.5μmを凸部の平均間隔とする。
体的に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定
されるものでなく、切削工具の他、耐摩耗工具、金型、
溶湯部品等、工具全般に適用しうるものである。 (実施例1)P30種相当の超硬合金製切削工具基体表
面にCVD法にて、先ず厚さ0.3μmのTiN層を形
成し、次に、厚さ6μmのTiCN層を成膜した後、温
度を950〜1050℃の範囲で変化させCH4/Ti
Cl4ガスの容積比を3〜12の範囲で変化させた混合
ガスをH2キャリヤーガスとともに120分間流してT
iC層を成膜し、そのまま連続して更に1〜2%のCO
2ガスを追加して5〜30分間成膜することによりTi
CO層を薄く成膜した。次いで、1050℃でAlCl
3ガスとH2ガスとCO2ガスおよびH2SガスをCVD炉
内に流しα型Al2O3層を成膜し、その後、TiCl4
ガスとN2ガス、H2キャリヤーガスを流しTiN層を成
膜し本発明例1〜7を作製した。図2に本発明例1のT
iC層−Al2O3層の界面付近の写真を示す。図2よ
り、下からやや明るく見える層が強化層であるが、走査
型電子顕微鏡による観察では通常、TiCN層とTiC
層の境界は見えない。強化層の上に暗く見える層が酸化
物層で、その上の薄い表面層はTiN層である。強化層
と酸化物層の界面には明確な凹凸が観察された。図1に
示す方法により、凹凸の高低差、凸部の平均間隔を測定
し表1に示した。
による切削特性への影響を明らかにするために、TiC
の成膜条件を変えた比較例8〜11を作成した。TiC
の成膜条件は温度を1000〜1020℃の範囲で変化
させ、CH4/TiCl4ガスの容積比は1〜15の範囲
で変化させ、他はすべて本発明例と同様とした。図3に
比較例8の界面付近の写真を示す。本発明例と比べ凹凸
が少ない、なだらかな界面形状である。本発明例と同様
に凹凸の高低差、凸部の平均間隔を測定し表1に併記し
た。
および比較例を用いて連続切削し、平均逃げ面摩耗量が
0.4mm、クレーター摩耗が0.1mmのどちらかに
達した時間を寿命と判断した。切削諸元は、被削材FC
25(HB230)切削速度300m/min、送り
0.3mm/rev、切り込み 2.0mm、水溶性切
削油使用とした。この切削試験の結果を表1に併記し
た。比較例はいずれもAl2O3層の剥離により急速に摩
耗が進行し寿命に達しているのに対して、本発明例はい
ずれも剥離が無く正常な摩耗で寿命に達しているため、
切削耐久特性が優れていることがわかった。
TiN、TiCN層を設けた後、温度を950〜100
0℃の範囲で変化させ、CH4/TiCl4ガスの容積比
を3〜10の範囲で変化させた混合ガスとH2キャリヤ
ーガスとを120分間流してTiC層を成膜し、次い
で、AlCl3ガスとH2ガスとCO2ガスを炉内に流し
1010℃でκ型Al2O3を成膜し本発明例12〜18
を作製した。次に、TiCの成膜条件を、温度1000
〜1020℃、CH4/TiCl4ガスの容積比を1〜1
5の範囲で変化させた比較例19〜22を作製した。実
施例1と同様にTiC層−Al2O3層界面の形状を測定
し表2に示した。
諸元は被削材S53C、切削速度180m/min、送
り0.3mm/rev、切り込み2.0mm、乾式切削
とし、実施例1と同様に寿命を判断した。この切削試験
の結果を表2に併記する。本実施例においても本発明例
には剥離が発生せず、κ型Al2O3に対しても優れた密
着性を示すことがわかった。なお、各層は微量の添加
物、不可避の不純物等が含まれたものでも上記実施例と
同様の作用効果が得られることは勿論である。
2O3をはじめとする酸化物を主体とする酸化物層の密着
性が著しく改善され、硬質被覆層が破壊、剥離しにくい
長寿命の被覆工具が実現でき、極めて有用なものであ
る。
式図を示す。
るTiC層―Al2O3層界面付近の金属組織を示す走査
型電子顕微鏡写真(15000倍)を示す。
るTiC層―Al2O3層界面付近の金属組織を示す走査
型電子顕微鏡写真(15000倍)を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 工具基体表面に多層の硬質被覆層を形成
した被覆工具において、前記硬質被覆層は酸化アルミニ
ウムを主体とする酸化物層を1層又は2層以上有し、且
つ前記酸化物層の直下にチタンの炭化物、窒化物、酸化
物、及びそれらの混合物又は固溶体からなる1層又は2
層以上の強化層を有し、かつ、前記酸化物層と前記強化
層の界面の凹凸差を0.2μm以上、前記凹凸の凸部の
平均間隔を4μm以下としたことを特徴とする被覆工
具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4863898A JPH11229144A (ja) | 1998-02-12 | 1998-02-12 | 被覆工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4863898A JPH11229144A (ja) | 1998-02-12 | 1998-02-12 | 被覆工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11229144A true JPH11229144A (ja) | 1999-08-24 |
Family
ID=12808925
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4863898A Pending JPH11229144A (ja) | 1998-02-12 | 1998-02-12 | 被覆工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11229144A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-02-12 JP JP4863898A patent/JPH11229144A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041220 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20070517 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20070713 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20070910 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20071108 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080121 |