JP2677288B2 - 被覆工具材料 - Google Patents

被覆工具材料

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、工具として用いる被覆工具材料に係り、さ
らに詳細には少なくとも酸化アルミニウムの被覆層を有
する被覆工具材料の性能を向上させるように改良したも
のである。
[従来の技術] 従来、少なくとも酸化アルミニウムを被覆した工具材
料として、特公昭52−13201号公報に開示されているよ
うに、硬物質体からなる母材に隣接してTi,Zr,Hf,Taの
炭化物および窒化物の被覆を形成し、次いで酸化アルミ
ニウムまたは酸化ジルコニウムの被膜を設けた工具材料
がある。
また、特公昭53−28872号公報に示されているよう
に、超硬合金を母材とし、その表面にα−酸化アルミニ
ウムを1〜20μmの厚みで被覆した工具材料もある。
[従来技術が有する問題点] しかしながら、硬物質体を母材とし、その表面へ前記
したような酸化アルミニウムを被覆した工具材料は、炭
化チタンや窒化チタンまたは炭窒化チタンなどを1層以
上被覆した工具材料に比べると、すぐれた耐摩耗性を示
すが、高速切削における連続切削加工において安定した
耐摩耗性を示さなかったり、断続の施削加工やフライス
切削加工等において耐欠損性にやや問題を有している。
以上のように酸化アルミニウムの被膜を形成させた工
具材料においても切削条件によっては必ずしも所望する
工具寿命を満足させてはいない。これは酸化アルミニウ
ム被膜自体の靭性の不足や、酸化アルミニウム被膜と隣
接する他の層、あるいは硬物質体からなる母材との密着
性が不足することが起因するものと推察される。
[発明の目的] 本発明は、上記した問題点に鑑みなしたもので、酸化
アルミニウム自体の靭性を向上させ、しかも硬物質体か
らなる母材や他の層との密着性を高めて耐摩耗性ならび
に耐欠損性を大きく改善させ、所期の工具寿命が得られ
る被覆工具材料を提供せんとするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明における被覆工具材料においては、上記のよう
は様々な問題点を解決するため、超硬合金やサーメット
あるいはセラミックスまたは特殊鋼などの硬物質体を母
材に用い、この母材の表面を、少なくとも酸化アルミニ
ウム層を含む厚みが0.5〜20μmの範囲になったコート
層で被覆した被覆工具材料において、上記の酸化アルミ
ニウム層の下層部をα−酸化アルミニウムで構成し、そ
の上層部をχ−酸化アルミニウムで構成したのである。
ここで、本発明における被覆工具材料において、母材
の表面に上記のような酸化アルミニウム層を含むコート
層を設けるにあたっては、母材の表面に上記のような酸
化アルミニウム層だけを設ける場合の他に、母材と酸化
アルミニウム層との間に、チタンやジルコニウムあるい
はハフニウムなどの炭化物や窒化物ないしは炭窒化物で
構成された層を設けたり、上記の酸化アルミニウム層の
表面側に、チタンやジルコニウムあるいはハフニウムな
どの炭化物や窒化物ないしは炭窒化物で構成された層を
設けたりすることができる。
[発明の作用] ここで、本発明のように母材の表面を、少なくとも酸
化アルミニウム層を含むコート層で被覆した被覆工具材
料を用いた被覆工具の切削特性と、その層形成の条件を
種々変化させて作った特性の異なる酸化アルミニウム層
との関係を調べたところ、α−酸化アルミニウムは酸化
アルミニウムの中で最も安定した結晶状態であって、し
かも高温において形成され易いことがわかった。
そして、このように高温下でα−酸化アルミニウムを
形成すると、酸化アルミニウムの粒子が粗くなって耐摩
耗性は低下する一方、酸化アルミニウム以外の層や前記
の硬物質体からなる母材との密着性にすぐれるものとな
ることが分かった。
一方、χ−酸化アルミニウムは、α−酸化アルミニウ
ムよりも低い温度で形成され、α−酸化アルミニウムに
比べてやや安定性に欠ける一方、粒子そのものは非常に
微細であって耐摩耗性や耐欠損性は良好なものである。
そこで、硬物質体からなる母材の表面に少なくとも酸
化アルミニウム層を含むコート層を設けるにあたり、密
着性および生産性が高く、しかも安定性に富むα−酸化
アルミニウムを下層部に用い、その上層部に粒子が微細
であるχ−酸化アルミニウムを形成すると、酸化アルミ
ニウムに接する酸化アルミニウム以外の層、すなわちチ
タンやジルコニウムまたはハフニウムの炭化物や窒化物
および炭窒化物などと硬物質体からなる母材との密着性
が向上し、耐摩耗性に富むと同時に耐欠損性にもすぐれ
る少なくとも酸化アルミニウム層を有する被覆工具材料
が得られることを見いだしたものである。
なお、硬物質体からなる母材の表面に少なくとも酸化
アルミニウム層を形成するにあたり、α−酸化アルミニ
ウムを下層部とし、その上層部をχ−酸化アルミニウム
とした理由は、これが逆になると、α−酸化アルミニウ
ムの形成中にχ−酸化アルミニウムの一部がα−酸化ア
ルミニウムに変態してしまうことにより、酸化アルミニ
ウム層の表面粒子が粗くなって耐摩耗性や耐欠損性が損
なわれるからである。
また、本発明における被覆工具材料においては、上記
の酸化アルミニウム層の厚みが0.5〜10μmの範囲で、
α−酸化アルミニウム層とχ−酸化アルミニウムとの比
率をχ−Al2O3/α−Al2O3=0.1〜10にすることが好まし
い。
ここで、χ−Al2O3/α−Al2O3の2段層のχの結晶形
の比率(χ/α)を0.1〜10の範囲にするのは、χ/α
<0.1になると、粒子の細かいχ−酸化アルミニウムの
効果がほとんどみられず、逆にχ/α>10になると、酸
化アルミニウム層とその他の層部(例えば炭化チタン)
との密着性が低下して、いずれも所期の工具寿命は得ら
れないためである。
また、χ−酸化アルミニウムとα−酸化アルミニウム
からなる酸化アルミニウム層の厚みを0.5〜10μmの範
囲にするのは、この厚みが0.5μm未満では被覆工具材
料としての耐摩耗性が不足する一方、この厚みが10μm
を上回ると、酸化アルミニウム層で被覆するのに要する
時間が大巾にかかり、コスト的な問題が有ると共に耐欠
損性が低下するためである。
[実施例] 以下、本発明の実施例について述べる。
(実施例1) 超硬合金P20の相当品からなる硬物質体(形番:CNMG12
0408GG)をCVDコーティング炉内に設置し、まず20Torr
の減圧下1000℃の加熱雰囲気で、5%TiCl4、10%CH4
残りをH2の混合ガスの気流中にて、その表面へTiCを5
μm被覆した。次いで1100℃まで加熱し5%AlCl3、5
%CO2、残りH2からなる混合気流中において2時間をか
けてα−Al2O3を2μm形成させ、さらに1060℃にて3
%Al2Cl3、残りH2からなる混合気流中にて1時間をかけ
てχ−Al2O3被膜を0.5μm形成させて本発明品になる被
膜工具Aを得た。
次に上記の方法と類似した条件で、被膜形成時間を変
えて本発明品になる被膜工具Bを得た。
なお、上記した本発明品になる該工具A,Bならびに比
較品工具C,Dの詳細を表−1に示す。
(実施例2) 超硬合金P30相当品からなる硬物質体をCVDコーティン
グ炉内に設置し、まず20Torrの減圧下1000℃の加熱雰囲
気で5%TiCl4、10%CH4、残りH2の混合ガス気流中に
て、その表面へTiCを3μm被覆した。次に、5%TiC
l4、8%CH4、2%CO2、残りH2の混合ガス気流中にてTi
(C,O)を1〜2μm被覆した。その後1100℃にて5%A
lCl3、5%CO2、残りH2からなる混合ガス気流中にα−A
l2O3を1.5μm被覆し、さらに1060℃にて3%AlCl3、3
%CO2、残りH2からなる混合気流中にてχ−Al2O3を0.5
μm形成させ、さらに1000℃にて5%TiCl4、10%N2
残りH2からなる混合気流中にてTiNを1μm被覆させた
本発明品になる被覆工具Eを得た。
また、上記と類似の方法で被覆処理時間のみを変えて
本発明品になる被覆工具Fを得た。
上記した本発明品になる該工具E,Fならびに比較品工
具G,Hの詳細を表−2に示した。
(実施例3) Al2O3粉末にSiCウイスカーを40wt%含有させた繊維強
化型複合焼結硬物質体(SNG120412)をCVDコーティング
炉内へ設置し、これを1100℃の加熱状態で15Torrの減圧
下とさせ、5%AlCl3、5%CO2、残りH2からなる混合ガ
ス気流中にて前記硬物質体の表面へα−Al2O3の2μm
被覆し、さらに1060℃にして3%AlCl3、3%CO2、残り
H2からなる混合ガス気流中でχ−Al2O3を1μm被覆し
て本発明品になる被覆工具Iを得た。
また、上記と類似した被覆方法で被覆処理時間を変更
して被覆工具Iの表面にさらにTiNを1μm被覆した本
発明品になる被覆工具Jを得た。
以上の本発明品になる該工具I,Jならびに比較品工具
K,Lの詳細を表−3に示した。
(実施例4) Si3N4を主成分とする焼結硬物質体(SNG120412)をCV
Dコーティング炉内に設置し、これを1000℃の加熱状態
で20Torrの減圧下とさせ、5%TiCl4、10%N2、残りH2
からなる混合ガス気流中にてTiNを2.5μm被覆し、次い
で1100℃にて5%AlCl3、5%CO2、残りH2からなる混合
ガス気流中にてα−Al2O3を1μm、1050℃にて3%AlO
3、3%CO2、残りH2からなる混合ガス気流中にてχ−Al
2O3を形成させて本発明品になる被覆工具Mを得た。
そして、上記と類似した被覆方法で、被覆処理時間を
変えることによって本発明品になる被覆工具N、Oを得
た。
以上の本発明品になる該工具M,N,Oならびに比較品工
具P,Q,Rの詳細を表−4に示した。
[発明の効果] 表−1に示した被覆工具を用いて切削速度120m/min、
送り0.2mm/rev、切込み2.5mmにて被削材SNCM447の連続
切削テストを行ない、逃げ面摩耗幅が0.3mmに達するま
での時間を測定した結果、Aは15分、Bは17分、Cは8
分、Dは6分であった。
また、切削速度120m/min、送り0.4mm/rev、切込み2.5
mmにて軸方向に4つの溝を形成した被削材SNCM445を用
いて断続切削テストを行ない、試料が欠損にいたるまで
の衝撃回数を求めた結果、Aは2840回、Bは3030回に対
し、Cは1760回、Dは2120回であった。
表−2に示した被覆工具を上記と同様の施削テストを
おこなった結果、逃げ面摩耗幅が0.3mmに達するまでの
時間は、Eは17分、Fは18分、Gは6分、Hは9分であ
った。また衝撃回数はEは3240回、Fは3170回に対し、
Gは1600回、Hは1750回であった。
表−3に示した被覆工具は、逃げ面摩耗幅が0.3mmに
達するまでの時間が、Iは20分、Jは18分、Kは11分、
Lは10分であり、衝撃回数は、Iが5860回、Jは5720回
に対し、Kは4200回、Lは3160回であった。
また、表−4に示した被覆工具においては、逃げ面摩
耗幅が0.3mmに達するまでの時間が、Mは13分、Nは14
分、Oは12分、Pは8分、Qは7分、Rは5分であり、
衝撃回数は、Mが6720回、Nは6690回、Oは5950回であ
ったのに対し、Pは4860回、Qは4790回、Rは2980回で
あった。
本発明は、以上述べたとおり、酸化アルミニウム層の
下層部をα−酸化アルミニウムとし、その上層部をχ−
酸化アルミニウムとしたことによって優れた耐摩耗性と
耐欠損性を有し、安定した切削性が維持できる被覆工具
材料となった。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超硬合金やサーメットあるいはセラミック
    スまたは特殊鋼などの硬物質体を母材に用い、この母材
    の表面を、少なくとも酸化アルミニウム層を含む厚みが
    0.5〜20μmの範囲になったコート層で被覆した被覆工
    具材料において、上記の酸化アルミニウム層の下層部が
    α−酸化アルミニウムで構成され、その上層部がχ−酸
    化アルミニウムで構成されてなることを特徴とする被覆
    工具材料。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した被覆工具材料におい
    て、上記の母材と酸化アルミニウム層との間に、チタン
    やジルコニウムあるいはハフニウムなどの炭化物や窒化
    物ないしは炭窒化物で構成された層が設けられてなるこ
    とを特徴とする被覆工具材料。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載した被覆工具材料に
    おいて、上記の酸化アルミニウム層の表面側に、チタン
    やジルコニウムあるいはハフニウムなどの炭化物や窒化
    物ないしは炭窒化物で構成された層が設けられてなるこ
    とを特徴とする被覆工具材料。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れか1項に記載した被覆
    工具材料において、上記の酸化アルミニウム層の厚みが
    0.5〜10μmの範囲で、α−酸化アルミニウムとχ−酸
    化アルミニウムとの比率をχ−Al2O3/α−Al2O3=0.1〜
    10にしたことを特徴とする被覆工具材料。
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